朗読:ベニスの商人(法廷の場)(四)

AI summary (β)
この文章は、裁判の場面を描写しています。裁判官が「じゅう」と呼ばれる人物に対して、法律に基づいた厳格な判決を下そうとしています。じゅうはキリスト信者に対して肉を切り取る権利を主張しますが、裁判官はその行為が法律に反することを指摘し、肉を切り取る際に血を流してはならず、正確に一ポンドだけを切り取るように命じます。さらに、じゅうが外国人であり、ベリス市民を殺そうとした場合、その財産は没収されると説明されます。最終的に、じゅうは法廷の決定に従い、裁判官の慈悲を求めるように促されます。
pid
3571950
date
1933-11
note
商品番号 : 35392, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 朗読
year
1933
genre
文学作品の朗読、解説
creators
坪内 逍遥
duration
205
persName
坪内 逍遥
publisher
コロムビア(戦前)
おぉ、迫楽なる裁判官、どうだじゅう。 なるほど、迫楽な裁判官様だ。 じゅう、彼の申し出、道理にします。 少々三倍にして謝らよう。 あのキリスト信者を許してやります。 その金はここにある。 待て、じゅうはあくまでも法律の名分通りの裁判を要求しているんである。 待て、急ぐには及ぼん。 じゅうは狩猟以外、何者をも受け取るべきではない。 おぉ、じゅう、かわめい盛大な裁判官さんだ。 なるほど、迫楽な裁判官様だ。 であるから、肉を切り取る用いわせ、血を流してはならんぞ。 また、肉はちょうど一ポンドだけ、それより以外、多くも少なくも切り取ることはならんぞ。 もし、いささかでもちょうど一ポンドの以上または以下を切り取るにおいては、 よし、それがたかが一分または一輪ほどの形状であるともいいや、 ただ、髪の毛一筋だけの両目の差をはかり皿の上に掃除るにおいては、 そのほうがの命はないぞ。 そのほうの財産はことごとここに募集いたすぞ。 いいわ、ダニエルさんだ、なるほど。 今、ダニエル様だ。どこだ、パチ当たり。 こざしたか。 なぜじょうは躊躇している。 かりょうをとれ。 もときんだけをうけとって、かえらせてもらいましょう。 とんから渡そうとしてここに持っている。さあ。 いや、かれは公の法廷において、それをうけとらんと申したのじゃ。 かれはただ、法律どおり、勝者どおりのかりょうの負荷をうけとることはあいならん。 いよいよ持ってダニエルさんだ。今、ダニエル様だ。 おいじょう、いい言葉を教えてくれてありがとう。 じょう、もときんだけもうけとれません。 そのほうがうけとるものといっては、いのちがけできりとるべきかりょうの負荷にはない。 じゃあ、うぬ、どうでもかってにしやがる。 もう、論判はむだめか。 まてじょう、そのほうにはまだ法廷のご用がある。 ベリス市の法律によると、外国人が当ベリス市民をころそうとした場合、 それが、ろけんにおよべば、そのざいさんをにぶんして、 ふがいしゃたらんとせしものば、そのいっぱんをとり、そのいっぱんはこっこにもっしゅうするきていである。 しこうして、そのはんざいしゃたるもののいちめいは、ひとえいにこごしゃぶのごじんじょにまかせ、 なにものもこれにたいして、いいを申したてることのできんことになっている。 そのほうのざいじょうは、まさにそれにそうとうする。 ちょくせつまたかんせつに、そこにいるしょうにんのいのちをうばわんとくわたせたことがめいようであるから、 ただいま申しかせた、ざいかはまぬかれんぞ。 であるから、すみやかにどめざをして、こうしゃぶのおじひをおねがい申せ。