無筆の手紙(上)
- AI summary (β)
- ある人が手紙を読んでもらおうと他の人に頼む場面です。手紙を読んでほしいと頼むと、最初は忙しいと言われますが、最終的に読んでもらえることになります。手紙は本庄のおじさんからのもので、内容を読み進めると、おじさんが病気で長くないことが示唆されています。手紙の内容を巡って二人がやり取りをし、手紙の裏表を確認しながら、手紙の内容を理解しようとします。
- pid
- 8266629
- date
- 1931-12
- note
- 商品番号 : K139, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1931
- genre
- 落語
- creators
- 林家 正蔵
- duration
- 204
- persName
- 林家 正蔵
- publisher
- キング
今は無意識なんて方は滅多にないですけれど、それでも字が読めなくて頑張っている人があるかと思って、そこにまた手紙読んでもらいに来たりなんかして、いろいろなわけで。
何をぐずぐず言ってんだ。こっちへ上がんなさい。何か言おうか。
ちょっと手紙を読んでいただきたいんですが。
手紙?
え?今忙しいからダメだ。忙しいとってタバコ吸って座ってちゃありませんか。これから忙しくなるんだよ。
なるったってそんなこと言わないで読んでください。仕方がない読んでやろう。出しな。
はい。
手紙だ。これ誰が何と言っても手紙だよ。何とも言わないんでございます。手紙ですから読んでください。
どっから来た手紙だ。どっから来た手紙って書いてあるでしょ。書いてあるけれど一応お前を取り調べて。警察だねまるで。
本庄のおじさんとっから来た手紙なんで。ああそうだ書いてある書いてある。本庄のおじさまより八甲へと。
やな手紙だね。当てない八五郎様とか何とか書かねえんですか。
生意気なこと言うな。おじさんお前の名前じゃないか。さまと書いてもらったかったらお前がおじさんになれ。
なるったってそうはいけませんやんなこと言わずに読んでください。読んでやるよ。
いやーこれはなんだな。おじさん気の毒だな。もう長いことはないぞ。患ってますか。
患ってるとは書いてないけれどわしは墨色の判断をするからね。こう薄墨で書くようになっちゃもうだめだ。
体の丈夫なの自慢にしてたおじさんなんだがそんなわけはねえんでございますが。
だめだ陰キャさんそれは手紙裏返しですよ。
いやーそうだ裏だ。こういうものは全て裏から見て買わないとどうもまやかしがあっていけない。
そらぎかなんか買うようだね。
全文御容赦下されべく僧侶と背景のぶればと一筆形状つかまつり僧侶こう見通りある。
どれでもいいので読んでやろう。よりどりだねまるで。
じゃあ全文御容赦ってところで一つ。
けれどもなんだぞ八子。この手紙について何かおじさんとお前話したことはないか。
ないことってそれは書いてあるけれどさ。これが手がかりとなって探偵だねまるで。
おじさんとこないだ日本橋のところで会ってね。
うちのしろめをしてお客を呼ぶのに金銭借りてくれって話でね。
それでよろしくございますって別れたんです。
うーんそうかいや書いてある書いてある。