短歌朗讀:北原 白秋:思ひ出序詩、断章
- AI summary (β)
- この文章は、ある女性の思い出について詩的に描写しています。思い出は首筋の赤い蛍や昼過ぎの曖昧な手触りのように、ふわりと青みを帯びた光や穀物の花、暖かい場所での出来事など、さまざまな感覚や情景と結びついています。思い出は笛の音色やハーモニカの音、ビロードカルタの匂い、ピエロの顔の寂しさなど、具体的なイメージを通じて表現されています。過去の思い出は、薄れゆくプラリネットの音や雨の日の何気ないもの、海のリンゴなどと重ねられ、哀愁や孤独感が漂います。最終的に、仲間を求める孤独な心情が描かれています。
- pid
- 3571401
- date
- 1937-09
- note
- 商品番号 : 33449, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 短歌朗讀
- year
- 1937
- genre
- 文学作品の朗読、解説
- creators
- 北原 白秋[作詞], 北原 白秋
- duration
- 177
- persName
- 北原 白秋
- publisher
- コロムビア(戦前)
思い出 女子
思い出は首筋の赤い蛍の 昼過ぎの覚束ない手触りのように
ふわりと青みを帯びた 光るとも見えぬ光
あるいはほのかな穀物の花か お地坊ひろいの小豚か
暖かい坂蔵の南で 引きむしる人の手の白い褒め着
音色ならば笛の類 聞きがえるのなく医師の薬の懐かしい番
薄ら明かりに吹いてるハーモニカ 匂いならばビロード
カルタのクイーンの目 胴下たピエロの顔の何かしら寂しい感じ
降月の日のようにつらからず 熱病の明るい痛みもないようで
それでいて 歩春のように柔らかい思い出か
正しいはが秋のリベンド
男性
今日も悲しと思いしか一人 夕べを
陣の覚えの音も細く一人かすかに 薬なき吹きすましたる我が心
薄き光に
ああ悲しい哀れ悲しい君は過ぎます
ひくりみじきメロディアの匂いの中に 薄れゆくプラリネットの音のごとく
君は過ぎます
暮れてゆく雨の日の何となきものをしばしばに 落としたるさわがき海のリンゴ
ああそのリンゴ 身をとらずひややかに行きすぎち人の後ろに
灰色の道ながきぬかる身に憐れん列 ただひとつもまろびたぐ燃え残る夢のごとくに
我が友は何処にありや
細わきの入り日の若ささみしらに一人眺めて
かぎさぐるピアノの弦のうつつなき高嶺の走り
かけはや一人の一人の今日も過ぎゆく
いやふりてなめ石はよよ真白に
いやふりて悲しみはよよ新しく
いやふりていや記憶よよ悲しく
仲間欲しさに我一人日焼き 針戸に手も当てつ
窓の彼方は赤赤と沈む 入り日の望みゆ
仲間欲しさに我一人