江戸八景

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淮南堂撰
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淮南堂撰
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エドハッケイ
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東北大学
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淮南堂先生 撰 狂歌江戸八景 文化十一日のとし 組之舎 狂歌江戸八景 一▽鉄装備防ノ副船会ヲ 以テ購入セル竹団博士 狛野亭吉氏藤蔵 上野晩鐘淮南堂先生撰 上野晩鐘 淮南堂先生撰 十八 入桐の鐘のひゝきも寛永寺あれちりまするはなの時さけ百丈亭 鐘の真小春の日あしも暮近くまはる時計の車坂みち 暁を告るはしめか静かなく東のひえのいりあいのかね南天園 南田舎 上野山とまりからすいさはきてもあやう淋し入相のかね笠丸 入相は雲の上野に声すみて夕をのこす花のしたる金子 アキタ 短冊の雲の上野に入らつきてさくらにつけるいり相のかね業壇 諸人の見あくる山のうへのから下谷にひゝくいりおのかね照澄 上 九ヽ 咲はなはしらけ米かも上野山拝みつきする入あひのかね沖近 入相の陸つしたころも山門のあかて上野に花をこそ見れ江戸振 いり相の音も根本中堂にひこく上野くやましつなり釜成 八ヽ 花の咲山の上野に香せんの茶わんへちりていりあひのね三入 咲花をおしめとくるゝ車坂ひきもとまらぬ入相の鐘亀住 入札の鐘に出茶屋もよしすたれ巻かけてちる山の花き直方 毛氈の上野の花に吸筒の尻もすはらぬいりあいのかねおなしく しら雲の上野の山にほんやりとはなにかすめる屏の珠有家 入相の鐘にはら〳〵上り山見物ちらすはなのゆふつゆおなしく 入相のかねに上野は咲花のしたや匂へるはかの夕かせ朝起 上野山はなの破籠も根なるつくにかゝりし入相のかね昌平庵 下馬のゆふけたくころ上野なる摺鉢山にかねひとくらん澄義 上野山はな毛せんをしきたへのまくらになりし入相の鐘待吉 上野山蔵の目につて夕くれは耳ににつけるいり相の鐘花盛 アキタ さくらかる人もおそひ帰るさのくをりにまける入相の鐘長彦 千金のそのはるかせもふく路谷ほころふはなや入相の色長也 あふむいたはなの上野に見とれつく目もくらくかく発語岡女 幽玄亭 入この鐘におとろく麁相さいちらす上野の茶屋の花たし直道 上野山はなにのみ見る酒もりやつもりとなりし入相の鐘虎尾 下毛雀宮 ちる花の雲の上雲の山きはに日もいり相の鐘ひとくなり玉香 二はいつ あんる 辰斎 諸軍談四百 ◎ 不尽亭員俊 十五点 講釈沙上野のかねに これきりとおしからすのも あすの山下 十一日 八・ 下毛雀宮 今まてはあたまのうへの花曇りつまぬけて聞入相の鐘千代住 うなり出す上野の鐘の入相に土場浄瑠理共しまふ山下綾織 上野山かへさは花の下ちやすき腹小なるいりあいのかね南天園 南嶺舎 うへ野山大仏あれはかへるさもはなの中へと入相めかね村立 夕くれの上野の花は下谷よりたか目にもつく入打の鐘槌音 鳥かなくあつまのひえハ夕暮に時告る鐘もあふむいなく駒彦 上野山はなに見とれて帰りをも七分おしめる入水の鐘雪花 上野山花の番所の棒つきにつきくらへてはにゝき入相東夷庵 こへ野山花の雫のかゝるとろくゝにもひやり入札のかね葉風 霞月堂 上野山はるの内あしも咲花のなかめにくるくいり相のかね春見 八 在来せい時やたえん上野山はなにしらみしいり相の鐘おなしく 大酒館 上野山つれにはくれて淋しさをさそふてかへる入相の鐘ヲ 千浦楼 一鐘もけしさよく夕暮に上りからおとせいひろひこむ袋水垣 星の屋 其声の元三大師参詣のつきぬにきもをつふす入あひ数照 咲花い雲の上野に天竺の梵音となるかねそおかしき守信亭 霞辰亭 しのはすの地にひゝきてほんなうのにこりにそまぬ入相の鐘 霞光亭 いろは茶屋まてもひゝける入相に上野の山の人もちりぬる保志九 白雲とみえし三野のはなもはや黒もんになる入紅の鐘広丸 人とよむあつまのひえい入相のかねの花座の声ちらすかり琴通舎 上野山はなのゆふへは入相の鐘つく僧のそての黒せん店守 五十一丁 十二月十一日 八・ ちる花の上野にかゝる雨雲をおこす龍頭や入相のかね清雅堂 上野山鐘はく僧も貴妃小町はなにはゆるす女人禁制江都振 夕暮はあつまる人もちるはなの雲の上その鐘ひゝく時一草庵 上野山本を音そと見るころも興はつきさかいり相のかね直業 花を見る人はひつくりしのはすのいけにひゝける入相の鐘節近 入相の鐘に桜のちりかゝるあたまのうへのはなの下る大安丸 林秀亭 上野山日かす過れはちるはなのこゝろいそかすいり相の鐘 花のなみかへる上野の梢より鯨のこゑかいり左のかね淮南堂 日は西へうすつく比と上野にもくたいて響く入相のかね南松亭 星妃杉まて上おゝには入相の誰もからまてひゝぎさうなり鳥路堂 下谷かう見れは霞の上野山かゝるおりしもいり相のかね春耕堂 八日 会平 夕風にちりゆく花をいとひては上野の鐘の入相もよし琴の屋 仙タイ一円亭 入相のかねをつき夜かみ野山はなの光りにみちもたとらす阿字名 下サ飯田七種庵 上野よりかへりいそきてのる駕籠やさんまいはして聞入相音芳 蔵の歌ほめてとよむか短冊の雲の三野の入水のかね鳥跡堂 我目もとなきは酒の三野にてはなのちうはく入故のかね長房 上野山蔵にうかれて長き日もみしかく耳に入ちのか事気散寺 気散寺入道 木々も目を出す上野の山青くさひて聞ゆるいりあひのかね四半法師 } 八、 酔ふして花の上野に夢見草覚すもにしき入相のかね雪筍 入道のかねに三そへむらからすときもたかへすねにかへるなり耕也 一ちる花の雲の上野に音さてゝねにかへれとやつける入相中住 上野なるはなをした也とはれなくもつきはなしたる人なき 一入水のかねに上野の散る花とつれてからすはねにて帰れる春近 名に高き大江戸のみか田舎まてひゝく上野〳〵入相のかね巻住 上そ山うかれからすも寝くらにはつく時をしる夕暮の鐘一景 上野なる蔵にさはうて見物の人のみちうせ入相のがね 日も西に入りつけてむらさきの雲の上野の鐘となしき酒宴亭 声せすはくるくともしらし上野山はなにあかりさ入札のかね業成母 八・ 仙台仙香簾亭 上野山手もとの花を余所にして遠はしりする入相のかね房住 うなゐらか風もをよはぬ上野山たゝうなる声やいり相のかね漏留 名に高き花の上野や夕かせに匂ひもをくるいりあひの鐘南枝亭 いつくへも音にきこえて久方の雲の上野にひしくいりあひ茂足 花のなみかへる上生のこすゑよりくしらのこゑかいり松の鐘淮南堂 品川帰帆 十一 真帆かけて海士や帰らん七ツ過八ツ山沖に見ゆりつりて幸幸 入かゝる日に船あしもいそくらん真帆さへかけて帰る品川亀住 命まてけふせんたくを品川やのり合もよくかへる釣舟業増 目あてにはあれかそたとや帆かけ船のりつきゆる品川の沖水垣 ○一一 瓦竹 内 穴 内 カサマ 爪亭幸風 十五点 えものをは蜑も 自慢に品川や 船のほこりて 帰る夕風 ○十一 九ヽ カサマ諸童堂 八九合風に帆かけて帰りくるふねにはあはも見ゆる品か共仲芳 真帆引て帰る小舟は海こしのあはつふほとにみゆり品川房住 爪はらみ蛸かけし舟の帰る頃はやうみ出ん月のしなかは茂樹 子母銭の術をもえてに帆を揚てもとに帰れる品川の木虎尾 高縄手遠く見る帆は品川へよりもみことらん風のまに〳〵清雅堂 舟の帆は七合ほとも引かけてあしを千鳥に帰る品川店守 舟の帆も鰒のはらほとふくれつゝきたをむきてそあ糸川南松亭 松魚より帰る小舟は真帆かけてはしりあらそふ品川の中玉蟻 帆かけふねかちをもとりのはねた沖とふかことくに帰る所川花盛 股立をとりかちいそき帰かふねの帆も上下のやうに品川貞俊 九、 真帆かた帆ひく汐爪やうたゝねのさめ河に帰る品川のふね釜成 五宝亭 品川や帰る白帆を見通しに充もふねをこきいたすなり豊風 品川に戻れる舟やおろす帆のたゝむと見ゆかきしのさ浪亀住 追風にならふて帰る帆の顔もほのかにみゆる月の笠嶋葉風 真帆引て帰れる舟も名物の海苔やすかりき品川の海琴の屋 仙タイ 追風に千舟百舟よるなみの白帆もまるしなかはのおき業成母 むつましく帰るも舟の友とちや水と魚との品川の汁仲住 所川の磯辺の蜑かほすあみの目あてに帰る沖の釣舟素磨苫 同春宵亭 品川や沖はかもめのすたく如はなれすなか千匁百に漏留 極上の品川沖に何反も木綿の真帆をあけて戻れる虎尾 十一 一 たのしさや午の友舟品川にしきしめきるほの帰るみゆ清雅愛 積荷物種々品川の沖遠く帰る帆かけも千舟百舟元住 玉泉堂 香に舟かへさやいさむ品川の沖をこえたるけふの手柄に巻住 尾蔵にはあらぬたみの油分てほのかへりくる品川のたき鳥跡堂 夕浪の帰汐路の藻かり舟からき世過や品川のうみ金子 帰りくる舟もへかたや御殿山広にはめきし品川の御巻住 かへりくる人もしあんの帆かけ舟うかれてよるの品川の宿直業 ひろふ貝つゝみし他のうら舟に真帆打かけて帰る品川槌音 いまり舟筵帆かけてなすうをのはねたまりもみゆる品川南天園 品川に見渡す舟はかまつこのさめ洲に真帆や引て帰らんおかしく 八・ 品川やたにさくかとも見えし帆の追つく舟に布めわれり笠丸 梓弓真帆引舟も品川へ矢をいることくこきかへるみ□雪筍 支船の帆も丁分にはる風の吹さそひつくかへるしなかは緋也 家土産の品川さして百舟も帰りしほなる無事の追風末広 品川や皮の花ちる春風にちゝり〳〵とかへるともみね古道 品川の沖からこちうむく鳥のむれてそある海土の行に仲住 品川やはるかにむから冨士の根の雪かあらぬかなる白帆か春近 真帆自帆風の手酌をいつはいにうけては帰る所川の舟酒盛 品川や茶屋か二階の三味給に船もひきつれかへる帆めかけ春見 舟の帆も風呂敷めけり追風をつゝみて帰る竹芝の浦妨 十一日 〆八げい 蝶運布 一つらに品川さして夕くれは雁の羽根たや帰る瀧のかけ津吉 蝶形亭 帰りては皆とまり舟さん〳〵に帆柱迄もねかす品川黒金 双松庵 追風に帆は真しらふの高経や雲のはたてに戻る百舟二喜 追風に琴柱のとく真帆片帆ひきつれ帰る品川の沖玉丸 つれて今小舟親舟帆に風をたかせて帰る品川のうらおなしく クマ風月楼 御咎も木にとまる夕は品川のねくらへ帰る鷺かしら帆か竹守 品川の海のおもかちとりかちもいろ〳〵に帰か千舟百舟弦道 長高亭 品川の汀へかへる真帆片帆あける汐路のふねの追風雪道 所川や月の出し月にうさきより浪をはしりて帰る 入札の経をつくたといそくらん日も竹芝のうらのつりて貫安 八ヽ 帆印も見わかぬ頃や魚の名のくらけにかへる品川のふね照澄 帆柱も弓程そりて夕風に八ツ山あたりふねかへるみゆ出なく 品川のなみにきさこをはちかせてやつめたりより帰る姿 御殿山めあてに帰るしら帆さへ花の雲めく品川のふね亀住 袖かうら此たのしさに真帆よりも五合はけよ酒の舟虫芳丸 真帆引てあれる雀色時や波もみとりの竹芝のうら百丈亭 帆のかけに田あしもてうと七つ頃八ツ山さして帰るへり舟持吉 見渡せははるか沖より帰る帆も星をめめての品川の舟三入 品川にきまか舟ものり鹿渠ののりかけんよき真帆のはり物勇躬 聞てさへすこき心ちそ魚の名の鮫沙をさして帰るつり舟冬住 十一月廿一日 〆八十六 唐紙のほしを目あてに舟人も帆足を戻す池の浦風琴通舎 明方に顔をぬくふて帰る帆の手掛かけとみゆる品川松成 よい〳〵とかこかはやしのかけ声に天王洲沖を帰る友船一斉 造風に嵐の石をもあしゐ湯あらい浪間にかへる舟の帆一景 品川中追風うけて帆柱もたつきせはして帰る舟長 帆柱をたてのたはこも夕きりにしめりかへれる品川の船岡女 ていけよし瀬とりを無事に品川や片帆に笑もつくる製年積 黄昏は帆もしら露のおきかへりおき帰る船や見返しの笠長彦 品川の浅瀬に帰る延部に舟ひくやつなても牛町のはな直方 追風の帆は弓なりを品川やまとにうけてそかへる舟人好也 くわ 原竹 十三点 蝶花楼 駒彦 芝の浦帰る皮路に見る船の 帆は白鷺の飛はねた沖 十三点 百寿庵 広丸 からす石あたりを帰るすなとりの 船もはん帆にみゆる追風 十九丁 ヱハけいへ 御殿山あたりへゆる舟の帆はをみなの髪のかたはつしめく貞俊 ゆりくる真帆も片帆も品川のすひつけられしやうな夕風柳々居 芝の浦しはしみかまに夕汐の品川さしてかへるもゝ舟有家 梓弓矢橋もこゝにみを杭のあたりをさして帰る網舟成木 たはれ女か出てまねけはえてに帆をあけて帰れる品川の五枝足 蜑に舟つり得て帰る魚よりもこところおほき早川の浦石文 品川へかへるなみ間のかち枕まくらになりて泊るとも舟阿字名 夕くれに真帆引舟や海こしのあはてく帰る跡の追かせ音芳 真瓢片帆巻のけしきの品川やあるも波のはなの大江戸春耕堂 会津 ゆたかさやほに帆を江戸に見せなから新末舟の帰る品川琴の屋 S 欠S 浅草晴嵐 尊しな木々の梢に雲払ふあらしの音もこもる浅な亀住 金なるたつの山風吹はらしきにかゝる雲もなくて専き花花盛 彫物のらんまの雲も吹払ふあらしに鳩のさはく浅草魚袋 九、 仙タイ波南 浅草の観音経や雲の太刀たん〳〵おれる月の夜嵐根之 浅草の石の程のに夜嵐はれてこけめく雲そなちぬる直方 奥山のあらしにはるく雨雲はかみなり門のよそになか行長也 けふいく日はるゝ嵐に諸人の砂けふりたつ浅草のふし長房 浅草にひさめる豆を吹ちらし島もよちこふ朝あらしかな気散寺へ道 みのゝ毛をふけと嵐は賑ひの疵にもならぬ浅草の市南松亭 同十一 } 雲ちりて青きみ空とけしの助とつと吹たす嵐おかしき貞俊 胡鼠はれて今戸に今少し残れる雲やけふり一すち鳥趾堂 村雲の黒舟町の小夜あらし声を帆にあけて吹払ふらん房住 夕立の雲は嵐に吹はれて神なり門に日かけさらめく有家 吹出す此おく山の志道軒今はあらしの音にのみさしく三入 たかとのもこかねの皮や立よらんみめくり遠く晴る嵐十二 初雁の声かときけは浅草の嵐にとはす駕籠の一つら四愛 吉原へかよへる人や浅草のいひわけはるく月の夜あらし早々音 雲払ふ嵐に露も浅草の一つやまさる月のおくやま業成母 吉原の草うる市の価をもあらしのはらふ馬みちのくも照澄 浅草やむれたつ燈の羽音をもそふるあらしにそはらふなり幸風 白川七九堂 一通りはれてもなひく浅草は外にあらしの柳やの見せ白 嵐吹其浅草のうち弐よくいしをまくらや一つ家のさま村立 紙きぬたたゝく嵐も浅草にはれかゝりぬる空のすき切直方 夕嵐雲吹払ふいきほひに金龍山の月そのけれる糸井 気のはるゝ所へ出て行嵐真一文学にきため天道有家 たをやめの雲のみつらも浅草のおく山風になひく柳や岡女 立のほる今戸のけふり空にきえてあらしにはかゝ聖雲山持吉 雨雲は嵐にはれて駒形の舟に日のさすさほの竹町節近 吹払ふ嵐にときてくもりなくうつら鏡か池の水かね松久 □□□□□□□□ 辰斎 桑名 鳥趾堂一 十四点 夕嵐はれて みてらの 金龍に 瓜をそへたる 三日月の かけ 早淵村 たちまちに雲吹払ふ嵐には晴てみへたる山の宿町実生 筑波様も晴る嵐に浅草の御寺の鐘の声すみ田川琴通舎 小相止風はるゝを追ふて行雁のさほさす月の朝形の舟江戸振 夜嵐の吹はらすとも浅草にちらすな俗のともしひ大乱業戌母 所から心のちりやはらふらんつみも鼠にはるくあさくさ仲住 上野より嵐につれし鐘の音もわかれて鳴ゆる浅草の寺漏留 浅草のかり寐の通美も吹はるゝ鼠にさむき露は手枕茂樹 一巻亭 蟻ならてはてあらしに浅草の塔のあたりをむれる人々初見 むさしたゝ鼠やはらふ浅草の御寺の露の玉のいしかを雪筍 朝あらし浅草寺は木の葉よりしけくちりけり賽銭の音末広 吹はるゝ嵐涼しき打水に露の玉ちるあさくさの町南松亭 浅草に鳴虫さへも吹すさむ鼠に声のすめるおくやま耕也 入相も八百八町ひゝくらし嵐にさそふ浅草のかね仲佳 雲払ふ嵐に経の声すみてのりも吹飛ふ浅草の町おなしく いかつちの雲を嵐にちらしては左りうちはて居る風の神大広丸 夜嵐のはれ行まゝに望月の影さしのほる駒形の木駒落 雲払ふ嵐につれて屋根舟も猪牙も川瀬の浅草による真垣庵 蜘の子をちらす嵐の屏彩師はれていつはい這入る浅草南天円 すみ田川真黒き雲も嵐にははれて夕日にむかふ筑波様弓成 奥山の嵐に晴ていつるのは青天上のをんな太夫か南天園 十一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 八・ 雨をよふ金龍山にたつ雲を払ふ嵐の妙ちりきかな澄義 雲のみか茶屋の女の化粧まて嵐にはけてみゆる浅草易正 雨雲を吹はぢふらん並木町松のあらしにかよふひける鱗 死とかも嵐に払ふ浅草のあさくらきよりあゆみはみん槌音 浅草や声もすみけりおく山の嵐のかねのみたれ念仏糸道 材雲も茶やのよしすも時の間の嵐にはらふ観音の山星丸 嵐した跡は一しほよし原やにはかに人の知る浅くさ門成 大空は嵐に晴て常香のそふり空なす観音の堂百丈亭 くもりさへ嵐につれて参詣もとつと出たる浅草の寺直へ業 手をたゝく内に嵐の吹はしとんてかはれか浅草の空琴松堂 一しきり目をくらませて奥山の嵐はいつちけしの助かも春見 風の神たゝせ給へは浅美は雲もはけしく吹晴てゆく水垣 雲払ふ風のおこれはこけさうにうそふきている中見せの虎巻広 浅草や兄後す土手の無口にも風にみたるし雲の葉柳真照 吹あるし嵐の跡もすみ田川岸辺にいさむこまかためふね散頼 源水のこまはかりかは雲晴て嵐も木らのは後りそする昌平庵 浅草の御寺の法にわか名をもはれる嵐の声そすみぬる燕雀堂 雲足もいそく嵐の空晴て夕日をかさにのする馬道菊成 浅草や嵐かたゝむ浮雲の袖にきせるをかくす豆蔵石文 つなきをけ画書し馬も浅草にあれしつまりて晴る嵐は弦道 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 十八日比 楓樹園 金岡か画書し絵馬やうこき出し夜嵐御ふす植木やの萩赤貫 雲のあし晴て見りたす山の宿あらしにはらぬ花川戸町松成 綿師 雨雲をはらふ嵐に田舎人笠まてはつす浅草見付末皆 秋に咲花川戸てふ名にめてゝ嵐もいとふ歌のあさくさ良月 雲を起す神仏門も風晴てはりこの虎のきまふ浅草巻住 雲競ふ夕暮かたは三まいの駕籠も嵐にとはすあき草元住 観音の千の矢さきか浅草は嵐もしけ〳〵ある土弓場釜成 緑庵 なす罪もあらしにはれて浅草や浮み出らん数のあみ舟 浅草の富士もあらしに吹はれて気色またらの人の言ふり数頼 雨さそふ雲もあらしのさつはりとふき掃除する浅草の寺朝起 朝あらし吹しく庭も観音の如くみあまねきなひく残事おなしかと 嵐吹浅草寺のおし山はけにみはしてよし原の角雁音 浅草や嵐に雲も吹ちりてはれゆら空にてゆる干聞 木々の葉もなひく嵐に場枝打をと吹をくる浅草山長庵 吹はらふふみの帯より花川戸嵐にこまる助六か傘淮南堂 王子秋月 あかの飯そなふ王子の広前にいつはいもりし月の名かさ制道 ひくらしに日をはくらして王子まて月もろ守木のほる坂道南松亭 王子なら月にもとれてあしえにたつ鳥居さへししておそろく さやけさや去来し花の王子道月にうたかふくとてもなし二喜 同十一丁 か 十五点 高砂亭 松成 王子からみあくる月の目さはりは にくしと釘やうちし神木 十四点 幽玄亭 直道 雪花もはたし参や王子なる 宮居は月のかけの国幣 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一待合す王子詣かひと一助のみちくる月をまねく扇や数頼 神坂の杉には釘のみえなからねたくおもはぬ月のきやけさ江戸振 写しへや此あたりまて蛤のからりとはれし貝津かの月大広丸 詣ぬる王子みやけの狐よりかしらにさしてかへる月かけ持吉 さしかさす月の今宵は天地金王子につねとめつる家や直方 飛鳥山こしのあゝりにさす月のかけしもさやけき熱庭 モ二百二百二百二十五軒 野狐の尾蔵の浪に王子をもあかしやすまとみする月の夜林来 秋の夜の月にはこゝと自慢して王子のゑひや頃をなつらん水垣 王子まてひらかとはかりはしめ縄はりあひをかくはかす日影閉道 はかされて木くも桜とみやしろや花の葉の秋の月かけ雁音 八、 一王子なる白狐の外八大鳥居今雪の月にこすものそかき昌平庵 秋の夜は都にもすむこゝちせり王子の里の月を見るから虎尾 狐すむ王子の秋の最中には装束抜こゆるつきかけ節近 月みんと王子をさして行道もあふむくによき六あと笠一草庵 王子道賤かたんこをつきかけの兎も助に出るあきの夜房住 仲住改 白寿園 王子なか田は月かけの雪つみてかつらもみのる豊年のあき正任 月かけの香もつもるか王子なる小田のかたしのきたるこの笠繁樹 王子村熊そく宮のはやしからおとり出たる月のかつら男素丸 玉とはる王子の月は十丈や十五歳にも替んあきゝの夜実生 仙多菅菰亭 かしこしな月の花のつく餅を王子いなりのひもろきにして見舟 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 五日 文科はいさ白狐王子村めてよ田毎のつきのさやけさ早々音 片葉舎 王子村曠けて野狐の目の庭りやなきわたるらん長慶 王子なる宮居も今宵てる月に光りをそふかあけの玉垣早々澄 鍵になる雁をくはへし月影を白狐のたまとみるみに村貞俊 名物の王子みやけとみゆるなり月にうかれておと関両おなしく 王子には鳥居のあけも近きそと烏をはかす秋の夜房鳥趾堂 虎の威をかりて狐も風をおこし王子の月のさはらはなん文字丸 来福舎 草かくれもう〳〵光る秋の月王子の山のきつね火とみん豆成 秋の夜はこゝか正面正一位王子いなりにつきことこそみれ雪筍 稲荷ふ神の在す王子とて月の影さへ豊年のゆき耕也 久かたの白井の王子王城のひかりをそふる月のみやこ路末広 名にしおふ王子の山に雲はれて月を狐の玉とこそみれ存全 一装束の掟をこゆる月影はけにうへもなき正一位かな是也 狐かせにはるゝ王子や所から化されてはる月の雪そら和多志 大君の御子ならねとも影あふ〳〵今宵王子の月に詣つ気散寺入道 文芳亭 王子なるあたりにたちしいしとも何くらからぬ秋の夜の月三苗 三苗 ときあけし月の鏡にうつしてもはつかしからぬ装束板三人 くらからぬ王子の月やあふきみん今宵最中にすめる秋津洲 是やこの王子のはたの枝豆のさやけくめつる月そたのしさ 諸堂堂 王子にも実をゑひやか中座殿へとなりすてさす月のさうつき仲芳 十一 十一月十一日 秋そ宵琵葉抜てる目やくもの衣を着たりぬいたり太平堂 玉毛一天はねて王子てふ文字よむ月よ正面のかく南天園 詣くる人も王子や石段のたん〳〵のほる秋の夜の月槌音 王子道ふと化たれて迷ふともそらに道ある月や愛なんおなしく はつせかし月の光りの強将碁がこふ王子の茶屋か障子も真垣庵 わらんつのひもとし暮て月やみん狐も旅の装束板脊耕堂 秋の夜の詠ことなる王子道きつねの玉かひかる月かけ有家 跡を引是も酒宴のはり狐今宵三子の月にうかれて直方 歌のすゑ王子まいりの日みしかく暮て田畑へさしかゝる月糸井 辛抱亭 蛤も一つなへならつきあひに王子てふかす申あきのつき稀成 町の川すみゆく秋のさひ鮎も月に光りをみかしく雪の夜貫安 雀ノ宮 くまもなくみゆる王子の狐穴あなとうとやとあふく月影玉香 キツレ川 頼めつる王子の森やえたり其きをくたからく月のまさかり金子 見あくれは王子の山の紅葉くのあから影さすあきの夜の月照澄 野狐は装束板影みえてをのれと恥ん月のかゝみに用 朝起改 清雅堂 浜辺七 浜辺庵 村人も王子の氏の玉垣のあけまてつきにめつる秋の夜朝風 皿月を雪と入み見るおかしさよ王子みやけの狐かつきて白雀坊 老となりて腰まかるともいとはしるゑひやに月をめてあかす夜はおなしく 酢月亭 王子道房史を秋のあふきやもすてゝはおかぬ月のまろしと花満 雲の花ぬきて王子の垢鶏水に影さす月もなるはたかなり二鐘亭 十一 十一日 八・ 王子道ゆる夕はとりかへし鑓のさやうにつきやみららん燕雀堂 三河亭 さやけさや王子の鳥楽かさ来まてさしかゝりたる秋の夜の月常見 村にはふかし昔の秋今宵道潅山のつきのとしひさ琴通舎 蝶のみか人もくるけん王子村月のかつらの花のさかりに亀住 幾とせも秋を御老やそ王子道まかりしこしものひて月はん長也 あさしけき光りかゝけて王子なる秋の月をもみつの燈火花盛 糸車めくれる月の王子村よるともみへぬあきの中そら岡女 鳶とみる王子の茶屋の秋の月田楽はかり狐色にて弓成 さしかゝる将碁の駒の王子にも杉のあいまにみゆる月かけ百丈亭 風なして明る月影に消さるゝは王子にともす夜半の狐火落広 十二点 仙台業成改 有漏堂無漏住 王子道これや狐の尾花にも たまの露みる秋の夜の月 十二点 桑名 一圓窓文字丸 君子むらひ狐もこよひてる月の 雪につくりしけたものとみむ 廿一日 八・ 真丸な餅ともはゆる王子道稲荷にそなふ出来秋のつき茂村 秋の夜の月に玉子の卯ももこれいとうてるかしは手の春早瀬 紅花ふくも月の王子にてりそひてにしき粧ふ装束板勇躬 曇りなき玉の光りもやはしくや王子の宮の秋の夜の月糸 狐すむ王子の山の鳥居先露に眉毛をぬらす月の夜明益 王子村きつねやいかにいそかしき月の色のあかしまうけに巻広 誰世に拍子とらせて月の夜は王子のもりにおとか野狐巻住 秋の夜は月の都といはましなこゝも王子の里の名あれは季久 秋の夜の王子の月のさやけさはサはら雲をやあふく繁文車 きつ三川 知にもアけぬ王子の片四金まとかにまめらあきの夜の月直業 狐飛ふ装束榎吹風に月の兎もこゆるやうなり 一文慶亭 加賀丸 十三夜七ッの唄て泣子をはすかす王子のもりの月かけ衣紋 秋の夜は月を友とや王子からきたへ狐の穴もあかるし水垣 神垣や思はすうへをみやはしらふとうかれゐる秋の月影百勝 老となる月は昼ふもにしか原としもよるとは思はさりけり さし入るし影もゑひやの色みへてあかき王子の秋の夜の月六経園 すとかさのうかれ烏や王子道月にうこめく鳥さしの影ころこ 王子道影すむ月に夜を昼とあらそひの森もしやりさやけさ星丸 飛鳥山秋もさくらの下にきて月のかつらの花見をみする津吉 月をみる王子は杉の村立のねるきはなしと思ふ秋の夜強道 同断 昨年 詣来る茶やかしやうぎもかくやらん王子に月のさすかけそよき釜成 からかねの龍の腮の玉かともみゆる王子の月の垢離水 隅田落雁 十ヽ 百遊軒 落くり昔男の衣めけりすみ田川原の菱喰の雁平樹 隅田あたりよはふ竹やか千年をもへの字になひき落る雁童朝風 一隅田の舟あとのを先へ渡しけり落くる雁をしはしみか間に箕後 瓦やくけふりの中に隅田川むせて泪や落るかりかねおなしく 渡し舟あたる拍子に雁童のさほも落せし隅田の川岸松魚庵 こく舟の隅田のおもかちとりかちとりかちと別て落る雁の二つら一草庵 九 はら〳〵と雨も落きてすみた川にこりをみするかなかきの尸文車 柴平の音をおもふ十みま川吾妻橋へと落るはつ雁耕也 こきめくるすみたの川のからろをもおのかともとや落る雁金平樹 隅田川岸行舟の棹の顕そかりひて落る初雁の声一草菴 瓦やく今戸の里のけふりより風になひきて落る雁童四変 一隅田川堤の内にみゆるなり旅の着かへの衣かりかね千代根 髪あふ岸の柳もすみた川さらりと落る雁金ひたひ糸井 隅田さして落るも鎌につほ鳥のかつしかわせや雁の羽つかひ貞俊 念仏の声もはるかにすみた川橦木の形に落る雁かね琴吹 幾世 隅田の庵落くる雁のこととふやあしおとのする秋の河風 和久 村雨もはれてそ月のすみた川又ちら〳〵と落る雁童夢松堂 十一 十五点 るをから すみた 河原へ短冊の から路落くる鳥も落 桑名 鳥趾堂 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ クハナ 焼筆のすみた川かもさらしときれいに落る雁の羽斧薩磨 高巳斉 哥人によめとや隅田の夕暮に落くる雁の五文字七文字茶寿中 茶寿里 すみた川雁も日あしのみしかくて心関屋の里に落らん房住 雁羽のすみた川原や雁の文字落てうつせる波の白衣無漏住母 梅若の古きはなしの柳より声をからして落る雁かね四変 梅若の春は昔となりにけり雁来る秋はもとの道にて白雀坊 隅田川はたしの舟や待乳山はねやすめにも落る雁辺 すみた川空のさより一連につゝきておつるかりの船こた 隅田川流にのほる小舟にはさほともみえて落る初雁巻住 きた国の貢物にや七八は隅田にもはこふ稲の初雁 袖香同 元業 クハナ いと手をもひきつゝるゝ矢に弓張の月もすみゆへ落るかりまた雪筍 矢立なるすみ田河原やとる鳥のかさいにおろす雁かねの文字音澄 すみた川往来の汐間みめくれはみめくりあたり落るかり金耕也 耕文堂 立のほる隅田の川きりくる〳〵と又舞落る雁の一つら有家 墨壺のすみた河原を目印にさしかねめきて落る初雁末広 酒上 弓となり矢となり野山とく越て隅田をまとにそ落る雁童 隅田川むさし下総一棹にさして下れる雁かねのふね四半後部 行ときに跡をにこさてすみ田川またもや落る雁の一つら藤長房 此秋は爰にすみたと鳴つれておちつき顔に三間雁童和夢志 いくくたり都の鳥の跡とめてかくや隅田の川のかりかね空躰 十一月十一 十一日 秋の夜のはつ雁かねの其軍とならへてやさす隅田の川舟気散寺谷通 浪のつみみつくにきける手枕の夢打覚すすたの初雁おなしく 常念仏なれもすみたに声そふや珠数ともみえて落る初雁平樹 先明舘 あらと見し花みすつれと秋こよひ月のすみたに落る雁辺秀丸 菅菰亭 すみた川墨つきもよくにゝの葉のちらし書せし雁のたまつさ 塩尻亭 月かけの隅田河原におちくるや声もしつみし雁かねかふち常常雷 馬蓼亭 松野の琴の伝授もすみた川かた川二午のてらしたいる雁年積 年積 羅綾亭 舟長のさほともみえて竹丁のわたり物なる雁の一つら袖彦 落くるは隅田河原の出茶やかもこしよりかけていたるかり雪早々音 早々音 片葉舎 すみた川夕部の虹の其あとにはしともなりておつる雁金長葭 すみた川梅若塚の柳葉もらりこむやうに落るかり金一円亭 隅田川くるか〳〵とまつちやのふねにもおとせ雁の玉章窓文房 いらつらか渡りにみえて船長かさほにもなるゝすたの雁堂南天園 すみた川詣やよめる手習子そらにおほえし雁童父子おなしく 汝かくれは秋も夜寒に向ふ嶋隅田の渡りの衣かり昼朝風 春まてはこゝらか雁の隅田村やすたむらかりておつるなのゝ村立 すみた川その船覚にうちみれは水を望みて落る雁金利道 いつしかに秋もわせたの一は二はかり渡りつゝ隅田に落らん 一筑波より落くる隅田のかは風も身にしみわたる初かりの声おなしく 新泡亭 一向しまさしても落るかり金もひと望つゝにならふ代土稀 稀成 三十一 被下候 河そひの柳の枝のそゝなりにしそれて落るすたの雁辺季久 美しき女けいさにとふ雁も見られてや落るすた草の辺災澄 隅田川なかれにうかふ紅葉ゝとあらそふて落る雁の一つり金子 一つの文字もにしむや村かみのすみたに落る雁の玉章おなしく これもまた旅の硯のすみた川気おとせしかかりの玉章良目 常せから秋の彼岸にくる〳〵とまはりて落るすたの雁かね常見 すみた川みいたす舟の棹の如岸辺をさして落る雁辺おなしく 秋くれはすたの塔に百斛のはな咲そろへおつるかりかね元住 小万堂 梅若の塚の柳の夕つゆも落てや雁の声のしのなる鈴成 剃刀のやうにもなりて白髭のあたりをそりてさまる雁かね持吉 隅田の舟祢宜も法師ものり合のひとつ所へ落る雁金 手習子もとれる頃に文字なして顔のすみたに落る雁童 百両の堤やとけしすみた川きし辺に落る秋の雁かね 隅田川其吸筒の竹の春梅若さしておつるかりかね 秋の夜の月のすみたの川風に桐の一葉や落る雁辺 真崎にをくれし雁の一つらは心せきやのさとひたる声 一つらになりて雲井を二めくり三めくり落る隅田の雁辺 行舟の帆綱のやうにすみた川風になひきて落る雁邊照澄 をのかすまん里みやくりて此秋の落穂をひろふすたか何金百勝 舟人にいさことはんすみた川田面に落る雁金の文字妨 五分十一 □□□□□□□ 梅若へ我まつ先のわたし舟さほの雫やおつる雁かね三入 柳葉の舟に哀をわたし守風に乗り来るすたの初雁二喜 秋もはたむつさと見ん霧間より落るも雁のうす隅田川星丸 三廻へ誰奉納にすみた川かきの手見せて落る雁かね 文亭 春まてはこゝにすみたと秋葉からみめくりおつる雁の一つら 長居 文字なせしつらも隅田のうすきりににしみて落る天津雁盆 吉原に真をきすたにおりる時雁もしるしの山形と見ん 便時堂 水色合 水壱合 鴫立 すみた川月のみふねに影さして一さほいゝにわたるかり金 かはることありやなしやと雁の文こととひかはし隅田に落らん 紀 初雁のみしかき棹にすみた川月のみ舟やさして落くる勇躬 霞仙亭 吉原へむかひもちかきすみた川つゝみに落る雁の玉章桃人 やれかゝる陽白のつゝみへ落る雁のくろひ顔に枝やもてきし弦道 一鐘か渕其鐘よりもかり逢のひゝきて落る隅田の川岸直道 日にほせる隅田の門田はむしろからこほれてもとも落る一金燕雀堂 にはかある頃はとりわけよし原へなくれて落るすたの雁かね亀住 一むれはすたのわたしめ遠近に秋のまつ先かけしかりかね長也 よしあしも住は都のすみ田川茂れるきしに落る丁金号成 此ゆふへ月のみふねやさす棹のますくに落るすたの初て岡 雁かねの水さをつらねて折手本かきしきのすみた河原に節近 すみた川漕行船にかさはやとさほになりつゝ落る雁堂粟阿弥 十一月十一日 十一日 あはれさもをのつとおこる手あふりのすゝた河原に落る雁重 隅田川こき行舟のみなれ棹みなみをさして落る雁かね虎雄 八陣も長燈もみえてかつしかにそなへ立めし螺田の雁金釜成 すみた川落くる雁にことゝはんたのまれしみはありやなしやと酒毒亭 春こそし堤のさくらちるやらに雁も落くる陽田のあきすみ早垣 賎の男か稲荷ふ棹に雁のさほしなひておつるすたのあせ道幸風 漕舟の棹め雫かすみた川峯にはら〳〵落るかりかね仲芳 落くるも雁の弁からすみた川すなるは風になひて葉柳花成 おもしろやすみた河原による波の花と紅葉におつる雁金 隅田村や夕物らし露儀落穂ひろひに落るかり金根之 十二日 文亭数頼 とく落るかりの玉章ふらし心の のりつけてみむすたの行船 十三日 南商存全 すみた川堤の柳吹火に はをすりあふておほる雁筆 十一 一ノレいヘ 雁の声ひときておつるすみた川三井の名におふ鐘が渕 春まてはこゝにとゝめんすみた川関屋の里へ落るかり金実生 秋は爰に隅田川原や牛嶋につの文字めきて落る雁かね百丈亭 いつくそと尋ねて聞は鳴声もすたをさしくる月の夜の清雅堂 仙タイ南夏亭 雨そゝくすたの田つらの水まてもともに落来る天津雁金茂樹 すらた川花はすてゝも秋くれは霜葉をかりのおつるひとつら血漏住母 詩乳山まち合せきし雁ならん陽田河原におつるいくつら 春宵楼 白寿園 てる月の都をよそに飛雁の隅田河原にすみえて其なく 正住 年こえて関屋の里にすらなれよ落くる雁も心へらて 執之舎 素磨口 業平の昔もかくやすみた川する所もとめおつる雁辺淮南堂 S 欠分 十日 深河暮雪 クハナ 深川のかはとなかすは鷹ともおもは好雪の夕くれの空四半法師 雪はるゝひらの町より木場の暮はなのさよりに杉丸太郎馬伎 材木につもるゝもよほと深川のきはみし空や雪の名香年積 来る客はうかれ烏や夕まくれ雪の月にさはく深川亀住 裏やくらうらやくそくも夕暮の雪には跡をつけぬ家根舟貞俊 九、 ふりつもるけしきに腰をぬかしけりえひすの宮の雲の夕暮同 夕くれの雪のけしきを二階から見通しにしてゐたきふか川同 深川の雪見のふねは三味せんの棹やしかし小たはん夕けれ大広丸 浄心寺祖師のかふれる綿ほとに家枯をつゝみし雪の夕音馬伎 上方 十一 深河暮雪 深川のかはとなかすは鷹ともおもはぬ雪の夕くれの空四半法師 雪はるゝひらの町より木場の暮はなのさよりに杉丸太郎馬伎 材木につもりもよほと深川のきはみし空や雪の名音年積 来る客はうかれ鷹や夕まくれ雪の月わさはく深川亀住 裏やくらうらやくそくも夕暮の雪には跡をつけぬ家根舟貞俊 ふりつもるけしきに腰をぬかしけりえひすの宮の雲の夕暮同 夕くれの雪のけしきを二階から見通しにしてゐたきふか川同 深川の雪見のふねは三味せんの棹やしかしにたてん夕けれ大広丸 浄心寺祖師のかふれる綿ほとに家枯をつゝみし雲の夕音馬代 十一丁 堀斎 十五兵 不尽て欠優 暮むかひかゝる芸者も跡つけて あそふはおかし雪の仲町 十四点 祝言亭琴吹 雪の日は声瓦しほりてむきみ売はまくり町へ帰る夕暮 十八 三十八 かハナ 白鷺のとゆるやうなる八幡の森もねふれる雪の夕くれ音洛 入相は鯨の声か七つゝもとみか岡なるゆきの千金朝風 夕暮の風に寒さを呼出しのちら〳〵みゆる雪の仲町松成 鴨嶋斎 玉の芸山をなすともたそかれにさけはつもるな雪の深川 夕まくれさはく花者の言葉迄うはすへりする金の仲町駒彦 さしけたる土橋の館は石公公と見なせし雪の雪の名誉 二日膝つもりし酒の深川やあたまおもけに雪のくれ升岡女 つむ雪にねふる松も寝くらとるしらはとける富か岡の辺数頼 一蛯子揺角ものはねの太鼓よりとん〳〵とふる深川の如き早々音 十月の亥の宮にちら〳〵とはつか斗のゆふくれの雪見舩 むきめしに鯛のむかふのつり中間えひすの宮の雪の夕暮袖彦 雪も猶はそれはいとゝ深川になかしてあそふ夕暮の客挑実生 南浦楼 暮をし下駄のみはきて百歩楼雲見にあとのつゝく深川蓬畄 早咲は雪になかめの深川や夕部賑ふむろのむめもと有家 ふか川や女芸者も三味せんのこまとめて見るゆきの夕書 孔明の臥龍におなし梅本へ知恵の手くたに雪の夕くれ八藤縫方 一鮫はたになる夕くれはさん橋もかまほこなりの雪のふか川琴吹 雪のふる日も家根舟のをきこたつやくら下迄かよふ夕暮おなしく 客はまたつもるはなしにくるゝのもしら雪わけて帰る深川正住 一十一月十日 そのけしきくるゝもおしや入相の鐘をつくたの望の夕公れ房住 十一 五月二十一日 仙タイ純之舎 深川や入来るぶねもちら〳〵とみわりてけるゝ雪の真白帆素丸 舟のうちふとんもうすき唇にのりたる客や雪のふか川茂樹 下かしは去せし縁もふが川の類仙さてしやくれ六ツのはな漏留 壷清楼 一夕暮や雪の中にもさく花の香は深川にめつる梅もと恒 かねの声かそふるゆひもひらくらん日はくれ六ツの花のふか川 つもるほと雪のけしきも深川や棹さして見る夕くれのふね空帰 客人も夕アは六ツのはなやかにそて打はらふゆきのふか川七里和光忠 深川や尾国か袖にすかられてはまりこんたる雲の中ふくれおなしく 夕暮に人もまよはぬ駒下駄や雪ふみわけてかよふ深川長房 なれかきてとまるところも深川の雪もつ竹のすゝめいろ時おなしく 深川へ雪の夕に来る客とつくる達気の居続の尻おなしく 夕くれの雪のはたへにみほれてはかへさわするゝ深川の客気道 深川のすさきのあしもかしけてや鷺たちえぬ雪の夕暮出なしく ふか川へ夕くる客の袖たもとはらへとつもるゆきの花代四半法師 深川や雪をよそふてたをやめの素顔はみせぬ鶯むかひ時平樹 深川につもれる雪のあつふすまかさねて見たきかふの戸高おなしく 深川のはまくり町へふるけるも海中へ入すゝめいろとき馬伎 たそかれにふりつむ雪もいとはしとはまりてかよしふ深川の舟豆成 吉原につゝくなさけやふか川の夕くれ六ツの花そにきゆふ雪筍 ふりつもる雪に今宵は猪牙舟もあしつなかれし深川の岸おなしく 十一 □□□□□□□□ ふる雪に居つゝけせんとゆふまくれおもてやくらのうらかへす也耕也 南杯楼 かきくらし雪に思案もふか川や永代橋のなかき花章是好 白妙にふりくらしては二軒茶屋横をつかせて雪のまつ本存全 かはやな火燵とはなすうらおもてやくらにつめる名暮の末広 仲町のあそひもやるの夕けれはちらつく窓にみや見るらん清雅堂 夕間くれ妹かはるへのしら雪にふかはまりする深川のさと黙澄 ゆふまくれさむけて雪のふる石は下駄のはさへもふかふ深川玉香 枯木にも花をさかせよふか川へ客はされにとゆきの夕れ元住 西行も富か岡まて来しなん雪の日くれにふ二のすそつき稀成 山川のはるの夕部もからやらん雪の花つむ木場の筏士直方 月国もなに及はしな此けしき一の鳥居や重の夕はへおなしく 夕間暮汐にひかれし舟あしも踏れてゆくなるの深川釜成 しつけしな斯端にかけし行燈もねふる中ふ道の雪の雪空 深川 白川 裏やくらおもてやうと夕くれはわけへたてなき雪の深川宿成 ふか川の鳥見もとりも夕くれに袖をはらふてあかる庭園や坊 かはゆしといふのは口のうらす念暮六ツ兵も雪の居続勇躬 深川は入日のあともふしひたひはたへも白き雪の深川水垣 夕くれに雪のふるきの裾つきやつもりし尺も知れぬ ふか川 夕けしき筆さへたとる仲町やち橋もうつむ雪の深川直業 ふる雪も深川洲崎夕くれは白帆にまかふ峯の松陰金子 十一 □□□□□□□□□□□□□ うかれ女に其名も高きやくら下かゝれてあそふ夕暮の雪百勝 まきちらす新地のはなの銀世界つゝきさはきの雲の夕暮夢通舎 せんせいは木毎に花を咲せけり六は桜本の雪の夕くれ鱗 客をまねく鹿国屋さへも夕暮はうつみて分ぬ雪の仲町星丸 たはかれに雪の土橋へふみ込て是たけはなる深川の衣紋 五万斎 まろふとをつりあける手も深川やえひすの宮の雪の夕暮音吉 昼給ひかへる夕はいけんよりさむさ身にしむ雪の仲町尾呂哥 ある便時堂 深川の雪児の酒の肴にはまるたもみゆる木場のみれ玉丸 味ひは名のみにふりて夕暮のけしきをもする雪の塩浜乕尾 いや高きおもて矢倉や夕暮に裏やくそくも出来る雲の日常見 十三魚 冨山亭節近 一西白くふりつむ雪の中木場に かくものとてはみえぬ夕暮 仝 狂語周江戸振 尾国屋も見わかぬ雪の深川に そてなき門をたゝしゆふくれ 五八十八一 二月 鮫の春も高はしなから夕暮にふみ込てかふ雪の仲町村立 遊女の雪の化粧やたそかれにふられて通ふ客も深川村茂 ふりつよし雪の白地のあふきはしへりとるやうに見ゆる夕虹南天園 白妙にかけ行燈のましめきて夕暮とそき仲町の雪元業 足とめて袖うち払ふかけもなし七橋わたりの雪の夕暮槌音 此ゆふ置つもる気色は千両のとみよ岡なる雪の分かね持吉 暮かゝるち橋に雪のふりわたり夜の深川に山となるらん長也 夕暮るも雪をあかりにたをやめの壱尺弐尺つもるすそつき松久 ともし火の油堀さへ雨あかり雪のひかりに暮かねしそら燕雀堂 けはひして出るこかれ女も黄昏に色をあらそふ雪の深川道秀 是からはかしこへ客もふけそらなはまくり町の雪の夕花弦道 詠めには爰より外になり町や一の鳥居のゆきのゆふくれ昌平庵 八幡のもりにふりつむ夕暮はしら籠めける雪のふか川蔭広 一真玉さにゆりからすも八まへの降かとそみる雪の深川酒妻亭 足跡も今はいとはて塩川へかよひづめたる雪の暮た雲道 夕くれの風にむかひのかゝる時あらをつけたる深川の雪一草菴 塩尻亭 真国さに暮るもしらすふみこんてあそふは雲の仏町の客常雪 ふりつくて家もひしめに見ゆる頃瀬につて雪の深川の雪長葭 深川のむつの花みてはな紙のはなをもくれにかゝる客人阿字名 富五楼 鳥のあとつけたる文字の深川や親和保ともみる雪の音高良 十二 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 棹さして猪牙も茶舟も入あの雪はせはしくふる石場河岸四愛 真分さをしほかとみれはすさきまてみち〳〵由もる深川の辺長居好成 深川の八まん鐘にこん〳〵と雪をつき出す暮六ツの空紀養 深川や雪にこゝろはとまれともねくらにまよふ雀いろ時真垣庵 ふみこんてつのほとも深川やゐつゝけに見る雪の夕音石文 深川の雲見のふねの酒もりもつもりて帰る黄昏の頃制道 暮近し雪見にざそひたる人のなさけの跡やしたふ深川蓬留 太平堂 下のはいてかよふ芸者も夕くれにころひかちなる雪の深川澄義 夕間くれ飯はどへとも八まんのはとはここかぬ雲のふか川暁菴 深川やくれて流すはいたかしら雪女とも見ゆるしろもの淮南堂 こゝろなくふりくる雨や したらの 5158 ちらす 梅の小ほひを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□