演説:正しき選挙の道(下)
- Lyricist / composer / arranger / performer
- 尾崎 行雄
- Label
- コロムビア(戦前)
- Genre
- 講義、講演、演説
- Publication date
- 1930-01
- Category (AI-assigned)
- 政治
- Keywords (AI-assigned)
- 不景気, 議会, 解散, 不正, 投票
- Notes
- 商品番号 : 25789, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
佐々木谷、今日のような不景気の極端に達している場合において議会を解散をいたし、
金銭と労力において五千万円以上、一億円をただ捨てるといえば、
これがまた不景気を一層深刻にする原因となるのである。
過去のごとき場合において、過去のごとき不当の解散を創生するということは、
確かに一つの過ちであるから、この過ちをはやはり投票を入れないという働きによって罰せなければなる。
およそ、善はこれを承知、悪はこれを凝らしてすら、なかなか悪人は絶えないものである。
いわゆる政党が、両大政党をともに不愛をいたして、
続々、疑獄事件関係者を出し取る場合において、ますますこれに多く投票を入れれば、
これは疑獄関係者を出したがために褒美をやるということになる。
すなわち、善を成した者はこれを罰し、悪を成せばこれを証するということになる。
投票が減らない限りは、彼らはいつまでたっても不愛をやめる気遣いはない。
元来、政党の不愛ということは、投票を得たいがために起こったのであって、
しかおいて不愛すればするほど、投票を受け入れれば、
いかなる手段をもっても政党の覚醒をすることはできませんから、
いやしくも政党を愛する者があったならば、
悪事をした場合においては、その投票を減らすよりほかは仕方がない。
いわゆる両大政党の不愛は、どちらがよけいであるかを、
誰にもわからぬほどの程度に達しておるのであるから、
どちらがよいとか悪いとかいうことは、
国家的見地からいっては判断することはできないはずである。
いわゆる今日の場合においては、
まずどちらが先に覚醒の端緒を開くかということの明らかにわかるまでは、
できるだけ両大政党には投票を入れずして、
いまだ不愛せざるところの他の小政党もしくは独立の候補者に、
できるだけ多く投票を入れるのが愛国者当然の務めとなるのであります。
いわゆる私は、このたびの選挙に対する表語としては、
清き一票は清き仲間に入れよということにいたしたい。
よし、政党中に人格者があっても、
政党に身を置く以上は、その人は党議に束縛せられて、
悪い幹部の命令通りに議会においては働くのであるから、
善人といえども悪人と同じことになるのである。
ちょうど盗賊の軍に行って盗人の撤退をする以上は、
いかなる善人といえども、これを善人として扱うことはできないとなし、
はずの筋のものでありますから、
残念ながらいかなる良い人といえども、
政党におる間は、今日不愛が直らん限り、
これに投票を入れるということは間違いである。
日本の政党はことに、党議で束縛して、
みな一体となって歩くことになっておりますから、
善悪の区別は少しもないのである。
善人も悪人とともに歩きます。
現在の政党にもたくさん善人はあるけれども、
それがみな悪人と一緒に歩くから、あの通りの悪事は働く。