演説:普通選挙について(六)
- Lyricist / composer / arranger / performer
- 尾崎 行雄
- Label
- コロムビア(戦前)
- Genre
- 講義、講演、演説
- Publication date
- 1928-03
- Category (AI-assigned)
- 政治
- Keywords (AI-assigned)
- 選挙, 減税, 増税, 中立者, 景気回復
- Notes
- 商品番号 : 25290, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 演説
この道理と計算がわかったならば、全国選挙人は両大政党、すなわち両大増税党に投票を入れずして、その他の中立者たる減税派にいるべきはずである。
減税派に入れて、その投票は全時増え、両大政党の投票が減るという事実が現れるならば、それが風見となって、ついには両大政党もだんだん方針も転換して、
今日の増税党はやがて減税派となり、不景気の原因もここに除かれて、全時景気回復の諸行が見えるようになるかと思います。
世の中には、少数者に投票を入れることを無効と考えるものがあるけれども、そうでない事実は最近にも現れており、
かの、軍備制限問題、はじめは極めて少数なる人々の主張であって、両大政党は絶対反対であったにもかかわらず、それがついに実現されて、
今日では毎年4億万円以上ずつ全国人民はこれがために助かっている。また普通選挙もはじめは少数者の主張であって、両大政党は絶対に反対し、
政友会のごときはこれを危険思想と考えて、ついに議会まで解散いたしたにもかかわらず、今日は両大政党ともにこれに屈服して、現に不戦の世の中となっている。
この実験を見たところの選挙人は、今日の総選挙においては、ぜひとも時代思想、大きいものに屈服するというような、
いやしき思想をやめて、正しきものに投票する。中立者でも何でも、減税論を主張する者には投票を入れるという方針を取ったならば、必ず両大政党をして、遠からず現在の増税方針を転換しもることができるに違いないと思う。
これが全国人民の利益であって、また国家に尽くす要因である。そうなりますれば、やがて減税という日が来たり、税を減ずれば、どれだけか不景気はだんだん和らぐ。
ここに景気回復の諸行が現れて、世の中は生きるかもしれないけれども、今日のままでいけば到底その望みはないのでありまするから、ここにおいて全国選挙人は、この不景気を直そうとするならば、なるべく両大政党に投票を入れないようにするより他に道はなかろうと思う。
私は両大政党には共に深き関係を持っておりましたから、彼らについて悪言を払うことは好みませんけれども、国家のためにはやむを得ない。
今日の不景気を直さんように、直さんようにと知らず知らず持っていっとるものはこの二大政党であって、その証拠は大正9年以来、今日に至るまで非常に税が増して年々の予算が膨張しておるという事実が何より有力にこれを証明いたしておるのである。
この事実に対しては何とも反対することはできないはずであります。