美人草
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- 多賀高忠
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- 多賀高忠
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- ビジンソウ
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- 東北大学
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宿川
全
美
美人草
一幾人奉一本雑上目録
就二テ弓馬ノ儀一大概聞書
一にぎり巻様の事
けゆび梅がけゆひ緒の事
塩矛文庫
三ゆがけに。ぬふまじきかはの事
四百四十四ゆびかは。当世。こと草にて。つゞ事
五ゆがけ。一具さす事
六一具ゆり遣さして貴人の前へ出る事
七太の時。こてさして。貴人の前へ。出る事
八かちだちを射る時。右ゆがけの事
同文武一
九馬の上にて。ゆがけさす事
十屋ぶさめの時。ゆがけの緒。とむる様。こと
十一ぐ足きて。三局まく事
十二何にてもあれ。かちだちにて村時弓惣の事
十三ゆがれを。手袋といふ事
十四世がけを。一具と云事
十五ゆがけを。左ばかりさす事
十六馬のうへにて。一ぐゆがれを。さす事
十七むちは。熊柳本たる事
十八むちの長さの事
十九むちのをの事
二十とつかの。かはの事
一何むちにも。とつか有へき事
廿二竹の根のむちの事
一介三犬討り時。討手鞭の事
廿四むちの緒の事
廿五射手のむちのをの事
一廿六紫竹のむちの事
一廿七とつかの事
一廿八むかばきの事
○文文卓上
一女九行騰のわり合の事
三十熊の皮に。豹虎をわり合事
卅一秋ふた毛。と夏毛との事
卅二ぬりむかばきといふ事
一卅三行勝の事。笠懸流鏑馬。神事に討る事
一廿四むかばき長さの事
一女五行騰。おこりの事
一卅六御所様御むかばきの事
廿七むかばき。こしの事
一卅八流鏑馬。笠懸。大追物の事
一廿九むかはきを。鞍にうちかくる事
四十一手しんとうの。こしらへ横の事
四十一ふしは。すげふし。本たる事
四十二ふしは。三ふし。本たる事
一甲三じんどう。長さの事
四十四一手しんとうを。さうに。こしらゆる事
一四十五一午四日。からの事
一四十六四日の。三匁せの事
一四十七常の四目のから。しら箆たるへき事
四十八かふらの。こしらへやうの事
同文章仁
□□□□
四十九四十九四ツ矢うちむきの事
五十箆は。しらのたるべき事
五十一はぎ事は。片手いとの事
五十二ふしは。羽中を。しやうずへき事
五十三矢つかの事
五十四かふら矢に。二ふせといふ事
五十五品ふらのからの事
五十六はしり羽に。真羽を付る事
五十七かふらの。長さの事
五十八かりまた。寸法の事
五十九かぶら矢。あしらへ柳の事
一六十かりまたのからしら籠。本たか事
一六十一笠懸犬射から。前目から等の事
六十二征矢。こしらへやうの事
六十三羽は。まとり羽。本たか事
六十四しらのゝ事
六十五ねまるねの事
六十六とがり矢の事
六十七しがり矢を。ゑびらにさす。やうの事
一六十八小笠懸の矢。こしらへ横の事
定金二
知人草一
六十九羽に鶴の羽を。付る事
一七十小笠懸のからに。ふしかげをとる事
七十一引目の事
七十二的矢。こしらへ横の事
七十三のごひ箆にもする事
一七十四矢に鷹の羽付る事
七十五山鳥の尾矢に付る事
七十六笠懸からの事
七十七羽は。真羽本たる事
七十八引目。赤うるし本たる事
七十九矢の羽たけの事
八十犬射から。まぜはぎの事
八十一まぜはぎに。鷹の羽をする事
八十二少人の犬討から。染羽の事
八十三染羽には真羽のじら尾たる事
八十四矢に三付り羽の名の事
八十五矢の羽に。やり羽といふ事
八十六うるしはぎの事
八十七刻目。本説の事
八十八犬村から。白篦たるべき事
笑ん車に
八十九大射から。かばはぎたる事
九十犬討からを。こがしのにする事
九十一とがり矢。そや。百矢なとの事
九十二大的串等の事
九十二大的の串は。しろかるへき事
九十四おりりけくしの事
九十五弓のちからのこと
九十六号を一力二力といふ事
九十七号を二人はりといふ事
九十八矢つかなんぞく引といふ事
九十九二の矢と云事
一百すかりまたといふこと
百一弓をはる時。うらはずの事
百二弓を。主人。又貴人に出す事
百三号をはりて弦をくひしめす事
百四割出物に。弓ばかひいだす事
一百五号懸に。弓をかくる事
百六下人に。うづほ付させて。弓持べきやうの事
百七号袋に入たる間の事
百八うつぼに。さすべき矢の次第事
浅草上弐
百九うつぼに。矢を六さゝぬ事
百十うつほのみに。しんどうさすへき事
美人草下目録
百十一むち。とじんとうとさす事
百十二うつぼ付て。むちばかりさす事
百十三じんどう。小者にさゝする事
百十四じんどうを。わがさすり。小者に。さくするとの事
百十五遠矢。封様の事
百十六聖山様なとに。小者中間に引目さゝする事
百十七四目。うつぼに。さす事
百十八小笠懸。ふせ鳥の事
百十九大的丸物の事
る辛号がへしの事
百廿一じんどうの事
葉二まぜはぎのからの事
百廿三かりといふ事
百廿四野山のかりの事
百廿五里場の禄の事
百廿六かりことばにうつにひかゆると云事
百廿七一ひきの物射ぬといふ事
長人卓二
第一章一七
百廿八かりくらといふ事
百廿九こと葉に。めかといふ事
百三十かりことばの事
鼻一しかきにたつといふ事
百卅二さがない馬の事
百卅三ことおつる物の事
百卅四こかされてと云事
百卅五嶺こす物の事
百卅六色をこす物の事
百卅七かり場の時。むかばきの事
百卅八鹿笛の事
百卅九まきめのしらの事
百四十あさはみの事
百四十一おほつれ。おほしむれと云事
百四十二しゝの行さきを討ると云事
百四十三鹿を射て。矢こたへの事
百四十四百四十四日さて馬を出す事
百四十五めゝと矢こたへを。する事
百四十六しゝにあたる矢の事
百十七鹿に同屋うに。矢射つくる事
長人事上
一百四十八まへをきの物といふ事
百四九前をきの物を。射ると云事
百五十鹿にても。前置の物にても。討る時の事
百五十一前をきの物。射る矢の事
百五十二前置の物。引目じんどうにて。射る事
百五十三いとりの物の事
翌十四村つけてやると云事
一百五十五笛の鹿の事
一百五十六大事の物。討あとんとする事
百五十七し。大事物。いる時。せぬと云事
百五十八ふせ鳥。かけ鳥。射る事
一百五十九鳥をいる程に。馬にのる事
百六十ふせ鳥なと。馬より下て射る事
百六十一かけ鳥をいる事
百六十二むかひて。鳥の立はしるをいる事
百六十三ふせ鳥。かけ鳥。いる時の事
百六十四ふせ鳥といふ事
百六十五島にてもあれ。鶏にてもあれ。見付ている事
百六十六ふせ鳥いる時。女鳥馬の事
豆十七かりまたたばさむ事
定金二
百六十八小島なと。けたぬがて討る事
百六十九主。又は貴人に。鳥を射て。出す事
百七十木島いる次第の事
百七十一水鳥をいる事
百七十二船中にて。弓返しせぬ事
百一十三こうしを。討へき事
百七十四射ましき鳥の事
百七十五矢ひらきにせぬ鳥の事
百七十六矢開に。もちゆる鳥の事
百七十七一手じんどうにて。はさみ物射る事
百七十八四目にて。しきのけさみ物。いる事
百七十九矢頭にて。草鹿等の物討るなり音の事
百八十四目にて。草鹿等射る。矢音の事
百八十一かふらにて。物を射る。矢をとの事
百八十一余りまたにて。物を討る矢をとの事
百八十三そやにて。物をいる矢音の事
百八十四丸物討手日記の事
百八十五百八十五畿の日記の事
百八十六三物の事
百八十七五物と云事
十
友人草上
百八十八武田。小笠原。両流相違の事
百八十九うさぐりの事
百九十馬にのりて。弓もつ事
男十一雨ふりの時。弓持事
百九十二夜に入て。矢をはぐる事
百九十三うつほ。根本の事
百九十四うつぼ。つ気やうの事
百九十五うつぼのをの事
百九十六馬の上にて。うつぽ付る事
百九うつほつけて。弓に。物を取そへぬ事
百九十八馬の上にて。弓持ての礼の事
百九十九主の供の時。腰当の事
二百万のさきに。間をもたする事
二百一自然両の手。用の時の事
二百二矢頭なとにて。物を討る時の事
二百三征矢には。かりまたをば。さらぬ事なり
二百四征矢をは。をふと云。空穂をは。付ると云なり
二百五夜別目討るには。大射引目本なり
二百六ぬりたる弓に。矢すりかふら藤の事
二百七三的といふ事
之命一
美人草山丁
十一
二百八下地の馬といふ事
二百九つくり物なとの事
二草羽の一尻の事
二百十一羽のほそき方の名の事
二百十二号を。人に出す事
二草三剤目どうまきの事
二百十四ともかは沓の事
二百十五刻はだ切付の事
二百十六大討からの事
二百十七からひつより。具足取出事
二百十八かふと。主人に。見する事
二百十九百九十九月二百九十
二百女神前にて。下馬事
二百サ一鞍置たり馬にぴり横事
二百二矢のたふれといふ事
二百三ふくろふの羽を。矢に付ぬ事
二百廿四うつほにさす矢のこしらへ精の事
二百英お陣に。可レ乗馬。いはひ候事
美人草上下目録畢
十一日
翁人草上十二
美人草上
にぎりの葛様の事。と竹の肉かどの。竹と木
とのあひより。まき出すへし。百とむかには。と竹
のとかどの。竹と木とのあひに。巻とゝむる也。
上下三童づゝは。あひもなく。しかとならべて南
へし。中を少あひを置て。手たまりのある様に
巻へし。かはの数。いくまきとは。さだまらぬなり。
人の手によるへし。草は。黒草本なり。これ白
木の菊横なり。ぬり弓は。あひをめけて。しかと
まくなり。うち〳〵の弓はふすへ草にても。くるし
からす。略儀なり
二
一遊がけのゆびをつぐ事。頼朝大将の御時。冨士の
まきがりの時久かりを。せらるゝによりて。大ゆび
とくすしゆびのかはに。つかづよくあたる間。屋ぶ
れたり。其時。大橋。とくすし橋ばかひを。ことかは
にて。つぎはじめられたり。それより。おもしろき
とて。其後より。くすしゆびとたけたかゆびを
二ツつぎて。今にいたりて。つぎ来かなり。はじめは
大橋。とくすしゆびとを。つぎたり。根本は。ことか
へにて。猫をつがぬなり。さるによりて。とも草に
無人草山十三
て。ゆびを。つぎたるなり
一ゆがけに。ぬふまじき草の事。にしき草。又
何にてもあれ。無紋の草にて。ぬふまじきなり。
たとひ。こと草にて。ゆびをつぐとも。それは。略
儀也。にしき草とは。おもてかはのことなり
一遊が気のゆび卒。当世。こと草にてつぐこと。略
儀や。ゆびをも。おなし草にて。つぐべきが本也
をの草には。紫草を付へし。紫草本にはあら
す。当世。用付たる也。ゆかけ草。何卒とはざだ
まらぬなり。世かけの草にて。結をもつくる也
但見にくきあひだ。紫草にて。もちゆるや。ゆがけ
の草。とゆひ草。とをの草と。三色。べち〳〵の皮
にては。せぬことなり。ゆびの草にても。早懸の
皮にてもあれ。緒を付通し
五
一遊がけを。一具さす時は。右からさして。取時は左
からとるなり
一一具ゆが遣さして。貴人の前へ。出ることあらは。左
ゆりけから。両方なからとりて出べし。とるひま
なくは。左ゆうけばかり。とるべし。又左右のた
おほひを。むくりかへしも。する也。左ゆがけを
文之卓上
交ノ事一
取時は。右のたおほひを。むくるまじきなり
一犬の時。こてさして。貴人の前へ。出ることあらば。
左ゆがけより。とるべし両方の緒。とくほどの
ひまなくは。かたゆがけを。とるへし。かた弓懸を
とる時は。右をとるべし。これは犬追物の時ばかり
に。かぎりたること也。こてさして。すはうの時も。大臣
物の時は。かたゆがけとらは。右をとるへし。す
はうの時も。こてさしたる准據なり。右ばかり
とる時は。左のたおほひをそ。むくかまじきなり。
かたゆがけ。とるひまなくは。こてさしたりとも。
両方ながら。たおほひを。むくるへし
一かちたちをいる時。右ゆかけばかりさしたる時。貴人
の前へいでは。ゆがけをとりて中出。ひまなくは。
たおほひを。むくるべよし
馬の上にては。いつもゆがけさすへきや。弓をもた
すともさすへし。むかしは。いつも馬の上にて。まを
もたぬ人をは。おかしき事にいふ也。されまゝちを我
主たぬ時は。人に持する間。ゆがけを。馬の上にて
さすは。何時も。弓をとりて。討べきためなり
屋ぶさめの時。ゆがけの緒。とむる様の事。例式
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
三酉まきて。手のこうにて。一むすびづゝ。三所に
むすひて。とむるなり
土
一具足きても。三番まきて。例式。緒付たる所にて
一むすひむすひて。又手のこうに。とむか也。さか
あひた。例式より。をゝながくするなり。とめやう。し
きすに。をよばざるなり
一何にてもあれ。かちだちにて。いる時は。右ゆかけ計
さすなり。其時は。大ゆびに。緒をかけて。三留まき
て。とむかなり。左のゆがけの緒を。大ゆびのにかく
ること。めるまじきなり。猪句は。ゆがけの結。どむ
る色は。がちたち。大臣物。笠懸。具足さてと。流
鏑馬の時。四色ならては。あるまじきなり。大豆
懸の時。とむる様は。常に一ぐゆがけの結留候也
一遊がけを。手袋と云事。流鏑馬の時に。かぎり
て。手袋といふなり
十四
一ゆかけを。一くとはいへども。一手ゆがけとは。いは
す。右抱がけとは。いへども。かた〳〵遊がけとも。か
たゆかけとも。いはぬことなり
一遊が気を。左ばかりさすこと。鷹師ならては。有
べからす。射手方儀には。しらぬことなり
同人草
一馬上にて。一具遊がけをさして。馬よりおりて
はさみ物なと。射る事あらは。左ぞ懸計取
て。人にもたせて。射るべし。其時は。右ゆかけの
緒を。ほどきて。大ゆびにうけへし。大ゆびにかく
れは。をみじかき間。うでに。二面まくべし。又只
そのまゝ討るも。くるしからひ
十七
一むちは。熊柳のむち本なり。子細在二口伝一
十八
一鞭の出さ。二尺七寸五分也。此長さ本也。さるに
よりて。抑見の時も。又よばゝりつきの時も。この
長さのむちを持へし。二尺七寸五分のこと。かねの
定にもあらひ。又たかばかりの定にもあらす。我
手の定なり。二尺七寸五分の内。とつりの分。六寸也
一緒とをすめなより。上の長さ。五分なり
一鞭のをのす。うでへりぬき入すとも。うでの入ほど
に。ゆる〳〵として。両方の緒のさきを。すなにして
むすひめへ。をし入へし。むちむせひに。むすふべし
一とつかのかはの事。何草をもする也。但鹿の丸
の皮。すましき也。紫草。当世用也。とつかの草は
緒と別々の草にては。せぬ事也。おなし草に
てすべし。とつかをも。緒をも。急にてくけて。すかや。
美人草上
一何むちにてもあれ。とつかあるべき本也。庭乗の時の
むちも。又うつほの上なとにさすも。とつかをすへ
廿二
但なきもくるしからず。とつかせぬと。略儀なり
一竹の根のむちをは。ふし数を。半にすへし。てうに
はせぬ事也。半にして。さきをは。ふし二ツの間
より。きるへし。さやうにきれは。二尺七寸二分
廿二
に。しかふゝありかたし。五分三分の。よりのきは。不レ苦
一犬射る時。射手のむちの事。長さは。人のうでに
よるべし。わがうでを。すくにさし出て。わきの下に。
とつかの方を。をしめて。たけたかゆびの爪さき
にめてかひて。又六寸にとりて。又手一束にとり
て。幾かへし。ね前二寸三寸。よりのきは。ぬしの
まゝなり。くるしからす。是も前にしるすことく。
ふしを。半に可切
一鞭の緒を。うでにぬき入て持こと。犬の時と。かり
の時ならでは。あるまじき事也。又ゆびかけの
事。犬の時ならではせぬなり。ゆびかけをは。む
すびたらをのがた〳〵のさきを。わなかにくけて
たけたかゆびに。かくるなり。又かた〳〵のさきを
はほして。わなにして。むすひめへをし入るなり
兼人草上
十八
かりの時の戦には。ゆびかけをせぬなり
廿五
一射手のむちの緒をは。いかにも。うでにつまるほどに
せばくする也。くつろげみ。戦うちにくきと申き
たる也。わびてぬき入よといふ。みやうもくあり
一紫竹の鞭をは。たゞの人は。持まじき事也
御所横御持有故也。子細口伝にあり
一とつかには。木竹。いづれにてもするなり
寛正五年三月十五日於高忠宿所一[ニ]三月十五日出火
むかばきの事。床のかは本也。殊夏毛本也。大臣
物。笠懸なとには。おさなわかき人は。夏毛を用へし
十八九廿あまりまでは。夏毛の秋りけたるを。可レ用
中老宿老に至ては。秋ふたけろ。黒き皮を用へし
一行轉のわり合の事。夏毛。と秋ふたけ。とわり
合する時は。夏毛は。前へ也。秋ふた毛は。波へなる
へし。其諸は。むかばきのはじまり。夏毛なり。
さるによりて。夏毛前へなす也。わり合は。略
儀也。はれの犬笠懸の時。はくまじき也
一熊の皮。又通う虎のかはにて。わり合の時は。
夏毛の事は。不及申。鹿の草にてあらば
何卒も。前へなるへし。鹿の皮を除て。豹虎の
一草熊の皮なとにて。わり合する事。太不可レ有
候なり
廿一
一秋ふたけ。と夏毛。とかたかはつゝ。むかげきにきる
こと。あるまじき也。いろのすこしちがふは。くるし
からび
卅二
一ぬりむかばきと云は。うるしにて。ぬる也。是又略
儀なり。ほしをしろくのあして。地を少黒くゆり
たるを。宿老なとはきたるは。尤一興なり。はれ
の犬なとの時は。はくべからず。内々の犬追物なと
の時は。はく事。くるしからず
一行勝の事。笠懸。流鏑馬。神事に射る時は。水
衆のことは。不レ及申。歳七十八十に成む。悉夏毛
のむかばきはくべし。夏毛の行縢。本たるによ
りての儀なり。大追物時。はくごとく。ながく雲ある
ましき也。いかにもみしかく。なめてもるべし。神
事むかばきの切やう。しるしけき作也。おりめの
すそを。すぢかへてきるなり。是によりて。自然遣
卅四
がれをも除。神慮にもあふ。と申来るなり
一むかばきの長さ。三尺六寸。腰のせすぢのとをりよ
り。白毛まての事。此三尺六寸。たかばかりにあら
殺人草上
ひ。又かねの定にもあらす我手の定なり。此三尺六
申渡候
寸の長さ。行騰の本尺なり。但三尺六寸。本尺の
いはれを。尋申処に。むかしより今に。申伝。注略
なり誤は。無存知由。御仰と也。ことなる。
廿五
事なり。人不二存知事也
一行縢のおこりの事。尋申候処。むかしは。今人の
上下きたることく。いしやうにて。不断はきたる也。
然間。何事をもせよ。むかばきをはきて。したる間。
いまに。しき〳〵の時は。みな笠懸。小笠懸。やぶさめ
かりなとのとき。はくなり
ひれと云
たり
もとせよれ
けまも
いかるゝ野又同様口
此長さ二尺二寸
に貢年年年貢年賦年年年貢
此ろひ四寸
このとをりをなりをなり腰と云小腰共云也
すそのひろさ
一尺二寸
是を白毛と云也
上より手一束をきて付へし
沓こみと云
気かへしと云四寸
上より手一束
物をきて一付
小緒と云
同長之卓上
十一
是を。常に犬笠懸なとにはく。むかばきなり。長
さは。人のたけによりて。みよきほどに。きるべし。
別目とゞめの事は。引目の。大小によりて。前へ
も後へも。よかべし。緒の草の事。葛浅草本也。黒皮。
ふすべ革なとを。つくること。略伐なり。はれの犬
なとには。黒草。ふすへ草。をに付たる。むかでき。は
くもし。あるべからび。又くつこみのをゝは。三所に
卅六
可レ付。但大なりむかばきなとには。時所に付へき也
一御所横御むかはきのをは。紫草たるべし。御
むかばきのうらを。あやなとを。色々に染て。かた
せらるゝなり。又しゆすなと。から物にて。うたせらるゝ
なり。又うらをうたざかをも。めさるゝなり
卅七
一むかばきの腰の事一寸ちがはゝかりむかばき。一
寸あかば。かりむかはきといへり。これはうしろの
ちがふほどらひの事なり。五分ばかひちかふたるが
よきなり。前は二三寸めきたるか。よきなり
此引目とゝめの長さ詰たり分黒皆四寸
神事行騰之事。加横に可切。例式より。みじかく
美人計一
つめて一レ切。引目とゝめの事は。たとひ。引目を
腰にさゝずとも。可レ付左草の緒を。引目とゞめへど
をすへし。笠懸。小笠懸。流鏑馬なと。神事にて
討る時は。このむかばきのことく。すそのおりうを四寸
ちがへて。きりてはくなり。其前は。例式也。此行
騰はくことは。神事にかぎりたる事なり。神
事にてなき時は。はくことあるべからび
卅八
長禄四年九月八日夜尋申
一流鏑馬。笠懸。大臣物。又はかりの時。行袴を敷
て。滝をのみ。びんをも。付なとするときは。左皮を
とりて敷て。座すべし。白毛の方。右へなるべし
むかばきの。おもての方。上へなして敷也。ひれの方。
少たてさまにおりて。敷べし。又白毛の方の。折目
のはしを。たてさまに。少折ても。敷なり。二色の内。
いづれにても。一方おりて。敷へし。ひれの方。一かみ
にて。おりよきなり。行縢。両方なからとりて。古皮を
卅九
敷へし。又左皮ばかりをとりて。右皮をはきても。射也
一行縢をくらにうちかけて。出ることあり。又大笠惣
射はてゝ帰る時。鞍にかけて帰る時も。あるべし。其
時。むかばきを。くらにかくるには。右皮を。先鞍に
長人草上
かけて。さて左度を。上にかけて。白毛。くらの左へ
なるべし。手縄にて。むかばきを。からむべし。から
みやうのこと。手縄二に取て。くらの前輪の。右の
しほ手に。しりかひ。しかくることくからみて。つほの
方を。しほ手へ出て。さて彼の左のしほてを。とをし
て。さて後の右の鞍を。とをして。前の右へ出したる
手綱のつほへ入て。とむる也。手縄なき時は。むなか
ひをほどきて。鞍の左より。後へまはして。後のし
ほ手の下へ入て。右へまはして。右の前輪のむなか
びのつほへとをして。とむる也
一一手じんどうの。こしらへ横の事。は琵とはし
のたるへし。ふしかげをとりて。ぬかへし。はすは
ふしはびなり。腰葛にうるしをためへし。羽
は真鳥羽たかへく候。はぎめは。くろくぬるべし
但こき粟色なり
四十一
一ふしは。すけふしを。本にすへし。すげぶしの
ほどらひ。じんどうのすげぎはより。三ふせたる
へし。じんどうのきはのからを。三分計面
四十二
て。それをも。黒くぬるへし
一ふしは。三ふし箆本なり。すげぶし一所。殊中
美人草上
一所。箆中のふし一所。以上三所なり。如レ此こし
らゆへきこと。一手じんとうの本也。又四ふし五
ふしのにても。くるしからび。但略儀なり。いくふし
一箆にてもあれ。すげぶし本なり
四十三
一じんどうは。めかぶなり。いかにも。ほしかためてする
なり。じんどうの長さ。三ふせや。少きり入て。三所
巻て。上へ見えぬやうに。地をして。ゆりかくして。
黒く。らう色をとりて。ぬるべし。じんどうのな
り。口伝あり
四十四
一一手じんどうを。さうにこしらゆる時は。のごひの
にする也。其時は。はぎめ。あかうるしにぬりて。いと
めばかいは。黒くぬるなり。是は略儀なり。じんどう
の木は。不定。ひいら木。ふくらしらなともち
四十五
ゆるな
一一手四目のから。前にしるす。一手じんどうに。少も
かはるましき也。ふしかけをとりて。ぬるへし。こ
れも。さうにあしらゆる時は。のごひ箆にもす
るなり。但じんどうのからよりは。羽たけ少みし
かくて。少羽をひろく出すべし。これならてはか
はることなし
義人草上七九
四目の寸。みふせなり。目は四あるべきこと本也。四ツ
あるによりて。しめと候也。但目を三にもする也
くるしからず。是は略伐なり。四目には。ひいら木
よきなり。目のうへかしらのくち。三所。ゑりいと
にて巻て。まきめの。見えぬやうに地をして。羅
う色を取て。黒くぬる也。またさうにあしら
四十七
ゆる時は。あかうるしにぬりて。局目はかひを。黒ク
ぬるなり。是は略儀なり
{
一つねの四目からは。白篦たるべし。ふしは三
ふし箆。羽中を本とすへし。羽は真羽を付
へし。うるしはきたるへし。色の上を。あかうるし
にぬるべし。色いとにても。はくなり。四目は。竹の
根にても。木にてもすべし何共に不定。大小も
不定なり。あかうるしにも。黒くもぬるべし。又こ
四十八
がし箆にもするなり。略儀なり
一かふら矢の。こしらへ精の事。はぎやうは。四たて
にてあるべし。走羽は。鷹の羽たるへし。小羽は
山鳥の引尾なり。小羽をも。おなじく。鷹の羽の
ごとく。すゑまて。とをすへし。小羽をとをさて。羽
中にて。とむること。当流にては。なきことなり
写真
かふら一の時は。内むき。外むきは。いつれもさだま
らず。何もくるしからず。但外むきを一レ用なり
外むきは。陽なり。一手の時は。一ッは内む第一は
外無きたるへし
四十九
一四たての矢には。何もはしり羽。肉むきならばか小
羽も。肉むきたるべし。また走羽。外むきたらは
小羽も。外むきなり
辛
一箆はしうのたるへし。はずはふしはすなり。し
ら篦本なり。但はすのなり。例式には。かはる也
はすさき征矢のことくたるへし常のふし
けすには。かはるへし
一はき事は。かた手いとにてはぎて。あかうきし
了。すへし
五十二
一ふしき。羽中を。しやうずべし。いくふしと空さ
たまらぬなり。但三ふし丁。然羽中一所。すげぶし
一所。中のふし。以上三所なり。但羽中のふし。とす
げふしを本にして。四ふし五ふし箆にて。く
きしからひ
五十三
一矢つかの事。例式の我矢つかより。二ふ世を
きて。矢つか巻とて。かた手いとにて置て
代金三
あかうるしに。ぬるなり。まくひろさ。三分たるべし
二ふせ。ながくして。矢つか巻する事。かぶらの
からに。かぎりたることなり。こと矢に。あるまし
きことなり。又かぶらのきはに。ねたまきすべし。
五十四
かりまたの。ねたまき。半分たるへし
かぶら矢に。かきりて。二ふせ。矢つかを。なくし
て。矢つか菊とて。まくいはれは。かぶらにては。気
しやうの物。まい。大事の物を。ならては。射ぬ
ことなり。わか矢つかをは。弓の木中へ。ひつかくる
ほとにするが本儀なり。ひつかくれは。矢筋も
ちがひかぶらにこゝへて。矢つかも。ひけぬなり。さ
八間。わが矢つかのきはを。矢つか童とて。木ゆへ
ひつかけて。かふらにはあたらて。矢つかを。よく
尤き。心安射へきために。昔より。二ぶを。ながく
仕来るなり。当流の秘説なり
一かふらのからを。ふしを。さばしもする也のごひは比
にもするなり。いつれも是は。略儀なり。はずは吉
はずなり。腰巻に。うるしをたむかなり。はずの
なり。口伝あり
五十六
一走羽に。真羽を付る也。小羽に。きじの引尾をも
長金一
付かなり。め鳥おとり。同事也。これは略儀なり
鷹の羽。山鳥の引るも。本なり
一鏑の長さ。三ぶせなり。目は二目なり。鹿の角にて
つくりて。三方に。ぬたを残すべし。是は当流の
かふらの本也。根本は。八目。其後は。五目四目三目にも
くりたる也。今は二目を。本とする也。ほりの木にて
五十八
も。くる事あり。これはる鏑馬。神事の時用也
一かりまたの寸法。いかほとゝはなきなり
一品あら矢のこと。如レ此こしらへて。うつほに。こすへ
きこと本儀也。当る秘説なり。二ともさす事。ある
六十
へからす
一かりまたのからの事。前にしるし置。鏑のからに。
少もかはる事なき也。白箆本なり。但かりまた
のからには。くつまきねた巻。あるへき也。くつ童
二ふせ。ねた巻。一ふせたるへし。但ねた巻は
一ふせより。長く巻たるが。よきなり。へいじなり。
中をたかく。矢さきのかたへ。五巻。くつまきのかたへ。
七巻たるへし。如此通いしなりに。童事。あり
またのからに。かぎりたる事なり。こと矢。いじ
なりに。壺もし。あるべからす。はきめのごとくあか
人草上
廿九
うるしに。ぬるべし。へいじなりに。まく事。か
六十一
ふらを。へうしたる儀なり。人のしらざること也
一笠懸から。大射り引目柄。これらを。からと云へし。
其外の矢ともをは。のと云字を入て。かふらの
から。かりまたのから。四日の柄。征矢の早う。けん
しりのから。しんどうのからなとゝ。いふべきなり
一征矢のこしらへ横の事。箆にはふしかぎを
ぬるへし。はず雲よはす。ふしは。あつとりのふし
を。本とすへし。いくふしのとは。不定。但おつとり
のふし。ずけふし。箆ゆしのふし以上三ふしの
可然。おつとりの在所は。もとはぎの下の巻めより。
一そくばかり。あはひを置て。おつとりのふしを。置べし
但しかと。いかほどくは。不レ定なり。一そく計可レ然。
少のあがりさがりは。くるしからず。はぎめ。はず
一巻。黒うるしたるべし。ねたまきは。ゑりいとに
て巻へし。赤うるしなるへし。くつ壺。一ふせ。ね
た巻。一ふせたるへし
一羽令。真羽本なり。切符。中黒。其前。何をも真島
の羽を。付へし。但きりふの羽を。付か事。ことな
る。くはしよくの儀なり
長久官上三十
しなとて一
タメノコ
たきゝ
ひとけれとひとひ
たとこと聞
一羽喜のなりかうか井のさきを二つにわりたりやうなるへし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼
ことひ顕る〽七
一本はきの羽くきのなり
かうかいのさきのことし
これは。をひそや。またうつほにさす。そや
の事也むかしはなに矢も。はず壺は。三分。うら
はぎ。六分なり。もとはぎや。一寸二分。次第〳〵に。
一ばいつゝに。はぐなり。はずをは。はず畳一はい。
けらくひは。はす寒ほどに。はぐ也。これは本也。
但もとはぎなと。あまりにながくて。みなくきとて。
見はからひて。ごしらゆるなり
六十四
一白篦の物。又のこひ箆に。目をほる事。なき事也
一根は丸根なり。ねのさき。めまりに。まろけれは。
ゑびらに。さゝれぬなり。ねの大小。とにより。又人
のこのみによるへし
六十六
一とがり矢の事。ふしかげをぬるべし。はずは
よはず。ふしは。おつとりを。本とひべし。いく
ふし箆とは。不定。但おつとり。すけふし。箆中
のふし。三ふし箆可レ歟。黒うるしたるべし。ね
廿一
妻ノ亭
た巻は。よりいとにて。巻て。あかうるしに。ぬるへし
これまでなり。何も。そやにかはる事。有まじき
なり。はぎやう。四立なり。羽は鷹羽なり。小羽は。
山鳥の引尾を。付なり。小羽をも。うらけぎまて。
とをすへし。羽ゆしにて。とむること。当流には。な
き事也。とがり矢と。一手の物也。羽は的矢のごとく。
一はうちむきたるへし。又一色。外むきたるべし。何
も肉む骨の由。申人める間。度々尋申処に。すで
に一手ある物にて。ある間。外むき。と人申とも。当
流には。無存心よし被仰なり
一とがり矢を。ゑびらにさす。在所あり。別紙に。しかし
をくものなり
とかり矢のなりをよそ
六十八
一小笠魚の矢の。こしらへ横の事。箆はこがし
箆なり。はずは。から竹のふしを。けづらて。其
まゝすか也。竹は枝のめるを。可レ用也。ぬるべか
らひしろかるべし。はぎやうは。何色にても
あれ。色糸にて。はぐへし。はす巻も。同色
定金二
第一
いと也。羽は真羽なり箆のふしはねし本也
すげふし。と羽中との中のふし。と三所ある
六十九
箆にて。すべし
一羽に鶏の羽をも。付かなり。くるしからず。但略義也
七十
一小笠懸のからに。ふしかげを。とりても。するなり。
但略儀也それも。はずは。から竹なるべし。ぬかへ
からす。白かるべし。ふしをさばしたる時は。かばに
てはぐなり。色いとにては。はぐましき也。但色
いとにて。はぐも。くるしからび。さばしのゝ時は。
糀しかるべし
一刮目の事。目は九日也首の上一所。目の下一所の
〇一所。以上三所しつめてまきて。寒目の見えぬ
やうに。布をまぜて。地をして。くろうるしにて
ぬりて。らういろをとるへし。刮目の寸は。四寸を
かねの定。但昔より。四寸とも。つ乙をかれたれ共。
大小の事は。弓の力によりても。すへし。少の
よりのき。くるしからず。又目を。七目にもする
なり。但略儀なり
七十二
一的矢のこしらへ横之事。こばし箆たる事
すげぶしを。しやうずへし。ふしやずげにし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
羽中のふし。三ふしの本なり。はずはふし
はずたるべし。ふしをば重づかへし。殊臣真
鳥羽本なり。殊きり符可レ角。すげぶし。ほどら
ひ。三ふせ可レ然。くつ巻をは。くろくぬるへし
一のごひ箆にもする也。但略儀也。囲的なとの時は。
くるしからびそれもしきのくしまとなど。又
五百手なとの時は。のごひ箆にては。射ましき
なり。御所的なとの時は。申に及はす。不レ可レ。然也
七十四
矢に鷹の羽付る事。とがり矢。かぶら矢より
またからなとには。鷹の羽付る事。本儀なり。
其ほりは。略儀なり。的矢に付るも。略儀なり。大
討からの。まぜはぎの時。はしり羽。一付かならては。
矢につけまじきなり。じんどう。笠懸から。そや。
其ほか。何矢にてもあれ。鷹の羽付る事。ある
まじき事なり。此謂は。尋申処。昔より如此
申来事。と被仰仰候なり
七十五
一山島の色。矢に付る事は。とかり矢。かふら矢の等
りまたからの。小羽に付るなり。本儀なり。其外
皆山鳥の気にて。矢はぐ事。あるべからす。但じん
どうなとは。容儀なれども。くるしからず。是は
一万人喜一十四
近年。じんどうに付来也
七十六
一笠懸からの事。さばし籠本也。ふしは。羽
中を。しやうずべし。三ふし箆本なり。のご
ひ箆略儀。はずは的矢のごとくたるへし
七十七
一羽の事。真羽本なり。鶴の羽。略儀なれども。
くるしからず。ことに鶴の君かさかけからに。賞
翫せらるゝなり
七十八
一引目。赤うるし本なり。はれの笠懸なとの。引
目。又とうまき。しげくしたるにて。いましきや
七十九
一矢の羽たけの事。四寸本なり。といへとも。是は
子細ありて。申事也。矢によりて。みはからひて
つくへし。そやなとの羽たけは。五寸あまりに
然候。さて笠懸から。大射からの羽多け色。四寸一
八十
二分可然かねの定たるへし
一大討からを。まぜはきにて。はく時壱羽には。鷹の
羽。あかけには。真羽。弓すりには深羽を付へし
ませはきに。女此はぐ事。大討からならでは。ある
ましきなり。又年よりなとは。走羽に鷹の羽
を付て。のこり二の羽に真羽を付たるもよし。
又走羽に。真羽を付て。残二の羽に。鶴の羽なと
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
をも付へし。是は皆々略儀也はれの犬の
時は。射ましきなり。抑見鷹の羽よととふこ
八十一
と。ませはきの時の儀なり
一まぜはきに。鷹の羽と鶴の羽と二色にて。はぐこ
とあるまじき也。真羽本たる間。真羽一ませて。
ならては。はくまじきなり
八十二
一少人なとの。大射からをは皆染羽にても。はじへま
なり。但略儀なり。細々の犬なとには。くるし。
からず。みな染羽の矢を。指見とふ時は。染羽よと
とふなり。まぜはぎの時は。とふまじきなり。皆
染羽にて。矢をはく事。少人の時。犬討からなら
ては。あるましきなり。略儀なり
一染羽には。真羽のしら尾を。そむりなり。少人のた
めなとには。鵲の羽。鷺の羽もくるしからひ
但か略儀なり。こうの白色をも。染るなり
一矢に三付る羽の名の事。はずのとをりに。付る
をば。走羽とひ。外になる方に付るをは。外かけと
八十五
公なり。うちになる方に付るをは。ゆすりと云也
一矢の羽に。やり羽といふ事あり。とがり矢早ふ
ら矢。かりまたからに。かぎりたる事なり。こ
一
れは。何も四たてにはく矢なり。此時も。走羽。と
かけの小羽。弓すりの小羽と云なり。矢をはめ
たる時。走羽のとをりの下に付たる羽を。やり羽と
いふなり。されば。四たてに。はぎたる矢ならでは。やり
羽といふことなし。三たての矢に。やり羽といふ事
あるべからす。これは秘説なり
一うるしはきの事。的矢。笠懸から。大射から。是は
みなかではぎの矢たる間。何もうるしはぎを
して。揃へきなり。雨雪。俄にふらは。可レ討ためなり。
いとの上を。何もこきうるしに。ぬるべき也。雨ふら
ぬ時。うるしはぎ。討たる事。あるべからす
一引目の本説の事。別紙に注置なり。笠懸は。
頼朝の御代より。射はしめらるゝなり。大臣物は。
先代の時より。討はしめられたり。其後。あまりに。
引目もあほれ。蕗もおるゝ間。大議たるよし。皆々
申合。箆もしらのになり。引目も黒く。さうにな
されたり。引目赤うるし本なり。笠懸引目にて。
時はしめられたるにより。赤うるし本なり
一犬討からは。白篦たるへし。羽は真羽本也。大討
からに。さりふなと付る事。あるまじき事也
身人立一
八十九
但公方横。又は官領なとの事は。不レ及二是非一ニなり
少々の人は不レ可レ然
一犬討からは糀はきなり。口うきしさす事。略を
なり。また色いとにても。はぐへぎなり。是も
九十
略儀なり。はれの犬なとの時は。いましき也
一犬討からを。こがしのにする事。くるしからず
但略儀なり。また無用なり
一とがり矢。そや。百矢なとをは。おつとりのふし
を。本にすへし。犬討から。笠懸から。小笠懸
から。かふら矢のから。かりまたからなとをまゝ
羽中を。本にする也。的矢しんどうは。すげふし
九十二
を本とする也
一大的串。丸物くしの木の事。ひの木本なり。日
記には。なに木とは。なけれとも。むかじよりも
ちひつれられたる事
一大的のとしは。白かるへし。木色なり。笠熊の
くし。丸物の串。黒くぬるいはれ。尋申処。本説
存土なきよし。らレ却也。的。笠懸の平の事。
しきのくしのごとく。竹にて。ゑりぬきても恋か
なり。くるしからず。但略議なり。ふとさ。そ前。そ
毎人草
九十四
どらひをは。しきの串のほどらひに。すへし
一おりかけくしの事。草鹿。丸物。大約。笠懸な
との時。俄に。串そはして。ことをかくことあり。
そのときの儀なり。地より上の寸法。しきの串の
ほとらひに。みはからひてすへし。ふとさもしきの
串ほどなる竹をすへし。よこ車の分をは。前の
くしを。折りけて。彼の立串まて。とをすへし。
波のかくる串は。よこ串の。なかたるへし。前のくし
にては。とをすましきなり。かさねやう。前の串
ばかり。おもてへ。見ゆるやうになして。かさぬへし
後のくしは。後の方に。なるべし。ゆひやうは。縄にて
三巻つゝ巻て。それも。彼のかたにて。ゆふべし。中
一所。両方のはし一所つゝ。三所ゆふべし。かけむす
ひにゆふなり。竹を少きざみて。はたらかぬやう
にゆふなり。又ゆひめの下に。見えぬやうに。竹く
ぎをうちて。よきなり。これは故実なり
九十五
一弓の力の事。常に二人力三人力一張力なと
人いふ事いはれぬ事なり。いかほどの力を。人
の一張の力といふへきそや。をしたて。一張力と
いふへき事。いひかたき子細なり。物語なとに
白我等が仕候弓。二張合たるほど。三張合たるほ
九十六
とゝも。いふべきなり。
一弓を。一力二力といふ事は。弓をけづりたる。木
竹のくづを。両方の手にて。かいにぎりて。手の
内。一はいあるを。一力と云なり。つよくも。にぎら
ず。そともにぎらず。よき程に。にぎりなりされ
は。との。一ちから二力なとゝ三事は。弓をけつり
てならては。しらぬ事なり
一二人はりと云は。二人して。はか弓をいふなり。三
人はりとは。三人なてはる間をひ也一張を。四人
五人して。はる事。あるましき事なり。されは
二人はり。三人はりとは。いふへし。四人はり。五人
九十八
けりといふ事。あるべからび
一矢つか。なんぞく引て。もと。人の事。是は
まじき事なり。人の牛の。大小によるべし。一束
も。とりやうにも。よるへし。わか肴つかにても
あれ。又人の矢つかにてもあれ。よく存をした
九十九
らは。我手に。なんそく候。といふへきなり
一二の矢も云事。たがさみたる矢をいる事。申
に及はず。ゑびらにさしたる矢にてもあれう
参戸立一
つぼに。さしたる矢にてもあれ矢一討て。屋が
ている矢を。一の矢と云なり。少も逗留めらは
二の矢にては。あかましきなり
一すかりまたと云事は。かふらを射て後。やかて
かりまたを射るを。すかりまたとは三なり。たゝ
すかりまたと云事を。あゝまじ文なり。かふら
を討て。二の矢に。すかひまたを射てなとゝは。衣也。
されは。此部孫三郎。きつね討たるにも。きもた
まし井も。雨へゆけ。とかふらにて。みゝ二のあ
ひを。はひかせて。二の矢に。すかひまたをもつて。
狐の生色を。射切たるを。と物語にも。かたる也
一弓をはる時雲。うらはずの。つるかを。よく見て。
すくにかゝりたらは。其まゝをき。ゆがみたらは。
なをして。すみのはしらに。弓のそらはずを
あてゝ。左のひさにめてゝ。右の手にて。つるをか
けべし。さて右の手にて。小ぎりのちとり
て。左の手を。そのまゝをきて。次第〳〵に弓を
上へとりめけて。はりかみを。見べし。わろくは
そのまゝ。弓を下にをしめてゝ。なをすへし。をし
なをす時は。立なからも。又ひざまつきても
良人卓上
なをすなり。北にうらはずをむけては。はるまし
きなり。かげより。はりていたすへし。但前にて
はれ。と所望あらは。前にてはるべし。賞翫
の人の。ゐたる方を。彼へなして。ほか事。ある
まじきなり。但たとへ後へは。なるとも。北へむ遣
ては。はる事。あるべからず。はりて後。すはうの
袖にて。弓のほこり。をしのこひて。おすべし。行
るをと。少二三すべし
一弓を。主人又は貴人なとに出すにはちとひき
て見て。さて出すへし。引て見る時は。我かほに
引あして。かたまではひかぬ事也。主人立てめ
らは。畏ても。おすべし。立ながらも。出すへし。是は
不レ定。但畏て出し。たゝではよかるべし。しきの御
的の時は。立ながらいたす法なり。当座すて時と
して。はりていださは。とうはいの人にも。つか
打して。少引て出すへし。他人の弓をひかざれ
と云事は。あれとも此方より。はりておさまゝ
引て出すへし
百三
一弓をはりて。つるを。くひしめすと云き。も
ゑはすより。まづくひしめすへし。すゑはず
長久草上
万人卓上
より。本のかたへ三寸ばかり。くひしめして。さてま
の口にて。うらはすの方へくひしめすなり。前へ
しはつるなり。其後。本はすの弦を。くひしめす
なり。それも。二三寸ばかひ。まづにきりの方へして
さて又はずのかたへして。さてとむかなり。上下
ともに。そとへして。とむること也。其後さくり
の下を。くひしめして。さて。ゆひにて。つるを。下辺
こきさぐるやうに。するなり
一常の引出物に。弓ばかりをも。出すなり。こしらへ
たる弓ならは。つるをも。ぬるべきなり。にぎり
より。七八寸上をかうよりにて。弓とつるの間
を。ちがへて。その方にて。ひぼむすふことくゆふ
なり。にぎりをは寒まじきなりたとひ巻
たりとも。ほどくべし。但当座すて。所望の
弓なとをば。けりても。出すべし。にきりをも
其まゝ置べし。白木。そはしら木。むらこきな
百五
と出すには。しらつるを。かけへし
百六
弓かけに。弓をかくるには。うらはすのかたを
北へかけぬなり。其外は。無子細なり
一下人にうつぼつけさせて。弓持へき様の事
美人草上
四十三
一ト
弓をたてゝ。つるを。さきへなしてにぎりの
下辺を右の手に持へし。かたにかつきて。持
べし。馬よりさき。右の方に揃へし。又馬の跡
にももたするなり
百七
一弓袋に入たる弓を下人に。もたすへき精の事
弓をたて。前竹を。さきへなして。にぎりより下
を。持べし。はり弓のことく。もたすへし。又前竹
を。さきへなして。かたにかつきて。もたけても。く
類しからす。略儀なり
一うつほに。矢をさすへき次第の事。そやをは。
いち下にさすなり。二日をりにも。三とをりにも。箭
数によりて。かさねてさすなり。いくつとは。不定也
但十はかり。十二三まての事なり。矢の散。さたまら
ぬなり。其上に。かりまたをさすなり。かりまだは。
二も三も。身よりの方をめけて。さしかさぬる也
かふらをさすには。かりまたの上に。まん中に
一ツさすへきなり。又そや七九なと。半にある時は。
うつほの外の方に。かさねて。さすへし。さしかへ
すといふ事は。此儀なり。又かふらをさす時は。
かりまたのあはひ。少あけてさして。まん中
矢金二
に。鏑をもさすなり。かふらは。一ならてはざく
ぬなり
百九
一うつぽに。矢を六さゝぬ事也。うつぼにかさらす
じんどう木鉾なり。小者にさゝする時も。六貫
さゝび。当流に。むやとて。むなり
一うつほの上に。じんどう御すべき事。二もさすへ
むちを。さしそへべきなり。むちをさゝずして。
じんどう一手さす事。あるまじきなり。又
じんどう。三もさすべきなり。四さす時は。鞭を
さしそへべしむちをさゝずして。四さす事
有まじきなり。又じんどう一さして。鞭をも
さすなり。たとひ。しんどうをさゝずとも。むちは
さすべきなり。うつほをつれて。鞭をさゝぬ事は
あるまじきなり。よく〳〵心得べし。たとへ鞭を
さすとも。じもどう。六さすこと。あるべからす。鞭
をば。かならず。さすべきことなれども。しぜん
しんどうげかひ。さす時は。しんどう一三五なと
さすべし。じんどう。二四六なとは。むちをさゝて
さすこと。めるまじ幾なり。木ほうなと。さす一
時は。じんどうさす。と同心得なり
友人卓上
一
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
四十二匁
百十一
美人草下
一むちとしんとう。とさす時は。鞭を身にそへて
さすへし
百十二
一うつほを付ては。鞭ばかいさすこと。可然なり。
百十三
ことに。年よりなと。しかるべきなり
一じんどう。小者にさゝする時は。まへにしかす心得
なり。かはるまじ幾なり。女三十も。さゝすべきなり。
さやうに。おほくさゝする時は。つくねて。さゝすへ
幾なり。小者にも。じんどう二四六なとは。さゝひ
まじきなり。鞭を。小者にさゝする時は。二四。じん
どう。さゝせたるも。くるしからび
百十四
一しんどうをは。わがさすか。さなくは。小者にさゝす
る事也。さかによりて。うつぼには。いれぬ事也
但雨なとふる時は。うつぼに入たるも。くるしからず
百十五
それも略儀なり。遠矢なと入ても。不苦
百十五
一遠矢のいやうとてはなきなり。弓をはかなら
す。射かへすなり
百十六
一聖山又格なとにて。小者中間に。引目をさゝする
事。くるしからず。弓にとりそへて。持たるを。さく
する事。あるべきなり。一二は不苦
一四目をは。うつぼの上にも。さすべきなり。又小者
百十八
中間にも。さゝすへし。幾はじんどう同事也
一小笠懸は。ふせ鳥をへうして。いるとなり
百十九
一大的。丸物。草鹿。笠懸なとをも。あつちといふへ
きなり。まとばと云事。あらましきや。但
大的計なとの日は。的場といふても。くるし
百サ
からす。それもあつちと云へきこと。本なり
一常に人物語に。間かへしと云事。いはれぬい
ひ事なり。弓を射かへして。といふへし
一じんとうを。討るといふ人あり。三ましき事也
爰之事一同
弓を討てとはいへども。しんどうを討てとは
云事なし。的を射て。丸物を射て。草鹿を
射て。はさみ物を。射てとはひなり。じんどう
討てと云事。あるまじ幾なり
百廿二
一まぜはきのからとはいふなり。わり合のからと云
事。いふましきこと也。但鷹の羽。まとり羽。染
羽を。わり合て。まぜはぎにして。仕て候なとゝ
百廿三
いふへきなり。たゝわり合のから。と云ましき也
一かりといふは。鹿かりの事也。其前は。あるひは
鷹かりなと。其名をめらはすなり
一野山のかりの籠手は。すめをの袖の。ちいさき
ものなり。右の袖へぬいつゝ気たる物なり。橋に
かくる草もなし。今ほどのこてをば。さゝぬなり。
むかしのこてと云は。たゞすめをの。左の袖を。ち
いさく。ぬいたるなり
一かりはの禄は。昔かふら箭をも。給たる例あり
又太刀かたなをも。給たる事もあり。総由何と
百廿六
は不定。結候やうも。不レ定事
一かりことばに。うつにひかゆる。といふことは。馬上
のことなり。うづにひかゆる時。身とをりよりは
をしもぢりのやうに。矢をはなすことあり。そ
れをは。ひらきてと云なり。又馬のかしらのと
をりなり。さきなる物を。いかをは。つぞみてと
いふなり。討やうは。みすみたちたるやうなり。ひ
らきてにて射て候。つぼみてに射てなと。物語
にはかたり。かりには。弓を射かへさぬなり
一一ひきの物をは。討ぬなり。とをすべし。其謂は。
一ひきの物を射れは。残の鹿。かならび。なげせ
ずなり。さらによりて。をくれより討かなり。一ひ
きとは。一番にとをく鹿のことなり。をくれとは
百廿八
二番目より。とをかをいふなり
百廿九
一かりくらといふは。康がりに。かぎりたる事也。
さればけふのかりくら。昨日のかりくらなとゝ
いふなり。かりくらとは。かりの指名なり
一こと葉に。めかとはいふべし。めがといへはとて。
おがとはいふましきなり。大お鹿と云へし。只
又しかと云ましきなり。しゝを。谷よりおこし
百卅
てなと。いふなり
一かりことばの事。大むれが。谷よりかいてあかる
所を。何と討て。かさから。せこが巻おとして。一ひ
きの物を。とをして。をくれよりいてなとゝ。詞
につかふべし。かりそめにも。あだことば。つかふまし
きなり。さればかりの事なと。物語に申出す
へからび。よく〳〵。可二存一なり
百卅一
一しがきにたちてといふ事あり。これはかちたち
百卅二
の人をいふなり
一さかない馬にのりて。おとしかけてなとゝいふ
事。さがない馬とは。約馬をいふなり
百廿三
一里おつか物と云は。谷をくだりに。はしること也。
はしりたちて行とも。くくともいふは。谷より
百卅四
山へばしりあがる物の。ことなり
一あかされてと云雲。曰毛。又はし類跡を。射るを
云なり。あたりもせよ。又はつれもせよ。いふなり
百卅五文
一嶺こす物と云は。山を。はしりこゆる物なり。山
にそふものとは。山の腰に。よこさまに。はしか
百卅六
ものを。いふなり
一尾をこす物とは。山の尾をこす物のことを云
なり。落かゝりて。くる物とは。山より谷へ。はし
りくたる物を。いふなり
一かりばの時むかばきは。夏毛を用る也但秋
百卅八
ふたけも不レ苦。むかばきの切様。何式に不レ可レ背
一庫笛の事。かり人の申は。はやる気いせいの。
百卅九丁キ
あしだにて。つくりたるが。よくよると申なり。
又はしめて人の。つくりたるも。能よると云也
一巻めの鹿とは。いまだ畳おとさす。山の嶺なと
に。せこの中に。まじりてあるをいふなり。童めの
百四十
百四十一
鹿を。嶺よりまきおとしてなと。云なり
一朝はみより。本山へ帰るところを。いちひきをとを
して。をくれより。射てなとゝ云なり
一おほつれとも。云へし。おほむれともいふへし。同
事なり。五かしら。六かしらの時。云なり。十かしらの
時。不レ及申候。二かしら三かしらの時は。云間敷なり
百四十二
一しゝをは。いくかしらと云なり。行さきとは。猪の頭
を申なり
百四十三
一鹿を討て。矢こたへするにはかほをあぶのけて。め
あ。と矢こたへを。するなり。馬の足をも。いだすへし
如レ此被仰時。いとりの物を。二の矢をも。つがひて
討へき所に。矢ごたへして。馬の足を。出す事。い
かゞと不審申所に。矢討つけてやり上は。そのた
めのせこなり。その鹿をは。せことゞむへ幾なり
百四十四
一矢こたへをして。馬を出す事。討手のきばうなり。
と被仰候なり
百四十五
一めも矢こたへをする事。康に限たる事也。こと
物に。めゝと矢こたへする事は。なきなり。しかきに
たちても。矢こたへすべし。しかきとは。かちたちに
て。いる時のことなり
一鹿にあたりたる矢がけすいとをしたる時も。さ
らに。矢にちつかぬ事あり。矢四五も。いかけたる
時は。いつれの矢。あたりたりとも。しりがたし。然時
は。我が矢にて。あたりたれば。とろもする事有。
其時はながみを取出して。矢の羽のくきとのあひ
を。のごひてみるに。あたりたる矢には。かならず。か
みに。ち。又は所によりて。あぶらなと付へし。たゝは
見えぬ間。かやうに。のこひて見るなり。又矢のねを
ぬきて見るに。あたりたるには。かならず箆しろ
箆かづきに。ちつくべし
百四十七
一鹿に同やうに。二騎も。三騎も。矢を射つけてやり
て。誦する時は。矢こたへを。ちやくとしたる。は
百十八
やく射付たるにて。あるつし。その為の。矢ごたへ也
一まへをきの物と申と。うさぎ狸。狐。おほ犬ゐの
長宣下
矢ノ喜一
しく。此五色のこと。是等をば。おこいて射。と語なり
百四十九
一箭をきの物を。射ても。矢ごたへをして。馬足を
出すべし。矢こたへをするには。大臣物の時のごと
く。左へくびをつくりて。おゝ。とながくすかなり。これは
あまた射あてたる時。論ずる事あらば。はやく矢
ごたへしたる討手。はやくいつけたるにて。ある
へし。馬をいたして。かくる事。ありがたし。但時過
によりうち帰ることあらば。大臣物のごとく。弓手を
射て。馬手へ折。馬手を射ては。弓手へ。馬を出すへし
すがひ馬牛。弓手ぎれにて。いたらは。何と事をお
りても。くるしからす
一鹿にてもあれ又前をきの物にてもあれ討たる
時は。いかにも。馬を出し度とも。あらひは。かけかん
せきにて。馬をいたしかたくは。馬をはおさす共
矢こたへを。すへきなり
百五十一
一前をきの物討る矢の事。何矢も。くるしから
す。かりまた。そやけんしりにて射へし。いとる
へきためにいるは。ひも袖を。おさめて。かたをぬ
きて。いへきなり
一前をきの物を。引目。しめ。じんどうなとにて。いる時は
友久草下
貞ノ事一
かたをぬがて射へし
百五十三
一いとりの物には。矢所をさらはずといふなり。すか
ひ馬手。弓手きれとも。射べき也。但このむ箭所
百五十四
にはあらず。同は。手縄をつかひ。馬手にもあふ
て。射べき事。可然なり
一射付てやると云なり。たとひ矢をいとをしても
矢を討つけずとも。又矢討付て。たちたりとも。射
付てへると云へし。これは。そやけんしり。かりま
たなとにて。射たる時の事なり。前をきの物なと
しめ。引目。しんどうなとにて。討めてたりとも
討付てやるといふこと。あるべからず。犬追物の町申
ましきことなり
百五十五リエ
笛の鹿の矢所の事。いかにも。矢さきをさけて
射たりとも。まんゆしに。あてがひ。矢をはなす共。
はづれべし。矢所。扉大きなりといへとも。四五寸
間ならて雲なし。馬にとらば。かたのかみはつれ
より。くらしたへよりて。四五寸。間めてかひて。矢
百五十六
をはなさは。しゝなくるとも。はつれまし幾なり
一大事の物を。まことに討あてんと思ふ時は。矢つ
かを。少引残して。まむきに。物を見へきなりにあ
百五十七
ひもろめにて。よく見えためにて。秘すへ夫なり
一号返しをは。大事の物いるには。せぬ也。その
ゆへは。討はづさは。やかて。二の矢を。つがはてため
なり。間へしをしては。をそくつかはるゝなり
百五十八
一ふせ鳥かけ鳥をいる時は。かふら。かりまたにて
射へきなり。本儀なり。そやけんしりにて。いる
ことは。りんじの儀なり。くるしからす
百五十九
一婦れ鳥をいる時。馬にのりたる時は。よきほとにて
は。馬よりおるゝ事。あらましきなり。馬の上にて
射へきなり。ふせ鳥をいる。矢所のことふしたる
鳥を。まはして。前後よりいるなり。前からは。はし
を射さげと云。後からは。尾を討さげと云なり。
ふせ鳥に。かぎりたる事。弓手にまはして。ふせ
へし。そはかけなとのきはに。鳥あらは。それも
弓手に。伊ルやうに。馬をおりかけ〳〵。まはして
鳥をふせて。前からも。後からも。可レ射なり。そは
よひ。よこ鳥に。射まし天事なり。もし馬より
おりているもしめらは。沓をは。ぬぐまじき也。但
水田なとの所にては。ぬぐへきなり。主のともした
る時。馬よりおりているは。沓をぬきて。射へきや
一ふせ鳥なとを。馬よりおりて。うちにて討は。左
ゆりけを。とるへし。猪重馬よりおりて。物を
討ば。左のゆかけを。とるべきなり。仙物によりて。を
そくならば。其まゝ射へきなり
百六十一
一かけ鳥を射るには。よこ鳥に。そみよりいるなり
馬にのりたらは。手縄をつかふて。一レ討なり。島に
百六十二
むかふて。矢をはなすましきなり
一ふけ鳥かけ鳥いる時は。馬上にても。何式かち
たちの時のことく。ひもをときて。弓を右へわた
して。手綱にとりそへて。まつ弓手の方のひも
を。刀のこしりにかけて。前へとりて。かちだちの時
のごとく。おさめて。さて又馬手のひもを。左の手
にて巻て。例式のごとく。すめを。と小袖とのあは
ひへ。をし入て。さて刀のこじりにかけて。前へと
りて。これも。かちだちのごとく。おさめて。射へし。
かちだちにて。いる時も。ひも袖を。おさめて可レ射
なり。いそきて。ひも袖をおさめ度時は。ひもをお
ときて。間を右の手にとりそへて。鳥をふせ〳〵
はだぬきて。先弓手のひもを。袖ともに。ひと
つにとりて。例式。袖をおさむるごとく。刀のこ
一匁下
じりにかけて。前へとりて。おさめて。其後馬手の
ひもを。例式のごとく。おさめているなり。此おさめ
百六十四
やうは。しき〳〵にあらず。いそく時。女此もする也
一ふせ鳥といふ事。鳥と鶉と二ツならでは。ふけて
百六十五
いると云こと。あるまじきなり。能々可心得
一鳥にてもめれ鶏にてもあれ。見付たる時。めを
つゝとも。又目をつけたるとも。云なり。鳥にあふ
百六十六
まじきこと葉也。空とふ。鶏鳥をは。いふましき也
一ふせ島可レ討時。めん島。とおも鳥。と二ツならびて
あることあり。其時には。甚夏は。め島を可討
秋冬は。男鳥を。可レ討也。此定まれども。いづれの
百六十七
鳥にても。立あがらば。先それを可レ
一かりまた。たばさむことは。かけ鳥。つせ鳥なといる
時に。かりまた。けんじりなとを。手ばさむや。つかふ
ときは。手をあふのけて。以前手ばさみたらまゝ。あ
りまたのかたを。つかふべし。又かりまたを。たゞ腰
にさす時は。羽のかたを。腰にさす也。さて此矢を
つかふ時は。手のうらを。上へなして。矢をとりて。
其まゝ。つかひて。可レ射なり
一小島なと。はだぬがて射るも。不レ苦。鶉まては
かたをぬかず。いかも。不レ苦。鳥なとに。肩をぬがて
いる事は。有間敷事也小鳥鶏なとにも。肩を
ぬぎて。可討事。本儀なり。又ひも袖をおさめ
すして。かたぬぐ事。有ましき事也。小鳥詩
百六十九
などゆがている時は。ひもを懐へ。をし入て。可レ射也
一主又貴人なと。何鳥をも討て。いまた。其鳥しな
百七十
ずは。矢取。ころして。矢にそへて。持て可レお
一木島いる次第の事。島にむかひて。馬をよせて。
馬手の手綱を。つかひて。弓手にみなして。事手
通さかりて可レ射。猪ゆ木鳥をいる時は。小島にて
もめれ。ひも袖おさめて。けたぬきて。可レ射也。はた
ぬがては。討ましきなり
百十一
一水島をいる事。水にある島を。其まゝ射べき
とも。又をひたてゝ。かけ鳥に。可レ討とも。射手の
まゝなり。それも。ひもをおさめて。けたゆぎて。袖
をおさめて。かぶらにても。かりまたにても可レ討
なり。船中にている時は。弓のもと。船につかへて。弓引
にくし。弓手の方の。ひざを。よく舟はたに。押あて
て。弓を引へし。又馬上にても。かちにても。可レ討也
討横に。ことなる伐。有へからす。水へ入ところにて。
草十二ノ
とをひきて。出るところを。いるといへり。故実也
船中にて。そ返しをは。せぬ事也。はじめ一番。い
百七十一
る時の儀なり。舟にて。かへるとき事を。斟酌の儀也
一〽こうしを可レ討様の事。さくりにのりて。をふ也
かならず。をはれて。立むかふなり。其時。手綱を。つ
かひて。間手にても。馬手にても。こうしのなける
すやうに。よりて。可レ射也。時宜によりて。すかいまね
にも。可レ討也。矢所は。くびと又はひらもゝを可レ討
矢所は。二所ならては。有へからひ。引目。又は矢頭に
て可射也。はだぬがている也。昔は。大造物已前
には。小半を討かなり
百七十四
一討まじ其島の事。鴬。雁。とび。とふくろふ。みゝづ
く。いしくなぎ。庭鳥。木ねずみ。むさゝび。鷹の
事は。不レ及申。此鳥どもをは。討まじき也。木
鼠をいぬ故は。聖武大王。銭城を。かふりあけたる
百七十五
其語に討ましきに被定置たる也。馬一性者なり
一矢軍にせさる。鳥のき。鶴。薄び二ッ也殊人無
存出もし也此語。尋申処。昔より。矢開にもちひ
さるよし。申来と也。語は不二存出一由。仰られ訖
百七十六
一矢軍に用る物の事。取分。一鹿二雀也。しゝをば
身ノ圭丁
百六十七
身をとりて。まな板にすゆるや。そしゝをすゆる也
矢音ノコ
一〇一手しんどうにて。しきの。はさみものを討ては。
ひやうはたと討てと云也。はづしたるときは
ひやうすつ。とはづしてと云なり
百七十八
一の四目にて。しきのまさみ物を討ては。ひはたと討て
百七十九
と云也。はづれたる時は。ひすつとはづしてとひ也
百七十九
一〽しんとうにて。草鹿。丸物。鳥。莨。狸木草の葉
はながみ。ふぜいの物を。いては。ひやうすつ。と
はづして。といふなり
一かふらにて。物をいては。ひふつ。といてといふ也
飛ふさめの的に。討めてたる時は。ひはたと云なり。
百八十一
はづしたる時は。ひすつとはづしてといふなり
百八十一
一〽四目にて。草鹿。丸物。鳥。莨狸。ふぜいの物を。いては。
ひし〳〵と討と云なり。はづしたる時は。是も
百八十二
ひすつ。とはづしてと云なり
百八十二
一かりまたにて。物をいては。ひやうふつ。といてと
百八十三
いふなり。はづしては。ひやうすつ。とはづしてと置
一〽そやけんしりにて。物を討ては。ひやうづはと
射てと云なり。はつしたる時は。ひやうすつ。とはづし
てと云。何も〳〵。物々によひて。定東かはるべき也。
百八十四
一丸物日記には。丸物討手と有べし。もしの字は。大
造物。手組事と書ならては。有まじき也。笠懸
の日記にも。笠懸討手と計書也御的の日記にも
弓場妙討手と書也。百手の日記にも。百手討手と
計書なり。けさみ物いる時も。日記あり。はさみ物
射手と計有べしものは手。有まじきなり
一笠懸。的。的。草麻。丸物ばさみ物なと。日記を付て。討
時は。大勢の時は。紙一枚に。かゝれぬ時。二枚にて
も。三枚にても。おくへ。そくひにてつぎて日記を
討べし。紙をつぐ事。法にあらねども。大勢の
時は。つめては。かなはぬなり
〽三物とは。屋ぶさめ。笠懸。犬追物もしや。但近年は。
流鏑馬。まれなり間。大笠懸。かちたちをも。遠
五物と云ふ。流鏑馬。笠懸。小笠熊犬造物。かち
たちの事なり
百八十八
一武田。小笠魚。両流の。ちがひたる事。大追物に
三矢。流鏑馬に。矢ぬき出す事。三矢は。下の矢
を。武田には。いるゝなり。矢をぬき出すに。笠のは
を。きれといひて。矢を。上さまへいたすなり。小笠
原には。犬の三矢は。一矢を。賞する也。やふさめの一
身ノ音一
矢出すは。大の二めのことく。さきへすぐに出す也
百八十九
此二のちがひめなり。残は。いづれも。同前なり
一弓のさくりは。むかしは。なかりしなり。文王の御
代より。始なり
百九十五
一馬上にて弓持時は。馬の右のみゝを。こすこさぬ
おどに可持也。かしら。たかく持たる馬の時は。事の
左のみゝより。猶左に。弓のすゑはず。なか事も
あるへし
百九十一
一〽雨ふりの時。弓持事。雨笠より前には持ざるなり
笠のゑよりうちに。弓を持なり。此時は。弦を。かさの
百九十二ヲナジ
ゑに。とりそへて持なり
一同夜に入て。矢をさしけくるには。弓より外へ。矢
をなして。さしはげて。笠をさす也。肉にさせは。
馬のかたに。あたりて。きるゝなり
百九十三
うつぼの。こんぼんは。かまど計をうつぽとて付
たる也。それより前は。なかりし也。たゞ能しこなと
をひたるがごとし。さるによりて。矢腫尽たるを。
やがて。人みる間。なに矢を。さしたるをも人にしら
せず。矢を討つくしたるをも。しらせしがために
昔の人の。故実にて。当代のごつぼのごとく。銚なし
て。色々の草を。け来る也。うれよひ。うつかには
何草を。かくべきとも。さだまらさるなり
百九十四
一うつぽ付へき。ほどらひの事。矢をひたることく。
付れは。後へまはり過て。矢をいたしがたくみて
も。わろき也。又あまりに。前へ。よりたるも。ちろ也
かどに可付。又かしら高にづくれは。矢もいたし
かたく。馬をはせまはれは。矢もゆくる也。殊に歩
射にて。矢ぬくる時は。是のこうにも。矢立。出し
入もわろし。又かねに付たるか。わろし。又よき
ほどに付へし
百九十五
一うつほのをのこと。うつぽに付たるをは。ねをと云
後の腰に。あたるをゝは。こしかはと云なれに
付たるをを。うけ緒と云也。うけ緒を。とをす。前
の緒をは。かけのといふなり
馬の上にて。うつぼ付て。弓持ての時。中間に
白木の弓を。もたすべからすぬりたり弓を。一張。
もたせて。其外。馬の跡なとに白木の弓を。持
するは。くるしからひ捻る。馬の上にて。白木の
間を持出しは。有べからす。むらこき。そは白木
同前なり
一金一
一朱人草丁
百九十七
百九十八
一〽うつぽを付ては。何をも。弓に取そへぬら本なり
主の供の時。うつほを付て。引目。しんどうなとを
とりうへて揃は。略儀なり。又は毛籠の事也。
雷常の時は。引目。失頭なと。間に取そへても。可指也
一〽馬の上にて。弓を持て。人に。礼をする時。弓を
なをすとて。弓を少よこさまに。なをすなり。
一日九十九
を。人には。むけざる事也
弓をなをさぬ。尾籠なり。総勾弓のうらはす
一主の供の時。腰当をする事。すましきなり
ことに。ゑぼし上下きては。すまじ貴也但猿
の時。十徳なときては。しても。くるしからず
一馬のさきに。弓をもたするは。家より。右に持事
は。不審なりと云人あり。其後は。馬の上へ取時は。
左よりとかに。右に揃もし不審也。雖レ然古今
より。如レ此。右に枕なり馬の上へ。人よら時は。なの
後をとをりて。さて馬の上へ出す也。前よりも
二百
子細なけれ共。後より出したるが。よきなり
一自然。両の手。用の時は。弓を。鞍の上に。尻のしたに
しくなり。絃の方を。尻に敷なり。弓のかたは。鞍
のそとに。なるべし。弓のすゑはすの方。左の方
爰之事
二百二
通なるべし。さてとる時も。左の手にて。可取也
一じんどうなどにて。物を射る時も。二の矢と云へし
三四にならば。又矢をつがひて。とかたるべし。猪
力物語に。二の矢をつがひて。と語るべし。三の
矢とは。かたるまじ実なり
一征矢には。かりまたをは。さゝぬ事也
二
一征矢をは。をふと云。うつほをまゝ。付ると云なり
二百五
一夜引目いるには。犬討引目本なり。けしやうの
ものも。笠懸引目より。大討引目に。おづくと六
人申ならはしたる也。ちかき比。如何のためし
おくしきなり
二百六
一ぬりたる弓に。矢すり。かふら藤なとなきは。町
儀なり。細々の時は。くるしからす
二百七
一三的とは。流鏑馬のこと也。又かちたちに。小的
二百八
を。三たてゝ。いるをも。三曲と云也
一下地の馬と云事は。大に限ていふなり。余の事
二百九
には。いはぬ事也。笠懸に。よき馬なとゝ云なり
一つくり物なとに。大はさま。こはさまと云は。的め
ひの事なり
二百十
一常の物語に。羽一尻を。一鳥。と物語にする人有
友浅草下
今日之事一
二百十一
更にしらざる事也。たゞ一尻といふへきなり
一羽のほそき方をは。するもきとも。又のこそは。
いふなり
二百十二
弓を。人に出すには。右の手に揃て。出す也我いか
弓は。左に可持なり
引目のどうまきより。こなたをは。箆くちの
方といふなり
二百十四
二百十五
一とも草の沓なとは。はれの時は。はくべからす
略議なり。内々にては。大笠懸の時も。子物なし
一常に。犬笠懸。いる時のくらは。引はだの切付
不レ苦。御手組。又はれの犬笠懸の時は。つゝら
二百十六
切付なるべし。総而つゝら切付。本なり
一かさかけ。犬討からなとを。ふしかげ。取たる事
つねには。すべからひ。ふしかげ取たる矢なと。
二百十七グ
爪よる事あらは。漆付たる所をは。爪にあてぬなり
一具足を。からひつより。取出す時は。先かぶとを。とり
出し。其後。具足の袖を。持上て。袖の下より。わた
かみをとりて。いだすなり。人に見する時は。から
ひつのふたながら。具足を置て。その上に。かぶとを
置て。二人して。かきて出て。たゝみのうへに置て
知人武軍
散を見せて。さて左をみせて。さて右を見す
るなり。うしろを。と所望あらば。見すべし。其
儀なくは。三方を。見するなり。自然ひつたてゝ。み
するも。同事なり。からひつのふたながら。たゝ
りの上にて。をしなをし〳〵。見すべし。よろひを
とりいたす時は。先かふとを取出て。わいたてを取
出て。さて。とうを取出也。二人。具足をかくときは。
二百十八
社を。賞翫の人。かくなり
一かふとを。主人に見する時は。左の手を。甲の内へ
入て。結をとりそへて。手のうらに。すゆる様に。
持て。右の手を。しころにそへて。面を見せて。さて
左の方を見せて。これもうしろを見せよと所
望あらは。見すべし。貫人なとに。見世申時も。
二百十九
海岸見せ申へく候
一かた沓の乳ときは。てんがく。さるかくふぜいの者
なとに。馬上にて。めひたる時。馬よりおるゝ事
あらは。左の沓計をぬぎて。礼をすることあり
是を。かたくつの礼と云也。但是は。故実なり。さ
だまれる法には。めらび。あるゝ程ならは。左右を
ぬぐべきなり
一
名主
十二
一神の前なとにて。下馬を。すべきに馬付すさひ
し文主の供なとして。おるゝ事。かなはひは。は
二百英
きたる沓を。左をぬきて。乱をすへし
一主又ことなる愛人なとの。鞍置たる馬に。のる時
は。さしよりて。のる時。鉢に手をかけて。のみ
なり。是は礼なり
二百廿一
二百廿二
一矢のたふれたる。と云こと葉笠懸的。草鹿
丸物にいふなり。こゝ外には。たふれたると云事なし
一ふくろふの羽をは。何矢にも。付ぬ事也。人を調
伏する時の矢に。つくるなり
鹿の皮の。くびかはをは。くしかみともいひ。又くび
二百廿四
かみとも云也。むかはき。敷皮なとの時。云なり
一うづほにさす矢とて。こしらへやう。箭にはなし
征矢をさすなり。うつぼにさしたるを。見たるか
よきとて。すげふしを。そろへてずるなり。さた
まれる法には。なきなり
二百廿五シウヂウ
一。出陣の時。乗へき馬。もしいばひ。并身ふるひ
をする事あらば。そのまゝは。出間敷なり。
はるびを。しめなをさせて。出べきなり
金弐匁
の名
子息之
右一巻者。小笠原備前守持長。
浄元
民部少輔殿持清公任備前二時多年。高忠運二
法名
此道ニ志一尋申。其外佐々木加賀入道
道統
原備前入道役。相伝之聞書并古豊陵守
小笠
法名
亭長
従二応永年中至二興元一同子息持長
宗円
相伝之聞書。令二相レ続之一ヲ連々致二シ糺決一合二得公
訖。於二此道一者。最上之秘説。於二子総有一器用ノ族一
者可令相伝者也
寛正五年十一月日
四十一
190.