歌舞伎:髪結新三(下)
- Lyricist / composer / arranger / performer
- 河竹 默阿彌[作詞], 市村 羽左衛門, 松本 幸四郎
- Label
- コロムビア(戦前)
- Genre
- 歌舞伎
- Publication date
- 1933-08
- Category (AI-assigned)
- 死刑
- Keywords (AI-assigned)
- 死刑囚, 死刑執行, 執行人, 苛立ち, 運命
- Notes
- 商品番号 : 35374, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 歌舞伎
その死刑者、今日来るか? 明日来るかと、あの時から毎日待っていたところ。
一日経っても来ねえから、しっかしのねえ親父だと、
てめえの古文に追うたびに、ことづけ同様悪く言ったが、
つんぼうじけその耳へ、ようやくそれが聞こえたか。
雨の降るのに深川まで、ぼくぼく足を運んできたな。
ぼれたようでもさすがは芸師、命を捨てによく出てきた。
なんと、ちょうどところも寺町に、茶葉とメイドの別れ道。
その身の罪も深川に、橋のなさえも縁窓。
鬼と言われた芸師が、ここで命を捨てるのも、
ガキよりよえい商売の、地獄のかすりをとった報いだ。
てめえもおれもあそびに、ひとつ釜とは言いながら、
ここは地獄の暗闇でも、亡者の中の二番薬。
業の計りにかけたらば、半目も血を入れずに死んざ。
こんなでええもそのうちに、てっきりあろうと錠張りの、
鏡にかけて懐に隠しておいたこの合口。
刃物があれば鬼にかなぼう。
どれ血まぼれ仕事にかかろうか。
いかにところが寺町とて、まだ二番も来ねえのに、
聞きたくもねえ地獄の言いたて、無情を告げる八幡の、
死での山金三頭の川端あたりに見る目かぐ花の、
人の小沼にちっとも早く、迷路の先駆けさしてやろう。
もうろくじじいめ、かごうしあれ。
なにを。
さあ、たこい。
サブタイトル キョウ