県政ニュース 第3巻
- AI summary (β)
- 戦後の日本の経済は厳しい状況が続いており、長野県も例外ではありません。長野県は昭和25年からの赤字が16億2千万円に達しています。主な原因は、国からの補助金が十分に支給されないことや、県の実情に合わない国の基準により、必要な経費が増えていることです。長野県は広大で地形が厳しく、県の仕事には多くの人手と経費が必要です。教育、災害復旧、農業支援、失業者支援など、多くの分野で費用がかかっています。県は赤字解消のために節約を進め、国に対しても財政支援の強化を求めています。県民の協力も求められており、明るい未来を築くための努力が続けられています。最近では農作物の豊作や文化イベントの成功、松本城の修復完了など、明るいニュースもあります。
戦後の日本の経済は、年々苦しいやりくりの連続です。
戦死水明を誇る長野県も、財政の面は日の来るまで、昭和25年からの赤字が積もり積もって16億2千万円。
一体この赤字はどうして出たのでしょうか。
まず、国の仕事を県が任されて行っている者には、国から補助金が来ます。
また、各府県が平等に仕事ができるように、国からお金が来ることになっています。
しかし、国でも苦しいやりくりをしている状態で、県が予定しただけのお金が満足に入ってきません。
これが県の赤字の最も大きな原因の一つです。
また、国では各府県のいろいろな仕事の基準を決めています。
しかし、長野県の実情は、県民福祉の向上を図るたびに、国で決めた基準よりも多くの経費がかかっているのです。
それは、いろいろな仕事をする上に、特別な事情がたくさんあるからです。
長野県は全国で3番目に大きな県です。お隣の山梨県の3倍以上もあります。
長野から飯田へ行くのにも、東京へ行くのと同じ時間がかかるのを見ても、面積の広いことがわかります。
しかも、山また山の不便な土地が多く、川は急流ばかりで、したがって県の仕事をするには、どうしても人手や経費が多くかかります。
例えば、ここは山の中の文校です。
小さな部落がとびとびになっているので、文校の数も多く、生徒はわずかでも先生は大勢必要です。
県内にはこのような文校が350もあり、県立高等学校の数も全国で多い方です。
県の仕事をするために必要な県税を集めて歩くにも、並大抵ではありません。
内部でも県政のいろいろな仕事に携わる人々が一生懸命に働いています。
これらの人たちに要する経費も相当なものです。
さらに、たびたび襲った台風の被害も大きく、これらは一日も早く復旧しなければなりませんでした。
重さを制限しなければ危ない橋は掛け替えたり修理しなければなりません。
こんな橋が県下に800以上もあります。
水害を防ぐためには水防資材を蓄えたり、堤防の補強も揺るがせにできません。
奥山の材木を運び出すための林道も切り開かねばなりません。
依然として住宅難に悩む人々のために、県では苦しい財政の中で住宅建設に努力しており、全国でも優秀な成績を示しています。
昭和21年から現在まで約2万500戸が建てられています。
また農作物の例外や灌漑のためにかかる経費、
病虫害を防ぐための経費、
乳乳やヤギなど家畜の導入に要する経費など、農業を盛んにする仕事にもたくさんのお金が使われています。
大きな機械の持てない工場には、県から機械を貸してその経営を助けています。
失業者にはその日その日の食を与えるようにしています。
身寄りのない老人の面倒もみなければなりません。
不幸な子供たちにもこのように温かい手を差し伸べて、立派な社会人に仕上げていかなければなりません。
そして冬が来れば積雪管理地としての経費がかかります。
このようにやらなければならない仕事が多くあるのでたくさんのお金がかかります。
そこで8月の定例県議会でも県の赤字をなくすためいろいろと検討されました。
問題についてもちろん国には迫りますけれども当面の問題としては県は県としての考え方のもとに進んでいかなければならないと思うのであります。
県では前々から赤字をなくすために努力し、昭和29年度には次のように節約することができました。
消給延期、旅費諸手当の減額など2億7,900万円、事業費1億1,700万円、その他1億500万円、節約合計額5億100万円、そしてさらに赤字をなくすためのいろいろな努力が続けられています。
すなわち人件費の節約や機構の再検討、事務費の節約、いろいろな補助金の減額または打ち切り、事業は最も重要なものから行う。
これらの対策と同時に国に対しては国から来るお金の率を引き上げる、税財制度を改める、赤字財政の立て直しをする法律を作るなどいろいろな面から強く要請しています。
またこのためには県民皆さんのご理解ある協力が望まれているのであります。各市で県財政への赤字を一日も早くなくし、明るい立派な長野県を打ち立てなければなりません。
今年は順調な天候に恵まれて農作物は大豊作。稲を刈る人の手元も弾んでいます。
秋の日差しに美しく光るリンゴの色と共に乙女の頬も輝いています。
美術の秋を飾る県店がふたを開けました。力作ぞろいが人気を呼んで各会場は連日ににわいを見せています。
修理のため5年前に取り壊した国宝松本城はこのほど見事に出来上がって10月1日落成式が盛大に行われました。
遠い昔の桃山時代を忍ばせる美しい姿を誇っています。