落語:スピード成金(上)
- AI summary (β)
- この文章は、ある家庭での会話を描いたものです。主人公の父親が寝ているところに、アメリカから来た使者が訪れます。使者は、主人公の父親の叔父が亡くなり、遺産を相続することになったと伝えます。最初は冗談めいたやり取りが続きますが、最終的に遺産の額が800万円と聞かされ、驚いた父親が気絶してしまうという内容です。
- pid
- 3577390
- date
- 1936-04
- note
- 商品番号 : 67650, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1936
- genre
- 落語
- creators
- 柳家 権太楼
- duration
- 202
- persName
- 柳家 権太楼
- publisher
- リーガル
お父さん?お父さんったら、表が賑やかなのに寝てっちゃしょうがないな、お父さん。
うるさいな、大きな声出すんじゃないよ。
お前が大きな声を出すとね、もう二日も三日もご飯を食べないんだから、お腹に響いて、おげその皮と背中の皮がくっついて触るたびにくすぐったくてしょうがないんだよ。
お腹が大きくてお金がたくさんあってくすぐったくて笑うのはいいけれど、お腹が空いててお金がなくて笑うのはいけませんよ。
じゃあお父さん、また僕、今日も血色児童かい。
生意気なこと言うんじゃないよ。ごめんください。ごめんください。
北村一平さんというのはこちらですか。何です?
はてな、あんまり聞かないなですね。
お向こうが大谷さんですから、大谷さんで聞いてみてください。
お父さん、北村一平ってのはお父さんのことだよ。表札に書いてあるよ。
あ、そうかい。あ、もしもし。北村一平ってのはあたしだそうです。
あ、そうですか。実は私、アメリカから来たものですが。
アメリカから?
歩いて来たんで。いや歩いて来たわけではありませんが、あんたのおじさんがアメリカにおいでになります。
いや、アメリカにいるのはあたしのおじではないですよ。あれはあたしのお父さんの弟ですよ。
それじゃあおじさんです。あ、今度はそうなったんですか。
いや、そうなったわけではないですが、実は南米のブラジルでコーヒーの栽培をやっておいでになって、なかなか有力者です。
はあ、豚汁を売ったり、コーヒーを飲んでお金を払わないで、裁判になって。いや、そうではないんですよ。
ところが今度、突然御成居になりましてな。
あ、物好きですな。小学校の生徒になった。いや、生徒じゃない。亡くなったんです。
はあ、よく探しましたか。いや困ったな、これ。
みま買ったんです。あ、みんな買っちゃったの。困ったな。
つまりね、お饅頭になったというわけです。
あ、忍術を使って。どうしようかな、これ。
診断です。あ、なるほど。お弔いですか。
そうです。それについてですね、いざという時に、日本の東京にお弔いの北村一兵衛というものがあるから、財産を全部譲ってくれと言ってお亡くなりになりました。
それで私はその財産を持ってまいりました。
はあ、だけどくれるような財産ですから大したことはないでしょう。1円50銭もありますか。
いいえ、とんでもないこと。いろいろなものを入れると800万円からあります。800万円。800万円。
うーん、あら大変だ。うちのお父さんが延びちゃった。お隣のおじさん、来てくださいよ。お父さんが延びちゃった。お隣のおじさん。