みぬ世の友 附狂歌合
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- 八島嶽亭畫
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- 八島嶽亭畫
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- 日本語
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- ミヌヨノトモ
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- 東北大学
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狂歌みぬ世の友
狂歌春ぬよの友
連楫
皇和古賢繍像画讃狂綺集
撰者芍薬亭長根貢庵則次
画図兵亭八島定図筆者北
榮子守川捨魚補助串殊園
鶯光音六花亭不二常行貢
梁楼蓬莱根松輯翁員総連
図都園古今序文
早淵虐
鎗柄
屋房竜の屋
分器
主糸盞白烏尊
難波津の梅より
はやきは重垣は
哥のことえの花の
さきかけ
七十三
至清堂
捨魚
かふら矢の根の国
さしてあまくたる
神や真弓の稜威の
高麺
八十
呉竹
園生
たも猶みこし
かつきしその腕の
をろちは酒に
しやうたいそなき
福迺屋
内成
牲のことの愁も
はらひけり八つの
甕にたゝへたる
酒
ユ貝琴楼
根松
十五八
有形のこしの
まき信の時鳥
姿はみせぬ雲の
ちんつら
十一十二
文陽舎
春樹
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ゆるかたに浪の
小皺はよりぬれと
老をやしなふ宿の
酒瓶
一奇稲田姫
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
十五十二
直道
浪のみなちり行
あとはなつ山の
青葉のいろう
にてかせきのいかいかつか
もとる海原
十十
捨魚
うちかけて涼しき
夏の香とり衣
夕かなる
下総の海
十八
吃衰肉
華々
たちはなの御名は
かをりてなつかしき
むかしの人の袖の
うらなみ
橘媛
十十二
随日園
勝良
海にいりし花
橘やしたふらん
一字すひの山に鳴
ほとゝきす
十二十
對亭
支松
草蘿のつるきに
世々のをさまりて
若葉さかゆる
芦原の国
十八
伊勢
唐丸
あら海に入にし
姫を怠ふる時
尊の袖も浪や
よせけん
日本武尊
十八
屑
千拂亭
韓国のなひく
神功皇后
いさをは日の本の
犬うつ子まて
物かたもろ
松
十八
百枝
韓国の王てふ
花は我くにの
犬さくらとや
のりたまひけん
十七
新泉園
鷺丸
微帯むすひ
なからのいくさ船
やまとへかへる
少時やまつ
狂歌みぬ世の友
一月廿一日刈菜亭大人
貢庵大人杉
間都園序文輯
考二頁
一〇素盞烏尊
考二貝
十三五
美しくつらねし神の御哥には八いろの雲もおよはさりけり
至清堂捨兼
随日園勝良
八雲たつ出雲の国の妻こひは心も空になしたまひけん
在吟聞路介
伐給ふときやをろちか脊子生し松も紅葉の色に染けん
西来居未佛
ひの川やさかまく水のいきほひに蛇籠の中もたちきりにけん
この神のちゑより涌て出にけりをろちを酔す酒の泉は
竜宮城玉守
八七
画語楼内匠
は雲たつ谷を出雲の今よりや哥口ほとく鶯のこゑ
妻こめて神のつくりと八重坊は赤き縄もてむすひそかけん一曲来居
都鳥園
池の如たゝへし酒に酔しめてをろちを内のはやしにそする都鳥園
なにはつや安積山より八雲立神の御哥そとほつ親なる捨魚
かもしたる酒をこやしきすさのをは山田のめき地平らかにけり竹杖月良
見
雲の言かさね詞を美しくつゝりそめたる津草こめの哥明静菴止観
かきかへる酒の泉のはかりことをろちはあまくのませたまへり米花藻垣守
忍
幸廼屋春時
織殿の都厂したまへとことのはの綾錦なす神やこの神君幸廼屋春時
出雲社
花間亭蝶々
あかき糸かきたる亭は大社木々の縁をもむすふかと見ん
縁むすふことはの花の八重垣は昔の人のつくりそめけり貢琴楼根松
文車菴二字守
あつまれる出雲の宮は諸神の姿おほひて八雲立らん文車菴二宝寺
タカサキ
六龍園玉雄
やくもたり出雲の宮の神祭人の八重垣つくるにきはひ
大蛇
米喰虫成
くむ酒の風にかを事かゑかきたるをろちも動く床のかけ物
もみちはの八しほつくりの海に酔てをろちは眼迄赤かゝちなる望月真丸
西来居
衣かつく妹をとらんと立とりてをうつちせみなしやつかしら哉西来居
祇園春の煙籠にゑかくをろちさへ姿うつれる水魚の瓶
八七
時涌をこのむ大垣は刻限の八つかしらにや出てのむらん
六八
八つならふ鹿にこゝろ大生れて流石をろちの尾を放せり六花亭常行
酒瓶をのそくをろちの鱗をは池に影うく松とこそ目せるん
薬をわんし姫のすかた子をろちさへ春の心やうこきけん月良
魚の名のいなた姫より酒瓶にむかふをうちや腥き息
○稲田媛
味酒にかもしゝ秋の稲田ひめ人の酔ゐる姿うつくし捨魚
黒髪はあきのいなたの葉たわねすきかへす猿は春の月形呉竹園生
塩いちこ根しめにまとふ花瓶にいけるこゝちはあらぬ姫百合一四来居
くむ酒に契うつれり行燈にゑかく夜宮のくしいなた姫松梅亭商人
おも影はかけろふ稲妻いなた姫臣にゆらるゝ海瓶のうち
串珠園光音
をろちをもきりし尊に長かれと命も身をもませつる哉
酒瓶にをろちのまよふ稲田姫うつる長とに秋の波よる
ほろひたるをろちに秋のいなた姫二百十日の難そのかれし
仝
ゆたかなる年のみつほのいなた姫かしらおほかる神も聖なん
欠S
福迺屋
地震にすらゆる
かぬ国の竹の内
いのちの長き
根さしみえけり
貢歌園
八十三
久良喜
唐さきの松かり
よはひはあやかれと
杖子すからぬ
一老のめてたさ
十十
花鳥楼
友善
湯起請も手に
和子かな竹の内
誰かたをつきて
みてもとよす
竹内宿一
十三八
友善
僧のにの岸に
《住吉神(
より七人高燈籠
神のみちひて
舟のかよひ路
十三人園生
姫松の霞の衣に
帯せぬは治の
うちかけすかた
なるらし
六花亭
常行
八十
あはるゝ松の
葉こしに夕虹の
反橋かくる
住吉の浦
十三
二秋高丁丁
さかりたる蜘と
いふ字に侍人の
来へきと我か
は
虫も知らし
十二
捨魚
②
もみちはのかゝれる
軒の蜘のいは
錦をつみし車
一たりけけ
十八
蜀都園
序文
和歌の浦一つら
空を舞下る
雁は入口の
芦手書かも
衣通姫
十五八
三月四日
梅世
みよし野の桜を
平こと見しんも
ことはの花の
王にこそあれ
八十二
白毛舎
万守
ことのはの玉藻
つらねて猿沢の
地の心のふかき
よみ二にた
十十
文五口楼
梅守
蚊遣火はきのふに
杉のはやしより
けふりのことく
たてる夕霧
に
に
に
同
十八
和鳳亭
糸長
ひと村の白雲
かゝる不二か根は
花すきいれし
扇とそみる
万寺
十八
夕栄にいろつく
峯の笠雲は
いたゝきあかき
八二の朝芝
十八
松梅舎
志丸
大なるはまそ
貝やかたわれは
田子の浪間に
しつむ不二のね
赤人
六十五
串珠園
一光光音
光音
字つしぬる筆の
雫も末つひに
ことはの海と
なれる俗文
西来居
末佛
つれくにがこむ
碁盤の石かれひ
黒のかたにそ
めはもたりける
十八
上毛文毫舎
魚丸
読さし源氏の
巻のしをりにも
若むらさきの
房やみゆらん
吉備大臣
□□□□
S
欠部
○住吉神
いろまへに詣もあけひて苦むせし鼓手似たる住よしの指捨魚
住吉の神の心もいさむらん浪のつゝみに松の声の音桜炭女
さわかしき浪の鼓は打やみて松の声の音すみよしの岸重陽園菊雄
にきはしき世に住吉やかたるきのゆき合の人も多き泰治江都園
住吉のむかしの事は忘草うか〳〵として千代や経にけん西来居
さき夜の霜より寝られ給はしなかたそきの間に月のみせは園生
幾千代もかはらぬいろは松風のことに尊きすみよしの神洋々亭麗
もろこしの船ふきかへす住吉の哥は皇国の風にみかあれ蜀郡園
あつされも志草生ふ浦風にいつて涼しきすみ吉の神音平性為持
咽もとをすきてあつさや志草思はす涼む住吉の岸射射術園張弓
淡路島
あはちしまなりて昔のゑな桶や箔絵に似たる粉の舞金刀捨魚
しみ吉の茶屋を出たる牛鳥足の進がよはせし淡路静山園生
八十
みわたそは軽に石めきて雨雲の足をゝすれるあはちしま山合
み事か中に森の衣につゝまれてもてゆかれそうな淡路嶋山子篤
順春に着せてやみまし淡路嶋嶋浪に千多の雲の衣を
番
一壷弦亭木曽根
あはちしま干沢となりし海の面にかよふ千鳥の貝も拾はん
打流の時雨はこひて一むるの千島に久も寺淡路嶋山琴松金銭重
春来れは浪も岩間に声在て風か笑はすあはち嶋山梅枝住
風にはらむ舟もろともに汐満てし方にうまなし淡路嶋山千里甚白丁道
姫松
十八
住の江や鬼浪よされはぬれ岩をいく十人りも昔の姫松勝良
今やうの琴のしらへ雲犬ふらし五日かた是もの岸の頃め松樽明
風にひく手なれの琴はいつとてもおなし音有の岸の姫松梅世
雁かねもうならへて風の手に琴かきならす岸のひめ松光音
住よしや浪のもめうをぬふやうに針仕事する岸の段松文車菴
すみのみの春と夏ものさかひには藤治立馬宿のひめ松峯松亭春春秀
いたつらな霞果やかよひけん梢に鶴をやとすひめまつ光音
伍生の石のあたりに姫松の腰をかゝえてみるもをかしや園生
かさりなき昔の声やもみちはの風手はこのまぬ岸の姫松蕈
仙台
水の雨の影にしわあり我みても久しとよみし岸の姫松
凪の日は霞の夜計仕事そのあひたにならふ姫松鶯丸
よしの岸の姫松おおいぬれとかうなかす春の曲はつれす久良喜
す半のあまのくほくむ可平やさし枝に月を月を行ひし秦姫松光音
月影のうちくを枝に持そへて涼風をそふきしのひめまつ草菜
こしへても皺をは様によせてやていつにもかはらぬ岸の段松優長梅好好
松葉
湊菴舟積
ちどせまて心をよする男浪にはかはらぬいろや岸のひめ松湊菴舟積
おほえぬる巻もならすてその侭に忘草生ふ常の姫松光玄日
打浪のつゝみにあはす玉琴の風にしらふる岸の明すつ仲貫
なへ粉をよわき脇に持出て洗ふさまなる岸の姫松早道
男松よりやけしき声は風の手にことをしらふる岸の姫松平
○衣通姫
水海道
せらにの糸のふるまひ美しきゆふへの露の玉津し守姫
先
十八
覚つかな来い人まてる宵暮はあやもわからぬさゝかにの糸勝良
花みゆる野喜の姫百合永セこれ侍る錦の床夏の花園生
侍人をしらする塩はうらかたのめと萩生ふ事あたりにやすむ二喜
暮るのぬふてや梅の花笠のうらをみせたるさかにの鳥に光音
風あるゝ木のはの舟を菓子とめて碇のやうにさかるさゝかに喜蝶
花笠のくれたる青みな事哉しけりし梅にかゝる境の巣三秋国菊劣
さゝにの糸にいふなくつねきけり風にたゝよふ笹のはのはの舟蜀都園
さらにの工夫の色をよりかけて侍をよむ意に薬を作るし志左
其男子かすへき今宵の道時計分銅せけるさゝかにの境園生
手二子手かゝが馬旅の原筋は車百合よりひき出しけむ路々
待宵の軒端に蜘は原さけて月のひつみをしら虫欲なり
さくら木に糸をひきたる蜘の巣は花の綿つむ車とそみる
まつ宵に忍ひ車のくるくこしらせし蜘のいともかしこし
蜘の巣の車もとめて美しき花の枝見へつくる庭もり
とく花の錦の裏や是ならん梢にかゝるさゝ舟のいと
我せこか来へき宵にはあやにくに雨持空のくものふるせひ望月真丸
卯花の荒子垣根のとゝかには月に夜網をひくかとそみる綾重
座兵のにかにとりけておのか巣へかへり点うつさゝかにの蜘万守
正しきの枝にかけたる蜘のいはこかねをい事ゝ袋とそみ事虫成
やすみゐる雪か垣根にひきけて干細みするさらにの糸糸長
来てはくる蜘の松巣のめふなくて少しのものものもおかれさりけり米守
むらまきの藤兵へ庭正美しき女郎蜘せく肝に糸ひく千村
我せこり別の硯いへかゝらんときぬくにのみいとふ蜘の巣真丸
和歌浦
十八
真名鶴のあし跡をこそ万葉の假字と高らめ和益備人梅守
在松生町
短其こをあしにかけたるあし田鶴は和哥の浦わにすませてし哉
老の浪もとの渚に立かへる昔をしのふ和哥の浦人友華
和哥の浦したゝは芦間に踏こみてたてはみしかくなる鶴の脛子篤
○柿本人麿
八八
ことのはの花の種をみも世に蒔て桜にかくを残す人丸光音
人丸の筆もましりてほの〳〵こさく朝がほは神かきのもと深谷室
久かたのあまさ事雪とよみて無手残る詞の花はさきけり万宇
秋鹿の字角山によみのこす音にも妻をこひ給ひけん毘楽
明石浦
十五
あかしかた汐なれ石さる流士のし半もかくるゝ浦の朔兵衛桶樽樽明
もみちはのあかしの浦は打調の糸に町両の干下みやけんわ二喜
浪の皺もみえすなりけり吹かけし明石の浦の秋の朝者力商人
あかしかた打申る磯のもしほ木に桜貝ちるはるの夕風梅世
霧
霧の海軒の瓦の浪間には風はんの舟もみそんかくれせり糸道
八八
詞置力はとうこをひかぬ紙ならんうつす絵島の影もにしめり医丸
あとめてあかし坊の皺のしにし方大きかくる浦のあさ風占正
花薄ほのかにか見えてかりそめの霧の海にも浪は立け程
みえむかぬゑかの目かくし間船も浪の手のなる方へこくらん常行
つくりたる舟のかたちの秋菊も海なすし夕の底にこか程り糸道
亀か家の風見の舟にもみちはのいさり火もゆる霧の海原仲貫
松陰雲濤のこゝきの心をして山路も霧の海となりけり久良喜
山虫ともひとより出来し霧の海と浪たつる松風の音
星のかくの哥をとなへて寝し朝も夜明のしれぬしるはしには
○山邉赤人
椽をす筆もからすで不二かねの扇子のこす赤人の歌捨魚
森崎
このかみにたつことかたし赤人は不二の高ねの哥のひとり子嬉し玉鉾菴道丸
富士
笠雲をいたきぬ程は日にやけるといふしの山路二喜
いさきよき薬の峯は雨遠の濁にしまてはる夕立
たをやめはどゝめし不二の頂にのほり兼たる雲のあしより
勧かさる草にしひれやきれつらんちり雲たえは不二の頂梅明
にしきなすことはの花につゝみたる不否には日本の室也けり西来居
真円なるはちほの山に咲わけの花美しき夕葉の雲文代園万春朝
薹
不二の山砂のおほさに雲足も頂迄はのほらせりけり
その昔な夜に不二の出来し時夢みるやうに思はれにけん園上
蓬莱の山こしのへはいたゝきの白くはをのす。不二の鶴玄へ
みちのくの黄はその外に白かねの雪の花さへたえぬ不一枚
これなゐの有に花のおもけれみたる蓮の峯の峯は美し貢植園仙朱子
田子浦
さなくとる田子の浦田にかけみえて藤平者たる不二の躍占正
衆人のおほとて田子の浦浪にうつねる石一の山やこゆらん泰平楽酒盛
不二うつる浪の北帆は九合迄かけてそはしる田子の浦船鷺丸
かけうつる不二の扇を動かしてことに涼しき田子の浦風
田子の浦有のひたひに浪の皺よするは不二を馬に心有ん糸呉
かけうつる石二の雪をやはかるらん釣竿をろすの子の浦舟梅世
○吉備公
水にちる木この枯枝も片かなのかたちにまかる吉備の山川捨魚
ひのもとのすくな心にこと国の核筋違なふみもよみけり一子篤
囲棋
はつみてはとひちる石の那智君千打ましりたる瀧の白玉園生
うち囲む盤は星とふ空に似て碁も九つの段はわたり捨魚
あふ坂の関をすゑたる碁の友は静の噂迄打明すらん二妻
から人を官にしるまのいちもくはかちみきこえし国樵の音占正
一二ゆくこりの其寝ははかるとく囲みたる碁のせきはゆるさし鈴繁
ちるの海荒盤の上に打上しからとやまとの二いろの石菊雄
かこむ碁の業も上手のくすりしていきをうちたる白の一目千村
書
書
よ御さしてはさむ貝ねの月かけもかくしてけりな堂ゐち又蜀都園
玉子よりうま事かなのあとをみて四角な文字いかて作りし
くり出す胡蝶の巻のふきこひていてふの枯奈風に立まふ志丸
日んすしぬ事一異なの前にひきさきし紙を奏楽となせしちふみ
ひきさきし銭をしをりにことのはの花の奥みん春のとちふみ光立日
けふひと日時雨の春にさかはれてことはの山をめくるとちふみ
さらひきの気をおこせてや半の跡さは事も師のせんなりけりけり梅綱
乱れたる千一助間筋ときわきて心の緒にそつゝるとちふみ園生
めけまきりのそく井桁の囲かまへ四角なふみもよみ覚けり万寿躬
野馬其国の文字の哥一ひのまかり道たときしをりはさゝかにの原
○阿防仲麿
六人
ひかりある身ももろくしだかた石寺空なつかしき月の仲丸光音
もろこしをつか事ときや薬より出迎顔に自も出けん梅世
三笠山
三笠山月にて笠着て載ぬらん雲の花の花の花の雪吹に山高
かたふくる三巻の山にさしのほる朝日半はゆき花の横かほ玉守
仲丸をのせて東へかへれかし三の山のゆふ月のふ年粟鳳鳴閣
宵の間の月はやまひの三笠山古今の岸の浪太おもなる万寿躬
月
十八
海原にうつきゆ月の都にも今宵幸五月年々し浪のしら駒捨魚
一十一間の月待かねて尊臥し心や山をいく度こえぬ事万寺
ほ常の雪のほみやけりけん風子をれ馬みねのえたまゝ華々
みやかなき日のひかりにともひの花も霞める竹の春の夜光音
雲の波あらたつみても月の舟かくるゝ風はふかせすもかな恒母
さやかなる月のかみにてらされて実よ堂守に髭なぬかれそ梅明
山松の枝のをかせの君白髪一筋見出す月のさやけき綾重
うも鈴木のあふく早川子かて沈む同に木安をよするとゝ波万宇
おどなる人にはかへて秋のよに水もつ月の顔のうつくし光音
なてしこの種は半きどのく日影に答言ひとつすゑぬ中空
春のよの月のかつらの作り花本ほふ霞もやはりうす紙椒松
かうふみを半なへる奥の小やみ敷に四角にうつる窓の月頼虫成
ちり雲もすゑしとそ思ふとこ三夏の種まく庭の秋のよの月草蓑
こよひてる月の都へひきゆくはめつる心の助にさりける光音
龍田ひめ我たましひとみかくらし山の端てらす月のかゝみは
はひこりし根なし雲迄ふき敷て月かにうかむ池のなかれ藻
花ともりなたる空の村重を袖笠おほふ春の月影根杢
遠さなる月のかみにこちらから駒の浪をうつしてそみる鷺丸
はや瀬川うつれる月の影清み雪の麓もとゝめさりけり梅世
いろかれしめきの柳のもつれ髪すくかこみゆる月のくしかた久良喜
平耀にはひとかはむかん腰頭のおほろに一色事春の月影朝稲
とこしへにしなゐの国や日の中の薬とりことのほる更科藤亭久左
堂
空の海雲のあらるなこめんと謹が投たし月の鏡そ
春のよのさくられ雪と三つ立山そうに笠着ていつる月かけ光音
心なや月の矢かほへさし出すみやまそたちの黒雲の卿堀守
一せいりくの井へうちこみしひと手にて麦金の枕がけ碁にそ勝芍薬亭
扨制の言葉の五文字つかひたしほの〳〵あけの詞旁のうた貢菴
當坐天至清堂判
ト五、
かきりなく高きみそらもみわたせは野末の薄手のとうくぬ百枝
かたしきし月の鏡のうらならんあけゆく空の星のなゝこは綾重
大空の目の林の木鼠の木伝ふ時や露くたるらし梅守
むかく人欠たる空を墨落てなりたる石に補ひにてん雨水
水は手にくみてのむとも大寒の瓢のかけをいかてはなれん捨魚
欠部
酒瓶
小出しする瓶に薬のなかるゝは花菊といふ酒いるゝにや貢不獲樽明
おもひ出て只したはるゝ酒瓶は人の命の親にそ有けるに文麗舎繁躬
たんくにしたむ雫も剛なりしめと尽せぬ菊の酒瓶根根松
酔忘れてよろめきおとす紙入の桜々緋みる酒瓶のもと遊志
思ひ出る人の姿のいくつにもみゆるとのむ酒瓶の酒二貞扇楼毘楽
手入してつくり置たる瓶のふたひらはゆふ参の菊酒蜀都園序文
画きたる弓よりも猶おそろしき大臣のかけのうつる酒瓶捨魚
これからはくめとつきせぬ菊の酒瀧並にして滝のみをせん洋々亭子鳥
水戸
丑みつとよひぬるころも八つかしら影をうつしてのます酒かめ泉三楼竜馬
櫛
あかつきのかねのひゝき手声さめて寝乱髪へつけのさし様文母亭巴尾
柳にもなく鶯のいろに出ぬみとりのひみの音楼のさし桔文園雨水
影うつす手洗たらひはたをやめか櫛の蒔絵の花の下水五柳園一人
かんせしの桜におほふをとめ子か様やよしなみの山のひなる捨魚
かさりなき神代のふりや今様の蒔絵はあらぬ湯津の爪櫛
真黒なる処のみつらの雲はれて目形みせし河津の御柿福延屋内成
鼈甲のてりは上なき十五夜の月かともみん妹かさし櫛
松前
一山海堂鷹任
山ふきのいろなす様の諸代ぬり蒔絵にさせん井手の玉川
黒髪の雲の絶間をものいつる目に照そふ銀みねの桔根松
たをやめは花のいろ衣雪の肌櫛にや月の影をみすらん
暗喜
たをやめの髪よりおちて琴原の水になる事櫛の三日月白毛金五寸
ぬは玉の闇のいろなる黒袋に新かくろひぬ月かたのくし
むら雲とみゆるはろは片われの月にまかひの朝鮮の櫛桃花園義人
つはくらの湊まき画も似合しや髪の柳になるゝ爪くし
蛇脚とつやもつ髪のみうしてつま櫛させし春の夕月狂哥屋歌藤
村ふみとみしははらふの鼈甲のてりさへつかぬ月のさし櫛根松
かたれし髪をむすひてつま櫛にさためつるのも出雲也けり紀長丸
ぬは玉のよるの黒笑すかしみれは横にかたふく三日月の櫛松琴樓泉道
かんさしの草のかけをものいつる存にまかひしきみねの櫛根松
きりかねのまき後や陸の真砂垣に貝尽しをもみする遣し枯万守
て事杓にさしてうれしき鼈甲のこもりはみえぬ妹かさし櫛貢計舎升盛
眉の山こえゆく雁の影うつる月はふのあるへつかふのこし秋月亭照美
ころ髪のその香音も照するしぬかねにさす月うらの櫛光音
妹かさすつけの小橋はちゝれ毛の浪にたゝよく入月かゝそみ事鈴盤木
いつはりて人につけよと売桜のなと口なしの色をかるらん蜀都園
よし聖紙につゝめる櫛もはるのよの霞に酒たつ白の面影楠真堂面石
鶴ほとに赤くかしらのはけたれは蒔ゑの櫛はちとさしにくし
村雲のふもきれてよき髪甲の夕暮てらす紅形のくし
そはい宮妹や柳の立はめみたれし髪に月の水とし
かんさしの薄をもれて出にしはかけもさやけき月の水櫛月良
さけ髪のそのさし櫛は春の夜の柳もれ出し拝手も似ん山膳鼓腹亭実
○日本武尊
酌をた妻こひしとやおほしけんひとり旅寝の酒をりの宮捨魚
神にてさなくもてたまふらん草なきの宮にそなふる釼麦の酒巴丸
八度おく霜の剱のすもとくに草薙たふすゝ野へのさふけさ
神代より仕入は米のとき加減よき尊なきの剱ひしの酒宗河亭宗
むさし野のむはらも心やはらき三郎やまとた道なる風に磨けり桜炭女
いそ日へのかた哥よみし力にてがたきこひすや碎きたりけん西来居
碓氷山
雪とげし春のうすひの山のはに流れて空を落る月影光音
夏衣うすいの坂にせつきまつ梅姫のむかしをろおもふ
えにしさへうすひのひのころに五日端をこふ雉子の記有
碓氷山梢もわかぬきりすい三里にこしをすめし関守糸道
あつきりにぬく片袖もはね石や彦の言のうすひ越して光音
草薙剣
野にもゆるもみちはの火もちり失て枯ふす霜の子薙の釼商人
定火に枯ゆく冬の草薙の紐の宮の霜はすさまし岡生
松井田
松風舎茶店
風なきてをさする御代は草なきの太刀も袋にいりしめたる松風舎茶店
忍
藪はらふ巻はあまのむら雲の雲よりいつるあはの稲梅の春時
みかりかことつひにやふれてみつるきにたち豊かれし実紙かち
神風にあつま巻をなひ色し御剣の名も野路の草籬縄廼屋
東路の野をふみ分て御釼をぬけは玉ちる露のくさなき蜀都園
脊は山に似た馬をろちかをさきより出し扨やあまの叢雲
ひとふりの雨にもえ出事鳥籬の陽の焼刃雲とみゆらむ排花園義人
鹿の来てさみそ恨みめ花花宴の萩をもきりし草羅の剱月良
八五
草なきの紐はさそれぬきもらは葉末の露の玉ち馬かぬ春樹
御剣の妙やこゝにかこふらん日かそあつたの土用殿には急々亭今成
○橘姫
神の名門弟橘も東路にうつしうゑてはかはるとつの木真丸
後のよをかけてとかたきことのはに石となるらん女夫楠の木
身を海の庭にしつめて順貝のむなしきからに名をこゝめけり
堀神にこをやさゝけし姫日久のからのみ磯子よりてみゆるはゝ
音に匂ふ梅姫へも流神のこのみとなりて花色ちりけり
梅やしきすれ違きし程の音に橘姫のむかししのはし
拶いれし姫の毛綱のつかりもてあやふき身をつなねめけり
海
みわたせは空と水との交りて朝日のうまれいつる海原
浪のはな火とも道梅のいろなして初日もにほふ東洛の海玉雄
帆はしらも針のことくに寒の袖野ふかとかみる遠の海原五月菴千巻
上総戸をあくれは沖の風か近馬袖か浦家ののきの立花
上総戸をあくれは沖の風を馬村ヶ浦家ののきの立花花福延屋
浪の葉かさしこやせんわたつみの底にもあそふ程のみや射術国泰弓
汗とほみ浪の花長寺そり中にくるふ女児は蝶子かも似馬
優長庵恒好
河黄地の浪に千鳥の惣もやらひろけしさまにみゆる海原京道
下総
あやふしとみえしき女浪打わけて船たちらけき東路の海丁
あやろしとみえしれ女治打わけて船たひらけき東路の海一左言玉幸国
浪のうへ道ある御代落面に四方の責の舟のおほかる桜厩舎方左
をさまりし代ことて臣のたつ日には帆柱まて奪わる海京
光音
蚫どる岩間に春つさきいつる花の臣間もくゝる蜑か子
品川や様にそうく横雲のいろにそまりし瀬苔の紫鷹住
安房上諸山のまゆねもはなの先高品川は瀬の口かと文林亭谷
をちかた釜につゝきてそく舟長三日目ほとにみゆる海原
かくり路のなとり近しさや筆の海浪にも文字をうつすけね根根松
船
紙をもてつくりし舟も草狩の畳のへりにつくるをとめね
うくひ風のなとこかきけ朝とき竹の泊をいつる舟うた梅世
あをやきの木蔭の雪の苫舟は女の髪につなく象一のも
暇は風にはらむのみにて孝のなる沖の小嶋をかくす親舟文車菴
風なきて舟のあゆみのしつけきはかけし帆色や草臥にけん万守
めきのよの月はこそらにすみなからかたふたなりのそふ梅樽明
七八
廿化本亭言古蝶
待うちに帆支度あして湊には風のたまりをはらむ舟長花本堂古蝶
ゆはたおひむすふもやひの綱よりも沖ゆく真帆に風をはらめり
ことしのほる朝日のかけや打よす事治にゆるるらめけのそほ舟松梅舎志丸
いろう山をやらす夕日にもみちはのを美しきあけのそほふね老音
おのか巣につなきためてはさゝかにのさゝの一葉も舟とみせけり鷹住
あひの師は出海は前洲もさす釣の落て客はた事な母百冊文領園祐公貞
いつはいに風をはらみて行舟にしむる風総そゆはた帯なる朝稲
風あらみ岩根をたて浪よりと心をちゝに砕く船人光音
のりあひのはなしにかを馬橋のむかしを忍ふ木高津の舟久丸
向風ひらきにのりて様の花むりにさかやそのほる室舟花咲菴楽守
○神功皇后
もろこしの人に聞せん計のなき釣にも鮎のかゝるためしを園生
山しきのこかねの鎧行しなから腹にはこをもたせたまへり月良
〽日のもとの犬とち善子かくなりゆる御代はいはななかん真丸
魚つり玉嶋川に参たるゝ岩の柳もをみれなりけり万宇
弓となり弦ともなりてゆく雁にむしを君ふいしふみの色子
玉の御子みともる腹のおほきさは異国にまて登衛けり文弼園千村
弓をもて雪のいはほにかた字の犬さへ風にくるふとやみん常行
ことにの王はともあれ大御身にしむる日本の器のもの帯梅世
弓になす竹の下露したゝりていはほに文字もゑかとみも云る
はらみても昼ふの峯にやまたよてる工風とう云出しけり光音
六八
うちよたる沼のみとりのは色々舟もちかつく高麗の色し
下総せかけ
長刀をまはして施にむかふすねなかまね彦はなき生江へん
ゆはた事なさぬうちより韓国のいくさはかねてはらみ給はん梅綱
弓
飯のはねをそへては白鳥となるおもかけるにたつか弓かな園生
光陰の矢つきはやなる葉山子弓いつしかされてつる身からす糸道
松寝はらいはねに弓をおしあてゝさかれる藤のつるやかけらん鈴繁
ひきしむる粒のそうしにさかり色ふの柳も射るや筆青の弓捨魚
そのみにもてかひこなかへる重の弓これもやまゆのからちつくの事園生
八七
其国をしたかへたまふ大弓のはりのつよきもやまとたましに福迺屋
さわるいのこふよためし矢田の野に弓のほまれをあらはしてけり常行
力こふ出す射礼にあらそひてうまてほ意ふせし静けさ握守
いる事は拝にゆつりて梓弓つゝむ袋の雲にかくるら園生
名古屋
竜の屋弘器
夕月につらなる雁のはしき弐弓もて久しかりかねの千字
畳にせしためしもあれは弓弦に松のやにをやひき初にけん月良
纈帯
入入
韓国の王にたとへてゆはた帯むすふ尻尾の長きいぬの日
すきものをこのみていつる梅のみ進む道ふと嬉し五ツ月の帯。蜀都園
韓国にかちてかふとの絹はとそとむすちしまゝの綴事かな万春躬
七八
とくうみて柿餅どもいはへとやさすりなからにするゆはら帯文宝舎玉丸
長雨のつゝくさつきのゆはた帯いろつく梅の実やこのむらん玉中
しめくゝり女なまれなゆはた帯けふ日の本に解てめてたき巴丸
○竹内大臣
年つもる髪の辺にも竹の内たけき心はたわまさりけり日光鳳鳴闇恩父
長主をするかま工の竹の内いかなる神のかこやありけむ重陽園菊雄
群国の貢さゝくるいされしは高祐か髪の雪にてもしれ国生
もみちはのひをさす庭の湯起請子あかき心はあらはれにけり万守
八八
竹の内になく暮は霞む空の海よりえたる珠のみつ声福延屋
鶯の産有たつる竹の内とりあけにけり玉のわか宮園生
名古屋
橘五園
湯起請の冬の火をふく竹の内いき長きこそめてたかりけれ
水海道
三間よとせまた立かへる老の皮みち江の玉の春をむかへて
竹の内の君とよはるゝ鶯も汐の満干の玉の音そする
年ほきもいく度かせん竹の内ひとふしことに千代をふる身にて
ふりつもなかしらの雪にたけの内すくねのこしもみつはくみけり
湯起請も松の桜の正しくてかしみの雪のとけぬめてたさ
杖になる竹の内とて矢国書ていくそのともについてゆきけり梅経
身ふしさへをれす朽すに何代もつかひてのある竹の内うな峯松亭春彦
今そしる長いきのかなにあやかりしめぬねをまつる亭良明神暗喜
弁団のつとにうませし八幡竹雪ねかひさにのはすふしく常行
みつき物わたるはしめも我国へかしくの雪をつみてかへれり網代守冬
満干珠
八八
かけひか事八重のしほ後の様の上に水ます内の玉も投けん万守
しほみつるたまの初音やたちまちに海なす。夕の空のうちたる雁
あまか子のうつ石にさへしのはれつ汐の満干の玉のいにし
仙台
かちのくさなしゝ宿ねかとしひきも江のま干のたまの跡かも
長寿
十八
手あしさへふしこふみえて間とやはまた麓なり老の山松園生
賀髭に雪のかけをはみせなから壱壱に半けぬ老の尊さ根松
山人の庭のこのみやとる年ももゝの声ある老そめてたき繁躬
老のこしすこしはそりて渡り初橋の間家の間をこえても蜀都園
つくることしらぬ年のなからへてなからの橋の城りそのせん蜀都園
老の坂それは物かは御山と渡り越たるよはひめてたき万寿躬
かしらにもけての座をいたゝきて消ぬ右下をふもつめてたつ
柄は石となりけり佐用姫に有さる吾嬬の杜の神垣甘芍薬亭
末琴になるもならぬ其風あれてつまちのしらへになやむ舟人資菴
當坐一呉竹園生判
暮かぬる春の日足のあつみには不二や筑波は一里塚かも光喜
一木なる松のけふりも赤つひに西夜の雲となりやしつらん仝
舟うけて秋の隅田の八景をうたふも月の都一仲都鳥国
さほ姫のぬる答の間もつかはれて二なしと御意子かなふ石一のね園生
狂歌合
貢連月并摺本持
寛永菴鍵主
貢花園愛人
貢計舎升盛
貢金舎都葉丸
貢種廩跡次
貢草舎穂浪
貢数舎美代住
二十巻亭序文
十
十五、
目花雪
紅葉貢菴判月花雪
一紅葉見のつれにはてうとよしのからはつせへまはるむらしくれくも
山桜亭雪繁
もみちはのいろとふ谷のなかれにてあかの水くむ秋の山てら
花筏亭竿丸
十三、
九つの枝ともみゆる唐にしきあかるゝてらす峯の紅葉く
比翼亭技業
とくゆきて水なとかけよ夕鷹物のかねくらはもゆるもみちは
鶯蛙亭道住
謀数苦深くさ山ににはとりのとさかの色をみするもみちは
二十巻亭序文
十二日
もみちはのひたかゝみへて入桐もつきおくれたる秋の山てら
一台の屋為成
時雨してなれもふかく紅葉ゝの色に出水の秋の山川
十二、
竹馬亭乗行
時雨せしそのうへにまた露おきて二へん染なる紅葉かす
芦の屋前人
雨しのゝたもおよはし日をよけるつま折かさとみゆか紅暮し
○
貢庵
一春花をぬすみし人とうたかひに握にてつくはや紅葉一えた
十八ヽ当座月前鹿談例楼判寛尓菴剣主
てをのりて初瀬の山の月影に霞の音細くきをけつりきく
十五日
錦なす萩の下着に押虚のつまをとりたる月の白むく
広莫菴広道
さをしかも月の鏡に向ひてはりんきの角もはちやしつらん
紫色菴蔓人
月影にみる小男鹿の角大師あくまて声をきける門口
十
桃花園真鳥
十三、
色このむ唐は男をみかゝらん月のかつらのひん水をりて
貢計舎升盛
むさしのゝまゝに顔出ことに男鹿は六十余刻まはる月影
紫色菴
淋しさの鹿の遠音に輪をかけてかこち顔する秋の夜の月
仝
一小男鹿に妻むかはせる仲立や宵はかりにてひてにてひて
十五匁当座行秋菅の屋判友綱
野辺の草も花なきまてにすみなれし一人を見もてゝ秋は暮行
十三日戸羽末広
扇末広
一猿猴の手も長月の末の頃さひしさ猶もまさるならしん
□□
請合ふて染るりみちの日数さへ今四五日となりにける哉
十三、
友綱
をしみつゝ野もせの風に行秋をまねく薄やほたしきすらん
十二、
冨貴菴宇和盛
秋の日のつまり〳〵て一寸の虫もあはれに鳴ておしめり
蹄斎北馬
もらひ乳にかよへる親の心よりくれ行秋はなをあはれなら
壱十楼成安
深山より秋や暮けん谷川をいそかしそうに下る木のは
萱の屋
○
いとによかひらすし道は虫の音も秋の行手にほそりてそ鳴
十五日落葉貢菴判池領斎
嵐ふく峯にうかへて捨小舟あかのさしたる柿の紅葉く
明星舎星明
十三、
きう〳〵す霜夜に声をはり仕事落葉衣のつゝれさすらし
一
貢扇楼毘楽
貢扇楼毘楽
池水はいつか氷にもちさせてみきはの落葉かせにうつまく
芋丸
志賀の山あらしに鳰の海辺へとさゝなみたてゝ落巣ちりゆく
一巻文丸一巻文九
かしましく落葉も風になりひさこから〳〵落すかくれ家の庭
十二、
ちり初か木のはの岸にかゝり舟これもあしたの風をまつらん
出世鯉人
達し夏おさえし峯に風あらく吹てこたちのははこほれけり
林総舎秀直
ちり〳〵と風に落葉も音を立て千鳥に飛る吹上の浜
貢草舎穂酒
時雨ては木のはをちらす嵐山峯に見ぬひのたまる谷川
十二、
豆廼屋豆人
一紅葉ゝもみなはら〳〵と諸神のおとも申てちりにまちはか
○
こからしの吹たけむまんこそ〳〵と落はの逃る谷の細道
十五、当座会式貢菴判成安
一時なれや源山の奥へみやみから花うりの来る御会式の頃
仝
十三文
きせはたを祖師にさゝける会式には菊紋白のけさもきゝめゝ
貢金舎都葉丸
つみあけるもちにこかねの箔おきて一天四海てゝす御会式
仝
十二、
会式する祖師のおはたを雪とみて身延の里に泊る人〳〵
成安
一小春とてかさる桜はよしの山餅くはりするおゑしきの庭
三
貢菴
○工貝菴
○
一会式には法師もなりをつくり尤藤色きぬにむらさきころも
十五日雪貢菴判穂恒
山鳥の尾上にたてる松かえもかゝみかゝれる冷朝の大雪
松梅亭金文
もろとりに今日はつはさをやすませて人のはたゝく雪の門日
序文
十三ヽ
制札もおのかうつめて桜木を折とはいよくつみふかき雪
末広菴長清
かひ犬も出さしとつなく雪の庭けしかける日はいかゝせいさん
一阡陌図南北
行くれる小はたの里に馬はあれとまつ雪にとふ鹿のあつの
神楽堂守明
横に対し竹にはおりきやまひかとちよく〳〵見舞ふ雪の小雀し
竿丸
一招くとの友とちつけて見にふくとゝめたる雪の日の文
紫色庵
ふく汁と思ひつく身のあちきなさつい水になる庭の初雪
一未公亭膝丸
十二日
とふへに声かけられて氷る戸を内からたゝく雪のあけほの
赤寿菴米守
降つもる雪をみやこは駿河にもひええことまされ華の白妙
浅月堂春人
海山のなかめも雪にとまりけり塩と見る目も綿と見る目も
○
貢庵
しら雪の仏つくりて魂はわか身にいれる宿のかんま
十五日当座酉の市樒花園判十二月菴梅輔
一酉の市女かつむりにさしそへし熊手にかゝる松葉かんさし
四
十三ヽ
米守
西の市出されましとて田を行もあせをゆくのもおなし賑ひ
橘千網
運を守るかみはたくすよし原へまはりあはせのよき酉の市
鍵
生酔もしらふの鷹も色さとへそれて飛ゆく酉の市の日
壺星楼繁門
名にたかき三嶌の酉の心地せりこよひとまりも吉原の里
十二ヽ
道
別当も酉の市には熊手もてかきいれにせんけふの実銭
時冬菴太根
酉の市つとにおかめの面かふて宿の妻子のいらび顔見ん
米
守
一酉の市いもの外にもよし原へふけるのもありふけぬのもあり
文
十三ヽ出替貢菴判序文
色にいむはゝかりもなくいやよひにいひちらしかと聞く二个半
貢種廩跡次
汐干
竜宮の神をはさめのしほ干にば鰒のおかめや汐ふきの貝
牡丹
人同
咲なから夏へうつれる隣くさひきこしそはの皿かとすみる
蝉廣黄菴判青葉舎茂母
生茂るこすへに波をうつせみのもぬけて涼し岩舟の山
納涼
夕暮はたゝむ日傘のうら風にまたさしかける月の涼しき
枇杷葉湯枇杷葉湯桃花園并
平家ほと枇杷葉湯の物かたり聞はねむけのなる日さかり
十二ヽ虫干貢蓋刺升盛
虫干に出す具足のまくら絵も先恋風やいれておかなん
秋初風茂母
茂母
十五
秋初風
一秋の野をふくはつ風の手ならしにうこかしてみかすまひとり益
七夕
十二、
もくすたく蜑も願ひをかけぬらんとしに一度の星合の消
十三日野中燈籠廣莫菴判都葉丸
道中のそと八文字よしはらや裾の広ごる冨士の燈ろう
十五日庭萩貢菴利穂浪
たれゆへにみたれ動けんに男康もかよはぬ庭の萩かはな妻
月
夜なきする石もあかるくてる月によなきと思ふ小夜の中山
跡
十三、
琴の名の生田の杜に秋風の雲ひきわけて照らす月かけ
乗行
西路
十五、
秋の節見出す暦の月草に大小もある露のしら玉
便侍遠
十五日虫
秋の夜は蜑か苫家もうらさひて軒に磯馴まつむしのなく
序文
雀蛤ト成
十二、
竹にすむすゝめもはては帆になれると聞くも一トふしきなれ
里霞
仝
十三、
十五日
魚の名のこはたの里の小夜あられ軒のこけらにはねかへる音
藁喰鍵鍵
薬喰
とはれては顔にもみちをちらしけり老を養ふ鹿の鍋やき
都葉丸
後朝応都葉丸
後朝応
下にして逢ふたる夜への片うてを今朝はもかれし心地こそす
十五日寄鳥恋穂浪
たつねきて逢に鵙の草くきもかへるははらしあかつきの床
寄茶恋
うき人の心は鬼にそとはかり福茶のませて内におかなん
十五日山都葉丸
十五日
にらみくらとうくむ山ばよもあらし春もいらはぬ雪の富士の根
十三日
十三日桃花園判升盛
”朝な〳〵けふりたへせぬかまと山杣か生来のいふりやしくらん
冬の祝紫色菴判文
四海浪いよしつかなか浦風に千世をうたふて千鳥たち舞ふ
青砥楼亀丸
青磁楼亀丸
大平のよさむの冬ははものなくこたちて事のたるそめてたき
十一
序文
吹おくる風もしつけく豊年の貢の雪をさしく松かえ
千網
君か代や弓とたはめる大雪にあらそふ色の見へぬなよ竹
人工
たつた川水を氷にはりつめてしら浪たゝぬ御代そめてたき
広道
五十
時鳥なかぬ夜さらも鳴夜はもひとつむねにそまつの下庵
桜雪敏糸
十五
さひしさにたつる煙を雲かともみねつたひして来よ時鳥
八七
松春門
へたにもなき山里のほとゝきすたちえりなくまたの一声
呑口次吉
八七
真来負ふ賎か夜道に声かけてかた相手なる山時鳥
紫園亭藤右
七七
暦たにしらぬ深山の賎か成にせつをしらせて鳴ほとゝきす
ヽ悦姫丸
山磯かわら打やめてうつ槌もよこにかすりてなく郭久
〃千住万代酒持
千住万代酒持
時鳥おとすはつ音をくやしくも聞なかしたる谷の柴橋
欠S
五十
広道
一時鳥なかぬ夜さらも鳴夜はもひとつむねにそまつの下庵
十五
桜雪敏糸
さひしさにたつる煙を雲ともみねつたひして来よ時鳥
八七松春門
道たにもなき山里のほとゝきすたちかへりなくまたの一声
八七
八七呑口次吉
真柴負ふ賎か夜道に声かけてかた相手なる山時鳥
七七
紫園亭藤右
暦たにしらぬ深山の賎か家にせつをしらせて鳴ほとゝきす
ヽ悦姫丸
山礫かわら打やめてうつ槌もよこにかすりてなく郭公
ヽ千住万代酒持
千住万代酒持
時鳥おとすはつ音をくやしくも聞なしたる谷の柴橋
十七
門
繁
山里へ天狗つふてにおころかすたつにもひとつの山なとゝ或す
用田朝起面喜
雁をもしらぬ山家の時鳥ものしりかほにこにやつくらん
序
一恵すみ斧はねかせと山かつはかほふりあける初ほとゝきす
万
不皿
一山里の菴はいつれほつたてのはしらすこゝになけ廓公
高
喜
柴の戸にひとりあんまのたのしさは十人前もきくほときす
浅流庵清志
葛かつら前にまかする菜の戸のこゝろからんてなけほとゝきす
琴
塩かつをはこふ山家の時鳥なきふるせとも思ふころかな
七七
此道蘭志部
京庵は衣着る山の裾なれは雲をぬひ〳〵なく時鳥
酒友好
山賎かやらにたはこをけむらせはひと口にほふはつほとゝき次
亀
山住に一声かけた時鳥しらすかほにてまたなのらせん
籾蔵服住
義理ちきもいらぬ深山の気らくさはひとり丸寝に聞時鳥
ヽ象荷腹春
ふり出ていまたたしなき時鳥声も山宿の飛くになく
大平美代住
ことしけき浮世をへたつ山住もよそには知らぬはつ時鳥
ヽ米蔵守
一山住も耳たふまてはすてられすいやかうへにもきく郭公
春門
春
七七
時鳥なれも山泰に貴や梢にて姿のみえぬ木かくれの声
柏平三鳴
一山住は門もたてねとまつ夜さにやとあけかたに聞時鳥
〃紀修成
蚊やつらぬ菜の庵は夜日すから月にさゝれて待ほとゝきす
夢中菴夢輔
まかりたる山家の軒を時鳥横にはつりてすくる一森う
仝
一人もはぬ山の奥なる一ツ家に出しかけてくるはつほとゝきす
山中瓢亭百成
いねやらぬ夜の山家は時鳥なくをやまつのひてもすらん
上毛糸竹
とき世をそさるの山家の時鳥ひつかいたやうな目にほのめく
七七
旧桂元家
行春のをはりよりまつ今朝夏のきそちはよやき初時鳥
十三
二学守
土なりさへ遠き山家の軒はにも声をならへてなけ時息
一十二
浅汐堂春人
一杣か門物におせはもくちはかりこしこゝませすなくほとゝ或法
十一
大根
うき世をは捨し山家も遅さくらわらへはなくをきく時鳥
一十
内牛子宝
浮世に入笠着の山の下住もぬきてうへ見るはつほとゝきす
十一
宝数子
門札はなき山住に気も合てとき世をしのふはつ静公
一十
南花満
お六様ひさく軒はに時る山路あかな〳〵うきをけつれり
523●
十一
三州浅倉庵三笑
時鳥五月は里へ出歩行は折得てまれな谷陰の麓
○
談洲楼焉馬
弓張の月をみやまの一つ家に八せんやこゑきくほとゝきす
桑楊庵
深山辺の初ほときすひとつ家をめつらしみてやなきわたるらん
千種菴
山里八大鋸に東かねをもひけや木挽のこやほとゝきす
貢庵
○
山里の佐々木摂原屋奥のにひほし干物はつ郭公
浅草庵
時鳥先初声をきく友は庭の亀や軒のみゝつく
敏糸
十五ヽ
十五ヽ雷堅団扇菜揚菴判繁閑
心ある筆やさくらの聖是も墨験なりけり深草うちは
□