在英の金田秀太郎より半賀豫兄へ「近く呈上します」とある、砲力解析資料の次回構成案。Dreadnought型の砲状や付録、表紙の備考を記す。
明治四十年二・三月に英国で金田秀太郎が記した「砲力の比較」。十二吋砲以下五種の砲力比較方法と、距離別の仰角・落角・存速・飛行時間を述べる。
「砲力の解釈」第一節・第二節の資料。砲力を破壊力・命中精度・操砲難易に分け、砲弾の穿貫力の式T=K√E/dと比較上の問題を述べる。
砲弾威力算定に関する資料で、穿貫力をE=1/2mV²で比較し、爆破力や12吋砲から4.7吋砲までの距離別威力表を示す。
「第一図 威力曲線」と題する砲力比較の折れ線グラフ。距離(碼)に応じた「12吋」「10吋」「8吋」「6吋」「4.7吋」各砲の威力低下を示す。
英国海軍砲弾を例に、弾丸作業量や薬量から直撃時の火災・破壊力を検討し、爆破力を口径の四乗に比例すると仮定して各砲を比較している。
弾丸威力における穿貫力と爆破力の関係を論じ、実弾・榴弾の区別、弾道平坦度の算出法と第四表のCotωを説明している。
「第二圖」「彈道曲線圖」などとある手描き風図表で、砲弾の弾道を距離目盛上に複数の曲線で比較している。
砲の射撃誤差と命中精度に関する資料。弾量差による射程誤差を式と第四五表・第五図で示し、仰角誤差の要因へ続く。
大平照準器の目盛ずれや艦の動揺による発射時の仰角差を論じ、仰角一分の差が射理に及ぼす誤差を第六表で示す資料。
仰角設定や初速差が射程誤差に及ぼす影響を論じる資料。Jarran の算式等を用い、初速差0.56%や第七表の算出を示す。
「砲力比較 在英 金田秀太郎」の付属説明図とみられる手書き折線図。14"・12"・6"等の砲口径別に、射角差や射程差などを比較している。
砲種・距離別の射撃誤差分析で、風力差が射程に及ぼす影響やその他誤差の扱い、全誤差Cの算出法と第八・第九表を説明する。
第九・第十表と第四図に基づき、砲の命中精度と射程・全誤差の関係を論じ、操砲難易として発射速度の区分を述べる資料。
「射程全誤差曲線」第4図として、命中精度曲線Aを示す資料。射程に関する全誤差と命中精度の関係を図示している。
砲の発射速度について、無照準・単砲照準・実施照準の定義と実戦射撃平均値の求め方を説明し、第十一表・第五図に各種砲の成績を示す。
Brulickの1903年・1905卒・1906年の成績や、Ramee、Armstrong、Vickers、Krupp等の略号を説明し、砲力尺と決定発射速度曲線を示す資料。
英国艦隊両年度の砲発射成績を基に、口径と照準発射速度の上限・下限を論じる資料。12インチから3インチまでの決定発射速度を示す。
砲力算定と「八)発射速度と射距離の関係」に関する資料。距離増大で照準が精密化し、発射速度が減少する理由を述べる。
「第六図 射距離と発射速度の関係曲線」および「第□図 砲力曲線」と記された、砲の性能関係を示す図表資料。
英海軍砲手検定射撃を基に発射速度を推算し、第十二表を示す。続く第三節では砲力P=KANEとして諸要素の配合を説明する。
「砲力表」と題する手書き比較資料で、距離3000〜9000における12吋、10吋、8吋、6吋、4.7吋砲などの砲力・弾量を表で示す。
大口径砲の砲力・距離関係を示す比較図とみられる。仰角「8°」「10°」「12.5°」「15°」等の曲線や数値目盛が描かれている。
「第四節 結論」は、Dreadnoughtと薩摩の砲力比較方法を論じる資料。発射速度や爆破力の仮定の限界、実射成績による改良の必要性を述べる。
手書きの「Main Battle ship」武装・砲力比較資料で、薩摩・香取・アイワル等の砲配置図と、射程別の実理砲力・極端砲力などの表がある。
薩摩・香取など大中砲混載艦の砲力比較と「砲力尺」是正の考察。距離・着弾観測誤差を加味し、各距離の表を示す。
観測者眼高hを二十五メートルとした射程誤差Δxの算定と、全般誤差・精度係数から砲力尺の妥当性を論じる資料。
手書き計算表「砲力比較 附録一」の図表。米突噸単位で弾丸存速における威力を換算する表で、十二吋砲・十吋砲等の使用法や「E=1/2mv²」を記す。
付録二として、本題の(3)式、(4)式および(6)式の出所を説明し、拙著『艦砲射撃学』の式を用いた微分展開を示す。
原式(46)や(36)式を参照し、(c),(d),(e)式と本題の(3),(4),(6)式の対応、計算上の符号や変形の注意を記した参考資料。