年中行事
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- 六樹園撰
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- 日本語
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狂歌年中行事上
紅
四
ひましらみゆく元日のあした・大かぐらの笛たいこ
に・みゝそばたつれば・すぐろくうり・はぜ売の声など
も・春めいてきこゆ、屏風のはざまにて、柳のしたの
御ことはと・たかやかにうちあげたるもおかし・とうそさんの
くすりくさき・ざうにのもちひのかつをくさきもあた
らし椀のうるしの香にけたれぬるぞめでたき・こよ
みの下段に・はかためひめはじめよしとかきたるもおかし・
わろしとて・一日くはであるべきかい・やゝひたくる比
なにの兵衛なにのたま門などなのりして・かみしも
いかめしうきなして・御慶まうすなどいへば供なる男の・
物ひとつぽりいれたる。とりいれてみれば。あふぎの箱のから
〳〵となりたるもおかし•まざい鳥おひ大黒まひ・すべてむつき
に出くるい・なにも〳〵めでたし・きさらぎのはつうま・又にぎ
はし・せばき長屋のすみなるいなりさへおどろ〳〵
しうたいこうちたつるよ・月の末より・ひゝせたてなしべて桃の
せくをしもまつめり・としまやがしろ酒かふとて・こゝら
たちこみたる・さばかりひろき大路ともおぼへずほど〳〵
一堀にもはまりぬべし・一とせのなごりをしみて・浅草筋に
はなうちかみて・かへりみがちに出れば・ふるつゞらにたらひ
下駄ゆひつけて”うちになひゆくもあはれなり”初かつを
の声。いといさまし。さるは袷ぬぎてもかはよしとぞおほける。
さつきの幟かぶと・をゝしくめざまし•神功皇后建内
□
などならへたてたる・つき〴〵しゝみ中・たゝかひまけて”じにうせ
ける人をさへ”人形につくりて”いはひことぶくい”いかなる
こゝろにか・みなづきの木じまうで”こくねちのせうそこ
すとて•こにいれたる芋•竹村がをりうづなど•興なからずやは•
あやしき家に。十一用はしすとて、縄ひきはへたるなどあは
れなり”たまたないとなむこそ・みるもうれたけれ”女子くは・
をどりのゆかた・物ずきして・はうしとりつゝ・ちよのまつ
坂など・うたひのししるなる・さるわざは・此ごろ大江戸にて
はなきを・為なかの方にい・猶まることにて・ようさりより
あうて・泥鰌ふむ是どりもすとか・あきひとの家は・かゝ
百時にも”猶いそがしげにて・所々せめはたりて・米代みその
〽とうきとりて。帳をけすさま。とりあつめたることは・盆まへ
ぞことに出はかる•月の芋ほる比・団子の粉ひくころ・あ
ゆさへさびゆくなるを。神田まつりばかりは秋にも
にずはきやかなり。夷講とて・よにしらぬあたひつのり
て・そゝききつぐ・手うつさまは・おなじことながらかはみせは
ましていさぎよし・夜いたうくらきに・挑灯ともして・
よもすからやくしやの門たゝきはしりありきて・なに”かし
のおやかたなどのゝしりて・足を空にまどふが・暁かたより
見えすなりぬるこそ・初日のしるしもしられて・おかしけれ・
はかまぎおびときは・もちろんなり・すはきをちつき・又
なしめでたし・すべてをりふしのうつりゆくさま・花鳥に
内
つけていひなさんにい・兼好が四季の段を。今一へん
かたるに似たらん。おなじきこといはぬは”けすばりたるはら
のふくれしなるべし・此ごろこのふみのはしかきせよ
とて・東壁堂がもとよりいひおこせつれど・何の物ぐさ
のなにごとをかいはん”たゞなまり声の口びるたゝきて・
一こちなき四季のことくさをならべて”みづから仰髪の
正銘と聞のるになん
六樹園
狂歌年中行事
若水
まへ迄の思案の手には引かへてくみてうきしきけさの若水浅波菴
先水をくめるつるへはさむけさのはぬかへりしりけにののとまさ六合園桂
門売りしきりにおうやならふらんくみあけてけりけさの若水堂外桜
門か水を久米の岩梯はした女かみにかき顔も笑ふ先日おなしく
紫のそうをもめてゝ一とせの初冠にむはふ若水狂蝶に大魔
亀の文字かきし手桶に若水を又干菜のつるへもてくむ松花楼千代女
ひしつかへ亀ほとけさはつりあけて浦路〳〵もくむやわら水柱家督
めてたさは若水くぬる井のもとにつる〳〵起る亀の甲あり知宗盛砂
こさはみな井戸の車のきしめるもにくゝはきかてくむや若水雨盛
ことふきをかさりし門の松風にくみあはせたるけさのわか水松花堂
去年はきのふけさより春はくるま井のおとは遠くてちかき岩水尽語楼
五十一
一
よく起てくまはやかけもどりいれてすこしぬかまのけさの若水八木亭満守
金子
くみそめて影もわかやく若水の桶にもしのをはるはきにけり鄙細道
とくおまてわれおとらしと呼井戸に桶の出る迄若水をくむ枝成
万年の亀の甲にて若水をちよのつかへにくみそめてけり陽車中栗
化粧かはかけていく代をふる井戸のはける事なきとしの芝水箔居
年神のいます惣方におのつから頭をさけてくめるわか水林松茸来後
下城
千とせふかつるへをもつて万代の瓶へくみこむけさのわか水竜洲
上毛
からゝかな春くるま井の若水を千代のつるへにくむそめてたき関頬
四方山も笑ふ折からわかめをくつはこほかく春の愛敬連松平和守様
年玉の扇〳〵の声すみてゐつゝにそくむけさわわか水白雀房
くみあけしつかへの底にうつりつゝとしのかしらもみゆるわか水
ふと耳にくるまの音のひとつかへまつあけそむかけるの若水償綱
鳥の名のつかへ桶からくみ初て生るちとせをいはふわか水天具知
ける春のたてかしかしつありの堤くみあけてよき若水の桶
万代の春の辺なり若水をくみぬる井戸の亀の甲まて柳花園
小娘も一夜あくれはつくはこのむく起にくむけさのわか水谷はゝそ
山の井をてならふ人のかきそめにくむや古今のわか水の音六樹園
福寿草
八、
ふきのとうに似しともそきは恵方からやはりつとなる此福寿艸堂外楼
けるひらく元日草は桃木屋のはかりことにものらぬ赤ひら琴通古芸実
キフ
福禄歌ほとに福寿とよふ草は年のかしらのなかき世にさく鯛亭
石臺の花もせたけもひくしとて春も笑ふかおたふく寿草擣衣園
道になやむかもめてん栢寿草老は古今の春の亭にさく家風
タテハマヽン
陸奥のかたけり春は来にけらし福寿草にもこかね花さく枝面
川越
室咲の花の見より福寿草はやさきかけの兜鉢うめ近住
なといはぬ色には咲くそ福寿草春の小口のきゝ物にして不悲慈悲敷
甲州
元日の福萬草より曲の人のことはの本やまつめくむらん紀持堅
あけてけさ初替より風の手にまつひらかめてみる福寿草草草
七
四
沢庵の色とめてぬる栢寿春草頃しも春の口あけにさく瓢箪
瓢箪園
たきらする茶釜の湯さへ福歌草ばににはなの色を壱ぐり万寿楼
あきうとのこかね色なる福寿草丸おろししてかさる桃鉢酒亭職人
銭餅
十一
咲梅のかゝみ餅とて日をへなは鴬色のかひや生らん垂外楼
初夢にそれても鷹をみとめんとかさる野聞の鏡てふ餅常友
うら白のひれを出せるかゝみもちはつをかゝるはあふりこの網用六升休
夢笠をふせたやうなる鏡餅たうへるときはやはりかふりつおなしく
いさきよくかみもとりめけ給へとてあはせ読のもちひ帰ふる緑亭
ものゝふのかゝみとも呼ふ八陣の備はかたき餅にそありける椿吉園
雲水によく凧あけてつけはにや春へうつれる御鏡のもち畑防
けき春へうつりししるしみゆるなりもちひのかゝみ猶そむきは撰炭
夕カサキ
三方の重る年か海老にたにこしをかゝみの餅のおさわり坊帯威
世の人にかさりのえひの髭ぬきや大きくみする御かゝみの娘酢亀亭
一とせのはしめといはふ元日に月日ふたつとみるかゝみ餅万寿楼
屑蘇
九、
さし合にかまはす口をきく人は出過た是業に酔たきけんか茂頼皇士
ひさう子にはしめさせたる殿蘇酒はみなあま口のみりんなねり蛮外楼
盃を手にたにとらぬ下戸迄もけふはなめてそいはふとそ酒板塀裏也
八王子
周の名のその太郎へはその弟の次郎よりさけ候とその盃沢辺腹丸
くみかはすまつの朝倉山椒の白ひはふかきとそのさかつき俵堅炭
下総
車坐にならひし中をくる〳〵とまはしていはふとその盃黄金益人
タカサト
色に出し乳王か顔はとそ袋ひとかと登れし上下の膝蓬莱嶋類
石臼の片田舎迄けふといへはかさねてまはすとそのかはらけ穂波
袋には首をたてともむつみ月丸くめくりしとその盃に笑
よき友とけさのひにくみてしかくすしかくれしとその酒には霊門橋音波
今歌のことにわかやかやてこゝちしてくみにそかゝるけさのとそ酒三駄粉三駄
廣蘇酒を殺の子ともにくみそめてはすむ昔もやはり秋の子天具知
但
四
仙タイ
三角な袋にいれてけふひと日四角になりしとその酒盛唐摩呂
鵜時改
暁を覚へぬ鼻の穴ならてこよりさゝるゝとその盃を
一羽子板の夫婦の前の糸子はこれも一味の山椒さまかも文摩
門松
一夜さに生しとやいはん家ことに春のきたのをしらす門松模侯
神風のいせえひそへて松竹の門はふたみのうらしろもあり一気
はや春の立場となれは道中の並木となりし江戸の門売堂外桜
身追か三味線ひけはまけしとや琴をとらふる門の松領玉峯寺正
所沢
あけてけさ戸さらぬ御代といはいつゝたてゝ置もの庭の門雲
いたり千代とまろく治る家に又かと〳〵立し松もめてたし畑猫
松と竹はゝからすして立門にかさりのえひのなとてかゝめる
門松の馳走にさゝのふしあれはことなく雀に千代の声あり浮丸
鳥帳や猿引よりも先春は門にたちたる松かさりかな雨盛
門松のかさりにえひをつりおけはめてたいといふ礼去入りさぬ釜威
焙はしさ春のあすもの神やますこしは垣にも松をたてけり板を常恒
へつらひのなき山里の人迄も春きてかさる門の松竹関住
すされは門に一木の松にてゝみとりの水をそふるたけくる麓菴
ことふきのとそをいはひのおはらめや跡引てきて立る門松春駒勇
りつはなをしたんに立る門松に髭をなてつゝかさるいせ酒巻竜堂堂堂南
門松にかゝる私義もありそ何のえひもすこしは腰をかゝめて
しめ縄る二見かうらのいせえひに岩線堂の女男の門ぼう意雑図大男
たけかまにあらぬ二木の松にてゝいつこもたるとしるき初春
七五三組をはりたる軒のつま折は丸皇の傘の松とつる門瓢箪園
ちりひとりなき元日は門なみの松の琥珀やすひつくしけん。小田千葉歩
雑煮
夕力サキ
けさばはふ雑煮の中の茶の葉迄目にとまりたる堤足の櫛松花堂
行きよき年礼客の馳走にと併も四角の雑志をも出す若人
ひゆくこゝちこそすれはくろめのよくつきたりし宿の雑煮は塵外桜
収
十五、
節いはふ餅に
一先茶はしめなはの
七五三にもまさる献立
下総
浅波菴
河島
辻清画
一書の哥かるためく雑煮もちほうとわらはてはかたのやせん五万冊様若
雑煮すと妻はもちをもあふりこの子時すちをもいはふはかめ家風
雑煮餅下戸のかたにはきゝ角ののこりてかつてきつかひもなし同堂市香
遠国といふ名なりか里芋の親子そろうてくふ離煮もち秋藤の亭へ
初夢のさめてうまとののこるうへふしの山ほと雑煮もらるゝ
としの坂越たる事をけさそしか雑煮の餅の足のつよさに常友
雑煮餅そのうはおきつ鶯茶初音のはしをけさはうこかす稲守
家内主朝そろうてまつる正月は雑煮の出し千花かつをふし樹吉
いはひぬる雑煮の味もよしの山老の名におふ鰹かけては松繁
めてたいといふほと喰し雑煮餅さて〳〵はらもすめき発り
あけてけさ春のしかしの雑煮餅鶯菜ありばかつをあり蚊雪雀
年の坂帯もなくこせる足強の雑志餅をもいはふ元日三文専毎刻
もりて出す雑煮もちひのはしの椀かけしかつをに本をさせて天陰
キフ
一よしの椀雑煮の餅の山もりにかゝるかつをのずのしら雲
│曲亭見茂守
▼
内
門殿の琴ひく音をきけやとて雑売の幢の耳もたてたり現金金蔵
十かくりのねとゑによふ鰹をいはふ雑煮に花をさかせつ。緑亭
喧痛
咲かりかかやかちくりにかきみかんいつれこのみの多き喰喰場椿吉園
くひつみのえひを出せは年礼の客の袴のこともかゝみね塵布楼
かちくりよかやよところは方妙の山をかさりていはふ喰揚五栗林
喰つみの松をはおきてかちくりをいつか峯か子日してひく
けさすもたつの都かくひつみの海花をいたゝく事礼の客おなしく
若雲の葉のあひたにもはさまるはついくひつみのこふの長あし松繁
ひけおひしもひも千とせの松かへにこしをかゝむる喰場の臺古今拝文
羽子板
羽子板にゑかく内裏の金箔は光る源氏の画をやかつせる天馬
天井もつかへすついて遊ふなりしうとのるすの娘かせり桐子楼衣団
したをつく手まりとあちらこちらてはうへつくはかり羽糸羽織
羽子板をもたす遊女の年礼に免もつけは新造もつく徳若
初夢もさめて三日の月の舟つく羽子の子の音のよき哉堅炭
花餅の音に出ちかふたをやめの手に羽子桜も春のつき物畑柿
よめいらぬ娘かつきし羽子板のおもてもつはりあはためきたり蛮外桜
里なれた鶯よりもけふはまたよくすみてはをかへす羽子のこ音面紫紫紫紫紫紫
そこねたるはねにはいきをほうわうとかけてつくのも桐の羽子板
つくはねも雲井にのほる物とてか官人の画をかきし羽子板琴板語楼一友
破魔弓
八・
たかさとの尉とうはさへはまそのわしのやうにて桜のまかれる蛮外桜
呼沢
をさまれる御代にはいらぬものゝふのかさりつけなる矢筒はま弓
ちゝはゝもあやかれとてやはまとしをこよ子にすのひき手物なか盛砂
八子子
相続のまとに春をもいはふなる千代もへの字にためしこまこ
上毛
一矢の数は子ともらか牛にみちのく早門は松前外かはる弓尾上鶴成
万歳
収
四
伊勢暦としの尾張につきしよりつゝきてきたる三河万歳
万歳のうてるつゝみのひものひて氷もとんととく若の春
御家もさかへてましんますめよく百壱升をうくる万歳
くるとしも又くるとしもとくわかき君かよはひもこまんさいとや
万才のつゝみの皮も猿そとて舞へはをからくはらわたをたろ
万歳のかそへおとせし番頭か大黒抱出てわらふなり
諸人の心やはらく万才は大和の国の哥のとくわか
万才のすあうの紋の金の梅むりにわらはす才蔵もあり
八橋のなかれをくみて田舎迄くもてにありて三河万才
戸さしせぬ御代をことふく万歳をみてなはつしそ河このかけかね
万歳の其をかしきにはらのかはよりたるしわも延し春の日
三河からひとつれにきて若水の一組つゝにわかる万才
家ことに若水くめは井戸かはのみかはから出ていはふ万才
岩戸より障子の内に万才をかそく透見のあな面白し
八王子
上毛
川越
下サ
甲州
麻外桜
堺は園
菊井幾代
くるとしも又くるとしもとしりわかき君かよはひもこまんさいとやおなしく
糸竹
草寮君禄
六義園
当年慈商
一番人
幸常有
玉丸
子等迄もせきをゆつりし見物にならふ二かはみかは万歳一京
かにサキ
口かもほゝうとはやす万才にこらひ初たる軒の梅かへ金青楼赤茅
上毛
美浅き鼓草さへさかぬ内はやたんほゝとはやす才蔵
かけかねははつれぬやうに万才の吹出させたるみちの内庭尚雅園
尚雅園
山タイ
小皷の長路の腕や江戸迄も打つれてくる三河方を錦糸房紙
万才のかそへし後の酒もりに出すも貝のはしら吸物
山又
一世堂
幼子はしたにおろして姥色も腹をかえてわらふ万才菊寿寿寿源寿
一帳面もまたみぬ春に万才は柱の数の勘定をして橋の連
小穀の拍子につれて万身はかしらをうちし残か門日駄鹿
一おのかもつつみはかりか原に金しわも波うり老の万歳三駄
たみ立か権勢や万才のうてるつみに大小もあり緑亭
万歳の柱たてしてありくのは口をやしなふたくみなりけり一友
いつかはやむつきとなれはたをやめの抜をかゝへてわらふ万才おなしく
万才のすあうの袖のかゝりてはもやうの鶴もとまる門松葉安
□
四の海しつけき御代は万才のつゝみにのみそ浪の声する六樹園
自追
初菱に鷹をみしとて目さむれは門にもさつく鳥追のこゑ蛮外橋
すたてとその心やのこからん町をに鳥にありて鳥追納声
川越
本町や万町はおろか四里四方鳥追きたり江戸の初集六幾円
三味線を鳴子のやうに引立る手もにきはしき鳥迄の声煙上亭国様
只一夜あくれは春になると縄引つれてくる鳥追の声はゝそ
三味線にてうし合せて盃にもらさてうたふ門の鳥追蔵人
町並を霞の糸の三すちほとひく三味線の鳥追のかた城衣園
大黒舞
たからくる客はこかねをまき出して大王舞をまはす吉原場衣園
福神の大黒葦の中の如しみるさへやはり七軒の茶や魔外楼
官人を二ににつこりとわらはする大黒舞も俵屋か門盛砂
一からかさの大黒舞は大門のひらけははたる五十軒有藤丸
籠にまつ一に俵とかそへつゝ大黒舞のつち戸ひらかん
群集して大黒章のみへされは保ふ給へてのそく子共ら見習
初午祭
群集する参詣のみか初午にきらをかさりし土の人形緑草
初年のこは仮いたくくひ過て腹も大鼓をたゝくやうなり堂外川
はら大鼓あすはうたんと卯午に宵から子等かたのしむしたて
衣食住守れる神をいさめんとたゝく大鼓もみつ巴なり見替
はつうまや千度参りの杉のかけ枝より指ををりてこそゆけ野方人
鳴神とひゞく大鼓は卯午の狐かくはへしいなつまのかき休
卯午のいなりをいのかはれきには昼もはやしたるねさの冠おなしく
初午の大鼓につれて行来こる人も巴とみめくりの土手常垣
卯午やはやす大午の君かはうらかは迄も地口灯午山夫々舎
かく文字のあとさきわかぬわらいへかてんから打し初午大鼓千錦堂
赤飯や豆腐はかりかさいせんもあけものにする卯午参り、春先
五
四
卯午にのほれは下かいなり山此月はかり多き参詣薩摩
信州
一お乳めめと夜文をかけていなり山こもりやすらん初午詣文屋蔵梓
川又
大原女もかしにはかへて初午にのりつけ着物きて参るなり家住
そなへにしゆりはすのねやてんふらのあけ物迄もおほき初手蒸高
はつこまのいなりの庭の梅迄も茶をこして匂ひこそそれ宝砂
打たいことろ〳〵とろと茶みせにも人のこほるゝ初午まつり桃若
いも迄も打つれてくる午祭社のそはのもりも沢山磯岸此主
初午ははやきさらきと尾をふりて狐のあしにいさむ子ともら板塀裏袋
初午に石の狐はさもなくてこちらから火をともす灯篭淡網
茸かりしいなりの山に胎うりの大きなかさもひらく初中五車亭
さゝけたる豆腐の音にいなり山幟の竿もしるしめきぬる瓢箪園
初午のしるしやあくるこは腹を森の名におふ杉なりにつむ家風
参詣はありのことくにいなり山なめてそのほる三つのともらひ祭安
初午丑神にさゝけん〳〵とさゝけの飯をかしく里人浅波菴
初牛にそなふる神の高もりはくわゆの玉にかきわらひなり笠人
ほつうまの大鼓も小鍛冶宗迄かためしとうつや鉾杉のもと六樹園
鯉二会
みほとけの刑は信にもかくはかり涙をかけぬものとてもなし野万人
給ふはみななきてまふちやはらすらん物もらひ迄出る涅槃会堂外橋
貌尊は衆生さいとに方便をいひくたけれてねはんゑの像丸主
扨はしらともたのみつる御仏のあの世へたゝせ給ふかなしさ三世万四拾人
きたらきにねはんなさま御仏のや給ひをとへはしるしまて尊急な小曲川堀
涙にて顔すゝくからうつし色をねはんさうとはゑつけ初けん
直をしてそこ所てはなかりしか画像にみへぬねはんゑの循
瓦なる鬼の月よりも朝露の泪をこほすけふのねはんゑ天具知
露なから折りてたむけし花迄も涙をこほつけふのねはんゑ詩鹿
猫は春ゑのころ柳猿すくりめをふいてゐるねそんゑの庭焚焚宝
心なき草木迄もめをふいて二葉の手にてをかむ浮盤
以
心なき草木もけふのねはんゑにめをふきなからなひく音柳聞道
まんたらにもれし泪をなきそへて猫香のはゝも参るねはんゑ
子蕨の手の内出ざんねはんめに参る野寺のひろき門前擣衣園
一我の国よりもまつねはんゑにねこはあらさか国子たむけん六花園
すまにめをぬらしては青柳のきもうなさるゝねはんじめの庭吉文
なこりをし〳〵やと鳥毛ものともになくなるけふのねはんゑ家風
きさらきのもちを備ふる西行もたんこのなこは三てしねはんゑはゝそ
正俣のふしきといはん狐さへ眉毛をぬらす釈迦のねはんゑ徳若
ねはんめは雪のはてとて法師たちむに仏つくかなるへしり松花堂
新館
薪たく芝生は春に若みややならの法師も目を出したり野男人
つみあけし薪の能に青柳のけふりも風に舞ふならの里楼衣園
春日野にさわらひさへももゆる頃秋の名迄も薪とそいふ丸主
給ふ心はやたける薪のまきよりもそけた狂言みする舞人蔭貴
春は野の薪の能はさしき色もゆるやうなるもせんの色千煮
薪もてひとさしくへるこちらてはひとさしまへる来る聖の能盛妙
大なるけの鮭はやしめ笛による鹿いつのほとまきをくみあけたく家風
もへ出る頃にてられては薪一丁ふ能みか人の顔もさるかし万寿楼
ならの砂薪はやはり黒木にて白きけふりに舞をまはせつ但若
下毛
数起は此ときよりやはしめけん薪の能に昼と思うて畑蔬
夜火たく薪の能のまひ扇宝生雲にもけふりとそみる瓢箪団
武内のうち百番の説言にこゑもかすみの神舞をしつ煙手耳持
二日灸
十三ヽ
二日灸すゑてもとへは柏ならてセなかにあはぬけふの細布乗安
しなやかに身は千代迄と二日夜すゑる七九も竹のゑ子よふ浅沼楼見分
山〳〵の雪解のころときくからにふしにけふりのたり二日癸小夜風
二日灸すゑてなく子に又笑ふ山をみよとて出す母親蛮外桜
二日灸すゑよと母の美見こそわか身にしみてあつて口はゆれ浮丸
ぬ
図
二日灸すめしからたは兄母のあつきゑにむしもおさへつ畑柿
初灸は咲ぬる花のちりけたりきもに通せし梅かかはきり徳若
朔日におみきをすゑて二日にはやいとをすめてまめをいのかつ緑亭
二日灸いなむ子共に親〳〵のすうもあつきこゝろさしなり常有
秘舞子かけふ吉日の発はしめおさへて風もあてぬ母親豊後
山をみてかへれか雁の声よりもきくをたよりの二日灸哉文々舎
はつやいとけふは二日そみかの原いさねてすめかんおかせ山五栗林
立旅の用意の二日灸なれは一時三里すうる春の日利川
いつの間についまさらきと初灸をかそへてみれは春の中小幡衣園
母の手をおろして子等にすめ給ふめくみはあつき二日灸哉の細道
伊吹山よもきもももえて出ることろせなにけむりのたつ二日夜万寿楼
いとけなき子の二日灸いりものゝまめになれしてすうか母親はゝそ
花見にてのむたみこほとけふらする二日の気かに風をいとひつわらずる
宮母の恩をしれとや二日灸しまうてからに山を見よとは長能忠
たらちねの恩のあつきをかんしては二日夜にもなかぬをさなこ五車亭
二日灸すうか娘のさしもくさ箱入もあり土器もあり松花堂
あきらかに目もみへとほす二日灸三里さきなるすねた枝迄喜美丸
よもきふの家にやまひの根をたつてはをかみしめし灸のかはきり山郡菴久謹
見る山のわらひの枝や二日灸ひとひ〳〵ににきかこふしは片野安左
二日そと碁盤をたいて脊を出せはせいもくほとにおろす灸点浮丸
二日灸さく人よりもすゑてやる他人はほんのあついしんまり関住
凧
梅かへにひきかけられて調度よく香をやとむらん子らか袖幣槌花園
半蔀をおろせはやはりおうしけり日もくれ竹の四ツ各鳶凧葭左
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図
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ちもとほと一目にみへて是も又よし塩根にさくさくら草麓麓菴
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見ゆもかつさく花にまよふかとこしに名札のつてさくら草素人
さくら草くさにはあれとよしめをもちまつとつなんてうへす鉢桃見分
つはな
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梅若の塚の下ゆくすみた川今も小舟のたゝよひてみゆ沖を
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正賎もけふはすゝきの穂錦をぬきえもんしてきたる狭古小夜風
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上それは及はぬことゝからやまてうつふし染の槍きにけり出なしく
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筑摩繁
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よめいりの夜にかふりたるほうしとは雪とすみつる鍋祭臥霞丸
うそいかりつくまの鍋の御祭は親の前をもかふる仕合伊賀住
梅の女のつねはこそをもつくま鍋まつりに尻のはけしをかしき畑持
かふり出しあとにのこりて心なき鍋にたよともあそふみまつり三弦
煩悩の犬のためにそ筑摩女も鍋かふりとはなりし御祭素季
仕立衣のつまかさねしもかさ何ぬもなへて祭れる処魔明神竜成
数
内
いかてかは神にはこそをつくまなへいたしく顔に火や出ぬらんかみ丸
行義あしきをのこは人のうしろよりつくま望の鍋のそきせん葭瀉
人て目をつくま祭りのにきいひについ見失ふ子なへ親なへ百賀
いわしにた鍋の数をもみまつりにさてもよまれすかつくくわき天一寺
つくま女のかさまし数をそしられて耳のあなうき鍋相に哉三蔵楼
くとかれてかふりり数のおほけれはかふりし鍋の数そこゝなき然升
懐多しのをつくまの御案に法師もなへをかふる夕立構衣園
顔に火をとくはかりなり銭の女かつうまあふりの鍋の数〳〵酒鋪住
おのか顔にたく火の色をみせしとて思ひつくまの鍋やかふれる
さらぬたにおもきまつりのつくまなへかふるをうなもつきはかさます占正
見にきたるつくま祭りに鍋よりもかつきものなる生酔もあり
権仏
灌仏は地よりもわかす天からもふらさるくるのうつきさく頃常有
生れ出し釈迦の外にもよろこひてけふとりあくる南の見残只左
産衣きる此世は夢とつけ紐もおときなさるし釈迦の誕生友行
うまれ出し仏の母はいたさまと産置めきし寺の曲ろく
ひんの山けふは天狗も逃やせんはなつみにとてのほる清氏
御仏は産仏の外にあたまからかけなかしなる尤ふきのつね緑草
めし答て産婦の甘茶わかすなりうまるゝわこの数氏なる故川堀
誕生そとて御仏にこちらから指さしてみる花見堂哉摂衣園
誕生の釈迦のうふゆの其中に塩かと思ふ軒のなしば重丸
たんしやうの貌迯へたむけや千字文指さしくまふ天地玄黄瓢箪園
御仏の誕生とてや餅迄もちり蓮花そとみゆるいたゝき小夜風
めし時をしるやしやくしの誕生と子にもりつけてとある山方畔有
親等へかくる所茶は目の薬是そ天地に一子相伝備守
なしの花の雪をみきりのわきのしたかきわけて出給ふ御松はゝそ
ちゝはゝかなまちの銭も巾着の横つはらから出る御仏駒彦
茶俗する仏の机は其歌の山明色に染るこんしき尚雅園
収
内
親氏とはきゝ及へともけふは又柄杓てうふゆかくる御仏唐成
天竜も水をそゝけは腰なか玉のやうなる御子の誕生六尤用
釈尊のうまるゝ日とて子かへりのましなひとそん虫陰の札松花園堂
門口に彼となかむか卯老のさす初時やしやかの誕生おなしく
門韮の軒にうつきの花の波うたるゝ釈迦も指をさし汐下手成
薬師へも参るは月の嘉見堂めの松迄も茶にそくなり・島影
誕生のころもきぬかと御払のはたかにうふゆけさかくるなり競
一卯花の音をまちめて古寺にけふ清仁の仏つくれり天具知
諺紅の御手をは置て毒虫にゆひをさゝれぬましなひけす橘の連
うまれ出て衆生をさいとせんし茶にあらは立給ふけふけにの山形
外念の雪は名のみにつもらねとあらはれ給ふけさの御仏一友
宗門のものひろこれかためそとて甘茶のうふゆかくるみほみほみ御代住
牡丹
はなかともいさふみ込て直やつけんにかみ草てふ尤のさかりを蔵人
ちらすかと牡丹にくるふ小猫をはしるといひつゝ庭守はおふ葉安
天にのみありとないひそ此頃は地にさかりなる富覚てふ事鷹外橋
花さける廿日草には五日めの風も十日の雨もいやなりおなしく
ふたつなから相よろこはん亥始桜のちりて牡丹の名花瀬田六花園
竹馬のたつなの色のふかみ草すより夏へまたかりてさく横衣園
池の辺に鐘ほとなる自牡井春から夏へうつりてそさく山連
さく牡丹春より夏へかけ将棋さかりは花の王とこそみれ市際住
日の足にあつる柳半のほたんとて春より夏へ越てさくなり家風
□□□□□□□□
なつきては詠もあかぬ廿日草はつか峯の箱ほとの庭近住
富貴そときけはほたんも大きなる草たふほとの花ひらにさく季勝
下総
一縁さきのお乳母にしゝもとむるなりやくはほたんの花へかゝらん日誉里
オク
弓をはる障子をとりてよろひ草花をゐなからみとほすもよし
まれひとも花にそ通る奥辺のほたんはうしの異名さへある天臣
ちかくよつて語る昼の廿日草日のへをしたき花の開帳笠人
但
関
せきたいも十日〳〵の食路底にかうてならへてける廿日草常盛
慶妃桜ちりての後も口へにをうつし植たる花ふかみ草桂林堂
東山ほたんの花のさかりにはしゝか谷迄くるひ出つらん春光
鉢棚のほたんも笠のことくにてわをかけてさく花の大きさ家住
鎧とも其ゑをよへるへるせのほたんは花の一騎角千瓢葉団と
さく迄は持駒をしてなかめぬるほたんは草の花の王将万寿梅
こんもうのふかみ草よと花守に椀をわけいうてもらに一株年積
小峯の廿日てふ草さかりとて花にひかれて出る諸人楼対園
江戸前の花の富貴の草わけを分給帳にかきつけよかし三つ萩
富貴なるものとは本の名のみにてはつかならては貯もなき水豆園
春度を中にはさみてかにほたん岩間を花の横に咲たり関住
をさな子をほたんの花てすかしつゝしゝをさせたかうはかさいかく哥□
いけてあるほたんの花に思はても袖かさはりてくるふしゝ曰天皇知
さき出し昼のほたんの雨よけにかすや廿日の月の傘五車亭
花守にむらんいひつくひとかふといたゝいてとるよろひ草
いくはくのたをやめも又めにつかし貴妃かつまへに白ふ牡井を染丸
銅床へほらんの花を股いれてくはへさせたるやうな獅子口平坂惣太郎
幸
さきしよりちる迄顔のふかみ草花のはつかをありてみにけり撰住
ひるねせし蝶は風をやひきぬらんあたまおもけな庭のほたんに何鳥
杜若
八・
宗鑑か連歌をしても杜若池のおもてのをりはさらひつ六花園
水道の水際めたつかきつはた江戸此くに尤もひらきつ家風
親しかる中にあれとかかきついたこの鷺鶯寺の池水にさく箔居
しからみはやうしともみる川きしにはにはさまりてさく杜若
八樽のむかし思うてかきつはらさき出る花を折句にそする成増
かきつはたつほみは妹か紅草のあけをういひし紫のはな見分
昔男の噂もすれはかきつはた水にかけさすは橋ののと
制札の文字も見ことにかきつはた水きはの立花の気勢徳若
垂外桜
清澄
十五ヽ
八樽の
琴には
あらぬ
かきつはた
ひけと遊るしは
出さけ制札
抱高み清筆
ト五ヽ
卯の花の
雪見の客に
立てなさん
こや鉢の木の
松と
いふ魚
瓢箪園
肉
水にうつゝ雲の上にも杜若尺も揃ひてきたる竃学見丸
芥子の花
八・
めてゝよひ哥もつきせし其か種は浜の真砂上園の花けし駄鹿
灌松の頃をさかりのけしの花すゑは坊主となれるしるしか、緑亭
けしの花風あてしとかきてとまる蛙は相袖てかこふやうなる葉安
切もくさ花のちかけのけし坊主ひといふたひもすゑておきたし際住
曲結の花かんさしくとみゆる哉けしもめにたつ草のみとりこ花人
ひとつきた焼かふたつにけしの花ふみ落されて相生に飛ふ日誉里
蝶は風にちるかとみせて又もとの花にかたちをけらの白妙紅茎園
さそふ風つひに坊主となしぬらん宇有心の尼か花けし有文
みるうちに尤も姿のかはれるは風か手つまのけしの助かも当影
此方にそたてられても坊主にはなるなと思ふ花のけし畑麓庵
甲
十四日
打わりてみれは階子のかたちなり屋根にとものひあかる竹の子駄扉
一おひさきは幟の棹となりぬらんちをくゝりては出る竹の子休
六亡や五六の蚊屋をつり初る頃に八九のいつるたけのこ鷹外梅
小笠にもぬはんものとてさゝかにのいとをかけたる藪の竹のこ健成
さかひなかついちのやふれくゝりてそなり次郎竹の筝は出る。葉子
五はゝ雨のふり出すころ笠に給ふ皮をかふつて出る竹の子おなしく
七福の布袋とよへは其根、からしせんと小ゆる竹の子たから擣衣園
物さしにならぬさきからそる人に尺をとらする藪の竹の子家風
灸すゑてころはぬさきの杖になか庭に七九の竹の子もあり花人
鶯の後うまれ出る升の子のみなかひとりて藪になくなる亀成
井のもとに出るなりひら竹のこも日ことにのひて影をうつせりおなしく
のみをいれてほれは垣ぬき井戸ならていくかはもある藪の年笠人
盗人の用心にゆふ藪垣に皮をはかれていつる竹の子房成
いしつらにぬく子ともちかこゝろねはさのみふとくは立ぬ竹のこ炭富
寧よりわるさはかれも山経のかへどやふりて出る竹の子万寿株
也
我
商人か是からこゝていくらそとねをつけてほる辺の竹の子釜人
卯花の音かきわけて孝行の道にはへたる筝をとるおなしく
孝行な寒の礼義をたかへすにかはなきて出る竹のこ際住
はらたてかあるしもけしてぬく人へおもてにふしはみせぬ笋真萩
つりあはぬたとへなれとも竹の子をすほんとぬきし跡か月の輪水草園
そゝ皮の管になれはやたけのこいへたての垣をぬうて生ぬる帯有
一行末は立すになれとて竹の子の産若も十二ひとへなるらん冨久人
天地ほとまちかふものや草襖にも笠にもなれる升の子の皮権成
つまつきて人もこけける竹のこは老のつゑともなれるものから歌口
うりものゝ外にもつちをいたゝいて出る大原の女竹の子おなしく
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笛にまたならぬさきから笋はやはりねもあり又ふしもありきせ綿
大原女をまねふややせとみる藪につちいたゝいて出る笛長連
賤か屋は雨ろりのすみのすきまより吹竹ほとの竹のこそ出る豊後
りか口に孝ある人かうの花の雪かきわけてとれる竹の子五車亭
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煎
川越
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武
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ぬ
幸一
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粽
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菖蒲刀
十二日
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草のゑの菖蒲刀のおもしろやぬいて遊ふ子さしてあそふ子並外橋
いはひとてさうに刀も得手稍手まけさせてかふ武士の道河風
鳳凰をさるにゑかきし菖蒲太刀又はきりの木のをさまれる御代見分
ものゝふかをさまる御代もゆたんなくしやうふ刀のつかひものしつ
菖蒲とはいへと刀もぬかすしてかさりものなる御代そかしこき畑桶
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十一日
番
竹のみにあらぬかたなを鳳凰のすむてふ桐の木もでつくれる
持参せししさうふ刀はをさなこへそりのあうたるみくそなりけり一友
いにしへの引事をして端午には菖蒲刀もかさる君か代松成
天国の作ともいはん菖蒲太戸かさる時分はふりしきる雨津水
めきかけし菖蒲刀のみをみれはけに名作の桐の正字万寿楼
二親の蝶上花よと愛す子の菖蒲刀もはく置にしてはゝそ
あやめをは軒にふく頃商人はさうふ刀もねをひいてうる房成
新ことにはを引て来てさすからは菖蒲刀もあふなけはなし坂道
わらはへも長ねをやめて朝またきしやうふの刀引ぬつてけり亀成
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さらふ太刀持てくる下女は口に乞そりをうたせてのふる口上おなしく
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治へし思か御代には菖蒲太刀せくのいはひにつかふ斗りそ葉安
花のゑの菖蒲刀を子ともらかこしにさいたり軒にさいたり。天昊知
くらへ馬するせちの日はわか宿もかけならへたか菖蒲根先、休
初節しないはうてかさる太刀をみてはくよ〳〵とせかむ子ともら、緑卑
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端午にはかさか北斗の星かふと菖蒲刀に紐先もあり味曳
初幟
八・
分限者のたねとそみゆる初幟棧のふくるゝ吹ぬきの鯉天馬
母親のちふさにすかるをさなこもたちてうれしき初のほり哉衛門
行末は出世の朝の体とてたつてよろこふけふの初声浮丸
成人もはやくと松のみとり子に子枕節なかのあり幟乗り伊賀住
子をなむか親の心に幟をもかさりて人にみするせての日一友
初幟七つ道具にしやうふ太戸これさいたふのむさし坊着
母親か親をくすりに子持筋ちも沢山とみる神のほり真萩
五
洋
弁慶の人形もそへて初幟七ツ道具の中にたてたり玉宝
軒のあとめ瀧とみなして竜門へ卯のほりなる鯉そひらめて蒸高
みとり子かはつのせくとて人まねに門にたてたかさかのほり哉釜人
たてそむる幟はちよの子柄筋紙も血筋をひけらいはひつ常盛
初のほり青龍刀をかさり置し斯のあやめも聲かたもみかかから丸
末の子はちのあまりとてめつらしく立るのほりやをはり初物小夜風
輝する玉のをのこの神幟かし月さつきにまたかせてみる酔亀亭
玄宗の夢をゑかきし初のほり鎮ら嘯の始め風なきふりそ峯友
八王子
うはかひさはなれぬわこの初幟ちも沢山にみへてめてしし暮雪
子場篇いはうて染し卯のほりちも沢山にそたつゑ飲はゝそ
ひとつかみさすあやめには鬼よりもしようきのちゝむ紙幟哉松花堂
初のなりさつかさんこの節力とてならふ丹波の山入人形おなしく
初のせて親卜其子にちをつけてとてたゝせたく思ふ絵のほり山の井寿女
よくしゝのかゝくし孫の初てくにそめしのほりも二たんのしらう
初のなりくひもあさめもしつかりと根さしはかたき家の子宝擣衣園
子をねせてかはも手つたふ神のほり仕立るそはてちを付るなり蜜砂
此やうにしわまる迄とちりめんて初幟をはたてゝいはひつ葉な
一卸幟いはうてたつゝようこひの笑ふ門にはにてあるめくさ
手にすうる子をいはうたる初節身染しのほりも鷹の羽の紋。鯛亭
神のはり心のうちのうれしさを門に其まゝたてゝかさりつ日左
棹はかり先たてゝみる其内にうちの丁稚か初のなりしつ市垣
雨のしくをゑりて木綿も武しも又にたんとみゆる初のほり哉弘斎
せちいはふりとは坊士の家なからまたちもつけぬ初幟かな六花園
初節句一家のえんのはしきらす紙ののほりをおくる色物空蝉
とりあけし相子をいはふ節句とて初のほりにも染し立波喜美丸
此家の花と愛せるみとりこの神のほりにも風をいとへり善亭丞繫
あととりの幟はこれとみせさきのはなにあらはす嬉か定紋六樹園
帷子
□
義
蝉の雨とよふかたひらはきる度にうつくしよしとわれもなさたき
鷲屋よりやう〳〵うけた帷子をきてもあつさの汗はなかるゝ煉食
聞きにも引願はぬやうにとていはふもいつれあやめかた江ら米南
蝉の羽のうすきかたひらきかふれはなるやの縄そぬけからとなる一友
誰かたすたらひの客もくゝるなりちとりかけせしいもかかたひら千代女
かたひらは簾のやうにもそゆるなり女のはたの雪をすかして魔外楼
八寸につもりしてもあらふことてもちゝみたる越後帷子幾袋
宮といふはたへもみへて北国の女郎のきたる越後かたひら傍門
蜂の羽のうすき越後のかたひらに身もちゝみたる風のすゝしさ直寐
もみちよりひをみてあらふかたひらもやはりたらひのあくらるなり占正
ゑりきたる鐘燈ののほりたてる日はきるかたひらそ鬼ちゝみなる学有
ゑにしかふ八重のさくらに引かへてひとへにうすき奈良の帷子六條園
このみたる其染物も玉子とてふは〳〵風々を通すかた江ら年積
雲国の越慎より出るかたひらはきても立弓にちゝみかちなる
不二のねのあたひもさそな金糸縫かのこまたらの地付惟子辺
汗はしくそろはんしまのならさるしき一はいなる風のすゝしさ日さ日誉皇
うつせみの羽根かすきやのかたひらはものけて風も雨すこととしは脾道
人のめにたつほとすゝし軒にさす蓬の中の森のかたひら小原領
川越
江戸にさへ爰にさらしの帷子はたけもつもれる越後下のみせ蘇悦
そろはんの作用向のかたちらは玉なすきしもはしくすらき季枕
ちとつゝのまうけもやはりあき人のかすりにみゆる絹のかたひらおなしく
夏の日のあつさにそとへ出しもわらぬかけ弁慶の嶋のかたら見分
奈良川てさらしあけたる帷子ははたもそえすく水浅黄染利川
はもやら有そうにふるきの反衣軒にかけぬかきけは高みやへた時
灸ならぬあつさをしめくしたひらのもやうも思はり夫しまなり家風
手に水はむすひはせぬとかたひらの井筒めきたるかすりさゞき葉安
きた嶋も障子かうしのかたひらにひるのあつさをへたるす申はおなしく
せんたくのあくにあらへは諺の蛇の目も紋につきしかたひら鯛亭
江
許
秘蔵子よ夏のひなたに遊ふなと鼓色かけにつけしかたひらおなしく
火にくはるやうなあつさと扣ぬくは大名といふ啼のかたひら
かたひらの井慶嶋についしたる長戸もあり味かかんさし市住
かたひらにすかせるちゝををことなこの蚊たりも指をさして笑へるきせわた
いもかきしめかしちゝみもなみならす袖の縫さへちとりかけにて松磐
雪国のものとて様にきてみれは夏もあつさのうすき越後地耳梢
越方の水にさらしのみい白さは雪のはた迄みゆるかたひら久澄
山住のおのか手織に大竹をしほりに染る麻のふと布蛮人
めしむしにめしませといふ帷子の麻はしらけをいとはさりけり水草園
蚊
一くゆうする火とりの桶の恩ならてたつゝ声する軒の蚊の声瓢箪園
もゝをさすはりはさなからもうなから夜学の都磨になれが蚊の蛮外楼
賤の女か柿おりし給ふ窓ちかく嶋のある杖の布引にくる真萩
灸舗またせぬうちにひとむれのをもわになりてくるふ門口一友
小浜画
十五、
琴訪楼
酒一友
鶯と
おなし藪より
出る蚊の
ひとくさしたる
夕くれの庭
書肆
かたらねの夢のやふれをぬふふりに釘もてそはへきたる蚊の声俱あ
妙の女かへなへしことをとり出せはやかて糸めを通す蚊の釘衛門
しつか家のはたおる窓の石左しまのある蚊も出てとひかふ家風
にしきゝはまた色とらぬしつか屋の行端に立る宵の蚊柱徳若
かんな房いふす大工のわらはへに倒てみする軒の蚊はら梅元或
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月かけのすゝしき外にみをさしてかはかりにくきものは文の夜
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四十一
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十一
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十一
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諸
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5215
狂顕年中行事下
岐阜
緑亭員久
十五
見物の人に
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祇園会に
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上
図8
□□□□□□□□
四
四
四十三
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□
一十一
キフ
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四
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十一日
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元もん竹雁ともみえて虫干の羅紗の羽織もわたり物なり建竹
かるわさの後見かきしく肩右のまたも綱をはわたる虫干おなしく
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虫ほしに小袖のうひをなとにくむ雪をしのさし酒はわすれて巴亀堂
かけてほす小袖の竹にめつらしきすそのもやうに響をみる哉杉状
あつさをもしらさやものゝ土用干氷のことくみえてすゝしき琴戒
から
細引の重きる上の小売衣つまをかさねてはちぬ虫干右螺
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竹婦人
□□□□□□□
黄
キフ
いたきしは蛇篭ぬけとも竹婦人妻には角もなくてねやすじ朝亭
クハナ
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川除の蛇篭におなし竹ふ人ひとにそふてもみつは防きつ霞
尾
竹婦人ちよつと添桑のたまくらに風をはらむそうれしかりける有文
竹婦人たいてねた夜は夏の気もうしろめみせとなりてこと
上、
ひかしやりと音もするときかみなりにきもより先へつふすたきれ俊行
女の名のつきしなれはか竹婦人はらみてうれしよはの涼風かゝ左
風に手を目の下迄もつれしよりめかけはつけて里の抱篭辺
竹婦人そひねをねたむ心にやよはの藪蚊のはりをもてくる瓢箪園
上・
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すゝしさは秋とおもへしあきたゝぬ夏のよとこにて竹婦人駒産
かまほこの板のなりせる竹婦人かゝへてねたる穀肌男松影
すゝしくもすり細工の竹有人添舞に不二のゆめやむすはん万寿楼
響雲もあつい〳〵とおもふうちほとなくあきやこん竹婦人堅炭
会津
竹婦人そひ子をすれは湯あかりのゆかたも風をはらむすにさ
ウソと
夕風のてかけのやうに竹婦人かゝへてねたるときの事たしさ
上ゝ室田
あつくなるほとのほせては抱つけはめよりかはゆき竹婦人哉桃星程
心太
久助よはやくもてこよひ太あつさをはらふ菖入にして鯛亭
賤藻もてつくるものからところてんつけは其侭渋かとそみる甘露
嫡子木に似しひ太ひやしては桶の水さへかふる時〳〵天具知
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月かけにすよしてみれはさうめんと一杯くひしところてんみせ猿左団
屋々
同志庵
つき出でも音なき滝とみよしつゝ葛切かはふ心立みせ月花庵
金子
夏の様さらにつかれて休むにもよき心はみせのすゝしはた
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西
あたひよりやつさはらうて嬉しにのいきもつきたる此心は伊賀住
尾
夕立の虹をみなからひそはしにかけたるさまそこゝき東壁堂
心太手つくり御して郷食急にすらしくはらふ汗の玉川おならく
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あつき日は心太をもつくま諸皿の枝をもかさねてそくふ藻住
心をうれるをのこかみせさきに買へも銭をつきてこそさ
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水鉢にしりもすゝしく森の下すらむにはよきところてん音閔住
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すゝしさや木の下かけにつき出す心太迄ふるへてそゐる真荻
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トン
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アト〳〵
碇に人しくらてふす。白のところてんはきをみせたる音の猛かけ水草開
名物と夕つくよりやつき出して心太うる明星の栄屋梵庵
水売
八・
すらしきは人にゆつりておのか身はしとらにぬれし汗の水より朝亭
大江戸の土一升にめてよりなかねの葉焼に水売のこのこと
逃水もあるにさなくて水更の水におはるゝ夏の大江戸六花園
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区
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白むくの
袖かさはりて
島台に
ねた
八朔の
雪折れの
まつ
五兵亭
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そなへたるうつの山辺の団子さへとをさゝて去る十五夜の過
まろめしはかゝか自慢のくしよりも月にたんこのさしひよき情はら軍じ
〽今もすからおきゐてめつる月見にはたんこにさへもねととてはなし鯉亭
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みな顔もくろき丈とそなりにけるやうかましともいはん煉掃湯門
古頭巾人のかふりしうたかひも峯としれて出たるすゝはき乗安
顔の色は真君になりてすゝはきつはきと誰ともみえわかぬなり常有
神棚をおろしてはゝきふり立て家内をはらひ給ふすゝはき筆才
たつさへし長刀なりの竹はゝき女武者迄出るこゝつき久証
わきもこかよこれた顔をわらはれていとねるちかたすなき猿はらひ安丸
まつあきの方よりはゝきい立そめてはりたのすゝを払ふ国々穴住
すみなれし笛をきられて新しく雀もねくら替るすゝはき松人
煉はらひすめは過々をしきしまや哥かるたともみゆるきれいさ俊行
ゆくとしををしむともなしすゝはきのはゝきさかさにとりし宿子は自寝坊
尻かるにはたらく下女とほめられてほこり花するけふのすのすべき且平
一年のちりも鳥ほとつもからし印の竹をいるゝすらき徳若
江
番
おいらんもとうに揚屋のすゝはきにはき出すこみも外八文字松繁
めそふ子をしかりなからも爺はゝも内を外なるけふのすゝはき蛮下橘
春もはやくへき印とすゝはきのすゝにましりてさかる蜘のい三話
魚はみな烏となりてあけかたになくほとさむしなとゝすゝとかおなしく
もうすにとなり同士よわか宿もほこりにかすむけふの煤はき
はらひわらぬ煤より外の宿もかな野ても山てもけふをくらさ
すゝはらふ日には熊坂頭巾にてきつてまはりし長刀さうり鼈父
掛乞にかほはよこしてことりれと内はりつはにはらにすゝとり
しらむそと告る島におこされて皃にくろみをつくるすゝつき鈴風つつつ
白川
顔もまたくろき丈とかすゝはきは畳ももとの坐に悲るなり御代住
ものかたき民家もへらのうらおもて打ましりつゝたて煤揮年積
うせものゝありかはこゝとしれたれと都のよこれはとれぬすゝはき米尚
浅草市
十二ヽ
おこしたりねせたりならへたてしのは春の物なる浅草の郎厨亭
九日
取るにもとしは一才八分ほとにおしつまりたる浅草の市水堂園
箱入の姥をつれて参る日も十七八の観音の市蛮外楼
川越
女房の角をはやすに引かへてぬけるもえつ浅草の市蔭住
佐次兵衛か人形迄もまけられてひつくりかへる浅草の布近住
又こみにころへは石の枕ほとひしかれさうな浅草の市道盛
吉原をうしろになせる商人も春の色うる浅草の市酔衣亭
浅草の市女か笠のあじに又かひかふらするあきなひもあり松寿里と
往来にすきゝ色もなくみゆるのは紙の名におふ浅草の市此主
春の気をうこかす市のうりものや雷門に人のとろつく待人
いにしへを思ひ出にけり浅草の市にもひさくあふりこの綱川堀
清水や初瀬はしらすあきなひも二とは下らぬ観音の市徳若
くねんほやみかんとる子をみつけてもゆるすは慈悲の観音の市関住
浅草のかみなり門の買物に稗くり金も出すとしの布京路
網の目に牛を出すことき買物もかはからめけし観音の市道義
□□□
幸一
かさりものうる娘ひにかつらけもわれかちにかふ浅草の市竹遠鳥
浅草のたはう町にもいつはいの人におされつおしつめの市安左
関夜の雨はしかしめをひきはへてまけたかつたと浅草の市穴住
としの市かうたる桶の外に又内もかふれとこける吉原松花堂
観音の経にはあれとうりかひににしむしいはぬ浅草の布松人
羽子板の箔もひかれる市の日にかみなり門の人もとろ〳〵薩丸
浅草は三洞一の人の山ふし額なるおたふくの負丸人
戌のたつ四文銭もて浅草につりくつたりな市のいせ海老部鹿
浅草のかみなり門にかち栗を猟とつかみてうれる市人おなしく
つまこをやしなふとてかめき人のさうにはしうる浅草の市五十草
一浅草の市のしたくは草羽織うらをかへしにはひるよし原辺
塩鰹
あまいてゆかぬはからき世わたりやしほかに声の塩鰹うり井
上戸ともいはんもちをはゑによへとさゝのみてゐる塩鰹をは炭竈
ふりかけし塩の雪にも出かねつゝかつもの後にこもる熊笹好友
はつものゝ名もあら磯の松の魚しほにうたれてみゆる此頃鷲軒
水煮する行平鍋のゑほし魚すまの浦辺のしほしみてみゆ六條室
いゝり千代をふかせの松の魚なれは一しほめてゝせちにいはゝん琴成
ふりはへてとしのをひきは魚の名の松をちとせのつるのせんは煮花女
塩引の小かつをもみなつかふなり春もめちかになりしいはひ十季安
霜に似た塩はおけとも魚の名の松もみとりの色はかはらす水茎園
一本はその名につけてちと塩のから崎といふ此松の魚煉鼠
鶯をきかぬさきにも塩かつをくうてほゝうと口はふくるゝな成
鯨神またせぬさきに塩かつをはらの内へもいるゝ笹の葉。後行
塩にせし松の魚さへ節季とて竹をも口にたてゝいはひつ増成
味もよう塩水きりめもさつはりとはらひ沸して春まつの魚菓見
唐人のためしはしらす松の魚はらより笛の生し塩物桂林堂
すゝはきもせきて歳暮の塩煙これにも笹をいれてつかはん山城
□□□
洋
あら海のなみをはなれてうまみありうつたる塩にもたす鰹は葭潟
癸
十二日
早咲の梅とならひて日あたりの軒端にひらく塩軽の後繁朝
をさまれる銅の他の御代なれは歳暮つかひも三尺の鯉落住
真心のあかきをみする貢物歟そか千島のさけの魚迄六條風
川にすむときにはのとも今はまた日なはいたす塩引のさけ盛砂
泰例とてつかひものなる塩鯉そたゝ一尺とさしへゐる音熱若
蝦夷地よりくる塩引の鮭の魚是もこつめの引物となる天高
四五尺の鮭をうるとてあきうとの裸をしみたゝく三寸の舌小山田僧都
塩物の歳暮つかひのさけの魚一尺はかりつもるしら雪質亭
一樽にそへて歳暮にたまはるは上戸のこのむさけの塩引葭丸
せはしさに門かさりこゝる松前のおつとせいほにくはる塩引蔵人
一寸のひたなき音も事なきて手かるにつかふ一尺の鞋棲花園
なか御ほとくすしの虫もあからまん土節といひし塩引のさけ
節季候
一綿笠は雀踊のさまありてもゝさへつりのせき候のこゑ
せきそろは大鼓たゝいてはやすなりふる音に迄事を半左衛門寿女
すつてくるさゝらの音に家〳〵もなるほとせはし節季候の声俊行
するゝのましたこぬ門にやれふくよそれふくよとてはやすせき候天具知
よせ笄をする杏さきへはち〳〵と目はかり出してきたる節季候休
行かへりとしもはたへる次めとや二つの竹てはせすせき候右蝶
穴う餅をのしてひろける程とてめてたしくはやす門のせき候畔道
松かさる用意せよとやせいしくもいきわき候の門にたつらん
年の中たつて踊りて大鼓よりよそひに口をたて節葉候
餅米酒
としの尾の臂とともに餅迄もやはり拍子にかゝりてそつしく蛮外払
きゝぬれは老も一しほわかやきつてうちんてつて夜はの節餅蔭住
白雪とめつる斗の臼の臼の中あともつきたるけふの節餅
みならへの春へうつれるしたくとて読てふ名の饌もつくなり蟹鰕
饒礬にいはふなまこのさらしなや田毎の月とならにお備書戸長
神の饌よてねれたるはゆふたすきかけたる下かかきねのならはし
天の戸の明方かけてつて餅もいくつるそめの神の御鏡松寿園と
一とりは売生か夢のことくにてもみや栗むす宿の餅つき五車亭
めてたさよとしのをはりに娘つけは臼もをとりて出るにきやか年重
きぬたちかはりてつくらんかすき山熊野三社のみそなへの餅竹庵
熊をおふ猟師か宿も嘉術とてのちをもつきかわとりにそする盛人
ゑさいをはからみになかしてくひなよと神かはしをもたゝくこねとり松盤
大神は富めかしらよされはこそ二俵斗もつけるうち米手休
そなへつる神のかゝみもならりてのき母をはなれぬ餅つきの臼駄鹿
のりのきし拍子にきねのうちありてかちんといふもやはり候の恩
蝶なとて五重にくみしせいろうにほさつをいれてむせる餅つき長連
雑灸にもならぬさきからすめきて花一重のゆけにかすむ様泰朝亭
しまうてはあちらみつらに雇人ももちにつかれて何いる縁はな
伐木のそれならねとも山里はもちつく音つかこよにそきて
頬燈や田毎にちかき家〳〵もつきならへたるくれの荒餅千代住
やかて来の雑煮となれはちん腹もいまひとつきことなりてとは
和布刈神事
ハー
よやつこはめかりをきかす御神事やのろりとされす丑の刻ても尚雑用し
大卅日とて文人も知しの術をかりすまさんとはらひするらん
大晦日
十一日
明日はかくのことしと帳面へよこにかすみもひて大卅日辛フ三駄
かけとりをかへすはゝきもたちつめに大つこもりのけふのせいさ葉安
いへつ鳥かけこひきぬるつこもりは銭迄はぬのはんてはたらく赤野
掛取のさいふの口も喉ケ尻もしめくゝり迄よきとしの石や蔵人
かけこひにうそも筑地や鉄炮洲除夜一時ののかれ口上持丸
かけ乞に火となる論も頃ぬ内に東はしらむ除夜の暁
□□□□□□□
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大晦日
十一、
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かけこひにうそも筑次や鉄炮洲除夜一時ののかれ口上持丸
かけ念に火となる論も頃ぬ内に東はしらむ涼売の暁御近住
□□□□□□□
川越
芳春園
好友
十五、
こしかねて
鶏のなく
ころ
かけとりに
そら寐して
ける
大年の算
兵衛馬
夜をこめてとりにまはるやかけとりのよに大年の関はゆるさし杉成
相応に掛人迄手つたうてちうにふらうとつる恵方様
かさり物かうてかへれは門か宿の庭にも印をたつる掛乞”竹れ鳥
尾蘇袋ぬはぬさきからかけ乞か三角にする渓傍の袖中姫
くる年もちかしき中の礼義とて境目たつるかけのしはかひおなしく
門か尻も幼布のしりも大卅日おちつきかぬる問屋勘定柳方
雪ならてきへのこりたる帳面をかきてあつめしくれの拙乞
一四車のりたる体にかけ乞はゆたんをせにまはりこそくる
くれのかけみなよる〳〵とおもふほとおのれかとしもとか大卅日数成
かけんしてつかふも年か薬にてせんしつめてもちくなつこもり禁下
一とせの狂言もはや大切のみそかそ定かかたきうちなる三駄
大卅日常に何てをるしろものもおきてはたらく質のとりやり緑草
老らくはまつさし置てかけ乞を通してくれな年の関守きゞわた
ふとしほとすへもまたきかゝりてははつされもせし大年の義理・長連
□
川越
芳春園
好友
十五、
こしかねて
鶏のなく
ころ
かけとりに
そら寐して
ける
大年の算
兵輔高
夜をこめてとりにまはるやかけとりのよに大年の関はゆるさし杉成
相意に掛人迄手つたうてちうにふらうとつる恵方様
かさり物かうてかへれは門か宿の庭にも乕をたつる猟乞”竹立鳥
尾鹿袋ぬはぬさきからかけ乞か三角にする渓傍の袖中雄
くる年もちかしき中の礼義とて境目たつるかけのしはらひおなしく
門か尻も材布のしりも大卅日おちつきかぬる問屋勘定
雪ならてきへのこりたる帳面をかきてあつめしくれの桂乞亀成
口車のりたる体にかけ乞はゆたんをせすにまはりてそくる
くれのかけみなよる〳〵とおもふほとおのれかとしもとか大卅日殺成
かけんしてつかふも年か薬にてせんしつめてもらくなつこもり
一とせの狂言もはや大切のみそかそ金かかたきうちなる三駄
大卅日常に何てをるしろものもおきてはたらく質のとりやり緑亭
老らくはまつさし置てかけ乞を通してくれな年の関習きやわた
ふとしほとすへもまたきかゝりてははつされもせし大年の義理・長連
大卅日四王はあやなしつれになと光りをみせす金はかくるゝ朝亭
はらひとてことしといへはかは是の鬼もわらうてゆく大卅日鈴盤信様
立つゝく門の松風通慥にしらふることのおほきとしの夜常盛
爪沢
弓張の提灯もちて大卅日やのさいそくにきたるくかしさ。浅
君くみりさやちりゐんとみそかけにかけてみそかのやみにあやあり六樹園
名古屋玉屋町
尾張書肆東壁堂製本目録永楽屋東四郎
同上金一冊
全三間
玉くしけ
神代正語本居大人著
神代正語本唐大人著全三冊
従一至五
全五冊
古今集逵鏡同上全六冊
古事記伝初帙
同上
従六至十一
同二帙
全六冊
従十八至廿三
同四帙
全六冊
従十二至十七
同三帙
大考流共七冊
源氏手枕同上全一冊
従女四至廿九
同五帙
全六冊
同玉小櫛同上全九冊
従世至世四
同六帙。
全五冊
従卅五至四十
同七帙
全六冊
同八帙
全四冊
従四十一至四十四
合四十五冊
天祖都城辨〻同上全一冊
御僊行長歌同上全一冊
同右
全三冊
同一目録
玉勝間初篇同上全三冊
全二冊
同二篇同上全三冊
神寿後釈同右全二冊
玉勝間四篇本居大人著全三冊
全三十冊
玉勝間四篇
萬葉集略解千落大人著全三十冊
石原先生著
初帙三冊
同五篇同右全三冊
年々随筆石原先生著初帙三冊
全二冊
美濃の家つと同右全五冊
江戸職人歌合同右全二
近刻
同折添同右全三冊
臣連二造考同右近刻
地名字音転用例同方全一冊
冠位通考同志嗣出
同右
近国
全五冊
歴朝詔詞解
一
宰相通考同右近刻
歴朝詔同解阿右全五冊
宰相通考同
葛花同右全二冊
尾張の家つと同右近刻
葛花
参考熱田大神縁起全一冊
しみのすみか物語六樹国大人著全二冊
市川先生者
全一冊
万我のひれ市川先生者全一冊
和名抄大須本全一冊
六本全一冊
全二冊
遷宮物語菊谷先生著全三冊
俳諧歳時記著作堂先生著全二冊
尾藩書肆東壁堂蔵版目録
名古屋本町通
七町目玉屋町
永樂屋東四郎
劉向説苑纂註ニ
聞玄州先生著
今開
恩田巵園先生著
蒙求続給。
全二冊
律数揚権同右
全二間
重修韻略
同右
全一冊
秦滄浪居先生著
補義荘子因と
全六冊
懐実三重韻
全一冊
同右
今世説
全四冊
全五冊
古詩紀古逸之部同
掌中三重韻
黄楊版横本
全一冊
全一冊
詩韻含英平聲之部同右全二冊
同摘註同右
全二冊
袖中以呂波韻
全一冊
横本近刻
鈴木叔清先生著
大学参解
全一冊
同右
同灰聲之部一
同灰聲之部同右全二冊
全一冊
劉向列仙伝岡田暢国先生著全冊
夏小正全一冊
鄭玄註孝經同右全一冊
四書集註道春点全十冊
常語數同右二冊
牧民忠告解全一冊
畸人詠国君全一冊
女誡和解樋口萬山先生著全一冊
乗穂録同右全二冊
宣和集古印史于秋余光生復方全一冊
全一冊
同二編同右全二冊
彼此合符同右全二冊
掌中聯語苑
告園先生著
折本
初學詩材
川内先生著
全一冊
全二冊
物數小謂國右全一冊
一楊州石天基著
文字竅
全一冊
文字竅楊州石天基著全一冊
一伊藤先生著撰
全三冊
暢園詠物詩国右全一冊
日本詠物詩伊藤先生著撰全三ツ