朗読:ハムレット(生死疑問独白の場)(ニ)
- Lyricist / composer / arranger / performer
- シェイクスピア[作詞], 坪内 逍遥∥脚本, 坪内 逍遥
- Label
- コロムビア(戦前)
- Genre
- 文学作品の朗読、解説
- Publication date
- 1933-11
- Category (AI-assigned)
- 人生・哲学
- Keywords (AI-assigned)
- 苦しみ, 死, 運命, 解放, 良心
- Notes
- 商品番号 : 35389, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 朗読
世にある、世にあらぬ、それが疑問じゃ。
残忍な運命の矢や石投げをひたすら絶えし呑んでおるが大丈夫の志か。
あるいは生み出す患難を迎え討って戦おうて根を立つが大丈夫か。
死は眠りに過ぎ、眠って心の痛みが去り、この肉に付きまとうておる千百の苦しみが除かれるものならば、
それこそ飢え物を願わしい大終焉じゃが。
死は眠りに眠る、おそらくは夢を見よう、そこに触りがある。
この境外の患いを事ごとく脱した時に、その覚めぬ眠りのうちにどのような夢を見るやら、それが心がかりじゃ。
うき世の苦しみを我から長引かすの、きょうはこれがためじゃ。
堪憲のただひとつきでやすやすとこの世が去られるものを、ただおめおめと忍んでおるごぞ。
世の両逆や恥ずかしみを、逆死の非道、おもる八幡の王兵、
敵わぬ恋の切なさ、長引く裁判のもどかしさ、
役人らの存在、官人すればよいことにして君子大臣をもしえたぐる精進どもが無礼など、
もし死後のあやぼみがなくば、
他がこのいやな世に汗を流してうめきながら、
このようなおもにを忍んでおるごぞ。
かつてひとりの旅人すらも帰って来ぬ国が心ごとないによって、
知らぬ片国に行くよりはと現在の国を忍ぶのであろう。
まっそのごとく、なまなか良心があるゆえに人が臆病者になる。
まっそのごとく、せっかくの決心が取り越し苦労のために、
青城なえ衰い十大金融の計画もそのために横へそれて、
遂に実行の名を失うよ。
懐かしいオフィリオのお姫神、
わしが罪の消滅をも祈り添えておいて給れ。
御前様、この城はいかが渡らせられます。
ありがとう。
たっしゃじゃ。