四ツ家怪談

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一筆庵英泉畫
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場所: 江戸
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一筆庵英泉畫
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若狹屋與市
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ヨツヤカイダン
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
□□□□□□□ 尾上梅幸作 渓斎英泉画 よつやのくわいだん 東街道中四ツ家怪談 門出之魁 一全六冊前編 浅草境内の場 裏田畝の場 雑司ヶ谷四家町の場 尾上梅幸作 一筆庵英泉画 芝神明前 扉ヲ 聞博士 若狭屋与市版 壹 東街道四家怪談の狂言は忠臣蔵の世界に仕組て予が師雀。臺南北条 なり。酉の秋尾上梅幸。御当地の御名残狂言興行せしに。近年の大繁昌 古今稀なる大入にて。帳元は附返に枕を砕き。割元は名前の土間に天消を わり穴の売買紛々として市のごとく。茶屋は桟敷の云訳に困り。お客は 場所の裳を恨み。初日は後日よりも人の山をなし。後日は初日の日夜を 違へて。二日見揚せざれば。趣向のつぢつま全からず。惜かな狂言のなかば 見遁して遺惑とするもの多しとて。板元来て例の絵草紙にせん 事を需む。原来合巻の丁数かぎりあれば。絵組に卜書をゆづり。 せりふは其悪を摘て。只大意を施して以て。芝居好の絵解を待 立鳥跡を渇さずといへども。上坂の用意近にありて。再び校合の暇を 得ず。杜撰の罪をゆるし給へと。作者にかはりて省略て序す。 文政八乙酉初冬稿成 同九丙戌新春発兌 花笠文京 團體 於岩が悪異 □□□ 此口画二丁 は二十四丁 めの本文 ゆめの場 にあわせ 見るべし 名銭迄 幼 衛門 秋の 千草 斯ふも 変る歟 枯野原 一筆算 神谷以右衞門 名列花花 此ところの画は 十九丁ゟ九丁にわたる 文句に合せ見るべし 直助の權兵衞 神谷以右衛門 まくあきほつたん高野の家中 以藤喜兵へまごのおむめがぶう〳〵 やまひほやうのためにととも なひてくわんおんさんげいうば もろともにでいりのいしやびぜんを ともにゑまだうのあたりのちや 見せにこしうちかけていとう弁兵へ 〽けふはどうやらおうめがきあいも よいやうな〽アイおあんじなされ ますなこゝろよふござりますじ いへばおまきもいそ〳〵と〽おじやう さまのおきあいが日ましによふて おうれしうぞんじますおみやげに やうしなとおもとめなされておかへり おそばしませ〽ヲヽそれがよからふア〳〵 見せへいてもとめやれ〽イ〳〵さやう いたしませうじみな〳〵かたへのやうし 見せにとり〴〵これかれとゝのへんと するをりからにしだしのばいやく とう八五文きめうトよびこゝに きたるなを助とてこれもゑんやの またものらう人おらんだでんほうなきは 佐藤与茂七 名列花 つぎ おかむらとうは きめうの くすりと よびながら こゝへきたりて やうしみせの 女を見るより 「イヤおそでさん どうしてこゝへ〽アウ あつかましい〽もらいためを こゝへだせしいへばらうにんひざま づきそのほうどものなかまへいら ねばいつせん二せんのかうりよくを うけることはならぬといふおきての あるもわきまへねばかくらうにんの ひんくにせまりこゝろにもあらぬ そでごひにもらいしぜには一ッせん もつかひはいたさずこゝにあれ ども〽サアあるならきり〳〵 こゝへだせ〽ださにやア手ごめに ふんだくるとすでにかうよと 見えたるうしろへ〽〽申し まで見 れば とし よりを わいらは 手ごめに なんとする ソレこれ もつて きり〳〵 やけトくわい ちうより とりいだに 同金弐百匁 わたしもいまはるらうの 身のうへきのふこの見せへ たのまれて人のかはりに でるゆへやつぱりやなぎ 屋のおもんといひます 〽ハヽアそんならおまへは おもんさんわたしはとう八 おもんきめうのがれぬ中だ どれ一つふくやうかしやせう トこしうちかけていぜんに このよも七が女ぼのおそで つけつまはしつくどき しがいまはからずもこゝにて であひことばをつくして くどけともきゝいれもなく おもんはふりきり〽ちよつと いつて来やんしよトゆけば かうじさゝやくをきゝなを介はばんにたのむら やくそ〳〵してわかれてこそはいそぎゆくをりから むかふへあまたのひにんふかあみがざのらう人を 手ごめにとらへひききたり〽このおやぢはふてへ なを介あきれがほ〽なるほどしやうの こわいをんなだトいふをかたへのちや見せの 女ぼあの子をこどくはやぼな事おもで むきはかたけれどもはなしのわかる手だては □□□□□□□□ やつだおいらがなかまへいりもせず〽そでごびするとは三下へし 一 十 かねをこじ きにあた へしかば 〽こりやこれ おかね〽ハテ なによりな だんなの おさばき 〽みんなも きやれ おあり ゆき すきける らうにんものはかた ちをあらためつぎへ 名残補 つゞき〽こははからざるとちうのきなんをすくい くださるこしんせつかたゞけなふぞんずるめうにち きんすはさつそくへんさいとゆかんとするを ひきをゞめ〽コリヤしうとどのた門さま かみやい右ゑでござるたとへ女ぼう おいわめはしばしわかれてありといふ ともいまださりぜうつかはさねば やつはりしうとおやどふぜん 〽サそれじやによつてめうにちぎん すはへんさいいたす〽あきもある れもせぬ中のおいわはことにくわい にんなぜおかへしはくださらぬ〽わけは いはねどむすめよりこのしうと左門が きにいらぬきさまのこんぜうそれゆゑ ごようきんふんじつのせんぎさいちうおいへの めつぼうそのまゝにはなりたれども身ども そのとうぞくはきつとぞんじてをるゆゑに 〽あとりやい右衛門をとにぞくとなにをせうこに こくゐん〽ヱアイヤサあのかねははいぶんきん〽そのをり からはぼうくんのいまだごぞんめいのうちなればはい ふんきんはござらぬはつトとひつめられてい右ゑはたゞ せきめんしてゐたりしが左もんはそのまゝそでうちはらひ りゑん申いれた〽ソリヤなぜ〽さきだつてとの 〽おいわがゆひなふおびたいのかねにいち〳〵おいへの けふのしんせつきでんのかねこよひはかりるめうにちはきつと へんさいいたそうじゆくを笑前見おくりて〽やせがまんもひんからとも そでごひしながら かたゐぢもだいじを しつたのみならず はぢづらかゝせし おいぼれめどふて いけてはおかれぬ下 あとおひかけてゆく すがたものかげより いとうがむすめお物は 見やりうばおまき 喜兵へもとも〴〵 〽そなたのしたうあの こひびと〽まいちど おかほをそちも 見たいか 以右衛門を 〽アイ 〽わしも 見たいと まごの 手を ひいて うちつれ かへり かへり ける 二十二 女ぼはやぶのうちあんふく りやうぢきうてんのてんば かゝあが〽ほんによせさん このごろこゝのやなぎやの おもんさんのみぜへたの まれたときのふから でるうつくしいしろもの おまへしつてゐなさる かトとへばよせは〽さやう〳〵 いふをんなをはなしあいてに 〽できるとも〳〵こうしてよべば でもわかるしほうはあるぞへと ともないわが家へかへりける ○ゑんまのきうをすへてゐるむす からにはなしのをりからにゐあはす はなしにはきいたれどもまだ ひとつきでもまたはん月でも十日 見はせぬゆゑしらねどもそう めをかきしかんばんはきうてんどころと しられたるをばへならべてあんふくそくり 世をしのぶ身。小間ものうりよそはふろしき つゝみなるにをせおひつゝちや見せへきたり しられたるそばへならべてあんふくそくりき りやうぢどころとしるしたるやぶのうちのたくゑつが 茶 人めにかゝらぬへんびのすまゐかどぐちあけて〽たゝゑつさへ おきやくをおつれ申たきうがすへてもらいたいとおつしやるゆゑ 口上〽すべてこのくわんおんけいたいの場 よりよつやまちの坊までは大里やくの よりよつやまちの場まては大里やくの あらましをいふのみかみかずかぎり ありて〽おんぼうぼりの場 〽三かくやしきの の場 くわしくしるし たればその ぜんごは かみかず わづかに かき とり がた 〽ハヽアそれはありがたいマア〳〵こつちへおまへはがくだうのおかみさんつぎ人 またゆゑありて もらせし事あればきやうげん とはこと〴〵くちがひありその たらざるはよろしくさつし給へ と申哉迄 こつゞき「おはいんナさいトいへば女ぼは なを助をともないうちへいりながらおもんさんおめへもやぼを いふもんだらうにんの身の 〽このおきやくはおもんさんをよんでいふもんだらうにんの身の きうをすへてもらたいとは ひんくゆへこういふとこへも てる身ならたとへ 〽それはよからふマァあぢら さけのむあひ手には ともなへばほかにもきやくが ならずともしつた□ 二三人。きうをすへるにこと よせてさけやさかなを とりならべしやくに をんなをよびに やるその中 やどのたく ゑつが〽モシ おまへさま方の 病しやうに よりいろ〳〵な すへかたがござり ますぞへくびのやまいは 九つさんりが三つしりの びやうきは四つめをまわし たらいわずとしれたあしのひら ふくろもぐさでいぶしますう はらたつもしとらせなかひつじ のかしちさるのしりのそみしだい はなしのうちにやなぎやの おもんは人めをしのびあし 一むかしのよしみかねも かすまいものでもないじ かずまいものてもないし なさけのことばにおもん もしあんしばしが もしあんしばしが あいだかりられる おやあねのなんぎも すくはばやとおもひなを して心をかへきうを手にもち るを助を かねならかりてぎりある のかしちさるのしりのそみしだいすくはばやとおもひなを 中ゟおも さき たち おつれ 申た おきや く さんは おもん さんに きうを すへてもらい たいといはんす にんのおやのひん くをせめてはじ わづかのしろに やとわれて おつとにわかれちう びるはでつ よるはこの やにきう すへのをん なにやと われその 日をおくる やうじ見せに ともなひひと まへ入りけるし をりからは下へし たつき さへきう てんの ほそき けむ すへ竹 りの しろと なるひんくにせまるぞ ぜひもなきざしきにきたり なを助がかほを見るより びつくりぎやうてんどふもおまへに わたしはゑんりよしいへばなを介 白銭毛 ゆへちやつと かへ下かたへに きうに かぜは ぶたててトあんどふをのぎへし だいきんもつびやか すがたあんどふさへもびやうぶの かけくらまぎれには見へね どもいとあてやかなるもの ごしに手をとつてひきよせ つゝ〽こよひはこゝへぎうすへに きたれどさいはび人もなし なびくこゝろがあるならばト いへばおもんははづかしげにひやし こればつかりはごめんなされて〽フウそん たてゝのしんぢうかそんならこふいふところへ くるのも〽それもひんくにせまりしゆへわづかな びやうぶはじめてふたりかほ見あはせ〽ヱヽおまへはおつと よも七どの〽そちは女ぼのおそであつたか〽おまへは よふ一アまめでゐてくださんしたアおまへにわかれてはづ かしいつらいかなしいこのやうにひんくにせまる女の身の かしいつらいかなしいこのやうにひんくにせまる女の身の うへどふぞあひたいたづねたいとおもふかひなく月日を おくりぎりあるとゝさんあのさんのびやうきを見つぐ よすがにとひるはやうじをうる見せへやとわれよるはこの この身このやうなきうすへをんなにやと はれてもわだくしはねがひのある身のうへ ならいひなづけでもあるゆへにみさほを 〽マきつけて女ぼは〽おもんさん〳〵トよべばおもんは〽アイ〳〵ト こゝへきたれば女ぼうは〽サアしつぼりすへてあげさんせじ ふすまたてきりいでゝゆくあとによせはおもんが しろにやとわれてそれはともあれちよつとこのまに 〽そればつかりはじふりはなすひきあふひやうしにたふれし 名称 おそでを見 かへりひんのぬす みといふことあれば もしやひんくに せまる身で 〽イヽヱなんの わたしがざい 一ぜんあの なを介 どのがこの かねかして やるほどに ひとよの なさけと むだいの かへしてあげ れんぼさう いはさんすりや よふ〽そん ならかの かへして しま やれと いはれて おそでは さいふの やふにきうすへをんなにこの家へよばれ かなしいうきめをよも七どのすい りやうしてくださんせイヤそちが いひわけくらい〳〵さだめしおれに わかれてのちこふいふ所へやとはれてくる にはほかにしさいもあらふおほくの きやくのあるなかにはむりむたいなる かりはさいぜんもおまへのいはんすやうにいふぎやくがあつ てもいひぬけてよそながら身のかなしさをはなせば かねをくれてゆくおきやくもあるゆへおくのまのきやくは これこのかねざいふわたしにしばしかそふといふて下 ふぎいたつら〽イヱ〳〵おまへにたてるみさほそればつ かねのいりたるきいふを いだしふうふかはな 〽こゝの ゑの しを立ぎくなを助 びやうぶひきのけ わけ つぎに どづかとざし〽この をんなは大どろ あり ぼうだやうすを きけば此やらうも なにかさゝやくはな しのやうすきうをすへ るにまわしをとりかねを さいふのまゝでぬすんだ 大どろぼうの女をたす こゝのていしゆもうはめへとりトいへばよも七丑 七 千銭毛 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 述 まゝ〽けアもどす ぞへトなけ やれば〽それで いひぶん あるまい トいへば なをぬ うけ とつて 〽しれた ことだ やしやう 女 いふ まもあら せずかどぐちより 〽なを介こゝにな さつきからたづねて あるいたてつきり こゝにゐるてあちふ とたづねあたつた こそさいはひつぎへ 下ゟしかんぢやうすましたりやごよびは わたしがうちへきてひさしふりで よも山のはなしもあればそう だんも〽そんならこゝをぶたり していつしよにゆかふかこの 家のあるじにれいいふてト たくゑつにさか代をあたへて ふたりうちつれ立いづるに女ぼが てうちんをかしてあげようさしだす すがたをなを介見かへりて〽こひの かたきのよも七め「ふたりゆくのが うらやましいり〽かへりをおつかけてう つゞきサアおやかたのしきり くすりのうりあげきり〳〵たぜと くわいちうのいぜんのかねざいふ来るなをかが見 とつて〽コレなを介おやかたのほうのしつたすがたとかけ かんぢやうもたゝずくすりのうりさきよつてだましうち にたつたひと にたつたひと ひきおいだらけそのこんがすりのうわつ小たつたひと ばりもしきせだめいでよこし つき〽おのれ おれじまるはだ よも七こひの かにしてばいやくうり かたきかくご とう八きめうトいで ひろげと ゆきけりおぞでは とゞめの よも七にむかひ かたな さつぱり この 上へ まく おい 印ゟ身の上 けふはからざる きうなんを以右衛門に すくわれこゝろよろこびず すごくかへるたんぼみちおひ かけきたるい右ろが〽あくじを ろし いけがきをふみわけ しばしの身 しばしの身 ぬけつらのかわ はいでくりやうト ほうづらをひき めぐらしてめん ていをやぶるおりから ちんめあてに〽なにがどふしたトいふ をりたくゑつなを介に〽いちもん なしのくすりやどのトツトとでてゆり しやれトおしやりかどをひきたてける ○いとものさびしき中たんぼちうぎの ためいものもらひすがたをやつす ゑんやのらうにんおく田せう三郎は はからずきのふくわんおんにてこほう ばいよも七にあい喜みへがために とられたるくわいぶんでうをとり もどしわかげのたんりよをねんごろに けどつたおいぼれめかくごしおれとうしろ かりきつてかゝるをぬきあはせじばしあし らふろうじんのよろめくところをつけ いづる人おとにくら まぎれにもすろし 見て〽い土しさまか 〽なを介か〽こひの こんですかさずきりさげ かたきの とゞめをさしかきをふみ よもそめを こへたちさりける 〽くやおれ もおい ぼれ たもん めが わが いましめられてよも七とこよひも 身の 岩 きう あく しつ さひにんの こゝ にてみつ じのそふだん しばらく かまくらおもてまで かたきもろなをが やしきがへのおもむき しらせんためにわづ 二かのあいだとかみらがゆ すがたに おのれがいるいを ぬぎかへて女郎の したにてかりてきたる てうちんもろとも わたしつゝ二人はわかれて いそぎけり ○よつやきもは るらふの印へ きつた 一つい すてた 〽こふして おけばしば しのみぬけ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かわをむいて おきやした そぎへ かゝるおり から見 ゆる人かげ にみつけ しがいにたち つゞき〽そんならおれも このつらをし左門が られじと さんがきられてゐさんすどふ 妙ゆいへばおいわは〽ヱヽきみの わるいト立あがりつまづくしがい おそではびつくり〽こりやにもそ しやうぞいのトうろ 内むねにせきくるなみだ おいわもともにおどろく むかふにちゝのたもんが しがい〽ヱヽとゝさんもきら れてしんでゐさんすぞい 〳〵とふざ どうせうぞいトをんなの がる図 はらからふたりが なけきぞとうりなる 二人は かげを しばし しのびて うかゞいゐる かくとしらねば たもんがむすめ おいわはおやのかへり さへおそいはもしや何ことぞ あるとてしらするむな さわぎかしかりのちぎりは むすばねど身のたつきさへ なりかねしびやうごながらも つぢぎまのころか つぢぎみのすがたながらに さまよいてあんじるむねを なでおろすむかふに見ゆる てうちんのあかりはおつと よも七にこよひたま〳〵あやた おまへ のごびやうき せめてと おもふ をなごの かひなさみち ならぬとはおもへ どもあふ人ごとにわけ うきめ〽わしもどふやうとゝ さんがそなたやわしにしら いふてはだけがさねどいやしい をりからい右衛門はしり いで〽〽〽こにゐるは おいわか〽おいわか〽いわか〽いわか〽いわか〽いわか〽いち どのとゝさんが これこのやうに きられてしん てじやわいの 一トじやくり なきいしろ はおどろき がほ〽十二 しうと ごが 人手 に かう ございご とや たがひにかほを見あわせて 〽おまへはあねざん〽おそでゝ あつたか〽此くらいのに あつたかへ此くらいのに此やうにとはなしの とこへマアまだごびやう きもおひだちなさ れぬおまへの身見 ればどふやら下 あねのすがたに めをつけるをおい わはまぎらし 〽こよひはとゝさんの おかへりがいつも おそいゆへおむかい おそいゆへおむかい ながらでやうと すりやしつての とふりかさはなし このいとだてをひつ さけてそれはそうと そなたはわしに かくしてどうやら つらいやとひとやら のみまたいづくへかわかれみち あとおひかけてくるおそで たがひにかほを見あわせて身はけかさねども 〽おまへはあねざん〽おてでゝ 此やうにトはなしの うちにてうちん にておそでは あたりをてらし 見てさりやちが 此やうにこぼれて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ うわさにきいた身のしんく かならずふ義してたもんなや 「わたしもとゝさんのひんく きやくにわけいひ 身はけがさねども きいたゆへやつぱりこの のみまたいづくへかわかれみちさいでそでごひなさると やみ〳〵と まいなさけなやともになげくと見せ かけるをい右ゑはすかし見てなを介か下 いふにとりつきさしぞへにすがりて〽なむあみだつぎさ よも七どのが此やうに人手に ことはうたせまいに 千五郎くちをしい ぜふりじや〳〵 〽もつともじやト ともになげきの をりを見てなをぬ ははしりいでおそで さんか〽なをぬどの ゆかつてしな しやんした ぞいなァ 〽ナ二よも七どの 〽ナ二よも七との 一がきられたヱく いまひとあし はやくばかくやう くとはころさせ と口浅花 名西荷 わき ふつト じがいのてい い右衛門はおしとゞめ 〽こりやなを介なんで しぬのじやアイヤわしは とふもおそでどのへたち ませぬけふやぶのうちで よも七どのにはからずおち あひわづかのものいひしだれ ども それをねに もちこの やうにころ したかとの 身のうへそこはな してころして下されも うたがいをうけ てもぜびなきわしが 右衛門 〽イヤ そのいひ わけはもつとも なれどもとより 左もんどのもよも七 やみ〳〵と人手にかゝる人たちでもない同 どのもふたりいつじよに わかれしなげきは ことにその ほうははもの もたいせず そのうたがいは すこしもない ふびんなるは おぞでどのおや おつとにいちどに さこそふ二せびも なき此ばのしぎ じいへばおいわは 笑荷に〽おやの かたきをちからを そへてうつてくだ さんせ〽およばず ながらおやの かたき里べつは しても さりてう やらねば どもかく もわが 身はひき とり 三の巻へ かけおちいたせしふとゞきものさつそくたうにんを 三の巻がちからとなつて ならかたきを〽うつてやるはサト いへばおそではしやくりあげ〽うら やましいあねさんは力とたのむ お人もあれどおつとのかたきを うたふにもたよはい女のひとり 身でとてもながらへゐようより きうじやトありあふたもんが かたなとつてじがいと見えければ ○ゑんや らう人 神谷 以右衛門 そうしが やなる よつや まちに 見あたりしだいきつときうめは申つける 〇右衛門あはておしとゞめ〽いま しんだとてみらいにておつとに せわたるたつき あふて何めんぼくおやおつとの からかさをはつて かたきはだれがうつそれより ながらへじせつをまちよくめい はくなるなを入がこゝろせうねを ちからとたのみしばしおつとに 〽しやといふて今までつれなふいふた のに〽ハテ藤いしよ女ぼにならず ともおもてむきばかりでわしがふせうに おもながらもちからにゑつてしんぜませう 〽コヽさいはひいもとしばしがうちでもちからとせがれとるいふゆへやとひに そのみ〽そんなりかりのふうふとなり〽このばはかゝへししもべ小平神やの ひとまづトうしろより二人りのひにんい右衛門いへにつたへしものそめきせきト なを介をさゆふよりめがけてとりつき〽人ごろ わづかのちんしごと しゆつぼんなせしやとひの いもの小平がおやまご兵へを よびつけて〽そふいへばいま三日が あいだ日のべいたしてつかはさうが このほうもかないのさんぶ ぶわんゆへこのたくゑつが くちいれにてそのほうが 身ながらもちからにゑつてしんぜませうくちいれにてそのほうが さがしいだしくすりをとりかへしぢさんなさずば此ほう そのほうたとへろうじんとてなを ざりにするならばやうすにより そのぶんにはすのせぬぞまごそへ はかしこまり〽ハー〳〵いやもふ つね〳〵りちぎなに平めことに 女ぼ子までござりますれば よもやとはぞんじますれど ひんくにせまりもしひよんな こといたしたかも それませぬ さつそく をわけ とてもさがし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ゆくへを たがね ます るにとそ いへにつたへしものそふきせきと いふこふやくいかなるなんびやうも けるを見事になけのげてたがひにうなづきわかれけりへいゆなすそのくすりをぬすみに おじひに お日のへ 下さり つぎへ ◯浅毛 名西米 つゞきしそこ〳〵よいでかくゆくたくゑつもうぎのぬすみゆびをおられては こゝに来あはせぶにんを見かねておしゆうさまやおや女ぼにはごくむ きんぶのかんびやうおぎやア〳〵トことができませぬこればつかりはごめん なくこゑにいはちはつゞまきてなされおたすけなされてくだ 〽ヱヽやかましいがきをうみやアさりませ〽そりやぁわれがかつて がつてたゞさへくるしがりの中でといふものちうぎのための いめへましいくらいつぶしだこれがぬすみなりやゆるすといふ いやさにしろふとは女ぼにおきてがあるかめんだうな もつめへとおもつてゐたいだゆびすめてやりませう ト又はりかけしからかさを たかね小手にいましめて はりつゝくすりのせう女きたかねにいましめて ぶりおもてへ入り来る すでにゆびをおらんとする あき山とうとへ〽コン おもてへおもてへあん かみは合此こんにち ないしていりくる りん家の せつしやが小平めを 見あたりましたゆへ そのくすりすとり かへしてまいつたが きやつほんじやうの三人は小平を ほうへまいるつもりとおくへともない行 見へました〽さやう〳〵うばのおまぎは かれがおやは寺町に をるゆへみさくたう人にて 〽くわんぞうばん合とらわたすちのみちのくすりに へてまゐるくすりはこれ〴〵 へて書ゐるくすりはこれで ござらふトさしいだせば〽いかにも いとうの そのくすりすとりうばおり わるしとや 三人は小平を おくへともない行 うばのおまぎは かれがおやは寺町にさけさかなたづさへさんぬ をるゆへみ二くたう人には そへしうぶぎまでいたみいつたる 見まびものおさんふさまに おいわが見まひもの御右衛門に お目にかう しゆじんの里 さんとせう じのうちへいる あとにあき山せき口 いできたりさのはひ いとうの見給ひ ものひらいて いつこんくまん とてにしめの きりだめおし ならべひやざけ のんでゐる所へ しち屋のてだい ひこみんが〽モシ 口右衛門さまはおるす かトいへば□右衛門 たゝにするトの 此しなにつくいやつでござるとを せき口くわん蔵下アばんぬ 小ほとけ小平をひきずり きたるい右ゑはめにかどたて 〽コリヤに平わりやにつくい 〽コリヤ小平わりやにつくい 女つたとへいちにちたり ともしゆじんとなしたるいへの くすりぬすみとつてすまふ しおもふかきんぺんのほうゆふが かくべつにおほねをおられゆく ゆへなくとりかへしたれどいごの 見せしめゆびを一本ツゝ 十本ながらをつて くれるぞ〽イわた くしもおしゆう さまのらうにん なされなん びやうでござる がおいとしさ 女ぼ子まで さま〴〵による ひるわづかなあき なむしてかくまい申 こんきうな身のうへその へをせん義さしやつたゆへくすりは 此しなにつくいやつでござるトはなす折から おくすりがのませたきついみちならねど 名曳死 こたへにひことへこれは めづらしいおやどかといつて くるといつでもおるす けふはるすかといふてきた ればうちにゐるとばよつ ぽどあだらしいときに だん〴〵のび〳〵に なつた五両のかね そんれう代の三ぶ 二しやけふはぜひ かんぢやうして下 かんぢやうして さりませたな おろしのてうめんが 〽あひませぬイヤ〳〵 もふまたれぬ〳〵 〽それならばこゝに ありあふこの ありあふこの 母くすりこりやらうにん してひんくにせまれど いまにはなさぬそうき せきといふいへのちやうほう しうりしろなせば斗両 人なれども五両のがも みゆかたにとふぶんゆづ ともかつておかつしやい 〽そんならこれを一つぎへ 名西ノ不 ほうのかたがつかずば しろものをトさん じよへふみこみ こはだかにいふを ゐあはにおま きがなだめ もちあわせ 〽そゞきあづかりますが三ぶ二しゆの □□□□□□□□ 深沢 たる一両の 小ばんをわたせば ひこ兵へはよろこび いそぎかへりゆくい右君は おまきにむかひだん〳〵あつい ごしんせつよろしくおれい じめんぼくなさうばはそこ〳〵 かへり行あき山せき口くち〳〵に りん家いとうはしんせつにたび〳〵の こゝろつかひれいながらきでんゆかりしやらぬか 〽イヽヤ身どもはゑんやのらうにんいとうは高望の けらひそれゆへにせけんのおもはくよぎなきぶさた いたすのト二人かはきいて〽なるほどそれももつともなれど ちよつともゆかずばなりますまいトいふにおいわも 子をいだきさんじよをいでて候右前に〽となりへ れいにちよつとなりといつて下さりませじ すゝめられ〽そんならどう〴〵いたしてト あとはあんまのたくゑつにるすをさせ おさなにいだきゆりあげ あたりのちやわんにさゆを つぎくすりをのむよりたつての くるしみかつてに夕めしたいさ ゐたりしめんまのたくゑづこのもの おとにかけきたりこれはと おどろきかいほうなにとだ なのうちにはいましめられし 小平はこゝをのがれんと あせるをたくゑづ そふほうなだめつかい ほうしつこれは これはともて あましさんじよへ おいわをとも なひいれぬ ○さても い右衛門は 一藤兵衛 一くわん蔵 にとも なばれて りんか なる いとう き兵へ とだなへいれし小平めをあがさぬ やうにといひつけてうちつれたちて いでてゆくあと見おくりておいわは くりこと〽ひごろからじやけんない右ゑつ どのこのやうにはじめてのおのこ子うん でもうれしさうなかほもせずくびつぶしじやの やつかいじやのあし手まといとむごたらしう いはれてゐながらこうしてゐるもどうぞ かたきがうつてもらひ たさあさなの夕 なのけむりの しろつきてこの 身にのこりしは かゝさんがもの ずきでおもち なされし此さんごのくし 一チまいきくかさねを むねにこふうな ぎんさいく こればつかりが 此身のかたみ ヲゝもふいり あいじやそふな とふやらめまひか するやうなさいぜん いとうさまからもらふたくすりト回 名桟陀 たくに いたり おもひがけ やくとてき兵へばにばんの さひをあらいておりみな みなへちそうのさかなはなき也 間 ごとくとりこみ ければいんき ならび なきかま くらどのゝ おぼじき かうの もろなを がけらび しよだい めうより けんもんにて きん〴〵あくたの 三 名東村 なひいでさま〴〵のひきてものをい右ゑにあたへ むすめお梅を女ぼにもつてもらいたいといへば いちろはとくしんせずきりある女ぼうおいわある うへはこのぎはせけんのきこへもいかゞとたつてこと はりとりあはざりけれはおうめは見そめしその日 よりこひのやまひにおとろへこがれなほくわん おんにて以右君にあふておもひのどふでそはれぬ おんにてい右君にあふておもひのとふでは えんならばしんでみらひでふうふじやと思ひ つめたるむすめぎのすでにじがいと見へたるを 見るよりきとへはい右しにすりより此こと せういんなきならはわしをころして下さり ませかなはぬうへはおいの身のまこが いへのひほうのどくやくてうがう なしちのくすりとておくりしはいのち につゝがなけれどもめんていかはる きたいのめうやくのませたうへで おいわとのあいそつかさせまご めをそはせのぞみをかなへて やりたいとわがたくんだるけい りやくも水のあはとなるからは とてもいひわけなきおいぼれ ころして下されかみやどのト ころして下されかあやとい のつひきならぬてづめといひ ふひんと思ひしよりみちならねともわが つゞきすいものわんもみなにつぶしさいぞあらんと おもふうちごけのおゆみがむすめおうめをとも 岩 やらねば ならぬくし □□□□□□□ かふかい その代きん とやぶに まん いひ をりしてくれ ぐわんの かり たくみを しらねは おいわは かゝるむりいふ こともまゝありと 思へはさま〴〵に とかく おつとの おつとの きしつ 日ころから ことはり またひとつにはいとうにつながり かう野のやしきいりこみなば ぎしのめん〳〵手引のひとつと 思ひさだめしい名え よふすをざとる はなされ ねばうはぎをぬいで じゆばんひとつこれ なともつてゆかんせと いへば 蔵とり もちがほ にかみやを とう兵へくわん いい右衛門 ふそく 入らしく なか〳〵 さとせばきつ たらぬふる ときんてう あはせかやに かためのさかづき さつぱり こよひすぐさま ひきとらんしる きがつかぬは みれんいはずに しはこゝでない しらげんとさす やりおれとひきはづしゆかん がに武士の義りに とするをそればあんまり せまりうけひきてアそかへりけれ どふよくなわたしはとまれ ○おいわはたつてのくるしみにこゝかえ 〽おさな子がかにさゝれるをなんとせうこれはゆる がたくおもひしがほどへてかほのねづもさめ してりやうけんしてトいへどもきかぬい右しがもし かがくふならおつてゆれおやのやくめだせむがない くらうちよりいづるを見てゆんまのたくゑつぎよつていへんのかるくはならおつておやいやいやくめたやうな とかたにおもろけどもことむつかとをしらぬやいあふらをいよいとぐちなおなじゆんとするをとめるはい しますと世にをうけとりつふゆきはおもてのかたなけいでけるさをもいなしはみにおいといめはな〳 世のゑんちのしたゝるを いとうのいへを立かへりほろもひきかたゞひとりき兵へがとばおほかなとわがやへ世のゑんちのした 見むきも くかめたりとすい〽おいわがいわが心におどしきとアめうやくもあるものこいとおそろしく思ひや共見ゆる なくすかためお梅がこしび給からもおいわめのあいてつかずがみさちとかんやなきごりいへなる女にやくそやせんせけれぬ 名谷村 いへば 〽つぎおもてへ さりながら小平が いでゝゆみち わきざしのんどに にてあぶらすはいかにはいかにトおしいれひきあけて にてあぶらをふ 小平をそのまゝいましめときすてなんぢ さげしたくゑつ にてあひがしらに□おいわそころせしかと にてあひがしらに 〽わたくゑつこよひ よぎなきしうげんのじやまになる のはめのおいわまをとこと 小年はさい ぜんより ぜんより やうすは のこらず きいたれ どいま られ この なりにげてくれたう ざのほねをりこのかね わたすしあふせたなら 小ばんで三両いやと ぬかせは□ようト かたなへそりを うちのしゆび たのむとわか れてゆくあとに たくゑつあきれ はてたれども せんかたなしとうけ ○あんまのたゝゑつばいほしつが あふてかどおしあけて入にけり うへ まして 一人ころし のおぼえ なしと いへば 小平がわき い右衛門 さしをすらりこと 〽あしぬいてつめよるをとびのきはものをとつてなげやう すはかくとい右しがいとうのむすめをめとるよりどくやく にてき兵へがわるたくみめんていかわりしやうすかゞみをもつて ときさとせばおいわはほとんどとほふに くれてくちをしなみだはら〳〵とおいわとみつつういたした とてもといふていのちをくれら 〽かくてはこのまゝわが身はとても といふていのちをくれよ 思へばいなつが〽かくてはこのまゝわが身はとてもといふていのちを 〽なん ぢは とても たすけ がたし おいわとみつつういたした たのみもだしがたくおいわにむかひ日ごろ じやけんのい右衛門どのつれてはふより 心をかへわたしとともに此やをたち のきふたりくらすがまゝならんとしな のきふたりくらすがまゝならんとしな だれかゝるをおいわはおどろきたとい おつとがじやけんにせよみちにあら ざるふぎいたづらもしてんごうに あらずんば手は見せぬぞトありあふけ おんねん思ひしらさんと くしけづりたるかみの けをにぎりつめたる 両手よりちしほ したゝりたぢすく みにそのまゝいき たのみもだしがたくおいわにむかひ日ごろ めんしよくおにのごとくになりうらみの はたへたるを たゝゑつ あはておし なら薬 とゞめんと 紅下され いぜんのやい ばのかたへにどふとまろ ばいかたへにとふとまろ 五両のかねの□ といへば箸前くずりは べはのどぶへとゞめもどふ ぜん折からかけくる猫いつひきしにんに ねこはきんもつとさゝゆる折からおいわがへ しがいより大ねづみあまたかけいでその ない〽そんならしちやへたづね まゝねこをくひころすこれにおとろきゆきゆきもをとつてしかけいだす たく京へははのねもあはずぎやうてんして小平をぬきうちまつふたり折 まろびいでつゝにくる折しもい右ゑ門かへりからきたるとう壱人くわん蔵 きていぜんのかやといれかへしかみしも此でいを見てこりどうじやトいへば すがたやうすいかにとたいためにとへいゑ〽ふぎいただるおいわいわ小平 こともふるへこいせずめんだう也と刀にかけし二人がしがいはいごのこらめ くぎつけにてすがたみの川へすいそふし いはしがわがやのやうすみてひつくぎつけにてすがたみの川へすいそふし くりさてはおいわはしにけるよな 止くりさてはおいわはしにけるよろないたさうじすき戸へ二人かしがいのま也 名死者 つき五寸くぎにて うちつげるに 岩 ▼ひごろのねがひ かなへしとよろこび おさなごをかくしい者しおいわがゆくへ き兵へがだきねしてやろとね間に入たるあと 見おくりお梅にむかひこよいはたがいのちぎり いもせのかためと見ればおいわがしにがほ にてうらめしやいちゑどのとはつたとにら むに身のけいよだちさてはしうねん とめきうちにきればおいわにあらず そおうめはちしほにそみてふしたり こは大へんとい右衛門が〽しうとこの〳〵 じせうじあければ小平がすがた ながらびやうぶけたてまはすそばに□□□ しれず小児をすておきよぎせといへばこよいは あか子を ないこよいは こゝににいまくら 〽おそれけんそれよりい右しはちくてんぜしとぞ そのまゝくひ ころしちにまみれたる めんしよくにて薬を 下されだんなさまじはつ たとにらめば又もしう たとにらめは〽又もしう ねんトきりはらふに小平と見 へしはいとうき壱へくび打おと しされしゝてけりい右しはおと ろきてかどべを見ればもんの戸の あけはなしてありければいでんとすれ ばおいづからはつたト立きりでられず なりぬ〽ハテおそろしいしうねんじやトんかへる うしろにあまたのねづみいは三つめがけこび かゝるいんぐわはもへいでしんどふしておそ ろしなんだいはんかたなかるきくわいに 文政九年丙戌春 新版全本六冊 芝神明前 若狭屋真赤 四つ家の怪評破 隠亡堀の場 三角屋敷の場 小汐田隠家の場 蛇山庵室の場 梅幸作 菅泉画 芝神明前 一若狭屋与市板 十一 こゝはすなむら十まんつぼ おんぼうぼりのとでの上へ あやしきをんなのひにん一人り 〽モみごしんぞさま けふはどふやら おきあいも やうで ござり ます 四 うばの おまきがかい ごけおゆみは かほをあげ けふはよほど よいがたゞ ほうにいとうの 〽アヽあんじてたもんな きにかゝるは かみやい者 とゝさまきとへさま とゝさまと人さ むすめおうめを 手にかけてゆくへも しれずなりしより いとうのいへのはめへ となりちぎやうは囚 図のこらず おとりあげ ひにんと なつてとの やうに かたき 次右衛門が ゆくへせんぎ おもへば〳〵 口をしいと いへばおまきは かたへより 〽おどふりでござり ますがかならず きこ〳〵おぼしめし ますなそれより御ゑかふ なさるゝがよろしうござり ますわたくしは夕まゝの したくいたしませふじもらい ためたるふくろの米小おけに いれて川ばたへおりる折から ごけおゆみはむすめが死ぬまで はだにつけしまもりぶくろをとり いだしかゝる折にはまもりさへ利やくの なきぞうらめことあたりのたき火 のさすまたにうけてゑかふの折 からに来かゝるほとけまご兵へがゆ よしありけなをんなのひにん此へんに 女戸いたへくぎでうちつけた をんなとをとこのしがいは ながれてきはしま せんかきついひやう ばんもしや せかれの 小平めが そのやうな めにあいは あんじおらふと せまいかとよめや まごめにはなしたなら ゆそとはをさげてうろ〳〵とあち 母こちほとりを見まはして〽アヽ見れば ない でちへ おまいり 申し出た日 をめのにか〳〵 としてゑがうしますじきいておゆみは にたことも又世のなかにはあるものと おもへばまもりも思ひのたねそのおちへ おさめるがよろしからふとうばのおまき しゆう〴〵さやく折からにたちまち ひとつの大ねつみいづくよりかこらはれず 名平吉 「つぎいでゝかのまもり ふくろをくはへずい ちうへとび入るを らばは手はやく とらんとして 川へはゆるに おゆみはおどろき ずくはんとしてあせれ どもつひにおまきはおち いりてながれてゆくへはしれ ざりけりおゆみはなげき かなしみてだへいるていを まご兵へがかいほうなしつゝ おもふやうたとへよしある 人にせよとふりあはせた ひにんの事かゝりあいに ふびんと思へどあしばやにその坊をいそき 立さりけりかゝる所になを入のごん兵へは うなぎをつきにやなをもちやすを かたげてそここゝと見まはしながら ひとりごと〽このごろのやうにまんのわるい うなぎのすくないことはねへどうか うなぎのすくないことは こゝはにごりがいゝからどりや女つて見 やうト川へはいりやすでつく〴〵あち こちとかゝるを見ればをんなのかみの毛 なるならばことむづかしと思ひければ うすきたないとすてゝのけ又引かけしもく にりべつされいゆはほとけまご兵へか女ぼとなりしおくま〳〵 ばゝやい右門がいとうおや子女ぼうおいわ下の 小平を手にかけ立のきふうぶんをひがみし心いち ばいにわが子をなびんと思ひぞくめうかみやいしほと たにあふて一トとふりやうすをきゝたさ又ひとつには此とにり せけんの人にもいは此世をさつたとし 思はせやうと此やうにそとはにぞく めうしるしておくもいつたんふうぶんの やみもやせんとのはかりごとこゝであふ たはさいはひとふところより かきものいつまとりいだしこれは わしがかうまさまにほう公 のとき下されたおすみ つきこれをもつてねがつて でれば身ぶんありつゝこのゝ ぢきひつこれをそなたに わたにほどにうわさも やみなばさつそくから生 の家へありつくゟよいトつぎへし ずの内見ればあやしきくし也ければこりやどふ やうものになりそふなものみがいて見よとかたへ やらものになりそふなものみがいて見よとかたへ なるよしの岩げみにこしうちかけまぢ〳〵みがく 折こそあれふかあみがさにか月をかくしつりどうゞを さげたるらうへききに立たるばゞアは手にそとはを引きご つぶやきつゝくるはい右しがじつのおやしんどうげん四郎し かきしそとはそたづさへて〽コレい太門そなたにあいたい〳〵と思ふたが よい所であふてうれしいせけんのふうぶんこゝろならずそな 名列者 つゞき だ〽右衛門 これは ありが たふ ござり だせ ます いとう おや子を 手にかけ たもみな女 ぼうのおいわ が死りやうよん どころなくちく てんいたしいまはへひ山 ぢやうねんぶつの あんしゆをたのみて しはしがあいだ かしこにしよくかく かしこにしよくかく 〽そんならたづねて ゆくほどにわしは おれか した しやうぶしろトいふ ところだがそりやァ いはずにわしが しゆぜのはなしが 四下ゟそとはを立たのだ トきいておやみは〽わをし や此かんなんもおやむす めのかたきをうたんと 思ひしかいも むなしくゆく れば又引うきを用て やく上れば〽こりやう けなく〽ナニそのい右衛門 ○左衛ゟてめへのことだまの をトはなしの内につかさめ を引ば小ふなととりあと だとごんとくはいて のそとはにてなつ をとらへそとはを そのまゝなげいだ せば気をうしなひ しおゆみはとりあけ 〽こりやこれぞくめう かみやい右衛門とては 此世をさりけるか なきさけびなを 介のごん兵へに〽申七の いつといふ人はどふして しるましたかごぞんじ かととへばごんとへなに さんはトいはんとするを い右ゑはそでりながらしら するにのみこみすがたを おゆみはしらすぎての □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ましたそれで同上べし てゝまちのほとけ できると今の まごとへといふくるしがりの のちぞひじやとわかれて ゆけばいほこづはもはや入相 まづ一ふくとつりざをおろし ゑさをつけあたりのいとだて しき見まはすうしろになを身が たばこくゆらせゐたりしかば〽モシ 火をひとつかさつしやい〽アイとたば一せのたねを こをすいつけながら〽ヤァおめへはい右衛門□〽サアその さんお久しうござりますはそふいふ そちめなを成か〽アイサわしもいま じやァかいめいしてうなぎかきの ごん兵へといひやすしたがおまへは かきつけかりに ゆくがしら ねへかほを なさりやすか ゑさをつけあたりのいとだそこしに〽ましつ〳〵 おれもあり よふはしゆつ せのたねを たねをごん 兵へが ほぢくり だにのだ かたきどしじ 〽そりやァ いは せうち □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ びつくり してしやれ かむだかは しらねどもなんで 身どもがかたきとは 〽ハ〽アおまへわすれなすつたるわしが 女ぼといふはアノおいわどのはいもとおそい そふして見ればあねのかたきこゝであふたは うきゝのかめうどんげのはないざ立あがつて なりしあさまし きよと なげくうし ろに 五十一 手 いへつがおゆみを川へけ こんでしゆへばみづへまかれて ながれゆくごん兵へあきれて 〽い右ゑきんおめへはごう あくなもんだぜにいへば〽だれが こんなにしこんだようなづき 二人はわかれけりい右ゑはもとの 所に立久り〽モウ入相かなむ さんゑさをとられたトつりざほ とりあげゑさをつけ又一ふくと 川下を見てゐるむかふにあき山 藤兵へ〽コレはかみや氏よい所でおめに かゝつたきさまのあく事はまきぞへでわれら までも日かげの身のうへこんさういたすゆへ吹へし 与銭も 名残岩 つぎあくじのおもむきそにんして身 のあかりを立るつもり〽これはしたりこれ までこんいのよしみそれではめいわく〽しか らばせいしやがゑんごくへ身をかくしませうか 〽それならば身どもがしあはぜ人のうはさ 七十五日又よい風がふきませうぎやう ならろぎんをかして かくるしがりまして 一今では一せんも 〽ぎやうならば 下され〽しつも てのとふり いぜんさへの なきよりしかのやきいんにごんとしるしかしのやすはよもての手に折てこそ 〽らじのおもむきをにんして身 のこりけるくわいぶんぜうはごん兵へが手ばやくじやくひろふとたんのいやうせに すこといつよしなをればめいわくしか一いゑしつがびくにおもいわのめんをいおもづとあらはれもへ上るいくるの ひかりに三人はかほ見給はせしくらまぎれやみにすがたは見うしなりぬ 画三丁めのゑはこゝに合せ見るべし 〇花水ばしの南なる三かく やしきほうじやうぬんのもん ぜんにおそでは心にあらねども人せんたくの ちんしごとふるねかひの庄七が ふろしきづゝみの内よりとりだす せんたくもの小平がいるいの かど口にほしてあるさへ そにんいたすじ たれしらずおそでは しきみをうり ひき ながら〽アモせわし なら ない ぬ ゆへ 八右衛門 せん のすみ つきかね の手にいるその あいだかやう〳〵と さゝやきでわたせばかなづき うけとつてわかれてとうとへ かへりゆくあと見おくつてい右しはいら ざるあき山うせたゆへ大事のすみつき 口ふさげあいつにわたして此身のぎう あくなむさんくれたかドルつりさほ をあげやふとかたつけゆかんとする所へながれ よつたるすき戸のうへをんなのしがい引あげて 見ればまさしく女ぼうおいわ〽ヱヽおいわ 女ぼるおふぜうしろ〳〵トいへばあやしや死がいは い右衛門がかほつく〴〵とうめげに見やり〽かみやのち すぢいとうのいへのゑだはをからざん此身のうら みじいぜんのまもりを手にもつてくぎづけにせし しがいはそのまゝいけるがごときをい右君は見てびり くり〽まだうかまぬななむあみだしつ〳〵此まゝ川へ つきだしたらとびやからすいゑじきとなりごうが つきたらほとけになれと戸いたをひつくりかへして 見ればもくずのかゝりし小平がしがいい右衛門をきつと にらみ〽だんなさまおしゆうのなんびやうくすをを 下さりましト見やるにい太つぎよつとして〽またも しりやうのじぬきうちにきりつくればふしぎや 小平がすがたはたちまちはくこつとなりけるを 戸いたをうへにおしたてればみなばら〳〵とくだけ たりかゝる折しもごん兵へはやぶのかげよりやうすを うかゞひ又かたへなるひの口よりよも七はいぜんのひにんのといへばせうそ〽とりやアめそこに うかゞひ又かたへなるひの口よりよも七はいぜんのひにんの すがたにてくわいふやんぜうをくちにくわへとてへ上れはほしてあるきものといつ〳〵 しんのやみい右ゑはかくともしらずゆかんとすればよりて せう七さん 此日のみじかいに どふやァその やうにはやくでき ようぞいなアもに 日くれじやにあらふた とてどふしてかわくもの かいな下手にとりあげて おそではびつくり〽こりや あねさんのゆかたにどう やらおまへどごからかふてこざんしたけら といへばせう七〽ヒりやアあそこに ほしてあるきものといつ しよで聞いたの なりあとはごんとへひきぬいできらんとあらてふ折なれば西右右右也 白いたをうへにおしたそればみなばら〳〵とくだけあねざんのゆかたにどう ござへもんがトいへば 名浅花 同七十六人 つゞきおそでは〽ヱヽきみのわるい トいふをうちけし〽ハアおめへも やぼなもんぜんずまひもするもの がそんな事をいはずともあらふて おいて下さいたのみましたかうの しておこふとあたりのさらいへ きものをいれいそぎて こそはかへりゆくあとにて おそではこゝろならず けふはぎりあるとゝさん おつとよも七どのゝ百ヶ 日何らややら 三手のすまぬ ことばつかりト おもての とつつおいつに かた ある なを せおふ てかへり来つ〽ヲヽ 日のくれるのにほしものもほして いはんすどれどこにくしがどふして □〽さればいなアたとへあゆさんのくしでも ほそいけむりのしろにするのじやほどに あねさんちつとのうちかして下さんせサ見 もつてゆかしやんせ〽そんならきゝわけて いかしてくれるかともつて立ふとすれば 又たらいのなかより手をたしてとゞむる ゆへにさしものごん兵へふるいおのゝき 〽アヽ手がでてくしをたらいのなかへト いふにおそでは目に見へねば一色を トいふ内に一ひきのねづみ かけきたりくしをくはへて そぶつだんにおいてそのまゝ うせたりけりごん兵へは あきれはて〽こいつは いよ〳〵きめうな ことだ〽そしてくしは どふさんした〽何 くしはもう からあいは ごめんださが あるそれにたらゐにまでせんたくものごう ぎにかせぐぜそれに引かへけふはあぶれて めそつこにもあはねへが米はあるか〽それ じやによつてのちまでといふておかせてやづた わいなァ〽そんならばとたつたいちまいのどてらばし 大やさんへたなちんにやるしヲゝさいはひてんとうへ ころさずだ此くしをさる子ばしの下でひろつて来る こりやいくらぐらいのものだらう〽こりや まアどふしておまへの手にこりやわたしのあね さんおいわさまのくしどふして川の中にそれに マァさいぜんのきものといひ〽ハそめへも ばかなことをいふものだ世の中にはいくらもにたものは あるもんだたとへおふくろがかたみだといつておいわ どのがもつてゐてもおれがひろはにやァ川の中でくさつ てしまふのだまアなんにしろひもじくなつためしをくは せてくれトいへばおそでは〽ほんにそふじやとおくへゆくあとに ごん兵へほくそゑみなるほどをんなといふものばわからねへ もんだだれぞたのんでばつたりにうつてしまうが上しん べつじかど口へでよふとするにたらいの中のきものよりほぞき 手をさしのばごん兵へをとゞめるにおどろきくしをとりおと 〽ハアヽあやしいたらゐの中から女の手がおれをとめるは ふしぎのひとつじおどろくうとろへおそでは夕めしのぜんだづ さへて〽サアまゝにしよふじやないかいナ〽さけがあるか〽ある たんまあがんなさんせてかささのくしはかならず よそやつて下きんすなへは〽こてめへもさらけのわかは しちにおめてくめんがなをればてめへにうけてきくせるはか 何もゑよふといふやはなししかたがねへから此しぎだ鄙しごとにかどいへたしてしまふるいゝつぎべし しぼりて くらをさがさんとみづをしぼれば 引てあやしいたらゐの中から女の手がおれを藤るはくらをざんとそづをしぼれは ふしぎのひとつらはどろくうたろへおもでは夕めしのぜんだがこはいかにちしほしたりける にぞふたゝびみたびごんとんばあき さへて「サアまゝにしよふやないかいはきけがあたかあるにでふたゝびしたのございが れはてたるばかりにてこりやとんだせん たくものをたのまれたてめへのめには何も わへずそれたからなほへんちきだたらに 与銭四百 名列着 かたへにおそでははりしごと 折からおもてへあんまのたく ゑつ用んましといふこへに ごんとへは〽コレあてま さん〽ハイおよびなさり ましたかトはいかを 見るより〽あやァ 見るより〽こめやァ めづらしいおもんざんか おめへとふ〳〵との お人を一いしゆにもた しやつたかといへばごん 兵へ〽これはごあいさつ ときにこなたはやつぱり あさくさか〽イヽヱあのへんま あさくさか〽イヽヱめのへんに ますトいふをうちけし〽アヽあたまがかい〳〵〳〵 〽そんならおもんさんそのくしをがしておくんな さいトむりにかり手に忍て見てひつくり〽とりや 見おぼへのある此くしこれをどにしておまへイヤ 此くらについてとんだはなしがありますてとんだ はなしといつてとのやうなはなしがござんすへそれは 四ツやのいうにんものかみやいろしといふもの女ほう つゞきサアめしをくはふし大あぐら わづかいつか月ばかりサときにいつぞや中たんぼの いつけんはまことにちんじちうよふなことでござり ゐにくいゆへこのごろまでよりやのほうにをりましたが ろしいとはいものといふは へおいせといふ人のくし さがもみ世の中におそ りえきぶかいをん 我なと人きり ほうすをさして ゐるおざむ くらひさまその 女石うの おいわと いふはもと やきもちからおこつ ていしゆにころされ やしたトきいておそ では〽ヱヽそんなら アウころされたと かへ〽おそでそりやァ 大へん だせ ㊄の巻へ 五 五の春ゟそんならおまへ方は ゆかりでもあるへかへ〽あるだんか おそでのあまだはな〽ヱヽト あんまのたくゑつは あきれがほよしなき はなしとアゝほん のことではある そふだが わしはまた 退しらずうか〳〵とんだことをはなしましたト いふにおそでは〽イヱ〳〵よふはなしてくださんした シテそのいをつどのが何とがあつてあねざんを うしてころしたのでござんすへはなしてきかせて下 とりつけば〽さればいとのはとなりのうちにむすめがあつて それをあじにしたをりんぎしたからおこつてどくやくにてめんていをよはらせ 小平といふなもべといつしよにといたへくぎづけすがたみの川へながしたがその たゝりかしうとき兵へもそのむすめもきつてしまつてゆくへはしれず〽アヽなさけきい とみもないあねさんをむごたらしうころずとはぎりあねさんのかたきそのおほしはまたく おまへ方 にそんな ゑんへき のある ことは 服 どこに おしへて 下さんせ とあん まにとり するをとりつ たいことがあるに いふをつきのけ 七一 名文花 それゆへにさま〴〵なこと けふくしのぞなたの 手にいるもみんな あねのいちねん かねのいちねん だらふ〽サアいかに かひないをなご でもあんおんに おくべきかあね おくへきかあね のかたきのいほつ うゝきいつさんにあとをも見ずして にげゆきぬあとにおそではむせ かへりなみだにくれてゐたりしを ごんとへはこゑやはうげ〽イヤおれも はじめてきいたがとんだゆだ せ〽いつぞやはからずたいせつ なるくわいぶんぜうをうし なひしとき手にのこつた このしなに あり〳〵 め「そんならそなたは おやさもんどののかたき をつとよも七のかたき あねのかたき三人を しるせし ごんとへのあて名は たしかこのあたり と立かゝるかどの かよはき女の手 一つで見事うつか おれもいぜんはぶし ほう公すけだちも してやりたいがふうふの きやうらしくすけだちも なるめへアゝ手がむづ〳〵する 口せんだくもに いんくわもへいで くちなわ まとふを〽ハテ けいやくもないそなたすい あやしやト見る内に きへうせければかど口 たゝき〽申ごめんなさいト 十左の上ゟおさへ あけざるをおそ ではむりにおし あけて見等 すかほに〽こち とはれてなんとあいさつ の人〽おそでゝ あつたか〽おまへは 〽たつしやでござん したかへ〽ヲ井して こゝはてまへがうちかじ にしばしことばも なかりしがうちうな づきて〽ヲゝそれ〳〵 こゝはわしがうち こゝにゐかは あんまさんト いへばよも也 ごん兵へを しりめに つけて 〽そんさら こゝは そなたの 内そこに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いるはあんま やうだトいはれておそでは しめんが同あたり見まはし かんなべのさけをもちいで ちやわんにつぎひとつのんで ごん兵へにさしておそでは〽おまへを たにんにせまいかために此さけ のんで下さんせといへばごん兵へ うちわらい〽そんならふうふに おびひもといてかそりやわる からふおれもいせんはちからに なつてやらふとこのやうに ふうふのやうにはしてゐれど それじやァしんだよのせどのへ 〽みさをがたしぬといはしやんすか 〽ヲゝサそれだによつてサ〽ハテ みさををやぶつてみさをゝ たてるをんなのほうからのんで さすそのさかづきでふうふの かためはすんだぞへ〽そんなら いへどいらへもなきていに どうぞせんかうがかいたいじ かんなべのさけをもちいでおこせどたゝけどさそゝにめばやくみつけし ほしもの〽ヨレ〳〵ほしもいをどろぼうがとつて ゆくといふにごん兵衛ふにごん兵衛 〽ヲイ〳〵こいづはさつはりわす れたとかど口あけて たび人とかほ見あ はせてごんとへは なんまみだぶつ 〳〵ゆうれいだ〳〵〳〵 トいふにおそでもおき いでて〽きみのわるい ゆうれいとはトいへば れいではないちときゝたい ことがといふこへに 〽今のこへは たしか ちからになつてかたきを うたせてやらふかおらァ どふやうよつたやうだサア ねやふトいへばおそではとに かくにしあんとり〴〵ふとん しきびやうぶのうちへいりにけり 折からおもてへ来かゝるたび人 をつとよりて どのトいへばこん 兵へ〽それじやに よつてゆう れいさト 門の戸 ゆ右の下へ おもでのたび人は〽十二ゆう 一 おこせどたゝけどさそゝにめばやく見つけし どのさい はひくた びれたもんで もらひ たい いへば 兵へ 〽わしはそくりきもみ それがせうち しりやうぢ ふんで〳〵 女ふんで〳〵 ふみつける なりや〽ヲヽその そくりきの どうかぐわしが 〽かさふ〽そん ならどふぐは ごぢさんかト いへばよもや うなぎかきを さしいだし〽この さしいだし〽この どふぐでやね ぢがしたい〽かゝコリヤ いつぞや六ばじまつきへ 名列花 といひわけたちかたきくらき 安藤岱のかきつけひろつたくは のゞきおんぼうぼりでうしなつた りでうしなつけひろのかきつけひろつた人は ことつのやれあんどうせめては 〽そんならこりやアこなさんの〽アイサ こなさんとしつたはこれなるとうぐ せうばいどうぐき〽こゝにあり〳〵 からそのしな女石とひきかつに ふでにかきたてて身のいひわけを 〽かはつだものををんなとひきかへ せんすべもしらぬ二人りにつげい ごん兵へとしるしてあるはそなたの なおはし給へるしてあるはそなたの〽かはつだものをんなとひきかへせんすべもしらぬ二人りにつけの しかしこつちはしろふとてこま ことかいぜんはなを介なかごろは 〽ぜんはなを介なかごろはしかとつちはしろふとゞたまくしかみもほとけもしり給はん こよひをかぎるいのちげとふでの とう八五もんのくすりうりいまは 八八十八八八八八八八八八八八八八八八八八八八十十十十八五十八をかぎかぎいのちけとふて ふか川三かくやしきてらもんぜんの 香川二かくやしきてらもんぜんのそのれんめうも四五十人きにをはこびもおそでがむねなみだと ともにとゞめあへずをりから しやくやずみ見せであきなふ しろものは三もんばなにせんかうの にらんでおいだトいへばおそでも ゑんじのかねのねにためいき ついてうちうなつき〽みづの かたへよりそのかきものかきもいなら けむりもほそい小あきんどごせうの けむりもほそい小あきんどごせうのかたへよりねのかきものならついてうちうろつき〽みろの たねはうりながらかたてしごとにせつ ながれと人の身のうへうづり かはるは世のたとへおもへばいん せうのやなをふせたりすなむらの ぐわなわしが身のうへじつの にぎつてもゑきないことゆへかへかへそふがぐわ おんほうぼうでかなぎ色ぬらりにぎつてもゑきないこと思へそふがぐわなわしが身のうへしつの とゝさんもとみや三太夫さま くらりと世をわたる今のその名は おはてなされてそのうへにしつの ごん兵へといふぎんぱくのついた あにさんあるとはいへどきいた びんぼうにんサ〽そんならそな ばかりおかほもしらずぎりある たはこのやのごていしゆおそでは なにゆへこよする〽このをんなはとるもせけんにあれどそれにかふこゝさんたもんさまあゆたんも ひごうにおはてなされたるその わしが女ぼサ〽十二がなんと〽アヽ かたきがうちたいばつかりでみさを もふしそれをいふては〽ハデサいぜんの をやぶりしうへからはしよぜんこの ていふにありかをしられいつ〽かたいつくまで〽こしたいかつてサをやぶりしうへからはしよせんこの 〽ひとりの女に〽二人りのていしゆ までしらをきられるものか までしらをきしれるものかかひとりの女に二人りのこいしゆ身はなきいのちせめてはかた女の此 わしがかゝあにちげへにそりや 〽しんぢうたてる「わたしがむねを まもり石そのをとりそへあにさんに いつたん此よもてとふうふ いつたん此よもとやう也〽おくでゆつくり〽むかしのごていしゆ しんだあとでとゞけてもらふが わかれをした女さいゑん 〽いまのごていしや〽ヱ〽おやりのしう コヽそふじやアゝこれが此世のトなみ ござりませうトより七はおそで するはまゝあるならひしかし まださりぜうはわたさぬを たれにゆりきれたるあとにおくへいるあとにごん兵でん兵へ たれにゆるされさいゑん 〽ハテめんよふないつぞやなかたん びやうぶの内へあんどうをさげて した〽サアそふいはしやんすは いるぞとうかゞひよるよりそごん もつともなれどこれにはやう よもやとおもひのほるこいつもふし 兵へ両ほうよりくらまぎれ すのあることゆへとゝざんはじめ すのあるとゆへときんはゞめ岡の一つといひあいひあいつがほしけるくわいなるさしゆきのしをり なるさしめしぬきあしをり あねさんやおまへまでも人手に のゆさんやなす人までも二人手にぶももろなをさまへさしあげればからきなからきあんどうのあは からぎゆるあんどうのあい かゝつて〽イヤサ百まんだらいふた かんていンサんだらいふたほらびのかゐやらびのかひやうかみでこひのべとと〴〵きぐりよりひやう づとこゞろへさぐりよりびやう とていまさらかへらぬ事それ ぶ引かけそうほうよりたつた よりせうねをいれかへてせんの ていしゆの手をきつてしまへ おそではかけいでもとちの人また ひとつきアツトひとこはさけぶに しやんせよも七どのもいぜんはさむらひ 両人しすましたりと左右より またこなさんもうすいろい 〽かばいだてしておためごかしか〽さゝに 手おひを引たすその折からくも はぢのうはゆりしやうより まをいづる月かけにすはして見れば 女はわしがもらひました〽なる あいづをまつてゐるトひそかにおもてへ おそでがくばうごん兵へはおど あららこましたなかものづをまつてゐるトひそかにおそでかにおそでがくばうごんとへはおと ほどこなたのよこ車女ぼを ごん兵へはでばほう丁をひつさげて ろきてまさしく男と思ひしに くれろとよくもいはれた女は よりてもおどろきて〽コリヤこれ やるまいものでもないがたゞは 〽とまを立いで〽こん兵衛 女ぼのおそで一こりやアどふ やられぬのそみがあるこのぞみと 〽のがれぬよふ事で〽他ぎやうしたのか だトおどろく二人が手 のぞこと〽のがれぬよふ事で〽他ぎやうしたのか いふはとふうなおしきせさいがい おひはかのまもりふくろと さいはひかへりをまちうけて〽いゑ〳〵 しれたもんきりがた女の手きりは かきおきを手にもちて 権兵一権兵衛権兵衛権兵衛 かねがのぞみが〽イヽやひれつな おまへにけがばしさせましては〽かばい いとゞくいしきいきのしたに 金ではない〽シテ又なにを そするをんなのさまたげ〽イヱ〳〵こよい こへもたへ〳〵二人りにむかむ 〽のぞみといふはかねでない所は 〽おなじあいつでふたりのおつ すなむらろつぱじまおんぼう 〽びやうぶを引てあんどうをけすを とに手引をせしもりくごの ぼりのやみの夜になかぬから 夜になかぬからあいづに〽たつたひとつき〽モミト二人かはうへのわたしが うへのわたしがじがいはづは すのいどみやいそのときおもはず うなづきあひわかれてよもせしのび しいはよもせとのき同 うしまひし小間ものなかまの心 ゐるあとにおそではつく〴〵とわが身の心ま をやぶるもとはといへばつぎへ 百浅毛 つゞきぎりあるこゝさんあねさんやおまへの かたきがうちたいばつかりおまへがながらへ ゐさんすとかみならぬ身のゆめにもしらず なかたんぼにてとゝさんとおなじところて 人手にかゝりしなしやんしたとおもふたゆへ なを介どのをちからとたのみ まくらかはしてめんぼく ないおまへにおもてが あはさりやうか おてにかゝつて 死ぬるのが せめてのいひ せう三郎どのであつたるか 〽さてはおのれがせうみら を卜つめよせるをおそでは へだて〽このかきおきをあに さんにトごん兵へにわたせばとりあげ 〽十二〳〵三太夫むすめ そでじよんでふたゝひ ゆうれいのくだりはほとけ ぎやうてんなし 〽スリヤ おそ ごが □□ わけなを 介どのは おふたりの 〽印ゟしおやはもとみや の〽アイトいへばごん はたきを 兵へはありあふひとこし うつて とるよりはやくくびうち 下しく さらばわたしがじつの おとしおのれがはらへつき立たる やいばにすがり〽うたねばならぬ あにさんにこのかきおきに 身のいひわけ〽しよせんたすけて そへてあるほぞのをとゞけて このわけをいふてきかせてくだ さんせこの世のゑんはつきるともみらいは ひとつはちすのうへふうふになつて下さり ませよもせどのたのみますこれがまつごの ねがひぞとくるしき手おひがゆいげんに おかれぬごん兵へ何ゆへにせうがいせしぞ 人の皮着たちくせうがおうぜうぎはの さんげばなしきいて下されよもやどのもと 此なを介はおく田のけらひ身ぜうがわる さにしゆじんのかんどういんぐわのおこりは このおそでつけつまはしつくどいてもとく 作者曰こゝにあらはす小平が まご兵兵へのわひずまひに うし石田 又之丞 あしなべの びやうき にてなん ぎのこと けかい 小平 妙 やくを かゑ やの いへに ありと しり やとひに たの まれ ぬすみ たるそう きせきは とりかへ されその はからずあさくさにて しよぢなすみづ しよを見たゆへに ふびんながらもいけ 人手にかゝりあいはてしと 何をせうこにさは いひしぞ〽しかいのめん ていやぶれそんじ それとはしれねど いるゐには見おぼへの あるいへのぢやうもん あるいへのぢやうもん 〽アヽなんとさては それにておもひあは すにおくまがせかれ せう三郎しさいあつて だましうちにころせしかト きいてごん兵へおどろきがほ よもてはそばにより〽あつぱれしんせぬはおつとのあるゆへより七 でかした女ほうおそでそちが ころしたその ありかをたづねしもいつぞ うへてこの身の ねかひをかなへんと なるたんぼ 五人も見るかつ でのくら おかれずとおもひし 中ぎれだましうち すぎれだましう にころしたは うちにこのなりゆきさは さりながら中たんぼにて ゐるいをぬぎかへわかれしが わが身にいこんあるものが おしゆうの 御子ぞくせう三 どのときいて しつたはたつた今 おやめねおつとの かたきをばうつて やらふといつ わいてたき ねをしたはなさ けなや此なを介が ちすじのいもうと このかきもので しつたれどやり 一トすじのおやは さむらひその子はちくせう しゆうころしまつせにのこる あくめうもてんめいつきたなを 〽〽〽ア中さんぼでころしたは女 ※※ **************************************** *** ▼ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 兵衛が女ぼとなり 小平が女ぼう一子 身はくぎづけ となりて死す といへどもこん ぱく忠義を つくじかへつて 又みればちよ いゝをうけしこと赤がき でん蔵ゆらの介の つかひに来りて此ていか 見かねしことい右しが しつのはゝおくのまご じろ吉をひどう にすること小平 さがゆうこん 〽さては ちう義 のために 又兵衛が ふくをこじめ くすりをもち 来りしす 又みなや ゆきりはら 小平はこの世 をさりしか へばそとはと なり一子 なり一子 ふびんやこなア なきの正 かゞき「よもてが〽すりやそれゆへにこのせつぷくまだ しもあくねんほつきはきどく〽地ごくへいそぐおき みやげいつぞや手にいるくわい文ぜうトたもとの うちよりとりいだすをよもてとつて〽たしかにらく しゆみらいはじやうぶつト手をあはせごん兵へに むかひゑかうのうしろに人かげ〽さてはゑんやの いう人ンがむほんのおもむきじくわいぶん ぜうへ手をかけるをよもせはとつてなげのけ ぬきうちに〽とんで火にいるなつのむし下 きりさげる此折からごん兵へははやざん まつま〽なむあみだぶつト口ごもり つひにはかなくなりにけり 口画二丁いとぐるゆのところは こゝのあはいに入べきゑとしるべし かみや以右しは高禄の身となり とうとへはかみやがしもべとなりて 犬をひきあがすみといふ鷹のそれたるを 七夕の月の夜に入りたづね来りあやしの しづの家にうつくしきむすめのいとをくりて をりをはからず見てれんぼのこゝろおこりしに それたるたりは此やにとまりてありければ ざいわひとうちに いりつひにいちやの ちぎりをむすびしが 四 前の下ゟじろ吉に つきそひくすりを すゝめぜんくわいして かたきうちにいづる しぢうのものがたり あれどもかみかずの かぎりあればこゝに もらせりこのきやうん げんぶつせし人は よろしくこれを さつし給へ 金左の上ゟ やぶのうちなる へびやまの へびやまの ぢやうねん ぶつだうの あんしゆを はじめ 一あたりの ものをかた らいあつめ ゆきのふる をもいと わずに百 このむすめのおも かげは女ぼうおいわが ありしむかしにぞのまゝと 見るうちたちまちめんとよく かはりともにめいどへつれゆかんと むすめがすがたはおそろしき おいわがうらみのしにがほと へんじてありあふいとくるまにいん くわもゑつきゑん〳〵と立のぼり くる〳〵とめぐりつゝかたわがまの もふくわとなればい右衛門おどろき かたなをひらめかしてたゞひとうち にとおもへばいとおそろしくその たけいちぜうばかりのおいわが すがたあらはれいで手がひのたかは たちまちあまたのねづみとなりあたりに まとひしとやなすもみなおいわがめん ていとへんじともにならくへともなひ ゆかんきたれや〳〵とのゝしれば〽おろりや 立され〳〵ときりはらひ〳〵どつかと 野すとおもひしはこれい石ゑがびやう中に にてねつにくるしむなんがのゆめさめては くるしやたへがたやとめたゆるさまをふびんと おもひ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 白曳毛 まんべんを くりなどして くげんをすくひて あはれみけりさる ほどにみなくは〽なむ あみだぶつ〳〵〳〵 〽くわんゐしくどく ひやうどう りやくいつさい ぜうぶつほつ ぼたいしんトぼう ずはかねをうち ならし〽ヤレ〳〵 こよひはこのゆきの ふるにみなさま いつも〳〵ごくちふに ぞんじますそれに さいはひとまりあは せし六ぶどのせう 辺こくはどちらときがれて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しうむまれじいへばみな〳〵 かほかほかながめこれはひさ しやしんどうけん四郎どので しやしんどうけん四郎どので いはれて六ぶはおどろきつゝ さてはほり口氏まかべ氏つぎへし めつぼうよりぼうくんのぼだいのためかく 六十六ぶとなりしよこくをめぐります きでんかたはじいはれてかたへのはみがきや さかなうりは〽とても二くんにつかへわづかな ろくをとらふよりあきうどがきらくと いたらくこのめんしめんしゆのびやうにんは むかしとふかちうほうばいのよしみ かし新右衛門どのゝきとうのための一白まん いべん〽サテはわしがりゑんいたした女ぼうの しじつのせがれどふいふわけでトいへば あんしゆはさてはこゝにござるおふく しろのせんのおづれやいかしはなしの 内にい右衛門はしちやうのうちより むあらくるしやたへがたやトねつに いおそはれてすがたはおとろへくるしみ やつれよろめきながらかけいづるを みなくだきとめしゆずくりかけ ねんぶつすへん申すにぞしばししづまる 折を見てみなくはかへりけりこのことき 六ぶはいしろにむかい〽コリヤヤイ わかやおやが目にからぬかと〽六の巻へ つゞきこれは御けんしやうでさて〳〵おいへの 六 五のまきゟいはれていはれていこれはおやぢさま きにしてこくと身のうへをものがたりおいわが てどふしてこくと身のうへをものがたりおいわが ねのとしのむゆれにてねづみとなりてうら みをむくふ死れうのくるしみまた此あん じつにじつのはゝもねづみにくるしめられ百 まんべんのきとうをたのみかしこにふして 八ゐることなどものがたれば源四郎はい右衛門を はつたとにらみなんぢぐわんらいみちに 〽そむきしふちうものさいぜんあれにて やうすをきけばかうの家のさむらひ小せ 〽へい内とか申ものしよじのそくたく ひけんのうへもろなをにかくられんず やうすそれとしらねば見のが せしにまさしくなんぢこゝな りゑんの女ぼうもかう のへつかゆるふしよぞん いものかゝるふらちのなん ぢゆへ七生までかんだう □するとうつてかわし 弐 一口上すへでこの くだりよりかみかす かぎりありて あらましを きやうげんの まゝにはかきとり がたしたゞその おもむきの いふのみ されば せうゐ ありて又 きやう げんの たいどう しくみ とはことなる ことある を。其紙をして。其通り。 父の いかり以右も めんぼくなくそのすみつきも 人手にわたしあればのちほど とりよぜひけんのやくそくしざい あつてそれがしもおもてむきは次へ 〽つゞきふちうものと見せかけてわんかいとうき兵へがむせ れんぼをさいわいかれを手にいれかうの家へとりいり とうの義士を手びきなさんないしんはちう義の毛を をんなのあさきこゝろよりかへつてしつとのいちねる にまりいとうかみやのちすじをたゝんとさまたけ なせる死里やうのたゝりトいへどもきかぬむかしかたき しかんだうしたといひはなしおくのめつては しかんだうしたといひはなしおくのめつては いりければあとにおくまといわは これもおいわがたゝりにて いかんだうざれしかぜひも なしはやねつのはつするこゝげんと 〽ときふちうものと見せかけてわんがいとうき立がむすめ 〽なむあみだぶつ けるそのあとにて い右ゑはとうめうをぶつだんに さゝげん 〽赤水四升五分 入五十一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ スベント うがひせんとかどおしあけれ まづとろにつもりしゆきの その中にうづくまりゐる こもかぶりいしゑは ミステート 入ス □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ぜえれば に水 むけしながら 〽かいみやうつけ てもぞくめうも やはりおいわと しるしなき せじやうの人のゑかうなと うけたらよりやうかまふとあとの まつりもこわさがいちばいさんごにしんだ 女ぼ子のせめてみらいがたすけたりト水を ながれかんじやうにかけんとすればいんくわおのづと もへあがりながれくわんじよのかたへよりおいわが すがたもうろぶとあらはれいであか子をいだきつぎへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おくゆがかたをじろりと見つめこもよぶり〽アヽねづみがちくせうめ 立たるありさま身のけだち いゑはさしよつて〽八テ しうねんのふかいをんなだ もうじやながらもよつく 〽ヤレ〳〵こなたを きけきとへがむすめを たづねてゐた よめにとるもかう坐の きさまにわた いへにともいる手だて したかきもので かう野家へ ぎしのめん〳〵手びき かう野家へ しやうとふ義士と ありついた 見せてもこゝろはちうに はやく それをあさどひをん あのしな ないうらみしうとも もごしさ よめも手にかけさせたも 下されと 山か〽い右ゑどのか いししはさしよつて〽ハテい右ろか内見て〽ヤアあき □□□□□□□□□ おいれがなすりぎいとうが いへばとう兵へ ごけもめのともすゐ死させたも 死れうのたゝりことにみづ子の せがれまでねはをたやさんもう じやのあくねんヱヽおそろしい女だなアト きつとにらまへつめよればゆうれはあか子を 右者しに見せて何やうものいふていいししは みゝをそばだて〽そんならその子はもうじやの 手しほでもだしもでかしたそのこよろならこなたにもねづみがついたるハアおそろ うかんぜくれろなむのみだぶつ〳〵じ子をしいなむあみだぶつ〳〵〽イヤムへよは 〽もどすところか おれもこなたにむしん いふかねのかはりの あのそくたく きつとあしまへつめよればゆうれはあか子をもつてかへつたその夜よりどこから いころに見せて何やうものいふていいししはうせるかあまたのねづみかみの毛つゆ みゝをそばだそ〽そんならそのみにはもうじやのさきくひやぶられまことになんぢう〽スリや こなたにもねづみがついたかハテおそろ しいなむあみだぶつ〳〵〽イヤかへしは つぎこしよりしもはちにそまりたる うぶめのありさまうらめしげにいとものすごきにかど口につゞまりゐたる もつてかへつたその夜よりどこから うせるかあまたのねづみかみの毛つゆ 〽今まで ありし すがたい いづくへ とう兵へが おそろ しい 死札うの だゝり かけとつてだきあぐればおいわがぼうこん すつくとたちいとおそろしきめんしよく にてから〳〵とわらひい右しつにもひをくわけねばん水まですきぞへの人ごろし さしたゞいつくわいのしんくわとなり ぐわら〳〵とおとしてきへうせぬい者荷 いだきしあか子を見ればこはいかに ぢぞうのかたちのせきたうなり 〽さてはおいわがしうねんにてハテ むすめゆへてづるが よさにらうにんの おれがなん義をくに かけことつてだきあぐればおいわざぼうこんかへそふがきさめのしわざがこのちへ すつくとたちいとおそろしきめんしよくもうおほくの人をころしたとが くわん蔵ばんじまでまきぞへの人ごろし みやこれにはわけがあらふな〽そのわけと いふはもとおれが母がかう望のかちうの おそかつしいじおもはず やんでかう こへたてふるへおのしく 聖へしくり元の をりしもせう の命へ じの所右へ 帯で ねがひが ずんでこの せつきゝすみ 〽そんならさたが あつたのかじはなしの うしろへてんじやうのうちより あやしやおいわがゆうれいさかさまにあらはれいで とう兵へをしめころしこくうはるかにとびさりしかばしたら おつるなまちとともにかのすみつきはおちちつたりまざへ 名浅花 廿八 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つゞきいぢしはとりあげてとう兵へがすがた見えず なりしにおどろきねんぶつすへんとなへつゝこのすみつききへ とりかへせばとつぶやくおもてに小はやし平内〽い右衛門どの せんこくやくそくのすみつきないけんいたそふト入り来るを 見るよりい太しかたちをあらため〽コレは〳〵やちう 御くろうさりとてもきでんのいでたちなにとももつて 〽かるすがたもかう野のかちういとう おや子をせつがい なせしせき口 くわん蔵しのべ ばん介二人 しわざと ⑧ きこへしゆへ めしとつてあづけおき かきものひけんにまかり こしたサすこしもはやふトいぜんのすみつきひらきて 見ればこはいかにゐんぎやうもんごんひとつものこらず ねづみくびにてちぎれ〳〵になりければ ぐちくわん蔵 一十五日ざんじのうちに ヱヽあさましいこの なきがらこれもおいわが しうねんゆへもくち おしいとむねんのはがみ くひしばるおもてに ひとおとかどぐち よりかけいるせき しもべばん助 ふたりは口を そそろへて大 おんに〽となたの きうあくなにも かもわれ〳〵が しわざといひ とりきさまの 身にはとが なしと たで ことおさまり ゆだんを 見すまし いひぬけ つぎへ こりやコレほぐもどふぜんにて やくにもたゝぬひまづいへさいぜん わたせしもろなをいよりくだされし いるい大小わたしめされこのおもむき すゞさまごん上とあきれしい太門〽これも やつはりおいわがしうねんハテぜひもないじ いるい大小はいりやうのしな〳〵わたせば けらいのものい右衛門をふんだりけたりそのまゝ いでゝかへりゆくあとにはたちまちくるしむ母 いぜんのものどもあつまりてねんぶつとなへ 百まんべんかゝる折しもおいわがゆふこんまた〳〵 あらはれすつくと立ておくまばゞアをあくまで くるしめいはしもしつてんばつとうくるしむ ところをみな〳〵はねんぶつとなへせめかけ〳〵 かねをはやめる百まんべんたがめにも見えぬ おんりやうもい右ゑが目にはいとおそろこと まのあたり身の毛もよだつありさまに ねんぶつとなへくるしみけるおくまはくげん いよ〳〵まさりてしつてんばつとうけるよと 見へしがおいわかゆうこんたちよつて のんどにくひつきおくまがくびひつさげ たつたるそのすがたいまゝで見えぬあるたの 〳〵はじめてアツトおどろきさける 人〳〵はじめてアツトおどろきさけびおいわ 六部の源四郎もせうじのうちにくびれ死すいゑこれを 一こりやどふじや ふだおやどもに このありさま 人〳〵はじめてアツトおどろきさけびおいわが すがたを見るよりもみなちり〳〵ににげゆぎぬこのとき ものと見て〽ヤしらおやぢさまもくびれて御ざいごしたおやともにねちへ 白銭毛 このばをおちて いづくへなりとも おちさつしやい おちさいしゆ〳 〳〵トせり たてるい右ゑは うなづきて 〽なにかと きでんのおころ つかひしからば つゞきなわぬけして こゝまで来ましたちつ ともはやくこのひまに このばを のがれ回 〽そこく かげを かくきつしやい〳〵ト ゆだんを見すまし りやうにんが 〽いほゑとつたと くみつけば ちつ ともさわがず ともさわがず い者君は〽その 手をくはふかおれも そうとはトたゞ いつたうにくわん 蔵をきつて おとしてかへす かたなに ばん介が くびうちおとし 〽死まやうのたゝり 人ごろしどうでのが れぬてんのあみしかし いづたんのがれがたけは下 〽とつた □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 戸あけんとする ところへゆきをつぶ てにあかがつぱすげがさ きたるあやしきでたち かさぬぎやててかつ ばをかなぐり〽かみや いはゑそこうご くなしいふに おどろき〽ヤよ わりやァよも七何で 身どもを〽女ぼう おそでがぎりある おやよつや たもんを 手にかけ まつた ひどうにころ せしよりおそでもなんぢをうたん とおもふことのもとよりひごうの わうしこのよもそがすけだちでト きつてかゝればい右君はいらざることをト ぬきあはせしばしがあいだぎりむすぶ折 一一 からあまたのねづみあらはれ い石石がしらはに まとゐいんくわもへ いでくるしむにおもはず かたなことり おとすを すかさず よもやわき ばかへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きつさき ゆみなぎる血 めし同よもそは あたりを あたりを見 まはし 〽これにて じやうぶつ とくだつ なせし ひきま わす きへゆきあまたのねづみもゆくへも しらずなりにける折から 尾上梅幸作殿 しうんたなびきはな ふりておいわが すがたもうろう 京小ばし南伝馬町三丁目いなり新道坂本氏 ぜい方かほの薬おしろい大はんじやう仕りまする 美艶仙女香 一包代四十八銅 とはすのうで なにがつしやう してとくだつ 十包わ上けいぶつてい上 なせしと見へ たるは四十七きの きんねんねびろにうりひろめ日々御ひゐき あつくいもとめ被下ありかたき仕合にくり升 しかるとこつゑんごくにはにせぐすりも多く くり升るよしまぎらはしきるいやくをも 見うけ升るあいだよく〳〵名まへところがき 御きんみのうへツもとめ被下このうへ共相かは らず御ひゐきいひやうばんの程ひとへにねがひ 奉り升るなほまたにせくすりごきんみの段 御こんゐさまがたへも御ふいてう被下御夜のほど ひとへにねがひ奉り升そのため口上サヨウ そのひとりざとふ よの一がきゆう にておいわがうら みははれにける さればまつせに のこりたる東 かいどうよづ やのしゆくの おによこ丁の こせぎはかくと 応 需、 渓斎英泉画 はなしつたへし つゞきかたなとともにしんくわも 同十一日 10619 二十二丁目などりのはなにつやくわいだに 東街道 からのさき 門出魁、 同金尾上梅幸作 冊慢齋英泉画 池の屋焼物少々やかき 志満山人作 池の屋儀助 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 虫の如末 津田屋打浪か 桜月浮世 津田屋新浪松戸江廿 那州部川国信画一包代十八銅 全関亭傳笑作 褄重思乱菊 州溪斉英泉画 芝神明前 世けんむるいの一包南伝馬町三丁目いなり新道 美艶仙女香 御かほの薬なり四十八穴 そのゝゆきさんよりそう 坂本氏 若若林堂 時雨の笠屋 氏中本楚満人作 夕陽の茜屋 園雪二二勝艸紙中 名山三冊並合水画 若狭屋与市板 懸角力赤縄取組 全 十二 里 墨川西麿作 蘭斎美麿画 風絵半切 衛千代紙 箱入品々 絵草紙 問屋 団扇 きへゆきあまたのねづみもゆくへも しらずなりにける折から 尾上梅幸作殿 しうんたなびきはな ふりておいわが すがたもうろう 京小ばし南伝馬町三丁目いなり新道坂本氏 とはすのうで ぜい方かほの薬おしろい大はんじやう仕りまする 美艶仙女香 一包代四十八銅 十包わ上けいぶつてい上 なにがつしやう してとゝだつ なせしと見へ たるは四十七きの きんねんねびろにうりひろめ日々御ひゐき あつくいもとめ被下ありかたき仕合にくり升 しかるところゑんごくにはにせぐすりも多く くり升るよしまぎらはしきるいやくをも 見うけ升るあいだよく〳〵名まへところがき 御きんみのうへいもとめ被下このうへ共相かは らず御ひゐきいひやうばんの程ひとへにねがひ 奉り升るなほまたにせくすりごきんみの段 御こんゐさまがたへも御ふいてう被下御求のほど びとへにねがひ奉りまそのため口上サヨウ そのひとりざとふ よの七が義ゆう にておいわがうら みははれにける さればまつせに のこりたる東 かいどうよづ やのしゆくの おによこ丁の こせきはかくと 応 需、 同同二十九日淡斎英泉画 はなしつたへし めでたし つゞきかたなとともにしんくわも ○二百五分一 東街道 一金尾上梅幸作 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 門出魁、 陳踊雑名残花四家怪譚 州溪齋英泉画 池の屋儀助 桜月浮世 猿田屋敷潰 桜月浮世 猿田屋井浪狐江江江士 睦関亭傳笑作 褄重思乱菊 州溪斉英泉画 志満山人作虫 虫の如末 御代丹州国信画一包代十八組 芝神明前 世けんむるいの一包南伝馬町三丁目いなり新道 美艶仙女香 つかほの薬なり四十八穴 坂本氏 若若林堂 時雨の笠屋 夕陽の茜屋 のゝゆきさんよつそうと 氏中本楚満人作 園雪三勝艸紙中十 トノ三州並合水画 若狭屋与市板 懸角力赤縄取組 全 十二 用 墨川雲麿 蘭斎美麿画 風絵半切 同千代紙 箱入品々 絵草紙 問屋 団扇