長屋の花見(二)

AI summary (β)
この文章は、長屋の住人たちが集まって話をしている場面を描いています。住人たちは不景気や仕事のなさについて愚痴をこぼしていますが、長屋の評判も悪く、貧乏長屋と呼ばれています。そこで、住人たちは花見を計画し、少しでも気分を晴らそうとします。しかし、用意された酒やご馳走は実際には偽物で、酒は煮出した晩茶、水増ししたもの、ご馳走も大根やたくあんで代用されています。それでも住人たちは楽しもうとし、月番の人が準備を進めることになります。
pid
1320307
date
1931-05
note
商品番号 : 51678, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
year
1931
genre
落語
creators
対象外[作曲], (三代目)三遊亭 金馬
duration
193
persName
対象外, (三代目)三遊亭 金馬
publisher
ビクター
おやさん何の御用ですいやお前さん方を呼びにあげたのは他じゃない 不景気だの島だの仕事がないとどこ行っても愚痴ばっかりこぼしてるじゃない いやな世の中だないくら愚痴をこぼしたって出に一線くれてがない それにだこの長屋のことを方々じゃ貧乏長屋なんというそうだな だからもっぱら評判です悪い評判だな 貧乏長屋となし長屋ね となし長屋というのは初耳だがなんだ 表のとはねえんつないことはな入れといたつもりだぞ へえる時にあったんつわで焚き付けに加わる程度みんなぶち返して押しちゃったんつ おいおい乱暴なことをしちゃいかないの 物騒じゃないかとじまりがなきゃ もし泥棒でも入ったらどうする 大丈夫です泥棒なんじゃ平陸ありませんよ そうか長屋からちょいちょい出ます おいこっちから泥棒を出しちゃいけないや それで銭湯で上野の花の噂からだ 表をごらん花見こそてでぞろぞろぞろ人が出ていく なるほど出やすねえずいぶん この長屋でもじゃ不景気追っ払いのために花見をもよそうと思うんだがどうだな へえ結果はですね上野飛鳥山向島その他に桜の名所もずいぶんある 飛鳥山がよかろうと思うんだが へえ大勢人は出やすからね ことによったらなんかしろえら なぜそんなことを言うんだよ で花見てぐるぐるとまったけいつくんすか そんな花見はない 酒なくてなんで己が桜かなだ ごらん一生瓶が三本あるだろ 切り溜めがあるその中になかまぼこに卵焼きが入っている それを持って行ってもらいたい へえ大変なご馳走ですねえ 行かないか? 行くよ お前は? 行く そっちは? 行きまーす 誰だい手あげてんな 学校行ったよじゃねえか みんな行くそうです ああそうかい それじゃあな 今月の月晩に肝心になってもらって晩時世話を焼いてもらいたいんだわ へえようがそう 長屋からいくらかもらえやすか いやおわしがいらないよ いらねえっておやさんにみんなとさっしゃきのとこだな いやそれを言われる程度わしもめんぼくない 実は酒も本物じゃないんだ え? いえ晩茶を煮出したやつに水をましたんだよ これが なるほどゆろきゃんよく似てるが少し泡が立ってておかしいと思ったがお茶ですかい? じゃあお茶系飲んでお茶かもりが始まるんだね きりだめの中のご馳走は? それがな かまぼこというのは大根の甲子だ で卵焼きというのはたくあんだ なんだい甲子ですか? バリバリかじってガブガブ飲んでおしまいだ いやそれがさ ガブガブじゃ面白くない お軽く願います おっとっとっととなんか言えば 旗から見て酒盛りしているように見えるだろう 苦しい思考だね だけど面白いや 出かけやしよ あそうか じゃあすまないけれども今月の月晩や あのお前の前にある毛線をとっとくれ どこに? 土間にあるだろ 土間に毛線があんなおかしいな むしろでしょ なぜむしろてんだ あたしが毛線と言ったら毛線でとりな わらの毛線 余計なこと言っちゃいけない これをどうするんです? 土間で真ん中をいわいてな しんばり棒を通して担いでってもらうんだ 誰が担ぐんです? 先ずめ今月の月晩と来月の月晩でな 悪いとき月晩になっちゃったな