関東震災に就て(一)

Lyricist / composer / arranger / performer
今村 明恒
Label
ビクター
Genre
講義、講演、演説
Publication date
1930-03
Category (AI-assigned)
自然災害
Keywords (AI-assigned)
大震災, 火災, 死者, 損害, 津波
Notes
商品番号 : 51166, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 注記 : アーチスト1今村 明恒は、理学博士, 講演
大正12年9月1日、相模湾に起こった大地震は、関東南部に大震火災を引き起こし、10万の死者を生じ、55億円の損害を与え、震災の歴史に新しい記録を作ったのでありますが、 しかしながら、地震としてはありがちの程度に過ぎなかったのであります。 この生命財産の損失の大部分が火災に基づいていることは断るまでもないことでありますが、 もし火災さえ起こらなかったならば、すなわち震災を最初の1分間だけのものに食い止め得たならば、 さらに言葉を変えて申しますなら、地震に出会った全ての人の努力が火事をもみ消すことに向けられましたならば、 人命財産の損失は実際の20分の1以下に過ぎなかったであろうと思われます。 この地震の性質を安西2年の江戸大地震に比べる人がありますが、これは適当でありません。 安西地震は江戸だけの大地震、家屋の壊される区域が2、3里あるいは4、5里の範囲にしか広がらない極部地震の部類に属するものであります。 これに反して、今回の大地震は破壊力が関東の大部分に広がるほどの非極部大地震であって、 その上、関東の南東は2メートルも高まり、北西は2メートル下がり、海底はさらに大きな変動をなし、津波までも引き起こされたのであります。 大正12年から220年前、元禄16年11月23日の大地震はこれと同じ性質のものであって、規模は一層大きかったのでありますが、 損害は遥かに小さく、死人5,300人に過ぎなかったことは注意すべきことであります。 ご視聴ありがとうございました。