美濃近江國堺寢物語
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- 勝川春亭畫
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- 2026-08-17T19:23:18.240Z
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- 場所: 江戸
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- 勝川春亭畫
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- 日本語
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- 西村屋與八
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- ミノトオウミノクニザカイネモノガタリ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
美濃近江寐物語一九
狩
寝物語は木曽
駅中今次より
柏原へいたる丈競
山にあり美濃国
と近江田の境の
傍示あり尤往
来の立場にして
人家並びたてり
ねものがたりの橋
あり右の方に碎
吹山見ゆるいたつて
名勝の地なりと云
思ひ
きや
ねもの
かたりは
なのみ
にて
こよひ
あふみ
へたて
あり
□□□□□□□
宇佐清重
196969696969696999900000
十返舎一九著作
勝川春亭画図
文化八未春発兌
従是東美濃国
全部七冊
合本二冊
寝ものがたり
西村永寿堂版
従是西近江國
此書凡て意味細密にして深長なれども情数に
際限あり心の欲する儘には虫とりがたし因て其文を
縮略せるが故に文と画と違却せし所も多かるべし画の
おもて文におくれ文の意味画にさきだつもあてなれは枝数悉
也読尽ざれば全く記得する
UOOOSOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOS
みのとあふみの
十返金九作
一全七冊合巻
勝川春亭画
ねものかたり
『労業温味調査を
以て購入セル所謂博士
狩野亭吉氏藩蔵書
美濃近江国堺寐物語緒言
永
永寿
堂
法苑珠林第十に冥報記を出して曰道は天帝六道を穏統
せらる是を天曹といふ閻羅王は人間の天子の如し太山府君は尚書合の
如しと説り是軍陳の守護神にして其国其最其所に降臨し給ひ人
の時に命数尽ずして死せんと欲するを死を除き諸の悪業重罪を作る
べきものは其悪念を翻させ善心となし福寿を増家業繁昌して
運を開き逆敵を亡し官位増進し子孫連綿家門永久如意
阪村西
吉祥ならしめ給ふといふ爰に丹州今木の城主浜名氏清が霊祖より
此太山府君を信念し利益を蒙り相続したるが氏娘の代に神制に
背き張悪にして終に滅亡すされども其子氏掛神魚に用ひ再び我名を
起し善徳をつみ仁慈を行ひ永く国家摂護したりし玄説にの木曽
一駅中条ものがたり村の旧記を附会する事しかり
文化辛未初陽十返舎一九識
ねものがたり
南
第壱回
はまな
うぢ
きよ
第弐回
げん
ぼう
ほう
ゐん
第三回
たざい
の
せう
に
より
より
第四回
とうぞくの
てう
ぼん
濱名
外記太郎
氏連
老女
老女郎
あり
くま
太郎
第五囘
おくつ
法印
氏益
ねもの
がたり
がたり
村の
からすけ
第六回
はまな
げき
太郎
うぢ
つち
はまな
うぢ
ます
第七回
はまなうぢますが
浜名氏益
園生
○三兵共
しば
かげげ
ひろふさ
それをしていなんといへんであるとしてい
おものたた
おほともけのぢしん
大友家侍臣
赤星伊平太
讃
頭
之
護
掘
士
信
君
府
山
太
斯波勘解由弘房
頃は明徳二年足利氏将義尚公の御時濃名氏清謀反をおこし治北にほろびうてめた
おころところはおなじ足利家の祇官に斯波勘解由弘房といふものあり太宰少式頼多が
むすめそのふといへるが艶色に恍惚の思ひをおこしひたすらにこんもうせしかどもそのふは
はめ兵治の二男次郎次郎氏蓋にちぎりてついに交嫁のちなみをむすぶしばかげゆこれを
いきどほり氏ますと不快にして常にはま名父子をざんげんしそのめつぼうをはかりける一
よし尚公此偽誕を信用し給ひはま名をうとみにくみ給ふがゆへに氏清いかりて
悪恨をさしはさみさてこそほんぎやくのいかをあらはしけるにぞ斯波これを願
わいとその討手をこひうけたゞちにうぢきよを誅伐なしたりける
ねものがたり
おものがたい
はまなうぢきよむほんをくわだてらくほくうちのに
ぢんをはりあしかゞ家へてきたいのいろをあらはし
▲三
けるにぞ仁木
あるまいの
あるまつの
めん〳〵これを
八日
はせむ
かふその
かにしばかげゆ
ひろふさ
まつ
さき
に笠
〽ヱヽざんねんで
つきず
□□□□□□□
しらせん
□□□□□□□
すみ
かねて
いこんあ
ればいつ
せんにうち
んとせめたりける
うぢきよかな
わずして
いつほうを
きりぬけ
こくさい
さがのゝりやうせんじ
にげかゝる此うぢきよに二人の
子ありそうりやうはげき太郎氏つらとてごう
子ありそうりやうはげき太郎氏つらとてごう
ゆうけつきのさむらいなるがかつせんのときより
ゆくゑしれず第は次郎伐ますとてたんしう
一今木のほんじやうにありけるがこれもいちじに
うつ手をひきうけはいぼくしていづくへかおち
うせけるうぢきよはアゝやうぜんじにありて次へつゞ
一ねものがたり
ゞきはいぼくのみかたをあつめ今ひといくさ
せんと思ふ所にしばかげゆはかつちうをやめて
て身がるにいでたちのぶしのていにて手の者
ひきつれこゝかしこうぢきよのありかをせん
さくしあるきそりやうせん寺にかくれしのぶ
事をきゝいだしむにむざんにこみいりて
ついに大かうだうのうちにかくれけるを
つけいだしやぶすまをつくりてうぢきよ
につめぼらをきらせくびうちとり
てぞひきとりける太まなうぢきよ一たる
きよめいはかうふりたれどもあしかが家
ふだいのひくわんにてきけこうあるちへ
がらを思しめ出されたいしやうらぢ
きよほろいうせたる上はさして二人
の子どもゆくゑさびしくもせん
さくし給はずよのまくにうちす
ておき給ふはくわんれいほそ川
よりゆきのはからひにてくわん
じんたいとくいろすべししかるに
ちやくしげきならうぢつらは
うちつらは
きた山のおくにかくれすみ
ちゝのさいごのやうすつたへ
きゝてむねんにはおもへども
又〳〵じせつをまちてこの
ちぢよくをすくがんと
けんごにひそみくらし
ける此けき太郎氏
つらに一人の子あり
くわんれいよりゆきの
しつけん大どうじ
げんばのぜうかたへ
ようしとしつかはしたり
しがげてばのぜうは
ひやうししてようし
とき太らいまだ
七才なりけるが
TELA
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
つか
我がらなれば
とて時太郎へ
かとくおゝせ
つけられける
しかるに
はま名けき
太郎のかく
わな
いかゞし丁
一同廿一日同右同右同右同断
両人づきそいきたりてげき
れいより
ゆき
きゝい
給ひ
かはし
けるとき
太郎が
けらいかた
やま伊五六
むら川丹八
といふ
とううぢつらにたいめんし申けるは
くわんれいよりゆきどのよりとき太郎
どのをさしこされしわけはむほん人の
うぢつらどのゝしそくたいせつなる
しつけんしよくのかとくさうぞく
させん事くわんれい家のちぢよく
きゝみへたいしておそれありこれにより
こみへたいしておそれありこれにより
げき太郎氏つらどのにせつぶくを
すゝめひくびうちて立かへらばそれ
をかうにあいかはらずしつけるしよく
のあとめさうぞくをおくせつけ
らるべしとの御事なりこれを
あからさまに申さばそなささまの
うつねとしてとき太郎さまを
あばらやにしのびくらし給ふ事
くわんれいよりゆきどのとくより
御ぞんじのことなればあまたにんじゆを
さしむけられうちとり申すはやす
けれどもたにんにそなたさまを
うたれては大どうじの家のたいでん
おさなけれどもとき太郎さまは
ぐわんれいけのしつけん
じよくむほんにんのせがれ
と人にうしかゆびさゝれては
家のはぢ御せんぞへ
たいしてすみがたく
さくこされたるなりかゝるわびしき
〽さそこそそなた
たまへ御せつふくを
おすゝめ申おんくび
からもりてかへりちゝ
ことひとりでなき
けつはくをあゝるはし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
かけかををつく
窓のわさんとこれ
となわへより
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
しづしりしづしづしりし
やかに御とづ
よ〳〵あるべし
とぞ申ける
うぢつらの
おくがたし
みさほの
かたこれを
きゝでなかだ
をもち〳〵と
ながしちで立
むかひておふ
おうつねて
次へやら
一ゞき一おんみがしうとごの御むほんにくみし給ふ事わらはこびくいけんするに
きゝいれ給はず其てはかやうの身となりたり女ぼうの身としてあつとに
せつぶくをすゝめまいらするは道ならねどもとてもきみにてきたいし
給ひし御みの何とてあんおんにすぎ給はんやゆくすへのほどおぼろかなく
いかなるうためにあひ給はんよりは今すみやかに御しやうがいありせめは
わがきに手がらをさせちゝうへこそはむほんにんのおめいをとり給へ
どもとき太郎はこれにくみせずおさなけれどもちゝをすゝめて
ぜんどうにみちびきしやうがいさせておや子ひとつでなき
けつぱくをあらはしようふの家を取てたりとろにほめたせ
給はん事おやのなさけ此うへなしわうはもじがいしおんとも
申べしはやく〳〵しやうがいし給へとてたんとうをおつとのまゑへ
つきのけてなく〳〵これをすくりけるされどもうぢつらいつかうに
つきつけてなく〳〵これをすゝめけるされどもうぢいらいつかうに
せういんなくさうにしやうがいすべしとは見へざりけるそのとき
とき太郎の申けるは。このさまのおりしやるにはそのほううぢつらの
うつ手にやるほどにくびとりてこいおさなけれどもくわんれいけの
からう大とうじとき太郎氏つらのくびとらねばひきやうものと人に
わからはれきふらひがたゝぬによつてはらをきらねば大どうじの
いへがたらぬほどにかならず〳〵くびうつてこいと
おつしやつたれどわしがくちからときゆに
はらきらしやれとはどうやういひにくい
そのかはりおれがはらきる伊五六
かいしやくとやうしてこれと
ちゝがまへになほし
ありしさんぼうを
引よすれば伊五六
□□□□□□□□
とゞめてさても〳〵
よふおつしやつた
よふおつしやつた
さすがはくわんれい家の
しつけんしよくとのさまのおゝせ
はみな大どうじの家がたいせつと
思しめしての事いたはしそふにどうしてわか
だんなに御もつふくがさせられませううぢつら
こうとてものがれぬいのちとかくごし給ひ青やく
御しやうがいしかゝるべし御とくしければいやとも此お子に
御せつふくさしませねばなるほど大どうじのお泉がたゝ思ひさき
ある此お子をころさうよりおそかれはやかれむなんのとうぼんとても
〽平月
とこもひごうにはて
給はけ御座候
うへいさき
よく今御とう
がいなさるべし
しんざんなれ
ども此件は六
此おか子をたすけ
こえどうじか
おいへがた
たいすかり
ひらに御とく
しん下さる
べしとなみさ
ながらにの
めてもきゝいれ
なきように
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
みさほのかたも
さまぐにうらみつ
りきつかんげんすれども
とくしん
せざれば
せざれば
一伊五六は
なくめ
をはらひ
かやうに
事を
わけお
いさめ
御きくいれなけれ
はせんかたなし
いへもいかへられず
いへにはかへられず
いたはしながらわる
だるな御かくごあそばで
といふに次へつゞく
第
二
順
よりもくわいけんぬきもちみさほのかたこれものんどにつき
見むきもやらずくわいちうよりいちくわんをとりいだし
われつまをころし子をたきだてあし手まとひのなき
身のうへとなればおんあいにひかれぬ心はきんてつ
いよ〳〵あくねんはひるがへざじ仕りみかた
せよといちくわんをなげいだせば伊五六とつて
おしいたゞきあるはれ〳〵おんあいのつま子がさいご
にもくつせぬごうけつその大じやうぶを見るうへは
今より御みかた申べしそれがし事はせんだつてほろび
うちたる大友しゆりのたゆふちかよのじつきんあるぼし
伊平太と申すものちうごくのかかせんやぶれてこゝ
かしこにのがれ身をまつたうし何とぞひとたびあしかゞ
どのをうらみんと心はやたけに思へどもとうじのゐせい
よりづかれずともかくもじせつをまたんとくわんれい家の
しつけん大どうじのいへに身をやつして入こみほうかうしさま〴〵
こゝろをつくすところ御身順しんしのむほんときくみかたして
ひとはたらきと思ふにかひなくときいたらずざんねんさは
いかばかりさいわいこん日此ところへときばうどのにさしそひ
きたりしは御身のこゝろをためとゝうへともにふたゝび大もうの
くわだてせんと思ひたるにさてこそきゝしにまさりしごうける
いま子のさいごにもいつかな見かへぬ
よりもくわいけんぬきもちみさほのかたこれものんどにつきたかればうぢつらは
いま子のさいごにもいつかな見かへぬその大ふうぶのたましゐ
るきときならわかびれしけしきもなくわらはさはさむらひのきじやはらきる事也とゆゑはぬかりしてきるはたんとかや
さほせば伊文きさしよりそれがし御やときを出有ときよりとてもるなはぬとき火とかねてつうくごかうぞひにやよをやよをぬわかふに
おかくとあそげでそのかはりわたくらもあとよりおんともいたすべしとてときならをひざにごきあげかたまとる手をもちそへ
てすぢにこうよと見へさんど思へいとしでいぢいぢ迄やともつ手もふるはれきるかぬるをみきほのうた見るにめるにあるにしやうたい
なくなきいかへかゝるうきめを見る事もおつとのおひとりよりおころころと思をうらめしくあさをうらみこなることなるみとあ
かなくなみだにこれけるうち思ひきつて伊五六が終つてむやいなにとき太らあつとやかりに身をもがきくるしむこのをほる一
よそこびそればしもなんぢ
がていたゞものならずと
さつせしにたがわぬ
あつぱれのものゝふ
みかたにとりてよろ
こばしとしまな我の
こうほうたいさんぶくる
のはたとり出してぐん
じんへのちまつりしてぶらん
のほどをいのるべしとて
ときならにつぎそひ
きたりしむら川舟に
をとりておしふせさし
ころしいさみすくみて
これよりつま子の
しがいはとりおさめ
ふたゝびむほんの
きざしをぞ
あらはしける
二昼廿二日
さすがははゆなうぢいらこうそれがし御みかたしをいつほう
をたすけ申すべしとけつぱんすへてさゝ出せば氏つらを
いまくしい
見づけられ
たら百
ねんめ
いちくに
一打ころす
ひろげ
一
いふ
□□
かだき
一山の口より
にだなヱだ
〽あや
ほう
あり
さま
なに
もの
なる
まつ
すぐ
に
金
しさい
を申
やつに
見つけ
ちれた
しかるにしばかげゆはうぢきよをうちとりしよりいよ〳〵
あしかゞどのゝおぼえよくゐせいひごろに十ばいし此
うへはとてだざいのせうによりみるのかたへ申つかはしける
はそのもと此たびむほん人うちきよのせがれすらうぢ
ますにむすめをつかはしむこしうとのちなみあれば
そのゑんによつて御うたがひかゝりともにちうばるおゝせ
つけらるべきところわれらとりなしおきたればはやく
次郎うぢますかたのそのふをとりもどしりゑんじて
きみの御かたがひをはらしむすめそのふ事はわれら
かねてこんもうなりそう〳〵おくりこさるべしさあらば
いよ〳〵きみのおんまへよく〳〵とりなし申べしとたびく
いひおくりけれどもせうにはなつとくせずむすめは
次郎うぢますへつかはしたれどおや子の
ゑんをきりたれば御うたがひかゝるとも
いひひらくべしとてしたがはざり
ければかげゆはとかくそのふ
の事わすれがたく
いかゞしてや
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
きせん
〽なんぢい
たしかに
きた山の
けるほうなら
ずやあや
きありさま
なにものに
たのまれ
せう
に
いれんと
うぢますのあり
かをせんさくするに
しれがたければこゝにきた
いわくらのげんほうといふほう
いんをたのみうぢますをのろひ
ころしかれなきのちはそのふはわが手に
ころしかれなきのちはそのふはわかゆに
いる事もあらんときんやくわぶんをいだして
けんほうをたのみけるにぞけんほうはあくまで
こうよくぶてきのあくそりなればこれをうけ
あひひらのゝやしあへうしのこときまいりをなし
しんぼくにすほんの大くぎをうちてうぢ
ますをのろひけるしかるにだざいのせうには
ない〳〵くわんれいのさしめをうけよなく
らうどうをめしつれしのびすじたにてらく
ちうらくぐわいのひじやうをいましめ
あやしきものにいであひなばさつそくに
めしとるべしとの事にてある夜しんかう
にいたりらくほくかみや川のへんをとをり
けるときあやしきほうしのかしらにともし
けるときあやしきほうしのかしらにとも
火をてらしたるあしだをはきて手には
大いなるてつのつちをたづさへたるが次へつゞく
ねものかたり
やしろにいりたりけるせうに
さこはと引つれしもの
こともにさしづしいが
さまにもしさいある
ものなるべしとて
ゆへをたづぬるに
かのほうしたゞ
しんぐわんのこと
ひつどらへさせその
前のつゞきしくらやみにてはたと
ゆきあひたるをせうにあやしみ
そのあとをつけたるにひらのゝ
ありて此やしろに
まいるものと
のみこたへてよの
ことはいつかうにいわ
さりければせうには
よく〳〵これをすかし
見るに見しりあるきた山の
げんほうといふしゆげんじや
〽なりさてこそ此ものつねに
しばかげゆのかたに入こむことよく
しれりさだめてふかきしさいの
あることなるべしさりなからちん
ずるていはなかくひととをりにて
はくじやうすまじきていなればめし
とりてきうめいすへしとそうほうより
とびかゝるを此けんほうはことともせす
大つちをふりまわしてわたりあふせうに
かけよりてうちおとしたるにげんほう
とゞめをさして
たちかづらんと
するところに
ふらぎやもく
ぜんのくさむらより
いんくわもへいでその
うちにげんほうのす
がたかげのごとくあら
われたるがこゑをかけて
せうににきりつけたり
とうにこゝろえたり
こうけ
とめ
けるに
かたなの
はおとは
ひゞき手ご
たへはすれども
げんほうのかた
ちは見へずまた
ないかと思へば
たちまちあら
われうしろに
たちまへに
たちすき
まもなく
きりいけける
をせうに
いろくに
あしらひ
きりはらひ
せうにが手のものさゝへかねてぬきあわせついに
けんほうをきりふせたりそのときげんほう
申けるはくちおしや此ふかてにてはたすかる
まじそのもとはたし
かにだざいのせうに
よりみいどのこと見うけ
たりわれそのもとの手に
あいはつる此うらみ今に思ひ
しらすべしさいごのきわに
すかさずひとこしをぬいてきつてかゝる
なにをるつゝまんわれ
人にたのまれてその
もとのむすめ
そのふとうぢ
ますの中をさま
たげうぢますを
のろひころさんと
此ごとくいでたち
まい夜ひらのゝやし
ろにまいるところ
しけるうちにはやよのあくるも
ちかづきければけんほうのこゑ
にて
くうちうにきこへむねん〳〵と
のゝしりていちだんのいんくわて
にしのかたへととびさりければ
ほどなくよあけてせうに
よりみつはやがてやどにぞ
かへりけるしかるにはまな
次郎うぢますはちくあにには
ことかわりいたつてれんちよく
しつそのうまれつきにてその
身しうじやくなればたゞ
しいかくわんげんのみちになづみ
よりくちゝのむほんをかんげん
するにきゝいれすあまつ
さへうちきよ
これを
つぎへ
思ひもよらすその
もとに見とがめられ
たりすへてかようのねがひは
とちうにて人にあへばのぞみ
かなわずといひつたへたりもはやわがしんぐわんも
これまでなれば此うへばしすともいつたん人にたのまれし
事むなしくはやむまじこんはく此よにとゞまりうぢますを
とりころしそのうへ御へんともあんおかにはさしおくましと
かゞみのごとくひかねるりやうがんにちをそゝぎむねん〳〵と
手あしをもがきしゝたりけるせうにはこれを事ともせす
にかつがたり
くわんじしゆつけとんせいをもすべしとは思ひながら
にんじやうにまよひつまこにひかされみれんにて
しもざまのごとき手わざをなしてその日〳〵と
おくりけるうちにもたゞほとけのみちには心を
られてあさゆふほけきやうをどくじゆしざい
しやうせうめつをぞねがひけるしかるにあるよ
うぢますはきやうもんをどくじゆしゐたるに
ふしぎや
かないにくわう
めうかゝやきたる
がそのひかり黒光
にしてなにとなく
ぞつと身のけ
たちておぼへける
がそのひかり黒光二丁
うしろのかたに
やせがれたるほうしの
かしらはくりのいがの
ごとくひげぼう〳〵として
いろあをぎめたるが
いろあをざめたるが
からだはちしほに
そみたるまゝこつ
せんとあらはれ次へつゞく
やける
わかごと
さま
思ひける
ぼんじやう
たんしう
いま木の
しろに
おひこめ
おきけるゆへ
此たびのそう
どうたいもう
なかばにしてろけん
におよびし事な
れば思ひもよらず
うぢますばとる
〽おのれうぢま
すめともに
めいどへつれ
ものゝもとりあへば
もとりあへず
あにのせうしおぼ
つかなしとてもの
もの引つれほん
じやうをうち
たゝんとするところ
にはたけ山よしふか
大ぐんをしたがへよせ
きたるにかなはずして
のせの山ごへより
つのくにゝいたり
よしみづのあたり
にしるべをたのみ
一こゝにひそみ
くらしけるが此
うぢますがつま
はだざいのせうに
よりみつのむすめ
にてふうふの中
にうぢのすけ
とてことし四才
のなんし
ありつま
のそのふは
うぢの
八
すけを
めしつれ
めのと
なにがし
にいざな
はれたん
おちのび
おつとの
あとをしたひ
よしみづのさと
にきたりふうふ
とも今はへいにて
とも今はへいにて
のすがたにやつしくらし
けるうぢますはみのかへ
のはかなきことを
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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すけまいといへと
いひいたゞいに
早きいくさくひいこうは
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
きあらねどもよく〳〵思へばきみへたいしたちがたく
しなによればだざいのいゑに
かゝはる事その
ちゝが身
ひとつは
いかやうに
なるとても
ほうゆへなら
いさし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
〽いかいたゝいやを
みさいれまいへ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
そきかいにて
□□□□い
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
同政一
りとうや
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
しやう
やうに
し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
くわいやち
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さき北
印草
□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
けい
□□□□□□□
やう
いとはねども
もしもや
家にさ
わる事
せん
ありては
ぞへ
す
いつて
ゆき
以上
われは
ようし
に
き
たり
身
ぎり
ある
だざいの
㊃ことばにつくべしとて
げんぼうのいひし事
げんぼうのいひし事
さいごのあらましもの
がたればうぢますふしぎの
思ひをなしさてこそすぎしよ
わがかたにもかやう〳〵
ありしが
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ふうせる事従
家のため
またよき
じせつもある
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さきいたこえりまひにいたつも
いゝゆきをいねやいやいにせいより
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
心をいたりませねを以ていせをめて
てすとをねやいについついかいま
やいそせからいいなけ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
を七月を上つらして
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
いやゆかり候を
らゆきかみ女を介せやいらいて
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
べきなりひと
まづり
まづり
ゑんし
つれかへり
よのじん
よのじか
よのじん
かうをふさぎ
きみのうたがひを
はらさんこと家のためと
思ひあきらめわれと引
うぢますがすぐれぬていも大かたそれにきはまつたり
さすればおつとのためにもよしひらにわが
つれはや〳〵みやこにかへるべしことさら
うぢますにつれそひてはたゝりをなすものあるなれば
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ねものがたり
つゞきこれが此よのいとま
ごひ今いちどわらはに
はだかせ給はれと立よる
をせいしてせうにはわざと
こゑをはげましそのふを
あらけなく引のくれば
うぢますも立あがり
われ此ところにかくれ
出る事すでにせうに
どのゝしり給ひてこゝに
きたり給ふうへはよの人も
大かたにしりたるならん
もはや此所のすまゐも
これかぎり
また〳〵こゝろ
ざすかたへと身
をよすべしさい
わい日もくれ
たればすぐ
さまこれ
いでゆく
したくそこ〳〵に
してうぢのすけを
かぎいだきとぼそを
たちいで右とひだりのふた
すじみち引わかれゆかんと
するにふしぎやうしかに
げんぼうのすがた
あらはれ両人を引
もどさんとするに
思はずしらず
たぢ〳〵と引もど
されてせうにも
されてせうにも
うぢますもこし
いづればをうにそのふもおなじく
かきいだきとぼそを
氏益
がたなを引ぬきいら
ざるほうしがもうねんの
はむかひだてかたはらいたしと
きりはらひ〳〵なんなくおんねうを
しりぞけてなごりおしげに
かづ〳〵をかたりあひゑんもあらば
かさねてとおつとはいへども女ぼうは
これをかぎりと見おくり〳〵またも
なくかゝさまはごとこへゆくいつしよにゆかふかゝさま
のふとよびわめくこゑもしだいにとをざかり▼
なみだにふししづむうぢのすけはぐわんぜ
かげ見ゆる
までたがひ
に見おくり
ふりかへり
わかれ〳〵て
たどりける
第
嗄
しばかげゆはだざいの少弐が
むすめほかへゑんづきたるを
引もどしてわがかたへこんもう
せんとわがまゝのふるまひ
たつてのしよもうにせうに
よりみつしんらうにりつふくし
とかくかげゆがこゝろにまかせ
〽こまごと
しやい
ざりければかげゆはとてもわが
のぞみかなはじと大きにいき
どふりよしなをこうの御まへにいで
とうに事うぢますにゑんを
くみ此たびのさうどうにもりゑん
〽それは
そのもとの
のいろもなくそのまくにさしおき
ない〳〵はむこしうとのちなみふかく
あしかゞ家のよしあしをないつうし
またくやしんのきざしありとさまぐ
とりとしらへことばをたくみにざんげんし
けるゆへよしなをこう大きにいきごとふり給ひ
うぢますにゑんあるせうにことに今もつて
いんしんをつうじちなみをふかくする事
こゝろへがたしめしとりてきつと
つみにもおこなはるべきところ
きんこうをおぼしめされ
しよりやうをもつしゆし
ちつきにおゝせつけられ
けるせうにはやう〳〵
よしみづのさとより
そのふをめしつれかへり
たるところ思ひもよらず
よしなをこうよりの御つかひと
してかへらせんぞうはたけ山
ひやう内両人いりきたりてその
ことを申わたしけるゆへせうに
********
出来
大きにおどろきけんめい
なればせんかたなく
さう〴〵やしきを
引はらひうちのこ
べつぎやうへとひき
こもりけるせうには
べつそうに引こもり
ながらいかにしても
むねんにみがたく
しばかげゆが
さんげんなる
事たしかに
つぐるものも
ありひつきやう
かのものがひどう
〽身にとりてうたがひ
うくるおぼへはなけれども
きみのげんめいぜひがない
これといふもしばかげゆが
ざんげんならんヱゝくち
おしや今におもひ
しらすべし
のこんもうにした
がはざるをいこんに
思ひわれをつみに
おとしたりにく
さもにくらし
此まゝにはさし
おくまじ
ふみこんで
かげゆを
うちはたさん
事そのみの
いこんある
のみにあらず
かゝるねいじん
きみの御まへ
にあるはてんか
のためよろし
からず次へつゞく
ちうぎのひとつと思ひこみある
いたりたゞ
夜しんかうにいたりたゞ
ひとりかげゆがやしきに
しのびいらんときたりし
しのびいらんときたりし
ところよまはりのしもべ
ども見とがめたるを
つゞきしさすればきみへたいしても
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さしころしすでに
もんぜんにうかゞひ
よるところに見こし
のまつのうへにこん
じきのくはう
みやうかゝ
やき四ほう
をてらすに
こはふしぎ
やと見やる
うちくはう
めうのなか
よりみめう
の御こへにて
われはこれ
はまなの
いへにだいへ
そうきやう
するたいさん
ぶくんのしん
れいなり
うぢきよ
めつぼうの
せつよりわが
こがねのぞう
しばかげゆの
手にわたり
此やしきにひめ
おかるくといへ
どもふじん
のいへには
とゞまり
がたしうぢ
きよがちゝ
うぢさとの
代まではわが
しんせいをまもり
しんねんごんぎやう
おこたらざるゆへ
われかれが
ためにぶ
うて長久を
まもりたりしが
うぢきよの
代にいたりては
わがしんせいに
そむきおごりに
こうじがいに
つのりぼう
ぎやくにして
ついにむほん
をくわだて
ほろびたり
われそのわう
ぎやくはまもら
ざるゆへさいごの
さるゆはさいこの
きはまでわがれいそう
をばしよぢしたれども
りしやうなきゆへ
いたづらにめつぼうしたりうぢきに
のせがれうぢますこそちゝには
かはりてこゝろれんちよくにして
じんあいふかくしりそけんじやう
のこゝろざしあれどもながは
のこゝろたしのれ
ほんにれんるいせられて今ない
らくの身となれりわれば〳〵
ひきゑんふかきそのなのいへを
とりたてんとするにうぢま一
ならでそのきにあたるもの事
なんぢいま此やかたにしのびかげ
ゆをうたんとはやれどもとうじ
いせいつよくしたがふものもあまた
ありてことにようじんきびしけれは
かへつてしそんずる事あるべし
やがてかげゆをうちとかじせ
つもあるべしまがこれよりひき
かへしわれをしてうぢますの
かたへいざなふべしといふ御こへ
とひとしくだいぢにひかりおち
ひいると見へけるがたちまち
こがねのそんぞうせうにまのあた
りにおちたりけるせうにはきいの思ひ
をなしさてこそ〳〵はまなけにつた
わるたいさんぶくんのそんぞう
うぢき子めつぼうのみぎり
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
〽
つたへきゝしがさてはかげ
ゆのかたにありけるか
まことにじん
ふしざのれい
ぞうおそ
ありと
手に
さゝげ
そのまゝ
おのが
べかそうへ
とたち
美
農
木曽かいだう今すといふにねものがたり
村といふところありみのゝくにとあふみの
くにのさかひとて家ならびのところなれば
わづかにかべひとへをさかひとしてひがしの
いへはみのゝくににしどなりはあふみの
くになりねものがたりとなつくる事は
あふものはなしもみのゝはなしもたがい
にねながらにしてきくといふ事よりかくは
にねながらにしてきくといふ事よりかく
なかけけるとかやそのころこのひがし
どなりみのゝくにのいへには名をおくんと
いふ五十あまりの女いちにんすみてもち
をせいしわうらいのりよじんにうりて
近
とせいとしにしどなりあふみのかたの
いへは五郎助といふ六十ちかきおとこ
江
ひとりぐらしにてかごをかきちんせんを
とりてよをわたりける両家とも
一人ぐらしにてことにとしごろもにあひ
たりたがひにたよりなきひとかみ
堺
寐
物
語
村
ふうふとなりてちからとなり
やみわづらひのときのためとも
ゆみわづらひのときのためとも
なるなればいつしよになりてとも
にすぎわひをなしたらんが
よかるべしときんべんのものども
おり〳〵すゝめけれどもおくるも
五郎すけもこゝろに思ふ事あり
やはりひとりぐらしこそあんこく
なれとてとくしんせずしかるに
ひがしどなりひとりみのくらし
なるによにいりてせけんしづまる
ころになるとほかに人ありと見へて
ひそ〳〵とはなしごへするにかべどなり
のあらすけふしぎにおもひまいよ
かくのごとくなればなにものか
きたりてなにをか
一はなしするやらんと
きくみゝたつるに
いつかうその
わけはきこへ
ずまたこの
五郎すけ
かたにも
よにいれば
たれやら
きたると
見へてひそかに
はなしごへするに
となりのおくん
ふしぎに思ひ
ひとりものゝ
五郎すけまいよ
かくのごとくなれば
いかにしても
こゝろえず
こゝろえす
五郎すけつねに
いやしきわざは
なせどもすじやゝ
いやしからぬものと
見へことに
きしやうたく
ましきもの
と見ゆれば
いかさまにも
しさいある
ものならん
とこゝろを
とこゝろを
つくるに又
五郎すけ
も又おこん
が女ながらも
たゞものにあらぬ
事をさかしたがひ
にこゝろをさぐり
あひてそくらしける
〽アヽくたびれた
いつばい
ほどこゝにみのと
あふみのさかい
ぐひがある
くださり
だざいの
ねものがたり
思ひたり
がたいさん
ぶくんのそんぞうの
御つげをかうふり
ことにそのこがねの
そんぞうはからずも手にいり
思ひなをしてかげゆをうたんとしかけしが
ひつかへして恋かへりそれよりたびしたくして
そいふをめしつれたちいでうぢます
今はみのゝくににしのびおるよし
ほのかにきゝたづねとふ
こゝろあたりもありける
ゆへうぢますに
めんだんしたいさん
ぶくんのそん
ぞうをわたし
びに
〽なかくこしやくに
ものもあるせうにが
しゆれんにばいもうし
みなく手きす
をかうふりける此
どうぞくのこう
ぽんせうにが
はたらきを
けんぶつ
いたり
けるが
〽あいた
のものばも
みな〳〵
かけをおひ
たるを見
かねて
〽おのれら
ひつぶ
下らう
御つげをかたりきか
せそのうへないだんの
すじもあればへいにん
のていにすがたをやつし
そのふをめしつれみやこ
を出てきそかい
だうをいそぎ
けるところに
}
からわ原の山中
にかゝりけるとき
日くれたるがおりしも
よいやみにてものゝ
あいろも見へずにてう
ちんをてらしたどりゆくみち
のかたわらより山ぞくども
五七人つら〳〵と立いでさかてをこふに
せうにいかりてかれこれとことぞあらそひ
のうちにはや引ぬいてきりかけたりせう
にはこゝろへたりとてさしぞへをとつてその人に
わたしみづからかたなをぬきあはせさんぐに
たゝかひけるあんやのことなればとうぞくとも
めつたむせうにきつてかゝりどしうちする
〽とんだたい
へいをぬかす
やつだこりや
そのはづだ
よつぼどの手しや
見へる〳〵
手ごろの
まるたを
まるたを
ふりあげ
せうにを
ひとうちと
うちかけたり
しがせうにへ
はあたらず
してなほも
こゝろをいらち
そこよこゝよ
とうち
まはりける
せうにさすがはらうたいにて
あまりしけたいつかれければくら
まぎれにさいわいとかた
わらの木だちにかくれて
しばらくいきをやすめける
うちにもむすめそのふは
いかゞなりつらんとそれのみ
こゝろにかゝれどせんかたなく
つかれをはらしいるところに
かのとうぞくのてうぼんと
おぼしきものゝこへとして
ざんねんや今のりよじんは
いづくへかにがしたり手
したのものどもに手きす
そのふはちゝのさしぞへをひきぬきて
よはくてはかなふまじ
とうぞくにわたりあひこゝろ
とひごろにかわり
いつしんをかため
さんぐに
たゝかひ
けるが
をおわせしきくわいさに
いづくまでもとおつかけ
ゆきたるやうすにてあとは
びそまり人ごへもせざり
ければせうにはそろ〳〵と
にだちのかげをたち
いづるむかふのかたより
ちう女いちにん
たいまつをてらし
きたるあかり
にてそこに
ふしたる
とうぞくども
おきあ
そのうち
にもくらさは
くらしちゝの
しやうじも
おぼつかなく
たがひにこへを
たがひにこへを
かけあひちから
をあわせてきり
むすびけるにそのふは
あやまつて木のねにつまつき
たとるゝとおもひたるがまつさかさまに
はるかのたにそこにおちたりけるそのふははつ
せうきを
せうにへきつて
かゝるをなぎ
うしない
たをれふ
たをしなん
たる
なくこれを
きりころし
さりころし
かのらう女の
たいまつの▼
たいまつの▼
ところに
ねもの
かたり村の
かごかき
工ひをかりておち
思ひをかりておち
ちりしにもつなどを
とりあつめさらば
そのふがゆくへを
たづねんとぞこよ
こゝよとさがせども
さらに行がたは
しれざりける
五郎助
このとこ
ろをとふり
かゝりて
そのふに
つまづき
すかし見て
さてはたび
の友ならん
いかゞせしぞと
さぐりみるに
せうたいなかつ
どいまだあ
たゝまりあり
けるゆへさま〴〵
にかいほうし
よびいけける
にぞそのふはせう
きつきたれど
しんたいいたみて
たへかたくそのうへ
ちゝの身はいかゞなりし
やとかなしさいわん
かたなくふししがむ五郎
すけいさわりていさいを
きゝさて〳〵それはいたわし
さりながら夜ちうといひ
その人のとうじたづぬるとも
しれまじければこゝにありて
しくおほかみのゑらきと
ならんよりはまづこよひは
此さきいますのしゆくにいた
りいちやをあかし次へつゞく
第四項
ねものがたりむらの
おくんやちうにこゝを
さむらひの
ぞくに
あひ
むす
めの
やく
ゑを
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
見
なひし
きのどくに
思ひやちうの
事なり御身こよいは
わがかたにとまり
給ひ夜あげて始ごの
ゆくゑをさがし給へ
とてさま〴〵ちからを
つけてせうにをおのが
かたへといざなびて
かへりける
べしとなげき
しづむを五郎すけ
いよ〳〵ふびんにや
思ひけんさま〴〵
すかしなだめて
ちからをつけむり
に手をひきあゆ
みかぬるをかいほらし
やう〳〵といますの
つゞきあすこそたづね見らるべしと
すくむるにそのふはあるにも
あられずたとへ
けだものゝゑじき
となるとても
ちゝの
せうじわか
らざるをすて
おきていづゝへ
かまいる▼
ゑき
にいで
けるが
ひとり
たびと
いひことに
しんたいも
しゆうなら
やうす
やどをとらんも
むづかしかるべし
見ぐるしくとも
こよひはわがかた
にていちや
をあかさ
ちゝごの
ちゝごの
るべし
あけなば
とも〴〵
ゆくゑたづね
まいらせる
とてそのよは
とてそのよは
そのふはわが
かたにいつ
しゆくさせて
いたわりける
□□□
同誂紙二ッ礼上
あらばそ
ちしほは四ほうへ
とひよりてみぢつ
ことなりてむなしく
なりけるまことにひごう
のさいごぶうんのすへとぞ
しられけるらう女おくる
かほかたちはにうわに見
ゆれどもごうよくふかく次へつゞく
がいさむるにしたかひてまづ〳〵こよひをすとしよあけてそのふを
せんさくすへしとてそのよはねものがたり村にいさなはれきたり
おくんがいへにきしゆくしけるしけるしけるにこの家のとこのなに
いふやうこれはわがためにのかれかたき人の
せきとうなり日ごろたのむてらにおさめん
せうによりみつはむすめのせうしいかゝと心ならねともあいても
とうぞくともはみなにけうせたづねべきあてもなくらう義おくて
きひをすへおきこれにかうはなをたむけておくてか
ゑかうするていをせうに見るよりふしんにおもひ
さだめてそのてうもあるへきにめへのうちにさし
おきゑかうするはいかにとたづぬるにおくけの
とて此せきひはこんりうせしかどもし
さいありてよをはゞかる人のせきひなれは
てらにおさめん事かなひがたき事ある
ゆへかくのとをりわが家のうちにすへかき
てあさゆふのゑかうおこたらずとこたへ
けるせうにきくていかさまさる事もある
べしとてそのよはしんたいつかれしゆへしや
くもこゝにうちふしたるが夜子のこく
くもこゝにうちふしたるが夜子のこく
すぐるころとうにはふつと目さめたる
にあるじのおくん女ににあわぬりかき
りやうにてとこの間のせきとうを
うる〳〵ととりのくればそのしたには
とこいたをきりぬきたるあと見へて
ゆかの下よりきんすおびたゝしく
いりたるつぼをとりいだすていに
せうにいちゑんがてんゆかず
いかにやするぞとねいかたるふり
してやうすをうかゞひけるうちに
おくんかのせきひをとりあげ
たちまちせうにがむなもと
にうちつくるとそのまく
せうには音つといふ間も
一ねものがたり
つゞきしこれまであり〳〵かくのごとくたび人をとめてよくねいり
たるところを見すまじうちころすためのせきとうなれば
いつてよりなからきさるにてほがれざるもり
いつくよりにもちきたるにてのがれざるものゝせきひといひ
しはいつわりなりかやうに人をころしろよう金をうどひとり
せきとうをすへたるとこの間のしたやにつほをいれおき
これにかの
これにかのらばひとりしきて〳〵をたくわへおく事なれば
こよひふやうにをたはかりとゞめてうちころしにもつの
なかにあすしろようきんのさいふをとりいだしかのとこの
まのしたくにおさめんとしたりしにこれまでかねのいり
たるつぼ五ツまでたくわへおき
しがこよひ見れば三つふそく
してたゞふためのつほのこりたり
これはふしきと見るうちにたり
やらんやらてしたやより手を出し
やらてからてしたやより手を出し
てのこりしふたつのつぼをもひつ
たくりてたちまちににげ
さりぬおくんはつとおとろき
さてはわれ此ところにきん
ぎんをかゝしおく事を太かは
一しりてぬすみとりしは
なにものなるや
にくさもあへし
おいかけて
おひかけて
とりもどさんと
せうにかまくらもとに
ありしさしばへをぬきもちて
とこの間のしたやにはひおり
手しよくをてらし間まわせば
人のかよひしあと見ゆるを
したひゆくにへだてのかべを
うちこぼちにしとなり
なるあらゆのいへの
なる五郎助のいへの
したやにはひ出たり
こゝにくせもの一人あり
ておくるをさし
ておくるをさし
ころさんとする
おくんは女ながら
もしれものなれば
ゑたりとかはしてうけ
とむる此ものおとにあるじ
五郎助うへよりたゝみを引
一にげさり
たるわれのこり
おゝくその
ゆくゑを
のくればこれもしたやへつうろ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
の所と見へゆかいたをならべ
たるまゝにてありけるゆへしたや
よりはねのけ〳〵らう女ときりあひ
あらわれいづるくせものを見るより
五郎助大きにおどろきこれはおかしら
なに事なるぞあいてはひがしどなりの
らう女手むかひせずとしさいをかたれ
と申しけるおとんきゝてさてこそこの
ものをかしらなりといふ五く助も
たづぬる所
ねものがたり
むらのもちやの
らう女ともなひ
かへりたりと手した
のものたしかに見
とゞけしらせし
ゆゑわれ此辺
とうぞくのなかまよなわらはが
としごろたくわへおきし
金ぎんを
ぬすみ
とりたる此くせもの
のがしはやらじとまた
きりかゝるをかのくせ
もの引はづしておくん
がすものをうちおとし
そくかにふるで申し
けるはわれかしわ原の
さんちうにてはぎ
とらんとしたりしりよじん
思ひのほか手ごわきやつ
手したのものをきりころし
ましたや
よりしのび
うかがふ
こゝにて
たん〳〵
うち
おくの
やうすを
したやに
こもしへ
いかげ
さすを
いぶかし
くし
たひ
行て
見れば
の間
所の
いたを
くりぬき
あまたの
つほに
次へ
四月
同断
〃〃
一ねものかたり
つゞき今ぎんを
たくわへおゝさだるを見つけし
こなたへはこぶし
こなたへはこぶ
よりさいわいとうばひとつ川
その
うちに
かのたび
かへをは
その
ほうが
女にい
あわぬ
ふてきやつこれ
までおゝくの
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
りよじての
女どをなし
あのごとくうち
ころしその
ろようき
をうばひとり
たくわへためし
きんすならん
さすればおのれが
さすればおのれか
ものにもあらずわれ
こそはこのかいだうに笹をゑたる
十二十二日
第四百目目録
あるくま太うといふとうそくのごとうほてなり
なんぢ女ながらも見どころあるやつきんすのこ
らずわれにあたへきやうこうわかねじとなる
へしといふことはのうちよりこゝにとまりあわせて
こしといふことはのうちよりこゝにとまりあわと
せんこくよりしじうをきゝたるそのふはなん
とをはしりいでのふく今あの人のいひたるはふし
わ原のさんちうにてうちもらせうりふじんと
いふはわらはか身におぼえありちゝうへとたゞ二人
とうぞくに出あひなさけなやわらわはたに
そこへふみはづしおちたりしをとをりかゝりて
此人のういほうにあひこれまでいのちはつゝか
なかりしがちゝうへはいかゞなり給ひしやと
あんじわづらひあけなばそのおゆく
ゑをたづねんと思ひし所今あれ
にてきけはそのらう女のかたに
とまり給ひしはまさしくちゝうへ
御いのちをうしなひ給ひしとやげて
ざいわらはがちゝのかたきうらみの
ほど思ひしらせんとくわいけん
ぬきもちおくんをめかけて立かゝる
をあかぐま太らしばしととゝめて
をあかぐま太郎しばしととゝめて
そのふのかほをうちまもりすかた
めんていはやつれたれども見おぼえ
あるそのほうはわか弟の女ぼう
そのふにてはなきやといふそのふ
きゝて太郎のかほをつと〴〵見かより
びつくりしさいふ御身ははまなうち
つらさまにてましますかさて〳〵
ふしきの御たいめんと思ひかけ
なくあきれはてさてもあさましの
おすかたやとなみたにくれて
ことばなしうちつらいふやうさて
しらぬ事とてわれかしわ草の山中にて
らうぜきにおよびそのときはよりみつとのも
い
こそさきのたびくはそのほううちゝとあれは一
たさいのせうによりみつどのにてありしよな
もりどう
つゝがなかりしが此ちう女に
たばかられ給ひひごうのさいこ
をとげ給ひしはちかごろせうし
せんばんなりにくさもにくし
此女よりみつとのゝ
かたきぞとふり
あぐるやいばの
したらう女は
しばしととび
しさりていふ
しさりていふ
やうさてはう
わさにきゝ
たるはまな
かぢつら
さまとは
そなた
なるか又此
女中をそのふ
さまとは
さてこそ
うぢつら
さまの
御弟
うぢ
ます
さま
御つれ
あひが
わらば
とて
も
しら
〽の
いひ
なから
そのふ
かたられ
よといふに
かのらう女は
おきなをり
おたづねなくとも
申上ると決つゞく
かた
たりてに
とりなをゝ
わたくにしかい
せるとする
を三郎
こひかりて
おしとゞあ
ても
人ぐを
しりたる
そのほう
のむかしは
なにもの
すじやうを
くわし
〽ほものかたり
つゞき
思ひし
ところ
わらつ
わらはゝ
そのむかし
はしきたへ
とまうして
うがと
うぢまず
さまにおち
さまにおち
をあげそた
てまいくせし
ものなるが
そのときは
そのときは
あにごうぢ
つらさまも
御ようせう
にてわかめて
ていしりたま
はぬはことわ
りなり
いさ
んふくん
われもまたとしへた
たりし事なればうぢ
つらさまを見わすれ
てそれとはしらさる
たゞ今の手むかひ
たゞ今の手むかひ
御ゆるしくださるべし
おもひいだすも
むかしがたりうぢ
ますさまおち
のとししさいあり
てわらわは御
いとまをたま
はりやうこく
なれば此所に
はいちばんに
かけつけて御
やくにたゝん
やくにたゝり
ものと思ふに
引こめりちゝ
はゝもあい
はて□
かいなきらう
女の身むね
□□□□□□□□
●おつとをももち
おくるところに
たりしがこれもあい
はてしのちはやもめ
きよねてなりの去じめ
つかた思ひもよらず
くらしにてわづかの
うぢますこまわらはが
すぎはひに此とし
までひとりこゝに
くらせし所みやこの
かたへ御いりありいちぶしどう
の御ものかたり御いたわしやうむ
ますさまは御せいしつしうじやく
そうどううけ
給はりおのれやれ
わらは女でなく
にてくれをおもひこれを思ひ御身
にてかれをおもひこれをろひ御こや
のふうつたなきゆへとくわんねんじ
給ひともんをうとみしゆつけとんせい
せんとのたまふをわらはいさめ奉りま
はいためはいさめ奉り奉り奉り奉りま
ことにいひかいなき御しよぞんかな御ちく
うぢきよさま御たいもうなかはにしてむ
ねんのさいこをとげ給ふその御とふらひいて
さをもせんと思しめす御こゝろのなきはいかに
ぞやわらはかすならぬ女の身なれどもあさ夕その
くちおしさわするゝひまなく思ふほどの事なれ
ばひらに御ちゝの御こゝろざしをうけつごさ給ひて今ひと
たび御太たあげられくさぞのかげのちゝうへの御こゝろを
なぐさめ給へとひたすらに御すゝめ申しわうはが
けなれざしきにふかくしの昔せたて来つりひるは
人めありとけして外へはいたしまいらせずおて
まひ申しそのうちにはみかたをあつめはたあけ
させまいらせんとはおもへども何をいふも
まづしきわらはかひとうぐらしくもよう金
のさいかくにとおもひつきたるひとりの
ふるまひあらぬものゝそう
家のとこのまにきほしおきわうらいの
たび人をいつわるとゞめてうのいしをもつ
てうちころしろゝろうにもつをうばひとり
たくわへためしさん〴〵はみなくんようの
ためなるぞやわらわがいへのみなれやには
うちますさま御つでなれはそや〳〵
もいを見る
⑬
御こゝ
御たいめん
あるべしときく
より五郎すけ
よこ手をうち
さても〳〵ひごろ
より女ながらも
たゞものならず
と思ひたりしがさ
てこそ〳〵われら
も今はなにをか
つゝまんわれかご
かきの五郎すけ
とはいつわりまこと
はさきだつてほろ
びうせたる大とも
しゆりのたゆふち
かよのしん下あか
ぼし許平太と申
ものなりなにとぞ
しゆじんのうらみを
ほうぜんとあしかゞ
けをねらふといへども
ちからおよばずじ
せつもあらんとまづ
くわんれいけのしつけん
大どうじ
がいつにほう
こうしける
らずもこの
はまなうぢ
つらどのに
がつたいせしが
とうじあら
かゞのいせい
つよきになま
なかの事を
しいだししそ
んじてはむねん
なりとかくより
よりみかたを
ぢうしよとさ
だめしよりうぢ
だめしよりうぢ
つらどのをかくま
いひるはひとめあ
ればとこゝの内
こへりよじんをはぎとりきけぐをうばひとり
しうとごをせつがいしたるはわがあやまりこの身にしね
との事なるべしたくわへたるぐけあやまりこの身にしね
との事なるべしたくわへたるぐんようきんはうぢくら
さまへさしあげかくまひ申せしうぢますさま御つれ一
あひのそのふさまへ御引あわする上からはこのよに
かたらひこゝろ
しづかにおもひ
たゝんとわれ此
ところに来り
此君たやをしつらひしのばせ申又ぐんようの
きんすをたくわへんとうぢつらどのかりにあか
ぐまはらといみやうをつき此かいどうにいでと
やがてのごみをはぎとりきけぐをうばひとり
やがてのぞみをかなへんと思ふはらう女と思ふはらう女とどう
ふくちうこゝろをつくせしかいありてあかぐまどのく
手したといふはみかたのめん〳〵大ぜんをあらぐまどのく
手したといふはみかたのめん〳〵大ぜいなりうぢます
どのとなりにある事さいくるきやうはや〳〵たいめんし
しめしあわせてともにたいぎをはかるべしといさみすく
めどらう女はうちしほれおしうのためとはいひながら
これまでおゝくの人をころせしむくひその御しやじんの
思ひおく事なきらう女が身やわけのせうがい
思ひおく事なきらう女が身申わけのせうがい
と又もかたなをとりなほすところにうらぐちより
いちめんにくわうみやうかゝやき戸のすきまより
ひかりさしこむふしぎさに人〴〵これはとあきるゝ
うちいりきたるはすまなうぢますたいさん
ぶくんのこがねのぞうを手にさゝげたちいで
いさいのやかりすはせんこくよりたちぎくしたり
さて〳〵なつかしきあにうへそのふにもふし
ぎのたいめるたがいのはなしはおつての事
まづさしあたりておくんがせうがいせん
とするをとゞむるなりそのわけは
せんこくそれがしはなれやより
見るにおもやのかたにこんじきの
ひかりかゞやくをがてんゆらずと
はしりゆきで見ればかしに
うたれてしゝたるたび人の
たびの
ふところよりひかりをはな
つにいよ〳〵つきへつゞく一
なかりがたり
十九
おものさ
しんをもちにてきたちにおちらせ
つゞき〽いぶかしく花をとりのけ
あらため見ればそのくわい
ちうにたいさんぶくんのそん
そんぞうみづしはみぢんに
くだけてあるのみにてその
たび人しくたると見へしは
何事なくおきあがるを見れば
わがしうとだざいのせうによりみつどのなり
これはとおどろきやうすをたがぬればわが
いへにだい〳〵てうほうのそかごとうちゝうぢきよ
めつぼうのみぎりといろからが今ふしぎ
にもふたゝびわが手に
いりしはひとへにせうに
どのゝしんせつよりおこ
れりかへす〴〵もれいげん
あらたなるふくんの
そんぞうせうに
どのおしにうたれ
ながらゆめのごとく
おぼえてその身
につゝがなかりしも
ひとつに此そんぞうを
くわいちうせしゆへの事
なるべしとかたるにだざい
のせうにもこゝにきたり
みなくにたいめんしたがひに
なにかをかたりあひよろこぶうち
にもそのふはなほちゝの身のあんをんなると
おつとにめぐりあひたるうれしさたとへんかたも
なかりけるやくありてせうにはたい
さんぶくんの御つげを
太山府者
人ぐにかたり
此うへはいづれもこゝろをとり
此うへはいづれもこゝろをよ
なほくぜんしんにたちかへりあしかゞ
どのを
どのを
ものを
うらみんよりがんぜんうぢきよの
あだがたきはしばかげゆひろふさ
なりものものちぶきよを
なりかのものうぢきよをざんげん
せしより事おこりそのうへうぢ
きよにつめばらきらせし
かげゆなれば此ものをうち
とりうぢきよのれいせんに
たむけん事きやうようの▼
ます
はげにも
どのゝ
ことぞ
どふり
にあた
れり
なり
すれ
ども
あに
うちつら
これを
もちひず
第のじう
じやく
にては
そのはづ
の事な
れども
ちゝが
一同二月一日
むほけは
しばかげゆ
ごときを
うちとるの
くわだて
ならずあし
かゞ家を
うちほか
ぼしその
身四かいを
しやう
あくせん
なれば
かげゆ
ごときを
うちとり
きたむけ
たり
ちゝそん
れいなに
とてまん
思ひ
にやまつ
候
いるべつゞく
ねものかたり
つゞきくさばのかげよりきぞやいひがいなきものどもとおぼしめさんはひつでうなり方はとも
かくもわれはちゝのむほんをうけつぎぜひとも一たびはたあげしあしかゞけをいつせんに
うちほろほさんといさむにぞせうにせいしていちづにはやるはもつともながら今にかい
いつとうあしかゞ家にきふくしいせいあさひののぼるがごとし御へんにつゞくせいもなくてき
たいせんはあやうしときくよりうぢつらくわいちうよりよぶこのふへをとりいだししけば
たいせんはあやうしときくよりうぢつうくわいちよりどもおい〳〵立出ゐならびたりそのときに
たちまちこくかしこのものかげより手下のものどもおい〳〵立出ゐならびたりそのときに
五郎助はたいさんぶくんのはたおしたてせうにへむかひて御らんのごとくみかたはみかたはみなくいつき
とうぜんのものどもこゝろをいるちになしたればいかなかたいぐんごうてきにもおそなく事
すこしもなとさくよりせうに打わらひそれがしむほんにえんにけの御へんらにゑんはくめくも
心はせいけつあしかゞむにのちうしんなればいまらうにんとはなりたれどもそのときこと
はほうこうはじめあつまりぜいのへろ〳〵ぶしわれいちにんの手にもたらずとてう
ろうすればうぢつらきいていらざるくはうげんかたはらいたしもしもみかたはいほく
せばわれいちにんにてよしなをはじめてきたふやつぱらみなごろしせんねん
ゐじんにしたがひてならひおぼええししのびのじゆつすがたをかくしまた
あらはしこゝにいでかしこにたちたとへ何千何万人をあいてとなすともおくれはいと
こゝろみに今わがきじやつを見すべしとけんいんをむすびしゆもんをとなへるそのうち
にかたちはきへて見へざりける人〳〵ふしぎの思ひをなすところにうぢつら又もやあら
われいでうくるつうりわきじざいのそれ。かし大もうぜうじゆは心のまく今よりみやこにしのいいい
より〳〵事をはからはんみな〳〵つゞけといさみたち見かへりもせずゆう〳〵とそのまゝこゝを出行一
けるあとに弟うぢますはけんのやしんをくやめどもそのかいもなくいかゞはせんとせうににかんだんならたりける
此こうへん三さつ売出し有之候御てらしあはせ
御高らん無之ては意味相わかり不申候
ねものがたりこうへんと御たづね被下御もとめ
御高覧のほど奉希上候以上
馬喰町二丁目角
西村屋与八上木
書林永寿堂
●書林永寿堂西村屋与八上木
十返舎一九編
勝川春亭画
美濃と
ねものがたり後編
久兵衛
近江の
前ぺんにのこせ〳〵趣意此三さつ
にていさいに相わかり申候
仍て前後合せて御高らんの
ほど奉希候
第
五
順
さて又げんぼうほういんはしうねんふかくうぢますに
たゝりをなしたりしが此ほどはたいさんぶくんのそんぞう
民まさの手にいりそのゐとくによりていつかうにちかよる
事かなひがたくあるよしばかげゆひろふさのまくら
がみにたちて申けるはわれひとたび御身にたのまれし
けいやくをまもりだざいのせうにがためにわうしをば
とげたれどもかねてゐこそあるはまなのいへ御身の
ねがひもかなへたく死ごうちますへたゝりをなす
といへども今はたいさんぶくんのそんそうをもり
たてまつるゆへわが手だてつきていかにども
せんかたなしもとより御身のかたにかくしありし
そんぞういかゞしてや又かれらが手に入たり何
とぞこれを御身のかたへとりかへし給はゞわれ
又氏ますをなやますべしさりながら今しば
らくのうちには御身のねがひかなふ事もあるべしと
つげたりけるかげゆひろにさ
そんぞうの
ゆめさめてふしぎの思ひ
ゆめためてふしぎの思ひ
ありしよを
をなしわがかたにふかく
見るに見へ
されははじ
つゝみかくしおきたる
そんぞう何とて
めておと
ろきいかゞは
せんといろ〳〵
うぢますの
手にいり
しやと
くふうをめぐらし
ける○はまな
□□□
げき太郎氏つらは
ねものがたり村をたち出
みやこにのぼりそのころ
うだいじんもろたねこうに
きこえしはきんて人の御おぼえよくゐせいつよく▼
二人の
そん
そん
きやうに
あいはん
ゑい
てうくわし
おはしま
すこれは
うぢつら
はゝかたの
おぢなる
ゆへ此もか
たねこうの
たびこうの
かたへまいり
身のうべを
たのみなに
とぞ此人を
みかたにつけ
んとはかり
けるもろたね
こうはやいしや
かけねいにして
あまつさへ心に大もうを
くはだておりをうかゞひげんじやうの
くらゐをうばはんとそのもよほしさい
ちうさいはいのときなりとつぎへつゞく
勝内の事
つゞさうぢつらを
ふかくかくまひさし
おきけるされどもいち
だいじなればといま
だ氏つらへその事は
うちあけずたゞ何
となくかくまいける
に氏つらも又こゝろに
大もうある事はかく
してたゞ身のよせ
どころなきゆへと
ひたすらにたのみて
こゝにしのびくらしける
が氏つらはとかくもろ
たねこうのしんていを
はかりかねいかさま
大ゆうのくわだて
ありとはさつしたれ
どもうかつにいひも
出されず心をさぐりて
ゐたりけるそのころ
きんていの三じゆのじん
きのひとつ女たのかゞみ
ふけじつせしにしにて
ぶしやうよしなをこうへ
みかゞみせんぎをおゝせ
つけられけるにぞ氏
つら此さたをきゝひつ
でうみかゞみはもろたね
ぬすみとりてかくしおく
ならんと思ひよりたる事
なればあるとき酒ゑんの
きやうにのりてうぢつら
いふやうわれゐじんに
よりふしぎのよう
よりふしぎのよう
じゆつをならひえたり
たわむれに見せ申さんと
てじゆもんをとなへけん
いんをむすびければたち
まちそうかきくもり
大かぜ木のえだをおり
にはさきいちめんのうみ
となりたかなみうちて
御てんのかたへうづまき来り
たくみの上になみをうち
あげたるにみなくおど
ろきおそれわならき
にげばしる氏づらはゆう〳〵と
かのなみの上にあけざして
わらひたのしむなみはしだい
にあらく御てんもゆるぐば
かりのすさまじさにもろ
たねこうこへをあげて伝づら
もはやゆるせとのたまふをきか
ぬふりしていよ〳〵けんいんをむす
び此上又あくりやうあくぎよ
をあらはし見せ申さんといふ
もろたねこうたまうかねてひと
まにかけいりにしきのふらさ
ものをとりいだしみたからのゐ
とくをためすは此ときとふくさ
ものひうけばさかとくわうめらを
一はなちたるに氏つらのようじゆつ
きへうせなみもあとなくもとのひろ
にはとなり氏つらとび石の上にざし
ながらさて〳〵わがようじゆつをけす
そのかゞみこそふんじつせしときゝお
よぶやたのかゞみにさうゐなしこれを
かくしもち給ふはわがすいりやうに
へたがいずもろたねこうのきやうちう
われこれをはかりしらんとさてこそ
かゝるやうじゆつをあらはせし所ぎへ一
ねものかたり
つゞき今よりそれがし
御みかたとだて〳〵心に
大もうある事を打
あけてかたりければ
もうたねこう大き
によろこびやたの
かゞみをぬすみかく
せし事むほんの
くわだてを打あかし
これよりうぢつらと
がつたいしていよくむ
ほんのねざしをぞ
かためけるそれに
つき氏つらはよをしのふ
身の上なにかにつけ
てたよりあらしとて
もろたねこうより氏
つらのみかたあるぼし何
平太をざつしやうにし
たてつかひとしてあしかゞ
家のくわんれいほそ川
よりゆきのかたへつかはし
さいつころほろびうせ
たるはまなうぢきよ
のちやくしげき太郎氏
つら事わなるゆかり
あるものにて此せつ
われらかたへたより
来りてこれまでのあや
まちをくやみ何とぞ
しゆつけとんやいして
あしかゞけへぢよめい
の事をねがひたき
よしたつてわれらへ
たのみなり一とに
〽おししや
たいぎよりゆきが御へん
とうかくのとをりよろしく
たのみ入申す
氏つらはかうのみちに
くわしく今右ゆじやう
もつぱらかうどうを
このみ給ふゆへをつら
の御うはさもあり
かれこれもつてなに
とぞ氏つら命ごひ
の事よしなをこうへ
御とりなしたのみいる
なりとぞ申つかはし
けるくわかれいより
ゆきみづから出
給ひてもろたね
こうのししやにたい
めにありいさいの
事をきゝとゞけ
いかにもうちつう
此ほどみやこにしの
びおるよしきゝおよび
たりさてはもろたね
こうの御かたにあり
しやいのちごひの事
きゝとゞけたりよし
なをこちいかやうに
ともわれら
とりなし
申すべしさつて
そくしやういん
ありていへい太
をかへされける
これはより
ゆきのふかき
しよごと
ありてげき
ありてけきい
太郎の命ごひ
きゝ
とゞけ
給ふ大
りやうの
)
二月廿一日
ほどのち
とぞ思ひ
あはされ
ける
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さつそく御
きゝとゞけ
あつてつかい
にまいりたる
われらが
めんぼく
ありがたい
しあはせで
どざり
ます
十月廿一日
さて又ねものがたりむらのおくんは
これまであくぎやうをなし人の金
ぎんをむさぼりしも何とぞうぢし
ますをもりたてうぢきよの
さへくやみゐるほどのしんていあに氏つらのこゝろとは
さうゐし氏いらはひとすぢにちゝのかたきはあしかゞ
ごとのなりひとたびゆみひきてちゝのもうしうを
〽あみしてあしかぐどのへゆみひかん事はおそれありさりながら
兄氏寺よその身のあくぎやくよりおこるとはいへども
まつきくしばかげゆひろふさが父をざんげんせく
よりおとりすでにちゝのくびうたれしも
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
かげゆひろふさがわざにて父のかたき
といふはひろふさなりかれをばせめて
うちとり又にたむけん事わたくしの
しゆくゐにするばかりでなく今
とふらびいくささせんとそのごんようのためなるに
とかく氏ますはこゝろれんちよくにしてちゝのむほんを
はらさせんとみかたをかたらひみやこへほつぞくのあと
おくけはこゝろせきていろ〳〵に氏ますをすゝめけるにぞ氏ますきり
ひろふさよしなをこうにへつらひ
ちうしんをざんげんし
ねいじんをとり
たつるこうあく
たつるこうあく
かれをうたんは
ててかのため
なりいさや
みやこに
いぼりひろ
ふさをうたけ
といふに
おつことのため
じやことく
だざいのやう
てもつともの思ひ
たちわれもひろ
ふさにはいこん
あればさやうにこそ
思ひおれともひろふさ今はゐせい
つよくやしきのかまへもようがい
よくしたかふものもあまたあり
なまなかの事にてしそんじいぬ
じにせんもむねんなりさいわい
のはかり事ありむすめ
そのふはかねてよりかけゆか
しうじんなりこゝにしゆたん
ありとてそのふにむかひ申
けるはそのほうへみちへ
ならぬ事をすゝ
むるはいかゞなれとも
おつとのためおや
のためなれはいさ
ぎよくなつとく
すべしわれおもて
むきはかげやかたへ
かうさんのていにもて
なしそのほうをめし
つれかけゆかたへいたり氏
ますのゑん切たり今より
御身ののすみのごとく娘は
しん上申すなり何とそ
やう様とりなしたのみたし
いらさるむほんにんのはま
な家へきりをたてわれ
しよりやうにまで
はなれし事こう
われらほんりやうにかへる
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
くわいなりとおり
いつてたのみこみなば
もとよりこうしよく
みれてのかけ
ゆまことと思ひそのほうに心ほださめて
なつとくすべしさあらばそのほうよき
にかげゆをたらしおりを見合せ〽頃へつくし
にかりがたり
せうに
〽女わらべをゑばにして
ひろふさをうたるなど
とはひけう
みれんと思ふ
であらうが
そのそしり
をうくる
一はさゝいの
事一
かいために
ひろふさ
いすうたん
とする
大もう
しそわず
まじきばん
ぜんの左かり
ことがかんじて
がてけが
いたか
そのふ
どう
二日
なる
ほど
うづくら
い女中
じやわいの
下のつゞき
かいほうすかに
おくんはかくご
のしかい
かゝき氏ますをひき
いれていろふさをうたす
べしそのときわれても
もろともかせいすべし
なれは
と申ける小氏ますも
おもふ
さま
つき
こみて
あへなく
いきはたへ
にける人で
あたねて
ころに
とふらひ
此はかりことよからんと
そのふをひたすらに
そのふをひたすらに
すゝめけれはそのふ
はら〳〵となみだ
をなかしいかにおや
おつとのためなれ
ばとてみさほを
やぶりかたき
どしのひろふさ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
にしたがは
おくくの人をころせしつみそのむくひのがるべきやうなし
氏ますこうの御やんどアルとゝけたつ上はかねてかくごに
わか身なりやがてほんもうとげ給はそ
ちまつりにわが身をそなへまいらせる
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ことにかね〴〵うわさをきけばけんぼうと
御いとまと
やらいふほういんのしれう氏ますこうに
あたするよしわれ又こそはく此ます
こうにつきそひ
そのほうしの
さまたげを
いふよりあ
くわいけん
ぬさもち
わかのん
どにつき
たり
なすへし
人でこれ一
はや▼
はとおじ
ろきかけ
はや
三人
●うち
つれて
いそぎ
みやこに
心や此か
ばかりは
ゆるし給へ
とさめぐと
なきに
上へつとへ
おもむき
おもむき
るも
〽なにとぞ
今より始
そのふ事
御礼てみん
ねがひ
ふたゝび
ほけりやう
にき
かへるやう
〽父も氏
ますもそのふの
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
心をさつしもつともとは思へ
どもおやおつとのゆるす
ことなればみさほをやふる
}
といふにもあらずていぢよを
事なりとてさまぐりかいをいひ
やぶりててい女をたつるといふはこゝの
此所のゑ
のわけ
さてそれより
せうによりみつは
そのふをめしつれ
しばかけゆひろふさの
きかせおどしつするしつもしとういんせぬ
ときは父はかけとうおつとはゑんをきらんと
いふそのふはぜいなくあとにてはしぬるかく
こにいつしてをかためやう〳〵ととくしん
しわつたはよりに打ふしけるかでり
ときおくんのいふやう氏ますこう
せめてい事にひろふさをうたんと
せめての事にひろふさをうたんと
おとりなしひとへに
たのみ上ます
〽さがかひ
あるな
ある
きころが
さように
おゝせらるゝ
といたみいる
はてこれから
むかしなじみ
かくゐなく
いたしたい
やしきにすいさんし
しか〳〵のよしいひいれければ
ひろふさはそのふをどう〳〵
よくときしてさら
せしときしてさつやくせうにに
たいめんしけるにほうにのいふやう
たいめんしけるにせうにのいふやう
まで心友やり給ふはわか
そんねんのとゞきたる
とこかるこれにて思ひろく
いよにおしう
のためとて
われ。此かたへまいる事まことにめんぼく
にこれ
しだいもなく人〳〵の思はくもいかぐながら
まで
せんひをくやみほかに身をたるべきたよりなく
御身によりてゆくすへをたのまんと来りたりとこ
これまでの事だん〳〵こうくわいのていまことらしく
いひならべかね〴〵御志子もうにあひしむすめそのふな
ますのゑんをきりてめしつれたり何とぞいかやうにも御め
つかひ給はるへしとて身の上の事をなげき此上よし支を
こうへのとりなしひとへにたのみいるとなみだをながして
たのみけるひろふさ共じめのほとはせうにのしんていにはかに
われをしたい来りしはこゝろえずと心にうたがひゐたりしが
だん〳〵ことばのはし何とやらいつわりならざるやうにおも
われのちにはおくそこなく打とけてせうにをちさりし
かへしけるそのふ。をばとゞめおきてひろふさ今は思ふ事
かなひよろこびかぎりなくしゆゑんをもよほして
そのふをいろ〳〵となぐさめけれどもそのふはたゞそでを
かほにおしあてなみだをかくし身をきりきざまゆく
よりもかなしくいかにかたきうつ手だてとはいひながら
あまりといへば心づよき父上おつとの心もきこへぬもうらみ
かこちて心もうかずかほをそむ此てなくよりほかはなく
いつその事今こゝでしなんと思ふばかりにとつおいりとても
ひろふさにまくらをかわさん事うとましければいかにも
してみをすてんとは思ひたりしが又思ひなをしてせつかく
これまで父の心づかひつねのきしやうにうづてかやりやうなく
と思ふひろふさのまへにてついとうけいじくし給ひしは
さぞや心のうちにはむねんにおぼし給ふならにその心の
ほどもいたことしければことなく〳〵ひろふさの心にまも
みさほをやぶり思はぬゆめをむすびたまことにそのふの
心のうち思ひやられてあはれなり○かねてしめしあはせし
事なればそのあくるよせうによりみつ氏ます次へにて
ねものがたり
後又
つゞきもろともかげゆが
おしきにしのびこみ
あんないは
氏ます
見おきたり
かげゆが
しんじよの
にはさきにかくれて
そのふがあいづを
まちいたりける
所にそのとき
かげゆは▼
そのふし
かけゆ
▼そのふとたゞ
ふたりしん所の
ふたりしん所の
せうじあけて
なしよのふくる
までさけくみて
のしみゐたりける
せんざい
のつき山の
あたかに
ときならぬ
心たるのあまた
○もたせたゞふたりにはさきにおりたちつき山の
せうに
かしこにいたりほたるをとり
なぐさまんとそのふに手しよくを
させたゞふたりにはさきにおりたちつき山は
とびかふを見て
かげゆふしぎの
思ひをなし今ほ
あらずこれはふしぎし
と見とれいたりけるが
かきりにかずふへていかさの
にも見るめをよろこばしむるに
かけゆ大きにけかにいりさみば
にかしこにいたりほたるをとりて
きるのいづるじせつに
こなたにあゆみきたるとたちまちほたるはいちどきにきへ
うせたりこはくいかにとあきるゝところに木だちの
うぢますせうに両人おどり出ていかにひろふさ
ちゝ氏きよのかたきなんぢをうたんためにこそ
そのふをわざといりこませしぞ
思ひしれやと
かたさきひと刀
きりつけたりかげ
ゆおどろきぬき
あはせきゝかひけるが
両人にかなわず
すでにあやうく見へ
たるところにたれかはしらず
かけよりてせかにを大げさに
きりころしかげゆを過すけてつつたちける
手つら
せうに氏
ますの
両人は
思ひ
がけなく
ひろふさ
おくにはへ出
来るこそ
天のあたへ
となのり
かけてきつて
かゝりすでに
ほんもうを
とげんとしたりし
第六六
ところなにもの
ともしれずくろ
しやうぞくに
しのび出たちの
くせものはしり
出てせうにをひと
かたなにきりたをす
うぢますおどろき
そのものにうつてよゝれば
やれはやまるなとかの
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
くせものづきんをとれば
げき太郎氏づらなり氏ます
いがりてさてはあにうへにてわたらせ給ふや
さあらばともにちゝのかたきひろふさをこそ
うたんとしたまふべきにせうによりみつを
うちたりしははやまりて人たがへかいかにといふに
むかつて申けるはわが父氏きよそのもとにうたいたれば今弟武まま
からうりのもとをうちとるはつなれどもわれかへツてセうにをうつてその
もとのきうなんをすくひしはおり入て迄のみ入たきことあるゆへなりそれとてもわが
一そんのたのみにあらずうだいしやうもろたねこうよりの御つかひなりアやうじやうあるや
いかにといふひろふさきいてもくぜ給われとはかたきどしのそのそのもとわがきうなるを〽つきへつゞく
氏つらはそのへんじもなく氏夫すかたくはめもやらずひろふさに
もろともそのもとをうちとるはづなれどもわれかへツてセうにをうつてその
○
〽ヱヽなんぢら
ごときに
たばから
れしか
さんぬん
〽ちゝのかたき
かげや
ひろふさ
そのほう
いんがくび
〽こゝろを
ため
つくせく
かいありて
おのれと
こゝへうせ
たるは
うんの
つき
かくこ
せい
かゞきすくひ
給はるうへは何
事にもそむくまじ
ことさらもろたね
こうのおもとあれば
なをもつてのことなり
いさい申きけられよといふうぢ
つらうなづきてたあらばほかにてもなし
此たびもろたねこうのくわだて給ふ事
あり御身をみかたにたのみたしくわしく
はゆる〳〵かたらん此ものどもに
かまひなくいざくあんないせら
れよといふに氏ますはせき
こみ心をつくしいりこみ父の
かたきこよひこそ
とりて
れいに
たむけん
九つしおゝせ
たるところ
けんざいあにうへ
なし給ふは人で
なしふこうの
つみちゝそん
そのさまたげを
にあふとてもひろふさを
〽れいの御いかりは
思はずやたとへ
此身今こくにてかへり打
一しやま
さぬ
〽もろたね
こうより
のみつ
しよはい
けんめ
され
十二日
あんおんにはかへすましあにうへのみちしらす
がんせんかたきのひろふさへかせはあらは兄弟
とてようしやはせじさあひろ
ふさしやうぶくとつめくのるに
そのふもはからず父せうにの
ころされたるにとりみたししかいに
とりつきなきゐたるかおなじくせうにの
思はぬ人とそひねせしいくせんまでつくろうしんくにくちおしきをしのき心を
つくせしかひもなき氏つらしのゝふるよひとてもなき身とかくごせし上は
たれかれのようしやはなしときつてかゝるをひろふさとつて引ふせ
はたらがせず氏ますをば氏つらさへてうごかせず
そのふはくやしさ身をあせりなきかこちきやう
ことく
きのごとくもかけともいかにともせんかたなく
つちにくひつきなきかなしむにそ氏ますは
さゝゆる兄をつきのけ〳〵ひろふさにきつて
かゝるところへあたりの井の
うちより又もやくろしやう
□□□□□□□□
ごくのしのひのものかけあ
がりて氏ますときりむすひ
ながらかのものいふやう
此所はわれらに御ま
一かせありて御両人は
まつくいちぎのみつだん
かたなを手にとりてみつからとてもしづとにほんもうとげさせたいとていちよをあづり
あるへしといふにかげやもと
〽今よりそれがし
はからんたりかひ
あるなねつゝ
より心すぐならずもるたね
こうのむほけの事ないくたとり
こうのむほけの事ない〳〵さとり
ゐたりけるゆゑその身にも大もうを
おこさんと思ひおりし事なればさいはひと
きふくして氏つらをともなひさしきにかへ
らんとしたりしか氏つらにむかひてさるにとも
此うぢますとそのふの両人此まゝにせん也
○打むかいなんぢがむねのちいさきにかたきをうつ
ばかりをかうしんと思ふかや父氏きよどのはあしかゞし
みほかつぼさんと思ひたち給ひしゆへのさいこなりさるによつて
心がりなりいからはせんといふに此つらは氏ますに
▼うちとう
事これにくら
大もう
なかばにて
その身をほろほろほし給ふ
御心のうちをおしはかり
ぶればさゝいの
かうし
かうしん
なんぢも
此あに
うぢ
われそのむほんをうけつき
はたあげせん事ばつ身の
ばかりをかうしんこと思ふかや夫氏きよどのはあしかゞ家
かうしんかげゆどの一人を思
ぬじめがきり
たそ
とげ
(37.2.
右同断同右同
いふにかの一人の志のびのくをもの氏つらをなためてともかくもこゝは
われにまかせ給へわれ氏ますどのをすゝめ申べしといふにさあらは
とてうちつらはかげやとうちつれてゆう〳〵とさしきのかたへあめみゆく
氏ますものあてをおつかけんとするをかのものおさへてこへをひそめ
申けるははやまり給ふな申す事ありわれを見わすれ給ふか
われはねものがたり村にて御めにかゝりし五郎すけほん
みやうはあるほしいへいたなりうぢつらこうといひあはか
かげゆがやかたにしのひしはなにとぞかれをみかたに
つけんと思ふにつけやかたうちにては人めありと
かれがよふけてせんざいにむかひゐたるをこゝに
おびきいださんとてうぢつらこうのようじゆつ
をもつてときならぬほたるをあらはしまで
まとこゝにつりよせしに思ひもよらず
御身とせうにがいろふさをうたんとし給ふ
を氏つらこり見かねてせうにをうちたりしは
せいしつぎしんにこつたるせうにいち大じを
きかさぬためひとつにはかげゆをうたせ
われ〳〵が心をつくせしかひもなくさてこそ
御身をさゝへ給ひしなりさりながら氏つらこらの
けりとせうにがひろふさをうたんとし給ふ
心にはもろたねはじめかけつとても
かれらがちからをかるばかり大もう
しやうじゆせしらへにて御父
うぢきよこうのかたきその
〽ツゞき」「ガつたいせよさもなくば兄弟とてそのまくにはさしおくまじと
くきうたんにおそからずと
おぼしめしてのことなればまづ
此たびはかげゆがいのち御たすけある
べしとていさいの事をものがたり
何とぞ御身もあにうぢつらこう
にかつたいあれとぞすゝめける
氏ますはこれをきゝて今さら
ひやうぬけもくねんとあい
さつもなくゐたりしにそのふは
やまくなくめをはらいわらは
これまて心をつくし思はぬ人にはだ
しましらいめつといめさまでのむねん
一
もはや
氏ますがしにもの
此身のいんぐわかくごはかりとぬき身をそのまゝのんとに
つきたてくせたりける此ときふしきやあたりのくさむら
よりゑん〳〵といんくわもへあがりげんげんぼうほういんのすがた
あらはれわがいちめいをとられしたさいのせうにおや子か
六のちこゝにてうしなはせしはわからみのなすわさなり
うれしやほんもうとげたりとからくとうちわらふそのとき
又ひとつのいんくわも人たつそのなかにねものがたり村のおくんが
すがたあらはれにくやはらたちやせうにどのおや子のかたき
のがしへやらじとつえをとつてげんぼうをおつかけこくうを
たしてとびゆきけるまことにごうつうじざいは人のしうはん
つよきによりけるきくわいをなしけるかとあやし
つよきによりたるきくわいをなしけるかとあやし
くも又おそろししさるほどにうぢますは
つら〳〵思ひめぐらずに今氏つらのことは
かたきをかたんよりはむほんを
くちおしさをくらへしもおつとのためと思ひしりそのかひゆなくそのかたきもかたれぬ
しきとなりはやしはくちおしやあさきしや此身をむだにけがせしかへはいきながらへて
めんぼくなしことにちくうへのさいごそのかたきとてもおつとのあにもへかつ事ならぬ
〽まつた〳〵うぢ
ますどの
はやまるまい
からしんばるかにまさるとも
いふこれによりて見れは
くわだつる事かげ由をうつより
又わが心にてはちか
かたきをうたんと
するからしんよりは
きみにつくすちう
ぎは又おもしてん
おや兄弟
やとてそのよし
みはとるにたら
ずわれきみのためにいのちをす
ちゝがふちうのつみほろぼし
むほんにんのあにうぢつら
かげゆともにうつてすてん
もししそんじたらばそれ
まてとすてにつぎへつゞく
土蔵
ねものがたり
つらきやかたの内に
ふんごまんと
思ひたり
いや〳〵
しそん
しになり
たいめてするに
氏ますはもろ
こねこうむほん
事うぢつら
かげゆがいち
〽といりゆき
のやかす
いち〳〵に
うつたへ
石あんし
いへい太
のに
まへ
はわ
れは
しゆつけ
せんとてその
□□□□□□□□
ばはそのまゝにのかれいで
やりてくわけれいより
ゆきのやしきにいたり
おり入てみつ〳〵に
おり入てみつくに
申上る事ありと
いひ入たるにかねて
氏事をのせ、
ちよくなる
事より
ゆきとく
たゝ
なれば
入て
かげゆ
ひろふさい
おいがかの
思ふつぼもろ
こねこちにかつたへ
うぢ〳〵におり〳〵の
くわいがうむほんの
事のみしめしあはせ
ける所にあるよかげや
のもんせんに何もの
わざともしれず大きなる
せきたいにふちの花のつくりもの
さもうつくしくさきみだれたるを
うへこれにたんざくをつけてすて
おきたりにあけてもんばんの
ものども見つけこれはいかにと
さつそくひろふさにかくと
申ければひろふさなにとも
こゝろえず何ものゝし
わざなるや
そのたん
ざくに
こそ
〽つゞ
同
一一
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
上のゝゞき
しさいあるべし
まづ〳〵こなたへ
もち来るべし
とけらいに申
つけしにいんの
ゑんがはになをし
おきかかたんきく
を見ればいかしゆの
うたをかきたりける
〽こいついとんだことだ
そして此たいそうさは
なか〳〵ひとかく
ふたりではかたれぬ
〽こんなすて
ものがあるに
どうしてしら
なんだのどうでも
あとのいつ
がら
ねいつて
しまつた
ひろふさ
ぬかりがたり
〽これは〳〵いやはやこれは〳〵
いろふさはやがてもろたね
こうのかたへししやをつか
同しない〳〵氏つらいへいは
もろとももろたねこう
をまれきしゆゑんを
もよしかのふぢの
つくりはなのせき
だいを目どふりに
なをしおきこれ
こそは夜せんなに
ものゝわざともしれ
ものゝわざともしれ
ず一ッしゆのうたを
そへてわがもん
ぜんにすておき
たりそのうたを
見るに〽むら
さきのくも
かと見へて
いやたかき
みねにひろ
がるふちの
はなぶさと
ありわれ此
こゝろ
をかんがへ見る
にわれ〳〵が
大もうをしゆ
てせしうた也
むらさきの
くもの上とは
きるていの事又
しもの句にみね
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
にひろがるふぢ
のゝてなぶさと
わがひろふさ
といふ名を
たるは大も
十一
四
〽さて〳〵
る事な
くりはな
なに
ものゝ
し
でござ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
すでにひろく
むらさきの
くものうへ人と
見ゆるまでに
ゐせいつよきを
ひやうせしなる
べし又もろたね
こうも氏つらも
われもおなじ
ふぢはら家なり
そのうへもろたね
一手なぶさちう
なごんどのゝ
御たねなり
これによりて
ふぢのはな
ぶさとよみ
むらさきのくも
の上をしろしめ
さんとしゆくせしこそ
きかさうなれさりながらし
なにものゝわざともしれざるし
こともしれざる
こそ心がゝりなれといふにもろたねこうおゝせ
けるはまとにちんじといふべしさりとも
けるはまゝとにちんじといふべしされとも
今は夫とにちんじといふべしされとも
すこしも心づかひの事なしみかたにとりてはきつ
そう也われ〳〵がむほんの事よくしりたるもの
なせしわざながらまたしくわれくに心どよするものゝ
なせし事也もしてきならばるやうのことはいたさずとも
はやくそにけしことをはかるべきにさはなくしてかやうの
ことをいたすいなくしてかやうの
ことをいたすはぞくにいふひとつあなの
きつねなるべしそのせうこは御身かたの心
をはんだんせられしはこれみな御身の心に
おぼへあるゆへ大もうじやうじゆをしゆくせし
ものとはんじたりその心なきものに此かた
を見せなばやはりひととをりのふぢのうた也
これによりてそのこゝろをつゝみよそめにはそれと
おもわれざるやうによみなしわれ〳〵がめにばかり
さんにて
ぬかりがたり
その事とおもふ
やうにふみたる
つゝみかくその
心あるゆへまつ
たくむほんに
いちみがつた
をぬがふ
ものゝ
次へつて
なんでも
やたの
みかゞみ
こつちの
手にある
から大
ふで
じやう
ごさり
ます
なにものゝし
わざにもいた
せみかたに
とりては
きつそう
大もうじやう
じゆするせて
ひやうで
ござるて
〽しおほせたうへ
ではもろたね
こうはばん
じやうのきみ
われらは
くわんばと
つゞきしわさなるべし
見よく今にそのぬしの
出来るべきと申されければ
みなくよこ手をうちて
まことにもろたねこうのはん
だんきみやうなりとて大きに
ゑつきのいろをなし
しゆゑんをもよ
ふること。
ほしそれ
よりさまで
大もうのことを
みつだんし
しめし
しめしあは
せてそのよ
一銭五十一日
しんかうに
いたるまで
さけくみかはして
かへられける
しかるにしで
長正善兵衛
かげゆのかた
にめづらし
きふぢの
つくりばな
ありと何
ものゝ申たり
げんあしかゞ
ぶしやうよし
なほこうきゝ
たまひ御しよ
もうのよし
にてくわん
れいより
ゆきの
ししやを
もつてかげ
ゆのかたへ申つかはし
ふちのせきだいきみ
の御らんありたき
むねおほせあるにつき
しばらくさし上られよとの
ことなりけるかげゆはいはい
することかたくもとより
しさいのなきことなれば
とかのたんざくは
とかのたんざくは
おのれがかたに
のこしおき
やがてかの
せきだい
ばかり
けらいに
いひつけ
よしなほ
御やかたへ
おくり
ける
〽めがらしき
つくりば
ござるそれゆへ
はちうへ大ひやうばんで
わがきみの
御しよもう
そく
さし
上
ら
れよ
治
□□□□
22
〽いさい
まりました
しゆじん
かげゆへ
御ししやの
おもむき
申きかせ
ませう
まづしばらく
御きうそく
なされませ
〽ちとなんぞ御ちそうを
おゝせつけられい
すでにひろく
むらさきの
くものうへくと
見ゆるまでに
ゐせいつにきを
ひやうせしなる
べし又もろたねに
こうも氏つらも
われもおなじ
ふぢはら家なり
そのうへもろたね
こうはまさしく
はなぶさちう
なごんどのゝ
御たねなり
これによりて
ふぢのはな
ぶさとよみ
むらさきのくも
の上をしろしめ
さんとしゆくせしこそ
きつさうなれさりながら
なにものゝわざともしれざる
こそ心がゝりなれといふにもろたねこうおゝせ
けるはまとにちんじといふべしされとも
すこしも心づかひの事なしみかたにとりてはきつ
そう也われ〳〵がむほんの事よくしりたるものゝ
なせし事也もしてきならばるやうのことはいたさずとも
はやくそゆめしことをはかるべきにたはなくしてかやうの
ことをいたすはぞくにいふひとつあなの
きつねなるべしそのせうこは御身うたの心
をはんだんせられしはこれみな御身の心に
おぼへあるゆへ大もうじやうじゆをしゆくせし
ものとはんじたりその心なきものに此かた
を見せなきものに此うた
を見せなばやはりひととをりのふぢのうた也
これによりてそのこゝろをつゝみよそめにはそれと
おもわれざるやうによみなしわれ〳〵がめにばかり
なせしわざながらまさしくわれくに心をよするものさ
こそ心がゝりなれといふにもろたねこうおゝせ
なもりがたり
なにものゝし
わざにもいた
せみかたに
とりては
きつそう
大もうじやう
じゆするせて
ひやうで
ひやうで
ござるて
しおほせたかへ
ではもろたね
こうはばん
じやうのきみ
われらは
くわんばく
一氏つらば
つゞきししわざなるべし
見よく今にその如しの
出来るべきと申されければ
みなくよこ手をうちて
まことにもろたねこうのはん
だんきみやうなりとて大さに
ゑつきのいろをなし
しゆゑんをもよ
ほしそれ
これにて
よりさま〴〵
大もうのことを
みつだんし
しめしあは
せてそのに
しんかうに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
いたるまで
さけくみかはして
かへられける
しかるにしば
長正延喜
かげゆのかた
にめづらし
きふぢの
つくりばな
ありと何
ものゝ申たり
けんあしかゞ
ぶしやうよし
なほこうきゝ
たまひ御しよ
もうのよし
にてくわん
れいより
ゆきの…
ししやを
もつてかび
ゆのかたへ
ふちのせきたいきみ
の御らんありたき
むねおほせあるにつき
しばらくさし上られよとの
ことなりけるかげゆはいはい
することかたくもとより
しさいのなきことなれば
とかのたんざくは
おのれがかたに
のこしおき
やがてかの
せきだい
ばかり
けらいに
いひつけ
よしなほ
御やかたへ
おくり
ける
〽めがらしき
はちうへ大ひやうばんで
ござるそれゆへ
わがきみの
御しよもう
れよ
七
〽いさい
しゆじん
かげゆへ
御ししやの
しやの
おもむき
まりました
ませう
まづしばらく
御きうそく
なされま
〽ちとなんぞ御ちそうを
おゝせつけられい
三じゆのじんぎの内やたのかゞみ
よりふんじつとしにより
あしかゞぶしやうよしなを
こうへちよくめいくだりて
みかゞみのせんぎきびしく
おくせつけらるゝといへども
三じゆのじんぎの内やたのかゞみさいつころ
みさいつころ
いつかうにしれがたく
よしなほこうの
かたへはたび〳〵の
ちよくめい
リ百七第
これによりて
よしなをこう大き
に心をいため給ひ
さま〴〵に御せんぎあれ
ともその手がゝりもなく
くわんれいよりゆきにいかゞは
せんと御ざうだんあるに
よりゆきはいつかうに
さわがすおちつきて
今にわたくしせんぎ
しいだしさし上申さん
とばかりにてそのせん
ぎするていも見へず
ゆう〳〵とそのまゝに日かず
たちけるにぞきんていには
ちよくしとしてうだいしやう
もろたねこうざかしやうを
めしつれならびにげき太郎
くわけれいよりゆきにおゝせわたされけるは
氏つらをしたがへあしかゞのやかたに御入あり
ぬものがたり
さてもやたのみかゞみせんぎの事たび〳〵の
ちよくめいくだるといへども今においてかての
ありしよしれざるよしとうじ四かい一とうをしる
ぶしやうよしなをのはせいにしにかい一とうをしる
ぶしやうよしなをのいせいにてしれざる事ある
まじきにひつきやうそのせんぎなをざりに
やさしおくと見へたりしからばちよくめいを
此かろんずるとがかろからずあまつさへくわん
れいよりゆきしんこんをくだきいかやうにもせん
さくするはづ此ほどほのかにきけばおのがやしき
にはしいかくわんげんのみをもてあそびちうや
ゆうけうにふけりほうらつだじやくのふるまい
のよしてんかのせいとうをあづかる身ぶんににあはず
もつてのほかのふとゞきなりこれによりてきび
しく申つけよとりんげんのおもむきいよ〳〵
みかゞみのありしよしれざるはまつたく
よしなをはじめそのほうのおちど
なればそのつみをたゞすべしへんとう
○かにとけしきをかへてのたまひける
よりゆきはつと
れうぜうし
かやうの
事こそ
きんこい
のしゆご
たるよし
なをの
御ほう
こうなに
とてなを
ざりにうち
すておくべし
おしつけそれ
がしせんぎし
いだしさし上べし
事もなげにぞ
へんとうある
後藤
よりゆきかさ
ねてちよくし
もろたねこう
一にむかひ申ける
は何はともあれ
まづ〳〵御しゆ
いつくんさし
べしそれに
つきめづた
き品御なぐ
さみに御
らんに入ん
とかげ也
かたより
どりよせ
たるふじ
の花の
せきだい
をしよ
かんの
〽身にひかつて
くわんたい
せんばん
そこたゝぬか
よりゆき
つくり花とは申せどもまことによく
つくりなせしせきだいかやう〳〵の
事にてかげゆかたよりとりよせたり
これを御らんありて御しゆひとつとそれくに
いひつけようゐをさせ又かげゆひろふさ
をよびいだしちよくしの御ちそうやく
御身あいつとむべしとてけつこうの
ちんみちんぶつにびれいをつくして
ちそうあるそのときうぢつらよりゆきに
申けるはわれ〳〵
かやうのちそろに
つのちそうに
あわんとて
きたるにあらずかのみかゞ
みのせんぎばん〳〵といつを
かぎりともしれざるへんとう
そのいともしもそのありしよ
しれざるときはいかゞするや
その事をうけ給はりたし
御ねんにやおよぶべきたゞ今
そのみかゞみせんぎいたし
さし上申さんまづ御へけは
とうけへてきたいせし
このしゆ
氏きよのちやくし
おや子はどうざい
いふよりゆきことばをたゞし
御せいばいにあふ
べき所もろたね
こうのいのちごびにてしゆつけ
こうのひのちこひにてしゆつけ
とんせいいたすはづきもなく
おめ〳〵と此やかたへは何とてすい
さんせられしぞそのときもろ
たねこうおらせけるはなるほど義
たねこうおゝせけるはなるほど氏
つらしゆつけいたさするはづにて
いのちごひはかたしたれどもかうだう
に名をゑたる氏つらきんていにきこし
めされしゆつけとなさばさんりんにも
かくるべしそのほうかたにふちし
おくべしとのちよくめいをかう
むかわれらかたにずいしてのうぢ
つらめしつれたるがふしんなるや
よりゆきいふやうさあらばそれは
ともあれ此ふじのせきだいかた〴〵には
ありや人さゞ
御らんなされし事ありや又たゞ今はじ
めて御らんありしやいかにといふそのとき
みなくかほ見あわやまさしくかげゆの
かたにて見たるせきだいがてんのゆかぬより
ゆきのことぞと心にあやしみながらもろたね
こうも氏つらもわさどそしらぬていにて
にちがたり
御
…………………………………………………………………………………………………………
こは
さま〴〵
の事
を申
此所に
て見たる
がはじ
めてなに
しに見
おぼえ
あるべきや
とき
より
ゆき
いろ
ふさ
にむかい
ていつ
さく
やう
□□□□□□□
一こうをしやう
だいし此せき
だいを御らんに
なんと
いづれ
御へん
なん
いれたる事われら
よくしりたりこと
よくしりたりこと
}
に此ふじのはなに
一つしゆのうたをそへたる
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
はづなりそのうたに
〽むらさきのくもかと
見へていやたかきみね
にひろがるふじの
はなぶさとゑいじ
ありしなるべしさやう
のたしかなる事
ありながらもろ
たねこうにはなに
此せきだいを
たゞ今見し
がはじめ
なりとは
がてん
一ゆかす
と申ける
もろたねこう
ゐたいだかに
次へつゞく
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
およびなきむほんをくわざてやたつみかぐみをとりかくせし事われしるましきと思ふやすみすみをさゝいだされそのつて
にふくしゆへといふ春なくすつとばかりおどろきながらわざとことをそろへてくわごでなりよりゆきそのほうもいにくるふお
われ〳〵をむほんにんとは何をせうこに申つるぞよりゆきから〳〵とうちわらは
せいとうをあづかるそればしせうこなき事申すべきやいち〳〵にかたりきかす
べしさりながら長ばなし御たいくつなるべしたれかある申つけたる御ちそう
すやく〳〵こと大おんによばわりければかしこまるとつぎの間よりくんかい
ごとくさふらひぢうはかまのもゝだちりゝしく
みのみ。
じつ手とりなわつくぼうさす又あるいはゆみや
したねがしまめい〳〵ひつさげばら〳〵と此人〴〵を
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
とりまきたるはめざましかりけるありさま也
よりゆきゆう〳〵とせうぎにけりいざ
べき「何事を申すると思へはいらざるやきじめのことぞとてこそおかしけれよし見たるにも何でもあれさやういいらざるを
とですともみもみかゞみのみさくすべしとおそけるよりゆきいふすすなつちこれがみかゞみのせんぎなりおのくがたはこま
うじあしかゞけのくわんれいとして
よろこびむらさきのくもの上とは
きんていをひやうしみねにひろがる
ふぢの花ぶさと下のなにひろふさ
の名をよみいれたるはみかたに
心をよするものといひたること
よもやしつねるはいたすまじ
されども此せきだいの
これよりむほん人のせんきいたすべし
ぬしのしれざるはこゝろ
がゝりむほんの事
まづかげゆひろふさうけ給はれ
さとりし
そのもと此せきだいの
うたを大もう
ものゝし
わざと
ぜうじゆを
しゆくせし
うたと
おぼゆれ
ばはや
ほかに
ろけは
としかそ
あや
ぶみ
たる
ところに
そのとき
もろたね
こうの
おゞせあり
しはなる
ほどわれ
ちこゝみわすれは
いたさぬ
が大もう
一の事しり
たるものゝ
二てきならばかやうの事はいたさずとも
はやくそにんしことをはかるべきにさり
サア
じん
しわざ
ながら
まさしく
なくしてうやうの事をせしはぞくにいふひとつ
なくしてうやうの事をせしはそくにいふひと
あなのきつねなるべしそのせうこは御身
うたの心をはんだてせられしにこれみな
心に覚ある事ゆへしぜんとそこに心つき
じやう
してなわ
してなわ
けりめさり
われ〳〵に
心をよする
ものゝ
なしたる
みかたをしゆくせしものと思はれゑつき
あれどもその心なきものに此うたを見せなば
かた〴〵
かた〴〵
なんと〳〵
やはり一トとふりのふぢの花のうたなりその心をつゝみ
よそめには。それと思はれざるやうによみなしわれ〳〵が
目にばかりその事と思ふやうによみしはつゝみかくすの心
あるもの夜まつたくわずがむほどをかえしと思ふかくしわざならんともろたねこうのの言いたさが御おほへあるべしそれよりかが
つらがかやう〳〵にいひたる事又だめくがかなきたのはなし聞さのかゞみをぬすみとりかたし出く事ひち〳〵そのわきにてしめらんと
ことどもすこしもちがいな〳〵がんぜん見えきくみごとく何どきもりあつまり何どきまで何ゑんをなしおの〳〵何時にたいさいさせしと
いふ事までへはせつ水のながらごとくいひならへなるとものくがだいて〳〵むねにてきぢうつみんといふきすがのものもろたね
うちつらひろふさざつしやうといつわりつきそひ来りし井望伊平太あまりといへばよりゆきいかだしてそのせきい事どもかやうに一
くはとくしりつらんもとうりいちみのものゝほがたれゐ合せしとあなくつゝみにつたしひそくまなしよくもかくしりたるものかなと
おのくかほを見合せておどろきおそれくちをとぢてたれこれにこゝゆるものものもなき所に成つらまゝみ出てわれくをむたいにつとも
おとさんと大ぜいをもつてかゝろびらうのふかわひするはみならずむけめひかふさかたへまねかれありじのこのころざるせしなごことも
なき事まましやかにいひならべたれどそのもとがんせけ見えきくやもあらずまつたくのいづわりにあきうかなりといへばものみか
だんたしかに見きくたるといふしやうにんありやけうこさき事とるにたらずとことばのしたより大おんにてこのせうことえれに
ありとかつせきじごのつくり花ゆるぐと見へしがめり〳〵とふとふみくゞきあらわれ出しはすまな成ますとてすねあてに身をかた
めすろくりたちたるありさまに成つらはじめ人だれはとあきるゝばかり氏ますいさみていかにかたぐわれいろふこのやかたま
しのびほんゆうとげんと思ひし所あに玉づらにさへられゆうすをきけばむほろのあら。まちゝがをめいをすゝくはくことすなに
ふんごみあにうちつるひろふさもろともうちとらんとは思ひたりしがいやぐくしそんじてはいち大じてんがいきみの御ためには
おやけうだいとてもようじやにおよはずほのかにきけばきんがんざいにてやたのみうせたるもみな此むほんの人でがよいす
わざと思ふにつけひろろふさのやかきをのがれ出くわん長いよりゆきど給へとこさんしおの〳〵がたく哥やうすいち〳〵によりたへもかへ
こそむほねの名をよりほろひこれどわれにたびはまなのかめいをおとすは今此とき一めいをすてゝきみつためし一つのこうをもすよ
とあるよりゆきどのゝさしづにより此をきどいの内にしのびかさでがむほんのしだいちくいち立くいちららざるやみなよりやきどのゝ
其かりことかくあらわれし上からはまづ一ぱけす氏つらどの女たのかゞみのありしよをはくし分りしせつぶくせられよきやうだいの
よしみにはわれかいしやくし申すべしときくよりおの〳〵むねんのはがみのかれぬところと手つらは刀をとつてぬき木なしまがむほと
をうけつたそれが一弟とてもそやのがさじよくもかくはははからひたる故にくさもにとし思ひしれと切てかゝるをあまたのさむ
らいのがさぬやらぬとさでだり此間たかげ匂ひろふさはよりゆきめがけ切やかゝれどかねくひ又々大火のにとりまかれてしが
ものぐるいとたらひけるむほんのてうほどもろたねをいけどれと大ぜいがとびとうくをもつておつとりまくのくれぬ所
ともちたねこうたちぬきはまして有ぎたててゝし給へどもたおいにかなわずいけどられむねんねばがみをなしたりける
かゝる所にはたけ山よしふかのちなとしは所す手のものひきづれはそ来りゆきどのゝさしんによりつきやつゞく
にしがたり
後十二
つぎもろたね公の
やかたにふんごみいち
いけどりやこのかみの
ありしよをせんぎし
はくじやうせしもの
あるにまかせほう
ぞうにかくせし
みかぐみうばい
かへしてぢさんせりと
□□□□□□□□
にしきのふくさにつゝみ
たるをよりゆきの手に
わたせばよりゆきとつて
おしいたゞきさてこそ〳〵
みかゞみふたらび手に入る上は
とてものがれぬぎやくぞくども
手むかひいたすはむやくのさた
じんじやうになわかゝれときひ
しくげづして人〴〵をめしとら
とするにひろふさはたせいに
とりまかれたゝかひつかれていけ
どゝれい平太もひつしと
なりてたせいにくつせず
四ほう八めんにきつて
まわりはたらけども
やゝともすればあやうく
見へ氏つらとても心は
やたけにはやれども
しんたいつかれかな
一わじとや思ひ
わじとや思ひ
けんたちまち
けんいんを
むすび
〽氏
ぶくんの
そう
をさく
氏ます
□□□□□□□□
蔵
〽うぢ
てんじやう
にかてれ
たいさん
ぶくわのいとく
一によりてよう
じゆつをおこ
かふ事なり
一がたくきつね
がうしを
やぶり
われ
出火守様
〽あけ
アとや
ひろふさ
十一
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
◎
七
⑧
四
③
こなふ
ろとひと
しくかたち
一はきへうせ
又はあらはれ
せんべんばん
くわにはた
ごきあまたの
一人に手きごを
おゝせりてあませ
所に又もやその
かたち見へす
くわれいけぢ
してうちつら
いかにきくわい
のじゆつをおこ
なふともあしかゞ
ふしやうのいこう
をもつてたづね
さがせかり
いたせと
三十一
▼やかたのくま〴〵
手わけ
をなし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
所に氏ます
はせ来りくわい
さゑぶくんの
そんぞうを
同村
うぢ
つらが
じまつを
しやう
めつさせ
やすがさを
あらわし給へ
あらわし給へ
なむきめう
てうらいこと
てうらいこと
ひのるとその
まゝかのその
くわろめう
をはなち
ければ
氏つらの
よう
じゆつ
むなしく
どのゝ
やねなる
おしいぶり
あらぬれ
いでくち
此所に
身をひそ
め夜に
いらはひそ
かにおり
たちぶ
しやうの
にしなを
思ひたり
たいさる
ふくるの
いとくふは
ようしまつも
きへうてうんめい
くるのに
又もん
切て出いのち
くぎり
くらいける
あかぼしい平
太はついに
はさけ山
□□□□□□□□□
どみれ
つぎへつゞく
れすのかたり
つゞき一かけゆはあまた手をおひ
にげまはるを□にす見るより
とびかゝりておしふせ父氏きよの
かたき今こそ思ひしらせんと
さん〴〵に
切こるりしける
此とき氏
つらもはや
かな
思ひけて
氏ます
にむかい
てなんちか
ふるまいひやうりの
ふるまいひやうりの
やさたきくわいには思へども
せんかたなし弟といふも
むやくしけれどとても
こえめいきりまかわが
こんめいきわまかわが
せつふくたちよつてかいしやく
やよとすてに力をはらにつき
たてんとするをうぢますせいしてはやまり給ふなうぢつら
どの年てわれよりゆきどのにそしやうしてそのもとのいち
めのはもらひうけあるなればせつふくにおよばすわれとても
われとても又はまなのめうせきふたゞひひきおこさか
ねがひなれどもあくにんにもせよけるさいあにうへを
つみにおとしわれかとくをあけかんとそうぞく
せん心なしせがれ此太郎にめうせきを
あんどさせわれはしゆつけしなき
ちゝはゝの御あとをとむらはん
御とも今より心をあらため
しやか
せいし
やうをめつし給へ
といふうぢつらきいて
□□□□□□□□
〽もろたね
ひろふさを
さきにつかつて
たいきやうを
くわだて
せうじゆ
のそみかなわぬうへは
かねてのかくごなに
きやつらも又
いち〳〵ころしてわれ
めんぼくにながらへ
ぼうすあたまにそり
ほうすあたまにそり
こぼち又そんれいに
十わけがたつべきか
なんぢごときのじう
じやくひやうりの心に
ひきくらべみれんに
いのちをおしむそれ
もと思ふかわれこゝ
にて今しすとも
こんはくは此よに
とゞまが見よ〳〵
よりゆき今に思ひ
しらせんどかたな
さる手にやん手の
わきばらへつつ
こみひきまわ
してそのまゝむな
しくなりにける
あつはれごうけるきたい
の原七ものやと人〴〵
かんじけるとなり
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さるほどにもろたね
さるほどにもろ
こうはそのまゝろう
ごし又かきいれてるざい
いつてんのあるじとならんと
いつてんのあるじとならんと
たくみし事も水のあわヱヽ
むねん〳〵くちおしやなア
〽ヱヽあさまいうぢ
つらどのその心を
ひるがへししゆつけやば
いちめいはたすけ
おかれんとの
げんめいなんとく
よかゆきやたの
かゞみをもりたて
まつりあゝにんを
ちよりくする
〽もろたねこう
くわんゐをはがれ
さすらへの身と
なり
給ふ
うぢ
□□□□□□□□
つらが
しかいは
うぢに
ますにくだされあかぼしと
かげゆがくびは七じやうの
きれあかぼしと
かはらに
おいて
きやうも
ぼくに
かけら
れける
にかりがたり
後十四
いけごられ
むねけがる
〽ヱヽときいたらず
うかくとけいりやく
のわなにかゝり
かくやみ〳〵と
いけどら
ざんねて
〽とう〳〵おのれ
にして
やられ
むねん
□□□□□□□
おものたり
たいさんぶくんのれいげんあらたにしてじゆんをたすけ
ぎやくをうつのほうそくをあやまらせ給はず氏さよ
ぼうぎやくにしてしんせいにそむきしんかちに
おこたりついにほろびうせその子うぢますれんちより
せいけつのとくによりそんぞらのりやくをかこふり
ふたらびほんりやうにかへりけるなのいへをおこすと
いへどももとよりうぢますあにうぢつらをそにけ
いへどももとよりうち
してつみにおとせし
寐物語
□□□□
大尾
仏門にいりたる
ほうちんのしうねる
となればさき
たつてわれにあたせし
こはいへどもげんぼう
ういんのしうねん
氏ますていはつし
ます
なれば
せがれ
せかれ
10576
あらはれ
せんひをくひ
てぬものがたり
むらのおくん
もろとも
見てゆ
めさめ
ける
太郎にかめいさうぞくを
ねがいそのみはていはつし
ぶつもんに入けるとなり
氏太郎せいてうするに
したがひそうめいゑい
ちにして又きみに
ちうをつくしおやに
◇永寿堂版
かうしんなれ
しだいに
かもんはる
じやうしくわんゐ
しやうしんして
十返舎一九作
貞
い七
十返舎作
ゆくすへながく
とみさかへけるぞ
伊勢と
日向の
夢物がたり
近刻
全七冊
めでたし
勝川春亭画
一月
言
梅川
忠兵衛
□□□
二人
さんそう
全十冊
全六冊
鎗椎三梅鮭
山東京傳作
歌川豊國画
山東京山作
歌川豊国画
三ッ峯山三
稲妻模様堤鞘當
関屋伴左エ
全六冊
山東京山作
歌川国貞画
美濃屋三勝
隣同志假寐物語
近江のお兼一
ゑづくし読本
ゑび読本山東京山作
中本二門鳥居清峯画
未
山東京山作
金屋郡鹿子額縁全五冊
蘭斎北嵩画
十二丁
春
出世桜誉読歌
山東京山作
歌川国丸画
新
六冊掛
徳用語
河州大森塚全三冊
河州大森塚
板小夜中山城話全四冊
関亭伝笑作
歌川国満画
橋本徳瓶作
菊川英山畫
□□□□□□□
録
同
繪入
讀木
夕霧物語全部六巻
山東京傳作
歌川豊国画
右不残出板仕候江戸馬喰町二丁目角西村屋与八板
当時
同
村ものたり
いげんあらたにしてじゆんをたすけ
たいさんぶくんのれいげんあらたにして”しゆんをたすけ
ぎやくをうつのほうそくをあやまらせ給はず氏ぎよ
ぼうぎやくにしてしんせいにそむきしんかちに
おこたりついにほろびうせその子うぢますれんちよ〳〵
せいけつのことくによりそんぞうのりやくをかこふり
ふたらびほんりやうにかへりけるなのいへをおこすと
いへどももとよりうぢますあにうぢつらをそにけ
いへどももとよりうぢま
いへとももにおとやう
寐物語
□□□□
大尾
氏ますていはつし
卯十一
たつてわれにあたせし
とはいへどもげんぼう
ほうちんのしうねん
ます
□□□□□□
なれば
一せかれ
あらはれ
かめいさうぞくを
ねがひそのみはていはつし
ぶつもんに入けるとなり
氏太郎せいてうするに
したがひそうめいゑい
ちにして又きみに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ちうをつくしおやに
◇永寿堂版
せんひをくひ
ぬものがたり
むらのおくん
かうしんなれ
しだいに
へかもんはる
じやうしくわんゐ
しやうしけして
十返舎一九作
貞
くすへながく
とみさかへけるぞ
伊勢と
日白の
夢物がたり
北刻
十返舎作
全七冊
めでたし
勝川春亭画
□□□□□□□□
吉
文
梅川
二人
忠兵衛
老
鎗權三梅鮭
八
三ッ峯山三
稲妻模様堤鞘當
関屋伴左采
美濃屋三勝
隣同志假寐物語
近江のお兼
全十冊
全六冊
全六冊
山東京傳作
歌川豊国画
山東京山作
歌川豊国画
山東京山作
歌川国貞画
ゑづくし読本
山東京山作
中本二門
中本二門鳥居清峯画
未
山東京山作
金屋布鹿子額縁
蘭斎北嵩画
表
山東京山作
全三冊
出世桜誉読歌
歌川國丸畫
●新
春
六冊掛
全三州
河州大森塚
徳用語
板小夜中山燃話全四冊
関亭傳笑作
歌川國満畵
橋本徳瓶作
菊川英山畫
幸
一
一六
銀
繪入
讀木
夕霧物語全部六巻
山東京傳作
歌川豊国画
録し
右不残出板仕候江戸馬喰町二丁同角西村屋与八板
一寺二
同十八寺