照子池浮名寫繪

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溪齋英泉畫
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溪齋英泉畫
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カガミガイケウキナノウツシエ
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
分 三十一番 本 中ノ郷竹町 黒川金治郎 二篇 曲亭十種二篇上 同二反二升二同同同同断同 曲亭馬琴作 雁金屋采女 かゞぬかいけかきなのうつしゑ 一蠅屋袈裟次郎 合巻二本 渓斎英泉画 戌 錦森堂 全国 心にしへの人のいへらく。百年の夫婦あり。一世の情人絶てなし。こは只流漓 断士の。情状をいへるのみ。男女の離合は。神所為歌皆是縁の有無に よるもし借老の天縁あらば情人必夫婦とならん。灰聞昔雁金屋 の采女てふ遊女あり。情郎に添ふよしもなき過世浅茅が露に不楽 けん。名はそれとしらずとも知れ猿澤の跡を鏡が池にしづめば。こと よめる一歌を遺せしとぞ。歌のこゝろは人麻呂の。吾妹子がねくたれ 髪を猿澤の。池の玉藻と見るぞかなしき。と詠たるを取りしなり。 それは官婦采女を悼みし。名は同して。その跡異也。如今彼才と 色とを取らず。只その天縁情義を善して。もて迷津の一代とす。 こを遊君の鑑が池といふにしもあらねども。勧懲の微意。こゝにあり。 勧懲の微意。こゝにあり。 文政五年壬午春正月開版曲亭馬琴識一カ 蝿屋浄円 みな人 の 可惜 石 かね かねを 宵〳〵に 蒔ずは 咲じ 毛里の花 けいせいをだまき 傾城苧環 鮭蕃 後に衣七が妻 榎井 鎌倉の雑掌 塚見九郎次 夜の 戸に 秋風たつと 犬蓼の ほへかゝりつゝ 人にしら露 閑斎 木兎引 図九郎 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ なつはりやきぬしち 夏織屋絹七 塚見が奴隷 池内 ゆき 雪 霜を うけつ 流 して 伊勢守様 香は さらに 鼻をつきぬく 塚見が 奴隷 庭の鎗梅 秋月菴牧之 辛平 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ □□□□□□□□ 袈裟次郎が 母斧柄 こ 子を おもふ 闇にたづねて よし原へ やかずは 知らじごもり 毎日の 同 逸竹斎達筑 蝿屋 福三郎 絹七が女児 乙女 青柳の 腰に 晃く 三日の月 ゆふ 呉君の 釣刀と 見ん 信天翁 悲人 無名次 雁金屋采女 一蝿屋袈裟次郎 時しあれば 枯たる枝に 花ぞさく 栗のあしたの みよしの山 誓斎 蝿屋浄円 □□□□ 〽はひや じやう 一一一 〽今きぬ七 がまゐり へつまづ 〽浄円が つまおのゑ 川一ヱヽ五百八十六もん めヱ引壱〆八百七十 めヱ引五十二もんめ 三ふん五りん 八五丁 山おもてだい 〽こんぴらさまへ 大くわんのぎやう じやとほりいつ ぺんで ぎり ます ぜひつれまして 〽あはねばならぬわけあれば 来てくれとて たちいく してござん すぞへばんには どうぞつがうして かならずおいでなされませつ うつしき けふは だんなが 見はつてござる そのふみ おいて はやう いぎや 物がたりほつたん むかしほうでうさご ときあそんかまくらの しつけんたりし正おうの ころかとよ京都ちゑ 所の小路上立うりの ほとりにはひや浄ゑん といふうとくの町人あり けりそのいへ数代さう ぞへして間口九けんの見せ ぐら四十よかしよのいへや しきはその富たぐひおほかる べくもあらず両がへあぶら ごふく物しよこくのちうもん 引うけつくものかすあまた あきなふほどにいよます〳〵 はんじやうしてとせいにいとか なしといへどもことたるまたに おのづからゆうげいにもうと からず。ちやのゆりつくわ。 かうしうきくうたをさへ よくよみしかばやんごとなきかた ざまへめさるゝ日も亦おほ かりけりされば手だいもおほ かるなかにきぬそといふわか ものはじやうゑんと同年 にてしかもには子であり ければいとわかきより引 いまでよろびのことをまかせ あげてよろづのことをまかせ つくおもてだいにぞしたり ける又浄ゑんがつま おのゑは大かたならぬわけ ありてからくしてめとり しよりはや五とせに およべども子はなほ ひとりもなかりしに ことしやうやくくわい にんしておびするほど にもなりしかばあるじの よろこびいへばさちなり 手だいにものにいたる ゆだいにものにいた までまれびとを まつこちして めでたきことに おもひけり □□□□□□□ はひやのてだいきぬ七はそのよはひみそぢにたらで見せのことを うちまかされししゆじんの大おんいさゝかもなむざりに思ふに あらねどつねにしよ用をうけ給はる両六はらをはじめとして 武家く心のつかさ人をきやうおうの為にとてをり〳〵ゆう りにおもむくほどにわかきものゝならひとて西の洞院のくるわ なるみむろやのをだまきといふけいせのに心ともなくあひそめて はじめはつとめのちは只しゆうほうばいの目をぬすむまで よにうとからずかよひしかばをだまきも亦つとめをわすれて すゑはふうふよわがつまぞとふかくもちぎるよひ〳〵の まくらのかずのあだならでへよそへもらさぬまこと よりながれの身にはいとまれなる身おもくなり つゝ今ははや五ヶ月ならんと思ふにぞとは只 おん身がたねなりかしはぢをなかゝせ給ひ そとかごとがましくつげしかばきぬて きゝてうちおどろきわれははひやの には子にて町人ながらふだいの身也 さるををり〳〵しのび〳〵にさと がよひしたるすちみちならずと こそ人はそしらめそをなまじいに まことあるそなたがくわいにんしたれば とて今さらにすべもなし身ふたつに なりてのちとにもかくにもなるべきことぞと 心つよげになぐさめて一ト日ふた日をおくる ほどにある日をだまきは辛ぬ七にふみをおくりて しか〴〵とつげしかばきぬ七いよ〳〵むねをいためてそのよ みむろやへおもむきけりすでござしきもをさまりてをだ まきひそかにつぐるやう身おもくなりしことだにも心くるしき かぎりにはぐるににわるに男うけの麗くありて手つけの を〽その きやくの 名も所も しらね どうの ださ るゝは じやうの ものしにん してたべ とうぞい のふ □□□□□□□ しらぬ ごく ●しへばみんな しやうの ハアばち ハフどうし たちより かうなほ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かねをわたされたり思はぬ 人のながめとなりてとてもそは れぬことならばおん身の手にかけ ころしてたべとくときつなきめよも すがらなみだにひ給はなかりけり 〽あるじ 浄ゑん やう すを うからふ き〽大おんうけしおやかたの おんはおくらで引おひの てんばつたちまち此身の じめつ今ぞさめたる むみやうのゑひ すくはせ給へ なむあみ 〽同屋だぶつ 一同一 一の上ゟ一ト ふでのかきおきだにのこ さずしてはやくもくる 一わをいでてゆきしは 身うけのきやくを さいはひにわれを ふりすてたるに こそあの野ぎつ ねめにだまさ 貮 よみはじめしかくてきぬ七はをだまきにかこ たれて心くるしさかぎりもなけれど身うけの かねのすみやかにとくのふべきにあらざれば 今さらにはりあふてこなたへねびきする よしもなしさりとてもなるべきほどは かねこしらへて見ばやとてそのあかつきに かへりしがかの身のしろは三百両くわきうの さいかく心にまかせずさればとてわがたねを はらにやどせしをだまきをえしらぬ きやくにうけだされてはわれもをとこの いちぶんたゝず只もろともに死なばやと おほろけならずきこえしかばきぬ七はかざしのはなを風に 思ひつめたるふりやうけんひそかにやいばをくわいちうして つぎの夜みむろやへおもむきしにをだまきははやうけ だされてにはかにくるわをいでたるはけふ夕くれのことなりきと うつしゑ とられしこゝちしていとをしむのみすべなさにむねをおさへてすご〳〵とたち かへれどもとにかくにましひのくもははれやらず又つく〴〵と思ふやう〽の下 れて大おんうけし おやかたのめを くらまして此月 ごろさとかよひ せしのみならず つかひこみしは 二両三両三両三両三両三両三両三両 うんつりつて ぢんつもつて おもはずも 見せの勘定 ふそくして 弐百両のひき 弐百両のひき おひありしばしばしは ふでもてくろめ おくともはやとほ からぬたなおろしに ことあらはれなべし いかにはんづぎへ しのぶかけすゞりことのおもむきかきのこすかげさへほそき ともし火に一ト間のかちかみ立こめてもむじやうのかぜに さそはるくはやあけかたのかねのこゑおくれはせじと ようゐのたんとうきらりと引ぬきとり なほしてはらへつきたてんとするほどに ヤレまてしばしとよびとめつくうしろの せうじけひらきてとゞむる人を見かくれば このやのあるじ浄ゑんなりきぬ七 はつとおどろきてめんぼくもなし だんなさまいさいのわけはのちにぞ しれんとめずにしなして給はれど つゞきと思ふをんなにつきいだされてかうなることもしゆうの ばちいひわけたゝぬ身のあやまちは死ぬるよりほかしあんも なしさうぢや〳〵と又さらに心ひとつにつきつめて人めを いはせもあへず。うろたへものめ。 には子の身として。さしつめ たるわけあるにもせよ。おのが まゝなるはものざんまい。なほ此 うへにしゆうおやかたになんぎを かくるがほんもうか心をしづめて やうやくにうばふやいばを手ばやくもさやとりあげて をさむればきぬ七はなまじいに死ぬにしなれぬ身を なきてさしうつむきてゐたりける浄ゑんこれを きつと見てやをれきぬ七たしかにきけなんぢ ちかごろきとかよひして二百両の引おひあること われははやよくしつたりしれどもしらず トくだりわがいふよしをきかずやとしかりこちして 〽あんまりすいな 也 〽思ひがけ だんなさま お礼申スも 何とやう こゝろで をがんで なきおん なさけ みやうがに あまる 命の をり まする おや かた めん ぼく しだ いも ござ り 十 せ ぬ 斧 〽ひめごぜは あひみたがひ はぢをいはねば がほしたるしゆうのなさけを おもはずしてなじみの おやまにわかれを かなしみ人にまかする 身をもちながら しなんとせしは不忠の うはぬりごんごにたえ たるしれものなりよりて いとまをとらするぞしゆう〴〵の えんきつてのち死んともいきん ともそは又なんぢがかつてにせよ もつてうせうとなげあたへたる これはよにいふかまひなしいとまの一札 いつつうをきぬ七ヤをら うけいたゞきてひぢきて 見れば一札なちで おもひがけなきをだ まきが身うけせうもん なりければこは〳〵いかにと ばかりにおどろきあきれて 又さらにこととふよしもなかり けり浄ゑんはさもこそとかほうち まもりて目をしばたゝきことあたらしく あなれどもわれもおやにわかれしのち 十九のはるよりさとかよひしてそのころ全せい たぐひなきけいせいよしのにうちこみつゝあまたの こがねをうしなへどもなほこりずまにうけだしてつまと せしよりさとの名をかくすおのゑはよしのぞと口下 理もしれぬ わしもむる しはながれの 身よしのと よばれしむかしを 思へばどのやうにも ふへはとのへうにも せわしたけれどまか せぬものはうき世の義 理たゞならぬ身を大 せつにやくうみおとして もろしらがめうと なかよくくらしてたも 〽おのゑもくわいたいはやいいたいはやいつゝき をだまきもいつゝきとな あひばらみはいむとかいへど みやこにあらばをり〳〵は □□□□□□ たよりをきかんにそれも よしなし夜もはやあけ なば人にしられんたびの したくをはやくしてせど からいでよこゝろえたるかし コリヤひとつのかうを たこてのちきさんの ねがひをまつて あるぞよ たちしうき名も 一トむかしことしはつまのいはだ おびよろこびあればうれひあり 見世のことみなうちまかせし 次一 諸国来翰挿 十一丁 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ 下の方ゟ ソレ〳〵おのゑ きぬ七に はなむけを し給へといふに つれてたちいでつれてたちいでつゝ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 丑十二日 □□□□□□□□ おのゑはつぎの まよりをだまき つれてたちいでつゝ なごりをしやきぬ七 どのわらはがをつ とにそひとげて あまたの人にうや まはれ何ふそく なくけふまでもの 四 廿七 一 まへのつゞきなんぢが よからぬふうぶんの 人のくちには戸もたて られずつとめをよそに まことあるそのけいせいの 身ごもりしとほのかにきくし ことあればともにそはれぬ ロロ 身をわびてよからぬしあん のいでもやせんと思ひすぐして 一 一口 〽おれが こまを なぜなく ふてへ たゝつくぢくぞ やらう 人しれずうけいだせしはわがな さけなんぢにそはせん為ぞかし とばかりいはぐ物ずきなるしゆう もたはけににたれども十ねん いぜんよしのが為にわれもしん しやうふによゐになりてさうぞく 心もとなかりしになんぢがおやの きぬ右衛門第一ろうのばんとうにて にちやのたんせいかんだんなくしば〳〵 わが身にきやうくんして五ねんがほどに しんしやうをもりなほしたる大忠しん をとゝしのはる身まかりしおやきぬゑもんが あとをふませてはやくなんぢをとり 〽またてしもみなその おん義を思へばなり しゆう〴〵はおもてむき わがこゝろではおとゝとも ●たのしい月日をおくる ことみなこれそなたの おやなりしきぬ右衛門 どのゝおんぎぞと思ひ わするゝ日はなけ れどわぶるにも なほわびがたき うき世の義理こそ くるしけれこれは わらはがこたつざし すこしなれども あきなひのもと 〽又しても はた吉よねんきものでも人の 子じやきずつけてはすみませぬ 子じやきずつけてはすみませぬ まりいふことをきゝ やらぬととゝ さまにつぐる でになりとし給へと いひつくわたす 二つたみかねもろともに をだまきが手を引 たててさしよすれば きぬ七はかんるいをしぼりも あへぬしゆうのおんそのくりことも をだまきともろ手あはせてふし をがむなごりはつきぬいとまごひ 人めのせきははかるともえこそゆる さねやこゑのとりにいそがされつゝ ともなふてよあけぬひまにと いでゝゆく うつしゑ 安政 とふなんぢがあやまちは わがあやまちに 思ひくらべてふかく とがむるよしも なけれどあまた の人をめし 一つかふになんぢ ひとりにえこ ありてはいごの しめしに さまたげあり さまたけあり よりていと まをとち きに いらぬの いらぬの わるいの とて きのふも するなり いづれの さとにも おちつきて ゑらく ひとつの たゝかれ ました おゑ さま おさへて かうを のち たてて はやく きさんを くださり ねがへかし ませ 上の 〽にいさんにぞうを おぶちでないよはやく くるへ 上り〆二 これより十よねんのちの物語なり をだまきをともなふて とほくかまくらへおもむき 大町のかたほとりにあぶらみせを いだせしがしゆうにかんだううけ あらずさればわが名のきぬにちな みてなつおりやといへなせりこははい かいのふるきほつ句に来ればきぬ はひはあづまのはなしにもと あるをおもひよせし也なつおり のきぬのしるしにはかならず はひをおりいるれば又はひ屋 にもちなみありよりて かくてをだまきはぞのとしの ふゆあんさんしてをのこ子 たんじやうしたりしかばはた吉と なづけたりかくて又五六ねんほどを へてをんなごしゆつしやうせりそれ をばおとめとなづけたり をだまきはかうふたりの子もちに なりにければその名をおさ井とあら ためてせたいのことにゆだんせずきぬ七は 人なみなるあき人どなりしことみな さるほどにきぬ七はみやこちかくははゞ かりありとていさゝりゆかりをもとめつゝ なつおり屋といふなるべし たる身にてはひやとなのるべくも 〽きやうげんなかばことさらに こんざつのさいちうながら たのまれましたるくすりの 御ひろう 一かほの やく 仙女香 〽大それたすでつちめ 町人のぶんざいで しつけんの御ひさう いぬへぼうをあてれば その身のは 長寿 万病丸 一ほうぞう はしか 小児 救命丸 し ならば 手がらに ぶつて見ろ ふざ〳〵 暑寒 年中丸 婦人 黒神丸 右のばいやく 京橋 南 伝馬 だはへ 町三丁め いなり 新道 名坂本氏 うりひろめ申候 これしゆうの大おんなればひと日も みやこの事をわすれずむかしはひ屋につくし とき二百両の引おひありしをさちに又三百両 もてをだまきをうけだし給はりあまつさへ はなむけに二百両をめぐまれたればこれかれ あはせて七百両の大きんをいさゝかもつくのは ずはつひにわが身はみやうがにつきて子ども らも又いかならんゆくすゑのこと心もとなし せめてその元トがね也ともちやうたつして 京都へおくりおやかたへかへしまゐらせなば これすなはち一つのかう也それを よすがにかんだうのわびを せばやと思ひつゝつまは さらなりはた吉にも をさなき時よりいひしら せておごりをはぶき世わた りにゆだんなくかせげども 一トはこにちかきかねのたや すくとゝのふべきにあらねば にくとゝのふべきにあらねば 思ふのみにてそのかひもなく はや十よねんをおくるほどに よくもせずをさなきよりわもちゑたけて ちからつよくきもふとくやゝもすれば小もの さうりやう子なるはた吉はその 気しつあら〳〵しくて手ならひなどは 〽よはいぬのかどべんけい多せいを たのみにとりまいてもおれがゐては おんでもないこと一ゝミヤ〳〵ちくしやうめ わるくかせいにでかけるとをりすけぐるみ なんどをちやうちやくすることしば〳〵なれば岡 ぶちなぐるぞ □ふたおや しきりに きやうくんして かはる〴〵に たしなめても はたしはものとも せずかへつておやに くちこたへして おのがまゝ 命にぞふる給ひ けるかくてはや はた吉は十二才おと めは七つになりし はるのころはた 吉はあさな〳〵 てらこやへゆく ごとにわかかどに をるいぬの つねにあとを したひつく しりにつきて ぞおくりける さればある の事 なりしに 一つぎへ □□□□□□□ つゞきれいのごとくかのいぬははた吉を おくるとてしつけん北でうさだ時の やしきのもんぜんをよぎるほどに たちまちもんの内よりしてたくまし げなるいぬ両三びきほえつれ たちてはしりいでくだんの いぬを前後よりひし〳〵と とりこめていきほひたけく とびかゝるゐまちをはなれし こなたのいぬは只いつぴきの ことなればいかにしてかなふ べきたちまちにかみつけ られてすでにあやふく見え しかばはた吉いかりにたえずして 手ならひさうしのつみをなげすて あたりのかきの竹ひきぬきてめつた うちにぞうちちらせばそは何するぞ とこゑかけてわかたうしもべ両三人 手に〳〵ぼうを引さげつく あはたゝしくはしりいでて いきほひづきし大町のいぬを やにはにうたんとすればはた吉 いよ〳〵いかりくるふてかのわかたうが 心 もつたるぼうのうらをつかんで引たくり いかりにまかしてしつけんやしきのいぬをいつぴき か〽しつけんの御ひさういぬをうちころ せしのみならずこれなるわかたうぼんたらじ てをおはせたる に こやつがだいたん わつぱなりとて ゆるされんやわび 〽てもねがひは かなはぬぞ きぬ七とやう たつてうせう ぼん 〽みけん きずは 勇士の かんばん され あひてが とも 子ども ゆへ をとな けない といは るゝのみ おほめに あはいで うちたふしそのぼうあまつてわかたうの みけんをはたことうちしかばしばしもたへず あつとさけびていぬもろともに のけそつたりすはらうぜきもの のがすなとよばはるほどに もん内より人あまたはしり 出てうむをいはせずはた吉を たりてこてにいましめてもん内へ 引いれつゝしか〳〵とうつたへけん しつけんのみうち人につかみ 九郎大夫といふものうけ給はりて いつぴきうちたふされて又いくべくもあら ざりけり此ことはやくも大町なるなつおり 屋へきこえしかばおやきぬ七はおどろき さわぎてちかきわたりの人もろともに しつけんやしきへおもむきてさま〴〵にわび 申せどもくだんのいぬはさだ時あそんの ことにひさうのいちもつなるをうちころせし のみならずわかとうにさへきずつけしそのつみ もつともかろからずとてそがまゝひとやにつな がれたりこれによりきぬ七は手をつくししなをかえて ことのしまつをとひたゞすにかのわかたうは あさてにて命につゝがなけれどもいぬは 日ごとにつかみがしゆくしよへおもむきひそかにあまたのものを〳〵 おくりてわが子の為にわびにければほどへてつかみ九郎太夫は ざんねん〳〵 きぬて 〽すりや いりやうに まうしても おきゝ生には ちをよび よせつく げん ぢうに いひ ござり ませぬか ホイ わたす やう はた吉が つみ一トかた ならねば なだめ がたき しな き なれども 十五に たらぬ わら んべ 〽いち 度や 二度 ではすみま すまい あす又 ねがひに来 ませうかへ なれば かくべつ の花を もつて 一命を たすけ 給はり つぎへ 一 しらしつそのゆふくれてはた吉はこえ村のはづれ しらしつそのゆふくれにはた吉はこしこえ村のはづれ よりおひはなされしぞむざんなる をともなふてわが子を一トめ見ばやとて 村はづれなるさかやのざしきにひさ しくまちわびたりければそれと 見るよりよびいれて引よせては なきすがりて八をしむわか れのはてしなく夜もはや いつゝになりにけりその時きぬ七 なみだををさめて今は千 まんいふともかひなしうたてや いぬのかみあひよりよし なきあやまちしいだ して日がけものと なりし子のとがは すなはちおやの さるほどにきぬ七ふうふはむすめのおとめ つゞきけふかまくらをついはうせらるもし立かへること つゞきけふかまくらをいいはうちはなじつみにおこなは ありてかくしおかばおやなりともおなじつみにおこなは れんよく〳〵此義をぞんぜよといとおごそかにきこえ はぢながき わかれになりにたり 江戸のしばさき道場 なる上人はわが身にちとのぞくえん ありよりてなんぢをかの上人の弟子に まゐらせんと思ふなりこゝろざしをあらためて しゆつけをとげなばかまくらへたちかくる日もあるべし これはこれろよう也これはきがえよかさきやはん よとてものおちもなくわたしつゝ心きゝたる目 〽としにはませてきづよさが目にものを その身のあたになりしぞや うんぜうしたらなほらふかとさき村へ さき村へ 思へどもあきらめがたきつかはせしに つかはせしに おやのなげきはめに はた吉はとに 見えぬか かくにしゆつ ちつとは 思ひ けをきらひ やう 道場に ぬかやいや 〽とゝさま どうぞ あにさまを とほい所へてらを やらぬやうに 也一トとせとも おちつかず よからぬふう ぶんきこえつゝ つきのとしの なつのころ あにさまを い所へてちを なぢふ して して ことなら ゆく かはりと 一思へばすむ よのふけぬまに 見たてゝ やりやれき ほしい なくまい へ しれ と思へ ら ども なり ども けり かなしうて なりまぜぬ 〽くやんでも なげいてもなしたわざなら しかたもなしこたばかりに日はてる まいしそんなにないてくださりますな うちはちたてどもおんあいのむねはいよ〳〵やす ことにはゝおやおさ井がなげきの月にそひ 日にまして思ひわするゝひまなければや やまひのとこにつきしよりみとせあま やまひのとこにつきしよりみとせあま りのくすりざんまいかぢもきたうも しるしなくつひにむなしくなりにけり きぬ七はいぬるとしはた吉がことにより あまたのかねをつひやせしに今又つまの ながきいたつきそのかんびやうもかひなくて ながきわかれとなりしかばこれよりしんしやう おとろへて心にまかせぬことのみなればかねでの ねがひもあだことにて七百両のかねとゝのはねば みやこのおやかた浄ゑんへかんだうの わびもえならずかれといひ これといひうちなげきつく 月日をおくるにたつことはやき としなみの思はずも又 十かへりしてきぬ七がむすの おとめは二八のはるをむかへけり そのかほばせははゝにもまして木 ずゑのはつはないざよふ月もこれ にはいかでおよばんとて思ひをかけぬ ものもなしそがなかにしつけん北でうさだときの みうちびとにつかみ九郎次といふものありこれはこれ そのむかしはた吉をきうもんしてかたのごとくとり おこなひしつかみ九郎大夫がいつ子なり一つぎへ おやのじひとてきぬ七はしばさきのだうぢやうへたのみてはた吉を つかはせしにくだんのてらにもおちつかでゆくへしれずときこえしかば 〽おぼしめしは いるばかり よろこばじう ぞんじます れどほか〳〵 にもせんやく あればまづ むすめにも いひきけて 御あいさつは 後日のこと 御ゆうよを ねがひます 九「おてまへをすい きよして出入にしたは 身がはたらき よもやゐはいは ござるまい せうちならば 〽おもてむきから なかうどを もつていひ いるゝそく座の へんじが きゝたい たんしき つゞきかの九郎大夫はおいくちて みまがりしよりみことせをへたり かくて又九郎治はおやの やくぎをうけつぎて しかもきりものなりければ いかにもしてきぬ七がむす めのおとめをめどらんとて それとはなしになつおり屋 のともしあぶらあらもの までよろづ下直なりと とりなしてしつけんやしきの 出入にしつく思ふまゝに したしくしてつひにえん だんのことをいひいでけり きぬ七はつかみがすいきよを あだに思ふにあらねどもその 心ざまかんねいじやちなる 人となりをよくしりたれば こゝろひそかによろこばず それのみならで九郎太夫が いとむごくとりはからひて はた吉をおひうし なひしにその 子のよめに はた吉がいも とをつかはす べくもあらず とはおもへども うちづけに すゞき氏 孫 十二才 舞雀屋 越後塩澤 下女〽モシおとめさまへ だんなさまを おねだり なされて かん〳〵 をどりも ふるいから おきゝはどう じやう やりを いちだん でござり ませう 巳上ゟ 〽わた ちや 今は ゆくへの しれず とも はた 吉を めんの にすが 見せに まつて ゐませう なき にても あら とゝさん とふて くだざり ませ ずかし まづ 吉凶 ことわりもいひ がたければよにまん ぞくなるおもゝち してかずならぬ ものゝむすめを 思ひつかせ給へばこそと れき〳〵のかたじけなく めとらんとの給ふを いなみ奉るべきに あらねどいもせの みちはおやにもまか せずとくとむすめに いひきけておんこた 内 亀鶴 けはひ坂 新叶屋 梅吉 大當 かなふ しゆくしよに立かへりて うむのへんじもなく只うち なきてぞゐたりけるそのとき きぬ七思ふやうのぞまし からぬえんだん なれどもいなと へを申上んといらへて しか〴〵とさゝやけばおとめは いはゞあひてが わろしうらみを ふくみてわざ はひのはしとは なることもや あらんまげて そのゐに まかせなば下へ 人相手相 二周易十八變 御うらなひ所 鈴木牧之 十一 〽さうで あろ〳〵 あつ わかい身 そらで ばいぼくの とひ かんがへて のちに しあんを さだ めん めん ばりへは はいられ とて その 月の 廿五 日に むすめ おとめ とも なひつゝ えがちの そんなら そこちに まつてゐや 天神へ さんけい して おやね たんせい きねんを こらしかへりまうしに しやとうなるばい ぼくに立よりてうちや さんをおかせしに此えん だんははなはだわろし 三日の内に西の かたより つぎ ぐき一思ひがけなきよろこびあり又ことさらなるうれひもあらん なれども西こそ大吉のえんだんなりとぞをしへける なれども西こそ大吉のえんだんなりとその日より されば又きぬ七はばいぼくしやのいひしにたがはずその日より 第三日めに思ひがけなくみやみよりはひやのひきやくとうちやく してあるじ浄ゑんのぢきひつなるいつつうをわたしにければ きぬ七はふかくよろこびてうけいたゞきつゝひらき見るに その状にいはくわれこのはるよりかんしつにおかされて やみふすこと五六ヶ月におよぐりかゝればほんぶく こゝろもとなしふたりの子どもはとしなほ わかしなんぢがあやまちかろきにあらねど わかしなんぢがあやまちかろきにあらねど 今ははたとせあまりをへたりよりて でいりをゆるすなりすみやかにはせ のぼりいきの内にたいめんぜよわが なきのちに子どもちがちからとならば ひとつのかうなりむかしのとがをつく のふにたらんゆめ〳〵ちさんすべからずと よみもをはらずきもつぶれて西の方 よりよろこびあり又ことさらなる うれひもあらんとうらや さんのいひしはこれなり かればゆうよしがたし とて見せをば小ものに かつてをばむすめおとめに るすをあづけてとるものも とりあへずくだんのひきやくに うちつれたちてかまくらをたびだち つゝしきりにみちをいそぎしかば 〽おやだんなの みこゝろをこめ させ給ひし ふでのあと見る つけきくにつけ 御ぞんめいの内 一今一トたびおめに かゝらぬせつ しやがざんねん おさつしなさ れてくだ さりませ 上ゟ つかひはたして 一わびもえならず わひもえならす はた吉が事 おさ井が長びやう 子にわかれ又女 ばうにおくれし ことのおもむきを つぐればみな〳〵 たんそくしてともに なげきぞりやま なげきぞいやまし 〽はじめて あへど をさない ときより けるかくてきぬ 七は浄ゑんが たんざくをいた だきさゝげて 十日あまりに京ちやくしてはひ屋のせごとより おとづるゝにそがまゝおくへよびいれたりかくて 浄ゑんがつまおのゑはさうりやう子けさ次郎廿一才 二なんふく三郎は十六才なるを右とひだりにはぐらして きぬ七にたいめんすそのときおのゑはなみだを うかめてたえてひさしききぬ七どのわがつまは 此日ごろおん身をまちかね給ひつくいりやうも一 つひにかなはずして世をさり給ひて 八日になりぬさればそのゆひげんに きぬ七がむすめ おとめとやらんは 心ばへよりきりやう さへかまくらいちと いふ事はみやこ までもふうぶんすかゝれば かのおとめとやらんをすみ やかによびのぼしてけさ次郎が よめにせよたとひきぬ七はなほ かまくらにありとてもけさすらが さうだんあひてはかれにましたる ものもなしこれらのよくをつげ しらせてよきにはからひ候へどてうた 〽いとをしいは内義の たんめいきのどく なるはむすこの事 きくもいぐるも なみだの いつしゆをなんのこし給ひぬこれをわが子の たね たのみのしるしにおん身におくれといはれたり そのよの事はかやう〳〵となみだのひまにときしめせば きぬ七おどろきうちなげきてとしごろきさんのよすがにと 思ふてためしちとのかねもうちつゞきしふしあはせに下 うつし原 うはさに きくしきぬ七 どのをぢ ともはこと 〽父のゆいげん 吟ずれば 〽たちかくり ふたゝび むすべ とり 事よろ しわづ たのみ ますぞや けふより ゆるす あふさかの □□□□ せき みそひと もじに かんきを ゆる その 子に といふ 福 〽ゑんろをいと はずかくまでに とりそろへたる みやげのしな〴〵 はゝさまこれもこの まゝに御れいぜんへ そなへませうか 十三 を こめき くりかへし つゝかんるいに むせぶばかりに うちなきて つぎへ したい申すはおそれあり いかで仰にそむかんやとて よろこびつ又なげきつ すぎこしかたをいひ いでてその夜の ふくるをしら 〽つゞきかくまでたかき御おんたく ざりけり かくてきぬては はひやの手だいらに たいめんしてつきの日 浄ゑんのはかまゐりなど するによろづむかしのしのばれてなみだ のみぞさきだちけるこれにつきても かまぐらにてつかみ九郎治がしよもうの おもむきまだへんとうをせざれども今 さらにうしろめだしはやくおとめを ともなふてふたゝび上京するこそ よけれと思ひにければすこしも つゝまずおのゑはさらなりけさすら にもかやう〳〵のわけあればまづかま くらへ立かへりておとめをたづさへまゐる べしとてとうりう七日ばかりにして 又だうちうをいそぎつゝかまくらへ立 かへりておとめにしか〳〵とつげしらせ 今こそつかみにえんだんのことわりを いはんと思ふてしつけんやしきへおも 〽わるもの 〽これはおれがに つ九郎 ちげへはなけ れどなかの れこがふそくした じやち〳〵せずと ふどころへ 入れんとして とりあげ 見れば これも きんらん あれど 〽わるもの しまへ には あらざり けり さては 今来候 をとこ ども 〽四も五もいらぬ へかごたゝかせずと しめるがちかみち がん太よねるな けさ〽スリやこなたしゆはかねてより たくんでいひかけする じやまでとり ちがへしはそつちの そらうしろぐらい おぼえはなけれど むきしに九郎治はしゆくしよにあらず にはかにしゆくんの御じやうを うけてきのふあふみへほつ そくせしとあからさゆに きみえしかばこれぞもつ けのさいはひなりしと心の うちによろこびてふたゝび たびのようゐをとゞのへ おとめをかごにうちのせて ○とかくするほどに浄ゑんが四千 九日になりにけりそのぼだいしよは ちかくもあらずけあげ村のほとり なる鷹峯院御ほうといふだん ぢやうなりきよりてはひやけさすらは はかまゐりせん為に供には小ものひと りをしたがへあさとくしゆくしよを たちいでておうほう院へまうでつゝ いだしてしぼりて風にあつるほどにむくつけなる男両三 してそらはれければけさすらはかたへにおきしはながみぶくろを内 みやこをさしていそぎけり そのひるすぎてかへるさににはかにむらさめ ふりそゝぎしをかさやどりせんいへもなければ しゆう〴〵いたくぬれながら両三町かけぬけてつじ だうへはしり入りまづはをりをぬぎかみいれをとり 人これもあめにぬれながらごや〳〵とはしり入てきる物をぬぐも ありはだおしぬぎてしぼるもあり只がや〳〵ともんちやくして あめのをやみをまちもせず又むら〳〵とはせさりけりしばらく うつしき ことをこのまぬ心 からさかてにしんぜる もちあはせそれでも ふそくを まだいふのか 〽まへきん ちやくに小つぶが 七ついつぽん あまりのにづ かひぜにで もの千二両の なかまあづかひ ひばかりとは がん太 ちごに 大どろ ※ あはてて とりかへたる ならん ます 気る とほくはゆかじ おつかけてこのわけ つげんといそがはしく つじだうを たちいでてつき □□□□□□□ つゞきゆくこといまだいくばくならず 見て小ごしをかゞめあはててそうを いたしたりはながみいれをかへてたべ といふにこなたもこゝろえていはるく ごとくそれがしがかみ入れとかはり たらんこれはそなたの物なる べしといひつゝいだせばひとり のわるものふところよりけさ 次郎がかみ入れをとり出して ちかごろもつてぶちやうほうなか あらためてうけとり給へとわたせば 又けさ次郎もかのかみ入れをわたし けりそのときくだんのわるものはわが かみいれのめを引てじりやねんの為 あらため見んといひつゝなかをかき さぐりてびつくりぎやうてんまな こを見はりこのかみいれへ入れおきし かねはまさしく十五両今あるかねは はづかに三両十二両ものされたり じんぴんににぬわかい人その手じや ゆかぬだしやつしやれといへばみな〳〵 くち〴〵にださつしやれでは手ぬるい〳〵 あまいすでゆくやらうじやないださずは 身ぐるみふんばいでたゝんでしまへと ぼうじやくぶじんいひわけきかぬ づゝもたせもがりのたくみぞ おそろしきけさ次郎は とつてかへすわるものらはけさきらを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つきてつか見さるには 〽おやくめごくらうそれ がくもちとわけありてむす めをともなひ上京せりたて この人はせつしやがしゆう すぢたえて うろんのもの には あらず ゆるさせ 給へともを すりてわぶれば よりてわふれば 九郎治とゑをいら だてちかごろこの あふみぢにわろ ものどもはいくわい しよにんめしてしよにんや なんぎにおよ 〽おもひがけない ぶよしかま くらへきこえし わかだんなわりや 何ごとでござります イヤまうしつかみさま とちうながらせつ しやがおねがび しばらくおひかえ くださりませ かば北でうどのゝ 御ないゐをうけ 給はりそれがし ひそかにはせ のぼりてせん さゝをとぐる くちをしくおもへども あひてにならずこしきん ちやくにもちあはせし 小つぶのこらずとり いだしてわぶるほど なほきかばこそなほ なほきかばこそなき がや〳〵とのゝしる 折からくみ子引 つれ此みちすぢへ 来るゝるものはべつじん ならずすなはちいかみ 九郎治也くせもの ならんと見てければ あれいましめよといふ ほどにわるものらはおど ろきてもつたるかみ入れ とりおとしつゝひらひも あへずくものこを ちらすがごとくにげ うせたりくみ子はあはひ とほくしておひつきがたしと 思ふになんあとにのこりしけさ 次郎しゆう〴〵をとりこめていひわけ きかぬさんずんなはたか手に小手をぞ けた随分がいましめられしはなにごとぞとおどろき うつしま いましめけるかゝるところにきぬ七はおとめをかごに うちのせてみやみへいそぐろぢのほど見ればむざんや ほどにその どうるいは にげうせたれ どもこのもの 二人をいけどり たり見よ〳〵 こやつはかみ入れを あらばしゆくまで 九〽あぢな 二つみつしよぢ したりこれ ところで なつおりや とがにんひる せるやくめが 大せついふこと きやれさ ぬす人のせう こ也しかのみ ならずかみ入 の内にどう みやくにばん ありせかこの しま〴〵けん ぜんさいが ぜんたれば ゆるすべき ものにあらず 〽めんぼくないきぬ七どの くらからぬ身にふりよの さいなんよきにごとばを そへてくだ うちのせてみやこへいそぐろぢのほど見ればむざんや ながらたちよればこのとりての大せうはいかみ九郎治なりければ黒 され とく引たてよと げぢしつゝ大津の かたへおもむき けり 〇きぬ七ます〳〵 おどろきうれひて 今来しみちへ引て ゆくつかみがあとに したがひつゝつぎへ 分金 ゑほさま〴〵にわびにければ 九郎治かうべをうちふりて このとが人をとにかくにかばふ なんぢもうろん也何ゆゑ むすめをともなふて上 京をするやらんととはれて 今はつゝむによしなくかやう〳〵 とこんえんのおもむきを つぐるにぞ九郎治たちます せきたちてさてはなんぢは だしぬけにおとめをはひ屋へ よめらするとなゆみや八まん かんにんならずわれはつと これ先やく也ことわりも たてずしてえんぢよを へんがへよそへおくらば これをひだうと いはざらんや あすとも のぐす此所にて むすめをわれに おくりなばなん ぢはさらなり けさ次郎をも かへさんいなといへば なんぢおや子も引 くゝつてうきめを おんびんにはなち 廿四日 つゞき大津のしゆくにおもむきて 〽ちかごろまで かまくらで たび〳〵よびに やつたれど 上京 したの すのこんにやく四 のとまちぼうけを 池〽ごづめには此いけ内にげても にがさぬサア〳〵 どうだ 辛 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いりかたできけ きゝばか きゝば かんにん ならぬ へいとう しだいで まつぶたつ だんなの かたろは よござれ 〽見せん いかに〳〵とつめへ よすればしゆうい ゐをかるわたう から平しもべ 〽御りつ 御りつ ふくはさる から ことながら それにはいろ〳〵 わけあること せかずに おきて なされ ませ いけ内左右 よりおつとり こめてぞ ひしめき ける 英泉画 させをつたな だうたゝぬ そのえんだんを へんがへされては武 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 馬琴作 かくごしろ 馬琴作壬午発販 10324 第五号荒児ノ関脳会を 以テ購入セル竹蘭博士 かゞ見が池中場 英泉画錦木林堂板 黒川金治郎 第 三十一番 材木 中ノ郷竹町 本所 三篇 百二事十種 壬午孟 曲亭馬琴作 春發兌 分金 かゞ見が池下編 味 渓斎英泉画伯楽第一坊 戌 四 分金 ちかきころ世をさり給ひしおやだんなまでのはぢ なりそのゆいごんにそむくににたれど此やく なんにはかえがたししよせんおとめをつかみに おくりてひとまづ無事にすまさんにはと たちまちにしあんして九郎治をおししづめ おんいきどほりはさることなれどもそれがし おんいきどほりはさることなれどもそれがし むすめをまゐらせんとてかたくやくそくしたるに あらずたゞしはだんのことわりを申入れんと思ひし かどおん身たびだち給ひぬと聞えし ゆゑにもだしたりしかれどもかく までにうちみ給へばよん所なし とちはれ人をゆるし給はゞそく 座におとめをまゐらせんいつはり ならぬむすめを人じちかくても なつとくし給はずやとわびつ やわらげてそのおもむきにさうゐなくは あのとがにんははなちかへさんとく〳〵おとめを えさせよといふにきぬ七ぜひなくもおとめに かくとさゝやけばこはそもいかにとばかりそがまく かごにふししづみてむせかへりつゝよくとなくを なぐさむるいとまもなくけさ次郎をうけとりて なげきつかきくどけば九郎治おもてを みやこをさしてともなひけり どのゝなはめは元とけやすたとへむじつのとがなりともかまへみへ引もそ ゆかれてひとやにつながれ給ひなばはゝごのなげきはいかならんかづ 〽つかもん 九郎治 かくとさゝやげばこはそもいかにとばかりそがまゝおとめを かごにふししづみてむせかへりのゝよゝとなくをくどく此所の ひけり 九 おとめを くどく此所の わけつぎの だんに見え 心のうちに思ふやう今にせつにかたりてつかみがのぞみをかなへずはけさすら きぬ七はまでにはやのべ引ならずしかさなるなんぎにいかにともせんかたなく いや いつそ しに たい しに たい はいなァ おれがによう ばうじやぞおぼ 〽ゑにも かなしい ことはない けふから こなところが なぼせう くわん はやく やむことをえず九郎治がとちのゐをかる しよもうにまかせておとめをおくり あたへしことはけさ次郎にすらいまだつけず ひとり心にうちなげけばけさ次郎が母ひ おのゑ第ふく三郎もろともはしちかく たちつくしてかほ見てやうやくおちつきし むねなでおろしてきぬ七もろともやがて おくにぞともなひけるそのときけさ 次郎ははかまゐりのかへるさにわるもの らにいひかけせられてほとんどなん 義におよびし折かやう〳〵のことに よりそのわるものらはにげうせて うたがはれたる身はおめ〳〵とからめ とられて大津へひかれきぬ七にすく はれたるはじめをはりをつげにければ おのゑはさらなりふく三郎も あるひはおそれあるひはよろこび もしそのをりにきぬ七がとほり かゝりてすくはずはいともあやふき ことなりしとてそのはたがきを さるほどにけさ次郎がふりよのやくなんしる人ありてつげ たりけんはひやの家内おどろきさわぎてをとな手だいら おひ〳〵に大津のかたへはしりゆきしが三でうの橋づめ にて思ひがけなくきぬせがけさ次郎しゆう〴〵を おくりつゝことはや無事にすみしと聞てみな よろこぶことかぎりなししがれどもきぬ七は 海 しぬのじや いや〳〵 はな さぬ たん気じや何で 〽としがひもないそりや 十一 まかせし事 おとめにさへや うらみられん わかれてこゝへ 来つるをり たちながら しか〴〵とつげ しらせしより うちなきて とほうにくれし おとめがこゝろね おもひやられて わが子にさへ めんぼく 〽かうなる ことも わが 身の ふせう まかせぬ ものは うき世 なくも ふびんに こそといふに おどろく おや子の 人〴〵けさ 次郎はこと さらに今 はゞめて しるいもせの 山ぐえきぬ七 おとめが忠 しんせつ せうしつゝ下にもおかずもてなせどもきぬ七 よろこぶけしきなくかくごの一トこしとり あげてじがいと見えしていたらくに こは何事ぞと母とぢはらからこぶしに すがりてとゞむるにぞきぬ七うかべるなみ だをはらひてすぎさり給ひしおやだん なへ申わけなきことあればしなんとかくご □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きはめたる心のうちのくるしさをつぐるも おもなきことながら一トくだり申上ん そも〳〵このたびかまくらより わるものついほの御じやうを うけてあふみぢまでのぼりしものは かねておとめをめとらんとてそれ がしになさけをかけてしつけん やしきのでいりにしたるかのつかみ 九郎治也しかるにつかみはそのえん だんのとゝのはぬをいきどほり只今 おとめを得させずはこのとがにんをかま くらへ引もてゆかんとけんゐにまかして よはみにたゝる無理しよもういなといへば わかだんなのなはめはとけぬ大やくなんむす めひとりにかえがたしと思ひにければおやだん なの御ゆいごんをほぐにしてつひにおとめと引 かへにわかだんなをすくひまゐらせ無事におも やへともなふても又ことたらぬ心のなげき山より たかきおしゆうの大おん思へばむすめはをじむに たらねど御ゆいごんにそむきつゝつか見がしよもゝ 崎 〽おとめを よめにと おとめを得させずはこのとがにんをかまゆいごんも くらへ引もてゆかんとけんゐにまかしてえんをかさねて ばぬいもとせにて なればとてけさ 次郎がことおもは き けさ次郎がうしろ見を たのまん為かみのむす たのまん為かみのむす かういふしぎに ずやちかちに ないかいのふ なる気は 前にはぢて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 万にはぢて かうべをもた げえず母は なほさらかん るいをぬぐひも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あへずふく 三郎ともろ ともにこと ばをつくして やうやく じがいを じがいを おや だんなの おゐはいへ 申わけ なきせつ おふく ろさま ふく三さま めんぼく なさの じめつの かくご はからひ とめずに ころして くださりませ とゞめ けり はなし ふたつ わかる さる 程に つかみ 九郎 治八 をかせる つみは たえて なき つぎへ つゞく うつしかは こびてりよしゆくなれどもしう げんのさかづきをいそがんとて そのよおとめをふしどへまね きてまくらをならべんとし いれどもおとめはいかでか したがふべきあまりにうる さくしひられて死なんと することたび〳〵なれば 九郎治もせんかたなく いとたへがたきよくをとゞ めてつく〴〵と思ふやうわれ 大せつなるやく義によつて はる〴〵この地へくだりしにわる ものらをばひとりもとらへず とはらの内にしあんじてわかたう橋かみから平としもば いけ内をまねきちかづけ今よりなんぢう両人には おとめが供を申つくるわがしゆつたつののち一チ日 おくれてわがつまをかごにのせしゆごして つゞきけさ次郎をいかめしげにからめとり たるのみならずけんゐをもつてきぬ七が むすめおとめをむりしよもうしてすでに のぞみをとげしかば心しきりによろ かへつてをなごをともなひしとかまくらへ □□□ きこえなば身のとがをのがれがたしとくかま倉へ 立かへりてよごと〳〵におとめをくどかばきむすめ なりともなさけに引れてしたがはん事うたがひなし より▼ひと日ふつかとゆくほどにいけ田のしゆくまで 来にけれどおとめはかごになかぬ日もなくやゝもす ればはしり出てみちのほとりの川水へ身をなげん としてければ両人ほと〳〵もてあましてなみほの もとにかごをたてさせそこよりすこし しりぞきてしばらく 〽まんざらでは あるめへがの ないだんする □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ものからさす がにおと めをなぐ さむるよき ちゑとては いでやらず さりとて すて ゆかれも せず いかに すべきこ ひたひをあはして さゝやきだんずるうしろの 〽なる かたにとつくときゝとるづく 引づ九郎さきにけあげの おもしれへ したがあと ほとりにてもがりの ばらはやめまいかの ウ〳〵〳〵おもしれへ そんなちおやかた たくみをしそんじて はやくもあとを くらましいゝ あとよりくだれかしこは大せつなり やくめ也よくせよかしといひつけ おきてその身はくみ子をしたがへ つゝかまくらをさしてかへりけり かくてから平 いけ内はいは れしごとくその ・つぎの日におと めをかごにたすけ のせて 七十四丁 〽人 あきびと 木がくれて あひづをまつ うつしゑ たのみます このところへ のがれ来て よき とり 池〽そつちが すんだうおれ にもきかせろ みゝがかゆくて こてへられねへ がなと うかがふ ほどに今 から平といけ 内がさうだんを 立きゝてその ちゑかさうと 立出れば両人 うち見て大きに おどろきさいふ なんぢは何ものぞ ととへばにつこと うちゑみておれは おれだがこなさん たちさりとては いたらぬ〳〵今きく ところがしゆじ よりあづかりものゝ あのむすめしにた がるのをうら〳〵と みちでころさば その身のつみとが 一つぎへ 十八 〽つぎいかにしてかのがるべきあぶない 奉公しおほせてもたけのしれ たる二合半それよりいつそ一ト いかみにこれかう〳〵とさゝやけば よくにひかるくさすがは下らう きくよりひとしくうなづきて スリヤあの 女をうり こかしてその 身のしろを すはまにわけどりこより すぐにかげをかくせば一トもと でにありつくさうだん 川どくをくらはゞさら 川までと軍師のけい りやくおもしろし 一はきばはあるかと たづぬればづけら なで ひげをかき ▼そこらにちつ ともぬかりはなし いけ田はきこゆるいろさと なればあちこちより人あき 人の入りこむこともたえま なしむかふへ来るはたしかに 人かひ折こそよけれとまねき よせてさゝやけばのみこみて はるかあなたにかきおろしたる かごをのぞきて大きによろこび 手をにぎりつゝ身のしろの相場を おしあふそれしやのこんたん金百両に 手をうちておやはんはから平いけ内 加はんはづ九郎がんくびへすみをぬり たるさそくのうけはんせうもんすでにか おとめがかごをかごをかきおこさせ いそがしたててはせさりけり そのときから平しすましがほに われはもとよりおもやくにて 二こしをさすとくあれば五十 両はわれとるべし四十両は いけ内とれさし引のこつて 十両はこのわかものゝはん せんにふそくはあるまい はいぶんせんそのかね わたしやと手をいだ せばづ九郎いち 花におよばずして いはるゝおもむきいひ ぶんなししからば かねをうげとり給へといひつく まちかく立よりてゆだんを見 〽此所はげ しきたち まはりなれば ばた〳〵の すますふてきのはたらきから 平がわきざしのつかをにぎ りてひらりとぬきとり あびせかけたる一トたちに から平はかたさきをばらり ずんどきりさげられて うんとばかりにたふれたり いけ内これにおどろき つけびやうし のみにてごとば がきなし たゞしうち いかりてわきざしひきぬき きつてかゝればこゝろえ たりとわたりあふその ひまにから平はむつく がれのむしの とおきてかたなを こゑやぶをへだてたる さうばのかねのおとなごと よろしくあつらへのあひかた ありと 見るべし とゝのへば人あきびとは づ九郎に身のしろきんを わたしつくやすらひゐたる くもすけにこゝろをえさせつ さかてをとらせて口下の右へし うちふりさゆう よりうつきつ さきをづ九郎は ものともせず うけながく つけいりて又 かち平をきり かへす かたなにいけ 内が小びんを はたと切つくれば かなひがたしと思ひ けんやいばを引て にげはしるを よきほどにおひ すててとつて かへしてから平が とゞめをさすが 舟さはがぬくせ もの 十一 つらつきゆう〳〵といづく ともなくうせにけり つゞきくだんのかねをふところへをさめた ○よくはその身のかたき なるかなづ九郎に はかられてから いけ内はうすてを おひつゝやう やくにおち 平は命をうしなひ のびたれども おとめが身の しろのひとつゝみは づ九郎にうばひとられて今さらに せんかたなければいかにせまじと 思ひわびつゝわづかにちとのむな だくみしていたみをしのびからく してかまくらへ立見りしゆうの つかみをあざむきていびける やうそれがしはから平もろとも おとめどのをかごにのせていけ 田のまつばみをよぎる折あま たのくせものまちぶせしてぬき つれてうつてかゝりぬ思ひがけなき ことなれども両人さはがずちからを あはせてしばらくふせきたゝ たゝかいしが多せいにぶせい 「 つひにかなはずから平はあへなく うたれてそれがしは御らんの ごとくふかでをおひしことなれば むねんながらおとめとのをうばひ とられ候ひき思ふにかのくせものは きぬ七にかたらはれておとめ どのをかたのごとくとりかへせしに うたがひなしこれらの よしをつげ申さんとて いたでをいとはず 夜を日につぎてはら りかへり候とまことしやかに つげにければ九郎治いたく おどろきいかりてそはなん ぢがすいりやうにちがひなく きぬ七がわざなるべし しやついかにしてはちを いんあらくちをしやとし まなこを見はり歯を くひしばりて いきまきけり ○こゝに又きぬそはおのゑ ふく三郎ちにいさめられて こゝろならずもじがいをとゞまり おとめが事もこゝろにかゝれば又かま くちへたちかへりてむすめにとくと なつとくさせふたゝび上京▼ うつしき 九〽すりやなんといふ 一から平はあへなく うたれておとめを うばひとうれしとな やつざきにしても あきたらぬあの きぬ七めをどふして くれぶ思へば〳〵 むねんなはやい 池 〽なんでも 〽なんでも てつきり きぬ七 めが わざに ▼いたさんとてさらにみや こをたちいでもいけ田の しゆくにとまりし夜 さと人のふうぶんを もれきゝしにちかごろ をなごをかどはかして 人をころせしくせもの ありそのことのてい たらくかどはかされし くだんのをなごはむす めおとめがもやうに にたれば心におどろき あやしみつゝよそ ながらたづぬれば ちげへは ござりませぬ 思ひあはすること おほかりさては おとめは九郎治に したがはぬゆゑうち れしならんふうぶん なれどもきゝすてがたし ひそかにみやこへつげん しとこその衣直状を かきしたゝめてしゆくの ひきやくにあつらへつゝ わが身はつぎの日こへたち ていよくだうちうせいそ ●ぎしほどにはやくもかま くらへかへりつきけりことのやう すをさぐらん為にそがまくつか 見がしゆくしよへとておも むきしに折ふししもべいけ内も すこしいぜんにかへり来ておとめ がことのおもむきをまことそら ごととりまぜてつぐるをはからず たちきゝてだうちうにての ふうぶんにおもひあはせて 次へ さてはおとめがうち さてはおうふうぶん れしふうぶん 思ひあはする おくのみつ だんコリや此 まゝには おかれぬ〳〵 ごきゐこんにたえずしはぶきしつゝ内に入れば 九郎治はるかにきつと見てヤアまちかねたり わうだうものなんぢらおやうなづき あふてしんじつおとめをおくりしなら ねばおとめは心にしたがはず 〽いつはりものめ めひしつたる あまさへ人をかたらひていけ 田のほとりにまちぶせさせ わがわかたうをきりころ させてこれなるしもぐに 手をおはせ給 おとめをうばひかへせし事 せうにんあればあらはれたり かくごをせよとつめよすれば きぬ七はちつともさわがず いなの給ふなつか見どのおん 身が心にしたがはぬおとめをにくさに家来にいひつけ うたてやあそびにうらせし折なかまわれしてわか たうのから平はうたれしならんそのことはだうちうにて ふうぶんとり〴〵かくれなし今又こゝに来かゝりてはからずも きくおとめがうはさこれかれいよ〳〵ふがふせり人のむすめを むりしよもう又もやそのゐにまかせぬとてうりしろ なして身のしろをむさぼりしいぬざむらひ此おもむきをあ うつたへてあかさくらさをたつべきぞといひすてていでんとふら すれば九郎治ます〳〵大きにいかりてやりもすべさずぬき打し きゝこむしよたち二の太刀はいけ内がかけふさがりてしゆう〴〵 ひだりのめつたうちきぬ七はあふぎずろてなほしばらくはいら 五 かやう〳〵とわがよきやうにいつはり かざりてやかてうつたへまうすにぞ なくきぬ七が家ざいざう夕みはのこらず がれあふみにてしか〴〵の よこしまをおこなひつゝ かへつてきぬ七をころせし おもむきたれいふとはなく 聞えしかはさだ時これを もれ聞給ひていきどほり 大かたならずしかれども 今さらにその事を まのつゞきしさてもつか見九郎治は れぬ七をきりころしてしゆくんへ うつたへまうすやう出入のちやうにん なつおりやきぬ七事ふじつの おこなひあるによりいさゝか ゐけんをくはえしにかへつてやしんを さしはさみくわごんにおよぶのみ ならずこぶしをあげてそれがしを うちたふさんとせしによりやむことを えずうちはたせりそのおもむきは くちなし九郎治がかんきよくを しるものたえてなしといへども てんのせめはのがれがたけん たちまちにらう〳〵の 身となりてしもべいけ内 してたちのきけり 小路なるはひ屋にては いぬるころきぬ七がいけ田の しゆくよりおくりたる書状を 見ておのゑはさらなりけさきら せんさくせば ふく三郎もおどろきうれひて そりやくににたればとて おとめがゆくゑいかに〳〵と それとはなしにかでうを おほせてつか見かしよりやうをそのときけさすときけさけさ めしはなち身のいとまを▼おとめは父のむすばせ給ひしつき 町人のかなしさはつか見に何のたりも もつしゆせられけりことわざにいふ死人に さま〴〵にひやうじやうす ものはりけれは九郎治は のみを引つれすご〳〵と ○こゝに又みやこちゑの かゝみか也 そのときけさすらがいふやう おとめは父のむすばせ給ひしつぎへ 〽もつひに ふかでに よはり はてて 九郎 浪に うたれ けり あはれ はかなき さいご なり みち 〽ひだうのやい ばに命を □□□□□□□□ おとす うちみはつきめ 〽ゑちごはにひがた いづもさきえちぜんの みくにまでたづねめぐつて あれよりのぼらんゑちご 一には親之といふたのもしい 人ありときくはいかいが すきじやげなそれを たよらはきつかひない 一母様のくらうに ながらたのむぞや なされぬやうに太蔵 〽こゝろえましたさり ながらひとりたびは させませぬせつしやが かさねてくだる まで こゝに とう りう なされ ませ せいては ことを しそんじ ます そへ 〽おほかみ との そりや やるぞ はら はい に たの ます 〽先生 二ひき でも こいつを くふたら だんべい みれんな くりこと くはれて しまへさ つきいもせの えにしは ありながらわが やくなんをすくはん やくなんをすくはん 為につか見とやらんに めあはせられそのつまと なかてをらばぜひもなし ところ〳〵を しかるにかれはみさを おちもなくたづねに しかるにかれはみさを はみさをゝおちもなくたづねに たててつか見がころに したがはできみけいせいに うられしがもしやまことで あるならばいともふびんの こと也かし今そのゆくへをたづねあふへきよすがもなければ たづねもとめてつとめのまづかまくらへいそぎつゝなつおりやへ くげんをすくはずはわれはおもむくに見せはいつしかあきやに くげんをすくはずはわれは 義もなくおんにそむくなりぬ心にふかくあやしみてあたりの 義もなくおんにそむく にんひにんにてありぬべし まづかまくらへおもむきて きぬ七にとひかんがへ ついほうせられしと聞え じきによらは津々うら〳〵 ながれのさとをうちめぐりて たづねばやと思ふ也それがしには しばしがほど身のいとまを 給はりてよといふにおのゑも ことわりなれはやがてそのゐに まかせけりかくてけさ次郎は 第ふく三郎に母のことをゆだねつ おきてなどしてにはかにたびの よそほひをとゝのへもとより しのびの道中なればいた市といふ 手代のみ只一人をくしたりける かのいた市はそのはじめいた書と いひし小ものにてことしは三十余才 なるへしその心すなほにてまことある たつねあはんと思ひさだめて りよしゆくをもとめさて ことのおもむきを母と第に 渡世の事はおも手代らにしか〴〵と けれどいぬるころかごの したがはできみゝけいせいにひまよりわづかにそれ かと見たりしのみおとめが あるならばいともふびんのおもかけはよくも見しらず たづねあふへきよすがもなければ まづかまくらへいそぎつゝなつおりやへ おもむくに見せはいつしかあきやに なりぬ心にふかくあやしみてあたりの 人にたづぬれはきぬ七は九郎治に うたれ九郎治はかまくらを しかばいたくおどろきうち なげきていよ〳〵おとめに つげんとてくばしくふみに かきしたゝめていた市を みやこへつかはし大いそ小いそ けはひさかゆうしよ〳〵を たづねてもそれかとおもふ よすがなげればいた市がかへるを またでひとりかまくらを立さりつゝ 甲斐の府中へうち入りて上野より 越後なるにひがたをこゝろざして おぼつかなくもへんれきす こゝろのうちぞあはれなる ものなれはえらみとられて供にたちは 時しも十月のすゑつかた さる程にけさすらは東海道をくだりつ いけ田はし本のさとなこどあそびのつ 北国のならひとてつざへし みくにとほげにさしのぼれば ○み也 け 〽はぎ した おほかみの ゑじきに するとは あまりに ひどう とてものが れぬ うんめい みやこの いやはれて をしめご かひなき この山の ゆきより さきへ きえてゆく ぜひも なき はその □□□□□□□ おもはずその日もくれにければ 心はつかれ身はこゞえてと見れば 山のふところに大きなる ほらありけりこよひを御 こゝにあかさんとて みのかさぬきてすゝ 入るにほらの内は いとひろくてかり人 いとひろくてかり人を などのわざなるにや しらゆきふかき山路にはやどりを しらゆきふかき山路にはやどりを もとむるいへもなき見かへるあとも ゆくさきも只しろたへにふりおく雪に たきさしたる うづみ火あるをかき おこして手あしを あたゝめなどするに 心ほそさはいやまして かなしきことはかぎりなし けにことわりぞかしとみたり いへの子とうまれてあらき 風にもあてられざりしに みちつれもなきはつたびの かゝるなんぎにあふことも 義の為おんの為なれば 天とうまことをあはれみて おとめがゆくへをしらしめ 給へとかみほとけをねんじつゝ まどろみもせであくるを まつに夜ははやいたく ふけぬらんと思ふころ ふけぬらんと思ふころ あやしげなるをとこ三四人 此命ゟ一手をとり 足をつりあげてほらの そとへおしいだせばおほ かみはけさ次郎をうしろの かたへかいやりていよ〳〵ほらの くちにぢかづきうなること はじめよります〳〵はけし けれはかのものどもはいつふに たがひていよ〳〵おそれそよびつゝ ぼうぜんたる折こそあれほらは たちよぢゆらめきてくづれかうし がんぜきのおしにうたるゝいんくわてきめん みなにくやぶれほねくだけてひとりも おほみにおはれたりと おぼしくてあはてふためき どや〳〵とほらの内にはしり入る ほどもあらせず二ひきのおほかみつゝがなけれどもいふく そのさま小うしのごとくなるが ほらのくちより内を見入れてさらにせんかたなくとほうに うなるこゑ山びこにひぎわたりてくれてぞたつたりける すさまじなんどいふべくもされはくだんのものどもは あらざればかのものどもはいぬるころけあけのほと いよ〳〵おそれてなほおくりにてけさすらを ふかく入らんとしつゝ けさ次郎をきつとづ九郎かなるまのわるもの 見てさゝやきて日ばかりがん太へまむしへつ八 だんするやうなんどよばれたるのぶせりなり さいはひにこのされば又北こくすぢをかせ たび人ありかやつをがんとて そとへおしいたしと おほかみにくはせ なばあきたりて かならずさらん しかればこれ われ〳〵はつゝが なきのみならで しやつがろようをは 身ぐるみゑてやる これにましたる あはせてけさ次郎を とつておさへてうむを ふんべつなしとしめし いはせず手ばやくいふくを はぎとりてわびてもきかずさけべ どもたすくるものゝあらばこそ 〽なるまのものはこなみぢん おそくもどりしわがみのさいはひ こりやとゝらにはゐられぬはへ おほみにおはれたりとのこらず死んでけりなほあやしきは二ひきの おほかみこはぜんときえうせて 〽かくごきはめし身は つゝがなくふし義の 山ぐえおんでき たいぢ日ころ ねんする神仏の かごか利やくか ありがたやなア ◑上ゟ つ九郎にしたがひつゝ みくにとほげの ほうの内をやどゝしつ たび人をおひおとさん とてかへつておほかみに おひせまられ思ひがけ なくほらくえてのこ らず命をおとしたり そが中につ九郎はこの むれにあらずして そのあけかたに なかまのものゝ 大きにおどろき しあはせわろしと 思ひけんそこには すまずしばらくは いづくにありとも しれざりけり 死したるを見て むみやうけとやら みんなが どうした そでごひを するの ことではおつせぬかへ 〽とかくうき 世はなをころび わが身のうへに 思ひくらべて 人はないかいなァ きけばきゝほど むごらしいひぎあげる よみはじめ さるほどに 一けさ次郎は とほげの きなんを のがれて かひも なか〳〵に いふく ろようを うしなひ ては雪を までしりぞきて おかして にひがたへ おもむかん よすがもなし まづ上しう ともかくも すべけれとて ならでおやはらからのこよなき はぢ也うんめいのつゞまるところ たどる〳〵も 引かへせしがじゆ ばんひとつでさむ そらにいつくへか ゆかるべきさればとて はるぐとみやこへ ふみのたよりして むかひをうけんはわれのみ いかにともせんかたなし身をなげ いたましくおとめにもあはずして このまゝしなんはあまりに ほゐなし死するにおそき ことかはとこゝろざしをはげ ましつゝむらざとのかどに たちゆきゝの人の ばやと思ひしかど母のなげきも 印ゟ あらじとて あはれむ人も こつじきには そでごひして むさしの江戸まで 来たりしがちやうどの つかれにあしなえ いたみてかまくら までもゆきがたければ にほんつゝみの 土手下にあやしき わらやをむすびつゝ こいつじきしてぞ 一日をおくる あはれといふも おろかなり ○むざんやな けさ次郎は かくまでおちぶれ 有とくの人の子とて 何となくなみ〳〵ならず 見えしかばこれはまさしく うまれながら□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ひとゝせあまりおくる程に ある日うたゝねのゆめに わが身にはかによそほひ かざりてよしはらへおもむき はてしかどさすが くるはにきこえつゝ つゝはからずもきぬ七が むすめのおとめに そのたちふるまひ いやしからずしなかたちこそ やつれたれをとこぶりも すゝなからねど とふにその名を つげざれば所の ものはかりそめに 無名次とぞよびなし けるこれにより そのうはさちかき 見る人きく人おし なべてあはれと思はぬ 人もなしされば又けさ 次郎は思はずもこの所に めぐりあひしと まざくと見て けるがそれ けるがそれしの よりしてかつけの やまひいつとなく いえにけりこは 見えしかばこれはまさしくいえにけりこ いひねのつぎへし かゝしか哉 くるわにあるかと思へども今このざまに なりはててかのさとへゆくべくもあらず よしやいゆきてめぐりあふとも なのりあはんはいとはづかし いかにすべきと思ひかねつゝ うつら〳〵と日をおくりぬ ゆめながらもしやおとめはほどちかき はなしふたつにわかる こえ又きぬ七が むすめのおとめは よしなき人に思はれて むすびかけたるけさ あだとなりうちも かさなるふしあは 世にてかのから平と いけ内と又つ九郎に はかられてかの 手にわたりこの手に わたされつびに 一その身はよしあしの ながれのさとに名も たかきかりかね屋へに よびかへられつきだしの その日よりぜんせい たぐひなけれども 一心にちかひくよし あれば野ゑき ばかりをつとむるのみ きやくにまくらを まかせねどもその まかせねどもその 次郎といもせのえにし うられ来て名さへうねめと はりあるを聞つたへてわがいろに せんまぶにならんとすいにたふるゝ うぬぼれのきやくにたえまはなかりけり さるほどにつか見九郎給はその身の悪事 あらはれてかまくらをおはれしかども としごろむさぼりたくはへたるかねにことかく ものならねばいけ内を引つれていぬる としよりあさくさのさとにらうたくを かまなくへる かまへつゝあるよふとよしはらへ おもむきてうねめが道中 するを見るにこはまがふ べくもあらぬおとめにて ありければあるひはいかり あるひはよろこび それよりしきりにかよふと いへどもうねめはいかでか なびくべきしれともしらぬ おもゝちして坐しきだによくは づとめずいけ内は又おのれがたつみゆん あらはることもあらんかとてはじめの たびはおどろきしがうねめがなびかぬ けしきを見てかれがくちよりいふことあらじと 思ひかへしておめ〳〵とよことに供をするほどにたれか はからんわるものゝかのづく引つ九郎もちかきころ 江戸に来てうねめがことをつたへ聞けん大小里つぱに いふくをかざりてこれも武土のらうにんめかせし じんびんこつがらいかめしくうねめにあはんとかよひに けれどもあげつめのきやくありとて坐しきだにも つとめねばづ九郎いよ〳〵あこがれて身うけをせんと つとめねはつ九郎いよくあこかれて身うけをせんと 義するになん九郎治これをつたへ聞てしからはわれはや うけいださんとてたがひにせりあふゐこんのほむらづたらとし 九郎治とはからずちや屋にいであふていづれもひかぬ次へし 〽イヤ〳〵うねめは われらがせんきやく こよひのうちに かねをわたして うけだして 見せ まうさふ おんでも ない なにを こしやくな ないこと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□ 〽マアまた しやんせ おふたりさん わがみを それほと 思ふての あらそひ ならば きこへぬぞへ □□□ とても まかせぬものは 心のまこと いづれのみちにも 身うけのさうだん いやでござんす おふたりながう マアさう思ふて くださんせい なァ 〽小むねのわるいせん きやくよばうみごと われらと はりあふ 菊かフ 池 〽いひたい ことは やまた やま〳〵 なれど いふに いはれぬ このばの しぎ はらが はらが たつはず からひ うねめはそこへたち入りてさすが それしやのしなよくもさうほうを あつかひてそのよを無事にすましけり この時にしもいけ内はづれらを見なりて あれはかつおどろきかついかりていけ田の しゆくのおもむきをいはんとすれど さでは又わが身ものがれぬつみあれば むねんをしのびていろにもいださず そしらぬさまにもてなせはづ九郎は いけ内をしりめにかけてちつとも さわがずあざわらひてぞわかれける ◯さるほどにうねめはせりあふふたりの きやくの身うけのさたにきもつぶれて いかにすべきとなげきしがきつと 思ひつたとありて此月ごろ へだてなくちからにもなり ならるゝばんとうしん ぞうなるあさかにのみ しか〴〵とさゝやくにぞ あさかはその義に したがふてちや屋の おとこにまひなひつゝ 土手下にをるこつじきのむめう治を かたらはせゆあみさせかみゆはせて いふくはさらなりわきざしまでみにくか よそほひかざらせこれぞうねめをあげづめの きやくじんなりといはせつゝちや屋のをとこを さきにたゝせてうねめがざしきへともなひける このときにこそけさすらはいぬる日見たりし うたねのゆめはまさゆめなりけるかと かひろんのはやこはだかにいひつのりとうちはた さんとする折からちや屋かしらせに折もよく 〽でませい イヤでませい も 〽アレサそんなに いひなんすな 一つい思ひあはせてたのもしく 又おぼつかなくはづかしく うひ〳〵しさにとゞろくむねの われをあやしむばかりなり 〽まうし〳〵わたくしめは ひにんかたきうちでは ござりませぬためし ものゝ御用でも たしなみの あふひ下さか ふだつ どう などゝいふ きれ ものは たえて なし おゆるし なさ くだ ざり ませ おと〳〵しいすよきのどく らしいのう 十八 なりぬ。そのときうねめは。まちかくゐよりて。けさ 次郎にうちむかひごとのもとをまだつげねばざぞ いぶしく思はれけんそも〳〵そなたをきやくに してひぞかつまねき入れさせし。これには ふかきいはれあり。うき川竹のせにたて ども。あだしきやくにはあふまいと。心に ちかひしことあれば。ひくてあまたの身を はりつよく。つきだしのその夜より。座 しきばかりでこよひまでのがれてくらす とこの山あふみにあらぬむさし野の。 ぐさばのつゆときゆるともいひな づけせしをとこの為にみさをを たつる。ひとつの手だて。こつじきを まぶにして。引いれたりごと人にしら せてねびきのきやくにうとまれん おやかたにもいみきらはれてくる わをおはるゝものならばはぢはかく ごのうき世をすてて。あまになり たいこの身のねがひ。といふはのがれぬ身うけの まちかね給はんとく〳〵といざなひたてやがで座しきへともなひ つゝさかづきをすゝめたるそのもそなしは大じんのゆうきように ことならずかくて座しきはをさまりてあたりに人のをらず きやくひとりならずくふたりまでにかねであかせしかひろんは かねがかたきのわがなげきなまじい人にうけだされてはたとひこの 身をまかせずとも。みさををたつるかひもなし。せんかたつきて見も しらぬ。そなたをたのむも。せつなしわざぞきうくつであろけれど。 けさきらはかくまでに思ひかけなきもそなしのあるべきとともおほえねば心はさらに 女すらずそも何事をたのまんとてともなはるゝことやらんととへばあたかはうち ゑみてそのうたがひはことわりなれども今あらはにはいひがたしさぞおいらんの 〳〵これはどうでもゆめ らしい右やひだりのおい らんたち何もごせうと おぼしめしならふことなら ぎりで おい いんがまちかね なんすはやく いくしよに かうき なし こよひ下よさありしてたもどいひかけて 目をぬぐくばけさすらはつく〳〵ときゝ おもはず小ひざをならし世にはこ いりのむすめでもつぎへ ナリ はぢを思はず。そでごひの。われらをまぶといつはりの。うちは しんじづみそかの月くらからぬ身をくらくし給ふ かたきみさをは。くもらぬかゞみ。そのわけ きいてやうやくに。うたがひはとけました。 かずならぬ身に思ひくらべて いといたましく候とほむること ばにおくつゆやがんるいまぶ たにあらはれたり。うねめも しきりになみだぐみぎけば そなたもはちかちの そでごひではあるまい 神武峠このかたまれなるていぢよ身うけのきやくにうとまれんすで いゞきしいろざとにをるものが。さうものがたくなるものかは。ましてつとめの 身をもつて。よごとにかはるまくらのかずをげがれてはだをけがさぬとは。 とみな人さんにいはるゝ ごどくだちふるまひを見てぞ しる氏もきりやうもなみ〳〵 ならぬ人の子にこそありつらめ。いか なることでおちぶれけん。きかまほしさよといひ ければ。けさ次郎ははぢてがうべをなで。つぐるもおもなき わざながら。みこたつばへのたのもしさに。かたるも今さう なみだのたね。おやのゆるせしいもとせの。なかをさかれて むすびもとげぬ。えにしと思ひあきらめても。なほすてがた きはそのをなご。色う〳〵のわけありて。うき妙竹にうりわた されし。とつたへ聞てはうちもおかれず。いかでゆくへをたづ ねんごと思ひたちたるたびころも。かたみにかほは見しらねど 名のみよすがに八百日ゆく。こしのながはまたどりもあへず うきをみくにのとほげにて。山ぞくにはぎとられぶし義にか 「おん身はくる わのうき ▼こぞのその 月あふみにて とめ われは のざらし つか見九郎 治にめを そてごひと なりはて たるも おん藤 の為 うは兵衛に あらぬ 治にめと られし らば そのをり かくごを きはめづゝ 死んと せしは いくそたび 心のまこと てんたう あはれみ 給ひしか おやの みたまの ころしも やらずひそ やかにわか たうしも べにいひ つけけん。 人あき びとの 主にわた の せうこのたん ざく見るにつ てもおやの されて こゝへくる わのなが れの うき身 ある みな さきの 世の あく どう いざゝかむさうのことありし。 そのころよりしてあし なえのやまひはいえて 候。といふにうねめはとび たつおもひさういは しやんすこなさんは花の みやこに名もたかき もしやはひやのあととり たもむさしのゝ野ぶせりとなり さがりつゝ。一トとせあまりおくりしが むすごげさすらさん じやないかいなどとふに こなたもおどろきてわが名を しつたるおん身こそがまくらにて人となりし なつおりやのおとむすめをさな名おとめに あらずやどとひかへされてすがりつきのふなつ かしのけさすらさま。むすぶのかみをうちみつゝ。 すてんとしたる身をながらへし命あり時ありて ふしぎにめぐりあひながら。たがひにおもてを見 しらねば。しばらくもよそ〳〵しく。物いひしことのくやし さよわらはがゆくへをたづねんとて千々のこがねに とみながら。ふるさととほくかしのみのひとりたび ねのうきかんなんそれすちあるに山だちにぴはぎ せられてうたてやな。ゆきゝのそごどにつくば山ばる かに見ゆるむさしのゝうけらが花の下つゆをぶし かに見ゆるはきしのゝうけらが花の下つゆを。ふし どとかこち給ひけん。おん身のほどこそかなしけれ▼ 命たすかりしが。ろようなければさしてゆく。こしには入らで あしかなゑ。あしのなやみにぽこうかなはず。なりもすが 〽はだ身 はなきぬ そのたん ざくこそ ふたゝび むすぶいも せのしるし ふでのあとよう 見おぼえて ゐさんせうがの 人こそしらぬ とゞふやり おやと おん身にあは せてたべと神に ほとけに手を あげてむりな ねがひもかな へばかなふ まこととぎて うれしい あふせこは ゆめなら ぬがゆめ ならば 〽サウ じの くは すゑ つごきさめずもあれ とかきくどくなみだぞ こひの命なるなぐきめ かねしげさすらはせなかは かきなで日をしば たゝきおん身とわれは おやとおやのむすびし 給ひしいもとせなれど。 なかをつかみにさかれし つゝそのつまとしもなり 給はゞそはそれまでの 見え たり えんなれども。げつく その身をうりわたされて ゆくへしれずときこえし より一トたびめぐりあはん とてぞでごひとまでなり はてしはわがやくなんをすくし 大れし。おんぎにむくふつみ ほろぼしがうなりさがれど そのかんなんはかずならずいたまし きはおん身のおや人。みやこがへりの ほどもなくがやう〳〵のことにより。あへ なくつか見にうたれたり。とつぐるを しづみつゝむねにさしこむつかえをおさへて ふるさとへおとづれせぬはわれのみ ふるさとへおとつれせぬはわれのみ ならで。おやのはぢぞと思へばなり うねめはきゝあへず。何とゝさまは九郎治が。 やいばにかゝり給ひしとや。あつとばかりになき也 ▼よろめき ふすを見 むきも ゆく ほども あらせず 一ト間の 九郎治 かたより われには ○用が ある 九郎治 ひにん ならぬ マア〳〵 まて 〽こしやくな とめだてそこ はなせ となりし けざ 次郎を 引入れたる なら 図でら やうやくにかうどをあげ。おやのきにちをけふ までもじらでおくりしのみならずいけみころしみ 九郎治がなほとりじすまにかよひ来て今さら身 うけをせんといふぞをかたきともしらざれば只 よそ〳〵しくもてなして見ゆるせしこそくやしければ かへり打にならばなれ一トたちうらまでおくべきか といふにせきたつけさ次郎。何九郎治ははからずも このくるわにきたりしか。太刀ぬくすべはしらずとも 死なばもろともすけだちせんざりながらこの ところにてうたんとせばあまたの人にさま たげせられてぽんゐをとぐることかなはじ ひそかにくるにを立はなれてもし切を けふさかの せきはとえてもとえがたき 大門口ははゞかりありうらの はねばしうちわたしなるたん ぼよりござんせとすそみ あぐればげさすらもかひ〴〵 しく身したくしてうち られたちていでんとしたる うしろに立きくしもべの いけ内どつこいやらぬと 引とむる。そでふりはらぶて けさ次郎がこぶしのめて 身にだち〳〵と めはうなつきてえりにかけたる はだまもりよりたんざくを とりいだしこれは是いぬる としおん身のちゝうへ浄ゑん さまやまひおもらせ給ひし ときわらはをおん身のよめに せよとて。のこし給ひしいつしゆの よみうた一立かへりふたゝび むすべこけしみづけふ よりゆるにあふさかの せきわらはがおやに 給はりてわたされし よりはだをはなさず ふたゝびむすぶいもせの えんがへりうちになると はかりてがへりをまたんといふにうねし えん。かへりうちになるとて。もこれこそ二世のきやうまんだち われをうたん 〽かま はすと ゆきや といひかけてすそ とうねめが けつこりあへ ともに引 くつてはぢ つらかゝせた そのうへで なぶり ごろしにして くれんいで〳〵 はしをりつゝかけ いだす □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いゞぎうしろにすつくとづく引づ九郎さらさうは させぬと引もどせばさしつたりとふりほどい つけ入るきゝもをしるととるたがひにしゆ れんのきよ〳〵じつ〳〵いどみあちそふとゞ ろきにふつときのつくしもべの いけ内しゆじんのかせいとうつて かゝるをつきのけはりのけいよ〳〵 すゝむづ九郎がいきほひに てきしがたしと思ひけん しゆう〴〵ひとしくにげ ばしるをいづく までもとおふてゆく ○うねめをともなふけさ けん 〽ナウうねめ こゝは名にあふあさ 次郎はうちのはねはし わたりこえてゆくと いまだいくばく ならずおつかけ来 つるくるわの大せい 手に〳〵ぢやうちん 六尺ぼうを引さげ ひつさげちかつく にぞけさすら これを見へりて かくてはほんゐを とげかたしおつての ものをきりはら はんとてまつま はんとてまつる ほどなくむら〳〵と くさのしんやよの月の かだみがにくもりなき 身ものがれぬうん めいら〽かくごきはめし めをとが命けへすつる いまはにちぞくたち おとう〽おとう〽おとう〽おとう〽おとう〽おとう とよびかげしは け〽おつてにあらぬ うたしかにことびと け〽それか あらぬか 〳〵 よるをひき つけふり ひちめかす やいばのひかく ばつ りにいやく のき 四 うどんげの おやのあた うねめに かはつて まつこの とほり 九〽かくりうち だぞくわんねん ▼上ゟ又どや〳〵とよせてはかへず 多せいをあひてにけさ次らは せうふをこのまずかつたよび かつはられどもくらき夜に 女をともなふこと なればそこ ともわかぬ みちを もとめて ゑるとも 物しらず あさく なるかゞみ がいけいぞ つきにける すでにおつては とほざかりて くもはれわたる 紅筆の月 水にうつ れるかげ きよしける 所にいけの むかひに 〽まちかくきこゆる あまたの人おとこなだをさして来る なるべしかねめがあしもけさ次郎がこぶ しきまでにつかれたりふたゝびおつてに とりまかれてからめとられてなか〳〵にいき はぢをかゝんよりとてもほんゐをとげかた くは死してうらみをかへさんとてうねめが ぢせいかくばかり〽なはそれとしらずとも ぢせいかくばかり〽なはそれとしらずとも 一しれさる沢の今もかだみが池にしづめ かくゑいじつゝもろともに手をとり あふていけ水に身をしづめんとする 程にたちまちきこゆるたちおとつばせり おやのかたきとよばはり〳〵なのりかけたる はげしきたゝかひこはあさましやわがほか にもかたきをねちふ人あるかとうちやま しさにたゆたひつゝしばしじやすいをとゞ まりてぼうぜんとしてたがずむとろに 九郎治をおひうちにいけをめぐりてが九郎 がいともはげしきたちかせきかぎ うつしゑ つゞきくびをはつしとうちおとされていけへおち入るいけ内がむぐに ぱつと水けぶりたつあしみだるゝ九郎浪はするしよのいたで めつたうちよろめくところをつけ入るづ九分おつと さけびて九郎治がちのしたかけてから竹わりたふるゝ たぶきを引つかみてくびかききつてぞ立あがる月をあり りにけさすらうねめもともにかほみあはせて思ひ がけなきねびきのきやくじん日ごろはさして いはねどもおん身はきよねんあふみにてからへ 平いけ内ちとうなづきあふてわらはをうりし 人ならずやといふに又けさするもつく〳〵と かほうちまもりてげに思ひいだしたりいぬる としけあげにてわれをもがらにかけたりし わるものゝ大せうぐん何ゆゑにこの九郎治を ともさはがずさればこそそのことなれこのとく月わるものゝ かしちとよばれしづく引づ九郎わがをさな名はなに おり屋のきぬ七がせがれはた吉也まれなる ていぢよのいもとにはぢてやくほん しんに立かへりはからずうちし おやのあたこれを此世の 思ひでにかくごはかねてきは めたりとないりもあへず 九郎治が死がいにしりを うちかけてやいばをはらへ つきたつればはつとおどろく てんしいゝさゆうにそひていたはるにぞ づ九郎ほつといきをつきわれはた吉の うねめがしうせうけさすらもぎやうい おやのあたとてうちたるぞやととへばづ九郎ちち 〽先祖の 扨へ何はともあれわか だんなにおけがも なうてせつしや あん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ うちどこちかき きちんと思ひさだ めしこゝろざしは いたしたりたぐひ すくなきわるもの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あたをころしてじかつ するさいはひは亦 このうへなし ゆるさせ給へ わかだんな かんにんしてくれ いもうとくさん げによはる ふりての くづう聞に かなしきかね めがしう 〽をき せう 四 ないときに わかれたにきん なのりあふまも とゞむることも まかせぬものは うき世の義理 思へば〳〵 わたしほど いんぐわな ものはない はいなが はひを引おこしてつみ人となりし時父は としごろつみたくはへて本家のはひ 屋へつくのはんと思ひおきてしその かねを大かたならずつひやせし おやのじひにてかうべをつがれ それより芝さき道坊のちごとはいふものゝ 小せうになりしころ母の病死もいとしい われゆゑときくに不孝のつみふかし いかにもしてくだんのかねをとゝのへておやをなぐ さめんと思ひつきつゝ道場をちくてんせしより あちこちなるわるものに引入れられてむさ がしるわざもおやの為はては身の為よくの為わろき わざのみむねとしてしらぬこととはいひ ながらげんざいおやのしゆうすぢなる けさひらさまをもがりにかけて つみなきとがにおとしいれあまさへ いもとがえんをさかせいく程も なく九郎治がわかたうしもぐを 今はじめてしる此身のあくほうおやの ことさへうちわすれて父のさいごはゆめ なかまのものゝこと〴〵く死したるにもこりずして ちかごろこの地にはいくわいしいもとゝしらねばかよひし うねめにきらはれたのがたがひのさいはひこよひ はからずかりがね屋にてけさすらさまといもとが たいめんそのものかたりを立聞てせんぴをくや たいめんそのものかたりを立聞てせんぴをくや めどかへらぬきうめくせめてはおぼの▼下へ そのむかしかひ犬のかみあひよりわざ そゝのかしてうりしをなごはいもとぞと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ げなさんげ げにきぬ七か 子ほどある とはいふものゝ いとしい にもしらずみくにとほげのほうくえて さいご よとく神のかご よろこばしいやら かなしいやらふし義の さいくわいけな 〽五ぎやく十めく 正ねんせうめつ どうりやくなむあみだい〳〵 うつしま 四 けさ 次郎 も けなげ なる こゝろ ざしをぞ かんじける かゝる所に けさ次郎 一が母の おのゑは いた布 つれて木 かげを成て こゑをかげ 治は武士の ヤレけさきら ちうにんたち すぢしらぬわか わがきやうやうこれぞ百あく いちぜんならん人づ そくしんじやうじつびやうと だんないもとなんどに うたれんやなかをとつたる さらばなむあこ つよな あふははず めておとめ ぢより よう よう二巻 でゐてた みだぶつし だぶつしのふ男 二十間 つゞきこぞよりしてたよりきこ えぬわが子のうへを思ひかねて 只かみほとけにいのりしにあづ まにくだりてかりがね屋のうね めにたいめんせよといふむさうの あさかとやらんいふきみにことのことの上しをきく折 からにはかのさうどうわが子とおどめが 吉おとめが母のおさ井も又わらはもむかしは 溪斎 じげんをかうむりてふく三郎らに不すをまもらせ いた市つれてくだりつゝかりがね屋へたつねゆきてそ 身のうへ心もとなさにあとおふて来て 思はずもはた吉がさんげのおもむき立 きゝてなきはぐりしぞや思ひまはせばはた 英泉画四十一 馬琴作 〽いつけはんじやう 女人も御そ さいにてめでたし〳〵 ○打つゞきて 子どもあつ たいで来 かば二男に きぬ七が あとを たて おなじながれの身あまたのきやくに い心はりのせい紙のとがめとふたりの をとこがおほくのたからをつかひすてし みやうばづめぐりて子どもちはかくも なん義をせしならんさんげにざいせうせう めつのあんやうにこそねがはしけれなむあみ ふじん諸病 ちのみち妙やく 家伝神女湯 一包代百銅 精製奇応九大包代二朱中包代反五ト鉛ト たぶつて とねんじける かくてけさ次郎は いた市をもて いた市をもて 熊胆黒丸子一包袋ト 女 婦人つぎむし妙薬 一包六十四文半包三十二文 めぶりあふたりしなさけを かんじてかれが事までかく はからひしときこえたり めでたかりけることどもなり 一筆町晋米浄書 江戸江戸江戸元飯田町中坂下 号 はた吉があた打の はた吉があた打のし 四方みそ店向 〽おもむきをりやうしゆに 同家神田明神下 うつたへおまりてあたりの 同朋町東しん道 てらへなきがらをねんごろにほう 瀧沢氏氏 江戸芝神明方へ 取いづみややられ 大坂心斎橋唐初町 次河内や太助 す分もろともにやがてみやこへともなひつゝ をさな名おとめになりかくらせめてたく こんいんをとくのへけるつぎのとしより むりければおも藤はうねめをうけいだしてける させ 第ふく 三郎には べつけさせ しにいづれも ほく なされし はゝさまへ つくすが せめてもの めうがの為で ござんする ゆたかにさかえ ぬはなしこれより さきに母おのゑは かいあさるをも身 うけしておやさとへ つかはしけりあさかは つねにうねめが為に ちからとなりしのみ くらずそのわけに よりてけさひら がうね めに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 山東京傳作 繪入 前後満尾 金六冊 歌川豊国画 護蝶記全伝 讀本 是まで年之外顕御披露申上候京伝作よみ本当酉の 九月より売出し申候御高院被成下御評判之程奉願上候 名霧籬物語 甲 戌 年 山東京山作 娘丹霞一 柳亭種彦作 振袖全六冊 信夫売対 堀川歌女猿曳 柳川重信画 奴慧能 全六冊 柳川重信画 柳亭種彦作 桜川慈悲成作 全五冊 人面樹鼻之親王 正本製楽屋続絵全五冊 歌川国貞画 全三冊 歌川国満画 東西菴南北作 滑稽 竹塚東子作 春 新 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