落語:無筆の親(上)
- AI summary (β)
- この文章は、ある家庭での親子の会話を描写しています。子供が学校から帰ってきた際に、親に対して適切な挨拶をしないことを父親が叱っています。父親は、他の家庭の子供がどれだけ礼儀正しいかを引き合いに出し、自分の子供にも同じようにするように求めます。しかし、子供は父親の言うことに反発し、親の行動や態度を批判します。最終的に、親子の間での意見の食い違いが続き、互いに不満をぶつけ合う形で会話が進んでいきます。
- pid
- 8269133
- note
- 商品番号 : 1558, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- genre
- 落語
- creators
- 立花家 花橘
- duration
- 220
- persName
- 立花家 花橘
- publisher
- オリエント
さて、相変わらず、お罪のございません、お坊ちゃんの大噂を一適申し上げます。
お父さん、今学校から帰ってきたいが、一手遅れ。
なんかしゃがんねえ、こいつ。
親の顔さえ見たら、一手遅れ一手遅れと全然死んだもんじゃ、見たように。
なんじゃい、その不協議は。
きっと本家のぼんぼん見習え。
学校から帰ってきたら、お父さんの前にちゃんと手を伝えて、ただいま帰りましてございますと、丁寧に挨拶してるわい。
ねえ、偉そうに言いないな、お父さん。
本家のおじさんなどはな、いつでもすぐうそつわって、新聞でも読んではるよってに、そんだけの形式ができるねえ。
うちのお父さん見てみな。
いつでもジョラ君で酒ばっかり飲んでるねえ。
お父さんばっかりやり、他んまでが酒飲んでるねえ。
そんなとこで挨拶ができるかい。
こら、生意気なこと言うなよ。
こら、親で。
こら、親じゃい、偉そうに言いないなよ。
親当たりがいやがな。
もう、こちゃこちゃ言うなよ。
だっちゃったなあ。
こちゃって。
やれへんわい。
やれへんってお父さん。
無駄なことにすんではないねえ。
成長した神をな、徳ちゃんに借りたんねえ。
それこうてかやすねえ。
なんかしらんねえ。
成長、成長と。
学校でしてきた成長は、親にいっぺんなと見せたことあるかい。
また見せたかてわかるかい。
こら、われこしらえた親じゃわい。
またしても偉そうに親の権利を売るなえ。
われこしらえた親なんて、親がこうこしらえるので当たり前やがな。
こうが親こしらえたら、そしたら勝ちだいのや。
なんてもん、ちっちゃけたるなあ。
じゃねえ親をさんもの値打ちもないように思やがって。
またそう考えても、いちもの値打ちもないわ。
こら!
ほんまに親をなぶりやがったらえらいぜ、このあずき。
見せてみ。
今日でけたったら、ほうびにいっぺんぐらいやるわ。
そうか。
なあ、お父さんこれや。
こい、このあいだすぐに一生こうたったやないかい。
意味ぐらいを教えなきにもっとこうって。
違う、見ろえ。
お父さん、そら成長、裏見てるねえ。
あ、裏か。
もうわかったるわえ、裏は。
成長地が裏からさっきいっぺんにかこぼんぜ。
まあ、かっこのある地にかけやがって。
この上の地に、この挟んだこという地のかっこが悪すぎるわえ。
お父さん、そら挟んだこや、あれへんやな。
そら中元の五臣やかいの中という地や。
中という地やで。
せやせや、お父さんの若い自分には、
お父さんの若い自分には、こら、挟んだこと呼んだんぜ。
だんだん世が変わる中と地まで変わってくるわえ。
なあ、けど考えてみ。
中元だって挟んだこってかまへんのぜ。
なんでや。
なんでって昔は中元というものが挟んだこをかついて歩いたもんぜ。
そらお父さん、中元の意味がちがうが、
意味も運もふとなくかい。やかまって言うなえ。