人國記

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北條時頼舊題
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ジンコクキ
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東北大学
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人閏記 十十 あま 人国記全五巻 往昔最明寺禅公。諸国を潜行 して。有司の伏蔵を開 ̄ノ下民の家 雄を通せしめ。政教の助とす。此時に 民間の情を観察し。人国記を作れ りとそ。今此巻を披は。昔年の風俗恰 も画出せるか如し。是亦氏を化し俗を 成の一助ならさらんや蓋人情は閨の風 水に因れり。此編を人国と題せる。人情 国土の意にや。しかるに其風土の形勝 をしらされは。其因所を弁ことなし 故山川の梗概を難し。小国を後に画。 野大綱を示す。しかるに今政化寓内に 及ひ。風移り俗変して。往昔の風にあ らす民悉く善に向ひ撃壌含哺し て各其生を楽むとぞ。 らす哉兎共善助 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 嘉兵兵 いかたし 題人国記後 発狂説明帳三人ノ権映世工全 彫入□□□博士 ………………………………………………………………………………………………………………………………・・・・・・・ 国家之理乱繋風 俗之美悪風俗之 美悪。繋民心之情 偽民心之情偽医医 人数之賢否。是故所。 移風易俗。王者所 以挽回也。嗚呼風 俗之所繋。蓋大矣 哉。今此編者。往昔 本邦之風 巻 俗者也。或曰。剛元 帥時頼所著也。顧 為其書。不能頗無 疑焉。然非周流海 内。而撿察民情者。 不能若是詳且尽 矣。方今盛時。風移 俗化。雖異古昔。民 情所尚。猶有遺風 也蓋民情猶植物。 因土地異栄癖。因 灌漑遂其性。是故 有北方强。有南方 强。膏土民不才。斎 土民向義。嶮岨幽 谷。木直而隘。平原 海浜。文弁而放。此 皆風気水土。所以 使然也。但其善悪 厚薄。興時借変化 矣。以是観此。此書 之作。非徒記往古 之俗。而當以徴當 世。則孟為風化之 現鑑耶。 元禄庚辰端午日 木斎平祖奥 伊兵祖 □□□□□□□□ 人國記巻之上編目 畿内五国 山城一大和三河内四和泉五 摂津六 東海道十五国 伊賀セ伊勢州伊賀セ伊賀十一 参河十三遠江十四駿河十六甲斐十七 伊豆十九相模二十武蔵廿一安房廿三 上総廿四下総廿五常陸廿六 東山道八国 近江廿九美濃三十飛騨卅二信濃卅三 上野卅六下野卅八陸奥卅九出羽四十六 北陸道七国 若狭四十九越前五十加賀平二能登五十三 越中五十四越後五十五佐渡五十八 人國記巻之上 畿内五国 山城 当国の風俗は。男女ともに。其詞自流。濁分り善して。 たとへば流水の滞ることなくして。いさきよきか如し。風俗 は。其所の水土にしたかふものなり。此国の水の潔こと。 他国にならぶことなし。故に人の膚滑なる。婦人の客色 ことに尋常なり。然れとも。武士の風儀は柔過て不 宜。されども婦人脱蕘の勇といへは強におとしむへからす。 古来玉城のゆたかなる国故に。をのつから。心ゆるまりて 不知不識に。蒼美にすぎ。実義少き国なり。これに依 人と夫に。肯こと易く。又約を変ることもやすし。軽 薄の意なるゆへとそ。 按に当国は。三/方山因て。南水田を開。南低して。 中に平地あり。則平安の都ありて。四神相応の地。 四時の寒暑。各正気を得て。行る所也。故人の風 一俗。本書に所説の如し。生質自然と中正を得なり。 然れとも。一‾国の内にも。南北東西の少かわりめありて。 就中北山中は心質朴なり。是深逐の谷育なれは 如此。されとも国風の遁れさるは。淫乱懐弱なる事 は。国中に同し。 同村義 山城国図 大ヒ山 大原 □□□□□□ 廿一日 畑お聞 廿四 □□□□□□□□ 北ノ 舟ヲカ 御座 二條 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□ 久世 摂津 □□□□ □□ 大和 冷ず 大和 当国の風俗は表郡は。人の気名利を好ものおほし。 奥郡の者は隠る気あり。山城の風俗に。大概似たり。 されとも少尖なる所も有。又詞に偽を巧にして。功少 して名を掲むとおもふ気質あり。故に実義きわめ てすくなし。其中芳野山中の人は。各別なり。五/畿内に すくれて潔白なれとも智謀ありて。義理をしるにあ らす唯邪僻に不陥。奢美を不好のみなりとそ。 一按に。当国は過半山にして。中平地を開く。本書に 所謂表郡とは此平地の所奈良の故京などの辺 を云なり。南は大山覆ふ。大峯と云て甚しき深山 なり。此国人皇第一。神武天皇はじめて都をたて られしより。代々の都となれるゆへに。国俗其規模 に習て。自然と名功の気質あり。本書に説ことゝ 芳野宇陀などの山中。風俗各前に卒直なり。四は 時の寒暑も。表郡は山城よりも猶温和なり。山中 は是亦各別なり。解状 村 □□□□ 西大寺 地 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 平城 郡山 御手代 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 龍田 戒重 大和国図 大坂 伊賀 柳生 垣 第一 □□□□□□□□ 別条 同 伊勢 □□□□ 池 の □□□□□□□□ 秋 具土岐 □□ の 山山 河内 当国の風俗は。上下男女ともに。気柔にして。譬はゆ きのあしたに。庭前の柳枝。甚たわむといへとも。終に 折ることなきか如し。然れとも。士農工商ともに。富日人は 驕る気ありて。他人をみくだす心有。上河内は。山城 にかわらず。下河内丹浦錦郡石川の数郡は。智恵あ りて。気直にして。たのもしき事有。少しく早劣なる 風有之とそ。 当国は。東南山にして。西低。池沼水田多し。西の方 聞て。海風を入故に。温和にして。風俗柔なり。寒 暑も暖気おほし。但本書に所説の下郡は人の気直 なりと云は。おのつから山中の故也楠公の如き人も出。 河内国図 鎗 地 旧葉飛 武蔵 □□□□□ □□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 紫琴 □□□□□□ ○国分 大和 ○大井 ○上太子 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 池尻 ○佐山 神 を □山 □□□□ 画 かけ □□□□ 女房 方に 紀伊 和泉 当国の風俗。至て実義なし。上べをうつくしくみす れとも。底意はかつて用ひられさる事。たとへははか ねなき判刀のごとし。殊に出家町人の風俗にして。利 心おほきゆへ。人の財を奪ふ事。坂東の風の人を殺 害して。うはふ類にはあらねと。人によりそひて。よく謝し て。後には必其人をはき取。為体なりとそ。 按に当国は。東高西北海浜なり。国中平原おほし。 一寒暑河内に同し。本書の所説。不実の質は。海浜 人も出たり。上てにはあらず 単なる故也。殊に堺の地。所謂の如し。又間巧才なる 和泉国図 河内 地 十 場 □ 〇石津 以上 □□□□□□ 岸和田 ○ □□ 紀伊 摂津 当国の風俗は。大概山城国に似たり。就中。武士にて も。町人百姓のなす如く。武芸を勤といへとも。其意根 は。渡世利限の為に思ふ風なり。無益身のかさり。調度 等に。美麗を尽し。費す事をいとはす。終に己も窮し。 人の財を損ぜしむる也。国中にも。北郡少律義もありて 謡事すくなし。しかれとも。国風の免れざるは。大かた欲ふか し。大和山城河内のはつれにて。四ヶ国の水土集会せし 国なれは。又善事も有之。惣て柔弱虚證の風也と しるべしとそ。 按に。当国は。南に海浜をうけ北は皆山なり。難波 津は。古より。入津集会の地なり。四時の寒暑眩お ほき国なり。本書に所説の民俗。これ皆海浜。嶋会 の故なり。北郡とは。能勢郡。有馬郡の事なり。是 等は。丹波の国につゞきて風俗も。海辺とは別なり。 されども国風はまぬかれず。諸国運送の酒を醸。 一其外売買の利得を。第一の事に。下民はみなお もへる風なり 摂津国図 仕訳 □□ 大阪 東 □□ 廿一日 の □□□ ○鶴田 高槻 □□□ 尼崎 □ □□□□□□□□ ○四百八 ○豆 ○伊豆 の 人 大江 ○眼剖 世 和田 朝世 天王 能勢 □□□ ○兵庫 を 須磨 ○長田 鉄琵琶 有馬 □□ 播磨 武庫山 ○ ○高須 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 風 □□□□ □ 里 東海道十五国 伊賀 当国の風俗は。伊勢の国に等し。下伊せの国に詳也。 されとも。やこしは意地の善おころもあり。其風 ̄ニかき りを専として。根の遂ることなきとなり。 按 ̄ニ当国。四方皆山にして。川も亦おほし。寒暑中正 なり。民俗本書の所説今もたかはす 伊賀国図 大義 東 論 □□□□ □□ 大小 □□□□ □□ 山城 □□□□□□ 廿一日 廿一 伊勢国図 女 本 □□ 片内宮 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 五ヶ所 立がら □□ 松坂 ○野尻 ○大石 七日市 ○雲出 □□□□□□□□ 当春 伊賀 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 国の □□□□□□ カタ山 ○石ヤクシ 四ヶ市 近江 大和 □□□ ○赤木 桑名 を 志摩 当国の風俗。大概伊賀伊勢にかはる事なし 按に。当国は。伊勢。国崎にして。善志菅嶋等は。 海中の島なり。いにしへ此嶋々も。地つゞきにて。一 国なりしかども。いつれの時にや。洪水にて。岸岸 大分あとなりし故。今の国地は。伊勢の境内よ り。当国へ。さきわけし地おほしとそ。風俗住 勢にかわらさる事宜なる哉。寒-暑尤暖気な る国なり。 志摩国図 書 也 亀嶋 □□ 鳥羽 尾張 当国の風俗は。進走の気つよくして。善をみても。 悪をみても。其方へうつり染る事はやし。人の上を 判するにも。一向に。我したしみをかたんじ。人の花を消 我悪を猫の類多し。又万事根のとぐる事なく行み 大-風洪水の俄になり出がことく。すゝむ事とく。退こと すみやかなり。雖然かたぎ勇気にして。きびしき所も あれば。伊賀伊勢志摩。三ヶ国合ても不及上てなり 古より秀者も有といへたり。下劣の心底。猶いかた くな也夫ゆへ謀反一揆を発事も古とおほしまた 飾気すくなき故に。間に実義の人も出るなり。又悪 をなしても。はやく是を懲して。改る人も有なり。然は 中の風俗の国といふべし。男の言語さわやかにして。よ き国なりとそ。 按に当国は。南北長東西狭。北は山にして一国多し 陸地なり。南は海浜相つゞき。暖気なる国なり。 国民巧才なる所なり。風俗本書に詳なり 犬山 一 ○大久手 細久手 ナコヤ 岸 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 鳴海 尾張国図 □□□□ 大野 ○大谷 □□□□□□□ □□□ 三河 ラムサキ 二十七才 □□ □□□□□□□□ □□ ○一ノ宮 ○高酒 伊勢 参河 当国の風-俗。気勝れて人の長。十に七八のひず其 言語いやしけれども。実義おほし。事を約して。遂さ る事なし。親子の間も。互にはぢしい虚談する事 なし。しかれとも。偏屈にして。我を立て。人の言を 聞いれず。これによりて。命をすつるものも間これ あり。武士の風-義。善おほくして。女もけなげに。 恥をしる所なり。 一按に当国は。北は山南は海の浜の其広境広広境広、平 原曠野おほし。寒暑温和にして。人の心も寛 大なり。当国も。北山の中は少異なれとも。風俗本書 に所説たかわす。 琉球 参河国図 尾張 十四 □□ □□ 苅屋 □□□ ほ 里崎 □□□□ □□ 廿一 深川 □□□ 琉球 □□□□ 廿八 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□ ○名へ 言場 信濃 遠江 当国の風-俗は。三河に不_レ異して。人の気何事にそ きても。ひるむ気なし。さるによつて。死すべき所とこゝ ろえては。節にあたらすといへども。かへり見ず。三州に 替たる所は。物を頼にする気あり。これによつて。 諂気あらはれて見ゆるなり。唯己が智を以て。下 より上をはかり。自をしらずして。上を誹謗して。 諫を云事はなくして。党を立。他を求る風あり。 智恵有て。気尖なる故に。善に付□□しあり。あじ とに付ても明日と辻ことならざる風なり一回の門 にても。東へよりて。一入かくの如し。 按に当国は。土地形勝。大概三州に等。組三- よりも。山おほし。南皆海辺なり。寒暑も三 州よりは山中はすこし寒おほし。民俗本書に詳 なり。少自慢の気質あり 遠江国図 を 宝法 □□□□ □□□□ 次六 横スア □□□□□□□□ ○代衣行 對州 駿河 当国の風俗は。遠州と替。人の気狭て。而実寡。気 せばきがゆへに。伸意少。気の屈する時は。取なをすこ。 とをしらずして。命を経るものあり。故に気かた くなし。されども常に。焔気質あるものは多。義理を 思て。身を立ものは少。総て威厳おほく。互に人をい やしめおとす。更にしまりなき風なりとそ 按に。当国も亦北は山の南は海。最山多。富士峯を 負て。大河おほし。其暑中正にして。温泉の国に 駿河国図 ○竹三 ○スハシリ の 城 葦島山 ○原 □□ □□□□ 松山 善よく ○吉 灰 □□ □□□□□□□□ ○江尻 □□ 小川口 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 甲斐 当国の風俗は。人の気尖にして。不宜死事を不厭 傍若無人の事おほし。上は下をくるしめ。下亦上を不_レ _レ敬下臈に少科ありても。主人甚罰_レ之。主人非道に下 をつかへは。大身は早速反_レ之。小-身は怨を含て。禍を禍を頼 かふ。惣て。道理を不_レ弁なり。しかれども。甚。強勇にして。 死を不_レ顧戦場のはたるきけなげなりとそ。 按に当国は。偏地の山中なり。殊に南に冨士山霧 て。一灸に気のこりれる一ツなり。尤山原がゆへに。水 源おほし。四時の寒暑も不_レ正民俗本書に説 ことく不宜風なりされは。武田信玄公の曰。最明 一寺殿の人国記をみるに。丹後石見の風俗。千人 万人の内にも。善人稀にて。不直なりと説しが。 余が領国甲州の民も。是にかわる事なき。不宜 風なりとそ。 甲斐国圖 龍門 東 跟伴 し海 ヅル川 ○屋村 □□ 天目山 □□ ○萩原 □□□□□□□□ がつ 〇君ミユ 伊豆 当国の風俗は。強中の強にして。気を稟ところ都 て清なり。しかれとも。一花の気にて。少の違めにても。又 親怨を変ずるなりとそ。 按に当国は。駿河と相模の間の海中。南へ指出 たる国なり。三方皆海岸にて。中は山谷なり。遠 暑も暖なる所なり。民俗偏偏境なるゆへに。万 一すじなり。大嶋三宅嶋。其外嶋々多。笄八丈嶋の 如。皆此国に属すといへとも。風-俗各異なり。 伊豆国図 三り 初品へ の アメ □□□□□□□□ ○北条 〇温泉 出難 風 ○御門 日子 大嶋 三宅嶋 島 北 │ 新輔 の 下田 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□ ミコモト 相模 当国の風俗は。豆州に似たりといへとも。人の気転変 易き所なり。栄は。縁を求て。親をなし。今まて 嘔し人にも。時を不得勢おちぬれは。遠り。其人の 非を揚て謗り。権柄ある人をは。非をも掩て称誉 す。色食を好て。栄曜にまさる事なしとおもへり。如此 風十人には九人は爾なり。夫故に。主被官のわかちなく たゞ其勢につきて。昨日まて。肩をならべし者を も。今日は。主と仰。主は被官となり。彼官か主人となる を恥さるの風なり。智あれとも。却て智に迷ひ。義 を知るに似て。義なきなりとそ。 按に当国は。山を負。海を抱。所々風土異なり。故 一寒暑も亦別なり鎌倉の如き湯漬は。寒暑 平正なり。筥根三増の山中は。寒おほし。民‾俗大 一底本書の所説不_レ爽。但海浜の所々は演風亦 おほし 相模国図 □□ 貝綿 清龍 ○子コヤ 三増 鎗 足カラ □□□□ 筥根 も 武蔵 通 ○戸塚 □□ の ○ ヱノ嶋 □□□□□ □□□□□□□□ 三サキ □ ○シヤウカシヤウカシヤウカレ 女房 武蔵 当国の風俗は。活達にして。気広譬は秘蔵の器。 を過て損ずる時。其者恐怖すれは。其主却て是 を厭。少も後悔の気色なく。其者を労て。懐を 染す。名人の風なり。因茲戦場に利を不得して。 敗軍すといへとも。敢て其気を不屈して。改て 散乱の兵士を集て。再会戦の志あり。凡気に 乗と。気にをくるゝとは。雲泥の差といへとも。楽も ひかゆるも。時をしるをよしとす。彼兄の義義の を立る時も有へし。又ひかへて。承て制するの時も。 有べけれは。一概に。此風ばかりを。善とすべからす。 又気広故過分に驕の気象ありとそ。 按に当国。西は山深。東に江海を受。広大の国な り。古昔は武蔵野とて。曠原相続て自人の心も 活気也。今江都の大城ありて。諸国都会の地なれ は。庶民皆善に習。且亦奢美の風益長せり。秩父 山中の如は。木質の古俗なり。熊谷鴻巣辺は。上州の 風に不異。寒暑中正の内。餘寒猶多。烈風常に多 河岸 武蔵国図 □ ○杉戸 カスカヘ 越谷 はや弥 草加 幸手 ○小岩 □□□□ 中川 チシュ 日 アリサ □□□□ 志村 ○本橋中野 品品 ○川崎 金川 の ○クリハシ 羽生 ○新江 「恩 桶川 ○ 大宮 ○コウノ 川越 ○ユリマ 十三 ○ 府中 日日 金王 □□ の 松山 の瀬山 □□□ 琉球 相模 小仏 □□ ○ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○八幡 なつ 談奏かし 秩父大宮 □□□□□□□□ 甲斐 ○中 大分の 安房 当国の風俗は。人の気尖なる事。譬は。刃の如し。常 に。頑にして。人と和する事寡。男女ともに死を恐れず。 仮令の参会にも。互に歯をぬきて。万事に思案工夫 することならず。其中にも。亦能質なる者も出来也。 言語こそ卑劣なれ。生得は。道理あれは。一旦は尖に あれとも。武士は其程の器となり。農工商も。それ〳〵 に力量あるなり。されとも如此の質亦希なり。只 生得の気に任て。手許して。真容なる事なき風也。 安房国図 乙は一 平タテ □□□□□□□ 海の ○北条 □□□□ の □□□□ 平つ 東条 弐丁 り 上総 当国の風俗は。大躰安房国に異事なし。然るに。此 国の風は。別て。気偏屈なり。庶民の所作は常に。山賊 夜討を本として。正道に行人は希なり。されとも。武勇 に取てば。其けなげなる事。開東二番とはさがらずとて。 一按に。安房上総両国は。海中に指出。東は大洋。西は江 一海。中又山多く。険阻の所々あり。寒暑大底。武蔵 一類せり。民俗本-書に尽せり。但江都に向へる故に。 見に習て人々穴の意あり 上総国図 ○市ケ坂 勝浦 □□□□ □□□ □□□ □□□□□□ 大タキ 〳〵 ○長南 クハハ の サヌキ ○ 入る □□ 福芝 □□ 人に 武蔵 □□□□□□□□ ○二十五 □□ 十六 下総 当国の風俗は。上総に同し。但結城の人は。健なる生質 なり。国中に勝たる風也とそ。 按。当国も山おほく。又江水もおほし。寒暑も上総に同 下総国図 ○精出 □□□ 実 千葉 をつ 舟バシ後 □□ 香取 神崎 小金原 □□ □□ 丹手 □□ 〽アイヤ □□ 国の 路に 常陸 一当国の風俗は。如此の不可然所も希なり。盗賊多し て。夜討推込。辻切等を好。其罪顕て刑に行るといへ ども恥辱とも不思。却病を以て不死とて。子孫是を 称談して。盗賊の不道と云ことを。曽不知。只膽を大 に生れつきたるものなり。武士の風も。是に不異して。 道理を知る人少。縦道理を知といへとも。我意に任せて 執行故に。理に似たる理に非。義に似たる義なし。 □□□□□□□ぜんにん 善とすべからす。世の唱にも曰。 一常陸国 とも。昨。日の味方。今日の敵となる如は無之風なりとそ 按に。当国東一偏は。海洋にして。西は山なり。口海 国中にさし入て。所々の風土各異なり。尤大-国の家 に。山中海浜南北の境地に。寒暑のかわり有民 俗本書詳なり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二月 □□□□□□ 常陸国図 □□□□ 畑の 図 松久 □□□□ □□ □□ 筆 清 ○□□□□□□ 水戸 ああ 府中 □□ 丹津 武宝 ○完戸 等 二日記 □□□□□□□□ □□□□□□□□ □□□□ アタ アタヌ 人の風説 千四 の 東金砂山 ○小松 ○西金店 を 陸奥 下野 東山道八国 近江 当国の風俗は。賢侫相交たる風なり。されとも賢の かたは少。侫は多かるへし。身持上手にして。己か非を隠 して。善をてらふ。さるによつて。外より是をみれは。此国の 人は。他国の風に勝て見ゆる也。これを譬に。金の如し 夫金に品多し。黄金あり。白銀あり。銅鉛錫鉄皆盒に して。各其性異なり此国の風。金の内にも。金銀すく なきが如し。故に。佞のかた多かるべしと也。賢も佞も其才 のはたらきは。まきらはしけれはなりとそ。 一按に當国は山川多。中に大江を湛て。泉水を会集 す大国にて。南北東西。風土少異なり。北は北国につ ゞき。寒烈雪深。西亦偏僻。東は彦根より以南は。 当国の都なり。寒暑惣て寒多く。風亦はけし。 「民俗本書備れり 近江国図 巻 □□ れお □□□□□□□□ 勿論 大洗 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二十二丁 ○ □□ □□□ の 石へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□ かサツ 伊須 □□□□□□ □□ 池 美濃 当国の風俗は。人の意地奇麗にして。水晶の如し。 されとも。水晶も磨ざれは。光澤なし。磨は即光出 やすきか如にて。生質水晶ほど奇麗にても。其まゝ にては。漢にて果すなり。西美濃は。風を柔言語も 風流に見ゆる也。東美濃は。生得の木地なり。日本 の内。四五ヶ国の。能風俗なり。唯生得のまゝなる故 直ばかりにて。鄙考なる事も間これあり。此等の風 を能垢を磨は。名高き人も。いてきて外の法則 ともなるへしとぞ。 按に。当国は大国にして。北東は山深。西も亦山ありて。 南を開。広原水田多し。木曽飛騨につゞく故。 其大水流来りて。川堤多く。衆水禽流し て。伊勢の海になかれ入。寒暑山中は。北国にお とらす。南は自中正なり。風俗本-書に説ことく。 直なる民俗なり。北山中は。大嶮岨の地多し。 其民尤/鄙俚木質なり 美濃国図 信濃 □□ 意 しら 八国坂 □□ 十九 □□□□ 第一 □□ 大井 岩村 ねへ 久田見 久四日 の ○ ○猪 参河 ○ 伊尾 岐阜 加納 大雪 岡口 〇火十一 〇 尾張 伊勢 松 飛騨 当国の風俗は。健直にして。愚なり。日本は広といへ とも。我国に如事なしと思ひ。他国の望もなし。井の 中の蛙大海をしらさるがごとし。是愚なる所と可謂。生 得は石鉄の性なり。 一按当国は。東西南北皆山にて。谷間の民家なれは。人 の心杖他に漏る気なき故。愚直なり。然るに。古昔飛 弾の工とて。帝都の番匠。此国より貢す。夫工匠の職 其才不足者の及所に非。是山-谷の秀気集が故 に自然と。工垂が臂を得たるなるへし。寒暑尤不正 なり。 言講 地 □□ 《要 ○車場 ○小白川 鞭 ○○ 浅草 高山 柳ヶ原 諸 ○ ○槙原 ○駒寄 深井中 魂 加賀 信濃 当国の風俗は。武士の風。天下一なり。百姓町人の風 儀も。健なる事他国の及弓にあらす。其生得義理 強して臆する事なし。仮令の雑談にも。弱みなる 事を不言。若柔弱にして復したる事。少ある者 は。人始みて不交風なり。尤才覚もある国なり但 頑に野鄙なる事は有とそ 按に。当国広大の国にして。皆山中なり。是亦山 谷なるか故。古より武事の器量出しなり。伊奈 諏訪木曽松本飯山。各々の風土にして。寒。暑 亦各異なり。惣て。寒の烈事は。北国にもまされ り。但伊奈郡の辺は南に向ひ。三州遠州に隣 ゆへ。寒緩し。松本飯山は。取分寒多く。雪も 粗深し。山入は北国にかわる事なし。民俗も少々 異所あれとも。本書大医不_レ違 信濃国図 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 東 □□ ます ○和田 遠江 □□ ○勢近 □□ □□ ○眼 日向任 □□□□□□ □□□□ □□ 三国 □□□□□□□ の 紋 □□ 青柿 蛇尻 海野口 下スワ。 の 十一月 法つ □□ ○竹田 外陣 成け ○松シ口 □□□□ 長酒 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 善光寺 飯山 足 上野 当国の風俗は。碓氷吾妻利根三郡は。信州に似たり。 勢田佐位新田片岡四郡は。信州よりも上ての風なり。 然れとも詰所の意地少し。譬は吾を容所あり。 て情心なき故。小過も大罪になす事あり。信州は 不_レ然。弓箭を取とも負ても気を不屈。必此助を雪 志ありて。幾度も出陣し遂く。此国は。二三度も取繕 て不_レ利は能分別をして。若壺やうの気象あり。 しかるゆへしまり少なし。又邑楽郡馬井楽多胡緑 野那波山田等の数郡は。一‾気勢にして。一人気を はけませは。諸人気をひとつにして。一党する気象 ありて。進退人とかたんずる。風なりとそ。 按に。当国も山谷多く。甚大国なり。諸山源故 流水亦おほし。山入の所々。嶮阻要害の所有。 坂東の国の中にて。地形高く広大にして。聞 たる地も有ゆへに。上野の国と云にや。山入は。皆 寒烈し。民俗本書の所説のごとく。人心堅固 なり。しかるに。上州盗と諺にも云へるは。近比まで 旅客の齋金を奪取。猥に人を殺害するやう の風ありて。世人是を悪めり。是皆勇気の過る 故ならんか。今四海昇平にして。人心皆善に向 ゆへにや。彼盗賊の風も改りて。本国の生得 に。なりぬと見へたり。 日市 地この 上野国図 陸奥 □□□□□□□ 下野 新田 錦林 仲 は 沼母 録 門 猿ケ京 三国峠 赤城 厩橋 其論 高崎 甚 武蔵 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 白根や 新世 □□ 四二 ○大笹 第二 碓氷峠 ○ 安中 □□□ □□□□□□□□ □□□□□□□□ 我幼 下野 当国の風俗。おほくは陰の内に渇を交たる人/多して。 これを澄す事不能して。邪気甚傍若無人なり。 故に平生辻切強盗をして。少も恥なる事を不知_レ意_ 欲心深万事つれなくして。而も己も悪としりながら 改る事なき随分悪風俗なりとそ。 ○かんはけし 按に。当国も山た。陸奥につゞくゆへに。寒烈。民俗 も野鄙にして。俚語尤訛り 下野国圖 佐久山 ○赤羽 宇□ 徳二郎 足利 佐野 重 ○鉢磁 ○黒川 上野 陸奥 当国の風俗は。日本の偏鄙なる故に。人の気ゆき。語 て。気質の倚尖なること。万丈の岩壁を見か如し。適 道理を知ても。前非を改むる事なし。譬は江水の流滞。 塵芥積て流むる事なきがごとし。国之名人と呼程の 人不聞得なり。右の生得なる故。たのもしき事もあり。 又なさけなき風もあり。五十四郡の内。何も二つ三つ に風俗のかわりめあれども。大枢此趣なり。此国は。日の もとのゆへに色白して。眼香み有。人の形相寝賤し て。言詞卑劣なれとも。勇気は日本に比所もあるまじ。 国之無益の死をする者有。但偏僻なりといへとも。其意 地潔白なる所あり。女は容貌色白髪長顔うるはし。 但形相音声すぐれて。鄙劣なり。しかれとも其心底の 貞正なる事は。外の男子にも勝り。凡当国及出羽 上野下野上総下総常陸等。大概人の音声。上調子 なり。しかる故。侫執なる事なく。差当所のみ。大かたに 勤る也。思慮分別の深事はなし。殊に此国牡鹿郡載 鹿角階上津軽宇多数郡の人。別て楚忽のあら ましなる風なりとそ。 按に。当国大-国なる故。所々の異なる風土有。然共 凡山おほき国なり。民俗本書に詳なり。会津 は白川より西に入。遥に山-谷相続たる国なり。西は越 一 ̄ニ隣て。寒烈雪深事北国よりも勝たり。岩城 相馬は所の本名には非す総州の郡名なり 相對 は東の海浜なり。 相下次郎師常領此地住居より自名となたり 一故外よりは寒緩し。白川二本松赤館三春白石 福嶋等の所々。皆山中の形気なり。仙台の如は 当時繁昌の地なる故。風儀上-国に習へり。奥 是亦所の本名に非甲州の は仙台よりも 郡に至ては南部 在名なり南部某領之自名とす 尖に。寒烈雪深。津軽は南部よりも亦烈。其風出に 随て。人心も自別なり。松前は蝦夷につゞきて。風 儀又異なり。しかれども。本書に説ごとく。一偏の 鄙屈なる事は。各かわる事なし。古昔は奥の夷と て。人倫にも不通。禽獣のことき風なりしに。中古 上‾国の人。君長となり。政治を施す力により。其風に 化せられ。をのづから人間の道をもしれるにや。され は近比までは。民家に子をぶつかへすと云事あり。 産子三乳に及ぬれは。其父母これを経殺す。人是 をあやしまず。父母も亦懐然として。惻色なし。其不 仁なる事。實に夷狄の風なりしが。誠に仁風の遠 及へるにや。残忍の俗化して。今其事なしとそ。 〇 陸奥国図 下野 自_二白川_一西会津ノ境_一 □□□□ 此国十一日 す 東へ 白川 琵琵 ○矢吹 ○今泉 八十 高玉 猪苗代 アイツ 若松 の 人 楊津 此品 ○大塩 磐大山 ○ 越後 ○山口 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ の状 ○大久見 女 □□□□□□□□ ○関田 □□□□□□□□ ○小名浜 平 団昌 ○木戸山田 熊川へ 新新 ○石川 岩城 常盤 小高 棚倉 ○東館 八 馬ほし を ○下泉 三春 久米石 須加川 日和田 □□□ 説 二本松 草野 中村 駒ヶ峯 を 阿武隈川 ○岩沼 ○楽折 ○柴 右取川 ○ □□ ○笹谷 温泉 人 仙台 若林 シホカマ 七口セい ○七北田 川口 □□ ○坂下 □□ 松嶋 ○石巻 ○古川 岩手山 ○高志水 □□ 大谷 ○気仙 ○千厩 ○佐沼 ○一肉 ○三廻 アト ○泉城 ○竹駒 ○盛 の 入手 ○屏坂 □□□□ 江刺 和加川 ○鬼柳 ○大公 ○芭 ○富田 薬師峯 早池峯 ○横田 ○沼宮内 □□ ○花巻 ○岩崎 郡山 四十 東 ○松代 久慈 ○九戸 今云伊保田 姫神岳 ○福岡 ○三戸 八中 ○七口 西津軽 是ヨリ西津軽 ○大湯 □□□□ □□ 焼山 〇 の 佐井 の □□□□ 河原 弘崎 二本柳 ○村市 苅和沢 ○大間崎 和日 ○青森 浪里 ○油川 □□□□□□□□ ○高杉 十三潟 二万楽興解画 □□□□□□□ ○松前 ○鉄沢 □□ 出羽 当国の風俗は。奥州に大概かわる事なし。しかれとも。 奥州よりも。健義なる所ありて。智も亦上なり。武士 は。忠孝の志ありて。下を使に法を沙汰し。下臈は上 をうやまふ心あり。百姓は地頭を頼む心入ありて。更に 我地頭をかたんず。たのもしき所有。我国は遠国偏土に て。外に向ひはづかしき事のみ有と。人々おもへる故。礼 皃の風俗あるなりとそ。 按に。当国は西に向たる国にて。東は限なき深山凝 岨にして。甚寒。雪亦深し。奥州につゝきたり 大国なれば。所々異なる風もあり。民俗本書に 詳なり。海辺の風は。所々淫風あり。人の容名言 語。極て卑劣なり。 □□□□ 出羽国国 会津 ○山神 ○細木 ○金水 玉川 文寿 高杉 ○竹浜 米沢 ○小松 ○宮内 手ノ子 の ○鯛蠣 上山 □□ □□□ □□ 山形 ○鷲 寒河江 ○志津 東 の白岩 野辺沼 誠 小国 旨野沢 の 越後 新沢 渥見 〇蝋 湯殿山 羽黒 ○中沢 ○サンゼ ○大綱 ○根津 ○浜中 鶴ヶ里 新城 田尻 恋の 一名庄内 袖浦 須川 の 小松川 □□□ 湯湯 北ノ目 ○杉宮 ○新酒田 □□ 鳥海山 脾胃 □□ 琉球 至米 同 して 十七 雨針 □□□ 東 仙北 ○萱沢 ○米内沢 ○新庄 ○角館 □□□ 亀田 ○畑□ 臓 紀伊勢伊 ○脇橋 解舟 海の 婢女。 ○大館 入○杉宮 ○米橋 ○白沢 の 二ツナキノ 萬陣 岩浦 岩原 野代 北陸道七国 若狭 当国の風俗は。人の気相和する事なく。意くの 体なり。昨日は睡かりつる中も。今日は疎なりて。其 非を挙る風なり。下として。上を欺。己が科を正され ては。却て人の不法のやうに云なせり。取廻利教なる 故指当の弁舌。一花の気勢はあれとも。根の遂る所 なし。三方郡は。江州の風にひとしとそ。 一両国は。北に向ひ。海浜をうけ。尤山を負といへども。 只一重なる国ゆへに自人の心根とをりからく 風俗薄手なり。寒国なり。 若狭国図 八 深谷 □□ 本江 丹後 越前 当国の風俗は。日本に双なき智恵国なり。上下ともに。 すぐれたる弁舌尾州にも劣まじきなり。依之高慢に して。底意地悪し。軽薄にして。一旦たのもしきやう にて。諸所つれなし。或は旅人の渡りに行かゝり。舟を かゝんに。賃の高下を書て。舟いださず。又修行者の暮 に及て。宿を求れども。つれなくかさす。如此風国中の 人あまねし。邪智多きと云つへしとそ 〇へいけん 按に。当国も北西に向ひしかも山深く。平原も多し。一 寒国雪源。流水国中に通して。万事自由なる 国なる故。人の心も自高慢なり。山川峻深にして。 一寵烈の気ある故に。人の智さかんなり。しかれども。 北-方の偏気を禀る故に。正智少く。邪智多し。 本書云尽せり。此国淫風なき国第一たるべし。 敦賀郡は。風義亦別なり。 越前国図 卒首 大野 □□ ○府中 麻生津ノ 石場へ 加賀 当国の風俗は。上下ともに。爪を隠して。身を密に 持風なり。中にも。江沼能美別て如此し。石川川北 の郡は。少し気のびやかなり。武士の風は。をとなしやか にて。尖なる所なく。武勇の功にて。秀事を不好。たゝ みの上の調儀を以て。身を成立むと思ふなり。譬は他 国に合戦ありて。これより助勢すべき事ありても。自国 を全して。出る事を不好。まして我持の外を望て。 切取などする事は。盗賊なりとて嫌へり。皆人此覚悟 にて賢人の風なり。されども物ごと懈怠がちになる 風にて。我国一分にて。しまふ気ありとそ。 按に。当国は西海にうち向。山を負て。まへ打ひら きたる国なり。民俗温和なり。本書詳なり。寒 風はをしといへとも。越前よりは雪薄し。 加賀国図 十四 ○丸山 □□□□ □□ 日向 ○松住 ○熊谷 熊熊 ○内山 横谷 白山 外高は一 ○森 □□□□ 森本 一俣 □□ 能五 能登 当国の風俗は。人の心別て狭して。譬は。他国へ一足 踏出せば。渇命に及ぶべしと思へり。因之主人よりつ れなく使ふといへとも。外に行事を得ずして。是非な く勤むるなり。しかれとも武勇の覚悟はよしとそ。 一按に当国は加賀越中の間より。北海へさし出たる国 にて。通皆浜辺中に山あれども。極て狭き土地な り。尤寒風烈し。 能登国図 南 □□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 見砂 近はやゝ 川尻 ○志保 二宮 ○牧 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 秋 ○穴道 鵲川 宇術 宇術 かも 飯田 越中 當国の風俗は。陰気の内に。智あり。勇あり。倭な る気多し。親子の間にても。一言にことば質を取り。 巧に佞をなすなり。人の交も。底意は佞にして。只 卒忽のましわりのやうにする意地なり。しかれとも 臨_レ事て不_レ死風もありとそ。 按に。当国は。山深して。又海を抱けり。寒烈雪深 民俗本書に詳なり。 越中国図 の □□ いへ □□ ○上枕 □□ 冨山 筆肆 なり □□ □□□ ○住井 ○倶利パラ 加賀 □□ □□□□ 眼村 金色 越後 当国の風俗は。勝事を好気象多し。仮令にも勇 を励。痛と云事をはかゆきと云。若照左をれ病を得 ても只意得た。がきめなどゝいとけなき者の育にも。 かくあらゝかに。弾みを教なり。臆する気は少け れども。さしかゝりのつよきほとは。後度のしまりを不 考なり。主従者互にたのもしけれとも。道理を弁 事まれなり。それゆへ何事にも。しひて勝んとして。 理非の分別なき国なりとそ。 按に。当国は大国にて出羽奥州につゝきに賑して 西北は海をうけたり。国中大海多く寒気至て 烈。雪大に深し。上越後下越後。少の替ありて下 は就中寒烈。土地も亦野鄙なり。一国中の下民 勝心ふかき事。今に不_レ変。民俗本-俗本-尽せり。 関川 ○ いふ □□ ○三国峠 飯 北の 八海山 ○武居 吉平 一人国記巻 ○上野 人○赤沢 ○三付 □□□□ 一赤家○府本 ○赤家○府本 ○赤家○府本 ○地蔵堂 ○於知 なし 村松 竜島 あり 同 加治 □□□□□□ □□ 卅九 □□□□□□□□ 佐渡 当国の風俗は。越後に似て。気旋して。伸やかなる 事なし。心愚痴にして。極て頑なり。武勇は強とい へとも。善としかたし 一按に当国は越後能登の間の間の沖に有嶋なり 寒風烈雪深し。民俗尤狭し本書詳なり 佐渡国図 第一 □□ ゆる ○鷲崎 ○小池 □□ 廿形権現 惣在一冊 ○高下 長凡二ナリ □□□□□□□ ○ □□□□ 人国記巻之下編目 山陰道八国 市田十之晩 丹波一丹後三但馬四因幡五 伯耆六出雲七石見八隠岐九 山陽道八国 播磨十美作十一備前十二備中十三 備後十五安芸十六周防十七長門十八 南海道六国 紀伊十九淡路二十阿波甚讃岐廿三 伊豫廿四日土佐廿七 西海道九国并二島 筑前廿九筑後卅豊前丗一豊後卅三 肥前廿八日向早大隅四十二 薩摩四十四壱岐四十七対馬四十七 人国記巻之下 山陰道八国 丹波 當国の風俗は。人の気懦弱にして。面々各々にして 己を自慢し。人の非を誹人の是ある云消すひとへ に。婦人の心根なり。百姓は。農業を専とせずして。 商賈を相かねて。身の富省を求。惣て勇気す くなくして。縮つよく。昨日の味方も今日は敵となり。 世わたり第一の風義なりとそ。 按に。当国は。四方山々にて。皆谷間の人家なり。 寒雪も。北国ほどはなけれとも。尤烈し。山-谷の内 の民なれは。偏屈にせばかるべき事なれども。本書 に説ごとく懐弱なる所以は。此国城州に隣で都 に近か故上邦の風俗を。見に馴て自気は胸 出て。木張の質を失へり。婦人の風俗一入取しめ なくして。疎末なる所なり。 丹波国図 亀山 ○宮川 □□□□ 笹山 摂津 市原 稲荷 ○柏原 れは 業 東 此城 山家 酒 丹後 組伝 丹後 当国の風俗は。上下男女ともに。万人の内に。一人も好 人なし。不直にして。気強。却て勇気は寡し。適勇 あれは。邪智多し。若又実ある者は。愚昧なり。用に 不堪とそ □□□□□□□□□□□□ 按に。当国は北海をうけて。南に山を負り。入海多 して。潮の温和に馴れり。尤寒気あれども。北陸 にぶねなり。 丹後国図 但馬 達 雲源 十一 風 □□ 第廿二の の 骨 但馬 当国の風俗は。丹州よりは少よし。岩気多城崎二方の 数郡は。実ありて。たのもしき意地有。朝来養父の 風は。意地きたなく。盗人おほし。両冊の風の中分に して。善にも悪にも。従なりとそ。 按に当国は土地の大底丹後にひとし。但丹後よ りも。野鄙なり。四時寒暑も。丹波に同し。国 府は淫風あり。 但馬国図 卅二 □□ 月 衣 酒 出る □□□□ ○八丈 □□□ 小田 黒野 □□□□ 、田好〇 、田時〇 ○村里 むへ ゆゝ 因幡 ○余郡御舟 因幡 当国の風俗は。八上智頭邑美の三郡は。実にして 而も勇ありて約を不_レ変。高草気多法味巨濃の 数郡は。佞にして。邪智あり。武士は利欲に拘。得のつ く方に従風なり。一国の内に。如此風-俗の変。誠一天 性自然の理なりとそ。 按に。当国北海をうしくるといへとも。南山深し。並の 国よりも。たちこもりたる国なり。寒気もつよし。民俗 /海浜と山谷とは何れの国も変異あるなり 因幡国図 伯耆 吉光 次八 南 ○知頭 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□ 駒塀 □□ □□□□□□□ □□ 女 ○□□ □□□□□□□□ □□□□□□□□ □□ 髪 冨 丁酉 伯耆 当国の風俗。すへて虚実相半す。貴人に交て。已 を省て。善心生ずといへとも。其人を離ては又悪心に変 じやすし。兎角迷闇の地に居て。定る心終になし。 されは今世下賤の諺に。物の執行に進とも怠やすきを。 三日僧といへる事。此国の風より始ると云。知て不_レ勤 ても怠は。勇気不足なる故とそ。 按に。当国の風土も。因州に似たれとも。猶海浜多し。 民俗本書にくわし。 伯耆国図 出雲 ○五八 □□□ 本噺 玉へ七 □□□ □□□□ 原村 ○石見 □□□□□□□ □□□□ □□□ □□□ ○山口 い 九日 金谷 □□□□□□□ 大坂 □□□ □□□ 一同 ○四十曲 穴鴨 ○大塚 獣を 出雲 当国の風俗は。万事の作業実義に勤て。夫を専 一とする風なれとも。明闇の詮義疎にして。其理を不 弁_レ辨。善悪邪正ともに佛神に祈て加護をたのみとする風 なり。謀計は罰に当。正直は憐を蒙。神は非礼を不_レ事。 正直の首にやとる事を不知。愚昧の心なりとそ 按に。当国/山屓海を抱て寒風あり。 四瀬 出雲国図 □□ □□□□□□□□ ○金 □□ もの 赤穴 の 古志 吉田 都賀 歓国 今市 日井 村 ○大東 ○黒上 の 沈道 ▼ たる □□□□ □□□ 冨田 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 伯耆 石見 当国の風俗は。丹後の国に不異して。偽り多して。 実なる人稀なり。曽て不_レぬ風俗なり。智ある者 は。只悪心を断む。言語道断の国なりとそ。 按に。当国は西北の海に向て。山々をし廻したる国な り。寒気も烈し。民俗本書に見ゆ。山谷の委 て。淫巧の風所々多し。 気を受る故。上下智恵さとし。又銀山の風移り 石見国図 □□□□□□□□ ○木部 津和野 田方 ○黒谷 高角川 □□ 風 星帰 の 津田 ○○岐佐 ○長澤 □□ 南 □□□□ なし □□ 原井 ○萩原 □□ □□ 城 との 池田 ○山中 檜 □□ 隠岐 当国の風俗は。柔弱にして故道なり。知夫一郡のみ 実義にして。たのみ有所あり。其余は風にしたがふ 草のごとく善悪に不拘なびき随ふ風なり。乍去 遠嶋なれども。石別よりは。はる〳〵上の風とそ。 按に。此国雲州を去事。三十六里。北-海中の島也。 /寒雪尤甚し 《題: 京田 湧 山陽道八国 播磨 当国の風俗は。智恵ありて義理を不知。親は子 を誑し。子は親を欺。主は被官に領地を少くいだし て婦人をほり出し度とこゝろざし。被官も亦忠勤 を二段にして。調儀を以。所知を得る事を計る。是 偏に盗賊の振廻。侍は中〳〵不_レ及_二是非_二風義なりとそ。 一按に当国は南に江海を受。山を負て。上々の風 土なり。寒暑温和にして。万事富有の国なす 俗本書に所説のことくなるは。風土の順気をう くるといへとも。憂患に生て。安楽に死の道理に て。其心に体忍する事なき故也。実に古昔の 武士にも。赤松堂が如き。皆利心より出て本書 の所謂不及是非と云者なるへし。 □□ 播磨国図 □□□ 春 □□□□ 竜鶏 を 浅草 衣 □□ 国 □□□ 帯 惣社 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 清水 □□□ □□ 談 ○通□ □□ ○宮戸 和田清助 を ○網干 □□□□□□□ 細月 佐田 □□□□□□□□ の □□□ □□□□ □□□□ □□□□□□□□ ○平福 ○海田 美作 ○福梅 美作 当国の風俗は。卑劣にして。欲心深し。譬は。人の物 を借て。夫を不返を却て手柄にするやうの風也 片意地にして。人の教訓を聞入ず。邪智に係て。 過を文。されども其中にも。化しやすきかたぎも有 はたのもし。石州にはまされりとそ。 一当国は。山陰山湯の間にはさまりて。山国なり。寒気 はなはたしからず。 西 美作国図 備前 恩謝 の物物 八冊 ○ 作事 平記 □□□□ 宗命 □□□ 〆 憐叶 ○神代 ○越畑 ○越畑○奥津 直を 吉田ノ ○吉田ノ □□ 琉球 湯本 □□ 備前 当国の風俗は。上下ともに。利根を先として。万事 をなすに依て。言行の相違する事おほし。別て 諂心つよくして。上べは上の好事に随ひて。内心は 己かさまくにさげすみ謗なり。主人は威を張て下 をおさへんとし。彼官は主を欺。内は皆私心にてお もてを衒風なり。しかれとも都て智恵ある生質。 上を飾る風なれは。五十年も後には。まことに善を さとりて。風義直になるへきかとそ。 按に。当国は山入深からずして海流を抱たる由也 /寒暑も中和を得暖国なり 備前国図 ○板 三石 □□ 也 □□ □□□□□□□□ ○□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 山嶽 □□ □□□□ □□□□□ 四十四 瓢師 □□□ 備中 当国の風俗は。都て意地つよし。上下男女ともに勇 気ありて。義理を励ます意常に有。されともふて きなる心ゆへに。道理に不当事おほし。但備前場の辺 は。不正つくろひの風ありとそ。 □□□□□□□□□□□□ 一按に当国及備後ともに。備前と一国にて。古は吉備国 と云へとも。備前よりは。此国は。山入遥に深し。寒暑同 なり □□□□□□□□ □□□□ 備中国図 を ○治□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 歌 □□□□ □□ ○高屋 ○押□ 松山 □□□□ □□□□□□□ □□□□□□□□ ○浅口 志加部 ○鳥羽 高松 ○宮内 備前 □□□□ 備後 当国の風俗は。生得実義にして。約を変ずる事 なし。されとも愚痴なる事多故。不_レ不実になる わきまへ 事を弁ずとそ。 按に。当国は三国の内にては。一の大国なり。尤海 辺あれとも。山入深くして。備前の類にあらず。寒 暑海浜は暖気多し。山中は異なり。 備後国図 □□□□□□□□ ○補部 ○矢川 府中 □□ ○木屋原 川尻 荒川 ○古金 宮内 □□□□ 庄原 ○泉村 ○田井 市野 浦画 □□□□□□□□ 十二 □□ □□ 早渕寺 安芸 当国の風俗は。生質実多き風なれとも。気自然 と狭して。諸人ひかへて。人を先だて。人の善悪ともに。 判する事なく。己くが一分を守る風なり。依之抜群 なる人少し。世間の嘲を恐るゝ事なき故。頼しげな き様なれども。底意は実義より起れは。善所多し。 殊に佐。伯沼田賀茂の人/健にして。二心表裏の風なし。 按に。当国は尤海辺なれとも。三/万山かこみ。南も嶮 山多て。露気自こもれる国なり。是紋に。壷の 国とは。風俗各別なりとみえたり。尤暖気多し 山陽道は都暖温なる国なり何者南は四国の大 山あり。北は山陰の山々覆。中に江海の潮湛へる 故。自然と風気和せり。民俗は亦一/国中の風土 によれるか。 安芸国図 の堀村 ○野花 〇 深川 矢田 ○池田 幸橋 画 吉田 □□□□ 羽佐竹 駒 ○新庄 酒 中村 ○北片 伴村 藤原 内内 ○中浦 池田 寺町 久波 □□□□ る □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 周防 当国の風俗は。健義なり。されども吉敷佐波都濃三- 郡は。義理寡。昨日まて肩を並べし者にても。仕合よけ れは。主君と仰風なり。大嶋玖河熊毛三郡の人は。西郡 よりは少はまされり。されども情落の方に付たる風也。 好人希にして。悪事も亦少し。然とも惣て気小故。 思なる事はなしとそ 按に。当国は海辺多く。尤山を負ども深からず。寒 暑芸州にひとし。 同 防 画 四四 ○○○屋 □□ □□□ ○ 海 □□□ 当時 宇佐 下畑 □□□□ 岸見 □□□□ 幸井 矢原 奴を 上る 長八 □□□□□□□ ○ 長門 当国の風俗は。万万に美掛たる事なく人の音声も下 音に。上調子なる事なし。人に応ずるにも。一思案して。 答る風なり。更に人たのみにして。遠慮過たり何を 勤といへとも。進事疾けれとも。其まゝ怠惰の気発す。 因茲武士の風-俗。善と云難しとそ。 按に。当国は北西の海を受たる国にて。尤南にも満浜 ありといへとも。多は陰気を得たる国なり。依て寒風 烈しく。雪も亦山陰に均し 長門国図 □□□□ □□□□□□□□□ □□□□ の 惣社 内 増堂 ○ ○吉見 舟木 廿八日 石 ○保保 長光町 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西山中 □□□□□□□□ 播住 上 貞之之 火 南海道六国 紀伊 当国の風俗は。不健義第一にして陽気甚賤く。 上は下を貪り。下は上を侮り。法令を不_レ用。就_レ中 牟婁日高在田郡は。我慢なり。意地を強立るかと 思へは。又弱して。詰る所の臭意不極譬は。昨日敵と なりし人にも。今日は従ひ。又先に異変あれは。己一分 の一揆を企の類あり。此故にや。郷々に名主庄司と 号して。一分に主君を立つ。治承の乱の時分よりを 聞伝るに。誠に此風思ひ当れり。伊那名草那賀海 部郡の人は。南郡よりは。気柔なり。然とも指掛たる 意地のみにて。是も詰りたる心底。聊もなし。又悪を しりては。夫に随ほどの意はなけれども。欲の深こと。 日本に双国あるまじ。只利口を面前に顕し。実義 露もなし。西伊両丹石州五ヶ国に比すれは。意地強し。 一按に。当国は大国にして。をし廻海浜なり。尤熊 一野等の深山も有といへとも。過半は海辺なり。南 一方の国なるゆへに。風土暖気多く。柔和の氏 俗なり。 紀伊国図 □□ 浦 九鬼 □□□□□ □□ 〃 承知 本宮 山 □□ 二十 □□□□□□□ 和歌歌 藤代 有田川 キノ川 □□□□□□□□ □□□ 山田一 琉球 淡路 当国の風俗は。遠嶋の国ゆへ。人の気健にして。 何事も偽なし。譬は。親類縁者と聞ては。其筋 めを正し。縦貧賤乞丐の者にても。尋索の風 なり。されとも。都て怠惰がちにして。しまりなく。 退屈のみ多し。武士も。実義はあれども。達人の 可_レ出所にはあらすとそ。 按に。当国は紀伊阿波の間の海中の島なり。 一四辺皆海にして。尤山あり。境界不広国なり。 南方ゆへ。尤暖国にして。民俗柔弱にし て。しまりなけれとも。孤島なる故。実義ありとみ えたり。 淡路国図 右 岩屋 楽 ○十 酒本 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 温良 内波へ 阿波 当国の風俗は。大底気健にして。智あり。されども。 智あるゆへ。変道へ行気象あるべし。人をたぶらか し。強盗をする類のことはあるまじ。尤意地強し。 勝浦那賀板野阿波美馬郡は。少し心細歟とそ。 按に。当国海浜東に向。負山深し。南海故。最 一暖気なり。東方の秀気を受る故に。気健 に智あるなるべし。 阿波国図 右 □ 日玉車 蛇間 薬玉寺〳〵 □□□□□□□□ の □□□□ 後 讃岐 当国の風俗は。気質弱。邪智の人多し。武士の 風別て禍強く。方便を以て。立身をすべきなど と思ふなり。大内寒川三木三野山田等数郡。別て 此風なりとそ 右 讃岐国図 ○引田 □□□□ □□ ほくに一同 大指村 鳥居八丁余 風 按に当国は北に江海を受たる国なり 小豆嶋 ○福田長サ凡九リ 伊豫 当国の風俗は。大形半分に別れ。東七八郡は。気 質柔にして。実義強く。西郡は。都て気強く。却 実は少く見ゆるなり。古へより此国には。海賊満とて。往 一来の舟をなやますのよし。聞及ふに不_レ違。今もなを 徒党を立て。一/身を立る族多し。誠に関東の強 盗。此国の海賊同し業にして。武士の風俗。一段てづ よしといへとも。其道吟味なき故危事多き風なり。 末の世とても。此風変ずましきとそ 按に。当国大国にして。尤嶋々多し。故に風義 も所々少つゝかわりあり。尤暖温の国也。 伊予国図 工 □□□ □□ □□ けつ ○拝志 ○菖蒲 □□□□ □母う □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ を 湖 主洲 ○志酒 大洲 ○松葉 り 〇 ○ 八幡浜 り 十王 吉田 の斧を ○火火 〆〇小山 土佐 当国の風俗は。極て真ありて。気質すなをな り。土佐長里吾川の郡。別て此風なり。鳥獣にも。 風の移るものにや。此国の猿すなをにして。芸を 仕つけよき也。但遠国ゆへ。其語言早催なりとそ。 按に。当国は大国にして。百里の浜つゞきあり。 山また多し。尤南海を受得たる国なり。故温 暖なり。 土佐国図 小木ハ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 金子 ○ 本山 四 の 酒毒 □□□□□□ ほう □□ □□□ 風 勅使 を出す 福良 西海道九国附二嶋 筑前 当国の風俗は。大底飾多して。人々各々の心な り。勇も一応は勤れとも。かざる風ゆへ。終に何事 も成就せず。但九州にめづらしき。花奢の国な り。酒色を好人おほし。親疎のへたてなく。我ため に。得有人にちなみしたがふ風にて。甚不可然とそ。 按に。当国は西を受て。山も亦多し。風土温 和にして。暖気多し。古昔は。太宰府とて。 九国の官領の官府ありて。是を西都ともい ひし。就中博多の津は。異国の船津なりし 故。外の国よりは。風義かわり有へし。人の生得 才を得たる国にて。物ごと。きやうなる者多し。 尤上べうつくしき風とも有か 鎗 筑前国図 鎗 豊前 地震 大隈 脈労 十一 筑後 芦屋 赤間 ○青柳 ○新店 ○飯塚 ○筥崎 宰府 信勢 □□ □□□□□□□□ マテラ ○マテラ 福田 ほ ○□□ 《振 □□□ 筑後 当国の風俗は。筑前にかわり。実義あり。常に義 理を談じ。得失を沙汰し。費を慎で。言語に飾 事弁矣。然とも。下人は一涯にして。理非を弁るも のすくなく。無神の事のみおほし。譬へは其堅固な る事。鉄石といへとも。これは鉄には非して。石のことし。 ふたたひあふこと 其煉る事なふして。われて二度合事なりかたし。 上たる者も。此風に少和ありとしるへしとそ。 按に。当国筑前に隣といへとも。入海をうけて。大 かた山国たる国なり。故風茂も別なりと見 えたり。尤温暖の国なり。 筑後国図 豊後 ○浦村 □□ 也 琴 □□ 本藩広 府中 □□□□□□□□ □□□□□ □□□□□□□ □□ □□ 一久留米 金銀杏 渠 □□ □□ 黒崎 四年 豊前 当国の風俗は。譬は。馬の如し。馬に名馬あり。曲 馬あり。色々の毛品あり。長高く。様子うるはしく。 色品能馬のごとし。然ども。曲ある時は。用かたし。然に。 尊に比れば曲馬のことし。曲馬に。走あり。止あり。呼有 踏あり。其曲なく。中気なる有。されは此国の風義 は。唯中気の馬のことくにして。真実定りたる 意地なく。死生を論ずる場に至りても。忠義を 不知にもあらねど。理を捨て命を惜みのがるゝ者 おほしされは。一旦の忿に。一‾命を捨る者はあれと。 此理に。心を用る人なきは。不宜風と可謂とそ。 按に。当国は長門向に当り。豊後筑前の間に ありて。国図を見るに。誠に。一曲なる形の国也。 温暖の国也。民風忠義に不死して。一朝の 忿に捨やすきとの義。此国にかきるへからさるか しかれとも。此国/古の人。義戦をなし。忠死を せし事。末見えときは。誠に本書の説の。 風なるにや。 □□ 地 豊前国図 ○門 世 大牛 ○大理 小倉 ○太下 □□ 宇佐 第一 □□□ 仲津 ○善光寺 ○森沢 ○帆精 讒命 □□ 五十 豊後 當国の風俗は。気を禀一町偏塞なり。若其内 ナが一も善に生たるは。偏屈の内より出生ゆへに。堅 固なる事。比なし。扨聖徳太子の。子をまびくと宣 しは。出家せさせて。子孫断絶する事なるを。此国の人 は。此理を不弁して。出生する子を。殺害すると心得た り。今も此風有之と見えたり。末世に至るとも。猶如此 なるべし。此等の気質ゆへ。其死を不厭事。鵝もの 如し。別て武士の風俗如此此。適此偏を悪しと云。生得 をためんと思へる人有て、正道に至る事不能して。 或は邪智に迷ひ。臆病をなす人有べし。多は理閣 かたきたけれはなりとそ。 按に。当国は海浜も多。山谷も多き大国なり。尤 暖気の国なれとも。日例などよりは。山中は少寒し。 民俗本書に説ところ詳なり。中頃大友の興廃 を見るに。大概本書に不遠風義多し。扨子を まびくといふことは。当国に限らず。九州の内所々 此風ありしよしなり。本書に聖徳太子の子を まひくと宣ひしか。何の書にいでしや。縦出家 せさせて。人間をまびくと云とも。是天道自 然の人倫を滅却するにあらずや。ましてや。 産子の父母。みづから其子を殺害する事夷 秋禽獣にひとしからずや。慈仁の恩風。遠 及び。此風変化すといふとも。志あらん人は。恐れ 惧て。国俗の生質にかへらん事を慎むへし 豊後国図 春 月出 後河内 □□□□ 高田 金を 松尾 □□□□ 龍刻 竜脳 □□ ○町 □□ 江限 □□ 沓掛 四日 田代 草深 君田 大サ □□□□□□ 流利 止 ○中村 □□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 左白 □□□□ ○赤白 分 の 肥前 当国の風俗は。山/陰を合たるよりも。猶勇気あり て。武勇に至ては。義を知て。ひるむ色なし。誠其国 の風土を生得ると云ながり。百人に一人。此風なけれは は。ことの外めつらしきやうなり。武士の風猶以如し。 只温和の志をしらざる也上を敬下をめくみ。主君 の為に命を捨る事を常に願ふなり。百姓町人 男女ともに。不_レ遁罪科にて。死に至といへとも。毛以命 をおしむ気象なし。風義は信州に同しく。智はた らす音声野鄙なり。又人の和する事は。信州は及ぶ べからすとそ。 按に。当国は大国なり。殊に当国に隷する嶋ゝ 多し。風土 ̄ニ少ツゝの替めあれとも。都て海浜お つく。山も又多し。尤暖国なり。民俗本書詳也 中-古龍造寺隆信の気象。能回風を生れ 得たると見えたり。有馬郡下松浦なとは。遥に遠 ざがりたる所なれは。風も少はかわりめ有べし。松浦 郡の内に属せし五嶋などは。海上はるか隔てし 故ことさら風俗も聖体なり。長崎は、今異 邦の商舶入津の都会なれは。是忽風義物 されて勇猛の気は薄し。 肥前国図 ○桐浦 八幡 □□□□□□□□ を 間合 今利 翫前 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 別府 □□ 大河野 ミノセ の 佐賀 筑後 堀野 □□□□□□□ 大村 時津 長崎 ○相川 □□□□□□ 冊 肥後 当国の風俗は。大躰肥前に似たり。されとも。其勇 を数るに。百分が一なり。武士の風俗は。肥前に替て。 柔なり。然とも其意地。筑前豊前。両国を合たる より。上としるべし。但智あるを以て。分別多く。思ひ〳〵 なるゆへ。一和せず。肥前にははるか劣れりとそ。 按に。当国も大国なり。尤/海浜多く。山中/ゑ夥し。 阿蘇求麻なとは。各別の国のやうなり。尤暖温 の国なり。民俗本書に詳なり。上‾下共に。才の 有国にして人々不残をにくむ風なり。さるに依て。依て。依て。依て。依て。 を娶。入験などする者には。座に列をも恥とせり。 肥後国図 腹赤 ○山鹿 ○南関 ○高瀬 ○伊舎へ ウロウ ○上内曰 隈本 ○宮原 大津 ○八谷 阿蘇 □□ 豊作 上野 二 □□ □□□□□□ □□□□ □□□□□ 白鳳 □□□□ り 宇士 風 ○豊田 ○小川 ○熊庄 ○片下 八代 言地 日向 □□□□□□□□ 同田浦 大村 求麻 ○小鳥 湯 ○ □□□□□□□□ を 薩摩守 日晴 □□□ いへへ □□ □□□□□□□□□ 風 薩 同 日向 当国の風俗は。無躰無法の事のみおほく。只気の爽 なるに任て。己か理とみる時は。非と六人ありといへとも。曽て 用ひず。只其理非は第二にして。其談る人と口論に 及ひ。終に討果すの類なる風なり。誠に偏廻しいあ ましき事。人倫の道理を不_レ者こと歎くへき所なり。 唯死するを以て善とする事。危き風俗恐るべし。 按に。当国の風土。海浜おほく。又山-中深き大国 なり。尤暖気多し。 日向国図 内 七山 山毛 □□ 河内 騎 □□ □□□□ 三月 全九巻 赤坂 貝音 □□ ○佐田野 四十一 □□□一 四 たむ 本正 神谷 佐土原 宮崎 清武 高原 花屋嶋山 の 高城 ○多野 □□ 山川 志布 版肥 大将 大隅 当国の風俗は。是も死を以て表とし。口子たる者は。死 する道とおぼえ。五常は一段外の事とおぼへ。仏法は死後 の沙汰にて。生死の為に無益と自見して。常に主 下の作法も有てなく。主と云名のみを忝。禄を受か を主と覚へ。百姓は地頭とのみ覚て。不礼の行諸挙 て云に不足なり。戦場に於て。死するも。忠義の節 義のと云工夫なく。戦に臨ては。死を致すはづとのみ 覚ゆ。泰平の時は。主人危死するに。従石勝くみ 或は足をのべ。主従雑談する類の事。□□おほし。 末代とても。此風なるへしとそ。 按に。当国山を後にして。海中へさし出たる国なり。 種子嶋屋久の嶋なと云。南海の大嶋此国に属す。 尤暖国なり。民俗本書に詳なり 大隅国図 □□ ○吉村 □□□□ 正八幡。 □□□□ □□□ □□□□ □□ □□ 我 安島 牛根 高山 ○横山 □□ □□□□ 大十一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 自大隅佐多崎指種子海上十八里 指屋久海上二十里 南 天 世 屋久嶋 御籠へ 種子嶋 薩摩 当国の風俗。大隅に少も違事なしとそ。 按に。當国は。大隅の西に江海を隔て。北には深山を 負。西海を受たる国にて。鼠島長良嶋九嶋な といへる。遠嶋皆当国の隷なり。琉球も筋心一 附庸す。四時の気暖多し。民俗本書にいへる ことく。剛強なる生質今の世にいたるまで然なり。 常に床の上に病死するを憾として。殺伐の場 に死を遂るを自いて。本意とし。子孫もこれを 栄名とせり。仮令の児子の戯論に至ても。少の 劣を恥辱とし。其父これに死をすゝむる乳の事 おほしとそ。誠に死を恐れさるは。勇猛なれども。 一理非を勘弁せさること迷憾ならずや。嶋々の 風俗。尤少々替りめ有へし。 薩摩国図 肥後 ○米津 ○平泉 西へ泊 高崎 新田社 ○大林 水引 佃島 冠 酒島 京泊 を を 大隅 □□ 伊集院 谷利 鹿児嶋 □□□□ 大国肥巻下 田布施 □□ ○門 防津 増□ □□□□ 四 鳥 口永良嶋 自山川湊卅二里 九嶋 自口永良三十里 □□□□□□□□ 大国記巻 つせに 物 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 近年春晴 萩原春 壱岐 当国の風俗は。遠嶋なれとも。物の花奢なる事。大隅薩 摩より。はるくまされり。人の気柔弱なる所おほし。実 なる所もありとそ。 壱岐嶋図 肥前名古屋 北 ○勝本 国巴巻下 對馬 当国の風俗。壹岐と同風なりとぞ。 抄に。壱岐対馬両国ともに。肥前の国の北に当り たる。海-中の嶋なり。周匠皆海にて。何も山有。壱岐 は肥州名古屋を去事。十三里。対馬は壱岐の勝本浦よ り。四十八/里乾の牙なり。皆地によれる国ゆへ。寒あり。 一対馬は殊に寒国雪おほし。是より朝鮮へ。通路海 船又四十八里なり。 對馬嶋図 右 □□□ □□□□ 大四山 吉井 書林 行 須原茂兵衛 伊勢 □□□ 江戸日本橋南一町目 もの 人国記巻之下 べ 人国記後 〇六 な 〇 元禄十四辛巳年二月吉辰新刊 □□ も しむる 人閏記 十十 あま 人国記全五巻 往昔最明寺禅公。諸国を潜行 して。有司の伏蔵を開 ̄ノ下民の家 雄を通せしめ。政教の助とす。此時に 民間の情を観察し。人国記を作れ りとそ。今此巻を披は。昔年の風俗恰 も画出せるか如し。是亦氏を化し俗を 成の一助ならさらんや蓋人情は閨の風 水に因れり。此編を人国と題せる。人情 国土の意にや。しかるに其風土の形勝 をしらされは。其因所を弁ことなし 故山川の梗概を難し。小国を後に画。 野大綱を示す。しかるに今政化寓内に 及ひ。風移り俗変して。往昔の風にあ らす民悉く善に向ひ撃壌含哺し て各其生を楽むとぞ。 らす哉兎共善助 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 嘉兵兵 いかたし 題人国記後 発狂説明帳三人ノ権映世工全 彫入□□□博士 ………………………………………………………………………………………………………………………………・・・・・・・ 国家之理乱繋風 俗之美悪風俗之 美悪。繋民心之情 偽民心之情偽医医 人数之賢否。是故所。 移風易俗。王者所 以挽回也。嗚呼風 俗之所繋。蓋大矣 哉。今此編者。往昔 本邦之風 巻 俗者也。或曰。剛元 帥時頼所著也。顧 為其書。不能頗無 疑焉。然非周流海 内。而撿察民情者。 不能若是詳且尽 矣。方今盛時。風移 俗化。雖異古昔。民 情所尚。猶有遺風 也蓋民情猶植物。 因土地異栄癖。因 灌漑遂其性。是故 有北方强。有南方 强。膏土民不才。斎 土民向義。嶮岨幽 谷。木直而隘。平原 海浜。文弁而放。此 皆風気水土。所以 使然也。但其善悪 厚薄。興時借変化 矣。以是観此。此書 之作。非徒記往古 之俗。而當以徴當 世。則孟為風化之 現鑑耶。 元禄庚辰端午日 木斎平祖奥 伊兵祖 □□□□□□□□ 人國記巻之上編目 畿内五国 山城一大和三河内四和泉五 摂津六 東海道十五国 伊賀セ伊勢州伊賀セ伊賀十一 参河十三遠江十四駿河十六甲斐十七 伊豆十九相模二十武蔵廿一安房廿三 上総廿四下総廿五常陸廿六 東山道八国 近江廿九美濃三十飛騨卅二信濃卅三 上野卅六下野卅八陸奥卅九出羽四十六 北陸道七国 若狭四十九越前五十加賀平二能登五十三 越中五十四越後五十五佐渡五十八 人國記巻之上 畿内五国 山城 当国の風俗は。男女ともに。其詞自流。濁分り善して。 たとへば流水の滞ることなくして。いさきよきか如し。風俗 は。其所の水土にしたかふものなり。此国の水の潔こと。 他国にならぶことなし。故に人の膚滑なる。婦人の客色 ことに尋常なり。然れとも。武士の風儀は柔過て不 宜。されども婦人脱蕘の勇といへは強におとしむへからす。 古来玉城のゆたかなる国故に。をのつから。心ゆるまりて 不知不識に。蒼美にすぎ。実義少き国なり。これに依 人と夫に。肯こと易く。又約を変ることもやすし。軽 薄の意なるゆへとそ。 按に当国は。三/方山因て。南水田を開。南低して。 中に平地あり。則平安の都ありて。四神相応の地。 四時の寒暑。各正気を得て。行る所也。故人の風 一俗。本書に所説の如し。生質自然と中正を得なり。 然れとも。一‾国の内にも。南北東西の少かわりめありて。 就中北山中は心質朴なり。是深逐の谷育なれは 如此。されとも国風の遁れさるは。淫乱懐弱なる事 は。国中に同し。 同村義 山城国図 大ヒ山 大原 □□□□□□ 廿一日 畑お聞 廿四 □□□□□□□□ 北ノ 舟ヲカ 御座 二條 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□ 久世 摂津 □□□□ □□ 大和 冷ず 大和 当国の風俗は表郡は。人の気名利を好ものおほし。 奥郡の者は隠る気あり。山城の風俗に。大概似たり。 されとも少尖なる所も有。又詞に偽を巧にして。功少 して名を掲むとおもふ気質あり。故に実義きわめ てすくなし。其中芳野山中の人は。各別なり。五/畿内に すくれて潔白なれとも智謀ありて。義理をしるにあ らす唯邪僻に不陥。奢美を不好のみなりとそ。 一按に。当国は過半山にして。中平地を開く。本書に 所謂表郡とは此平地の所奈良の故京などの辺 を云なり。南は大山覆ふ。大峯と云て甚しき深山 なり。此国人皇第一。神武天皇はじめて都をたて られしより。代々の都となれるゆへに。国俗其規模 に習て。自然と名功の気質あり。本書に説ことゝ 芳野宇陀などの山中。風俗各前に卒直なり。四は 時の寒暑も。表郡は山城よりも猶温和なり。山中 は是亦各別なり。解状 村 □□□□ 西大寺 地 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 平城 郡山 御手代 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 龍田 戒重 大和国図 大坂 伊賀 柳生 垣 第一 □□□□□□□□ 別条 同 伊勢 □□□□ 池 の □□□□□□□□ 秋 具土岐 □□ の 山山 河内 当国の風俗は。上下男女ともに。気柔にして。譬はゆ きのあしたに。庭前の柳枝。甚たわむといへとも。終に 折ることなきか如し。然れとも。士農工商ともに。富日人は 驕る気ありて。他人をみくだす心有。上河内は。山城 にかわらず。下河内丹浦錦郡石川の数郡は。智恵あ りて。気直にして。たのもしき事有。少しく早劣なる 風有之とそ。 当国は。東南山にして。西低。池沼水田多し。西の方 聞て。海風を入故に。温和にして。風俗柔なり。寒 暑も暖気おほし。但本書に所説の下郡は人の気直 なりと云は。おのつから山中の故也楠公の如き人も出。 河内国図 鎗 地 旧葉飛 武蔵 □□□□□ □□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 紫琴 □□□□□□ ○国分 大和 ○大井 ○上太子 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 池尻 ○佐山 神 を □山 □□□□ 画 かけ □□□□ 女房 方に 紀伊 和泉 当国の風俗。至て実義なし。上べをうつくしくみす れとも。底意はかつて用ひられさる事。たとへははか ねなき判刀のごとし。殊に出家町人の風俗にして。利 心おほきゆへ。人の財を奪ふ事。坂東の風の人を殺 害して。うはふ類にはあらねと。人によりそひて。よく謝し て。後には必其人をはき取。為体なりとそ。 按に当国は。東高西北海浜なり。国中平原おほし。 一寒暑河内に同し。本書の所説。不実の質は。海浜 人も出たり。上てにはあらず 単なる故也。殊に堺の地。所謂の如し。又間巧才なる 和泉国図 河内 地 十 場 □ 〇石津 以上 □□□□□□ 岸和田 ○ □□ 紀伊 摂津 当国の風俗は。大概山城国に似たり。就中。武士にて も。町人百姓のなす如く。武芸を勤といへとも。其意根 は。渡世利限の為に思ふ風なり。無益身のかさり。調度 等に。美麗を尽し。費す事をいとはす。終に己も窮し。 人の財を損ぜしむる也。国中にも。北郡少律義もありて 謡事すくなし。しかれとも。国風の免れざるは。大かた欲ふか し。大和山城河内のはつれにて。四ヶ国の水土集会せし 国なれは。又善事も有之。惣て柔弱虚證の風也と しるべしとそ。 按に。当国は。南に海浜をうけ北は皆山なり。難波 津は。古より。入津集会の地なり。四時の寒暑眩お ほき国なり。本書に所説の民俗。これ皆海浜。嶋会 の故なり。北郡とは。能勢郡。有馬郡の事なり。是 等は。丹波の国につゞきて風俗も。海辺とは別なり。 されども国風はまぬかれず。諸国運送の酒を醸。 一其外売買の利得を。第一の事に。下民はみなお もへる風なり 摂津国図 仕訳 □□ 大阪 東 □□ 廿一日 の □□□ ○鶴田 高槻 □□□ 尼崎 □ □□□□□□□□ ○四百八 ○豆 ○伊豆 の 人 大江 ○眼剖 世 和田 朝世 天王 能勢 □□□ ○兵庫 を 須磨 ○長田 鉄琵琶 有馬 □□ 播磨 武庫山 ○ ○高須 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 風 □□□□ □ 里 東海道十五国 伊賀 当国の風俗は。伊勢の国に等し。下伊せの国に詳也。 されとも。やこしは意地の善おころもあり。其風 ̄ニかき りを専として。根の遂ることなきとなり。 按 ̄ニ当国。四方皆山にして。川も亦おほし。寒暑中正 なり。民俗本書の所説今もたかはす 伊賀国図 大義 東 論 □□□□ □□ 大小 □□□□ □□ 山城 □□□□□□ 廿一日 廿一 伊勢国図 女 本 □□ 片内宮 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 五ヶ所 立がら □□ 松坂 ○野尻 ○大石 七日市 ○雲出 □□□□□□□□ 当春 伊賀 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 国の □□□□□□ カタ山 ○石ヤクシ 四ヶ市 近江 大和 □□□ ○赤木 桑名 を 志摩 当国の風俗。大概伊賀伊勢にかはる事なし 按に。当国は。伊勢。国崎にして。善志菅嶋等は。 海中の島なり。いにしへ此嶋々も。地つゞきにて。一 国なりしかども。いつれの時にや。洪水にて。岸岸 大分あとなりし故。今の国地は。伊勢の境内よ り。当国へ。さきわけし地おほしとそ。風俗住 勢にかわらさる事宜なる哉。寒-暑尤暖気な る国なり。 志摩国図 書 也 亀嶋 □□ 鳥羽 尾張 当国の風俗は。進走の気つよくして。善をみても。 悪をみても。其方へうつり染る事はやし。人の上を 判するにも。一向に。我したしみをかたんじ。人の花を消 我悪を猫の類多し。又万事根のとぐる事なく行み 大-風洪水の俄になり出がことく。すゝむ事とく。退こと すみやかなり。雖然かたぎ勇気にして。きびしき所も あれば。伊賀伊勢志摩。三ヶ国合ても不及上てなり 古より秀者も有といへたり。下劣の心底。猶いかた くな也夫ゆへ謀反一揆を発事も古とおほしまた 飾気すくなき故に。間に実義の人も出るなり。又悪 をなしても。はやく是を懲して。改る人も有なり。然は 中の風俗の国といふべし。男の言語さわやかにして。よ き国なりとそ。 按に当国は。南北長東西狭。北は山にして一国多し 陸地なり。南は海浜相つゞき。暖気なる国なり。 国民巧才なる所なり。風俗本書に詳なり 犬山 一 ○大久手 細久手 ナコヤ 岸 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 鳴海 尾張国図 □□□□ 大野 ○大谷 □□□□□□□ □□□ 三河 ラムサキ 二十七才 □□ □□□□□□□□ □□ ○一ノ宮 ○高酒 伊勢 参河 当国の風-俗。気勝れて人の長。十に七八のひず其 言語いやしけれども。実義おほし。事を約して。遂さ る事なし。親子の間も。互にはぢしい虚談する事 なし。しかれとも。偏屈にして。我を立て。人の言を 聞いれず。これによりて。命をすつるものも間これ あり。武士の風-義。善おほくして。女もけなげに。 恥をしる所なり。 一按に当国は。北は山南は海の浜の其広境広広境広、平 原曠野おほし。寒暑温和にして。人の心も寛 大なり。当国も。北山の中は少異なれとも。風俗本書 に所説たかわす。 琉球 参河国図 尾張 十四 □□ □□ 苅屋 □□□ ほ 里崎 □□□□ □□ 廿一 深川 □□□ 琉球 □□□□ 廿八 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□ ○名へ 言場 信濃 遠江 当国の風-俗は。三河に不_レ異して。人の気何事にそ きても。ひるむ気なし。さるによつて。死すべき所とこゝ ろえては。節にあたらすといへども。かへり見ず。三州に 替たる所は。物を頼にする気あり。これによつて。 諂気あらはれて見ゆるなり。唯己が智を以て。下 より上をはかり。自をしらずして。上を誹謗して。 諫を云事はなくして。党を立。他を求る風あり。 智恵有て。気尖なる故に。善に付□□しあり。あじ とに付ても明日と辻ことならざる風なり一回の門 にても。東へよりて。一入かくの如し。 按に当国は。土地形勝。大概三州に等。組三- よりも。山おほし。南皆海辺なり。寒暑も三 州よりは山中はすこし寒おほし。民俗本書に詳 なり。少自慢の気質あり 遠江国図 を 宝法 □□□□ □□□□ 次六 横スア □□□□□□□□ ○代衣行 對州 駿河 当国の風俗は。遠州と替。人の気狭て。而実寡。気 せばきがゆへに。伸意少。気の屈する時は。取なをすこ。 とをしらずして。命を経るものあり。故に気かた くなし。されども常に。焔気質あるものは多。義理を 思て。身を立ものは少。総て威厳おほく。互に人をい やしめおとす。更にしまりなき風なりとそ 按に。当国も亦北は山の南は海。最山多。富士峯を 負て。大河おほし。其暑中正にして。温泉の国に 駿河国図 ○竹三 ○スハシリ の 城 葦島山 ○原 □□ □□□□ 松山 善よく ○吉 灰 □□ □□□□□□□□ ○江尻 □□ 小川口 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 甲斐 当国の風俗は。人の気尖にして。不宜死事を不厭 傍若無人の事おほし。上は下をくるしめ。下亦上を不_レ _レ敬下臈に少科ありても。主人甚罰_レ之。主人非道に下 をつかへは。大身は早速反_レ之。小-身は怨を含て。禍を禍を頼 かふ。惣て。道理を不_レ弁なり。しかれども。甚。強勇にして。 死を不_レ顧戦場のはたるきけなげなりとそ。 按に当国は。偏地の山中なり。殊に南に冨士山霧 て。一灸に気のこりれる一ツなり。尤山原がゆへに。水 源おほし。四時の寒暑も不_レ正民俗本書に説 ことく不宜風なりされは。武田信玄公の曰。最明 一寺殿の人国記をみるに。丹後石見の風俗。千人 万人の内にも。善人稀にて。不直なりと説しが。 余が領国甲州の民も。是にかわる事なき。不宜 風なりとそ。 甲斐国圖 龍門 東 跟伴 し海 ヅル川 ○屋村 □□ 天目山 □□ ○萩原 □□□□□□□□ がつ 〇君ミユ 伊豆 当国の風俗は。強中の強にして。気を稟ところ都 て清なり。しかれとも。一花の気にて。少の違めにても。又 親怨を変ずるなりとそ。 按に当国は。駿河と相模の間の海中。南へ指出 たる国なり。三方皆海岸にて。中は山谷なり。遠 暑も暖なる所なり。民俗偏偏境なるゆへに。万 一すじなり。大嶋三宅嶋。其外嶋々多。笄八丈嶋の 如。皆此国に属すといへとも。風-俗各異なり。 伊豆国図 三り 初品へ の アメ □□□□□□□□ ○北条 〇温泉 出難 風 ○御門 日子 大嶋 三宅嶋 島 北 │ 新輔 の 下田 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□ ミコモト 相模 当国の風俗は。豆州に似たりといへとも。人の気転変 易き所なり。栄は。縁を求て。親をなし。今まて 嘔し人にも。時を不得勢おちぬれは。遠り。其人の 非を揚て謗り。権柄ある人をは。非をも掩て称誉 す。色食を好て。栄曜にまさる事なしとおもへり。如此 風十人には九人は爾なり。夫故に。主被官のわかちなく たゞ其勢につきて。昨日まて。肩をならべし者を も。今日は。主と仰。主は被官となり。彼官か主人となる を恥さるの風なり。智あれとも。却て智に迷ひ。義 を知るに似て。義なきなりとそ。 按に当国は。山を負。海を抱。所々風土異なり。故 一寒暑も亦別なり鎌倉の如き湯漬は。寒暑 平正なり。筥根三増の山中は。寒おほし。民‾俗大 一底本書の所説不_レ爽。但海浜の所々は演風亦 おほし 相模国図 □□ 貝綿 清龍 ○子コヤ 三増 鎗 足カラ □□□□ 筥根 も 武蔵 通 ○戸塚 □□ の ○ ヱノ嶋 □□□□□ □□□□□□□□ 三サキ □ ○シヤウカシヤウカシヤウカレ 女房 武蔵 当国の風俗は。活達にして。気広譬は秘蔵の器。 を過て損ずる時。其者恐怖すれは。其主却て是 を厭。少も後悔の気色なく。其者を労て。懐を 染す。名人の風なり。因茲戦場に利を不得して。 敗軍すといへとも。敢て其気を不屈して。改て 散乱の兵士を集て。再会戦の志あり。凡気に 乗と。気にをくるゝとは。雲泥の差といへとも。楽も ひかゆるも。時をしるをよしとす。彼兄の義義の を立る時も有へし。又ひかへて。承て制するの時も。 有べけれは。一概に。此風ばかりを。善とすべからす。 又気広故過分に驕の気象ありとそ。 按に当国。西は山深。東に江海を受。広大の国な り。古昔は武蔵野とて。曠原相続て自人の心も 活気也。今江都の大城ありて。諸国都会の地なれ は。庶民皆善に習。且亦奢美の風益長せり。秩父 山中の如は。木質の古俗なり。熊谷鴻巣辺は。上州の 風に不異。寒暑中正の内。餘寒猶多。烈風常に多 河岸 武蔵国図 □ ○杉戸 カスカヘ 越谷 はや弥 草加 幸手 ○小岩 □□□□ 中川 チシュ 日 アリサ □□□□ 志村 ○本橋中野 品品 ○川崎 金川 の ○クリハシ 羽生 ○新江 「恩 桶川 ○ 大宮 ○コウノ 川越 ○ユリマ 十三 ○ 府中 日日 金王 □□ の 松山 の瀬山 □□□ 琉球 相模 小仏 □□ ○ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○八幡 なつ 談奏かし 秩父大宮 □□□□□□□□ 甲斐 ○中 大分の 安房 当国の風俗は。人の気尖なる事。譬は。刃の如し。常 に。頑にして。人と和する事寡。男女ともに死を恐れず。 仮令の参会にも。互に歯をぬきて。万事に思案工夫 することならず。其中にも。亦能質なる者も出来也。 言語こそ卑劣なれ。生得は。道理あれは。一旦は尖に あれとも。武士は其程の器となり。農工商も。それ〳〵 に力量あるなり。されとも如此の質亦希なり。只 生得の気に任て。手許して。真容なる事なき風也。 安房国図 乙は一 平タテ □□□□□□□ 海の ○北条 □□□□ の □□□□ 平つ 東条 弐丁 り 上総 当国の風俗は。大躰安房国に異事なし。然るに。此 国の風は。別て。気偏屈なり。庶民の所作は常に。山賊 夜討を本として。正道に行人は希なり。されとも。武勇 に取てば。其けなげなる事。開東二番とはさがらずとて。 一按に。安房上総両国は。海中に指出。東は大洋。西は江 一海。中又山多く。険阻の所々あり。寒暑大底。武蔵 一類せり。民俗本-書に尽せり。但江都に向へる故に。 見に習て人々穴の意あり 上総国図 ○市ケ坂 勝浦 □□□□ □□□ □□□ □□□□□□ 大タキ 〳〵 ○長南 クハハ の サヌキ ○ 入る □□ 福芝 □□ 人に 武蔵 □□□□□□□□ ○二十五 □□ 十六 下総 当国の風俗は。上総に同し。但結城の人は。健なる生質 なり。国中に勝たる風也とそ。 按。当国も山おほく。又江水もおほし。寒暑も上総に同 下総国図 ○精出 □□□ 実 千葉 をつ 舟バシ後 □□ 香取 神崎 小金原 □□ □□ 丹手 □□ 〽アイヤ □□ 国の 路に 常陸 一当国の風俗は。如此の不可然所も希なり。盗賊多し て。夜討推込。辻切等を好。其罪顕て刑に行るといへ ども恥辱とも不思。却病を以て不死とて。子孫是を 称談して。盗賊の不道と云ことを。曽不知。只膽を大 に生れつきたるものなり。武士の風も。是に不異して。 道理を知る人少。縦道理を知といへとも。我意に任せて 執行故に。理に似たる理に非。義に似たる義なし。 □□□□□□□ぜんにん 善とすべからす。世の唱にも曰。 一常陸国 とも。昨。日の味方。今日の敵となる如は無之風なりとそ 按に。当国東一偏は。海洋にして。西は山なり。口海 国中にさし入て。所々の風土各異なり。尤大-国の家 に。山中海浜南北の境地に。寒暑のかわり有民 俗本書詳なり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二月 □□□□□□ 常陸国図 □□□□ 畑の 図 松久 □□□□ □□ □□ 筆 清 ○□□□□□□ 水戸 ああ 府中 □□ 丹津 武宝 ○完戸 等 二日記 □□□□□□□□ □□□□□□□□ □□□□ アタ アタヌ 人の風説 千四 の 東金砂山 ○小松 ○西金店 を 陸奥 下野 東山道八国 近江 当国の風俗は。賢侫相交たる風なり。されとも賢の かたは少。侫は多かるへし。身持上手にして。己か非を隠 して。善をてらふ。さるによつて。外より是をみれは。此国の 人は。他国の風に勝て見ゆる也。これを譬に。金の如し 夫金に品多し。黄金あり。白銀あり。銅鉛錫鉄皆盒に して。各其性異なり此国の風。金の内にも。金銀すく なきが如し。故に。佞のかた多かるべしと也。賢も佞も其才 のはたらきは。まきらはしけれはなりとそ。 一按に當国は山川多。中に大江を湛て。泉水を会集 す大国にて。南北東西。風土少異なり。北は北国につ ゞき。寒烈雪深。西亦偏僻。東は彦根より以南は。 当国の都なり。寒暑惣て寒多く。風亦はけし。 「民俗本書備れり 近江国図 巻 □□ れお □□□□□□□□ 勿論 大洗 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二十二丁 ○ □□ □□□ の 石へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□ かサツ 伊須 □□□□□□ □□ 池 美濃 当国の風俗は。人の意地奇麗にして。水晶の如し。 されとも。水晶も磨ざれは。光澤なし。磨は即光出 やすきか如にて。生質水晶ほど奇麗にても。其まゝ にては。漢にて果すなり。西美濃は。風を柔言語も 風流に見ゆる也。東美濃は。生得の木地なり。日本 の内。四五ヶ国の。能風俗なり。唯生得のまゝなる故 直ばかりにて。鄙考なる事も間これあり。此等の風 を能垢を磨は。名高き人も。いてきて外の法則 ともなるへしとぞ。 按に。当国は大国にして。北東は山深。西も亦山ありて。 南を開。広原水田多し。木曽飛騨につゞく故。 其大水流来りて。川堤多く。衆水禽流し て。伊勢の海になかれ入。寒暑山中は。北国にお とらす。南は自中正なり。風俗本-書に説ことく。 直なる民俗なり。北山中は。大嶮岨の地多し。 其民尤/鄙俚木質なり 美濃国図 信濃 □□ 意 しら 八国坂 □□ 十九 □□□□ 第一 □□ 大井 岩村 ねへ 久田見 久四日 の ○ ○猪 参河 ○ 伊尾 岐阜 加納 大雪 岡口 〇火十一 〇 尾張 伊勢 松 飛騨 当国の風俗は。健直にして。愚なり。日本は広といへ とも。我国に如事なしと思ひ。他国の望もなし。井の 中の蛙大海をしらさるがごとし。是愚なる所と可謂。生 得は石鉄の性なり。 一按当国は。東西南北皆山にて。谷間の民家なれは。人 の心杖他に漏る気なき故。愚直なり。然るに。古昔飛 弾の工とて。帝都の番匠。此国より貢す。夫工匠の職 其才不足者の及所に非。是山-谷の秀気集が故 に自然と。工垂が臂を得たるなるへし。寒暑尤不正 なり。 言講 地 □□ 《要 ○車場 ○小白川 鞭 ○○ 浅草 高山 柳ヶ原 諸 ○ ○槙原 ○駒寄 深井中 魂 加賀 信濃 当国の風俗は。武士の風。天下一なり。百姓町人の風 儀も。健なる事他国の及弓にあらす。其生得義理 強して臆する事なし。仮令の雑談にも。弱みなる 事を不言。若柔弱にして復したる事。少ある者 は。人始みて不交風なり。尤才覚もある国なり但 頑に野鄙なる事は有とそ 按に。当国広大の国にして。皆山中なり。是亦山 谷なるか故。古より武事の器量出しなり。伊奈 諏訪木曽松本飯山。各々の風土にして。寒。暑 亦各異なり。惣て。寒の烈事は。北国にもまされ り。但伊奈郡の辺は南に向ひ。三州遠州に隣 ゆへ。寒緩し。松本飯山は。取分寒多く。雪も 粗深し。山入は北国にかわる事なし。民俗も少々 異所あれとも。本書大医不_レ違 信濃国図 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 東 □□ ます ○和田 遠江 □□ ○勢近 □□ □□ ○眼 日向任 □□□□□□ □□□□ □□ 三国 □□□□□□□ の 紋 □□ 青柿 蛇尻 海野口 下スワ。 の 十一月 法つ □□ ○竹田 外陣 成け ○松シ口 □□□□ 長酒 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 善光寺 飯山 足 上野 当国の風俗は。碓氷吾妻利根三郡は。信州に似たり。 勢田佐位新田片岡四郡は。信州よりも上ての風なり。 然れとも詰所の意地少し。譬は吾を容所あり。 て情心なき故。小過も大罪になす事あり。信州は 不_レ然。弓箭を取とも負ても気を不屈。必此助を雪 志ありて。幾度も出陣し遂く。此国は。二三度も取繕 て不_レ利は能分別をして。若壺やうの気象あり。 しかるゆへしまり少なし。又邑楽郡馬井楽多胡緑 野那波山田等の数郡は。一‾気勢にして。一人気を はけませは。諸人気をひとつにして。一党する気象 ありて。進退人とかたんずる。風なりとそ。 按に。当国も山谷多く。甚大国なり。諸山源故 流水亦おほし。山入の所々。嶮阻要害の所有。 坂東の国の中にて。地形高く広大にして。聞 たる地も有ゆへに。上野の国と云にや。山入は。皆 寒烈し。民俗本書の所説のごとく。人心堅固 なり。しかるに。上州盗と諺にも云へるは。近比まで 旅客の齋金を奪取。猥に人を殺害するやう の風ありて。世人是を悪めり。是皆勇気の過る 故ならんか。今四海昇平にして。人心皆善に向 ゆへにや。彼盗賊の風も改りて。本国の生得 に。なりぬと見へたり。 日市 地この 上野国図 陸奥 □□□□□□□ 下野 新田 錦林 仲 は 沼母 録 門 猿ケ京 三国峠 赤城 厩橋 其論 高崎 甚 武蔵 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 白根や 新世 □□ 四二 ○大笹 第二 碓氷峠 ○ 安中 □□□ □□□□□□□□ □□□□□□□□ 我幼 下野 当国の風俗。おほくは陰の内に渇を交たる人/多して。 これを澄す事不能して。邪気甚傍若無人なり。 故に平生辻切強盗をして。少も恥なる事を不知_レ意_ 欲心深万事つれなくして。而も己も悪としりながら 改る事なき随分悪風俗なりとそ。 ○かんはけし 按に。当国も山た。陸奥につゞくゆへに。寒烈。民俗 も野鄙にして。俚語尤訛り 下野国圖 佐久山 ○赤羽 宇□ 徳二郎 足利 佐野 重 ○鉢磁 ○黒川 上野 陸奥 当国の風俗は。日本の偏鄙なる故に。人の気ゆき。語 て。気質の倚尖なること。万丈の岩壁を見か如し。適 道理を知ても。前非を改むる事なし。譬は江水の流滞。 塵芥積て流むる事なきがごとし。国之名人と呼程の 人不聞得なり。右の生得なる故。たのもしき事もあり。 又なさけなき風もあり。五十四郡の内。何も二つ三つ に風俗のかわりめあれども。大枢此趣なり。此国は。日の もとのゆへに色白して。眼香み有。人の形相寝賤し て。言詞卑劣なれとも。勇気は日本に比所もあるまじ。 国之無益の死をする者有。但偏僻なりといへとも。其意 地潔白なる所あり。女は容貌色白髪長顔うるはし。 但形相音声すぐれて。鄙劣なり。しかれとも其心底の 貞正なる事は。外の男子にも勝り。凡当国及出羽 上野下野上総下総常陸等。大概人の音声。上調子 なり。しかる故。侫執なる事なく。差当所のみ。大かたに 勤る也。思慮分別の深事はなし。殊に此国牡鹿郡載 鹿角階上津軽宇多数郡の人。別て楚忽のあら ましなる風なりとそ。 按に。当国大-国なる故。所々の異なる風土有。然共 凡山おほき国なり。民俗本書に詳なり。会津 は白川より西に入。遥に山-谷相続たる国なり。西は越 一 ̄ニ隣て。寒烈雪深事北国よりも勝たり。岩城 相馬は所の本名には非す総州の郡名なり 相對 は東の海浜なり。 相下次郎師常領此地住居より自名となたり 一故外よりは寒緩し。白川二本松赤館三春白石 福嶋等の所々。皆山中の形気なり。仙台の如は 当時繁昌の地なる故。風儀上-国に習へり。奥 是亦所の本名に非甲州の は仙台よりも 郡に至ては南部 在名なり南部某領之自名とす 尖に。寒烈雪深。津軽は南部よりも亦烈。其風出に 随て。人心も自別なり。松前は蝦夷につゞきて。風 儀又異なり。しかれども。本書に説ごとく。一偏の 鄙屈なる事は。各かわる事なし。古昔は奥の夷と て。人倫にも不通。禽獣のことき風なりしに。中古 上‾国の人。君長となり。政治を施す力により。其風に 化せられ。をのづから人間の道をもしれるにや。され は近比までは。民家に子をぶつかへすと云事あり。 産子三乳に及ぬれは。其父母これを経殺す。人是 をあやしまず。父母も亦懐然として。惻色なし。其不 仁なる事。實に夷狄の風なりしが。誠に仁風の遠 及へるにや。残忍の俗化して。今其事なしとそ。 〇 陸奥国図 下野 自_二白川_一西会津ノ境_一 □□□□ 此国十一日 す 東へ 白川 琵琵 ○矢吹 ○今泉 八十 高玉 猪苗代 アイツ 若松 の 人 楊津 此品 ○大塩 磐大山 ○ 越後 ○山口 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ の状 ○大久見 女 □□□□□□□□ ○関田 □□□□□□□□ ○小名浜 平 団昌 ○木戸山田 熊川へ 新新 ○石川 岩城 常盤 小高 棚倉 ○東館 八 馬ほし を ○下泉 三春 久米石 須加川 日和田 □□□ 説 二本松 草野 中村 駒ヶ峯 を 阿武隈川 ○岩沼 ○楽折 ○柴 右取川 ○ □□ ○笹谷 温泉 人 仙台 若林 シホカマ 七口セい ○七北田 川口 □□ ○坂下 □□ 松嶋 ○石巻 ○古川 岩手山 ○高志水 □□ 大谷 ○気仙 ○千厩 ○佐沼 ○一肉 ○三廻 アト ○泉城 ○竹駒 ○盛 の 入手 ○屏坂 □□□□ 江刺 和加川 ○鬼柳 ○大公 ○芭 ○富田 薬師峯 早池峯 ○横田 ○沼宮内 □□ ○花巻 ○岩崎 郡山 四十 東 ○松代 久慈 ○九戸 今云伊保田 姫神岳 ○福岡 ○三戸 八中 ○七口 西津軽 是ヨリ西津軽 ○大湯 □□□□ □□ 焼山 〇 の 佐井 の □□□□ 河原 弘崎 二本柳 ○村市 苅和沢 ○大間崎 和日 ○青森 浪里 ○油川 □□□□□□□□ ○高杉 十三潟 二万楽興解画 □□□□□□□ ○松前 ○鉄沢 □□ 出羽 当国の風俗は。奥州に大概かわる事なし。しかれとも。 奥州よりも。健義なる所ありて。智も亦上なり。武士 は。忠孝の志ありて。下を使に法を沙汰し。下臈は上 をうやまふ心あり。百姓は地頭を頼む心入ありて。更に 我地頭をかたんず。たのもしき所有。我国は遠国偏土に て。外に向ひはづかしき事のみ有と。人々おもへる故。礼 皃の風俗あるなりとそ。 按に。当国は西に向たる国にて。東は限なき深山凝 岨にして。甚寒。雪亦深し。奥州につゝきたり 大国なれば。所々異なる風もあり。民俗本書に 詳なり。海辺の風は。所々淫風あり。人の容名言 語。極て卑劣なり。 □□□□ 出羽国国 会津 ○山神 ○細木 ○金水 玉川 文寿 高杉 ○竹浜 米沢 ○小松 ○宮内 手ノ子 の ○鯛蠣 上山 □□ □□□ □□ 山形 ○鷲 寒河江 ○志津 東 の白岩 野辺沼 誠 小国 旨野沢 の 越後 新沢 渥見 〇蝋 湯殿山 羽黒 ○中沢 ○サンゼ ○大綱 ○根津 ○浜中 鶴ヶ里 新城 田尻 恋の 一名庄内 袖浦 須川 の 小松川 □□□ 湯湯 北ノ目 ○杉宮 ○新酒田 □□ 鳥海山 脾胃 □□ 琉球 至米 同 して 十七 雨針 □□□ 東 仙北 ○萱沢 ○米内沢 ○新庄 ○角館 □□□ 亀田 ○畑□ 臓 紀伊勢伊 ○脇橋 解舟 海の 婢女。 ○大館 入○杉宮 ○米橋 ○白沢 の 二ツナキノ 萬陣 岩浦 岩原 野代 北陸道七国 若狭 当国の風俗は。人の気相和する事なく。意くの 体なり。昨日は睡かりつる中も。今日は疎なりて。其 非を挙る風なり。下として。上を欺。己が科を正され ては。却て人の不法のやうに云なせり。取廻利教なる 故指当の弁舌。一花の気勢はあれとも。根の遂る所 なし。三方郡は。江州の風にひとしとそ。 一両国は。北に向ひ。海浜をうけ。尤山を負といへども。 只一重なる国ゆへに自人の心根とをりからく 風俗薄手なり。寒国なり。 若狭国図 八 深谷 □□ 本江 丹後 越前 当国の風俗は。日本に双なき智恵国なり。上下ともに。 すぐれたる弁舌尾州にも劣まじきなり。依之高慢に して。底意地悪し。軽薄にして。一旦たのもしきやう にて。諸所つれなし。或は旅人の渡りに行かゝり。舟を かゝんに。賃の高下を書て。舟いださず。又修行者の暮 に及て。宿を求れども。つれなくかさす。如此風国中の 人あまねし。邪智多きと云つへしとそ 〇へいけん 按に。当国も北西に向ひしかも山深く。平原も多し。一 寒国雪源。流水国中に通して。万事自由なる 国なる故。人の心も自高慢なり。山川峻深にして。 一寵烈の気ある故に。人の智さかんなり。しかれども。 北-方の偏気を禀る故に。正智少く。邪智多し。 本書云尽せり。此国淫風なき国第一たるべし。 敦賀郡は。風義亦別なり。 越前国図 卒首 大野 □□ ○府中 麻生津ノ 石場へ 加賀 当国の風俗は。上下ともに。爪を隠して。身を密に 持風なり。中にも。江沼能美別て如此し。石川川北 の郡は。少し気のびやかなり。武士の風は。をとなしやか にて。尖なる所なく。武勇の功にて。秀事を不好。たゝ みの上の調儀を以て。身を成立むと思ふなり。譬は他 国に合戦ありて。これより助勢すべき事ありても。自国 を全して。出る事を不好。まして我持の外を望て。 切取などする事は。盗賊なりとて嫌へり。皆人此覚悟 にて賢人の風なり。されども物ごと懈怠がちになる 風にて。我国一分にて。しまふ気ありとそ。 按に。当国は西海にうち向。山を負て。まへ打ひら きたる国なり。民俗温和なり。本書詳なり。寒 風はをしといへとも。越前よりは雪薄し。 加賀国図 十四 ○丸山 □□□□ □□ 日向 ○松住 ○熊谷 熊熊 ○内山 横谷 白山 外高は一 ○森 □□□□ 森本 一俣 □□ 能五 能登 当国の風俗は。人の心別て狭して。譬は。他国へ一足 踏出せば。渇命に及ぶべしと思へり。因之主人よりつ れなく使ふといへとも。外に行事を得ずして。是非な く勤むるなり。しかれとも武勇の覚悟はよしとそ。 一按に当国は加賀越中の間より。北海へさし出たる国 にて。通皆浜辺中に山あれども。極て狭き土地な り。尤寒風烈し。 能登国図 南 □□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 見砂 近はやゝ 川尻 ○志保 二宮 ○牧 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 秋 ○穴道 鵲川 宇術 宇術 かも 飯田 越中 當国の風俗は。陰気の内に。智あり。勇あり。倭な る気多し。親子の間にても。一言にことば質を取り。 巧に佞をなすなり。人の交も。底意は佞にして。只 卒忽のましわりのやうにする意地なり。しかれとも 臨_レ事て不_レ死風もありとそ。 按に。当国は。山深して。又海を抱けり。寒烈雪深 民俗本書に詳なり。 越中国図 の □□ いへ □□ ○上枕 □□ 冨山 筆肆 なり □□ □□□ ○住井 ○倶利パラ 加賀 □□ □□□□ 眼村 金色 越後 当国の風俗は。勝事を好気象多し。仮令にも勇 を励。痛と云事をはかゆきと云。若照左をれ病を得 ても只意得た。がきめなどゝいとけなき者の育にも。 かくあらゝかに。弾みを教なり。臆する気は少け れども。さしかゝりのつよきほとは。後度のしまりを不 考なり。主従者互にたのもしけれとも。道理を弁 事まれなり。それゆへ何事にも。しひて勝んとして。 理非の分別なき国なりとそ。 按に。当国は大国にて出羽奥州につゝきに賑して 西北は海をうけたり。国中大海多く寒気至て 烈。雪大に深し。上越後下越後。少の替ありて下 は就中寒烈。土地も亦野鄙なり。一国中の下民 勝心ふかき事。今に不_レ変。民俗本-俗本-尽せり。 関川 ○ いふ □□ ○三国峠 飯 北の 八海山 ○武居 吉平 一人国記巻 ○上野 人○赤沢 ○三付 □□□□ 一赤家○府本 ○赤家○府本 ○赤家○府本 ○地蔵堂 ○於知 なし 村松 竜島 あり 同 加治 □□□□□□ □□ 卅九 □□□□□□□□ 佐渡 当国の風俗は。越後に似て。気旋して。伸やかなる 事なし。心愚痴にして。極て頑なり。武勇は強とい へとも。善としかたし 一按に当国は越後能登の間の間の沖に有嶋なり 寒風烈雪深し。民俗尤狭し本書詳なり 佐渡国図 第一 □□ ゆる ○鷲崎 ○小池 □□ 廿形権現 惣在一冊 ○高下 長凡二ナリ □□□□□□□ ○ □□□□ 人国記巻之下編目 山陰道八国 市田十之晩 丹波一丹後三但馬四因幡五 伯耆六出雲七石見八隠岐九 山陽道八国 播磨十美作十一備前十二備中十三 備後十五安芸十六周防十七長門十八 南海道六国 紀伊十九淡路二十阿波甚讃岐廿三 伊豫廿四日土佐廿七 西海道九国并二島 筑前廿九筑後卅豊前丗一豊後卅三 肥前廿八日向早大隅四十二 薩摩四十四壱岐四十七対馬四十七 人国記巻之下 山陰道八国 丹波 當国の風俗は。人の気懦弱にして。面々各々にして 己を自慢し。人の非を誹人の是ある云消すひとへ に。婦人の心根なり。百姓は。農業を専とせずして。 商賈を相かねて。身の富省を求。惣て勇気す くなくして。縮つよく。昨日の味方も今日は敵となり。 世わたり第一の風義なりとそ。 按に。当国は。四方山々にて。皆谷間の人家なり。 寒雪も。北国ほどはなけれとも。尤烈し。山-谷の内 の民なれは。偏屈にせばかるべき事なれども。本書 に説ごとく懐弱なる所以は。此国城州に隣で都 に近か故上邦の風俗を。見に馴て自気は胸 出て。木張の質を失へり。婦人の風俗一入取しめ なくして。疎末なる所なり。 丹波国図 亀山 ○宮川 □□□□ 笹山 摂津 市原 稲荷 ○柏原 れは 業 東 此城 山家 酒 丹後 組伝 丹後 当国の風俗は。上下男女ともに。万人の内に。一人も好 人なし。不直にして。気強。却て勇気は寡し。適勇 あれは。邪智多し。若又実ある者は。愚昧なり。用に 不堪とそ □□□□□□□□□□□□ 按に。当国は北海をうけて。南に山を負り。入海多 して。潮の温和に馴れり。尤寒気あれども。北陸 にぶねなり。 丹後国図 但馬 達 雲源 十一 風 □□ 第廿二の の 骨 但馬 当国の風俗は。丹州よりは少よし。岩気多城崎二方の 数郡は。実ありて。たのもしき意地有。朝来養父の 風は。意地きたなく。盗人おほし。両冊の風の中分に して。善にも悪にも。従なりとそ。 按に当国は土地の大底丹後にひとし。但丹後よ りも。野鄙なり。四時寒暑も。丹波に同し。国 府は淫風あり。 但馬国図 卅二 □□ 月 衣 酒 出る □□□□ ○八丈 □□□ 小田 黒野 □□□□ 、田好〇 、田時〇 ○村里 むへ ゆゝ 因幡 ○余郡御舟 因幡 当国の風俗は。八上智頭邑美の三郡は。実にして 而も勇ありて約を不_レ変。高草気多法味巨濃の 数郡は。佞にして。邪智あり。武士は利欲に拘。得のつ く方に従風なり。一国の内に。如此風-俗の変。誠一天 性自然の理なりとそ。 按に。当国北海をうしくるといへとも。南山深し。並の 国よりも。たちこもりたる国なり。寒気もつよし。民俗 /海浜と山谷とは何れの国も変異あるなり 因幡国図 伯耆 吉光 次八 南 ○知頭 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□ 駒塀 □□ □□□□□□□ □□ 女 ○□□ □□□□□□□□ □□□□□□□□ □□ 髪 冨 丁酉 伯耆 当国の風俗。すへて虚実相半す。貴人に交て。已 を省て。善心生ずといへとも。其人を離ては又悪心に変 じやすし。兎角迷闇の地に居て。定る心終になし。 されは今世下賤の諺に。物の執行に進とも怠やすきを。 三日僧といへる事。此国の風より始ると云。知て不_レ勤 ても怠は。勇気不足なる故とそ。 按に。当国の風土も。因州に似たれとも。猶海浜多し。 民俗本書にくわし。 伯耆国図 出雲 ○五八 □□□ 本噺 玉へ七 □□□ □□□□ 原村 ○石見 □□□□□□□ □□□□ □□□ □□□ ○山口 い 九日 金谷 □□□□□□□ 大坂 □□□ □□□ 一同 ○四十曲 穴鴨 ○大塚 獣を 出雲 当国の風俗は。万事の作業実義に勤て。夫を専 一とする風なれとも。明闇の詮義疎にして。其理を不 弁_レ辨。善悪邪正ともに佛神に祈て加護をたのみとする風 なり。謀計は罰に当。正直は憐を蒙。神は非礼を不_レ事。 正直の首にやとる事を不知。愚昧の心なりとそ 按に。当国/山屓海を抱て寒風あり。 四瀬 出雲国図 □□ □□□□□□□□ ○金 □□ もの 赤穴 の 古志 吉田 都賀 歓国 今市 日井 村 ○大東 ○黒上 の 沈道 ▼ たる □□□□ □□□ 冨田 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 伯耆 石見 当国の風俗は。丹後の国に不異して。偽り多して。 実なる人稀なり。曽て不_レぬ風俗なり。智ある者 は。只悪心を断む。言語道断の国なりとそ。 按に。当国は西北の海に向て。山々をし廻したる国な り。寒気も烈し。民俗本書に見ゆ。山谷の委 て。淫巧の風所々多し。 気を受る故。上下智恵さとし。又銀山の風移り 石見国図 □□□□□□□□ ○木部 津和野 田方 ○黒谷 高角川 □□ 風 星帰 の 津田 ○○岐佐 ○長澤 □□ 南 □□□□ なし □□ 原井 ○萩原 □□ □□ 城 との 池田 ○山中 檜 □□ 隠岐 当国の風俗は。柔弱にして故道なり。知夫一郡のみ 実義にして。たのみ有所あり。其余は風にしたがふ 草のごとく善悪に不拘なびき随ふ風なり。乍去 遠嶋なれども。石別よりは。はる〳〵上の風とそ。 按に。此国雲州を去事。三十六里。北-海中の島也。 /寒雪尤甚し 《題: 京田 湧 山陽道八国 播磨 当国の風俗は。智恵ありて義理を不知。親は子 を誑し。子は親を欺。主は被官に領地を少くいだし て婦人をほり出し度とこゝろざし。被官も亦忠勤 を二段にして。調儀を以。所知を得る事を計る。是 偏に盗賊の振廻。侍は中〳〵不_レ及_二是非_二風義なりとそ。 一按に当国は南に江海を受。山を負て。上々の風 土なり。寒暑温和にして。万事富有の国なす 俗本書に所説のことくなるは。風土の順気をう くるといへとも。憂患に生て。安楽に死の道理に て。其心に体忍する事なき故也。実に古昔の 武士にも。赤松堂が如き。皆利心より出て本書 の所謂不及是非と云者なるへし。 □□ 播磨国図 □□□ 春 □□□□ 竜鶏 を 浅草 衣 □□ 国 □□□ 帯 惣社 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 清水 □□□ □□ 談 ○通□ □□ ○宮戸 和田清助 を ○網干 □□□□□□□ 細月 佐田 □□□□□□□□ の □□□ □□□□ □□□□ □□□□□□□□ ○平福 ○海田 美作 ○福梅 美作 当国の風俗は。卑劣にして。欲心深し。譬は。人の物 を借て。夫を不返を却て手柄にするやうの風也 片意地にして。人の教訓を聞入ず。邪智に係て。 過を文。されども其中にも。化しやすきかたぎも有 はたのもし。石州にはまされりとそ。 一当国は。山陰山湯の間にはさまりて。山国なり。寒気 はなはたしからず。 西 美作国図 備前 恩謝 の物物 八冊 ○ 作事 平記 □□□□ 宗命 □□□ 〆 憐叶 ○神代 ○越畑 ○越畑○奥津 直を 吉田ノ ○吉田ノ □□ 琉球 湯本 □□ 備前 当国の風俗は。上下ともに。利根を先として。万事 をなすに依て。言行の相違する事おほし。別て 諂心つよくして。上べは上の好事に随ひて。内心は 己かさまくにさげすみ謗なり。主人は威を張て下 をおさへんとし。彼官は主を欺。内は皆私心にてお もてを衒風なり。しかれとも都て智恵ある生質。 上を飾る風なれは。五十年も後には。まことに善を さとりて。風義直になるへきかとそ。 按に。当国は山入深からずして海流を抱たる由也 /寒暑も中和を得暖国なり 備前国図 ○板 三石 □□ 也 □□ □□□□□□□□ ○□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 山嶽 □□ □□□□ □□□□□ 四十四 瓢師 □□□ 備中 当国の風俗は。都て意地つよし。上下男女ともに勇 気ありて。義理を励ます意常に有。されともふて きなる心ゆへに。道理に不当事おほし。但備前場の辺 は。不正つくろひの風ありとそ。 □□□□□□□□□□□□ 一按に当国及備後ともに。備前と一国にて。古は吉備国 と云へとも。備前よりは。此国は。山入遥に深し。寒暑同 なり □□□□□□□□ □□□□ 備中国図 を ○治□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 歌 □□□□ □□ ○高屋 ○押□ 松山 □□□□ □□□□□□□ □□□□□□□□ ○浅口 志加部 ○鳥羽 高松 ○宮内 備前 □□□□ 備後 当国の風俗は。生得実義にして。約を変ずる事 なし。されとも愚痴なる事多故。不_レ不実になる わきまへ 事を弁ずとそ。 按に。当国は三国の内にては。一の大国なり。尤海 辺あれとも。山入深くして。備前の類にあらず。寒 暑海浜は暖気多し。山中は異なり。 備後国図 □□□□□□□□ ○補部 ○矢川 府中 □□ ○木屋原 川尻 荒川 ○古金 宮内 □□□□ 庄原 ○泉村 ○田井 市野 浦画 □□□□□□□□ 十二 □□ □□ 早渕寺 安芸 当国の風俗は。生質実多き風なれとも。気自然 と狭して。諸人ひかへて。人を先だて。人の善悪ともに。 判する事なく。己くが一分を守る風なり。依之抜群 なる人少し。世間の嘲を恐るゝ事なき故。頼しげな き様なれども。底意は実義より起れは。善所多し。 殊に佐。伯沼田賀茂の人/健にして。二心表裏の風なし。 按に。当国は尤海辺なれとも。三/万山かこみ。南も嶮 山多て。露気自こもれる国なり。是紋に。壷の 国とは。風俗各別なりとみえたり。尤暖気多し 山陽道は都暖温なる国なり何者南は四国の大 山あり。北は山陰の山々覆。中に江海の潮湛へる 故。自然と風気和せり。民俗は亦一/国中の風土 によれるか。 安芸国図 の堀村 ○野花 〇 深川 矢田 ○池田 幸橋 画 吉田 □□□□ 羽佐竹 駒 ○新庄 酒 中村 ○北片 伴村 藤原 内内 ○中浦 池田 寺町 久波 □□□□ る □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 周防 当国の風俗は。健義なり。されども吉敷佐波都濃三- 郡は。義理寡。昨日まて肩を並べし者にても。仕合よけ れは。主君と仰風なり。大嶋玖河熊毛三郡の人は。西郡 よりは少はまされり。されども情落の方に付たる風也。 好人希にして。悪事も亦少し。然とも惣て気小故。 思なる事はなしとそ 按に。当国は海辺多く。尤山を負ども深からず。寒 暑芸州にひとし。 同 防 画 四四 ○○○屋 □□ □□□ ○ 海 □□□ 当時 宇佐 下畑 □□□□ 岸見 □□□□ 幸井 矢原 奴を 上る 長八 □□□□□□□ ○ 長門 当国の風俗は。万万に美掛たる事なく人の音声も下 音に。上調子なる事なし。人に応ずるにも。一思案して。 答る風なり。更に人たのみにして。遠慮過たり何を 勤といへとも。進事疾けれとも。其まゝ怠惰の気発す。 因茲武士の風-俗。善と云難しとそ。 按に。当国は北西の海を受たる国にて。尤南にも満浜 ありといへとも。多は陰気を得たる国なり。依て寒風 烈しく。雪も亦山陰に均し 長門国図 □□□□ □□□□□□□□□ □□□□ の 惣社 内 増堂 ○ ○吉見 舟木 廿八日 石 ○保保 長光町 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西山中 □□□□□□□□ 播住 上 貞之之 火 南海道六国 紀伊 当国の風俗は。不健義第一にして陽気甚賤く。 上は下を貪り。下は上を侮り。法令を不_レ用。就_レ中 牟婁日高在田郡は。我慢なり。意地を強立るかと 思へは。又弱して。詰る所の臭意不極譬は。昨日敵と なりし人にも。今日は従ひ。又先に異変あれは。己一分 の一揆を企の類あり。此故にや。郷々に名主庄司と 号して。一分に主君を立つ。治承の乱の時分よりを 聞伝るに。誠に此風思ひ当れり。伊那名草那賀海 部郡の人は。南郡よりは。気柔なり。然とも指掛たる 意地のみにて。是も詰りたる心底。聊もなし。又悪を しりては。夫に随ほどの意はなけれども。欲の深こと。 日本に双国あるまじ。只利口を面前に顕し。実義 露もなし。西伊両丹石州五ヶ国に比すれは。意地強し。 一按に。当国は大国にして。をし廻海浜なり。尤熊 一野等の深山も有といへとも。過半は海辺なり。南 一方の国なるゆへに。風土暖気多く。柔和の氏 俗なり。 紀伊国図 □□ 浦 九鬼 □□□□□ □□ 〃 承知 本宮 山 □□ 二十 □□□□□□□ 和歌歌 藤代 有田川 キノ川 □□□□□□□□ □□□ 山田一 琉球 淡路 当国の風俗は。遠嶋の国ゆへ。人の気健にして。 何事も偽なし。譬は。親類縁者と聞ては。其筋 めを正し。縦貧賤乞丐の者にても。尋索の風 なり。されとも。都て怠惰がちにして。しまりなく。 退屈のみ多し。武士も。実義はあれども。達人の 可_レ出所にはあらすとそ。 按に。当国は紀伊阿波の間の海中の島なり。 一四辺皆海にして。尤山あり。境界不広国なり。 南方ゆへ。尤暖国にして。民俗柔弱にし て。しまりなけれとも。孤島なる故。実義ありとみ えたり。 淡路国図 右 岩屋 楽 ○十 酒本 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 温良 内波へ 阿波 当国の風俗は。大底気健にして。智あり。されども。 智あるゆへ。変道へ行気象あるべし。人をたぶらか し。強盗をする類のことはあるまじ。尤意地強し。 勝浦那賀板野阿波美馬郡は。少し心細歟とそ。 按に。当国海浜東に向。負山深し。南海故。最 一暖気なり。東方の秀気を受る故に。気健 に智あるなるべし。 阿波国図 右 □ 日玉車 蛇間 薬玉寺〳〵 □□□□□□□□ の □□□□ 後 讃岐 当国の風俗は。気質弱。邪智の人多し。武士の 風別て禍強く。方便を以て。立身をすべきなど と思ふなり。大内寒川三木三野山田等数郡。別て 此風なりとそ 右 讃岐国図 ○引田 □□□□ □□ ほくに一同 大指村 鳥居八丁余 風 按に当国は北に江海を受たる国なり 小豆嶋 ○福田長サ凡九リ 伊豫 当国の風俗は。大形半分に別れ。東七八郡は。気 質柔にして。実義強く。西郡は。都て気強く。却 実は少く見ゆるなり。古へより此国には。海賊満とて。往 一来の舟をなやますのよし。聞及ふに不_レ違。今もなを 徒党を立て。一/身を立る族多し。誠に関東の強 盗。此国の海賊同し業にして。武士の風俗。一段てづ よしといへとも。其道吟味なき故危事多き風なり。 末の世とても。此風変ずましきとそ 按に。当国大国にして。尤嶋々多し。故に風義 も所々少つゝかわりあり。尤暖温の国也。 伊予国図 工 □□□ □□ □□ けつ ○拝志 ○菖蒲 □□□□ □母う □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ を 湖 主洲 ○志酒 大洲 ○松葉 り 〇 ○ 八幡浜 り 十王 吉田 の斧を ○火火 〆〇小山 土佐 当国の風俗は。極て真ありて。気質すなをな り。土佐長里吾川の郡。別て此風なり。鳥獣にも。 風の移るものにや。此国の猿すなをにして。芸を 仕つけよき也。但遠国ゆへ。其語言早催なりとそ。 按に。当国は大国にして。百里の浜つゞきあり。 山また多し。尤南海を受得たる国なり。故温 暖なり。 土佐国図 小木ハ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 金子 ○ 本山 四 の 酒毒 □□□□□□ ほう □□ □□□ 風 勅使 を出す 福良 西海道九国附二嶋 筑前 当国の風俗は。大底飾多して。人々各々の心な り。勇も一応は勤れとも。かざる風ゆへ。終に何事 も成就せず。但九州にめづらしき。花奢の国な り。酒色を好人おほし。親疎のへたてなく。我ため に。得有人にちなみしたがふ風にて。甚不可然とそ。 按に。当国は西を受て。山も亦多し。風土温 和にして。暖気多し。古昔は。太宰府とて。 九国の官領の官府ありて。是を西都ともい ひし。就中博多の津は。異国の船津なりし 故。外の国よりは。風義かわり有へし。人の生得 才を得たる国にて。物ごと。きやうなる者多し。 尤上べうつくしき風とも有か 鎗 筑前国図 鎗 豊前 地震 大隈 脈労 十一 筑後 芦屋 赤間 ○青柳 ○新店 ○飯塚 ○筥崎 宰府 信勢 □□ □□□□□□□□ マテラ ○マテラ 福田 ほ ○□□ 《振 □□□ 筑後 当国の風俗は。筑前にかわり。実義あり。常に義 理を談じ。得失を沙汰し。費を慎で。言語に飾 事弁矣。然とも。下人は一涯にして。理非を弁るも のすくなく。無神の事のみおほし。譬へは其堅固な る事。鉄石といへとも。これは鉄には非して。石のことし。 ふたたひあふこと 其煉る事なふして。われて二度合事なりかたし。 上たる者も。此風に少和ありとしるへしとそ。 按に。当国筑前に隣といへとも。入海をうけて。大 かた山国たる国なり。故風茂も別なりと見 えたり。尤温暖の国なり。 筑後国図 豊後 ○浦村 □□ 也 琴 □□ 本藩広 府中 □□□□□□□□ □□□□□ □□□□□□□ □□ □□ 一久留米 金銀杏 渠 □□ □□ 黒崎 四年 豊前 当国の風俗は。譬は。馬の如し。馬に名馬あり。曲 馬あり。色々の毛品あり。長高く。様子うるはしく。 色品能馬のごとし。然ども。曲ある時は。用かたし。然に。 尊に比れば曲馬のことし。曲馬に。走あり。止あり。呼有 踏あり。其曲なく。中気なる有。されは此国の風義 は。唯中気の馬のことくにして。真実定りたる 意地なく。死生を論ずる場に至りても。忠義を 不知にもあらねど。理を捨て命を惜みのがるゝ者 おほしされは。一旦の忿に。一‾命を捨る者はあれと。 此理に。心を用る人なきは。不宜風と可謂とそ。 按に。当国は長門向に当り。豊後筑前の間に ありて。国図を見るに。誠に。一曲なる形の国也。 温暖の国也。民風忠義に不死して。一朝の 忿に捨やすきとの義。此国にかきるへからさるか しかれとも。此国/古の人。義戦をなし。忠死を せし事。末見えときは。誠に本書の説の。 風なるにや。 □□ 地 豊前国図 ○門 世 大牛 ○大理 小倉 ○太下 □□ 宇佐 第一 □□□ 仲津 ○善光寺 ○森沢 ○帆精 讒命 □□ 五十 豊後 當国の風俗は。気を禀一町偏塞なり。若其内 ナが一も善に生たるは。偏屈の内より出生ゆへに。堅 固なる事。比なし。扨聖徳太子の。子をまびくと宣 しは。出家せさせて。子孫断絶する事なるを。此国の人 は。此理を不弁して。出生する子を。殺害すると心得た り。今も此風有之と見えたり。末世に至るとも。猶如此 なるべし。此等の気質ゆへ。其死を不厭事。鵝もの 如し。別て武士の風俗如此此。適此偏を悪しと云。生得 をためんと思へる人有て、正道に至る事不能して。 或は邪智に迷ひ。臆病をなす人有べし。多は理閣 かたきたけれはなりとそ。 按に。当国は海浜も多。山谷も多き大国なり。尤 暖気の国なれとも。日例などよりは。山中は少寒し。 民俗本書に説ところ詳なり。中頃大友の興廃 を見るに。大概本書に不遠風義多し。扨子を まびくといふことは。当国に限らず。九州の内所々 此風ありしよしなり。本書に聖徳太子の子を まひくと宣ひしか。何の書にいでしや。縦出家 せさせて。人間をまびくと云とも。是天道自 然の人倫を滅却するにあらずや。ましてや。 産子の父母。みづから其子を殺害する事夷 秋禽獣にひとしからずや。慈仁の恩風。遠 及び。此風変化すといふとも。志あらん人は。恐れ 惧て。国俗の生質にかへらん事を慎むへし 豊後国図 春 月出 後河内 □□□□ 高田 金を 松尾 □□□□ 龍刻 竜脳 □□ ○町 □□ 江限 □□ 沓掛 四日 田代 草深 君田 大サ □□□□□□ 流利 止 ○中村 □□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 左白 □□□□ ○赤白 分 の 肥前 当国の風俗は。山/陰を合たるよりも。猶勇気あり て。武勇に至ては。義を知て。ひるむ色なし。誠其国 の風土を生得ると云ながり。百人に一人。此風なけれは は。ことの外めつらしきやうなり。武士の風猶以如し。 只温和の志をしらざる也上を敬下をめくみ。主君 の為に命を捨る事を常に願ふなり。百姓町人 男女ともに。不_レ遁罪科にて。死に至といへとも。毛以命 をおしむ気象なし。風義は信州に同しく。智はた らす音声野鄙なり。又人の和する事は。信州は及ぶ べからすとそ。 按に。当国は大国なり。殊に当国に隷する嶋ゝ 多し。風土 ̄ニ少ツゝの替めあれとも。都て海浜お つく。山も又多し。尤暖国なり。民俗本書詳也 中-古龍造寺隆信の気象。能回風を生れ 得たると見えたり。有馬郡下松浦なとは。遥に遠 ざがりたる所なれは。風も少はかわりめ有べし。松浦 郡の内に属せし五嶋などは。海上はるか隔てし 故ことさら風俗も聖体なり。長崎は、今異 邦の商舶入津の都会なれは。是忽風義物 されて勇猛の気は薄し。 肥前国図 ○桐浦 八幡 □□□□□□□□ を 間合 今利 翫前 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 別府 □□ 大河野 ミノセ の 佐賀 筑後 堀野 □□□□□□□ 大村 時津 長崎 ○相川 □□□□□□ 冊 肥後 当国の風俗は。大躰肥前に似たり。されとも。其勇 を数るに。百分が一なり。武士の風俗は。肥前に替て。 柔なり。然とも其意地。筑前豊前。両国を合たる より。上としるべし。但智あるを以て。分別多く。思ひ〳〵 なるゆへ。一和せず。肥前にははるか劣れりとそ。 按に。当国も大国なり。尤/海浜多く。山中/ゑ夥し。 阿蘇求麻なとは。各別の国のやうなり。尤暖温 の国なり。民俗本書に詳なり。上‾下共に。才の 有国にして人々不残をにくむ風なり。さるに依て。依て。依て。依て。依て。 を娶。入験などする者には。座に列をも恥とせり。 肥後国図 腹赤 ○山鹿 ○南関 ○高瀬 ○伊舎へ ウロウ ○上内曰 隈本 ○宮原 大津 ○八谷 阿蘇 □□ 豊作 上野 二 □□ □□□□□□ □□□□ □□□□□ 白鳳 □□□□ り 宇士 風 ○豊田 ○小川 ○熊庄 ○片下 八代 言地 日向 □□□□□□□□ 同田浦 大村 求麻 ○小鳥 湯 ○ □□□□□□□□ を 薩摩守 日晴 □□□ いへへ □□ □□□□□□□□□ 風 薩 同 日向 当国の風俗は。無躰無法の事のみおほく。只気の爽 なるに任て。己か理とみる時は。非と六人ありといへとも。曽て 用ひず。只其理非は第二にして。其談る人と口論に 及ひ。終に討果すの類なる風なり。誠に偏廻しいあ ましき事。人倫の道理を不_レ者こと歎くへき所なり。 唯死するを以て善とする事。危き風俗恐るべし。 按に。当国の風土。海浜おほく。又山-中深き大国 なり。尤暖気多し。 日向国図 内 七山 山毛 □□ 河内 騎 □□ □□□□ 三月 全九巻 赤坂 貝音 □□ ○佐田野 四十一 □□□一 四 たむ 本正 神谷 佐土原 宮崎 清武 高原 花屋嶋山 の 高城 ○多野 □□ 山川 志布 版肥 大将 大隅 当国の風俗は。是も死を以て表とし。口子たる者は。死 する道とおぼえ。五常は一段外の事とおぼへ。仏法は死後 の沙汰にて。生死の為に無益と自見して。常に主 下の作法も有てなく。主と云名のみを忝。禄を受か を主と覚へ。百姓は地頭とのみ覚て。不礼の行諸挙 て云に不足なり。戦場に於て。死するも。忠義の節 義のと云工夫なく。戦に臨ては。死を致すはづとのみ 覚ゆ。泰平の時は。主人危死するに。従石勝くみ 或は足をのべ。主従雑談する類の事。□□おほし。 末代とても。此風なるへしとそ。 按に。当国山を後にして。海中へさし出たる国なり。 種子嶋屋久の嶋なと云。南海の大嶋此国に属す。 尤暖国なり。民俗本書に詳なり 大隅国図 □□ ○吉村 □□□□ 正八幡。 □□□□ □□□ □□□□ □□ □□ 我 安島 牛根 高山 ○横山 □□ □□□□ 大十一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 自大隅佐多崎指種子海上十八里 指屋久海上二十里 南 天 世 屋久嶋 御籠へ 種子嶋 薩摩 当国の風俗。大隅に少も違事なしとそ。 按に。當国は。大隅の西に江海を隔て。北には深山を 負。西海を受たる国にて。鼠島長良嶋九嶋な といへる。遠嶋皆当国の隷なり。琉球も筋心一 附庸す。四時の気暖多し。民俗本書にいへる ことく。剛強なる生質今の世にいたるまで然なり。 常に床の上に病死するを憾として。殺伐の場 に死を遂るを自いて。本意とし。子孫もこれを 栄名とせり。仮令の児子の戯論に至ても。少の 劣を恥辱とし。其父これに死をすゝむる乳の事 おほしとそ。誠に死を恐れさるは。勇猛なれども。 一理非を勘弁せさること迷憾ならずや。嶋々の 風俗。尤少々替りめ有へし。 薩摩国図 肥後 ○米津 ○平泉 西へ泊 高崎 新田社 ○大林 水引 佃島 冠 酒島 京泊 を を 大隅 □□ 伊集院 谷利 鹿児嶋 □□□□ 大国肥巻下 田布施 □□ ○門 防津 増□ □□□□ 四 鳥 口永良嶋 自山川湊卅二里 九嶋 自口永良三十里 □□□□□□□□ 大国記巻 つせに 物 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 近年春晴 萩原春 壱岐 当国の風俗は。遠嶋なれとも。物の花奢なる事。大隅薩 摩より。はるくまされり。人の気柔弱なる所おほし。実 なる所もありとそ。 壱岐嶋図 肥前名古屋 北 ○勝本 国巴巻下 對馬 当国の風俗。壹岐と同風なりとぞ。 抄に。壱岐対馬両国ともに。肥前の国の北に当り たる。海-中の嶋なり。周匠皆海にて。何も山有。壱岐 は肥州名古屋を去事。十三里。対馬は壱岐の勝本浦よ り。四十八/里乾の牙なり。皆地によれる国ゆへ。寒あり。 一対馬は殊に寒国雪おほし。是より朝鮮へ。通路海 船又四十八里なり。 對馬嶋図 右 □□□ □□□□ 大四山 吉井 書林 行 須原茂兵衛 伊勢 □□□ 江戸日本橋南一町目 もの 人国記巻之下 べ 人国記後 〇六 な 〇 元禄十四辛巳年二月吉辰新刊 □□ も しむる