滑稽發句類集

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花笠外史雙枕閲
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花笠外史雙枕閲
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コッケイホックルイシュウ
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
書名 滑稽發 所蔵者 甲 (備考) 函号 撮影 株式会社 一稽発句類題集 3850 一串 足引の山のしたり勝をうかむ はこりなるも末は幾千尋の底 不浪墨の放世の数かへて 泡となりといへるいにしへの瀧の にもつきこし柳樽をうらめい に漸あめかふわき行て終に閉 の海静なる御代の既に竹となりぬ 了か中には泪をゑらひ移し われと同しく此輪の酒に酢 給ふ其さかなにといえの人 かすらむ 丁丑春 金太夫氏 ■ 滑稽著句類題集上巻 豊弁泰姫氏ノ寄贈集を 春部 年礼 以テ購入セル竹蘭博士 手の裏をかへして御慶申入 へして御支申入 逢礼は門ちかひでもてれぬ也 あがるなといはぬばかりの年始帳 こたつから出さふにしては礼を受 本蔵くるしさ打わすれいゝ春だ 年礼の一義が済と金の事 七程が過ては礼もひやうしぬけ 娵の礼もやう程なる門のまつ 姫の礼男の見るは貌ばかり 手酒 試筆 宝船 姫の記ころはむ月の末つか也 あらかじめ母にいはせる娘の礼 永日の時を期さぬは呑礼者 預るのきらひな礼しつぶに成 文の書そめを直方の客へやり 室ぶねさかさによんで下女かんじ 女房と乗合にする宝ふね 室ぶねしはに成ほど女房こぎ 七歌仙とも言つべき字ぶね 宝ぶねすりこぎ六本鍋一ツ 宝ぶねごふくや二軒乗つてゐる 初美諸先もない夢を見るたからぶね 福寿草床の間のふじの裾野は福寿草 福寿草兄貴の傍に居候 姫初やかましやするにして置けひめはじめ 淫初肩ぎぬは枝もならさぬ風で取れ 菜うぬが為春のゝに出る蕪うり 若菜初春のつみ草拾ふ人でなし 鳥追鳥追のしかられてゐる店おろし 明店のまへで鳥追乳をのませ 鶯鶯の初音に北の窓を明け 柳出口のかんばん誰にもなびき候 柳園 柳 よみ人しらずで 忠度名か たかし 中段 春雪 梅 初がすみほつといふ息キ立のぼり 春の疵不二を折々かくすなり 貧学の灯りにたらぬ春の雪 梅花を折てこいたごへさして来る むめの花公家衆が持て出てナアニ ゆびを切る事も弁慶一度かき 此花と心中しろと札をたて 此むめがそだとこわ〴〵指をさし 知らぬ火をあてに飛行むめの花 飛んだ儀がござりましたと安楽寺 臥して名のたかいは釈迦と花の兄 藪入 二日灸 初午 むめ山吹は文と武に手を取らせ おさらはを宵にしておく宿下リ 我供へ茶を汲んで出す宿下り 機を織邪广を藪入して歩行 ぬか箱をかい干シて行家下り 藪入の内母親は盆で喰ひ 藪入をなまもの知りにしてかへし 一ツ身をうしろで合すやかましさ 正一位塀のうへ迄貌を出し 正の字は幟に書も筆はじめ 江戸見坂千社一目に午まつり 薪能鹿のふんよけて地諷ひかしこまり 涅槃会祝ひ日に疵の付たるねはん像 子供の目には面白ひねはん像 初雷社ものゝ内でかみなりいやなもの 汐干海底に足跡のあるいゝ天気 雛祭かけこんで雛をせつつく八ツトリ 小盗の白状をして雛を貰 何ン宗か知らず和尚が雛を買 ひなの箱まだ文も見ず明たがり 龍顔ことにうるはしき初の雛 内裏造営おし入を明わたし よめ娘すらぬ名虎の酒裏雛 内気には似ず内裏をは小サかり 腰帯を雛のまくとは嫁の作 雛まつり旦那どこがへ行きなさい まゝことの世帯崩しも泣わかれ 雛の酒茶わんで飲てしかられる 吉祥寺ひなにもうせんかりられる 句の反古で立圃は雛を包む也 紙雛にすまふとらせるをとこの子 居なりかと脊中を叩く雛の若 四日には夫婦別ある内裏雛 遊蝶帰 花桃 白酒に酔てゝ下女はさせ納め 出代りの乳母は寝貌にいとま乞 つばくらは梵字のやうに飛んでくる つばくらに国のたよりを雁は開き 蝶々の酒を露ほどすつてさし 古池は世界へひゝく水の音 蛙とぶ池はふかみの折句也 もゝの木の下で文珠の智恵を出し 迄奥殿御花見のねたりこと 引はるととなりの出来る花の山 花の山下女は拝借もので出る 幕の留主下女もうせんへ足を出し 渡し守今はさくらの物がたり あらし山花の名所と思はれず 松に目を休めてとほるよしの山 生酔をふみ台にして花を折 誉らるゝ夏もち直す花の枝 千載に目陰のさくら一本いれ 旧都の名哥八主桜やまざくら 思はずしらす黄宝は一句出来 吉野山丁八字でとゝめたり 楊貴妃も小町も小町も小町 桜草 忠臣の矢立の中へちるさくら 松はつれないが桜はつれがある 人おなじからず花見の仲間われ 花くもり二人[リ]一曲あてにしよい 花ざかり一日おとこ世帯なり 入聟は花のほかには内ばかり 居候花の留主居が弁見城 飲ぬやつ弁当喰と花にあき 鹿が勇めは花の散る奈良の町 花の山ぬいた〳〵があらし也 桜ちる度に茶瓶の火がおこり 御座敷に藪はきのふのお家づと 月の場をふさげて花の江戸に成 そも〳〵どらのらんじやうは花見也 女房の智恵は花見に子を付る さくら迄廓はよるのつとめなり 吉原はさくらさへ実は持ぬ処に 仲の丁桜にまけぬ柳ごし 絶てさくらのなかりせば母あんど これは〳〵と母のまつれさくら 年々歳々花のころ始の礼 さくら草春のにしきの小切也 春月 山吹 春雨 巾巾 延一日 野遊 さくらもる月にやうやく酔がさめ 蓑一つあるとやさしい名はたゝず 雨はやどり迄は不骨な男なり お返事に出す山吹は無言也 山吹の後はぬれまじ物とよみ 賤心あつて山吹見せるなり 空をねめ〳〵弁当内で喰イ 御の字に成たと花見支度する 鬼尾のはんにやと口を鳴い 姫の礼もすかにからむ凧の糸 まゝつるは風に貰ふた凧を上が 切レ凧を紙屑ひらひ破却する 日の永さやつと寂滅為楽也 羽衣のかせは野かけに打て付け 弁当のふたへ土筆で書て見る 奥方もなまねに成るうらゝかさ ほうつては扇を拾ふ野がけ道 真黒なきせるをかりる野がけ道 手をわけて酒や尋る野がけ道 奇色でつばなを直ぎる野がけ道 ふところは田楽ぎりのしたく也 坊主より振まで持チは興がある 源左衛門 しやぼてんぎとは いかふし売 模鉢木能之作物 南南 金楼 四十 野がけ道和尚以の外ふざけ 野がけ道親仁の豊後初ツに関 春宵に野がけの通る賑やかさ 羽ものか毛ものか覚束なくみよみ 牡丹 春十日夏へ十日の花壇なり 獅々と蝶廿日あまりは中のよさ 切るゆひと折るゆひ梅とかきつはた 杜若 石魚 夏部 時鳥白いさしみはもふ喰へず 手のひらをなめてるうへを時鳥 初の字が五百かつほが五百也 空をかけるつばさ地を走る鰹 烏帽子首はねるとからし買にやり はつを〳〵といふやうに売て来る 一トふしに千代をこめたる初がつほ 初鰹めしのさいにはあぢきなし 口よごしとは過言なりはつ鰹 初鰹煮て喰ふ気では直が出来ず 鎌倉に鰹もくわず三とせゐる 初がつほ片身となりへなすり付 手にさげるよりもせつない鍋まつり 筑摩祭 貌に火を焚て祭りの鍋の数 おまつりがいやさに美濃へ娵入する 紙花を和尚のちらすねり供養 練供養には女房をまいらする 笋 深シ林人しらず竹の子を盗み 大かつ一声たけの子を捨て逃ヶ 新木村 ヤレ虎が出たと竹の子捨て逃ケ 花は誉葉はしやまに成明り窓 郭公 卯の花が咲たで耳のあかをとり 鶯をすつぽりだますほとゝぎす 継ツ子は梅で育ツて月に啼 不二はまだ雪に裾野はほとゝぎす つんぼうは只有明の月ばかり 一ト齊に御硯水のお手がなり 絵に書た時鳥さへ一羽ぎり 書たものがものをいふたは小野なり 一声ではなしのこしを折て行 時鳥啼つるかたは北野なり 草も木も寐るにけいせい郭公 田植 菖蒲 橘 端午 幟 兼題は鶴で当座はほとゝぎす 射人の名も雲井に上るほとぎす ほとゝぎす廿六字はあんじさせ しめしかごのけて太鼓をあぶる也 ひどい風田植の笠にゆびの跡 道問へは一度にうごく田植笠 あやめかりどしやう汁とは出来心 春左近夏は右近がにほふなり 鑓ひつさげて向ふからしやうぶ〳〵 しやうぶ太刀乳母とつこいと受とめる 簇色のいゝのは初の節句也 のぼかにも下になつてる母の紋 唐木綿妾のはゞも広くなり 初幟源平両家出てさはぎ 青梅 氷室 渡あげた子持仕立やちを付る 神木のむか鈴なりはうつてつけ 林ありといつたはすいな計り事 梅ぼしをこわ〳〵漬る安楽寺 御献上ふじさへ青く見へる頃 六月の布子は天へもふぢつと 麦はらが化て蛇と成暑い事 萍うき草は秋でも居所落付ず 蓮 昼貌 夕顔 蛍 まかなくに舌今まれなる洗濯し どの宗旨にも中のよい蓮の花 昼がほの花は式アが筆にもれ 夕貌の夜露でてゝら二布ぬれ 一疋のほたるでくずす門すゞみ 頼政の扇によるの金砂子 合戦は宇治のほたるで見る斗リ 是がりおもひ付たは貧学者 反古張や似づらで蛍迄かける 反古張で遠まきをする蛍がり 老ぼれの鐘馗日染に身をやつし 炎大 ふじ山に初雪の浄暑い事 暑イ事酒の相手にやつこ出る あつい事重たんすで蝉がけ 暑い事芝居正札付に成 暑気見舞背中をむけて此通り 昼寝 飯櫃へ貌をつゝこむ強ひ暑気 甚寒と立派に述て汗を拭 弓でした振舞水は名が高し 暑気見廻枕と団もつて逢ケ 亭主とは向きを違へて昼寝する 夏夜 あつい事隣にもまだ噺し声 虫干 雨乞 夕立 納涼 風鈴 風薫 改 夏の夜に打は足袋やのきぬる也 御むし干和歌と達摩の物がたり 御虫ぼし見ぬ御先祖のものうたり 土用干畳のうへのまはりみち 二年目の土用干には雛ばかり 虫干に雀乱をする貧学者 敵は貌書物は腹を日にさらし たゝまれた蚊は雷によみがへり さりとては又とよむ人のない名哥 十徳と丁二ひとへでいゝしめり 夕立の一句いなかもはだし也 これで蚊もなくなりますと其角いゝ 夕立にいせ洛は一人半ぬれる 雨やどりはるるむかふは蝉のこゑ 夕立にこまつて下戸も十二文 ゆふたちにふんそりかへる瓜のかは 夕立にすました皃の石地蔵 露次口をかゝアてうめる夕すみ 爰におりやすと娘のかとすゝみ 風鈴の下に一文世をのかれ 夏さしき三輪対の柚のおと 蚊を焼てやるのは亭主和ほく也 蚊帳 晶性 蝉 素麺 西瓜 よはつても来ぬ筈禿蚊のゑじき 孝行と不孝裸で蚊に食れ 蚊を焼た跡は其場の出来心 起てみつ寝てみつ蚊長をあた更 蚊帳釣た夜はめつらしく子は遊ひ 一金平の夢を見てゐる枕蚊帳 しんかんゝねた刃を合す枕かや 乳母が尻ほうばり兼る枕煩帳 蚊帳の夢獏はこし粉を喰ふ心 聞訳もなく又来ては蚊を入る 蚊帳一重ても昼速にはきつい酢也 蚊帳やめてわつかな手間の其らくさへ たゝ広ひ蚊帳に風雅な後家一人 天の網まおとこ蚊帳てとつかまり いゝ縮み嫁の乳くひかすいて見へ 御影堂たゝいて横にふじを出し 御影堂御抜箱を帰参させ 弔ひの供は墓所て蝉をとり 箱わがたのたもとにせみの声 されとも此人さうめんやたらくひ 西瓜うり首実検のやうに見せ 古井戸へ西瓜飛こむ暑イ事 一里塚すいくわの皮をすつる処ヨ 切おとし青い三日月ふつつける 六月晦日仏ても請取渡しは晦日なり 秋部 七夕 一とせに一ト夜はうしも大よだれ 素麺の邪磨して洗ふ硯石 人を汲出すと井戸替仕廻なり そんじやう棚はだかで拝みしかられる かけ取の来ぬが精霊へのちそう 盂蘭盆借りのないはらいが済と盆か来る 遊我鬼せがきふねきれた三など落てある 燈籠 音色は誰だと叱るせがきふね 燈篭も恋の部に入別世界 洛中は光秀信士とぼすなり 踊 玉きゝは死しだね迄とぼされる 高燈籠はる〴〵虫の死処 踊子は一トばちぬいて蚊をはらひ 花火をもらひ日がくれろ〳〵 鬼灯鬼灯の文字は丹波で附たろふ かんざしてあす咲花を嫁かぞへ 朝貌は朝寐のものにしかみづゝ 有難き昼とんびまて放生会 月 薄墨の竹を障子に月が書き 月更て下戸のあはれはひたるがり どう〳〵といつて仲国筍を出し 月には隈あり熊には月があり 信濃から来て名月を一ツ見る 座敷亭からやましくもすめる月 いゝ月右親仁釜より目を抜し さんごじゆはだんごの腹でとりにやり 十六夜は親父小言の最中也 剣釣 馬鹿は急ぎ竿屋は馬鹿を釣たがし 草花草市は皆まぼろしの物ばかり 薄 虫 いのしゝにくさめをさせる糸すゝき とぎ立た月にはむしがさびて鳴き おさへればすゝき放せばきり〴〵す 擣衣 露 きり〴〵す禿にいぢりころされる 子の寝入時はきぬたがひくゝなり 針妙はきめたがいつち荒仕事 ゐのしくの寝かへりに散萩の露 干は夏ぬれるは秋の御製也 追はぎのかゞしきはく俄あめ 稲妻栖びかり男ばつかりすゝむなり 瓜瓜ひとつ替めは畑中うごき 梨手を出して梨をいたゞ下戸肴 二百十日百性の花見は二百十日なり 土俵入まける景色は見へぬなり 草木にない花のちる勝すまふ 一饒角力衣類異形の花がふり 角力場に気のない男ほふづえし 重箱のすみでとゞめを芋さゝれ 長い夜をちつとづゝみら乳母が夢 紫紫 紅葉 客星のひかりうしなふ後の月 後の月すめぬ顔にて内に居る 小刀を持つめにして栗を喰く 木食の馳走はしごを持あるき をしげなく錦をやぶる筏さし 錦着たやまは裸になる下地 初冬 冬部 正直のかうべ十月かるくなり 神無月壱人[リ]のこつて笑ツてる 合問屋へ馬士が来りや寒く成 顔え世貌見せに顔を見せぬは馬のあし 冬玉唐人は手始の跡で寒見舞 袴着のどふたましてもぬがぬ也 髪置と袴着を置河津死 霜 冬の庭わらづとにする妙国寺 初雪 雀形たゝいて雪の御ちうしん 雪 大道へ達磨の出来る寒い事 雪に寐た竹を旭がゆり起し 物さしで雪をつゝつく日記付ける 雪えとは馬鹿〳〵しいと信濃いた 黒犬を挑灯にする雪のみち 雪の留主こたつで女房まふぐ喰〳〵喰〳〵喰〳〵 土手の雪うねのわらぢのねばかり 禁句だに禿雪こん〳〵といふ 吉原は雪見にころぶとしろ也 ゆきの漣とけて御簾をまきあける 雪でみる書籍へ落る水ばな ごうせいな木賃で泊る佐野の雪 蒲園居候いつもせんべいかしに餅 明がたにつめたい夜着へ違もどり ぬけた夜着いますがごとくふくらかせ 綿入綿入にまゝ母の気がすきとふり 火鉢 内談と見へて火鉢へ貌をくへ 四角でもこたつは野暮に物でなし よみの諸ゑてはこたつででからかし ぎうし針さしてこたつに腰をかけ 介田よりこたつの足のうたかはし 鰻汁 めれてゐるこたつ十能で水をさし 魚篇になつの元気で雪え也 空念仏 寒寿 御妾のひつぶの勇でふらを食 雪の飯あに一命をおしまんや シイ鯉が高イト妾鰒を喰ひ 命と魚をうけやつて飯をうり 飯汁に精進日だはよはいやつ 死たくは喰にござれと極こんゐ ふぐ汁の表をばかな寒念仏 寒念仏世に捨られた月を誉め 明ぬ戸を外で手伝ふ寒念仏 声色で帰るは宵の寒念仏 おめゝつこの寒ざらしいゝ春に成 枯野 冬月 物干で黄色なこゑの寒さらし もふ空も息子かれ野に及ぶなり 名山がふとると月はすごくなり 乳もらひの外は詠めぬ冬の月 雲子島かんこ鳥住所なし心里四方 納豆 としわすれかわれぬ時分一がきれ 年忘年忌とよんでしかられる 来年の樽に手のつく年わすれ 足袋の紐結べはみかんころげ落 綿つみはみかんの筋も肩へかけ 納豆を春まて延す泉岳寺 府持 鷹狩飛鳥のまさしく落る御鷹がり すゝはきの魚正月の三番叟 取次の出る貌のないすゝはらひ 一人ものひとなぐりだと笹を買 ちつとつゝしかつて仕きせ渡す也 我春を二本はのこす小松より 向ふから越人のない年の坂 かざりわら袴をとるが親式なり 歳旦は出来たが歳暮むつかしい 餅はつく是から吹をつくばかり 薬種屋で屠蘇を買ふのは無病也 節分 あてもない松にあづけてくれを抜 松二本こだてに取ていひのびる さてとやの所ユからげひる暮のふみ 暮のふみはたひろばかり恐ろしい 忽とりは理浩できれをさづけれ 大三十日箱でうちんはこわくなし 山吹を見せずことはる年のくれ 外道めを埋艸にする西の海 たつた一文でもヤアラ旦那也一 ざこ寐もいつそ手廻しな縁定 恋 恋部 細布もそめ木も母の胸あはず 相性は開たし年はかくしたし 内もゝでちらり〳〵とわなにかけ 打敷のこゝら去年はひねつたに 寝てからの間耳枕二寸あげ うぬぼれをやめれは外に惚人なし こいつ来たナト思ツたら藪にうめ そこかいてとはいやらしい夫婦中 いゝ男せぼねを膝でこつかれる かんきんの間うれしい顔ふたつ お慈 結納と追人とみちで行違ひ ちつとつゝ出るふともゝにけつまづき 弟子の来るほどは三味せん音がせず 色〳〵に用立られるせきばらひ 男土女金にていね知なり 新世帯恥かしそふに紙を買 一諸白髪まではうさんな亭主也 亭主のおかま女房のふかま すこし名の立もうれしい若ざかり 抱た子にたゝかせて見るほれた人 のびをする手にこしもとはツイト逃ケ 雪隠にある名の娘すこひもの 哥がるた好た男をいれわがり 一夜談義を半坐で母はつれて逢け 一同三十七日に行のは寝入花 下紐といふは木綿の事でなし 目は目がね歯は入ばにてまにあへと 古風子惚やう一心命なり ばつとした娘しばらくかゝり人 初凍の始こわ〴〵組しかれ 蛤は初手赤貝は夜中也 水あげはやぶるあやふをのそく也 口説応 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 逢恋 持参金わたしや初サは知れた事 くどかれて娘はねこにものをいゝ くどかれてちりをひねるは古風也 くどき出す前にしばらくだまつてる たばこ入尋るふりでつめるなり ぬり桶へ書てくどけはゆひで消シ 三味の弟子破門の分は師をくどき ゆひ抜はにぎつた人の手にのこり くどかれて下女社をは付違ひ くどかれる娘袂によりをかけ もぎ放しアレおかみさんだなさんが させろとはあんまり俗ナくどきやう 昼見れは夜道律義なおとこ也 口へ手をあてるがくどきしまひなり お門迄ざとそろ〳〵と出来かゝり 姑のと違ひ舅のいぢりやう 宵は待焼夜中には腹がへり 心まち下女ちり紙のちりを取 おきてみつ寝てみつ待とうせぬ也 とんだよい間じやのに娘うゝぢうぢ 寐て翁は帯ほどながいものはなし 足音で二ッにわかる影ぼうし 不叶恋 むつことの中へ油をつぎに出る かげ法師一ッかくれるひざまくら 二ッつゝ水音のする中のよさ 応のやみとは火を消してするの也 あつく礼いはるゝ恋は出来ぬ也 悪る給ひ下女君命をはづかしめ おき〳〵の不機嫌下女は舌を出し こたつから出であたりなは出来ぬやつ いやならばいゝがかゝアにそういふな 立開がふき出したので下女させず 不承知ヲ下女十本でおつふさき 慈悲 起をれとしかるは宵にさせぬ下女 真すゞに白状をする五月目 恨恋 白状を娘は乳母にしてもらひ 蚊のくつた迄を恨の数にいれ 祈恋 農人恋 叶ふてもにけのいはれぬ願ほどき 畑の出合七夕が元祖なり 村くぜついつ迄草をむしつてる いろりにてくどき落して麦の中 麦畑小一畳ほどおいたをし 瓜田より不埒の出来る麦畑 麦畑ざわ〳〵〳〵と二人りにげ 廿五 労勢 韓信 きん玉のすじで 舌をむし 老人忠附びんを餘処の枕に置わすれ 後家恋石塔の赤い住女をそゝのかし 若後家へもふ入札が五六人 いよおはゞ左こと若後家いやがらせ 我おちにきと語るなと後家は落 有てさへいはんや後家においてをや 若後家に諸弁のなみだこぼさせる 先ツ息子さまさまさまさまさまさんさまさ アノ後家の数珠でふつたは初ての事 誘ふ水にて白粉を後家はとき 白粉をつけてよこれる後家のかほ 女恋 はたちにもたらない種を渡家やどし もふ役家もやめねはならぬ腹になり 其手代其下女昼はものいはず お脊なかをきつく流すが返事也 仕合は三世の縁を二世にする ほうばいを寐しづまらせて酔てやり 下女が恋みなはりこみのうへに出来 誘ふ水下女汲みに出る手筈なり 下女承知しそふな処へ頼みましよ 下女の恋文もへつたくれもいらず 気のよはい下女あれにさせこれにさせ 袖つとを引れ次第に下女なびき いん法を施して下女いゝ三面 裏おもて下女二タ晩にねだり出し 物思ひ下女雑巾も手につかず いやらしい下女まへだれをふみしたき 二三日間がありや相模うらみとひ 夜ばい星見た夜に下女は這こまれ 相州の分野にあたる夜這ぼし 帆ばしらへ相模は舟をおつかぶせ 女房を三斎起して下女へ這 若旦那布るは物んで昼しかる いふ事を夜るきく下女は昼きかす ト女膳をにしめ一ッですへあるく しめたあす舌ッたるいか下女の庭 一チもく取ると白がちに下女造り 下女昼夜つとめて内がもめる也 大ぜいて生とる下女はふとり肉 一ねごい下女車がゝりを夢のやう かつかれた下女は明地で賤が御獄 下女が応五すぢ程におもひつめ めかけのはねだり下女のはゆすりかけ 下女が腹こゝろ当りが五七人 遊ばされだであの腹と下女が宿 中で気のよさそふなのに下女かぶせ 惣割にして出ずい下女がおろし代二 すつぱりと這はせて置て内義起 旅恋 異国恋 ごう腹サくどき落せは川があき 唐土のきぬ〳〵コはぜ懸てやり 出合茶屋小便におりしゝにおりしゝにおりしゝにおり ひそ〳〵と繁昌をする出合茶屋 手の音にすつほんのうく出合茶や 出合茶やあんまり泣ておりかねる 出合茶やほれた方から耕する 悉病 数書 丸顔のおもながになるはづかしさ 振袖をあきて四花の沙汰と成 琴の音もやんで格子でわるいせき 労がひはしのびがへしの内でやみ つかれ果扨能フ事をよんで見る 女房の貌見てごほり〳〵せき 毒立に鼻の先のはいひにくし 医者殿は女房が立と異はいゝ ぜんたいが過ると咄すくすり取 水もたまらず恋聟は腎虚する こわいもの見たし生娘封を切り 悋気 釣鐘も引巻そふなながいふみ てゝ親がひろへば文もしづか也 すつ花になどゝは文のよはみ也 口舌ふみ半分ごろで畜生め 一筆申されて下女こまり 嬉しさは嬉しいが下女よめず 下女がみかなを階書にしたゝめる 下女か介よむではなくてはんじ物 かな釘とこゝずと下女は取かはし 載すかぬ男の名は母に見せ 見せもせず無筆は文をもてあまし 馬鹿をつる餌ばにみゝずをのたくらせ 女房が見れば手紙も角田川 文使そら小便を度々たれる 猪牙で風召すなは美しい悋氣 母親のわけもいはれず聟へすね 亭主両婦にまみゆるでやかましい 真黒な女房に亭主あかひ空 かせ吹ばどころか女房大あらし 夜着一ッやけをおこして女房着る 有かいにござりやせんと女房やき ゆふべのは口舌今朝のはけんくわ也 中直りほんの女房の祭になり 中直りすりや明のねもふならす 男の悋気股ぐらにつのがはえ 一新木の寐鳥のさはぐおそろじさ 女夫喧嘩 おそろしいつのは蝋燭三本なり 子の寝びへ翌日夫婦けんくわ也 胸ぐらとたぶさを分る両どなり おかしさは夫婦げんくわにちんがほへ むなぐらの外に女房は手を知らず 詞たゝかひ事終り火吹竹 土手の真中で去状くれろなり 大夫 お内義も手者火吹竹にて受 白壁を見ろと去状ぶつ附る 犬の猿のといふ内につい孕み 尻へ敷ク腹へは余所の人をのせ 間男の来べき宵なり酒さかな 間男をとらへて見れば養子也 亭主が戻り間男と拍子幕 ぬき足でかへる亭主はじやすい也 間男をしたのを見えことくどくなり 貸があるのでる男は気がつよし 入むこと間をとこまでにあなどられ 楽事 能因をまね間男をとらまつる 押入で買は此草履は誰だ ふたり共うこくなと石カツヱ〳〵 間男をこたつの櫓でぶちのめし 官男のはだしはきつひ不首尾也 さよ衣やぶつて五両わきまへる 振あげた太刀の下御無用五両 今は何をか隠すべき五両出し 女房よろこべ手前にも二両弐部 あつかいで村間男は五俵だし 間男の外に留主中別義なし 伊勢の留主女房あこぎナ事をする 女房も岩戸をひらくい歩の留三 かげの膳おろそかかなる事が出来 間男のふんどしを解旅の留主 旅の留主内へもごまの灰かつき 旅の留主亭主のやうなものが居る たびの留主ちぎかもこよひばかり也 川留の状をふたりでよむにくさ 旅がへり大きな腹のまゝで去り 御草臥扨御内義はひよん有事 其当生ひるもたんすのくわんが鳴 事ありと見へて御湯殿しづか也 べらぼうめ湯殿で智恵が出るものか 能ひ首尾だねへリヤ鼻息が高ひ 新世帯今日休かのへ申 若とのゝぬけがら奥でもてあまし 短命丸といひそかな薬なり お前一マア昼間の灸をわすれたか きれいぬきよるはすこぶるきゝなぬ 極上は臍を去る事遠からず 睦じサ秘曲を尽す地天体 あら世帯油のいらぬ夜なへなり 鼻紙の用意七十六日同 部屋方の兄弟ぶんは互イ膳 鼈甲はどちらの道に女もの べつかうを下界へ落す長つほね 似せものと知つて合点の長局 箱入の男を局だいてねる 牛の角男妾にさまをかへ 牛の角もぐと女がふたり出来 越前は一本もない長つぼね 長局おかしな物がふんじつし なら尾丑満のころ角がはえ 二千九百九十九人は水牛 道鏡でなくてもぬけばゆげか立て 帆柱がたつ度夜着に波がうち たがひろくしたと女房いひこめる 其晩は片ねれになる機のあし 死ますの声に未期の水をのみ 玉の門には貫の木をたてにさし 赤貝のうまひは蛸のあぢがする 滑稽発句歓題奉書中巻 人物部 孔子 壁土の中から時にあいに出る かべに曰の有事が後に知れ 温公日本へひゞくは瓶のわれた音 孟母又たのみますと車力へ孟母いひ 孟宗竹の子が雪にはへぬと廿三 孟宗の孝行喰けて口近ひ 李白一酒を呑にては一詩を吐くと李白 慈童周の代の亡びる迄は慈童生キ 盧生夢見ぬとろせいは人のしらぬもの 粟飯のにへたつすが即位也 目が覚てあぢきなく喰ふ粟の飯 いつみてもろせいが皃は萌黄なり 秦始皇 薬とり始皇まてどもくらせども 松の木の下できぬがさしぼる也 供奉の友人松の木の脇でぬれ あぼう宮男の声は始皇也 来はきたが咄し相手のない徐福 玄宗玄宗は泣〳〵耳のあかをとり 楊貴妃楊貴妃を湯女に仕立るりさん宮 尋にくいは小勢より楊貴妃 倭こと草はおくびにも其兆出さず 大公望直ク針で釣ッたは鯛のつくりなり 頂羽くし〳〵と泣ので頭羽はなれかね 熱會はんくにいも頼ませふと初てはいゝ 伍子胥諫言を目の出るほどに仏子胥する 豫譲切ても血の出ぬは豫譲が敵うち 主の仇せしめる気にて予譲のみ 范蠡かちれの元祖は五湖に遊ふ也 黄石智恵袋和漢黄色な門石 張良張良義風与罷出申候 張子房口も釼もきれるなり 白田平 伯夷淑歌 玄徳 あざ名は昌平本名は芋あらひ やせこけた死がいがあるとわらびとり 首湯山二人于からび名をのこし 枕墨に手織筵を敷ならべ 先味方桃の天々二人出来 孔明 孔明玄法は三度見舞て食づらせ 秋胡子ひどい見しれ桑つみをくどいてる 鄭子龍久しぶり羊を喰とていしりう 琴高琴高がまたぐら鯉のうろこずれ 粂仙人仙人サニアト濡手でかいほうし せんだくを止メヤレ気つけ〳〵 神功皇后雑兵に宿ねはやめを買にやり 延喜帝地獄にて知る人に逢ふ延喜帝 後鳥羽院人もおしとは亀菊の事と見へ 安徳帝めゝつこか出ると二住殿おつかくし 親王位たひ角力とはげひた事 公卿あくびのふたを一本つゝ公家衆持 武内臣武内若イと評のつくをとこ 鎌足神代からこやねにつたふ藤かづら 蝉丸琵琶の曲ゆくもかへるも立どまり 采女猿沢の土左衛門見に御幸なり 赫也姫かくや姫俗名おふし道といゝ 遍照御落馬はいかゞ扨々よい御哥 黒主 花より外にしる人はなし落馬 百にない鏡六歌仙にいれ 歌でさへ黒は洗てよわいなり 業平 性悪るは阿保親王五男なり 井戸端に茶碗のいはれくらべこし 敷しまの道草に折るかきつばた やわ〳〵とおもみのかゝる芥川 あくた川鍋とりめがと追かける 芥川どつちへも逃る形りでなし 業平は高位高官下女小あま 小町 業平は金を遣ったどらでなし 天帝へ小町大きなねだりごと 穴もないくせに面影おしむ也 させもせず仕もせず二人名を残し 断を雨乞共に百度いゝ 百夜目は何を隠そふ穴はなし 支持は一ト夜できもをつぶす処 年よれは不性一字で通歌なり 関寺のそとはたをれたまゝで置 手いらずのばゝアそとはに腰をかけ 関寺の所化衆そんならかけて居ろ 菅公 雨乞も袖乞もして名をのこし うね〳〵は盛り落めは誘ふ水 俤がかわり卒都婆へゑつとゝさ すゝきでまねいては惚人なし よいお手を反故にしたのは延喜帝 せう〴〵な御身を穢す時のなん 延喜の金箱大宰府へおしかめる 京都では梅を盗まれたとおもひ 毒の木の化そこないと時にいゝ よく書くがすかぬ手風と時平 天音也心づくしの御告文 洛中へ蚊帳をつらせる御うつふん 道風 伊勢 吉備大臣 かみなりはおもねる公家の上へ落 度々の勅使余の義にあらず雷の事 僧正がかぶりをふればもえあがり 四度目の勅使は礼に行の也 貝からが鳴くと道風にらみつけ 浜おきを他国の名にていではよみ 遺唐使詩も碁も喰ぬ男也 違ひないけん中蜘が差図する 唐人の眼かは蜘なくよむと見へ 詩の碁のといつて日本の智恵に貞 能因 行平 しやぐわん〳〵と野馬臺をたゝむ也 能因が皃を取込俄あらん 敷しまの道草内の窓で喰て 一安語戒やぶり能因一首よみ 歌人は居ながら日にやけて空をつき 白川の名哥能因黒クなり 細布をとはれ能因こする あらぢくひまては能因気が付ず 底豆のかはり能因居りだく 兄弟の中へ寐るから中納言 面白く雨風にあふ中の納言 行平は五風十雨ときめたろう 侍従 道鏡 こしみのゝ三からつめる中納言 松風へばかり一首の立わかれ 行平のみとせは爰に磯せらり 待よひの昼まで只の侍従也 道鏡が母馬の夢見てはらみ 弓削村へ勅使のまへに山沙来る 一左少弁殿弓削村へ勅使也 西行 大仏の鼻ほどあると奏問し 権右馬の頭に道鏡任ぜられ 此ねこで俗の時なら銀きせる 兼好 将門 其猫をくれさつせへとむら子供一 いでや此世に生れては文も書キ つれ〴〵の外にまいらせ候も書キ つなぎ馬口取まてが百官名 義家弓は酒太刀では汐が干て仕舞 俵藤太七まきと七変化とを藤太射る 藤太夫御入りト海月門を明け 将門を〆たを竜王へはなし これは種々御ていねいにと藤太いひ 海坊主持にしやれと藤太いひ 水際で藤太土産に大こまり 頼光 綱 全時 忠盛 清盛 珍らしい龍宮米を喰ふ殿太 頼光の武具あらましは貰ひもの 四天王渡辺ばかり紋がしれ ヤレそれといふ内破風を蹴やぶられ あゝも似るものかゝ綱はくやしがり 足柄て頼光無宿めしかゝへ 公時は親類書にこまるなり しばりあげ忠盛糖で手を洗イ こんな笠すなと忠盛呵りつけ 清盛は仏のために迷はされ きよもりの医者ははだかて脈を取 重盛 賢者のためし千代もひく小松殿 小松殿已後一門は海のもの 唐の寺和の賢人が一だんな 小松ではもりのしげらぬ筈の事 義朝きん五をつかめ〳〵と長田下知 常盤御前ぎり〳〵の所て常盤色をかへ 俊寛しゝが谷みんなが道をかへて来る 廉頼やすよりは御産に至極よい名なり 小督驚給ふナ仲国で御ざります 頼政頼政が位はほんのひろいもの よむたびに頼政とかく徳をつけ 文武の誉時の鳥在のとり いるによかせてとは哥も矢つきばや 弓箭を取ッては引ぞわづらはず あのときは気がもめたよとあやめいゝ 夜の鳥射た御褒美に紅の伽 頼政は素人好のするむほん 源三位きうくつそふな腹を切り 打死がならだと芝が団也 むだ骨を折て扇の足となり 鶴ぎりでおけはよいのにあはれ也 しゐの木でさかえ茶の木で終る也 猪早太猪の早太さまと尋て山沙来る 今朝見れば四五ヶ所鵜に引かゝれ いとまでも出たか宇治川早太居す 牛をる乗かへ宮は落たまふ 蝉折を宮六度まて明てみる 田原又太良扨よくしやへるやろうと源三位 朝日出て廿余年の夢はさめ 状箱か来ると呼るゝ太夫坊 兼平はわつぱに落るした男 巴御前木曽どのはいゝ陣だいこ持り給ひ 尻持以来と秩父和田でいゝ 貫盛 義経 年よりの化もの手塚組とめる 色を以葉の内でして虎の巻 牛若は大長刀に二度出合 金うりが御味方とは吉次也 とんだ身のかるい野良と能登守 義経は海施餓鬼でもすればいゝ ふくみ状ひゞあかぎれは書落し 義経は弁慶の下書でふくみ状 よしつねは母をされたで娘をし 山伏に度々化る源氏がた 義経はげにみなもとの九良人 前と背に不用ヲ道具武蔵妨 再歴 弁慶がせがれけんごに出家すご よく〳〵の事弁慶も数珠を出し 扇おつとり道を開武蔵坊 へどをふみ〳〵弁慶祈る也 藁でたばねても弁慶は弁慶 弁慶は山で育て川で果 いゝ鳥が来たぞと松の上でい 熊坂 わんぼうはやると物えの松でいゝ 青 舞の内弁慶は出て船の世話 船子ども舞を覗ひてしかられる 忠度 だらすけをのんで静は癪を下ケ 狐川より引かへし行暮る 山ざくらよみ人しらぬ者はなし 俊成卿の片うでを打落し 景清御縁日だけに景清用捨する 奈須与一貌をまい〳〵よつひいてひやうとゐる 熊谷其後は衣て通る一の谷 発心も谷法体も谷でする 平山強そふな名て弱ひのは武者所 佐々木先陣は兄弟ながら手が悪し 曽我母鳥間〳〵二人リ討に行 五郎丸 松明て工藤が夜具は三所こげ どろ足で工藤が夜着をはね退る 見王へ知りやる通りとかたみなし 鬼の王でも懸取にせめられる ぬさ足で蝶々をとる五良丸 北條 狸寐入は北条の仮家なり 烏帽子親曽我一件に口を閉 相種入道相種入道配名は東魚 義貞 汐が干て東魚おさへる鍋のふた やきめしを三つ義貞ふみつぶし 楠 師直 棒はなきものにして杖持をくれ 奥がたへ迷言はなし湊川 一旗持ももらひ泣する湊川 からくりのやうに師直のぞく也 たゞも居られず師直は墨をすり 今度は傾河に書せふト師直 薬師寺と兼好返事にこまり 持頼 源左衛門 最明寺なんのかのとてよじりこみ 皆人にやつたは常世吹らしい 源左衛門走らぬ馬に鞭をうち 源左衛門雪の中から堀出され イデ其時のおはちには粟の飯 やせ馬の一駄に重き三ヶ庄 信玄信玄は七書に秀で四書にもれ 道三油うりでも仕出したは道三 信長七ツ目もあてにはならぬ本能寺 明智丹波の鼠京へ出て馬を喰ひ 秀吉御出陣猿のかしらへ龍を召し 加藤日本の虎は異国で鬼とよひ 一心西人参は行長どのに見てからひ 石田佐吉めは仕合ものと和尚いゝ へらが有のにのべ紙で石田ふく 曽呂利そろり〳〵と笑はせる新左衛門 小夜姫旅の留主かたい女は石になり 一照手姫美しい車力熊野の湯場へ来る 清姫悪ル堅ひ山伏めだと庄司いゝ 桜雄大黒にやいやだ〳〵とさくら姫 梅君梅わかは旅かげまにはいやといふ 其角小便に花を咲せる俳諧師 加賀千代かゞ紋を着て風流を後家を立 人物誰から〳〵と笑ふ三人名が高し 赤波と周防の内侍いと同士 ありやこりやの名はさね方と馬の内侍 脇づくにかゝつたは綱と七兵衛 武士 人は武士なぜ傾城にいやがられ なまかへへ御使者を通す御立身 ふきといふもめうがといふも御大禄 海池肉林の中へ出る国家老 白眼くらには勝そふな国家老 国家老御意の中ウにはござれども 馬のゆく方へ乗つてく俄武士 はだし状泣な〳〵と墨を摺 親にて候者討れ提者薄手 廻りあふまでは手の内受るなり どの湯へも一廻りいる敵うちし 敵もち月は見えとも花に出ず 百年目やらいの中へ入られる 忠臣は掾と橋との下に住み 鉄之介鼠で忠の名を残し 御寝所の下は忠義のねづの番 かな手本いの字は京に焼住居 皆出ると千字文でも足らぬ所に 本望[サ]いろはの数に落字なし 吉良びやかなるお寝まきが炭だゝけ あさのみを一ト粒ゑりは四十七 孝よりも忠義は廿三多し 信 石にせひあつてかたまる四十七 三年ていろはをあげる本望サ 知れて居る物を算へる泉岳寺 手向水一荷でたらぬ泉岳寺 緋の衣着れは浮世がおしく成 しつほりと和尚の悔馴たもの 笑ひ止ムまでは高座て汗をふき いへ宗旨あたま丸めかぶんの事 痔を見てせざるは勇みなき和尚 ゆらいのをするが和尚の落度也 どら和尚俗の淡義を聞てゐる 愚僧化しては醫者に成おもしろさ 大黒を貧乏神と納所いゝ 医心があるので御所化不首尾也 和尚貞苦しい訳は二タ世帯 大黒を和尚布袋にしてくまり 囲はれへ来る法類ば極こんゐ 搦手を望むはみんな法師武者 木食の大病めしをゆるされる 尼 新尼の我をいやがる影法師 薦僧こも僧はもらはひでもの姿なり 医師ようだいを十分開くみ膝をたて 学者 さじかげん素人めにはおしいやう 如月を卯月にするでゐしやはやり 駕へは無点仮名付は内でよみ 御簾ごし脈は病の綱わたり 扨とも勝手も藪医まはりかね 医者衆は辞世を誉て立たれたり 代脈はなんのこいつの気でみせる したがつて娘義とよみ医者笑ひ よい役家が出来ると噺す医者仲間 栄礼は取より早く脈をとり 虎の啼声をとはれて儒者こまり 愚僧化しては醫者に成おもしろさ 大黒を貧乏神と納所いゝ 医心があるので御所化不首尾也 和尚貞苦しい訳は二タ世帯 大黒を和尚布袋にしてこまり 囲はれへ来る法類は極こんゐ 搦手を望むはみんな法師武者 木食の大病めしをゆるされる 新尼の我をいやがる影法阿 薦備こも僧はもらはひでもの姿なり 医師ようだいを十分開くゝ膝をたて 学者 通辞 祐筆 盲人 さじかげん素人めにはおしいやう 一如月を卯月にするでゐしやはやり 駕へは無点仮名付は内でよみ 御簾ごし脈は病の綱わたり 扨とも勝手も藪医まはりかね 医者衆は辞世を誉て立たれたり 代脈はなんのごいつの気でみせる したがへて娘義とよみ医者笑ひ よい後家が出来ると噺す医者仲間 薬礼は取より早く脈をとり 虎の啼声をとはれて儒者こまり 店ちんでいひこめられる論語よみ 細見を四書文選の間によみ 舌二まいはれてつかふは通辞也 御祐筆人をつかふも筆のさき 六波羅の廿余年を琵琶にのせ 検校になりかねる筈人がよし 人並に座頭の見るは夢ばかり 座頭の坊せくと浅黄に目を開キ 一検校は手引が有てへびにおぢ 瞽女 座頭の坊木高にのせてみんなれけ 物干へひよいとあがつて。こぜこまり 〇 かる石で 長田三つ四ツ 先 いかれ 二一一一 百姓 職人 商人 藪より功のもの明智を殺し 光秀を素人細工にころすなり すみ〳〵て大工をそしる畳さし 門うでになつたと誉る刀鍛冶 綿つみは店へ娘の子を錺り むだ足を一日置に紺屋させ 無相さなものは桶屋のぶん廻し 扇屋は要人傘屋は六郎兵衛 面白く陰火の燃る硝子屋 けふ切の屋根や柳を解て行 縫箔屋五色に壁を吹付る 西行と五重の塔を干かため 仕合は始だと石屋朱をつぶす 歌噺し石屋がするは辞世なり 唐木屋はじまつて下駄を一度売 焼つぎや南無三宝の恵み也 焼つぎや人の麁そうで世を渡り 品々は出さず二つ三つ見せ かのものへかの本を添小間物屋 男へは武具を商ふ小間物屋 小間物屋御不幸已後に一本うり 瀬戸物やあたり近所へ損がしれ 采配をふきんに遣ふせとものや 仕やうを爰にて見せ申さんと本屋 貸本屋無筆にかすも持てゐゝ かし本やこれはおよしこ下へいれ 生揚てやるのははやるてうちんや 売るほとあめやは魚をふくらかし 御不勝手質やの大戸明させる 質置のことば多きは品少し 木栄や作病ぐらひ直になり 一栄種屋から打のある望をとり にぎりこぶしを目へあてる玉子うり かまぼこや渡世のやうな音でなし 裏ぢうの笑ひ歯ぬけの牛蒡売 鳥のくそ貌へべつたりさほんうり とひ竹はまけに来る時肩をかへ はしごうり抜身と聞て屋根へ逃ケ 法にもれ餅やりつぱな蔵を建て 一膳立をするは椀屋の負支度 銭うりとさしうりきつい違ひ也 豆腐やは時計のやうに廻るなり 一金のわらぢも有だろうと豆腐屋 夜そば切猪口で手水を懸てやり 庭の面はまだかはかぬにのりやのり 松井屋はやつこ壱人をなぶり切 読かりは一冊うると咳折ひ よみうりは箸一本でめしを喰 番人 読売が何をふんだか哥をやめ 辻番は棒をつえともはしらとも 拍子木で捨子のまたを明て見る 奴僕 辻番は弐百がわらにうづめられ 供かへり鑓[リ]に二腰くゝりつけ 主人相知らず鑓持うゝろうろ 生酔の供もの拾ひ〳〵来る 筏士 浅間 藪医者の供遠方より来る 何申やしやうと後家の供はいひ 川中をわらぢてあるく筏のり 渡し寺毎日一ツ所をこざ 渡し守一ト棹もどす知ツた人 狩人狩人の山を見る日はあぶれ也 料理人 杣人三枝ほどうへに杣の子孝行サ 料理人小ゆびほどたこ切てくれ 料理人すとん〳〵とおしげなし 料理人まはらぬ舌て誉らるゝ 料理人一ッ出しては覗いてみい 米搗米つきのなんねすねたか二はひ喰イ 髪結髭切をとぎすましでる鬢だらゐ 按广あんまとりいびきを閉と手ぬきする 太神楽太神楽仕とふと獅々を〆ころし 車編ことふれが長家の針を持にする 傀儡師くわいらい妙箱を叩クがノリ地也 猿曳 猿曳猿廻し黄色ないとは三斗り きせたさは子ほどに思ふ猿まはし 軽業師栽落にきと語るなと怪業沙 鳥指鳥さしの子はとんぼからさし習イ 橋のこも丁稚に見せてあれだぞよ 通国 盗人 狂人 酔人 わきよれに一貝すくに馬ふんかき 廻国はとんぼのかゝだ中ウ歩行 白浪に千鳥は高く音をはつし なまにへの間に五右衛門一首よみ 早かねに和尚を見れば猿ぐつわ つよひどろぼうもないもの石燈籠 気違ひを絵に書ときは笹をもち 石どうろうなま酔手付損にする 新酒屋内から女房度々逃る 引ずつて来るをにこ〳〵渡し守 生酔を家内中出て落手する 老人 親 息子 耳に目をぶらさげ親父鼻をかみ 年よりの鼻は目がねのかゞみたて 新造に昔はなしの根をおされ 帆柱のてうちんになる残念さ 来年を苦にする無筆八十七 寝むたがる子を出遣ひにつよふ也 子のやみに油をさしつかきたてつ 両眼くわつと見開いて親父待 ちよぎ船をあんじるやうに罷なり たはけめといつては髭を一本ぬき 薬の苦せない親父はけんくわの苦 母親を杖の下からたますなり 女房ほど母の迎ひは小にくなし 伯父貴からちよつと来やれはいやなきみ 四ッ切をやぶり初めは若だんな まに入門へは息子おもむかず 平がるた仲間へ息子まぎれこみ 此たびは父も取あへず母のわひ いひぬけをみんな女房に覚られ 女房のことづていはぬ若ざかり 麦飯の後あやまつて改まり 中宿は義理で勘当二日置 居へ膳をきらひ息子は買くひし いたゞひてさすは。息子の買はじめ 馬鹿でいゝなとゝ息子はよんでゐる とはしりが謡の師匠までかゝり もてゝも行気ふられても行気也 焼言が角田川じやともふしやれる 行たがる外に悪く気のない息子 度々むかれ厚なるつもの皮 箸置かおかぬに息子ツイと出る 身代はなくしらしゝかし 郎を房にしたので息子どうがやみ 母の相槌でなまつらものになり そろ〳〵と息子碁にあき鞠にあき 里遊とはおのしかと母文を出し 猪牙船へコリヤア何所へと杖が出る どらに成まへアノ娘此むすめ 仮名でした人別帳を息子持 然るに息子代を取て二三年 むごい事息子は内で座敷持 引事に餘所の息子をやたし誉 しかられる度に息子の年が知れ 出をるなといへは跡から出やるなよ 聟 甘は馬つらは蛙て母こまり 四季折々の戯れに母こまり 瓜の火を息子夜な〳〵けしに行 子を捨る藪へ息子は金をすて 誠や子を見る事世間に然ず 女房にすると栄花の夢はさめ 息子の願を何とが鍵を御さづけ 親父へは手を替母へ品をかへ ためたがる遣ひたがるでふ断もめ 異先する偏からあいたマアハゝ十一 昨日青楼今日座数牢 折鑑にマア〳〵〳〵とふたになり お袋は外に寐をれと戸を明る れ云は親仁の耳に迷ふなり もふあきて又一ト夜留主二タ夜留主 座敷牢母も手錠のものはある 勘当は蛙に水のかけ納メ 得がたき金去りがたき姫をとり 一新わ行事を茶屋からそにんする 是ではとふも是ではと聟おもひ 物もちのわるさ今度で三人目 おん身心すなをゆへ持参呼ひ 小児 継子 迷子 去り状を書と入聟おん出され やすい事泣奔で知る両どなり 子が出来て川の字なりに寝る夫婦 片乳房にぎるが欲の出来はじめ 母の乳をなぐさみにのむ果報もの 乳母喰へのせんべいねから味くなし 我はらがへると子もりはかへるなり 去た晩餅や砂糖て夜を明し 子の月代にしやべる人が二百人 竹馬のぐらん針箱からはらひ 乳母の無傍に泣人か付て居る 風の子といふは女護の子ども也 小便を申送りにきをわたし 申子の後申さぬ子 八ツの耳ふりたて帰る手習子 天神へ素皃ですゐる手習子 家とく公事下女が腹からひよいと出る 仕さへせにやいゝのに留と名をつくる 元服はわやんをそへて誉るなり わんの中からまゝ母の貌を見る 迷子はおのか太鼓で尋られ 迷ひ子の札通筆ではんしもの 捨子 奉公人 調身 居候 はゝきゝの捨子と見へて見えかくれ 泣よりもあはれ格子のわらひがほ 真黒になつてはたらく白鼠 番頭も外ではおもしろい男 酒のちり筆て番頭ちよいとはね 昼のかほ番頭色師とは見えず 帳尻に手代は化の尾も見せず 朝かへり番頭烏雀を内て鬧キ 目を覚し丁稚もぐさを払ひ退 万代に二ッひつはく他人宿 時に判礼一分引他人宿 ひとりもの庵ちん程は内に居ず ほころびと子を取かへる独りもの かな遊で度々明るひとりもの 寝所をへし折て置ひとりもの 一人ものヤレ茶をくんろ火をくんろ 香のものへし折て喰ふひとりは たまさりに烟りをたつる一人[リ]一人[リ]に烟りをたつる一人[リ] 不所存な忰にこまるひとりもの 懸り人息子に挙を指南する 向ふから硯を遣ふ懸り人 紅や寒き衣やうすき居候 母 おもふ事叶へて二人居候 口がるで尻のおもたい居候 懸り人寐言にいふがほんの事 居候女房のくせむよく覚へ あみ戸棚内や床しき居候 腹のうち遠吼をする居候 居候はらはかたやと御看経 世を捨て身はなきものゝ居候 喰もうし喰ぬもつらし居候 湯でもよし飯でもよしとかゝり人 すみだ川今でも母に苦をかける 持ほとな事針ほどに母ばひ 廿二三の子の尻も母ぬぐひ 鳴子引気持て母は咳をする 母親は息子の空をたしてやる 印判の帛紗で母は目を拭ひ 兄の尻妹の腹を母ぬぐひ 母の名は親仁のうでにしなひこみ 芝居へやりやしたと母矢とり也 糖袋二番出しにて母あらひ 外面養母内心は女房也 かへる母聟へ一ト口悟気する ○一冊 知り切て居るとおふくろ利をきかす 衣類さまめて居るかと母のふみ 奥□はやくはんとあひる供につれ おとつは正風躰の御むつごと よつ程なきけん女房の謡也 おてらでは福神在家山の神 琴やめて薪の大くべ引たまふ 女房の苦は花が咲月がさし とつからか出して女房は帯を買 浮乳して棚にいわしがござりやす こひついて居ると女房はきげん也 密天をせめを女房は見にかけ 何か出すさうでお内義ふいと立 女房は風月の友をわるくいひ のきなさい付木ばつかりくべなさる 行んゆきなさいと女房よわく出る きよろ〳〵と男はすれど内義せず だましてもいけんと亭主外でいひ 毒だてに鼻のさきのはいひにくし 申子は神と間夫するこゝろ あるかくな晩では女房もふくはず アノ義理の此義理のとて出られやす 一お内義が立とはさみの落る音と 買にやる子へ絹糸を五六寸 一能日和内義戸板をばたつかせ あれはもと乳母のずる〳〵べつくイサ 傾城は空之女房は小言也 女房は日那を申と付ておく 三筋捨只一すじに世帯じみ 女房のくすねは姉のにおもて 奥郷の方にはいらぬ筆のさや 夜や更やせうのと口をむしる也 戸板をは布きせにする能ひ丁気 一灸を無になされますかと祈を折 喰ひ懸てとゝをが汁を鼻アもり ゆひめきを医者か帰るとさかす也 目づかひて内義四相をさとかなり ねんねこの腰は左右へ少しふり 里のない女房は井戸でこわがらせ 女房が団十郎で亭主ぐにや 夫といふは只一人間夫やたら 女房の目のいうがしい下女を置 風ふけは女房いつかう油断せず なぜゑにいるへと女房縫ぬなり 娘 台所の普請奉行は女房也 精色をするか後づき喰ぬ也 くらやみのゆかた後づれぞつとする 後ぞへは支度も里もないをいれ 先妻に世話をやかした今の也 縫母と見えて泣るにいつも勝 女房も絶てしなくは中〳〵に 見るは目の毒女房の寝すがた 娵入がいやとは母のきめ処 折づるの開眼口でひとつ吹 狼袖の永ふ拝むは見苦しい 爰をよく聞きヤアと母親小葉也 問落し母のくろうが一ッよし たばこ入巻て娘は帯へあて かけて来た程に始の用はなし ふり袖が立と蝋燭ひいらひら うつくしさ親はとんびにたとへられ 妹のさきへかたづゝ気のとゝさ 親につめられては娘よろくはず 聟ゑらむ内雑兵の手にかゝり 姉さんがけよは芝居へ灸すへに 番外別伝いつのまに娘エン ほれ薬 佐渡から出るが いゝちき } 様 背なかへも手のおよぶたけ娘ぬり 盃を真中へさして娘にげ 硝子を落してはわるいゝ男 箱入をとなりの息子封を切に 娘の夜は針より棒がよい 母親のゆだん娘のはなし飼 言たてにする裸身はかつくしい 丙午ゑんどう氏の娘なり 姉が不埒で妹に芸がなし 下女をさし置て娘に茶を出させ 何所ぞではあぶなき娘夕べやり 丸綿をかふせ〳〵もいひふくめ われものが給入一の道具なり ふつゝり悋気せまいぞと仲人しやれ 待女郎不二の高ねの雪をとり 花よめは嘉肴の中で茶づけ也 花姫をひやとかん酒の間へ出し 宵よりも今朝かぶりたき綿ほうし 待女郎我もまたれし一むかし 仲人へ四五日延すひくいし 仲人の口ぶりは一アどつとせず こんにやくと酢で仲人はあゑられる一 かへり咲仲人つぼみのやうにいひ 耳たゝゐ仲人が来て橋をかけ 相ぼれの仲人実はまはしもの 一丙午遠い処から結納が来 かの後家がさまらけますと仲人いひ 仲人も少しはくどひた男なり 出来ぬはつ酢屋の娘をこんにやくや 乗かけでよくぬれて来る在郷始 当ぶんは始逃こむにからつてゐる 数珠袋姫けいはゝの初なり 笑ふ度始手の甲を口へあて そこ退給へ人〳〵よ姫の出旅 折鶴にふいとふくれる姫のかほ 袖なりのへらで調子を始あはせ 見しやそれともわかぬ間に嬉かくれ のぞまれて始一本はめ二本はめ かんきんが済と居ずすへ嫁在す たアまつて百万遍を始はくり なりつたけ姫小便を細くする 盗人の子も出来よふと姑いゝ 口上にしたがひ給はうごく也 ひくばかりならと花姫三をかけ やう〳〵と袖口を出る姫の脉 入ル時になつて尋る様の数珠 三味せんを始かつかりと膝へ取 いびきをはかきましたかと娘は聞 その事はそれなりけりに縁を組 来た月を入ㇾてはつ〳〵ぐらい也 客ぶんをやめねばならぬ腹になり一 一金屏風姫の自筆でかりにやり 子のものが親のでないは給斗り 法事前始の素皃を初に見る 梅干の小言は姫のづつう也 くつ〳〵と瞽女のあばたを始かぞへ 母娘へ物日にゆだんさつしけるな 見なさるなよと何帳か娘は付ケ さなきだに花娘寐ごいさかり也 腹帯をしめると親の気がゆるみ 正月を始もそろ〳〵かなしかり 弁天が布袋にかはるお目出たサ 片眉毛落すと娘は手でふさぎ 去時は暦になんの沙汰もなし けいせい化して始と成むつかしさ ありんすて始来なんした里が知れ 大臣 義家 持参金封を切られてあんどする 持参金うにこうたまでのんたつら 持参金ならば手がらに去ってみな 持参金何より魚の荷がおもし 持参金ぞつとするほどこわい貌 持参金右同断の下女をつれ 女てこそあれと聟はつゝこまれ 冥加銭出して娘女をそしる也 敦珠さら〳〵と押もんて小言也 御淡義も宿たし姫もいちりたし 淡義場で姫の仕うちを交易し しうとはゞ数珠を早めて小言也 口に唱名眼かは娘をねめ 歯はないが姫をはひどくかみつくる 世間の娘は手利だの柔和だの 苧と姫と一ト口交にひねつてる まづそふはせまいと娘蘓り いゝ姫ほんのいひきをかいて居る 家督公事しんきよさせたが相手也 後家の質男物から置はじめ かたい後家おとこを立てやらぬ也 いゝのさと後家親類と不和に成 妻 婢女 ト女 憎ひ事けつく便りの多い後家 若後家は仏の兄をうるさがり 若後家はふせう不性に子に違ひ 殿の火とともに高ぶる妾のつら 御隠居のてうちん入レは十八九 お妾のむつごとくれろ〳〵也。 かこいものどかぐひしたりかつえたり。 泣キ妾かゝへて計事にあい お妾は昼ふねこいで夜るのせる 出妾の歌書は枝折に撥を入し かこゐ女は暮天の下にそつとすみ 仕合な蓼いゝ虫がやたらつき 囲女は返方〳〵に米の事 妾の兄尻馬に挺上手なり 功成名とげ身しりぞき囲はれる きせるにてとゞかぬと妾人をよひ 汝元来枯木のごとし妾が咎 内ぞ床しき駕わきのうつくしさ 山出しの下女は真綿とつかに合 花鰹下女鼻息で吹ちらし 喰かけて下女は返事をして貰ひ しかられた下女膳だその賑やかさ 乳母 針妙 神子 乙女 鰕ふところに入ると見て下女孕み 聟を見に茶だい争ふ下女はした つれて来た下女計り嬉しかる也 下女がつらよく〳〵見れは鼻も有 吉日が爰にも居るとこそぐられ せきこんで下女口上を咽へつめ かこはれの下女運つくじやいけぬ也 寄しまん下女引臼の引がたり 目をこすり〳〵真木屋に下女小言 乳母が宿きけは下谷の広小路 おんばのはよつ程幡のひろひ音 目見へ乳母大肌ぬいて両手つき 乳母の名は清状の時よむ計り 天草を喰ちらしたは女馬也 針妙のながしへかゝる人少かな 物さして針妙かたを二ツ三ツ ねれかげん神のごとしと神楽堂 いな所コへ当ッて笑ふ神楽堂 神子を見てふとしく立る宮柱 目に張た鈴で賑はふ神楽堂 どつとせぬ神子で神さひわたる也 一チ女出世して九族浮むなり 遊女 近くの他人湯をわかし腰を抱 サアのきなさいとおはぐ水あたゝめる やゝしばし有ておはくろ返事す 結ふ内はたらゐのふちに粉ふくろ 女潅のしま惣開帳は南風 変生男子女だに土左衛門 吉原のはりは江戸往来にもれ 傾城は傘を持手はもらぬ也 紫に成ほどつめる江戸のはり 傾城のうそ横のせる口車 ほれた真似上手にするではやる也 千金の紅葉を伊達なずんどち 傾海は一ト網うつてすはるかり 糸を切はさみは女郎いらぬ也 けいせいのきつとすはるはげひと也 いそがしい女郎起てる隙はなし 丸山の傾城舟をかたむける 奥州は赤はらたれぬ女郎也 声帳はけだし女郎の秘書にして いたづらを重しにかけて身を沈め 売のこりげに十目の見る所 お朝ねのおつぎ高尾が噂也 紅葉の方といふべきにおしい事 わたしがほんのとゝさんは粘をうる 夫とゆへに金と成たるおんな のたくつた蚯蚓を餌サ客を釣 立膝で文を書のも姿なり ゆひを切は実苦肉の計り事 きぬ〳〵の跡は身に成一ト寝入 むこい事娘をよしの原へ捨 傾城の涙は客のよだれ也 城でさへいわんや蔵においてをや おくる筈そこが猿女郎也 四五言目ときに女房の再吟味 あどけるいやうで無心に抜目なし 三言目もつとこつちへよりナ也 契情も欲気を去れは我心 だゝくさなやうてもたゞは転ばない 一町[サ]風かなどゝお針に見てもらひ 釣針のやうなかしいで客を釣る 其家が来て三尋ほど反古に成 起清とははだかにしよふといふ事か 昼店の持あそひになるお針の子 大願成就ばんほど御目もじ 新造 「 芸子 遣手 辻君 丸山の口舌こはぜがおつはづれ こんれいを女郎賀したりきよつくつたり 新造の船は屏風が浦て漕キ 新造の廣とはこいつふといやつ 新造はおへねへ出客計りとり 新造のるじみ実もり仕立也 たべんせんなどゝ新造よふかしな 新造は知ツたニ一ツ寝て一ツ たし原はふり袖に目のつかぬ所 新造はふる気ではなし寝る気也 名代は禿に少し毛がはへる 一疱瘡する兎やり手を寄付ご ちりめんはとらまへいゝと充いひ 心中が化ると禿おどされる 裏町で芸子重荷をおろす也 取ることは第一遣り手とはいかゞ 一遺手いへる事ありいつもお若く 塩の目でやり手一分をにぎ〳〵し 花はくれ給ひは遣り手の禁句也 しからせて四つが遣り手の目見へ也 はい名のないのをやりてうれしがう 船が下直で帆柱に疵がつき 幽霊 たかの名にお花おちよはきつい事 幽霊も手持不沙汰な枯柳 ゆこれいは皆俗名で顕れる 幽霊の生酔千鳥あたま也 ゆうれいになれは平家も向い也 鳳凰 鶴 鶏 雀 物 生類部 桐のない鳳凰天〳〵舞てゐる 放生会つるより鳩にすれはいた 雀が岡扨大鳥な数生会 驚かぬ鶏は群集の中を行く 長暁しとんぼのとまる鑓のさき 蒙求を鳥さし笛て吹て呼 はなし鳥腰のぬけたはほゝりあげ 髪置にときんを着せる天狗の子 男より引さきよいと天狗いゝ 天狗の卑下は愚貧事など 霊 見 福 馬 橋根 大 念力と法力を見る紫震殿 玉躰危ふし只今と勅使 菅原〳〵と時平うろたへる 時まかたこくうむてんにびく〳〵し 綱が伯母いもしは例のこゝの皮 破風の外黒雲じつと待て居過 作り声ながで茨木頼みましよ 茨木も足だとアヽは逃られず 啼こゑの似たとは鵲でないと見へ 夜るといふへんに鳥だと笏で書き 盟の朝もふ鶴の絵図〳〵 一妖怪の中でも謗は細工すぎ一 小金から大金になる馬が出る 土佐駒に坂東声はのらぬ也 名乗うち馬はしばらく息をつぎ 宿なしのこたつおこるとくらい付 まつ白な犬合羽屋でゑどうれる ほへるそと倹校蔵を見せにやり 狼は財布斗りを喰のこし いのしゝは起ると哥に読ぬ也 猪の牙にどらやたいこを引かゝれ 一疋の猪に二反の猪に二反の四郎のる 猫 狸 鼠 鬼 瓜 しゝがりのしやれはしめこの兎也 狐つき落るともとの無筆也 化されて徳をしたのは保名也 葛の葉は折々に焚く小豆めし 扨あぢもかはらぬものと保名いゝ 泰成は見だし保名は化かされる 幽王のした跡をする鳥羽院 人間の官女がみんなそれむ也 玄能八石泰成は尻をわる 狐の嫁入こうわの床へ来る 大きな狐つき康成おとし 詮義して見れは玉藻は無宿也 日本へはもふこん〳〵と御所を逃げ 石に成ても飛鳥は落る也 二間四方のきん玉を狸もち 狸と猫は化ものゝ藝者也 御隠居に化ても時に目か替り 危やな主とりをする黒イねこと 猫の目を時計につかふ村師匠 鼠一疋伏勢が五六人 桝わなをいひ付て出る狐つり 頼豪の外は供物をかちる也 路 風 化物 池蚕 造唐使すでに笏にて払ふ所 吉備よくもすら〳〵〳〵と読終り 粉をかけ舟にも蜘は乗て見る 頼光へ出たはさゝがに所でなし ふんどしをくりかへしよむ南窓 百噺すうち化ものは待て居る 口近ひ化ものは先一ッ潰し こわい噺はかすかに灯か見へる 九十筋跡から変化身こしらへ 正丑の時参会と化仲間 一寐ころんて立開をするろくろくろくろくろくろくろくろくろくろくろくろくろくろくろくろ ぶんぶくは人を茶にした変化也 なぐさみのかいこは違ひ棚に這ひ 善人の来る迄ちうを亀およぎ 対象 内対数 未四月十一日 放し亀もとは鶏からおもひ付キ 鮫でさへ親がなけれは安くされ 逃ながら高慢をいふ一のもり 蜑をのめ鯨はないか鯨ヤイ 竜宮のいかりゆで蛸など用ひ 酔覚にかつぱは皿の水をのみ 財政二十五銭 手紙には狸台には鯉をのせ 鮒松前の家根板を着る源五郎 鰻 海虫 きりに金槌よこ素人のうなき 持遊ひに四五疋残すどじやう汁 赤はたの悪霊海を横に這ひ 籏色を湯出てあらは平家蟹 平家のおんりやううるしかふれに妙 滑稽発句類題集下巻 天地部 富士つくば虹天秤に引かける 山 同断 雪や氷とへだつれどおなじ孝 寝所をはしごの通る大あらし 御不勝手あらしのあした幕が出る 風に笠とられぬやうに口を明キ はれまを待は古歌を知る雨舎り 松はぬらさず山吹はすふぬらし 吹降にチヤルメロに成るけちな傘 雨やどり他生の掾へこしをかけ 上 米二 俄雨つらおし拭ひ〳〵 からかさはさし懸つての無心なり 傘を半分かしてまはりみち きついふり傘さして雨やどり イヤ是からも御不沙汰と傘をかし 二人めは女房の傘をかしてやる 一傘を明けてすぼめてかしてやり 雨もりの穴を女房につゝ突せ 評ばんの俵としやれる俄雨 雨やどりごおんとついてしかられる 近付の方へ欠出す俄雨 飛石の臼の目を切ひどいあめ 傘どこか貴さまはの〳〵〳〵 歯ぎしりをしい〳〵歩行安足駄 冨士山の文字は御代にも能叶ひ 高い事五十四五里と通辞いゝ 近江から駿河へ始入る綿ぼうし 不一の哥角力で風になびきかね 摺鉢をふせたやうなに琵琶が出来 ふじを見ぬやつが作りし実洛教 ヤレおきろ山が出来たとさはぐ也 孝霊の夜なべ大キな仕事也 あつぱれな山九合にはいゝはかり 夢の番付孝霊の後に出来 三嶋女郎三国一の化粧水 孝霊の御代から夢に当が出来 あの山に不老不死あり穴賢 山ほどな吹をついたは徐福なり 田と谷の間イへ流れる不二の雪 切株のうへえよしのゝ紫震殿 高野山犬骨を折て高野の霊地なり 毒水を飲ム気遣ひは女なし 女人堂仏のやまへ入ながら 重氏はほだいの為に味噌を摺 此水を飲なといふが玉に疵 せんだくで留主歟とおもふ四天王 頼光は一トきれやつと鵜呑みにし 手や足でしいられて居る四天王 大さはぎ一山猫よ桝わなよ 日光山滝のうら迄隠れない御山也 会者定離きぬ〳〵は山の鐘 通用のよい御寺号を御建立 浅草 顔へやなあけて楊枝を十本買 手前可ア内は何所だとやうじ店 武蔵野ひろい野を爰迄ござれ水は逃ケ 業平を追ふのに水も逢るなり 名のたかいはらを瓦でおつふせる 逃水を追つまくつて家を建 逃水も白水と成は繁昌さ 一然自然自宅へ武を納め 鶴岡 嵯峨 雀は千葉短冊金子奉行也 嵯峨さがしましたと仲国馬を下リ 琴をしらべぬとなか〳〵知れぬ所に 六波羅の仏で嵯峨に尼が出来 仏在世妓王と妓女は尼になり 宇治 我宿はかりほの庵の八軒目 茶と鹿で奇撰度々寝そびれる 橋板は平等院へかづき込 三保浦伯良は既に女房にする処 高砂浦高砂は今もついでに行所 住吉浦神々儒者ゆへ問答に通辞なし 志渡浦鎌をふり立てヤレたぐれ〳〵 玉取八波を霞ににげるなり 湖 よい隠し所に海士は気が付ず ぬけがらも三国一の水溜り 夜の雨琴の雫が琵琶へ落 温泉 故郷 京 唐山奇でぬれた事勢田て干シ 石山と志賀は一ト夜のうら表 褌をするが湯治のいたは 釣鐘も蘇鉄も故郷応しがり 紫震殿よく化物の出る所 京の町たいらな所ヲで上り下リ 同 出家侍かみなりと鶴にめし 金銀の寺王さまの近所也 日本橋何里〳〵の名付親 面白ひ筈二ヶのつが寄て居る 駒下駄で越すはお庭の箱根山 空こりは八町多ひ江戸の早 一徒然なるまゝに日暮へぶらり 有そふて江戸には見へぬ紫野 繁昌さ諸国と藤物かたり也 名の高イ傘一チ寺に坊主持 軒に傘あれどもひらく寺でなし 蘭丸をいつちおしがる本能寺 三河河かずに五ツよけいの橋をかけ 関 墨にくれ晒に明るならの丁 うちたへた旅人耳塚ならで聞 むや〳〵の関守髭をはやしてる 法華経へ鮎の子をひるいさは川 なめり川一文一家やとわれる あれなるは鵜て候と渡し守 呑口があるに義興気が付ず 小栗栖身を捨る藪へ光露うかと行 五条橋けつ若衆めがと弁慶身拵へ 鉄炮のせんくづ貰ふ妙国寺 古戦場 畳屋紙屋寐て居て物語 近江からふせりませふと美濃へいく 美濃屋と近江屋縁組は相応し 前後十二年風景所コでなし 前九年年賦のやうに是を取 前九年引張合て一首よみ 衣川敵と味方で一首出来 一の谷六の方から坂おとし 新都では海ばつかりを諸郷誉 景清はしり餅四郎つんのめり 義経の方はあらめへ引かゝり 檀の浦その尾に付てどんふりこ 鉄漿は付て居られぬ檀の浦 鍋釜のふた南北て叩キ合 楠は鼻をつまんで下知をなし 異国 勝頼は茶碗今川桶て死に せいろうははたき小鍋は大当り 降参が済と一度にひだるがり ねぢ是の実検台をころげ落一 小人嶋初着に鶴のもやうなし 小人嶋我子をおもふ昼の雀 小人嶋いつも盆唄諷ふく お互に用心をする手長しま 霊鷲山どふ行ますと徳ひやうへ 龍宮は釣沙のをとかく聟に取 かく鼻は眉をひそめて言上し 旅 不案内旅であふぎを一本かい 豆腐よしもふこゝらからすゝどかろ 追はきにあふたも記す旅日記 もふ一里行のだはなせとよらんせ 夫婦旅昼は道づれ夜は情 持ほどのものに字を書ク抜参り 旅馴たふりで雪隠先きへ写 草臥たやつが見付る一里塚 名物を喰ふが無筆の道中記 膳主を笠でかぞへる御師の宿 野雪隠地蔵しばらく刀番 知る人のあこを見付る三度笠 馬駕の駄賃であふぐ旅扇 とこやみの相だとしやれてる木賃宿 はたご代直切た皃を汁で見せ 旅日記夜る乗たのも昼へ付け 一霜よけに人をのせてく問屋駕 投入の干からびけ居る間の宿 抜まゐり笠をばかふる物にせず 雀翼にそなへ宿継待て居る ぬらされた雲を峠で踏のめし 瓜喰ふた所に忘れるつか袋 どつからかしかりての出る田舎道 こまいぬにかぶせて拝む三度笠 やぐらのうへで音頭は伊勢路也 三宿ほど旅人は寝せぬ御大禄 お妾は石のながるゝ川にこり 乗物を戸棚につかふ川づかへ 川留にむけんのかねへ誘はれる 川留に宿の小僧が跡を追ひ 大名をおつつくねとく川づかへ れん臺へのつても下は地ごく也 川越しはからだが干ると口も干る 十一日 1111111111111111111111111111111111111111 両領のひ巾 梶原ぬいちゞめ 川越のへのこが見えて安気する 来る人が日和を誉る旅見舞 菅笠て犬にも旅のいとま乞 旅の留主魔除に里の母を呼び 旅迎ましめな皃で扨まつた 寺院 墓所 一 旅迎ひ遠見を出してしやれている 旅戻り子供がさき一触て来る わらぢのまゝで川留の吟なり 五分〳〵に枕をよせる旅戻り 大黒ゟないとお寺富貴也 大黒の子に打舞を二ッさせ 仮り御堂きめうむりやうに金がよる 桶と花さげて定紋見て歩行 若党に役しの墓をさがさせる 近道を四五丁送る草の庵 捨たけて捨られて居る草の庵 月に又ごされと柴の戸を立る 医者の門ほと〳〵打は只の用 一藪医者へ自身に薬取か来る 書家 野匠左子をかきわけて君を上ケ 師匠殿かとと已上別に置 どうれいを大勢でいふ手ならひ子 居所 商家 古家 銭湯 舟宿 芝居 障子さへはれば女房を呼ぶ物か 戸障子を酒の肴におつはづし 呉服屋の通ひ山沙の内にかけ 穴蔵は山沙の内にむかぬもの 御ものみにあまつた是を塀へ出し 雪漁で出る分別は屁のごとし 井戸端へ人の噂を汲に行 駿河町とりあげ婆ゝア用はなし 手代にも正札付の呉服店 年寄た長家四五本杖を突 一女湯は汐干となりはいなり山 舟宿のこし張見れは無心状 堺町ずか〳〵通る角力ぬキ 毛せんのとなりの桟敷みかん呼ぶ あいそうが過て桟敷をせばめられ 是一ッ取次てやる切おとし 番付を又御無心と百桟敷 ふけい気なお子だと乳母は木戸を出る おさうりを持ましてもと下女芝居 芝居の迎ひもふ行ふ〳〵 土産をば身ぶりで噺す長局 母ひとり古イ役者のひいきする 三の切の趣向仲光がはじめ 近松ばかりは作者の一本木 へんてつもなく幕引は見知られる 荒海や響を着て寝る楽屋番 楽家番岩をむしつて鼻をかみ 助六の飛色で済ム村芝居 木のぼりで雪をふらせる村芝居 座がしらへおこし一盆村の役家 知ったふり杜若が内は三河町 江戸の馬田舎芝居て人と成 芝居の馬ちいさいけれど二本有 馬に成役者は男二疋なり 馬の足当時河匠に居候 役者の法事石橋や道成寺 入のある肉は敵を討もらし 大当り一ト坪ほどて所作をする やつばらを御し付に出る国家老 ばつとした物間夫と芝居なり 能にはからへて頼朝役ば済 道成寺うろこが肌のぬぎ仕廻 公家悪は一段高く無理をいふ 生かはり死かはり出る下手役者 色里 雨ふりに斗り助六出たと見へ ゆかれいも清かねて居る誉詞 芝居の雪は犬よりもひつじ好き しはらくの声なかりせば非業の死 赤いわしはくはせ館は知ツてくひ 芝居ではしのんで行にかつた〳〵 らうそくを二挺にらめるいゝ役者 楽屋には敵もみかたも入みたれ 大鉢から出るゆうれいはおもしろい 手のひらを握つてにらむ苦事沙 やみ仕合冬も蛙が啼て居る 井戸の中からおもしろいどろぼ出る 八両の外はよまずに拾ひこみ あんどうも戸ざゝぬ国は面白い ありし昔にかはらぬは里のうそ どなるはづ雷門をぬけて行。 再会を期して大門から別れ 首尾の松あれば不首尾の柳の 桶休の有で家内は洗足し 棒のないちやうちんで行面白さ 土手で逢ひ何所へ〳〵と手を広ケ 四ツ手駕草酢て乗る物でなし 四本さしたのは四ッ手の直をきめる 功能はうつ症を治す三ッぶとん 外にない進物狂具へのしを付け けちな晩翠帳紅園に一人 金銀を取れた跡の歩あしらい 寐て花をやるといふ故事三会目 義理にふんどしをはづすは三会目 月明らかにして客星稀也 まゝよかわよは居続の合こと葉 裏がへして中ぬりは逃る也 傾城といふ字がすくに異見也 大一座お針も通るのすけてやり 大一座どれがおれのやら人のやら 一おもしろさたいこを集メはやし立 薄柿や空色て来て初会切り 然るに紀文内ては糠味噌汁 坊主客あだやおろかの銀でなし 出家にてもうけ医者にて遣ひ捨 物仕舞やがて内へも札をはり しさつて考れはふられたがまし ふられるもかつは其身のお蔭也 あすありとおもふはけちな女良買 銀きせるふられて疵を付はじめ 番頭は子に行寅にかへるなり 朝年のぐるり紙屑や切れた三 はな紙でやれはそれほとおしくない どらを打ぬいて今はたたいこ特 化された方から先きへ尾をみせる おれが女郎はおめへかと大生酔 閉口といひ〳〵しやべるたいこ持 文使引さくまてを見てかへり 文使息子をはすに招き出し 忍ずりめして傾城にみだれそめ 守りをは衣桁へかける二才尽 中宿て先初手のから封を切り 中宿て男封じに書直し 品川に居るにかげぜん三日すへ 品川の衣桁もゝ引などもかけ いふ事がなさに初言は海を誉 つれの文明て見たくてならぬもの 五尺ほどある事出しへ一分やり 八月十一日 遊芸部 遊藝たらちねはかゝれとてしも仕こむ藝 歌道 歌の大関難波津浅香山 続松 百人一首二ツに割ておなぐさみ 哥がるた人づてならで下女とれず ふり袖で度々上の色を崩し 能義 哥かるたちよき〳〵切てしかられる まり場からりつはななりてひだるがり 乱びやうし岡えぬ程のつよいふり 釣鐘は無銘面しには名があり らきの僧たばこ盆でもほしく見へ 袖口と扇をもちて急候 錦 おかしくもないは謡の下モかゝり うたひ本うなつて見てはゑどる也 高砂をやんやと誉て叱られる 不器用に持真那箸は馳走也 生花 双六 かれ切た手で生花はいきてゐる 三ぞろをさゞ浪といふ人のよさ 気の毒ささいが一ツいが一ツ出る 囲碁 お呼びだし迄は碁盤て境論ン 宗桂にまけた噺も手がら也 物申にどうれ〳〵と二目打 将棊飛車角行が蟄居してゐる下手将棊 詰んでるに肺肝くだく下手将棊 王よりも飛車の逃たい下手将棋 あしたでも刺てくれろと飛車が成 手を開に金銀山のごとく也 見物の下知に従ふ下手将碁 ふきがらを飛車で押へる玄関番 吹は飛やうな将棊之附木の歩 一将棊をは二番だけては金をかり 中将棊御后の出ぬばかり也 大名の手せんじ利休させはじめ 夜講へ張飛ひいきはほふかむり 羽合 三絃 峯の声隣やしきてべら坊め 琵琶の曲下手か上手かしれぬ也 ひわの弟子ひとりふへると二人へり 瞽女に手を引れ八橋わたる也 八はしのやうに並へる琴の言 八はして世を渡ッてるひんのよさ ついて行母も一段聞おほへ 奥道のしらべをそしかはち当り 縫なから口三味せんて姉はつけ となりの三味にたばこ盆吹ている アノ舟を寄て見せふと三をつか 岡崎を子の引ほどは母もひき 岡山考をひくはきのふの泪子也 鼻唄はうぬか勝手にふしを付け そゝり唄とかくねへトフを付け 有てくれ南無三の糸たらぬ也 盃をさせはうなづく弾かたる 湯で語る太夫は升で水を呑 黄色こは声は舌三寸のかくやなり 大人槌溜息を互ひにかくすとりぐら 書 鶏部 ねうら読ませぬとこてゝならり出し 大学にたらゐの印まても事キ 唐詩選読と孔雀の尾がほしい うたゝねの貌へ一冊家根にふき 三鳥の侍御坐敷とかんこ鳥 茶と蛍宇治拾遺には書残し 料草紙買てみち〳〵けつまつき 孔明をもふ二三冊生かしたい お妾の歌書は二上り三下り 婦殿の助太刀てよむ歌うち 留主番へめしのあり処と水滸伝 よせ本を三の糸にてとちる也 敵本へとつ合の手てかなを付け 御免駕中に細見よんてゐる 細見を見てこいつたと女房い 見台へ細見よめのわるさ也 源氏物語 いし〳〵をたへて明石へ書かゝり 石山て出来た書物のやわらかさ 寺だけに式部青もの二把ならへ がさつなはあふひのうへのとねり也 肝心のうまゝは式部かゝぬなり 祭りの喧籠まて書た物がたり 晴嵐をなかり野分を事かゝり 一帖はほたるに光るものかたり 三井の入松に花散里を書け 手習を書キ終るころ三井の八ツ 味み迄はかゝぬ雨夜の品さため 夜書た物語りゆへ夢てとめ 雲かくれから光りなき物かたり 百人一首九十九はゑくみ一首はかんかへる 百人一首 一二首は紅葉のてりてゑらむ也 喰事は先ま一と定家ゑり 一徳然照 暦 大字 雷と天狗も交る百人是 百人一首金毘羅さ分に気が付す 真白な名哥を赤人がよみ 百人に有明たつたつたつたつたつたつたつたつたつた 味噌をなめ〳〵時影も数朝也 鼎ませぬ目くらになどゝ初手はしやれ かなへの事はつれ〴〵のちやりば也 仁和寺へ鋳物師にも来る外科もくる 鼎はぬけてヤレ食ヤレ外科よ 盗人を大根からひ目にあはせ 大根武春コレくつきやうのかうのもの 二タ股はわけてはたらく大根武念 ついに見ぬもの元年のこよみ 暦見て後生を年に二度願ひ 書事もする事も又鳥で出来 重宝な物は鳥の目鳥の足 手のひらへ書てかゝ字は口ていゝ 読ぬ字を何といふ字てよんて置 大根たねありは村でのよい手也 おとがいて額の筆法はねて誉 串といふ字をかはやきと無筆より 同し字を雨雨雨と雨ともよみ つくはつた噺は本へ何か書キ よめにくひ字を姑と息子よみ 去り状に無筆は鎌と描こ書に 西筆へ待てくれろはよい書事 女房の聞やうによむ伝せた紙 廻状を心得たりて棒をかけ 封し目を柱て付る急な用 清書にちいとちいさい下女か家 下女か文内義の下書で玉へやり 一師の蔭を七尺去々人形中に 大不出来清書も貌も赤く成り 正札を是はいくらと恥かしい 愚俗の小便無用鳥井也 とんだ案文を傍から無筆いゝ 下手通書竹が有から虎と見へ 八景を六ツにたゝむ屏風のゑ 唐人を入込にせぬ地獄の画 絵の所が出てよみ本を子に取ラ 絵がないと男女のしれぬ百人は 百人首絵の出来たのははるか後 枕双帋の間違ひて恥をかき 一一具足櫃のはつとの出た男也 仏供米国 大黒の記 二俵ツヽ 申うけ 金杉村 銭 剣 ひぢをまげ枕草紙をしんでいる じんひらへそりを打せる具足櫃 好きな乳母本屋を呵り〳〵見る あたり見廻し雷の所を娘あけ 枕絵を高らかによみしかられる 竹鑓は切落してももとの鑓 立臼に天狗の家を切たをし 大判は財布へはいるゆでなし 白銀は猫黄金をは雀へ付け 一金てさへはたらくもあり寝るも有り 山吹はどの道かさぬ色と見へ かたみとて見れは小判もあはれ也 庄屋からせんじて呑と一歩かし うなるのは空だか金は物をいゝ サア小刹ほしかやろふに下女は逃ケ またもあるやうに逢入仕廻也 蓑よりも山吹のないつらい事 鋳直して又大仏の御教残 四文づゝついては女房おして見る 古銭買またせて鍵は何所にある とんだ産かんじやうばゞや取あげる 安産の後は莫耶が育てあげ 船瓦 石鋳 目付貝 武具 うぶやからすぐに鍛冶屋の手に渡り 八百に鯛四百には釼を売 目釘迄ぬくは一両からの質 いくらいりますと質屋はすゝり抜 生たより後藤の馬は直が高し 頼朝の兜拝領してこまり 長刀を受つながしつ御不勝手 草摺は五郎綴は四郎也 三井寺のかね疵ものゝ天下一 いふ事の早速に出ぬあらむ石 挽臼の独身庭へすへられる 夜るは泣昼は旅人の邪魔に成一 今戸では人間鬼を釜へいれ 国々のみよしは江戸の方へ向キ 屋形から何もかゝらぬ釣をたれ 吸付る内にながるゝ渡し舟 元船で大の男の針仕事 こしもとで済すはしわいやかた船 口と手と斗り屋根舟さはぐ也 おつと来たなどゝ三味せんにへ取 ひらり乗猪弟は元手の入たやつ 振舞て行のは猪牙にかしこまり 車 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 衣類 君は船臣はかへれと柳ばし 泥のつく物とは見へぬ御所車 御所車義仲いつそあぶながり 銭車相場きかれて汗をふき 駕の衆やこつからせを掛ずによ 呉國から鳥弐ツ来て織はじめ 待ばりで手をやたらつく酔ならひ 手に持て行計りだと胴織かり 爰をよく見やと母親三はり縫 糸まきの絵の出るころに袖を砕 味そふに煮へるを見れば木綿也 かくあらんとぞんじ羽折持参也 黒小袖世を早ふする着物也 夜着の綿所せきまてひろげたて 取次の出る内ひだのしは延し 来年は蛍かごだと親仁切 六尺にきれば気の有紅縮緬 嶋がらを見て反のまゝ肩へ当 なぜゑにいるへと女房ぬはぬ也 こわそふな後づれ一ツ縫直し 紅縮面少しは風も吹せたし 紅縮面ひらり〳〵と風に和し 下ヶ髪で二歩落ますと質屋いゝ 弁当が出来てたんすをまぜかへし かたみこそ今ははでなる上着也 風呂敷のもやうはついど見なは花 八丈のしまかくれ行御ひつぱく 八月めにながれて女房悔也 茶碗 泣〳〵もよい方をとるかたみわけ 瀬戸物もわれるまへには声がはり 屏風 堀出しといふ理りは井戸茶碗 金屏風たゝむと常の底となり かり物と見たはひが目か金屏風 一連組 おほ いだし もうせんは何所へ敷ても面白い 三尺は火ぶせ六尺は火の廻り かんざしはかゆい所へすぐにさし 笄をはかりて掛るしぎと成 釣瓶 はねつるへ目のない臼をからげ付 看板目筆の看板まゆばからぬ事 草鞋窓てうるわらぢ天命次第也 種和漢の山世履をうち履を買 重箱重箱をむすんて一ツ提て見る 笠笠のじぎ互ひにふちをなでゝ行 菅笠の紐があくびをちつとさせ 傘 かりた傘何と聞たか下女わらひ 傘といふ字を推量に無筆よみ 摺鉢 半分つゝさすと傘恋になり 一期のいかりすり鉢まつ二ツ 摺ばちがじだんだをふむ蕨のり 十一同経 物置の錠は糖こそだらけ也 女房の留主に出てゐる火打箱 不老不死始皇持薬に太気也 海 本復のくすり隣の店で呑み 鬼も蛇も酒てとらるゝ尻頭 松過にさやなりのするこもかぶり 哥の賃は餅だから詩は酒だろう 孝行を水にはなさぬ養老涯 季号は名酒にのこる者の道 一樽で三百五十詩を作り 音事はのまふが出来ぬ詩一篇 船の酒躰をかためて丁と受ケ てうしをは旦那でかへてしかられる 盃を三味線ひつたくつてさし 大あくひ棚のおみきを見付だし 盃は出たがサア認がながひ 姑の盃よめの紙でふき ほね あくる朝女房はくだを巻戻し 娵の酌ちつとゝいへばちつとつぎ 酒はたへやせんがわつちや上戸口 海やの戸銭で叩くは馴たやつ ようてうとたをやかにして茶碗酒 よひ覚に土瓶のふたが鼻へ落 堂しまは日本ごくの脈に ひやめしの吟味が済で米を出し 新世帯こに飯に出来かゆに出来 せわしなさほとんどこまる子の給仕 知る人に斗り子供かすへる膳 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 門し口を足にて叩ク送りせん 待かねて子は寐て仕廻ふ送り膳 目を廻しそふな所へおくり膳 麦めしにさいはいらぬと皆くらひ 何をして居たとこに飯又つめる ゆみあがりしばし信濃の上を行 親わんへもるぼたもちの塩からさ 餅をやく匂ひに上戸いとまこひ 豆腐 食類 小豆は公卿大角豆は勇志也 まことのやうなて売れる南禅寺 目と鼻はたゞだが口は銭が入 硯蓋下戸へわたすと建長寺 一雀よくも魚鱗も今は台にのせ 八百屋から売とは俗のしらぬ事 そこら中を見合ひこのふしたを取 孟宗と叔斎ひらの相手也 極こんゐすり鉢で出すとろゝ汁 手打そば下女前だれをかりられる 何もなひそうで干物を焼匂ひ 割符しなさいと一重つぎへ出す 止事を得すこのわたをみんなのみ 女房の留主塩からでのんで居る 伊勢 二神 鹿嶋よりよもやぬけしはいせの留主 ぬけ参り人の情をくんで行 抜まゐりあかきれいへて思ひ立 三神はなぶるとよみし御姿 面白ひ和哥後家を真中の置 すき通るから召たるふ緋の袴 神画にもわかひ男浪は面白し 住吉 浦で漁父山で木樵と化し給ふ 舟と船寄せて和源の結ひらき 神画にも霜の降夜は寒くこそ 詩学にて来れば歌学でぼつかへし 三輪 蛇のみちを女の知るは糸と針 杉の葉を除〳〵糸をたぐり行 三輪の神あげくの果は無心也 金毘羅象に座ス神もお鼻が長は也 辨天 六人の望て琵琶を御弾し 神事 まくの紋あてにまごつく祭り客 神木 風神 外科を祭りの形りで呼に行 手付にてもふ神木とうやまはれ そかたてのかうべにやどか風の神 鈴鹿山外の観音ではいけず 観音 観音は遣ひでのある仏なり 大悲の矢五百本ほどかけ直也 普負 千の矢に五百七つほう鈴鹿山 普賢ともなる四五日申へに買 江口の太夫内心はぼさつ也 普賢さま一度はひぢりめんを〆 地蔵 遊女とはあんまり端手な化身也 地蔵堂泪のたねがあげてある むだ書で還俗させる石地蔵 土地蔵山洲仲間へ抱こまれ 開眼をすると一休ぶうらぶら 銭箱のあるは羅漢の組がしら 罪注 から まて 一四日 一つゝつる □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しめし させ 何も 達方 布袋 親戯 今五年おそいと達摩首斗 達磨忌にいゝ盛りものは九年母 六人に腹と袋を邪がられ 馬の足河字に閉たで尊とがり 過去帳をくるはお寺の店おろし 御経も宝づくしは耳近し おんりやうはかさねて来ない御十念 世のよくのしきみをだにもゑりかへし 親の日に当つた下女は二タつかみ 初ものが来ると持仏がテンと鳴る これはさと仏の飯のちうがへり 無常 常念仏さもいやそふな後生也 酒中花を見て重氏は世を捨る 焼失の初筆上下あたらしい 上下で持はあはれる蛍かご 打敷は花にあらしの物もやう 水向をするもへらした女房也 帷子をわけるは薄い縁者也 境論中に六部は虫の息 すげ笠にある名で頓死呼かへし 後 低き家のけぶりは高き御製也 聖人計りだと嘆はかつえ死に 丸 ある夜ふしぎの夢を見て富を買 繁昌さ武蔵野は今松の園 抜ぬ太刀はねぬお馬を御献上 納つて弓矢は鳩のふんだらけ おたやかさ猪牙と四ッ手が飛道具 一金屏て見れば軍も面白し ありがたさひくい枕は棚へあげ 軍はないと見切たでかさぬ也 絵で見ても内裏守護する源氏雲 甲冑に横脳匂ふ太平サ 滑稽発句類顕集二編上巻 春部 歳且御代の春海老から胴もかざり物 喰積は唐崎餅はかゞみ山 喰つみの髭は野で老海で老 年礼 光陰の回りはじめに車井戸 若水の桶へ汲込む明からす 印籠の富士のしめの横霞 くだかけも御慶と告る今朝の春 一餅の寒しゞら熨斗目に藁の跡 年礼のあられへかゝる春の雪 四五丁は六ツ子の礼で間に合せ 年礼に通辞をつれる芥子坊主 さつ〳〵と松くゞりゆく下戸の礼 一餅あみに引かゝつてる下戸の礼 鳥迄と礼者の千鳥すれちかひ 人を茶にした年玉は利休著 てひ〳〵をするとお熨斗を引込せ 二日の夜かうべは神の御本陣 君か代の枕言葉は長き代の 楫の音するは乗地のたから船 長枕では連鐶のたからふね 乗ぞめも馬で七種過にする あれさもふよひ君か代の姫はじめ お房のするは牛角のひめはしめ 謡初 とほの眠りをゆり起す初夜這ひ 大喜悦不首尾は家内みなめさめ 矢車を召す夜は月も弓はしめ 祖父婆々のむかし咄しも御吉例 大名の質はなかさぬ観世名 万歳 落葉かく表は松をたかせられ 君臣和して笑はせる松の内 大紋を脱と千助万右衛門 万歳の方から笑ふ暮の嫁 門付に来るは万才すがれなり 万才びつくり一休に出ツくはせ 才蔵は御油赤坂のたいこもち 羽根つく 姉の智恵庇の羽根に毬つぶて 形りふりにかまけ追羽根娘まけ かりた子を又かしにして嫁は羽根 毬つく 追かけて羽子の子もらふはさみ箱 羽子板の梅玉むくていもか出来 まり唄のほこりに霞む床の不二 毬にうかれて玉子ほと嫁の膝 商人のよき衣着たり松の内 松の内我女房にもちつとほれ 摘草も鈴菜か春の三番叟 春の音にしては七種せはしなし 摺こ木て何の鳥だか二羽たゝき 猿と席わたらぬ先と唐て言い 鶯 白馬の節会人まてか草を食 黒馬の節言行なへと相馬御所 千代のためしに植べきを引こぬき 身を逆さまに小松引く初子の月 鶯の歌は春の序古今の序 鳥かけも鶯ならは哥の友 鶯にたゆむ院主の経たらに 梅 うくひすを逃して家根の谷わたり 梅の大笑難波津と筑紫波津と筑紫波津と筑紫嶺津波 難波津の梅は一重を八重に詠み 柳 梅か香は座禅の鼻の邪魔になり また千葉をかけたまゝ咲村の妻 風の来る度にとなりの梅をほめ ゆふへの飛物何だんべい梅 梅か枝の股に発句のはさみ紙 五日目に柳のうこくおだやかけ 立春立春大吉かた〳〵は読めねへ 若草一寸の草にも五部の春の色 あはれなる柳猿沢隅田川 立春大吉かた〳〵は読めねへ 光陰の矢口も福内鬼外也 連歌御一順月に照りそふ日輪寺 嫁の礼御春みしかになつてから 門の妻も首たけになる嫁の礼 帯付て出るははしよつた嫁の礼 霞 船も帆も色紙に霞む和歌の浦 御簾ほとに霞のかゝる花の王 雪解して鼓か瀧は乱拍子 消残る雪に月毛の駒か嶽 乳をあますやふに双子の雪は消 兎ほと遠野に雪の消のこり 山笑笑ふ山残りの雪も白歯ほと 春雨にうたれてゐるは鼓草 ほふろくにあられたはしる春の雨 春雨の奥海となり山となり 鶯菜うくひす菜ほうほつときく辛子あへ 嫁菜雪のわたとれて始菜の魚も見へ ひつつめるやふに嫁菜を姑つみ 鶯かへ太宰府はもつとはやると誉はなし 鶯かへは廛にありたき神事也 白魚白魚の目は楊貴妃の手の黒痣 通り火の前へ源氏の魚かより 揚其雀人て申さはおちやつひひ 野出合の上でいちやつく舞雲雀 薪能薪の御能飛火野の近処なり 初午翁神ゆゑにとうふを好たまふ 狐の子出来て二月か初幟り 不拍子か神慮に叶ふ午祭 蛇穴を出鶏の尾か扇の芝へ這て出る 雉子八ツ目蛇さがして歩行近目雉子 飛蛙鏡か池を曇らせる 目まちの蛙桂馬にとんで行 一 鼻筋か脊中へとほるひきかへる 蟇薩摩土瓶の肌もあり 虫けらと一座に二王泣てゐる ねはん言もかまはす猫は妻を乞ひ 西行忌此身を捨て猫の恋 蕨 西行忌比には見えぬふしの山 にぎり屁のやふに早蕨草を分 卅一冊 春寒し山のわらひもふところ手 鑓そめに引つかゝつてる奴凧 帰庵 雛祭 汐干 もふ水も汲まぬ奴の下り凧 琴柱ほと霞の中をかへる雁 雛棚の志賀をかくすも山さくら 小笠原添て備へる雛の餅 雛抱てなめてゐるのか雛の主 初節句そのきさらきに餅をつき ひなの膳客は左りやにきり箸 昏難も母のは腰かまかるなり ぜんまいもきれて煮しめたやふな雛 桃の御所鼠に妲妃ほとさわき 雛たんの猫鵲ほとに嫁さわき ひる棚に艾は婦のイヽ頓智 薪ほと乳母か里から桃の花 をしそふに隅かゝはさむ雛の重 胡葱の鱠進せてさるくつわ 雛道の出合春三夏六なり 汐干には肉の苦労もわすれ貝 落たるはけして拾はぬ汐干狩 鷹の餌をのかれて汐干に拾はれる 蛤の出るまてまくるしほひかり 日の長さ鶯ほつと息をつき 野かけ 虚空をつかみ反りかへり長ひ日だ 摘草を捨て逃出すくされ縄 知らぬ火をかりて筑紫の野かけ道 烟草の火継穂して行野かけ道 摘草の入物にする下女か袖 草をわけ根を堀ているのびるとり 春の旅伊勢路の馬を嬲り付け 茶橋御上りの茶橋娘も極そろひ 茶柄唄出はなは声もにへこほれ 唐音も茶橋も余ほと聞覚へ 問へと答へず口なしの花を出し 蝶 光陰は鷹居へた手も鳩と化し 化したての鶉鷹より猫に怖ぢ 花どろぼふ蝶は無言て追かける 野かけ道生酔蝶になふられる 桜鯛味噌湖八重に吸はせるさくる鯛 下戸か箸取と嵐のさくら鯛 花の散るやふに熱ひくさくら鯛 桜草入相の相手にたらぬさくら草 峰入大峰のはなし山伏ほらをふき 花 とほれとはつれなき関の花さかり 釈尊の生死の間か花さかり 花の弁当ちらしとは禁句なり 小町さくらを穴のあくほとなかめ 短冊も風に尾をふる犬さくら 一売歩行花の浪間のみさごすし さくらかり供は目見えの男なり 弁当持を花生にして戻り 散るほとは鐘のとかぬ窓吉野 海棠は真字さくしは仮名て誉め 清盛の扇のほしき花の山 生酔と下戸とさくらをねぢり合ひ 時津風計りは花の敵てなし 詩もよめぬ李白の多い花の山 花のしら浪打ほとの科てなし なまぬるい花見に茶瓶たぎつてる 盃を手のひらてさす花の山 牡丹 牡丹花に二度降雨の物静か 気の毒さどもりのほめる牡丹畑 また 一重 てに 葉て 匂ふ 八 さん 程 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 夏部 卯花卯花の雪見はなりも白かさぬ 卯花の雪に干綾の雪に干綾の雪に干綾の直か上り 天の時鳥にも君はまたせられ やゝしはし御冠かたむく沓手鳥 うたかつた斗りて鳴ぬほとゝきす 声のこす片岡山の沓手鳥 問て詠べきを式部は詠てきく にはとりと読そふな字を時鳥 引こむ時は沙汰のなひほとゝきす 初蚤にいぢられて聞ほとくきす 初鰹 海からは烏帽子山から沓か出る 桐か八ッ出る鎌倉のみぼし魚 初物て直み高砂の松の魚 月令に見えず袷か魚と化し 鎌倉の魚て袷は土の牢 松魚よぶ声も一ふし江戸なまり とめるなといふ身てかける初松魚 扇 伊勢守ては切かねるえほし首 真中の扇坐頭のわすれたの 團扇をしまれて海月にされたイ団扇 涼み台似顔の邪魔に澁うちは うちわのうの字引たくるおもしろき 鍋の数親の顔まて墨をぬり 不工面な筑磨祭りは土鍋なり 鍋かむる祭りも人か煮こほれ 蛍 電 すりこ木の数鍋てしる御祭礼 ほくろかと思へは顔に蝿ひとつ 廿月月五日大地震の濱千鳥 刑鞭のほたる政事に響はなし 故 不二川を茗の子またゝに飛蛍 扇の芝へ落て来る負わたる 燈心草にもえて居る車嵐か火 稗まきの田に稲妻のほたか影 不細工も子故の響のほたか籠 子子も天上すれは人を喰ひ 仏師屋は仏の肉て蚊をいぶし 蚊やり火の烟り競る美濃近江 血をわけて身とはおもはぬ蚊のにくさ 蚊やり火の馳走ありかた泪なり 蚊をやけは同し枕に夏の蝶 手にとまる蚊を吹なから御看経 軽羅となつて細腰を蚊に喰れ 蚊帳売の声もろともに日の長さ 蚊帳蚊帳売の声もろともに日の長さ 宿下リ朝寝の蚊帳も片はづく あみをうつけどりて蚊やをたゝんてる 喰ふ蚊より喰ぬ蚊やまてぶちころし 蚊は出たかやはもし旦那とふなさる 雷か否む蚊帳の臍と臍 取組と時の声ある蚊帳の外 画 登狩りの裾野て不二の穴か見え 章門に爪印を押す灸きらひ 日吉祭天か下晴て日吉の御祭礼 心太夏来にけらし白州のとこつてん ぬるりと入てくにやりと出す心太 風車帰り道いそけは回る風くるま かたつむりイヽ天気他行のならぬ蝸牛 草物夏の旅汗に鳴海の一しほり 目かさとくなれは浴衣地眠くなり 菖蒲鶴といふ身て這て居るあやめふき 葉室〳〵風に戦ふ花あやめ 籏を立加勢を頼むかしは餅 さするはつもらつていたひ柏餅 葉裏〳〵葉表〳〵味噌とあん おつとり刀て柏餅をくんな 泰平の武者は五月に見る計り 立て恥さるは鐘馗の帋の内り 初節句魚木に登る気しきあり はつ幟追々に来る諸軍勢 花かつみ長刀て花かつみ刈る前九年 夏羽織やれ引な糸からくりの夏羽おり 柘榴燃立たやふに柘榴の花は咲 さくろ無用と叡山の火の回り 競馬勝馬は屁もいさましくひりちらし 棟馬の屎さらふ六日の棟かけ 帷子茶の師匠数寄屋縮に組の羽織 洗ひさめせぬか薩摩のかすりなり 井戸縄に縫上をする五月雨 五月雨に狸も腹の音わるし 五月雨のしめしにこまる鬼子母神 五月雨に下女あつくなる火打箱 竹掾に昼寐の貌はつと豆ふ 早女女は子を寐かすにも田植うた 田うゑ笠かそへて下る峠みち 早少女は二の腕てふく玉の汗 早少女は琵琵を引出す近江の田 住吉御田筒男の神事早少女も玉そろひ 乳守から植るて米もよくそたち 神事まへ田植をしゆる姉女郎 夏月諏訪の湖夏わたるのは月はかり 腰かけへ櫛のふのすく夏の月 氷室六一加賀さん八一は廊の雪 手紙には氷器にみはかり 源 涼しさは墨画の松を敷て寝る すゝみや又はしまつた星の論 たゝかれる西衆も本は色出入 行燈にたのむ西瓜の薄化粧 西瓜盗人ねぢ首にしてにける 花火小便の跡て屁をひる安花火 駄鳥の屁ともいひそふな安花火 不二詣くりから龍る不二を越す江戸同者 夜や寒き衣や薄き不二の室 雲の峯これそ暑さの峠なり 暑ひ事金覆輪の雲か出る 夕立 牛の脊を分る小原の夏の雨 夕立や草履て行ける処まて 其角みへ小桶こちらへ銅たらひ 番 夕立にいさり抜手を切てかけ 夕立は急かぬ人の先を降り 三度目に出て天晴な緋の衣 井戸替 日者 雨も田へ落す自在の御神号 楽屋を知て師の坊は御いのり 緩香まても売切れる延喜八 延喜八おそれる出臍さとろ鼻 雷に耳と臍とへ手かたらす 雷りの奢り出済のむかふつけ 有そふてなひ雷りの太左衛門 揃つて尻餅井戸替の綱かきれ あつい事たらひの中て篠を呼ふ 枇杷と桃葉はかりなから暑気払 生首か水に浮てる暑ひ事 祇園会 船鉾は人の浪間をわたるなり 蝉 神木の蝉は恨みの釘かくし うろたへた蝉熊坂のすねて啼 祇園言の火ともし比に油蝉 さき草をからすたらふと水を打 瓶の中立游ぎする真桑うり 金魚鉢二人禿の筒井筒 金魚の尾かひどりを着た取廻し 素麺皿にもる冷そふめんの観世外 土用丑の日はのろ〳〵されぬ蒲焼や 虫干武者一騎虫干の座てしかゝれる 着脊長へ枝もならさぬ風を入 一虫干も書物は道を明けておき 一寝冷 寒そふに見える氷の土用干 雛の風入れ桧扇のひらく比 子の寝冷翌手夫婦喧嘩なり 文長句 出し日この かやつり草に広く寝る虫の後家 風鈴風鈴もたんまりて居る星ひ事 御祓御祓川七日路行と天の川 秋部 七夕天に川あるはつ地にも雲の上 翌日は機に居眠る女たなはた 七夕は川を渡りてぬれ給ひ 秋一の出合牽牛織女なり 盆 七月は佛も魂の御出なり 苧かゝの餅り火空蝉の客をよひ 虫 しかゝれた事も恋しき玉まつり 朝かほは茶を一はひの詠め也 翌年は千代井戸端を去て植 朝皃も夜這に屏の外とへ出る 来る人を虫か知らせる草の菴 きり〳〵す脊中に膝をしよつてゐる きり〳〵す立膝をして腹て這イ 蓑虫も鳴はつ月も笠をめし いなつまか首にからまる不破の冥 霧 きり晴て杣を産出す双子山 墨つきも霧ににしめる雁の文字 秋風秋風の吹につけても袷〳〵 唐なす唐なすをかほよ気とりて下女目利 芋 鹿 八朔 月 徳は元生りと唐なす儒者目利 鬼灯のかん処を吹く糸切り歯 哥に詠すゝきも果は炭たはら ふとふ籠塩をおろした戻り馬 腰打哥を詠せたは女郎花 芋畠蛸のあし跡藤の花 白浪か海から忍ふ芋はたけ 月一ツもたぬ葉はなし芋畠 芋ををしんて屁のやふな古跡也 長いもををしむと棒にされる所 芋は疾の毒屁まて咳をせき かびくさいふとん引合ふ鹿の声 八朔に内て荒れてる山の神 八朔の我等毛質屋へ散乱し たくはへは草庵に只月ひとつ むさし野へ澄切て出る月と玉 月と中能から雨と不破の契 月の哥計り帰朝と奏聞し 桂男の痩こけて出るやみ上り 田毎ほと月影のもる不破の関 こゝろ なく 月に 棹 さす わた かし 鳥 能月を 乗せて矢はせ の涙かな 放生会 更科は月山科は星の影 快くとんて行はと養老四 紅葉 諸鳥にうさを晴させる放生会 急な供奉木の紅葉を手向山 紅葉狩和尚か出した敏若湯 稿 夕もみち道きく美女の物凄し 稲の穂か寝ると百性高まくら 尻に手を組んて見回す稲の花 稲の花百性の目によし野山 作物の中て目貫はいねの華 桑山子 陣を張る桑山子兵粮奉行なり 案山子とは千すぢの縁を引く鳴子 稲の波玄賓僧都立游き 粟 嵯峨の畠何れか秋に粟の出来 散れりとおもふは蕎麦の花斗り 御手打になりともしらてそはの花 取りもせす娘笑つていなり山 万木の司サ木のこも陽の形り 捨子かと見れは岩たけとつてゐる 木賊苑木賊かる鎌三日月の見えかくれ 菊 角力 木賊かり翁さひたる鎌を研き 大輪の菊に限りてよたれ掛け 友として慈童の遊ぶ翁草 急な客柚みその蓋をちよひとそき 三度目は柚みその釜も勤め死に せり出しの柚みそは嫁の道具方 御即位に雲のうへまて晴勝負 勝ときの声なりやんて弓の式 散る花を帯てたはねる勝角力 膝に寝た子とはおもはぬ角力とり 投てやる花の羽おりも肩すかし 師の恩を裸ておくる角力とり 関取りも伊吹山には大へこみ 角力にも昔あれにし志賀之助 稲妻はきのふも負ずけふも勝 草角力なとはあら馬蹴ちらかし 木に人をならせる村の花角力 村角力蜂にさゝれて勝負なし 合ひ力屁の出た方か負になり 足もとを見て世を渡る庄之介 神無月 冬部 三郎の田林は御留守番 大社あの牡丹餅に獅子ツ鼻 大社立きゝをして見たひ処に 白魚のやふに玄猪の供はまち 猪の子から一字違ひも火にあたり 手に足を握る火燵の門ト違へ 一穴熊をねらひ火燵の山を越し 火燵ての異見所をは取りなせへ しくれ晴夫婦顔出す筑波山 着つ祝つしくれの亭の筆の鞘 宿なしといふ身て蘇鉄無くもり 夏逃た日向を冬は追まはし 雪団は入定の気て冬こもり 掃除する人を木の葉か呼かへし 風か笛吹けは木の葉か笛をまひ 時雨かと落葉にさわぐ不破の関 炭 内談のはなしを散らす桜すみ たとんの火砕けはしはし紅絞り 千鳥歌人は居なから汐を知る浜千か守 雪 千鳥の似せて明そふな須磨の一契 浜千鳥軍窓の種と鳴海潟 一羽ても三羽ても鴛鴦哀なり 池のをし月を寄たり広けたり 咲時を舞と見まかふ六ツの花 その早足来世に薫る香煙峰 静さは琴に蓋する松の雪 松しまの雪はまことに六ツの花 雪を見る物とは知らす越の冬 乳もらひの泪とともにつもる雪 雪の門したんた踏てお宿かへ 人参の句あへ雪の赤合羽 此雪に黄色分色字は何奴ツそ 小便の鉾を突込む雪たるま 河豚 王公貴人も羨まん雪のふく 鳥は物かは雪の夜の鰒と汁 一十十生後家に恨みられ 冬月 河豚といふ晩てこさると常世いゝ 雪の鉄砲直をきいてひつくりし 冬の月灰汁て洗つたやふにさへ 袴着 冬の月さてもすごひと握つてる はかま着は五の道の踏はしめ 袴着の女にもある雲の上 魚も固く売り切れる戎講 御講参来る年もお講に目たつ縁に造御 田舎間の肩衣並ふ御取越 閑亭流の書始めは周の春 顔見せの留守居は下女の役不足 しはしはしひ千金周の春 貌見せに御供の下女も蔵衣出老 紀州から籠て乗込む寒見舞 寒 色々な形りに蜜柑の旅つかれ 空見舞鴨先〳〵を飛歩行 水に刃か出来て寒さか切れるやふ 己か角真綿て〆る寒い事 寒冬の千秋楽は福は内 寒声にさびか付たて用心し 入もせぬ声のよくなる寒急佛 寒念仏疝気へひゞく大木魚 薬喰冷症て廿日ほと喰ふ冬牡丹 毒になるやつか煮て居る薬喰ひ 鷹 雪の狩しらふは居た鷹はかり 諏訪の湖狐は馬の猿田彦 納豆の鴨ときこゆるてくらし 鯛 塩引の腹に三ッ四ッ年の豆 鱈献上の鱈は江戸まてうつゝ責 献上の鱈は江戸まてうつゝ責 胴上て坊主にされる奥家老 すゝはきに拍子の揃ふ蒲ぼこや 出したのをふいて入るはすゝはらひ 黒い鼻たゝし古椀買を呼ひ 餅搗互ひに義理を照し合ふかゞみ餅 年忘れ年わすれとふ〳〵一人水をあび 豆を煮るに豆からを焚くいそかしさ 厄拂頼朝治世のせりふなり 頼政といふ身て御所の鬼やらひ 市 むしろとうしんまても売年の市 箱入の毬ははづんた市みやけ 仁和寺をまねた手桶に市の雨 かつくやつ天福持としやれて買 すつはりとはけたと市の箒売 歳暮年の異手形の返るイへ仕舞ひ 朝起の家に寐て居る薯の金 家内安全息才て屠蘇を買 南京 千歳か立と万歳江戸へ来る 門は松内は竹田の大仕かけ 懸とりの笑顔は右之通なり 掛取 懸もりの年こもりする六ツかしさ 大晦日 きたなし返せと弓張て矢のつかひ 通答はとふたといへは春の事 懸与へ新ン手親類忌中札 懸取の百囀りか上ケ句なり 大晦日よく回るのは口はかり こゝてこそ日も招きたき大晦日 大三十日金とり王手〳〵なり 留守と答て消なまし大三十日 除夜 大三十日知らすに年のつもれかし 今年寐て来年起るイヽ仕舞 乳母はかり小唄て越る年の関 二年こしたれてる除夜の長雪隠 来る春をまたひて除夜の紐時計 江戸 地名名所部 薄の名所招かねと人か寄り 繁昌さ国守をとなた様と聞 江戸を見よとつと場末に都鳥 京 八百の上は端へ落る日千両 江戸になひ物はと問へはかんこ鳥 西陣の龍も雲井へのほるなり 経を踏む土地の名にて数珠や町 着倒れの地名に叶ふ綾錦 蘇生せし迄は名もなき戻り橋 大坂 東海道 嵯峨の奥女郎しくない女連れ 難波津の梅かゝひらく文の道 美酒佳肴実に列国の老処 難波津の名所は庭の知れぬ池 日本の米の集まる喰ひ倒れ 金洗ふ水満色の地に合はす 紫へ来る道のきも五十三 御座御道の方御道の分御道の分つた札の辻 大津絵か一つ余つて内に張り 東海の道にも蜘の下り上り 近江八景 廣い事馬も乗込乳母か餅 風景も不思議と計り筆を捨 開眼をたれんと異て其当生 一蛤も桑名此ころ生て売り 金むくの目貫は鞘の真正面 一鯱の金高積る色のふね 日坂てたえぬ噂は首陽山 うつの谷の娘団子て縫ならひ 大ゐ川いざりか朱行やふに見へ 有ッたけ御駕へたかる九十川 川明きは宇治の合戦ほとに見え 富士川かとまり風の牧狩し 夜のうちに出来たて夢の司なり 実に不二はへこまぬ国のしるし也 山の国に扇をひらき奏聞し 孝霊五仁者の好む物か出来 箱根越へ横根木の根に休んてる 鏡山うらは湖水の天下一 琴の音は景色の外のかくし藝 唐崎も又すてゝれぬ夜の雪 杖突て琵琶さし覗く一つ松 無雅ナ奴ツ堅田へ疵の鳥おとし 雁行に並ぶ堅田の田植かけ 七景を跡に預けてかへる雁 鐘ばへのせぬ三井寺の明の鐘 其の葉に調べきゝれぬ琵琶の景 隣国の夜這美濃帋持て来 国界美濃の方ては油断せす 隣国へきこえる美濃のすゝり泣 橋立のきれとをつなぐ雨後の虹 十かへり見ても目に鈴ぬ千松島 宮嶋は栄花の夢の覚のこり 名残をしけに雀の立和歌の浦 蜜柑礫て雀のたつ和歌の浦 和歌のうらやもめの浪に女夫つる 面白し舞子か浜に浪つゝみ 浜〳〵と舞子を巻る江戸同の 我夫のふとまねく内しやつきげり 其当座毛のはへて居る松浦潟 さで彦の帰朝女房に苦か生へ 生類部 鶴 風風風風の曰く出よふかナア麒麟 名聞な鳥は文武へ五百年 丹頂は天窓かちなる放生言 明日御沙汰鮒蒔の身にも夜の雀 異国から来ても鴨静は江戸言葉 耳こすりあふむきよろ〳〵〳〵ト 鶏 さいはひのやふに鶏腹をたて 駄鳥火の側もいやと駄鳥の食もたれ 慈悲鳥住鳥も神慮に叶ふ慈悲の声 杣の斧おもはすたゆむ慈悲の声 夜 志 四五枝ほと下つて泊る養子鳩 口を吸ふ事をは鵺かをしへ鳥 継母に育つて貰ふ家鴨の子 鶴病気三度三色の食好み 尻ツ尾ては蛙天窓て桃を喰 十日目の雨はきりんの背を分ける 聖人の裾へしやれつくきりんの子 馬 現銀にかけを退せる借馬引 鹿てなし路駄てもなし佐野の馬 背会は 一度 よし へて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あきき はて 犬 猫 胤橋 羊 狸 硫酸 大根をおろせは馬もからみなり 後足を団扇に遣ふなつの馬 馬の老込泥田にて棒を引 おぶさつたやつか養ふ猿まはし 殷紂の淫傾国の獣なり 一唖にとり付こまつてる馬鹿きつね 混乱をぬけて一首かく化の皮 毛深いと計り保名は思つて居 狸の遺言茶釜には化るなよ たぬきの日待金玉をひろけくら 音楽か腹鼓たて射て落し かた〳〵かナアとめ狸おもつてる 霧を吹くやふに逃行負た猫 猫のむつ言大音て大よかり 手勢すくつて三四人鼠狩り 飯櫃へ鼠まんまとしのひ込み 犬きらひ身投のやふに袖に石 一橋麻竹葦と囲ませて犬つるみ 犬の屎口三味せんの糸か切れ 張交の屏風羊の五もく飯 摸形 亀 一 蟻 塵紙は羊引割飯のやふ 兼て無キ身とおもつてる外科の豚 芝居の夢かたべたがたべたいと獏の嫁 獏の子のだゞはうつゝを喰たかり 大病の獏いひきさへとほりかね 模の屁は寝雲のやふな音かする 妾惣はさかりの付た獏か喰ひ 亀と鶴桃を盗んたほとちかひ せめて銅の札てもと亀おもひ 鼻筋の脊中へ通るひきかへる 菩薩磨土瓶の肌もあり 七曲の玉には蟻もにくかゝす 咄すのか口を吸のか蟻の道 さゝ浪を脊中へうたせ毛虫かけ 御花見に出られてこまる古希子 虱をとるは常体の眼こなり 乳の薬里から魚を見舞なり 鯛の味噌漬へ尾紙のかぶせぶた 昆布の魂一寸の鮒にあり 花鰹葉さくらほとに下女はかき 蛸 鰹ふし菊旧に遣ふ安かんな 清盛のやふにつつ立鍋の章魚 つるむ蛸雲手かく縄十文字 竜宮の弔ひ蛸か導あなり 竜宮の板屏烏賊の墨て塗り スワといふ時烏賊の吹く最期墨 蒲焼もれつきとしたは二本さし 鰻の油てふちんかよくとゆり 鰻好初手一皿はすし夢中 うなきやの女房天窓て様を買ひ 衣食黒休部 衣類鯨世に出ると肩衣蟄居なり 琴の身かまへて袴を嫁たゝみ 風なりに羽織をたゝむ船の中 へんてつな物を着たなと不風流 米 酒 一丈なくもめん物さしてたゝかれる 五六人びつこのならふイヽ米や 竹鑓て脾腹をゑくる米たはら 上かたの高根に見ゆる不二見徳 すき腹へ釼菱ゑぐるやふにきゝ 餅 下戸 甘口な異見ていかぬ酒のどら 百毒の長たとおもふ二日酔 ふらすこは言と段々青くなり 急度せぬ座しきへちろり袴て出 五ア〳〵と言は喧嘩のわかれ徳 居酒屋の軒くだかけのからころも けちな涯もり無い処かつもりなり 面赤く成て来るほと面白し ずぶ三の比か酒もり面白し 連をはこまゝせ犬をは悦はせ 猪の口をやつたら上戸吸ひ 土蜘の身ふりてなめるこほれ酒 どぶ六とおでん立ッてゝやつ付る 元トは同家て不和となる餅と徳 のし餅の窓はむしろのしのふ摺 牡丹餅は小豆の方かおんらしい 貰ったかして牡丹餅に角かある 他人のますさ扨むまい牡丹餅た 摺子木を鍋へ突込む安法事 おゝさへを三番叟から下戸は言ひ 下戸の客膳は急けとおつはしめ 山川へ通ふちろりは下戸の客 右側の小間物店は病気なり 葛まんちうは五臓まて透とゆり 薄皮まんちうはつかりと割て喰 長崎の塵はこんたり砂糖船 のりさら〳〵と押もんて和尚そは けんとんな箱くやさしいそはの銘 五六人手打て海す安喧嘩 しん切に一膳残すそはのはし 砂のもるやふなのれんへ蕎麦と書き 水 焼海苔に生醤油ばしり瓜はじき 新らしい物は数寄屋に水はかり 命也けり小夜更て水の味 水瓶へ夜這ひにかゝるのん太郎 大判は悪所かよひをせぬたから 金銭 金銀の重さ力て持ぬなり 両替やせめ念仏のやふに打 世の中に持べき物は小判なり よく回る人か押させる銭車 武器 王 諸道具 残てさへ丸くいかねははね出され 遊山温泉へ行は持たか病ひ也 文字金なりと回らぬ筆て書き 大金利金借金の狂ひ獅々 ふんとしの金とも知らす歯にあてる 珊瑚珠を目鏡をかけて買かぶり 源氏の御代に空蝉の具足櫃 御具足へと同すといふは虫はかり 松の御代遊ひ仕事に竹具足 御代はとん〳〵鳴らぬは陣太鼓 孫六は千代を賀したる聟引手 的の画に穿胸囲の鳥を書き まさかの時は質に置く鎧なり 入ッ子や仮親て巻く安ひ柄 鐘よりも灯提重き蘂の葉 目の覚た細工枕で時をうち 大店の火鉢薬鑵はイヽ道具 一蜜談の火鉢二人ていぢり消し 状箱の益を噛付やふにふき 高嶋の硯も匂ふ古梅園 あぶられて五臓をしぼる安きせる 永ツ尻きせるか出たりはいつたり 燭臺は腮は毛抜をふら下ける 指切丸の土だん場は箱まくら 一年のぬきさして船底ギツチギチ なけられて心かはりのする鋏 吹降に首を召てる蛇の目傘 勝手道具の大将はかぶと鉢 壁燧へ新田足利陣を張り 蹴られてはだまつて居ない詞たらひ 徳利の指に鼎の物かたり 徳利の笑窪に布袋笑ツてる 大わらひ客も箒もころけ出し 片小鬢から年の寄る椶梠箒 掾側を一ツどやして掃仕舞 短慮功をなさすすか鉢みぢん 中かイヽそふて摺鉢目かつふれ 引向は菩薩の罪て目か潰れ 吹竹の風に浪たつ帆立貝 腹にすへかね吹竹か竹はしり 質物 たまさかにみんなふさがる七ツ鉢 生海苔に又めくりあふ貝杓子 吹竹の利勘後門へ銅 左迂になりますといふ公家の質 鑓迄も曲てつかふは御不勝手 長船く流れ次第の御不勝手 波の平浮つ沈つ御不勝手 利をもつて解くも質屋の縄目也 兼房をどの質屋へか置わすれ かさぬといふに質くとい〳〵 滑梵発句類題集二編中巻 公家部 御所紫震面左りは忠義右は孝 国に飢なくて正しき御冠 鳳輦の内よりは御衣も麒麟錦 ふしくれた夷賊へ直る日本武 吾妻に縁も碓氷と御なけき 草を薙しことく夷賊を切なびけ 大和屋たけと申たき御仕打 神切望后胎教のために三韓攻たまふ 勝たまふ筈腹中に弓矢神 女の業にもろこしを粉に砕き 将門 三韓か皆したかつた美しさ 人の真似する猿しまのゑせ公卿 十膳の喰ひたをれは相馬御所 相馬御所摂家になるは鳶司さ 道焼 裾をふまれ将棊倒しの相馬公卿 道ならぬ鏡女帝の気をうつし 道鏡にあるぞ〳〵と大社 真中の足て玉座よちのほり 万婦不当の道具にて参内し あれはあるものと女帝の御満悦 君かためなかくもかなと弓削たもち 夫まては十人組て弓削すまし 恋の重荷を背負てゆく芥川 在五にはちとみやびたるから衣 あれさつめらせ給ひそと芥川 有常もあふなく思ふ遊ひ処 莟み朝貌おつ付る筒井筒 行平月の名所て雨風を御寵愛 深草少将 小町 官女 行平は潮仕立の口も吸ひ 松風かふくと村雨一トしつく あへにこと両方へ出る須磨の月 よく腰骨かつくくそと須磨の蜑 よし百把通ツたとこかはしまらす 少将は榻のあてかきなともやり のつへらほふに少将は気かつかす 玉座間近きせんたゝは和哥の論 いさ立寄て見給へと洗ひあけ 萍に十二一重の腕まくり 小町か仕事万葉のあらひ張り これ見な水に浮草と小町イヽ 秀詠の妬みにも出る角たらひ 哥の白浪藻の根なしこと それても小町深草にはへははへ ユワ珍事小町に福か二ツある 三国の王をはめたも一ツ穴 最期屁をひらせたか和の誉れ也 桧扇に胸の火をする官女達 官女達頭痛の灸をすへたやふ 武家部 義家名将の名こそ世に散る墓の花 緋威も柿色になる前九半 国がらで宗任梅を鼻にかけ 御所のどよめき何事そ梅の哥 秀郷も二度目は唾て根まて入 綱 ずぶ〳〵〳〵と秀郷は客に行 羅生門馬はまご〳〵〳〵し 扨は手事と渡辺くやしがり 一段は風雅て昇る源三位 頼政は哥て美景を申請け 詠んたのも射たのも同し夜の鳥 思ふ矢つほへ射込んたは源三位 隼太 拙者か落ると中気たと頼政 骨は折れ地紙は残る宇治の芝 猪の隼太サアキヤツとても言て見ろ 清盛 真菰てもイヽとすねてる猪の隼太 月を招くと清盛は腫れ病ひ 重盛 水船て蛸ののたくる御難病 日本の小松の茂る医王山 実盛 後悔を先に立ツたは小松との 髪の毛を塗て軍か若かへり 田芥のやふに鬢髭を洗ひ上ケ 老武者の平家八しまて海老に成る 奢つたか徳になつたと海の底 一盧生か夢の半はにて平家さめ おこり仕舞か西海の潮なり 木曽の朝日に北国の寒消へ 巴にも粟津か原の御残念 くりからのやふに兼平落馬する 巴 頼朝 義経 益平か塚を取巻く早苗とり 残念だのんしと巴生捕られ 和田合戦に名の見えぬ婆々御武者 頼朝は海より深ひ池の恩 源家再建山木から切はじめ 石橋の鳩は神慮の御手品 救生言扇か谷も天地金 あらはちの軍佐面穴這入り 兄様は苦なし御舎弟九郎性 牛若丸の御供には足駄とり 鼻息を静か〳〵と御曹子 和田一家百かぬけても馬荷にせす 義盛はたき〆られてほつと息 蕗と茗荷て責たのは畠山 奥中か相模て秩父もてあまし 飛車のきゝやふに梶原工風する 景時か下知は上意のあたまかち 景季する墨へ水をさゝれて二番筆 我陣へ入れは箙に枝はかり 次信胸板をすへて忠義の的にたち 弁慶橋ふしんするかと思ふ衣川 なぜだへと武蔵静になぶられる 不用物ともに弁慶八ッ道具 静 千羽の後の二の舞は静なり 曽我兄弟兄弟のほまれ三国一の場処 虎の巻さと祐成は封をきり ふり袖にうかと蝶〳〵押へられ 五郎丸変生女子て蝶々をとつかまへ 其後はねから沙汰なき五郎丸 北条家三角な法て時政世をふまへ 常世 焼めしの代は生味噌て酒を召 相州を青砥て切磋琢磨する 安ひ時もふけて高い時つぶれ 名木の焚火はまれな雪やとり 源左衛門山吹色は飯はかり 時を得て切くへた木に花か咲 一扶桑木焚くと天下を譲る処 佐野の粟これも栄花の焚初 古本され常世焼火の間へ詰る やことなき旅僧をいぶす雪の宿 句当に目をなくなした左中将 義貞句篇に目をなくなした左中将 海へ太刀とは鍔際の智謀なり 生なから新田弘誓の船にのり 無念さは義興そこに気か付す 樟の木は薬にしても内裡守護 石になる木は南朝の柱なり 神代にもきかぬ千早のはかりこと きたなきものゝ振舞やと子早責 湊川これぞ楠家の夢の跡 道灌江戸紫の下染は桔梗なり 山明の後は二道の勇士なり 道灌も金をかせかと初手おもひ 実にならぬ花か哥道の種となり 山吹かないと古鞘出すつもり きゝかひのなひは哀な野田の笛 信玄も鉄炮疵はひしかくし 五体不具なれと武道の鬼神也 勘助か麁相車て足を引 勘助か片身信玄気にいらす 謙信謙信は塩て信義を磨くなり 信長おためにはけつしてならぬ本能寺 秀吉 からめての大将は菊丸と御意 皐月かなやふ〳〵天気三日持チ せめて藪から棒ならと明智言い 鷹になる気さし草履をぬくめとり 凡人に智恵もましらの御相貌 草履からかた道ついた天か下 和の誉れ鋤鍬てほる耳の穴 耳を切万国の目を驚かし 馬印千なり桃てイヽ理屈 加藤異国責日本て撫る髪の籏 小西分厘も引くな〳〵と小西下知 後藤大坂て後藤目貫の男なり 片桐片腕の武士茨木へ退去する 真田大坂てあつたら銭をむたつかひ 二六勝負は兄弟の敵味方 大坂の名残真田の七変化 刑部か敗軍駕籠烟り立て逃ケ 石一田 ぬるひ兼て段〳〵あつひ御取立 寺小性淀の夜船へ棹をさし 曽呂利 戦場 嶋からか能過き石田に似合かね 千なりを真似て三ツなり直もかれ 大かきか落て石田は渋ひ面ら 石田組尻の金から惣くすれ キヤツ〳〵と召のに曽呂利〳〵来る 弥生端午を取ちらす檀の瀧 白黒の馬て宇治川先手後手 それ首か早く玉よと船いくさ 巻物を見てもおへねへ負事 奇妙な形りて尻をふく鎧武者 両羽かひ 義縫の 武士の 手きゝなり 武家雑高枕今寝通りの武士はなし 召物の裏も若やく御勤功 差料の竹へら武士のこゝつぶし 御不勝手酢にも酒にも味噌一人 落馬笑ふな若さまの伯父様た 妾か兄宇治へ落てくやふに乗り 名は姉のかけゆと申にはか武士 娘ゆへ生れも付ぬ武士となり 不男さ若ひ時から奥家老 鑓持のくさめは鞘か身ふるひし 農家部 稲の花百性の目によしの山 蚊遣火は村にけむたき長か門 稲刈て天地にこはひ物はなし 農民の手に豆か出来米か出来 稲苅た夜は近くきく遠きぬた 村分限雑煮へかける花まくろ 稲子飛田を苅娵の裾もやふ 此処小便たのむ田舎道 とぐろてもまきやれと村の初己縁 百工部 鎧師鎧師の上手のしれぬ御代の徳 御静謐工面のわるひ御具足師 物置につかふ鑓屋の掾のした 鑓屋の丁稚親方にこかれてる 火花をちらしたゝき合ふ刀鍛冶 相槌に拍子の狂ふ犬の声 イへ研屋剣の山にことならす ユイツ大変研屋か気かちかひ 墨を打手は楊弓のはなれなり 木挽 流れ矢の来るは大工の家根はかり 錐て気をもみ鋸て息をきり 直な木を曲て遣ふは船大工 墨坪の口も干上る下手大工 仕思ふにも出すにも銘たかれる 夜なへには大工世継のほそをいれ 間柱を大工手斧ておつはつり 此穴へへの五入ろと大工イヽ 日盛りにいひきの揃ふ木挽小屋 かはいゝといふ身て木挽精を出し 仙 豊 仕合な嫁たと石屋朱をつふし 七りんも五りんも石屋彫てゐる 心ある杣まさかりの花を除け 松か子の名を猿松と呼子鳥 から腹をかゝへて杣は猿を追ひ 畳屋の気とり箪笥を重く持チ じだんだをふんで畳屋糸をしめ 畳屋はおやしたやふに腕を出し 口中医者へ家根ふきの弟子か来る 家根ふきは舌てかそへる釘の数 咲の出る度に家根やは損をする 料理人 庖丁もかれて大根も白髪なり 庭丁いたらす指を切料理人 料理人にかした鳥を綱杓子 経師屋は千代か蚊帳迄洗ひ張り 表具屋の数珠は諸宗にかくはらす 陶工大佛の衣紋のやふな瓦竈 面彫我自や口をひんまけて面を彫り 琴師気か付て見れはおかしいおんことし 三味線師たらぬ乳を灸て仕立る三味せんや 鏡研 三味せんやどこか調子のく男 皃を見ぬ日は腹のたつかゝみとき 組伏たやふにおさへるかゝみとさ 駒とめて膝打払ふちんこきり ねた刃合せて二ツ胴ちんこきり 喧を付聟をと紺屋吟味する 青い手を下ケ明後日迄と云イ 摘草を針てほつてる縫はくや 鋏研はさみ研磨のはしに巻て居る 髪結人の気を結ふて髪結流行見 講訳師 雑 髪結床寄合ふともふたぼはなし がみゆひへちひさな勅使三度たち 髪結の頭痛此ころ風はやり 下手咄し我落にきとかたるなり はなし家は世間のあらて飯を喰 下手講師内も兵糧責に逢ひ 八島責船を漕せる下手講師 なれぬ内手負のやふな紅とふし 船橋も渡ッて来たと菓子とふし 足見せをして雇はれる麩やとふし 商家部 堂しまの利運順慶町の人 貫穴へ庖丁いれる木薬や 売度に珠数や改宗して拝み 香具売先己か鼻ひこつかせ つく芋て八百や二タ見の物語 似た山の鮫に言れる道具市 下り坂ほうろく売の目かすはり 一合の油ぬき糸ほとはまけ 桧扇を見せて直をする干物売 香の図に寺中を歩行豆ふ売 古椀を買ても喰て通るなり 丁稚まて物知り貌の唐物や あらつほひ下女て焼継世をわたり 引札もされず棺やの店ひらき。 爪先をかちつて足袋や飯をくひ 歯磨か売こぢれるとすゝりぬき 声色は嚢砂を売むはかり事 女房へ日這にかゝる夜そはうり 夜そばうり日なべ細工に子をこさへ 儒 伎能部 直くな道字突の杖てをしへられ 明徳の道捨かなの拾ひ読み 道五ツ草臥ものに知れかねる 堀出しものゝ最上は論語なり 儒の道をたとりかねたる秦の闇 貧学者紹の昌平の紋ところ 生なから土葬にされる秦の儒者 うたゝねて儒者は君子の徳をひき 何をきいても煮へきらぬ生学者 聖人 寿斎 論語よみねつから賢を賢とせす 一へぼ儒者の弟子二尺ほと去てふみ きかれては儒者とうそふく虎の声 急度した学者必す女好き 少い哉仁多い哉しはんほう 韻字より儒者借金を慕にふみ 聖人のへこむは天窓はかりなり 犬をよふやふに孔子は召し給ふ 鍵わらひ腮をつるした首陽山 兄弟か伸をする手も山わらひ 太公望 孟子 干たる君子あり蕨ほり見付出し 青臭ひ屁を掛合ひに首切山 聖人の釣り汐よりも時を待チ 魚も魚針も針だが人も人 機の突見て賢人のおさとなり 孟母機を切盃母は短慮功をなし 地主たと孟子賢者になれぬ処 機を切盃母は短慮功をなし 銅たゝひ又かと盃母引たくり 南無キヤラタンノウコリヤヤアト盃母越し 切たのかいつれ孟子のとひ褌 振新を買ツた気ている柳下直 柳下直但しは困ぬけかも知らす 貧学の行燈蚊帳の切れて張り 蛍籠やたゝゆすふる魔滅本 五言絶句に酒の銭李白つき 詩百篇賦した翌日きゝす汁 しは〳〵思へは幼な子て瓶の智恵 司馬温公を野屎たと下女おもひ 神農の腹下ッたりけつしたり 腎薬をのんて神農又おやし 貧民を御匕てすくふ医学館 今の医者和漢蘭でもると加減 藪の中押分て出る御殿送者 嫁の脉老医志賀上人のやふ 橘柚黄はんて藪医のは青くなり 古方家の下し後世おそるへし 人の命のをしけなく藪送もり 乗物やれといふ見へて医者はのり 藪医者の運はてんほの皮をもり 高運は藪から棒も長くなり 村の積藪から坊主よんて来る 釣好の医者糸脈か上手なり 上手にも下手にも村の一人医者 時に半礼医者さまは苦い顔 屁のやふな医は藪いもへ度々見舞 雨の日は医者も小尻を出してさし 焼付の投たをすくふ銀の七 仲人をさせては至極名医なり 藪医者に芽を領せたは風の神 間に合ぬ医者人魂に道て逢ひ 書家 画家 原伊仙さまにはこまる木薬や 死生命ありと藪医ぬかしたり 手裏〳〵手裏〳〵医者あふり 小児医者脈をおつかけおんまはし 大道て脈を見ている小児医者 小児いしや中の脉から先へ見る 二人前毒断をいふ小児医者 上足をとつて蒼頡字を造り ぬけたのか立派に見える筆の垢 師の御恩頭はかゝぬ筆の先 豆ふやを時計に遣ふ村師匠 五十字にたらす万事の用に足り おらんたならは豆蟹て読ところ ひんの能懸捨無尽書画の会 たとんの看板あつはれな無筆書き けしかゝぬ師匠と娘急に下ケ 足と觜はかり墨絵の雪の鷺 禁も鼠の絵かゝ解るなり ぬき足も一癖になる画師の妻 我書た鬼に大津のとしの豆 和哥 応挙か幽霊そつとする価なり 下手画かき五徳に似たる龍の爪 国貞も下女か顔そは筆を捨 一錫の絵笠に合羽の後大影 ユリヤ画かき屁はいつの世に見て置た さかなく書て美人より画師よこれ 絵の事はしはきを後と毛延寿 八雲たつ迄は六義も朧なり 長哥も字あまりもある古今集 八雲たつ道に隈なき名月記 十六夜日記の前らしい名月記 万葉を和の野馬臺と座て云イ 六人て歌こきんの哥合せ 敷しまの道を文車行戻り 文車の東力提髪緋の袴 百万を重しとはせぬ文車 文車も横には押せぬ和歌の道 詩歌の桜なきにしもあれにしも 奈良と志賀都にのこる桜也 あれにして世上へ散た山さくら 名句と しらす 雨蛙 われ に 影 頬杖て居眠る和歌の旅疲れ 目を閉て自を詠る歌の会 和歌の道にもつまつかぬ名所絵図 短冊や色盛はき〳〵哥乞食 哥によむすゝきも果は炭俵 短冊の雲間に歌のほときす 農人も楽しむ和歌の落穂集 文も見すうたかひはるゝ名哥也 小式部にいくのゝ道はちとはやし 実頼の貌紅葉する大江山 さし込んた積を押へて風吹は 一ト云て貞女か知れる立田山 御夫婦の名寄立田の山と川 ほころひの哥て縫へき矢をのかれ 歌人は居なから一城を持こたへ 遊女の誉れ勅撰に名かのこり 御硯へしくれの通ふ小くゝ山 薪負ふ人はのほらぬにくら山 嫁の世事先秋の田は刈残し 奥山と香具山の間にふしの山 発句 翁 通用の出来ぬも百のうちへいれ 古さとへかくした梅を定家いれ 行へもは膝の下からやつとしれ むへ山の中へ嵐の年始客 行尊の咄し相手は山さくら 両脇に月の出ている有馬山 中ほとへ定家店つきほとならへ 長い事一息ついて和田のはら 深やふのうたは数の出る頃によみ 人知れすこそと手をやる哥かるた かこち顔見かねて定家集に入れ およしよといはす小声て春の夜の くしられた後かもしらす春の夜の 合紙に句の反古交る菴の茶器 雪の日に文台へのる樽ひろひ 初雪やふらすとイヽと小僧詠み 百員は紙屑買も去りきらひ 辞世にも現在のしか切孚也 家匠の片身朱青の肉を分け 藤を捨芭蕉て広く名を残し 見はくつて名句となりしほとゝきす 転はすは翁の雪見はてかなし 木曽殿にふられたやふな句を案し 句達者な辞世枯野をかけ回り 碑は苔にさひても光るはせをの句 手塚ともいふへき処にはせを塚 翁の句経師か皺をのして居る はせを庵やふれかふれの人は来す 兵の夢の跡とふ哥まくら 床の間の古池ほめる身もかはす 其角 干店へ飛込んて買ふはせをの句 闇の夜は何か鳴たかほとこさす 一句吟すれはゆたかの雲起り 疵にした数も押なかす名句なり 大騒き干店仕舞ふ其角か句 張出した紺や晋子にこまつてる 千代 雨乞の外に便も名を流し 広ひ蚊帳広い操か見え透り 虫干に広けて見せる千代か蚊帳 乳を一ッはつしてやつと千代寝入 源氏にすくれて尊ときは葵なり 白式部とも書そふな物かたり 一二帖まて色文と所化おもひ 下心ありて源氏を和尚ほめ 寺入りをして手習の巻を書き うたゝ寝に胡蝶の巻を夢の苫 枕草紙 一帖は月て書ても雲かくれ くゝり目のイヽはまくらの学紙也 枕の草紙目の覚た筆意なり 夜注を枕草昏に誉て書き 大事は障子より起る御教訓 板の仇名三度目は蛙すみ いたつらに泣こま犬のあちら向き 武具は皆あらかねの土大根 外科へ行鼎は犬にとりまかれ 鼎のをとり角大師なとく誉め 一曲かなて仁和寺の大騒き 仁和寺の張札かむり物無用 馬のりの吉田か事も吉田書き 見る度にあかぬ双ひの岡の草 碁 遊芸部 龍川に碁は勝れたりほとゝきす 碁仲間の礼義もくろを譲り合 見物も追立られる下手の持碁 一目の負そこゝ中撫まはし 碁将棊かありて死に目につひ合す 碁の留守へ間男打てかへに来 生死のあまたゝひある下手碁打 大こふか出来たとへ同碁猿眼 下手碁打南無三宝か癖になり 矢疵より異羽切られた手に困り 蚊は逃て目代たゝく碁友達 相碁の争ひ初手づからつかみ合 灸点かふへてへほ碁はあつくなり せき込んてへほ碁火入の火をつかみ 一碁盤のそつほふくらはせてハテナ わたりか付て手を打た碁の喧嘩 切られても検使のいらぬ碁の喧嘩 作る時はま〳〵といふ碁見物 腰懸の角みに目を持碁の御供 将棊 碁の客の馳走に女房先へ寝る 碁盤まて女房は足を上へ上け 飯処か飛車手王手を喰て居る 将棊好内義の二歩に気か付す 月代にかゆみか来ると負将棊 時過て二歩を見付る下手将棊 先はしの附木からつく下手将棊 差図してけつてまこつく下手将棊 入王に成て肴や助言する 寺へ知らせてやりやれさと飛車をなる 御手にナヽ何と古手や将棋さし 下手将棊湯とのあたりて駒をなけ 将棊てもふんとし玉極きたない手 中将棋 ふんとしをはつしはたかて王は逃け 獅子か参るてこまゝせる中将棊 髪六双六のいふめを出して御寵愛 道中双六若様かまた双六の関破り しひれものほる双六の御相手 御座敷てする道中は手か相行 連を集て道中へ嫁を出し 投扇投扇は薄手の猪口の持こゝろ 蹴鞠高足も無礼にならぬまりの弟子 足のそれたを手て返す塀となり 尻引かゝけ立向ふ下手のまり 有つたけ股を広ける下手の鞠 香 茶香 香の会惣身の智恵を鼻へ出し 道楽の理に落たのか茶の湯也 石臼の後家は茶人の囲ひもの 鼻息て近目盆画の山をぬき 盆画沙の下女壁燧て盛て見る 拳 琵琶 南無大事大秘観世か道成寺 小つゝみは耳の蚊を追ふやふに打 手を笛に吹て鼓みの寒けひこ 御調への上紫を御免なり 鼓にて四海の浪を打納め 瓦以後手練世上へ名もひゝき 白魚に栄螺の負る挙角力 へほけんはなくらふといふ姿なり 琵琶法師聞人は灰をかきならし べろん〳〵は一門の物かたり 琴 鼓弓 三味線 唄 イヨ四糸と琵琶をほめてる大たわけ 下手な琴仲達ほとに座中逃 白魚に烏帽子かふせて嫁しらへ 七本は白衣て動く嫁の指 品ンのよさ桐の脊板て爪をとき 峰の松脂は鼓弓の音にかよひ 古近江にある八景は乳の跡 柳の風は三味せんに通ひそふ 七草は三味せんの手もこまかなり 三味せんの砧は秋を寄せ付す おほへのわる御杵屋ても餅につき 糸道も骨のをれるは山盡し 貌へ筋出してふつつりりんき也 糸のくる内二味せんて間に合せ 三味せんは馬皮てかけ出すやふにひき 猫は魔のもの沈んてる気をうかし 息子の病六味より三味かきく 三味せんかつひ禍ひを引出し 三味せんの間の手にとるちりれんけ 猿引の唄を恩地は魚稽古 浄瑠璃 芝居 花車糸て座敷へ引出し 義太夫の序は引導にことならす 尻目にて流れへ渡すしんかたり 泣てほめるは義太夫とかゝしみそ ハルト取る気は太棹の弟子師匠 美人珠簾をまき上て三のきり かくし芸鵜の真似をする明からす 新内て親を反哺の明かゝす 天神記身もしやふ〳〵にしてつとめ 蝶〳〵や千鳥に化る蛙の子 冨士の狩場へ大磯の狐も出 二ヶの津も野郡帽子は江戸仕入 瀧のほる鯉て飛脚の威をふるひ 立者の疝気金主の頭痛なり 三国一の大和屋は楽屋ひめ 響仕合そこひか何かさかすやふ 尾張屋の内証客の佐や回り おそれかんしん股ぬきの傘のたて 見物も通を失ふ久米か所作 女形夫婦別なき帯をしめ 馬のしくしりさいおふの詫てすみ 花道の間ぬけは馬になられけり 馬の足やふ〳〵菖蒲草となり 馬の足出世をすると首か飛ひ イヽ役者すかして馬に刎られる 申上ます花道へたれるやふ 剃立のとろほふは出ぬ藪たゝみ 見物も腹をかゝへる狸しま 出る月は下り入る月上るなり 龍頭に手をかけかる〳〵と楽屋番 幕支へ光次公の役不足 口上は何處か〳〵のかとつとほめ 突張て舞台て留る大道具 待芝居杜若ほと指を折 奢た客か清盛を茶やへ呼 酔るかことく狂はせる焼酎火 小便はかすりちんこのさしき番 はんじやふサ芝居の土間を首て埋メ 猫の皮なると静まる鼠木戸 さてはあの月を張ったる道具方 女 父 大当り小町か来ても穴はなし 水仕合ひや〳〵おもふ一の土間 大入て口上首を振て居る 留場から泣子をさらふわしの段 米の弁当よしかなと村芝居 村芝居屎かき爪もたゝぬ入り 大根が馬て乗込みの村芝居 村芝居おかるかきせるかきせるかきせるかきせるは夕と落 村芝居芋屁山たとせなアイヽ 村芝居こかしよしかな七年母 弓と成る親は矢たけに子を思ひ 老ぬれは子のしんほふか杖となり 子を見る親の未来記はよく当り 勘当はゆる頃親からなみたくみ はね炭に親仁の小言中たるみ 親仁の疳積蝋石の糸か切れ かね太鼓捨子の親の胸に釘 動異と大イ気の間に母困り 七生を母は後生と侘言し 勘当を財布てたゝく母の慈悲 継母 おとつさんへは蜜〳〵とあまひ母 得こそはかさし出直せときつい母 足音に戸を明たまふ慈悲母神 母も子もきけん伺ふ朝かへり 母はたゝ無分別ても出やふかと 叱られて今朝出たまゝと母苦労 硝子てなくても母はあふなかり 仕尽した異見位牌を母は出し 身か重くなれは軽くと母ねかひ ちんまりと寝やれと母の返す書き 乗初に馬の手綱を母伝授 してあとはとふた〳〵と里の母 もめるのも昏子ゆゑさと里の母 化て出てたまる物かと里の母 本の母朝寝の息子掃きのこし 一出ぬ乳も泣子の口へ箸やすめ 剃刀て寝た子の小判母盗み 井戸端へ子の行夢に母の汗 まゝ母ていたしにくひと娘言イ 袖の蜂さすか継母のはかりこと 養老は 実にはかりなき 孝の徳 お 小姑 産 子供 まゝ母のにくさ戸棚に毛をはやし 嫁安堵司馬微かやふな姑なり 姑のきけん幟りて立直し 言葉肉とり〳〵嫁をやせらかし 魚と水とをにらみ付御看きん 一姑婆〻ヤン堂参る講参る講参る講参る講参る講参る講参る講念院 小姑か嫁の浮名のゑほし親 御里まて馬もはやめの御注進 御目出たさ武芸か二つ用に立 御安産芦辺をさして田窪の声 御目出たさ婆アさま跡のまつり也 鍬をかしなからちんこかめゝツこか 似せ首をしやふるか乳の答はしめ たゝかれす赤子の顔の蚊のにくさ 海ならは肴の心片乳ふさ ねんころて寝せちんころてしひをやり 不行義なまんまヲヤ〳〵ちんこまて 脊中ても虚空に拝む愛らしさ あつためる内に火燵へひよくらかし 屋根の羽根餌さしに頼むかんせなさ 乳貰 盲人 大たらひ中に子供の一世帯 眠る子の手から這ひ出て蛍逃ケ 愛らしさ春待指をやつと折り あの御子の御子かもふはや此御子か おつかアヤ尻のほふから風か来る やるそはに飴しやぶつて居るとらしさ 弁慶の道具も七つまてかさり 帯ときの祝儀の酒も七ツ梅 子は親の為にかくさん尻のあさ 縫上の寝も羽をのす御成人 手習子畳の墨のさかひ論 水入の布袋も腹かすくと昼 いたつとも自在に遊ふ御縁日 京まては手を引てゆくてならひ子 筆のさやはつして首をかきならひ 小僧の私欲食傷て露顕する 乳もゝひの度に勝手をよく覚へ ちもゝひの覗ひて帰る若夫婦 金をかす一ト間隔て琴のおと 一拾枚の御耳通りを座頭する 独り物 居候 引越に座頭はさぐり草臥れる 目鼻を明ぬと催促に座以来る 座頭かかゝアびんづるの気てくらし かんのイへ座頭夜這ひも仕かねぬけ 座頭の幽霊うろたへて昼間出る 角兵衛獅子ほとに小座頭反ッてたれ 立田山夜半にやこまるひとり物 そこはかとなくかきくらすひとり物 我物て自由にならぬ朝のれこ ふりちうふくりもてあます一人の くにや〳〵と内証て済す五人組 御預ケと号し立派な居候 居候薪のそけて低揚枝 組打に太鼓をたゝく居候 居候うぬか悴て手をあふり 居候此かゝアめとおもへとも 居候七十五日寿をちゝめ 一佐太郎を筆中喰て居候 居候つゝあてらしく雪を喰 稍餓鬼道に当からぬ居候 盗人 鷺と烏か泊つてる馬喰町 名所より我家をほむる旅帰り 旅帰り草鞋て覗く挽蚊帳 出しぬけにかむるは店の三度笠 木枕は石部浅草石まくら 名物は附めし盛は喰かくし 座禅豆飛脚の膳を飛歩行 折節は宗論もきく木賃宿 こまのはひ金に匂ひはなけれとも 豆の薬を持て来る旅の留守 女房にちと恙ある旅の留守 日に焼けた顔へ女房泥をぬり 東帯の中へ袴てまきれ込み 大罪の賊天麩羅に行なはれ 五右衛門は門口なとへたれぬやつ 賊の油あけ昼とんびなとてなし 一無筆のとろぼふ明店をこぢはなし とろほふは左りねぢりに錠をあけ 昼のとろほふ入口て屁をたれる 無念骨髄盗人の屎さらひ 乞食菅笠へかん板をかくかなつんほ 病人 釼菱を引かけやふと乞食しやれ 五体の重り片荷する疝気持 痛い事移ツた疾の根をおされ 玉に疵より六かしい棹にきす 病かちの灸はときんの処へすへ 一疼瘤は皮肉の間の土蔵 過たるは虚し及はぬは咳か出る 灸 飯櫃へ夜送にかゝる病み上り あつい恩一生ぬけぬ灸の跡 切艾ほくした売は獅子の襟 もつとりきみなと三升をすへてやり 灸の脊中を野る老のやふにふき 穴うらめしやと少将建て出 土左衛門の幽霊みんなふくれ面ら 韓信か人玉土をすつて飛ひ 頓死たと見えて人玉矢のことし 羽生村人玉ひよくり〳〵飛ひ 上戸の人玉やつたゝに跡を引 糸を引人玉納豆売たらふ 屁 尿瓶 人玉の尾からぬける首縊り 越後の国はふと魂はひは〳〵し。 一天四海無異とひるきりんの屁 燕の天窓へひゝく二階の屈 湯の中の屁玉領の下へ浮き 七曲の屁玉ひり出すとくろへひ 下女と屁の万決をする居候 すかし屈て百万遍の中たるみ かく鼻もこたへかねたり閻魔の屁 羊の屁たしかにきなつくさからふ 神農の屁は道修町通るやふ 只の風にはましならめ畠の屁 其時は五勝にまとふかけまの屁 汝等は何を笑ふと隠居の屁の居の居の居の人の酒の花の居の屁の人の鴨の居の居 互ひに貌を見合せてすかしたな 屁花をちゝしひり結ふ不礼講 ふとんの内のわるしやれは又すかし 屁をひつて居り角力は割になり 鼎より珍事尿瓶かぬけかぬる 一尿瓶御持参京の人長はなし 二便所雪隠の家根は大概への字形り てふと屁か出て咳はらひ止にする 九死一生雪いんか皆ゑへん 飛脚の長屎一里余もたれおくれ 柳も側にたれてゐる野雪いん 折悪く松明とほる野雪いん 心待下女出次第にたれてゐる 懸樋のはつれたやふに乳母たれる 運不つれこひたこの輪と御簾のひご 小町のてふず女の童立聞し 消熱散句類題集二編下巻 恋部 下紐の関守迷ふ恋の道 水鶏とはおもへと明る恋の響 昏捻の犬も凡悩の文の端 胸の火を一筆しめす硯水 目の毒と知つゝ見たき雪の肌 むねの火は耳から吹と顔へもえ ほころひて糸脈を引ふてひやつ 綿香も恋には尻をつねられる 女 いはすかたらす我心目て知らせ 物思ひよつほと聾しみて来る ほれたとは少しの事て言にくひ 先目と目夫からねと手口と口 したひから汗を流して口説てま 仕付能娘辻褄よくそろひ 伊勢屋の娘から木地て美しひ なふられて娘茶臺をなて廻し ほんのりと娘返事を顔へ出し 孝行な娘わか身をせんしさせ 一錺りやは娘のひいき知てゐる 借金の渕へ娘の人柱 鳶の子さらわれそふな器童なり 口とりの山葵もきひた娘ふん 蚊帳へ蚊を入る娘の髪の髪の髪の出来 雪空に高くとまつてる鳶の子 顔に火は燃れと娘にへきらす 足かまか路ふと娘の下駄を借り 大きにおせわ十六日とふしたへ 娘のかむり糸を引やつかあり したらくな帯は〆てのある娘 もふ娘いつか覚ゆるいく田流 娘の木そふ物んても口説ても 豆に花咲と小豆の飯を焚き 茶かへしのこひて娘はかこひもの 一縁遠さ桐のずひ迄広くなり 内曇りほとはかはらけはへかゝり 縫上をおろすと前かほころひる 親たちも引すり娘餅に搗 火の東娘地獄の責めに逢ひ はへかゝる豆のもやしに虫か付き 樟脳のなひ箱入にむしか付 硝子を小僧か割て疵に成り おちやつぴゝ付紐とれは帯を〆 其気さらになし伯父さんあれおよし 一諸肌おしぬき咽笛へはつちり 数寄屋から前土器のすく娘 魚口のゆるひ娘はさやはしり して見れは娘もいたしかゆしなり 不仕合箱の娘を駕籠に入れ 子息 娘の病気黒猫の椀のわけ 娘野暮兄の友達一人通り 饅頭を他人にやるはをしいもの さひおふの異見も息子馬の耳 はゝきゝをたまし花散る里へ行 日か入と子息かふもり着て出かけ かこて行むすこ親仁のかつき物 一かね知あつたまる気て息子よひ 一金ンを取手は番頭の助言なり 御宿はとふたちら〳〵と息子しやれ 首つたけはまつて息子およき出し 麦飯のとこつて息子喰ひ込み 硝子をもらつて子息だゝがやみ 親の目を盗んた子息鼻か落 銭のなひ息子近処かさしたらけ 帯代は追付しめる印なり 仲人 同ゝ暦学に達してる結納や 仲人は四海の浪をくつと呑み 硝子は嘘の見えすく仲人口 一橋かけの夫婦渡すを見てひらき 本 婚姻 高盛は家の根つきの二タ柱 白鷺か鴛鴦になる夜のはつかしさ 御祝義の跡か種蒔三番叟 婚姻にアヽイヽヲヽイヽと謡たひ 嫁雪をとれはあられを聟かとり われたのかお里へひゞく御目出たさ 新枕覚悟のまへをやつと明け 孝に身のやつれた嫁の美しさ 根引した松高砂の気に入らす 折霍の五臓へたらぬ嫁の息 鬼の留守嫁さころものせんたくし 左りから涼しい風も嫁の孝 朝顔を見てゐる貌へ嫁茶臺 風折に小柳て嫁なまめかし 月の帯花嫁雪の肌へしめ 親風を柳にうける嫁の孝 四角張り岩永てきく嫁の琴 移り香を胸にたゝんて嫁仕舞 かんにんの胸親になて子にさすり また見ぬ奥の花嫁を客覗き 酒の肴に嫁の出すふき茗荷 来た当座もしの出兼る花嫁子 姫の冷汗姑めの生た夢 姑死に嫁片腕を継だやふ 姑かやいて生物を嫁喰はす 嫁手柄月雪花を内て見せ 玉子を紅絹にくるんとく嫁の肱 三度わか身をかへり先て嫁支度 振袖を又着やふてはなけれとも あしな嫁息子も産は孫もうむ 向ひ風嫁合せても〳〵 嫁は気て喰てる箸の上おろし 一本店に引つりのある嫁をとり いふされて嫁蚊のすねのやふに疲 穴かしこ笑つて嫁はしかられる 価千金の花嫁しやれたもの 其当階朝寝のあとなふられる 峨眉をひそめて産月を嫁案し 行燈の無疵てゐるは嫁の疵 まんまつふ数へるやふに嫁は喰ひ 唐の嫁楊貴妃紅に越眉額 きれぬ鋏に客顔を嫁くすし 嫁病気そたろふといふ病ひなり 後ろ面ほと姿見に嫁身ふり みんな留守犬のつるむを始ながめ もめる筈紙子さはりのあらひ嫁 洗たゝのたかひは嫁の力もち かりて来ててふち〳〵を持指南 真裸顔の道具はよくそろひ 蛸壺といへは漁師の嫁わらひ 泣く嫁の側てたんすのもらひ泣 望まれて嫁あら撰を出してひき 庚申を嫁の聞のは耳にたち 嫁の年捨鐘ほどは空をつき 花嫁は口を莟にしてわらひ 山かなめ川かかみ付嫁なんき とんた嫁貞女を捨て孝を立 アヽアヽ〳〵も嫁は口の内 みとり子か出来ると嫁は夏柳 松茸の食傷をして嫁は吐き 聟 夫婦 八瀬の嫁首の骨から先見立 金かなけれはなんのひのふ暮の嫁 耳揃ふ金て聾の嫁をとり 暮の嫁鳴声鵺に似たりけり 御祭りに鼻て笛ふく持参嫁 暮によふ素鑓の鞘は白たゝき 身上の吸口に柚さらひ込み 支度金笑くほの外は無疵也 大丈夫智親船の揖をとり 徳むきと店ッさゝしを髪に入れ ふは付た娘に智の押かきゝ 朝帰り舞しはられぬ計りなり あらすりこ木といふ歌はめつたなし 智のへらほふわたくしかふきませふ 美しさしかられふりのイヽ女房 政子形さした女房は大あたま 置物にする女房は獅子ツ鼻 むつましい夫婦は膳てむしり合 下歯かすはつてくひちらかしか止み 水かけん亭主産処へきゝに来る 鍋の尻斗り焼てる中のよさ 附木ほともえて静まる夫婦中 わか内て亭主忍の術をする 移り香を女房むこく引ぶるひ 女房も今朝は火のしのあてこすり ひんとして女房戸口の錠をあけ やき餘て女房ふくれてあつくなり 鐘かゝ出たといふ面て女房やき 里の文女房目付て紙燭にし 社領持参て豈給ふ山の神 りんきのそれ矢戸障子へあたる也 手かさはり足かさはりて中直り 長刀へ鑓突かけてむつと組み 朝見れは枕へひかる指の跡 こふかへ〳〵と女房上てイヽ 扨其次の軽業は女房上へ 内てしたゝか仕なからと女房イヽ 生水をとり合夫婦中のよさ 月たから物むと女房手を合せ 女房の夜泣薬てなほつのり 西川信真筆誠 あの 鞘へ 爰の 大社 抜身 〽 ナア哢ア死ヌほといくと早桶や いく夜寝覚にアレサ又ほとゝきす とこをとふするか毎朝ちらし髪 心はやだけにはやれとも坊か寝す 女房の千秋楽は髪をなて 玉のこし親に逢れぬ疵か出来 龍門のふとんへ妾の滝登り 鯉を産んたて見様は瀧登り お妾は幟りを産て立られる お妾も尻のすはつた初のほり 草餅を産た妾は胸かやけ 妾か雛相馬内裡に殊ならす 試みの出来ぬ目見えの美しさ 茶にしても妾に解せぬ宇治拾遺 お妾の書物象牙の枝折也 百姓はやせる妾はふとるなり お妾は腹へ鉢巻してわきみ 妾の出世なけし迄手かとゝき 一妾は得かたきものと殿の御意 一妾の権万卒の歯はたゝす 殿のかへ鞘真白にぬりたてる 内証の冷て娘の寝小便 来る度に文の脈見る妾か里 玉子酒きみをふは〳〵妾持上け これも一芸相聞に泣き妾 御感なゝめならす妾の持上けやふ 囲はれの針は世間の口を縫ひ 別義ある囲ひ旦那を茶にしてる 長局 水牛紅閨と御局ひとり笑み 引出しに夫もこもれり長局 老人 紛失の品はいはれぬ長つほね 鼈甲の切れ味も湯にかけんあり 中のイヽ角つき合は長局 お局のあしは男々敷夜の友 一生奉公かゝとに蛸か出来 かゝとむ談口局うさはらし あつかんてくつとのほせる長局 毒と気の付たか年のより始め との貌もうるさかられる尚歯念 新造はなし聞あきる尚歯も 後家 玉子てもいけぬと隠居衆をとり 茶屋へ来ておへたと隠居くやしかり 隠居のは逆さに読と同ひ年 チト押かつよし梅干水を揚 張り合もなく提灯の肥後はぬけ 梅干は新造の咳にはき出され 人かゝもたきつた後家の茶せん髪 茶を立るほとも残さす思ひきり 一幟竿渡家は杖とも柱とも 染溜て〳〵と後家はおもへらく 訳ありて後家朝早く雪をはき 寺参り道をわすれて後家迷ひ 孝行な養子は後家を高まつら 持仏の障子立こめて後家承知 やにつこいやつ後家張て大はたき 魂棚の鼠若後家飛上り 仏より後家には施主かたんと付 若後家の便りに成てやりたかり 君ならは手鍋も上る筑摩後家 若後家のむしつ喰たか病ひ也 乳母 後家おもへらく香典のよこしやふ 後家の腰あんま気ばかりもんてゐる かたい後家たと馬鹿和尚土砂を懸 解せぬ事若後家指を五ツ折 一釜を買ふ茶筌茶旧て水こほし 樒筒を握つて後家の思ひきや 承知院ともいひそふなあたる後家 そんならの出る迄後家を口説付 十二流すふんさと後家のふとつ腹 人の己れを知らさるを後家うれひ 得手勝手後生の為之後家させる あの後家めイヤぬつたとは 今は心もみたれ候後家つくり 下る乳母昼寝の貌へいとまこひ 若殿の駕籠に御乳母は重い事 乳母か色豆てつほうてうたれてる 子供をは手に葉に遣ふ乳母か恋 浜松の生れて乳母は賞美され 大風の噂女護の乳母は待 三世相見れはお乳母は穴の熊 物喰も我為ならぬ御乳の人 乳母昼寐山伏ほゝの貝を出し 下女 張飛かあくひしたやふに乳母いたし 鏡山下女か忠義の天下一 天に口あり烏鳴さとる下女 段〳〵と葛籠の孕むかたい下女 天盃を下女もいたゞく宵節句 下女か恋いまた定まる殿もなし もむ足を艪にして下女は船をこき 下女か文おらんた文字を竪にふる 蜘か下りたら読よふか下女か文 皿を割下女早まつて欠落し 焼芋を温石にする下女か癪の 雪の朝雀のやふに下女ふくれ 下女のはれ奈良から墨の肌かすき ハイと下女たすきをくゝり〳〵出る 茶や辻はとの横丁ととんた下女 前たれは下女か、おいとの化粧かり 下皿の九年酒て下女夜なへ也 下女そゝう南無阿みた仏鍋の尻 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ との位から美人たと下女ましめ 満面に笑みをふくんて下女承知 荒神かたゝり三ツ子を下女孕み おかしさは下女も情を売気なり 御二男に下女初物を奉り 夜泣する下女股くらか飴の餅 おきあかれ下女ちり紙を口てとり 下女は袋に納つてアヽあつひ とろほふを又こさつたと下女おもひ 木挽の腰に余念なく下女みとれ 地にあらは家鴨の鳥と下女誓ひ 張形紛失下女を呼内吟味 子はやひか承知ならはと下女ぬかし いやならはいやといやれに下女へへへ 下女腹へ鉢巻をして大頭痛 とふしたか下女すり子木を塩みかき 傍若無人日這ひ来る下女かへや 鮫肌の下女け鞘に用ひられ 反つた胡瓜をつく〳〵と下女なかめ 下女か智恵糸こんにやくを指へまき 村のゑ 下女か文通す〳〵もはつて来な 女房はふさかり下女へ方をかへ 口説かれて唯〻諾〻と唐の下女 白酒といつて是非なく下女はなめ 旦那に紛無御座と下女か宿 上を学んて後家の下女所化にさせ 御内義の夜食すこふる下女らはひ 何より以て安ふ候下女承知 下女きいてゐて川柳はにくひねへ 麦の青葉に風あほる村出合 村出合小山田太郎見付出し 猪小屋へ間夫を引込村のぬれ 草刈笛て呼出す村の色 畑の中て種を蒔村出合 麦の蔭なとゝいろりへ書て見せ 簀の子のなるにこりはてゝ麦畠ケ 野の出合鴻雁つらを見たすなり 野の出合芋かり行て蛸を〆 まち〳〵と馬の見てゐる麦はたけ 麦畠そは切色をまくりあひ 蜜夫 去状 麦畠手杵と臼ととちくるひ 見付られ麦へとろゝをかけて水 麦畠猪の獅子武者に荒される 迷ふほとたかひに闇のみそか事 間男と知て合点の旅かへわ 彼人と亭主は夢にたも知らす 間若衆は尻か割ても高か知れ ぬひて逃ぬひて亭主か追かくる 金五両取るべらほふに出すたわけ 五両戸棚へ寐かしとく馬茗亭主 音高しおさわきあるなはイ五両 押入てきけは亭主と又はしめ 一分ためしのやつなれと五両とり 其五両にて前さしもふとひやつ 亭主となれ合八百て五両とり もや〳〵の関を通して五両とり 間男もしかかゝるとわるくしやれ 門の井を外から汲て内かもめ 唐やふの三行半は盆の水 一も二もないと三行半を書き 去状のそはてにこ〳〵数珠をくり 月の障 去状をいたゝいてとるにくらしさ 痳病の薬馬にも乗て見ろ ゑんかうへ手をもし亭主ひつかゝれ 月流 仲条は月を流して日を送り 穴釣りのやふに療治のさし薬 中条て鼻をならしてしかられる 売色 中条のはれにふんとし下女ねたり 鳳凰は首大尾は夜鷹なり 位には松姿なりは柳なり 籠を出る鳳凰桐の光なり 親の為我落にきと女即花 良雄と祐成忠孝の女郎買 道誓りきけは極楽西の方 りんきする腕に烟りの伊順山 待人にわんの卦狐ふさひてる 帯をときなんしこいつは夕たもの 北国のあみ陰御光を質に置き 恋々たらす新造も間夫狂ひ 船底の枕て客の揖をとり 信州信州 □□□□□□ 宝の山を ふり むかぬ 廓の紙 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ もてたむくひて身上かもてぬ也 早ひ事みとりか松の太夫職 とふしても目の寄る店の玉そろひ こんな腰ありと出口に植てあり 彼面此面に気の迷ふ格子先 吉原の松は荒神さまきらひ 千人の枕ににくひ一字命 命へ灸は虫の根を切る仕かけ 瓜の火はしめしらゝかし 祇園町ても御登りに鉾を立 比丘尼ても居そふ墨後猿木町 一体物の奉公は屎瓶の屎瓶の屎瓶の気 川竹の藪にも孝のものかあり かんさしの足くたひれる紋日前 ほれやふの振袖をする姉女郎 父母は只病を患ふ安遊ひ 色客の翌日おはゝろか舌へしみ 曽根崎新地天神の流れも出 巻紙も痩る苦界の紋日到 領城は仏と見ると拝みんす 物くるはしく候そ紋日前 一札て借さんらしとて金か出来 証文て借りては文へ金を借し 女房はお釜とおもふ海み介 漂泊の女郎を寄せる帆立貝 いたくなひ腹さくらせる一回白さ との吹か本の亭主になるたろふ 分散のもとは四角な玉子より ひまな事茶挽の貌も極梅ひ しやちこはる傾城佐渡の土砂を掛 茶を二つ持て寐に来るむまひやつ 年明はうらと見し世を恋しかり 寐て果報松の位に新造なり 水にする起請もかたひ帋へ書さ 別れの脊中約束をたゝき込み 席正しからす引四ッ近き店 江戸ツ子の胆鳳凰のゑしき也 暮の文ほしこと留ぬはかりなり 歯を染てやるは実盛ほとの客 身替りのちつとも似ぬは女期なり 年明はたしからをくふゆふなもの 七重八重着るはつ花の廓也 片腕になる客人は手なしなり にくふさんすとつめられる面白さ 只一人茶と三味せんを引てゐる ぬしの子てさんすか産せなんすかへ 硝子を買てほこんと穴かあき 新造のりんき片鬢引へかし 新造はしひり薬を含んたやふ 新造のわる留人歯引たくり 丸山の新子唐饅頭のやふ 丸山へから撫子の種もまき 飯盛も陣屋位はかたむける 喰ひかねる親て娘かめしを盛り 京は君嫁は大坂に江戸は鷹 龍宮の夜鷹は毘布をかゝへて出 夜鷹のしれは鼻塚を築く処 夜鷹の尻と白玉は寒さらし こふしほとあるて夜鷹をのり出させ 安ひもの四はひの蛸に買あたり 芸者 秀 黒鴨に羽合をする松の鷹 ころひ疵乳か紫色になり 安藝の撥まて悪くすれたやつ 足書を弱く芸者の母そたて ぬからぬ藝者足本を見てころひ 藝等御覧に入まして扨ころひ ころんたかしてへん〳〵の音かやみ 世を捨た如くに藝者世帯持チ ころふのは蜜事引のは四ツ乳也 客よりは先へ来てゐる安芸者 孝行にしなと新造いやかゝせ 麗小便禿布とんの堺論 サア寝やといはれて禿よみかへり 禿か返事斎篥の調子なり はき寄せるやふに禿を寝せて置 早打の禿アノねて息をきり アヽイヽといゝ細殿を女の童 くすくると禿丸めたやふになり なきにしもあらす禿にしてそたて あゝらやふかましく禿耳に口 旅売色 せめてもと禿を寐さす精進日 一四筋をかちり給ひねと下のつ笑 割床を几帳て仕切る下の冥 下の実刀自に恐れる女の童 下の関疳積て含む冷九献 むくつけき男はいやと下の事 催馬樂て格子をそゝる下の関 平のめし盛といひそふな下の異 新渡の風丸山て背負て来る 通辞益帯丸山の若ひもの 南頭 遣り手 細い音は糸ふとい音はねたり事 あの藝者人魚を喰たかも知れす 丸山の藝者ラツハもすこかちり 山明は花の王さと太鼓物 くれるかと思へは鼻をちんとかみ 脈のある内は太鼓も見放さす 何処となくにくい姿をやり手もち きせる片手に膝立てやり手にち 鳳凰の羽虫を遣り手といて捨 月の廓一歩はにくい姥へ捨て 籠よりも鑓の一歩は高いもの 子のうちは遣り手も親の秘蔵也 四念目は遣り手やつはりこはひ貌 遣り手とは仮りの名実はもらひてへ ふられ客人品骨柄あつはれな夜具の番 通言浅黄 コヤ喜介身は頼兼に似ておるか 孤灯に向ひ沈吟す浅黄寒 御用状相済まては身共寐ぬ 似けなきは武士の弓手にかくし銘 尻を抱き身か武士道か立へきか 朝帰り 積を押とは過言なり身共武士 おれる斗りに女郎老またうせす 思へはあの鐘うらめしやまたうせす 振袖の宅番の来るけちなはん しそふをさとり名代もより付す 名代よ我もさひしいかとつか行 時は今一歩すてたか床の番 狛犬をかんしたやふなけちな晩 朝かへり先は珍重親父留守 朝かへり段〳〵内かをくなり 素見 我内へ間者を入る朝かへり 朝かへりたのみに思ふ母は積 母も味方に付兼る昼帰り 朝かへり親仁閻魔にカヽア思 我内へ傍若無人四ツ手駕こ コハ不狩麻上下て朝帰り 十五城ものたと素見学者なり 油へらしかまた居ると素見イヽ ふら〳〵とひやふたん町へ素見来る 文使噌をたはねて脊負て行文使 鬼こもる廓から千の矢文也 文使腮の下かゝちらつかせ 御先真ツ白土手を行雪の駕こ 船駕籠 石川流にかつき行戻り駕籠 雨中の会ねだりこと法に過き 尋てるだらふと駕こや舞を吸ひ 女房のおこつた夢を猪牙で見る 猪牙船は行ゑも知れた恋の道 何処碇をおろそふと猪牙ていひ 行か者は昼夜を捨す船と駕こ 中宿中宿の火のしは化の皮へあて 中宿の嚊アおとけて脈を見せ 男色 菊座とは慈童の時に言はしめ あんまりな嘘はかけまのよかりやふ ひわくとするは小姓の新まくら 地釜好屎のにへたも知らぬやつ かけまと逃て尻を喰ふ屎たはけ 尻のつまゝぬ年明は野郡なり ふり付たかけま後ろは見せぬ也 後家出家かけま前後に敵を請 夜這 房中 そも〳〵夜這のはしまりは三輪の神 大和巡りの留守へ来る三輪の神 二の膝をふんて夜這はにへきらす 脊虫の夜這いかみ合ふ猫のやふ 三声おこして身退き下女へ這ひ おやかして居たて戸まとひに立す たんまりの幕は三助下女旦那 浮橋は日本国をよせはしめ 眉墨の皺御喜悦の最中也 蚊の焼打か合戦のきさし也 咄々致墨 □□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… アレ サノ モウ 牛の CONCOT 三 文字 ゆかみ 文字 四百余抄かよりますと貴妃喜悦 茶の時は亭主の釜へにへこほれ 行そ行ますと呂の音律の音 宇田源氏哥々妙々の薬也 きん玉へはめて見たひは肥後ふくへ 戦の為に毛鼠放火され よつひと夜片寐してゐる面白さ 女のよれる黒髪は味か妙 その為曲とり明日芝居なり 其時は鳩福口かときかね その時佐々木大音を女郎上け おきをしたかろふと思ふイヽ女 なめくし弐本もてあます間のわるさ カノ蛸に越中肥後を吸とゝれ ヨクイキヤスは四ツ目やふてふ也 たのまれて来たといはねは買にくし 何につけかにつけひまな福の穴 彼薬女房九双倍よかり 狐火を見よふか獅子に化よふか 牡丹餅も鰒もひたるきまきれ食 山伏をいちらせとつこ握らせる 足の指一束にをる気味のよさ 薬研形しても薬な物てなし 数の子もはらゝ子もあるなまくさみ なてゝ見る綿にさねある肉蒲団 初陣はたゝかふまへに武者ふるひ 身ふたつを骨もひとつに鴨の味 女人成仏すいきのなみたこほしてる 浮橋にアゝまたいくよふたはしら 太平さこのよろひかた兜形 神祇部 伊勢かんなかく国に白木の宮はしら 人間の洗濯をする五十鈴川 天下晴ての欠落は神路山 坊主化して本田と成る神路山 大々の鯰二見のやふに盛り 弁当は先へ二見へやてかんせ 日光 玉くしけふたあら山に神の号 ”有かたさうらみるものは瀧はかり 住鳥も神画に叶ふ慈悲の声 住吉 下野に日の山出羽に月の山 広からしさへも紫衣着る御霊山 漁父木樵深き神慮の底筒雄 置霜の神はおとしもつもり浦 神詠はいはほ楽て歯もたゝす 四角な文字を削らるゝかんなもし 住よして音にきこえた太鼓橋 浦浪の左右夜の哥朝の哥 和歌三神 和歌の神山といふ字の御姿 東世まて消ぬは和歌の霜と霧 菅廂 真中は若め左右はぼし大根 左右衛門左右衛門真中かすきとゆり 非情すら君へ誠をつくし瀉 天神へ先備たき自在餅 やとり木のやふに自在の御誕生 知らぬ火の配処わひしき自在鍵 都の空に墨を引く御神恨 筑紫ても梅干親仁御気に入 福塚を築へきほとの御欝憤 一鳥の伝か神代の祭り初め あれさもふ気も鶺鴒と詔り 女神にをしへ申たは土龍 笛の音に松風さそふ宮神楽 とんつくな奴か神楽の太鼓もち 折節は神馬も神楽太鼓打 かくら堂一寸と一ねれ十二文 貌はかり心に見ゆる梓弓 神祇雑 梓弓書置出して引くらへ 神道者身にぼろ〳〵の不浄を着 屁をひりに家根からおりる宮普請 釈教部 釈尊釈尊は絞りはなしの置頭巾 十悪も五逆もすくふイヽ釈氏 唐卵夫人 初狩逸といひたき時分御誕生 御名か摩耶ゆへ嘘つきを雇給ひ 耶瑜陀羅女 まや夫人ソリや御虫気と茶をわかし 身柱て虫のかふり出す摩耶夫人 アレサモウ涅盤に入とやしゆたと女 阿弥陀如来 弥陀如来額へさくり附たまひ 守屋には餅をつかせて臼の上 難波池閻浮だごんの如左衛門 御詠歌を琵琶に合せる竹生しま 如意輪は虫歯の痛ひやぶに見へ ひんつるの気はもてないと地蔵い馬 無理な殿地蔵はしはりからけられ 大佛木やりにて蓬の葉くのる大仏 大仏にこいつかあらはとふたろふ 蜂か巣をかける二王の鼻の下 長しけに二王の力ほろり落 鬼子女神子計りて亭主の知れぬ鬼子母神 ひんつるひんつるは凡悩置て木目か本 ひんつるもそこは御免と押へて侍 サア悟りぬいたと達磨いさり出し 達摩忌に枯芦いける庵の床 米よりも胸をしらけて知識なり 祖師に成つたを糠買もあきれ早 聖徳大子厩から和に仏道をつなきとめ さしかねて守屋のひすみ御直し 芋は石字は和らかに書残し 渡天から空海とんた処を掘り 良弁善知識普く諸経良く弁し 良弁僧都尿瓶かと屎たわけ 性空硯から悟つて書写を御建立 志賀僧老僧も恋慕に志賀をかくし兼 非殿司仏画師の名誉を残す絵の具谷 慈鎮松にしくれのうたかひは雪て解ケ 遍照落馬にもこわす少女をとめたかり 腰折哥を詠せては女郎花 名歌ゆへ一戒やふる秋の風 白河の関を窓から覗ひてる 文覚盛壷か凡悩は是即菩提 恋て世を捨荒行て世にひゝき 北面を捨ててに葉を拾ふなり 家の棟の縄西行の気にくはひ 礼はの中を寂滅のをしへなり 一休の年玉よほと酒落たみの 一休の風地蔵の面らを這ひ とんた坊主たと地蔵洗ッてる 一ト休み烟草はいかに新左衛門 兼て好ゆゑ色文も上手なり 益好か新道ひらくしのふ山 沢庵 其後は浅漬和尚斗り出来 沢巷の近処浅野家功のもの 髪と髪髪を剃らせる恐ろしさ 桜て悟り繁氏は吉野越へ 仏法の棟梁株は天王寺 未来記は現世に深きはかり事 真黒に成ツて仏も御味方 釣鐘のあつさに扇つかはれる 実に花も吉祥閣を仰き咲 一門徒宗 法華宗 僧 花見つれ文殊楼から智恵を出し 御再建他力は弥陀の本願寺 東西の外は一向かたむかす イヽ宗旨酒と肴て穴かしこ 片くはねはん門徒の長まくら 祖師の徳波にも残る筆の跡 時計かとおもへは法華坊主なり かむるとは筑摩祭りのやふな僧 ありなしの苦を離れ家の墨衣 墨満の行脚筆まて坊主也 尾 座禅の膝をおつ崩す蚊の力 賀の祝ひ目出たく無いと寺て言く 掃溜て和尚のあゝを見付られ 女にはきゝはれ衿は早くきれ 医者も古句と宗匠に化て行 一戒はとふもと明化の正直さ 真言も囲て置は秘蜜なり 折ふしは畳をたゝく常念仏 坊主の鼻血ヤレ毛抜〳〵 和尚小声て此返吐は御内々 茅町の釜へふち込御鉢米 一月寺小僧尺七ほとは吹き 百月月二月二月七日這出され 南無仏と異香薫する仏の屁 殊勝けに見ゆる和尚の皮かむり 仮名美くしき尼寺の法度書き 仮名書の経も尼寺読誦する 数珠袋昔引かれた袖の端 おはつかしそふに尼寺入院なり 笑ふ歯にむかしの残る俄尼 十人 順礼 二人組斗り尼寺頼んてる 柄の長ひ傘住よしの坊主持 破れ衣てけさほとのはんしもの 負づるを蜜柑て着そめ柿てぬき 御詠哥て子を寐せ付る木賃宿 そも〳〵六部の始まりは本田氏 六部 負仏は六十四州跡しさり 六部の笠は肩入のまはりむく 血気の六部ふせ鉦をはね返し 仏罰を恐れて六部屁をひらす 元祖栖井川柳翁辞世 風のあとて芽をふく川柳 返加 八重かきの外に繁りし川柳 ○ 祝言 邯鄲は物かは御代の高枕の 東都四代目川柳翁風梳庵社中 素行堂松鱸漫撰 花笠外史双枕閲 一九ト 目初酒公一 全部 俳諧武玉川 十八分 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はいかい金砂子 一全部二冊 初編全部三冊 一滑稽発句類題集 二編全部三冊 10197 誹風柳蔭 自初編 玉土二十編 一全部二十冊 宝暦時代より諸名家の言捨給ひし秀逸の句を おほくあつめて巻のついて二十冊の全壁となせり 一素行堂宗匠判 牡勺むめ粉 初編壱冊 嗣編近刻 東都のやなき樽に口を付て浪花の水にかもし たる富士見酒にしてあちはひうまくきる者よたれを流せり一