爲滿卿和歌講談
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- 冷泉爲滿
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- 冷泉爲滿
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- 日本語
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- 菊屋安兵衞
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- タメミツキョウワカコウダン
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下和歌講談本
二日
大規式
鳥満郷和歌講談
第一
大和歌之道。人皆似知而不知。挙世似詠
而不レ詠翫者雖茂猶未攀二桂林之一枝一李
族雖レ多曽不レ拾二崑山之片玉羚羊掛角飛
鳥邉目。無レ趣二跡古賢之趣向。無レ求二風雅之
遺言干茲。頻公既保七十有餘遐義能辨一
三十一字興旨一。久慕二柿本之言葉一深尋二山。
遠之詞道。閑優于柴戸花陰而花陰一而惜二春色
之喜戒独吟嘯於松山月下而成二秋光之
悲聞。造攻不倦顛沛不忘就道輩無不学
志事人無不参参年之知己也。一道之先
だちなりかせいえんにひらくえんを
達也清筵開レ宴時欲レ堅二金石之交一蒼海浮
将日不忘レ意二鶏鷺之一掛冠解レ冠解レ却之後者。暁。
鶏徒驚老眼。春燕猶似語昔事。一日閑暇
之餘験録二数箇篇自一為レ会二玄々。道意一仰二條
くのひをものひをものふりこれししまら。あらずたろじんのようにたてちじ
條之批判者也是併非達人之用撃二種兒
之蒙也。
為満郷和歌講談
目録巻之本
第一。序談の事
「機械系振氏ノ寄贈念ヲ
以テ購入セルヿアリ
猶野亭吉氏善蔵画
第二。旧例古語を用ひ依べきや。いなやの沙
汰の事問答
第三。古風正雅の旨を守りて時代の変
風をこのむまじきやの沙汰の事問答
第四。代々の風体を吟味するに
第五。心と詞といづれを先とする沙汰の事問答
第六。情性と風体との去姫沙汰の事同答
第七。哥の地と。文との。差別のに同答
第八。晴の歌。常の哥の差別の事問答
第九本歌を取沙汰の事同一ヶ条六ヶ条
第十。主ある詞。嫌ふべき詞の事同
問一ヶ条
答二ヶ条
ほんせつほんもん
問一ヶ条
第十一。本説本文を取計
答二ケ条
第十一。未練の時より口軽く奇殺を読べきや
又少く沈思して読べきやの事問答
第十三。風躰をこのむべきやの事問答
或人の云。歌は人物未定先より。その自存一
ずといへども。二義相別れ。六義亦発す。情
中にうゞき。詞外に顕る。されば花に鳴鶯。
水にすむ毬の声までも。奇陰にあらざる
はなし物にふれて情性を吟詠する外に
別の事あるべからず。萬葉三代集以下。みな
聖人の糟粕なり。唯風雲草木に対して。
眼前の風景を。ありのまゝに詠ずれば。自発
明の歌あり。徒に古語をかり。洞武を学する
事なかれ。万葉なを軌範とするにたらず。
況や三代集以下をや。其実落て其花残
れり。その実。胸中より新しき風情をめ
ぐらして。ありのまゝ詠ずべきなり
◯難じて云和歌の道は。周詩より興れり。されば
詩は志のゆく所といへり。嗟歎するにたら
ず。永く欲し。永く詠ずるにたらず。手の
舞。足の踏所。まづ志のゆく所に子細有べし。
唯中にうこき。非情を言出せるには有べから
ず。風情のゆく所と見えたり。況や永く歎し。
嗟歎するは。みなその声の文をなすも。興を
催す故なり。天地をうごかし。鬼神を感ぜしむ
るも。文花を餝り。風情を求むべしと覚したり。
しかあれば万葉の古語も。三代集の敵言も。
広く学は。俗言熊を去べきなり。凡和歌に
治世の音あり。龍世の音あり。尤聖代の風体
を失はずして。吟賞すべし。三代集は。明時の
正雅なり。尤軌範とすべし
六十二
凡毛詩三百篇は。本朝の童謡に似て。其国
の善悪を風じて政を正ず。日本紀に童謡落
書の哥も。みな世の治乱をいへるにや。しかるに
卅一字の詠は。素盞烏尊。出雲八重垣の詞より
起りて。人の世に伝る。其詞倹約にして。その
自広し。六義の中に。自身を風せる体あり
といへども。只今の歌おほくは。唯節物に感じて。
詠じ出せるなり。徒に艶言のみをつくして。
政事の正しきことなし。しかあれども。古の聖
帝。人の賢愚を勘へ。世の興廢を正し。尤正雅
の類を得て。愛風の体を嫌べきなり。詞をも
切磋し。心をも予慮して。幽玄を先として。
一唱二喉に絶たるやうに詠ずべきをや。しかあ
れば。以前の義勢甚甘心せずといへり。此両篇
何れを是とすべし
○歌は。思事見聞物に付ていひ出せる外は異なる
事なし。春の鴬の花中に囀り。秋の蝉の樹上
に吟ずるも。こと〴〵く歌なれば。善悪邪正を弁
ぜぬなり。大道すたれて。仁義起る。和歌の体。品
をさたむるも。猶道の陵夷也と申さんも。其理
なきにあらず。但大糖は推輪の質にあらず。
歌盛に起り六義十体さだまりて辺見と
成べし。勅撰は万葉より興りて。代々。集に
歌合は寛平より盛なり。道の好悪をさだめ。
歌の勝負をわきまふ。加之浜城或は。光仁の詔
勅に応じ。孫姫式は。聖廟の制作をのこさる。
共に病を除き。体を分てり。誰人かこれに
随はざる。然は難の心尤正義に叶へるにや
和歌の風体は。時移り。事変じて。世にした
団
かひ。俗にひかれて改むべき歟。詩も漢魏盛衣
各々一体ともいへり。別なりともいへり。歌は万
葉。三代集以後。度々撰集。或は時の褒貶によ
り。或は人の好嫌によりて。一代の吟賞姿あ
るをや。今の哥何れの体を道とし。正路に模写
すべきがや
◯後朝は敵を亡ぼして。国を取ゆへに。風を移し
て。俗をなつくるによりて。詩人才子の文体も
代々に替れり。我国は。天神地神の御末。国の
皇統として。先王の道を守るゆへに。哥の体大一
に発ずるきなし。但人其時の上才の好む
所にしたがふゆへに。世々に聊執所かはれり。
其旨は委く古来風体に見えたり。今時いづ
れを正路として歟模すべきや。御尋に至り
ては。寛平延喜の比は。此道の中興と見えたり。
しかして。古今集費之の心には。十成せざるに
や。新撰三百六十首を撰らんで。古今の哥。二百
八十首を載て。今玄の玄を撰む所也といへり。増
て其後の集一代を。さながら本様に用ひ蔵し
何れの集も能歌を本として学ぶ道なり。紀
ししんぜんきんたふきんぎよく
氏新撰公任金玉。卅六人寄合。九品歌。京極入道中納
言。鎌倉右桐府に注し遺す近来秀歌并に。
梶井宮へ進ぜらなし古歌。堀河院へ進ぜらるゝ
考歌。これらの大体など常に御覧せらるべ
き歟。凡心を古風に掛。詞を先達にならはゞ。たれ
人か詠ぜざると侍る。尤肝要たるなり
初心の人。心をさきとし。詞を後にすべきか。然
ども。詞をわすれぬれば。姿とゝのほらず。異風体
に似たり。又詞を餝り体を先とすれば胸中
の風情いひつけられず。此段如何様に可二工夫式
◯歌は心を先とすべき歟。詞を先とすべきかと立
事。古来先達さま〳〵に申て侍るめり。八雲
御抄に。歌を読に。思ふべき事六つ有とて。
に心を先とすべしと侍れば。詞は後かと覚
ゆる程に。一に詞を先とすべき事と侍れば。
又心は次に成かと覚ゆる。所詮前後あるべから
ざる事なり。陰士衡文財序に恒患意不レ称
物文不レ逮レ意蓋非二知之難一能之難也といへり。寄
又同じかるべし。心に風情を得きも難。風情を
得ても詞をうる事難き也。所詮人の参添風
情を。やすらかに艶なる詞にて。連綿すべき
なり。しかあれば。心詞ともに得事かたきを。尽
したる上を。強効案ずるは。流石又出来る
期あるなり如此案じて一首にても読ん
を稽古とは申べきなり。古迹と申す聖教に
初入恒難永無レ勇曲レ難若退何刻成と
いへり。何事も全言なるこゝろざし歟
六分
歌は心を宗とすといひて。初心の人。題に向
ひ沈思すといへども。詞を得ざれば。をのづから
案じよる風情も連綿せられず。適いひ
出せるも。みな〳〵俗に近くて。幽玄の趣なし。
又初より。三代集ごときを学んで。詞より取
付て。詠吟すれば。唯足曳の山。玉鉾の道
などよみて。大やうの物にのみ見ゆ。此段いか
やうに学すべきをや。未練の人は。まづ情性
を能吟じて。さのみ古集などを稽古する
には有まじくやらん。風体を学び。艶言をさ
きとせんか。最初より広く学を宗とすべき
をや。歌は風雲草木の興に打むかひて案す
べきにや。古歌の材木にて始より詠ぜん
とせんには。能歌出来すべからず。但先達の
歌にむかへる心にて。よめる姿詞を見習はん
には。古歌をも常に見侍るべし。一向に見
て無用と申も。又物をみたる才学にて読
べしと申も。ともに違ひ侍るべきと
◯天台に闇證禅師文字の法師共に憑へるかごとし
十七月
日本紀の童謡の体。万葉の姿などは。多く
長歌を先とせり。卅一字の歌はすくなし。古今
は。和歌の中興なり。正風なり。此体を学んで
よむべき歟。さま〴〵の姿ありと見えたり。此
集の内。いづれの模様を持てか。今世の軋範
とすべし。九品十体などさま〳〵に別るゝと
いへ共。まづ常の宮地を申侍る也
○上古は多く長歌を詠ず。是人の。物を感ず
る事。浄し。そのや。切なるによりて。三十一字に
ことつきずして。長歌たり。俊頼朝臣千載
の長哥。限なき心。つくし難し。誠に常の歌
に納がたし。今の世に長歌のまれなるは。人々
数寄の愚なるゆへなり。古今の歌の中にも。
こと〴〵くは本撰に用ひがたき旨。先段の中
に申畢ぬ。常の地歌の意地の事。凡哥の地
と文と。極て定めがたく侍る事なり。常の人
は一慮ある哥をば心得。指て目に立所もな
くやすらかなるをば。地哥と心得て侍ると
歌は直に艶に大きやりなるを能と申は是
こそ頓て文とも申さん。一慮一節あらん
を。地歌と申さるべきにや。むかしは百首など
には地歌を雑へて読事と申て侍る今の
世にはそれまでの沙汰なし。案じたる詞
は文となり。取落たるは地歌と申べきか
定家卿申されたる物には。晴の歌と云事を。
別に出されたり。此体いかやうなる物ぞや。
仮舎は。長高心巧に。姿清げなるを申べきか。
帝の地歌には替べきをや。一首の題などは
百首などの歌の姿には談替べき歟。但数首
の中にもをのづから歌の体は有べけれ共短尺
などに読んと。晴の懐紙とは兎別有べき歟。
◯彼晴歌と泣せられたるは。忽ち秀哥本体
とて侍れば。別の姿にあらず。たゝ能歌なり。
百首のよみやう各別なるべき事ね置ず。数
おほくなりぬれば。をのづからさま〳〵の体も相
交にぞ侍るなり。短尺と懐紙と別に案じ。
替べからず。兼頭は数日あれば。殊に沈思し
て。心詞を能調営すべし。当座は間なきゆへ
さほど摩ぬ歌をも書にてぞ侍らん。体各別
なるべきにはあらず。されば白川殿七百首に
入道民部卿。冷泉。大納言などの歌は。姿詞お
なじやうに見侍らんや
九才
本歌を取舞さのみ好むべからすどいへ共。古賢
に多く用ひ来るをや。詩にも棄胎損骨の
姿あり。或は心を替て詞をとり。又詞を替
て心をとり。万葉に佐野く渡に家もあらな
くにと云を。是家。袖うちはらふかげもなし
と譲り。是は本歌を取手本など申。しかる
べきにや。又上下に本歌の詞を二つ並て
取計常にみゆ。又恋雑をば季になし。季を応
雑にとるなど申。如何精たるべきぞや。又万
葉の歌などさながら上の句を取たるもあり。
古都に月ひとりすむと。法性寺関白の読る
も。上は同し物なれども秀逸に成ぬれば苦し
くもなきにや。又万葉の詞より護る歌も有
べし。真野のうや原白かげにしてとよめる。
是は詞より取付て秀逸の出来る事の有
べきにや。然に。心よりよまずして。詞より諺は
下品の事なりと申人あり。此段又質慮おぼ
つかなし。所詮本歌取やういかなるをや能と
すべきぞや。作例少々しるし申さるべし
○本歌を取事。万葉の歌を古今集にも取て
侍れども。むかしはまれにみゆ。正治建仁の比よ
り盛になれり。其取やうさま〴〵なり
○常に取やうは。本歌の詞をあらぬ物になし
て。上下にをけり醍醐太政大臣
散花の和すれがたみの峯の雲そをだにのこせ春の山風
本寄
あかでこそ思はん中ははなれなめそをだに後のわすれかたみと
○本歌の心を取て風情をかまへたる歌
一小夜更るまゝに河や氷るらん遠さかり行志賀の浦波
と云を本歌にて家隆卿
志夜の浦や遠さかり行波間よりこほりて出る有明月
○本寄に贈答したる体
心あらん人に見せばやつの国の難波わたりの春のせしきを
これを本歌にて為家卿
霞行蔵皮の春の明ぼのに心あれなと身をおもふかな
○本歌の心に。なりかへりて。しかも本哥をへつらはず
して新しき心を談る躰是家郷
一大空は梅の匂ひに露みつゝくもりもはてぬ春の夜の月
佐野く渡りの雪の夕暮も。此紅のよと。本寄
照もせす是もはてぬ春の夜のおぼろ月夜にしく物ばな
◯唯詞一つを取たる歌。前の忘形見の歌を本歌にて
うき月を我だにいとふいとへたゞそをだにおなじ心と思はん
花の盛を面影にして。此類に候。此歌詞より案じ
たる歌にあらず。花の散ほどまでは見し盛
の。白影を残して身に添へんと思へる。珍しく面
白風情を案じて。此心のよみがたきを面影に
してと云本歌にてつゞけられたるなり
十才
主ある詞をきらふ計。古来沙汰ある事にや。
姫令ば珍しく始て読出したる詞は。みな怒らふ
詞を出せり。万葉。三代にもなき詞の珍しく。耳
にたつ詞をば。主ある詞といふべきにや。此段不審。
○主ある詞とは。其人はじめて詠出たりと見ゆる
事にや順徳院御製
一甲斐がねは山のすがたに埋れて雪のなかばにかゝる白雲と
いふ御歌を。京極の禅門いへるは。山のすがた建仁の一
比。秀歌とて注せられたるは。家隆
桜花咲ぬる時はかづらきの山のすがたにかゝるしら雲
此歌なり。文基定朝臣
涼しさに秋風ちかく成にけり又立かへる衣手の森
入道民部卿秋風ちかくも。近世の歌歟。新勅撰に
白露の玉江の芦のよひ〳〵に秋風ちかく行蛍かな
此哥の事なるべし。これらを以て思ふに。うつるもく
もる。花に暮せる。嵐ぞかすむ。露は袖に。やよ時雨。
たぐひぬし
此類みな主ある詞なり
○歌に一向除べき詞。近代おほく聞ゆ。假令ば。俊成
定家為家等へ諸方より来る歌を判ずるに。
此詞は俗言なりとも。又一向嫌らふべしとも
かゝれて。永く用ゆべからざる文證あらは勿論
只当座の判に。此歌にては此詞聞にくきと
いはれたらんは。一首の内にわろく置たらん
詞などにてこそあらめ。又よく置たらんは。
能成事も有べし。凡詞の善悪は作者の骨
法にこそよるべきに。一度聞よからざるなど
申されたらん詞を。長く格になして嫌はん
事。いかさまやう有べき事をや。主ある詞。又長く
捨べき詞。いか誠に治走すべきぞや。両三代の宗
遊詠ずべからざるの由申されたる詞ども侍る
か。詞の悪きにて嫌はれたるも侍るとも。多くは
優美なる詞にて。後の学生いまだ好みよま
ざるべしとて。止られたるにや。
仏法戒にも道屈てあやし。法曹律にも経
重をたつ。尤其本意を尋知て斟酌すべき
にや。中務卿親王文応三百首に。入道民部卿詞
を付られたるには。気色。白し。詠め。吹嵐哉
太山辺の里などを。亡父詠ずべからざるのよし
侍りしと書たるにや。某が禁ぜられし事
おほく侍れ共。今の世の盛に申さゞらんを。申
出ても。其要なく侍る歟
ほんせつ
本説を取事。詩の心をも談り。又従家の
二十一
本文勿論か。源氏狭衣の詞。又子細なきをや。六
ばんはん
百番判の詞に。俊成卿の源氏見ざらん哥談は
くちおし
口惜き事と申されき。しかれば源氏の詞など
の幽玄ならんをも。本歌にはとるべきにや。漬
古今に。光俊朝臣の。中川の心をよめる歌入
たり。今も本歌には取べきにや
◯本説本文詩の心。物語の心さのみ詠すべからざる
の由申されて侍れども。常に見え侍るにや。
生のもとの心。狩衣草の原目馴て侍る歟。須磨
に。暁かけて月いづる比なればといへるを取て。春の
色は妻ばかりの山の端に暁かけて月出る比。
宇治巻に御馬にめす程引返す心地して浅間
しといへるを。面影のひかふるかたにかへり見る都
の山は月ほそくしてと侍る。数に白白く侍る
にや。是京極入道中納言の歌なり
○本歌を取には。堀河院を作例にしてとる。其
後は取べからざるよし。此分子細なきをや。證
歌には。達者のよめる歌をば。近代なりとも取
べきにや。本寄は後拾遺などまではとるべし。
堀河院百首の作。俊頼朝臣の歌なとも近来
取事ありと。八雲御抄に見え侍る歟。彼御百
首の作者も人にぞより侍らん。同作者も人の
口にある名哥などの。それとおぼゆるを取べき
にや。疱歌には。近世の先達の歌も引用ひ侍るか
二十分
参練の歌をば。いか程も案じてよむべき也
風情もなきを兎角案ずれば。中々あしく
なる事有へし。まづ口を軽く談なすべ
き歟。初心より歌を沈思すべきにや。歌数を
よむべき歟。又少くとも案じて読習べきに
や。凡貫之は一首を廿日によむなんどいへるも。
人の性によるべきなどは。八雲御抄にあり。此
条いかなるべきにか
◯歌詠に二つの様候べし。いかにもして道の住
一境に至り。絶妙の秀歌をもよむと思ひたら
凡人は。三昧に入ごとくに。心を百影の幽かな
る所にとゞめて。人のふるさぬ所を案じて。
たやすく出来がたければ沈照すべからず。廿
六人の作者の集も百首に及たるはすくなし。
花山の僧正。斎宮女卿。本説の中納言公忠。
べん
弁などの集の歌は。わづかに侍るにや。殷冨門
説大輔は。歌数おほくよみたりとて。千首太
補と申けり。今の世にたれか千首よまん人
侍らん。哥の程拍子早くなりて。能歌よみ
も出来ぬ事に侍る歟。又題とりて事かく
ぬ程にたにもよみたらばと申人も有べし
それほどの稽古は。ともかうもこそ侍らめ
と推量れ侍る。但し。やすく出来る秀歩も
侍るべし。和泉式部が。はるかにてらせ山の端
の月は。経文の外に力の入たる所も侍らず。全
を道の辺にて求たるがごとしと。故人も
申侍る歟
歌の風体は。人の好み〳〵なるをや。あるひは
大切
長を好む人あり。細かに幽玄を執する人も有。
詞の愛敬は若は天性なるべき歟。賢愚いかさ
ま別にして。愚意にそむる体なくひ。故人
秀歌と申候は。何れも心腑に銘じ候
◯哥の風情を求むるといへばとて。花には黄
玉。葉には青玉などいふやうなる事は。却
て。妨をまねくなり。さのみめづらしからざる
やうなれども。てにをはなどにて違へて。常
の事に。めづらしくなる風情もあるべき也。別
して珍しき事を好みて。花には風を吹
せたがり。月には雲をかけたがりなどするやうに。
引替てよめるも一体也といへ共。さやうの意趣
を先とせば。直なる方なくて。あらぬ道にや。横
入し侍るべき。只常の手の。しかも人の葉の
およはぬやう成事を一応詠すべきにや
本終
4635
為満和歌講講談末
為海郷和歌講談
目録巻之末
第一。要詞相叶手本の事
第二。題を取てよむ心得の事問答
第三。題の字顕さぬ沙汰の事問答
第四。百首の歌よむ子細の事問答
第五。傍題の沙汰の事問答
第六。結題の沙汰の事問答
第七。雑類の沙汰の事問答
第八。贈答歌の体の沙汰の事問答
東北部課
前代
○岡島
第九。
題書恋の歌。哀傷の歌の事問答
第十。法花経法門の哥の沙汰の事問答
第十一。哥合沙汰の事問答
第十二。歌の病の沙汰の事問答
第十三。字数の沙汰の事問答
第十四。名所に詠へき物。読まじき物の沙汰の事問答
第十五。題に依て承物。読まじき物の沙汰の事御答
第十六社にて披講の時読やう心得の事問答
第十七奥書の事
〇姿詞相叶ひ候はゝ。風情すぎたる事もい
まじく候。雲ま行かたわれ月のかたわれはおち
ても水にありけるものをといへる歌は。風情
のいりほがとて出されて候歟。貫也歌に
ふたつなきものとおもひしを水底に山
の端ならでいづる月影と侍る意相似て候か。
又花に風をふかり。月に雲をかけたがり候
はん事。熊と好みたるは。誠に比興ない。彼
丹後が歌に
霞つゝ花ちる峯の朝ぼらけ後にや風の
うさもしられんといは。かぎりなく面白きお
もかげにて候。又一応は秀歌にも有ぬべく候
へども熊と一応とこゝろざし候はん事。なを
本意にあらず候歟
二十一
歌をば題の心を得てよむべしといへり。文字
すくなく有頓を。少しやうあるやうによみ。結び
題を廻してよむといへり。仮令は。野虫を。やがて
野べになく虫とよみ。山鹿を山になく鹿など
よまんは。無下の事なり。又結ひ頭に池水事
凍といふに。こほれるほどのわらざるらんと
後京極摂政のよみ。又段レ期変レ約恋に。しぢ
のはしがきかきつめてなど。俊成郷のよめる
風情。是はましたるといふべきにや。又等思
両人恋に生田川に鳥もゐばと。彼寂蓮がよ
める。是は本説に付て心を取てよめるに結ひ
題のよみやう。いかやうにか作例しるし申さるへし
○結題作例の事
ひねもすきくにむかふ
終日対菊
終日対菊行宗卿
ゆきむねのきやう
行宗卿
いつしかに朝戸をあけてきくの花
月のひかりのさすまてぞ見る
俊頼朝臣
秋くれば宿にとまりを旅ねにて
野べこそつねのすみかなりけれ
あきすへのきやう
残菊留秋
顕季郷
冬に今なりぬときけど頼れす
まつぞと見ゆるしらきくの花
はなのもとにをくるひ
花下送日定家卿
定家卿
木の下に待し桜ををしむまで
おもへばとをきふる里のそら
かすみのこるはなをへだり
霞隔二残花一肥後
立かくす妻ぞつらき山さくら
風だにのこすみねのかたみを
むらさきふぢまつをかくす
りやうぜん
紫藤蔵
良暹法師
松風の音せざり少は藤なみを
なにゝかゝれる花と見てまし
いけみづなかばこほる
後京極雨
池水半氷
御歌の時
宅家郷
池の面はこほりやはてんとぢ添る
よごろの数をまたしかさねば
三十二
題の文字を顕はさで読事。落葉に。いかば
かり吹。山の嵐ぞなどいひ。郭公に。あすのあや
めのねをのこすらんなどよめるは。頭の文字な
きにや。是はさる一体にてこそあれ。左右な
く初心の人など用ゆべからざる事にや又修
令ば。寄陰などいふ題にて絵に似たる詞に
てよむべきにや。奇車などあらんに。右近の
馬場の日織の事など。らみたらんは。車の字
なくとも。子細あるべからざる歟。かやうの作
例こまかにしるさるべし
◯題をあらはさで詠事。詩の破題のごとし
殿上之詩歌合に
一花添二山気色一定家卿
玉すだれおなじみどりにたをやめの
そむるこゝろにかほるはるかせ
ひよしのうたあはせ
日吉之歌合に
もみぢあめをそふ
紅葉添面同
ふりまさるなみだも雨もそぼちつゝ
袖に色なる秋のやうかな
うだいじんけ
右大臣家六首に
古郷紅葉
古郷紅葉同
たつろひしむかしの花の都まで
しやうぢにさだいじんけ
正治左大臣家
のこるにしきの色ぞしゝるゝ
さんかのよるのしも
山家夜霜
定家卿
ゆめぢ
夢路まで人めはかれぬ草枕
筆のだうちうのごくはい
熊野道中御会
をきあかす霜にむすほゝれつゝ
かはべのらくえう
河辺落葉
定家卿
渡し秋を暮ぬとたれかいかた河
また波こゆる山ひめまち袖
次に寄絵恋に。古今など。絵の心をとりて
同
詠じ候はんに。子細なく候歟
月の百首。花の百首などに。あらぬ季の交り
たらんを。たゞ月の頭にて。假令秋の方をも
よみ。秋の霜をもよみなどすべきにや月の
百首に。月前雪。月前。霞などあらんに冬の
事をよみ。春の事をもよむはあしかるべきに
や。作例おぼつかなく候
◯比百首入道民部卿仏家の月の老よめる哥
の題に候歟。月。前。霞月。前。雪その季にて候
はく。猶春の頭も冬の題もありぬべくひに此
二つばかり相交り候は。秋にて霞雪をよま
せ候はんためにて候らん。彼一座をいまだえ
及はず候。一向推量を以て申上候
ス覚
傍頭をは。いかやうに嫌ふべきぞや。是は三首
五首の題に付たる事と。三十首五十首に
成ぬれは。若嫌はざる歟。作側同じくしる
へし。傍題と申事。古くは題の外に異物
を詠加たるを申候歟
ゆんぜいきやうわたくしのいへ
○俊成卿私家の歌合に鹿題にて
一峯になく鹿の音ちかくきこゆなり
紅葉吹おろす夜半のあらしにと侍るを御
輔の言紅葉吹おろすなと歩めきたり。抑遠
題をはよまぬになりと申人もあれど天
徳花山の歌合にも侍りぬれば。僻にあらじ
とて。持に乞め侍ると云々。又奇数ある中に
端にも臭にも有頭の事をよみたるをも傍
頭に申侍る歟。三十首二十首に成ぬれば。さ
のみ申さぬ事にや。春の歌に。霞の頭のあら
んに天の一年をよみ。秋の露の頭の外に
又あくむ事。是をよまでは歌出来かた
からん歟又三首五首は。殊に憚るべく候歟
それも引見候いし。作例は有ぬべく候へ共。庶
失せざる事にて候へば。邂逅の例も其詮
なく候。七夕七首などに。七夕をよむ事くる
しかまへからす候
亀頭には実字虚字あるへし。仮令ば野征月
などあらんに。経の字などは虚にて捨べきにや
頼寄月に又月前との差別。いかやう成べきを
や帰月。海辺月など云も差別覚束なし
社頭と寄神と又心のあるべき歟
◯結題に真と虚との字候べし。野外の外
字等也野径の径の字はよむへきにや。峰殿
御歌合。野徳霞は皆経の字心置たりと見え
て候。奇月。月前。大体は同事なり。強而差
べつ
則を申さは。寄月は。入後月。雨夜月などに
よせてよむも。落頭にてはあるべからず。月。前
をばさやうによみがたし。又海辺と浦とも
同じやうに候へとも。浦の字には心置て読
る哥侍る歟。秋頭と。神と同じきなれば
ふみとゞろかし時神。一夜めぐりの神なども
奇神恋などにはよみ侍るべし。社頭には
よみ侍るべからす
七分
雑題を取て季をよみ入るに。或説に当
季をは嫌はず。他の季をばよむべからずといふ
人あり。是いかやうなるべきぞや
○雑類に季を談より。常の事にてい。其時
の当季ばかりをよむと申説候へ共公達の
季をも詠ひ。作例
ぜうげん
承元二年五月松尾歌合
社頭雑
神垣やわが身のかたはつれなくて
あきにそあへぬくずのうらかせ
建保五年五月歌合
松経年
定家郷
たむけぐさ
手向草露もいく世か契置し
はま松がえの色もかはらす
贈答体は。いかなるを本とすべきぞや。鶏静がへ
□□□
しとかやいひて。心をとりなをす一体有にや。
子細八雲御抄などに見えたりといへども。
贈答本の体少としるし申さるべし
◯贈答歌の本やう。八雲御抄に載られたる
きよゆきとまちるとしゆき。なりひらは。これんぜいゐんのごせいだいにの
清行小町数行業平後冷泉院御製大哉
三位等が歌是にて事つきて侍る歟。鵜島が
へしの事も。春日行幸の歌出されて侍
り。これに過べからざる歟
敵書の歌などは。いか程も濃に艶じかる
九十
べし。哀傷の哥なとをば。いかほども物悲き
やうによむべき歟。大方恋の歌よみやうは。四
季雑の歌などには替りたる物にや
ほりかはのめん
○艶書の歌の事。才覚なく候。堀河院の御
時艶書合歌などは。つねの恋の歌に替る所な
く見へ候。哀傷はいか程も悲しからんと企て
候はすとも。能歌はさこそ候はんすらめとお
ぼへひ。恋の歌。四季雑などに替りて。別に
意地有べきともうけたまはらず候。後鳥羽院
の御時三体の歌とて。春夏は太く大きに。
秋冬は細くからび。恋様は散にうつくしく
つかまつれとおほめられけるとかや。是も一
時一会の御沙汰也。いつもの体を定めさせ
らるゝにはあらず
法花経の品などの歌よみやうは。たゞ心を取
十分
べき歟。又詞にてよめるも作例あるにや
○心を取て唯来によむも詞にかゝりて添
よむも。ともにくるしからず。六義何れを捨
へきにもあらず。法花経には。七喩と申て。
七のたとへの作も。其外にも品々にたとへ
おほく候。其たとへおほくはよみて候。法門に
そへうたなぞらへうた
取ては。添歌淮哥などにて候へ共。経のまた
にてあれば。たゞこと哥とも申べき。代々の
集釈教部に見え候。作例を考へ申におよ
はずといへども
序品
俊成郷
ひろくもろ〳〵のしゆしやうをどすそのかずはかりある事なし
廣度二諸衆生一其数無レ有レ望
わたすべき数もかぎらぬはし柱
いかにたてけるちかひなるらん
随喜切徳品
最後第五十人関一偈一偈一隋書
谷川のながれのすゑをくむ人も
きくはいかゝはしるしありける
あんらくきやうほん
安楽行品
ふかくせんてうにいりてしつぱうのほとけをみる
深入禅定見十方仏
しづかなる序をしめて入ぬれは
ひとかたならぬしをりをそする
これは詞にかゝりて侍るにや
ひゆほん
辟喩品
そのなかのしゆしやみと〳〵くこれわがこなり
其中衆生悉是吾子
みなし子と何なげきけん世中に
かゝるみのりの有けるものを
これは心をとりてよまれたるにや
工分{
歌合の歌は題の心を正し〳〵作例の病を
除きてよむべきにや。其外口伝有べきにや
◯拍て承置むねこれなく候。題の心正しく。体う
るはしく。長ありて。清げなる歌の勝事に
て候哉覧と見及候。後鳥羽院御抄に寄合の
歌を。いたくおもふまゝにはよまずと有。釈阿
寂蓮などは申侍し。別のやうにてはなし。
題の心を能おもはへて。病なく。又源氏物語の
歌をばとらず。詞をとるはくるしからずと
あそばされてひ。凡歌合の故実は。八雲御抄に
委細に見え候歟
三十一
歌の病を去事は。歌合には何れの病を近
来は去ぞや。四病八病を。さのみ去べきにはあ
らず。当分嫌ふ病の分。しるし申さるべし
当座の歌も。近日何れの病を去ぞや委く
しるさるべし
○近来はさのみ病の沙汰なくひ。同心病ば
きせんしきだいちびやう
喜撰式第一病
かりを去候。同事に候也
わが宿は道もなきまで焦にけり
つれなき人をまつとせしまに
無の字二つ候。此類に候歟。又第三句の終の字。
第四句の終の字。同じくひ。新撰齟鵲に嫌てひ。
清輔朝臣
塩がまのうら吹風に霧はれて
八十嶋かけて。の。ての字此類に候歟。是は
聞にくき文字にて候。俊成郷判云平頭病
もなからんよりは。宜しからぬ由かゝれ候。此
分は。歌合も。常の歌も。同事に候歟。平頭病は
たゞの歌に殊に沙汰有べからず候歟
三十弐人
歌の字卅一字にあまる事。作例多しといへ
ども殊更由なき時は。余すべからざる歟。忠仁
公の。花をしみれば物おもひもなし。などいへる
は。由おもしろければ。左右に及ばず。由なき
時長を高く見せんがため。好んで文字を余す
人あり。いかやうなるべき事ぞや
○無用の字余す事。よろしからずひ。中飽病と
たてゝ候。但し。信明朝臣の
ほの〴〵とあり明の月の月かけに
もみち吹おろす山瓦の風三十四字
家隆郷の
かぎりあればあけなんとする鐘の音に
なをながき夜の月ぞ残れる三十三字
これらなどは。一字も無用にあらず殊に勝
れ候歟。敦忠中納言の
けふぞえに暮ざらめやはとおもへども
たえぬは人の心なりけり
これは暮ざらめやと。にても。心は聞え候らん。
俊成卿の
去年もさて暮にきとおもへは春たつと
いふよりやかてものぞかなしき。とひ。是も
暮ぬとおもへばと申へきやうに候へ共。気味
ふかくひ歟。佳境に至らざれば。是非しがたく候共
団
名所の景物は。雪。月などいふ物は。何れの国に
も有べし。作例なく共。よむ事苦しかるべから
ざるをや。されども月は更科などによみ。雪
は伏見深草などによめるは。便ありて
聞よきにや。花。郭公などは。他例なき名所
にはよむまじきやらん。其所に望ては。子細な
しといへ共。左右なくよむまじくる。何国にて
も。わたりてよむべき物。おほつかなし。雲。霞な
どいへるは。所さだむべからずといへ共。猶證歌の
より所あるを詠ずべき歟。又いづくをよみた
らんも子細有べからざるか。こまかにしるし申
さるべし
○月。雪。雲。霞。などはいづくにも色物なれ共。
よみつけたる所を詠ずべき由。先達申され
候歟。すべてかくのごとく心得ひぬる上は。便あ
るやうになされ候ぬれば。くるしからざるへ
里に擣衣をよみ。川に蛍など詠ひ奉り。作例
を求むるにおよばすい歟。草木などの名を
さしたるは。初てはよみがたく候。たゞし
衣笠中納言の
しら露の手枕の野のをみなへし
たれとかはせるけさのなごりぞ。といふ
歌は。地歌を尋ぬるにおよばす。殊勝なる由
時の歌仙の沙汰にけると承置候
暁の頭を取て。有明。寝覚など詠じ。首夏
大阪
といふ趣に。新樹。更衣などをよみたらんは。
其難あるまじそや
○子細なくひ歟
六十一
其社壇の披講の歌に。他の社を詠する事
色まじき歟
◯其社の歌合に。他社を詠じたる歌。判者
の咎たるに。見及心地し候。假令又先蹤
ありとも。庶貴せざる事に候歟
七十號
そも〳〵いんとんのはしめしうがくのとき
抑隠道之始。終学之時。枳里絶王之十
一夢中。真珠を麹にかりといへるは。釈迦遺
法弟子。佛教を罔て。俗典を学する事
を示すと。いふ事を見及び侍りしより。
深く慚愧の心を生て。和歌の広学を
とゞむるによりて。此道の英宗に逢とい
へども。古集の訓説をうけず。唯数寄
のやうざるをもつて。江湖計薮の日。羇
中の風光を嘯き。山林閑居の時。塵外
の景色を翫ぶ。覚えずして。泉石肺肝に
入。つもりきて。煙霞痼疾となる。延江山一
一の助を得るといへども。曽以て蛍雪の勤め一
なくひ。仍而条々の御問端一々是非に
迷ひ候。しかあれども。維摩の興言説に同じ
からん事。其恐れあるによりて。推量の義
を以て。僻案の趣をしるし付る銅にてい
是併管を以て天津空を窺ひ。恰を以
て海をはからんがごとし。一度上覧の後。火
中に入候やうに。御意得あるべく候をや
爲満郷和歌講談末
本末終
此本者為満郷自筆之本写留所之
一本也数反数反授者也
高満郷ハ毛家郷ヨリ十二代メナリ権大納言正
位元和五年六十一歳ナリ
元禄五壬申正月吉日
寺町通三条上ル町北角
菊屋安兵衛
一反行目家京都書林菊屋安兵衛
板行目録
何方之書林に而も御手寄へ被仰付御求め御覧可被下候
孝経
山崎嘉点
東都勝元鳳著
詩学作方新刻
一金一冊芸苑録
二冊
十四経指南
林玄厚
経絡図解
懐中本穴名を平かな
一金十四経論
諷に作り初心学安事
金
勢州禅林堪道
片かな注釈和解
三體詩道春点三冊般若心経決談抄
金
新門
豫州籾慶吉
恵鎧
真宗勧化心信銘
真宗仏身義
新刻
片かな凡夫後生
五冊
一大事ヲ説
平かなゑ入
比叡山延暦寺一
伝教大師伝記
比叡山延暦寺二冊
眉寺二冊
三冊
開山并付録
盤察著
三国温故要略
故事因縁
菜漬
五冊
空一義草書
小坂氏貞直
大極三物
烟舟亭移行
俳諧乙御前
金
三冊俳諧乙御前
四季発句集
和歌
北頭波志草
綾足著
れ誹
新刻
あら陀目鏡ゑ
二冊都名物浮絵
新図品々出来
中村三近子著
中村三近子作
十農工商文章
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文通書用字便蔵
金四氏往来る
文章大寄や子尽入
并字尽入
初学通用
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角流手本揃蛎手形金女用文章伝受巻
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女用文章伝受巻
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反行月家
ゑ入読本
ゑ入読本
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六冊一角仙人四季桜
面影曽我
夢咄後編
禍福
ゑ入五冊
讃岐全
当世銀持気世銀持気質
讃州金毘讃州金毘羅
廻持
三等選一冊
新刻諸人心車
庭訓并往来物
神道三種太祓多三説四冊
童訓往来万海宝蔵
文章重法品々
本秀著一冊
金
男用文章大成全浅井物語
風雅
漆尺
五冊
孝行娘袖日記
孝行娘袖日記
平かな
ゑ入
六冊