妙術博物筌後篇 15巻

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不明
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場所: 大坂
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不明
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日本語
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吉文字屋市左衞門
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ミョウジュツハクブツセンコウヘン
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
製法して一日に二三度づゝ白湯にて呑てよしいかやう のたんせき喘息たんきれかね声いでさるに甚 きめうなり 一痰切に梨の水を用てよし 但梨水とりやう 上の六丁目に有 一痰を消には猪膽白湯にて用て気をひらきよし 〖療薬一痰切には丸めろ砂糖に漬用ゆれば声一によし ○染物の色合之法 一/駕茶染茶をををに染て其上を茶汁を茶汁に 墨少々入一へん染次にかりやすをせんじ汁にて二へん 染上のとめには明礬一両水にかきたて染るなり 一色茶染かりやす一把せんじつばきの灰汁をせん じ石灰茶一ふくほど入絹にてももめんにても染付 申候青みをいだしたくばから竹の葉茶の生葉を せんじ上を染むべし 一黄唐茶染楊梅皮に石灰少し入二へん染 上げ明礬壱両水にかきませ染てよし 一新斎茶染下地を花色其上を楊梅皮にて 二へん染上のとめには椿の出しかね少し水にかき 立染てよし 一あいとの茶染下地を浅黄染次にもゝ皮の汁二へん 染上のとめは明礬一両出しがね少し水にてかきまぜ 染てよし 一相伝唐茶染楊梅皮に梅汁二分苗の汁三分 入いづれもひとつにあわせ三べん染上のとめは出し がね少し明礬水にてかき立染てよし 一/梹榔子染榔子染上を花色に染上をふしのこさ くろの皮少し合煎じ四へん染上とめには明礬 壹両出しかね少し水にかきたて染てよし 一紫染下地浅黄染其次にあかねに石灰少し水に てかきまぜ出しがね少し入三べん染其上をむしや しやきのあくをこくいだし一へん染てよし 一柿色染梅汁にもゝがりの汁を入二へん染て 上は其汁明礬再入染てよし 一河原すゝ竹染玉子邑の土滑石等分をすり くだき水にてのばし二へんほど染てよし 一濃すゝ竹染木ぶしをこくとき枳殻くろ少し 入染てよし 一鼠すゝ竹染大豆のごうの汁木ふし黒少し 入二へん染て加減よし 一茶すゝ竹染滑石あいこくとき延てもゝがわ の汁にふのり一枚入三べんほど染てよし 一藤すゝ竹染大豆のごの汁に生膿脂一枚入 二へん染上のとめにはむしやしやけのあくを二へん 引てよし 一吉岡染下地を花色にしてそのうへをもゝ 皮にて四へん染上のとめには出がねにて染てよし 一ひわ茶染下地浅黄にして次は苅やすにて二へん 染上のとめには明礬一両水にてかき立染てよし 一こゐ鼠染下地浅黄に染て其上ごの汁にて墨 少し入ふのり一枚入染てよし 一しゆす茶染もゝ皮と苅やすとせんじ此二品 今二へん染上のとめには明礬一両出がね水にかき まぜ染てよし ◯猫の咬たるを治する方 一ねこのかみたるには麝香を粉にして唾にてぬり つければ早速になをることめうなり ○癜治する法 一蛇脱を焼醋にてつけよし 又紫癩は硫黄を酢にて煮と茄子のへたに 浸して頻につけてよし 又蛇脱を水にてつねごとくせんじ洗ひてもよし 一白癜は肉桂を末となして唾にて付てよし ○乱気を治する方 一虚症の男女気みだれたるときは両足の大指 肉と爪とのはへぎはに灸一日に三壮づゝすへてよし 但し両足に六ツも七ツもすへてよし 南の方に向てすゆべし不浄の女月水其外けが れを忌万事清めてすゆるなり虚勞上氣頭 痛目のかすみ瘧疾に用て甚めうなり 又法 一男女とも浮気にて俄に狂気したるときは図のご とく 右足 左足 かくのごとく肉と爪と両方かけ両方の 大指のふちへ灸すゆるなり但し右両足一所にして 得とひらかざるやうにくりしめ足の大ゆびと肉と 爪とのあいだ両指筋にかゝりたる所へ少し大きにし て灸すゆべし一廻り日数七日一日灸三壮づゝ なりさて此灸すゆるときは不浄をあらため月水 などある女子近所にこれなきやうに万事けがれ のものをあらため病人を南の方へむけて灸すべし ○虫喰歯を治する方 一むしくい歯にて難義なるときは天南星を粉にし て大根のしぼり汁にて一滴のべていたむ方の耳へ いるればたちまちいたみやむ若又両方ながらいたむ ときは両方の耳へいるゝなり ○同まじなひの法 一芹白根を去一握甘草少つねのごとく茶碗に水一 盃半入一盃にせんじあけ口中にふくみてよし 又伊勢白粉にんにく二味をしゞめ貝に一杯に 入手の大指手くびの間の陥中の此所へ指 をそらせばくぼみできる處へ右の貝をおしつけお き上を紙にてなりとももめんのきれにてなりとも よくくゝりおけばなをることめうなり但しむし喰歯 ひだりならば右右ならば。左両方ならば両方とも くゝりつけてよし 打身の治する方 一盆にすはり候さしさばの頭を黒焼にして寝し なに酒にて呑臥候へばなをることき□□なり 外即餅造る法 一粳八合糯一合半/葛半合一石にまぜて粉にして粉にして粉にして粉にて粉にまぜて粉にして粉にして粉にててててててててしてててててく 別に黒砂糖一斤半水七合にして煎じ布の袋 にてこし其汁にて浸蒸なり甑に湯気をまはし おき右のもちを置なり ○一角見やうの法 一うにかうるの目利するは角一角にて象牙に似て左 巻のものなりたとへば元結をだん〴〵巻候やうに巻 筋つゞきあるなり給ふかくのごとくつゞくなりかくの ごとくならざるものは真にあらずいろは象牙よりきばみ あり切口にすあり但し皮と身へだてあり皮は黄也 身は白きものなり功能第一毒けし疱瘡山あ げざるにめうなり其外諸毒虫のさしたるに妙也 の み み ○打身の名方 一小松の青葉木ともに四五寸に切せんじたび〳〵用ゆ 筋骨早束やわらぎ痛なをることめうなり ○魚の毒を消す法 一橄欖魚にあたりたる人に用ひて効あり唐にて は舟の梶につくる木なり渡海するに船とふりたる 時に海中毒魚のたぐひ若是にかゝりゆきあたれば 魚消うせるとなり ○魚鳥の骨肉にたちたちたちたる法 一骨肉に立たるときは梅干を煮たゞらし其汁にて 象牙の粉をねりてあつく付てよし ○喉に物のたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちたちた 一喉になにてもたちたるときは宿砂大甘草 ̄ケ 此二味を煎じ用ゆればとげぬけることめうなり 一喉にこひできたるにはほうせん花の實をのみて よし甚治することめうなり 一喉腫痛時は糸瓜の霜を酒にて用ひてよし 若酒きらひならば白湯にてもよし但し黒焼に するには土器を二つ合せ中へへちまを入れ生土 にてとくとくとくとくとぬり堅め火にかけて焼なり ○喉へ餅つまりたるを治す法 一喉へ餅つまりたるときは其まゝ生の牛房をよく あらひ其ごぼうにて喉へ突こし候へは早速にのどへ とふることめうなりいつにても餅たべ候ときは用心 に牛房を近所におきてよしもち搗にぜんざい をいはひ候にかならずたゝき牛房を用ゆるはこの いはれなるべし ○喉に骨だちたちだちたちたる法 一喉にほねたちたる時はくすりにてもぬけず其た ちたる物みへ候へば糸をする〳〵にして其糸へ筆 の管を一二ぶつゝに切○廿月日もしかくのこどく さして先輪骨にはさみじくをひきしめらへは自由に なるなり其時ひきしめぬきてよし 猿猴のつまりを治する法 一物を食するときのどへつまり難義なるとき塩を 少し箸につけなめてよしつね食のつまる性 にはかならず食物の節膽に少々塩を用意してよし ○女の月水とゞこほりを治する法 一女中の月のものとゞこほり候ときは唐胡麻を一味 細末して足の裏にはりおき候へば早速くだること妙也 ○同月水のばす法 二唐胡麻細末して頭百会にはりおくときはいつまでも 月水のびることめうなり右のくすりはりおく間はいつ迄も のびる又とりすて候へは其まゝ月水くだるなり但しいせ 参宮又旅行に用ひてよし ○瘧の咒法 一一葉の落るは舟のおこりかな何べんも書其上へは 書〳〵〳〵御狩にいたしおき候て朝人のいまだくまざる 井の水にていたゞかせ候へばおちることめうなり 同咒法 一虫一/一/一/紙に書付朝早天に書付朝/早天に あびらうんけんそはかと三篇唱へのみてよし 又方白木槿の葉をせんじのみてもよし ○薬湯の法 一艾葉十匁肝木十匁此二味を釜にて袋へ入 よくぜんいだし居風呂に仕かけ痛所を洗ひてよし 功能は第一打身女の帯下男の疝気其外男 女とも腰膝の痛むにはなはだめうなり ○葛籠子張る糊の法 一わらびの粉廿五匁しやうふ五匁生海中がさに三杯 水中がされ□此四味をよくすりたておきたき候但し 右の水はさましおきすりばちをあらひてよし又はり ものに虫のいらざるやうには右の水黄栢をせんじ いだし水にてねりよきほどに見合こしらへつかへば はなはだよし ○官女の絵眉墨入やう 一/官女絵袋は猪口にても又/蛤貝にてもともともし火 のかゞりをうつし此かゞりのうつりし油煙を筆にて ぼんぼりとつけて甚よし ○菌子の毒を治す法 一松茸其外何にても菌子の毒にあたりたるとき はさつそく地をほりくぼめ其中へ水をざんぶとおり 入泥をかきまぜおきしばらくして湿のしづまるをま ちて此うは水を茶碗に一杯呑すれば即時げする ことめうなり ○湯火傷を治する法 一柏真を生にてすりつぶしてすりつぶして其/汁をつけて其/汁をつけてすりつぶして其汁をつけて其 まゝなをることめうなり ○同法 一南天蜀の葉をすり菱の汁にて付てよし 六十六 ○やけどの名方 一やけどしたるときさつそく白砂糖を水にてとき 其上へ一面に付置候てつきぎれか紙にてよく包 をき候へは一夜のうちに治することめうなり ○粮羹のつくりやう 一羊かん餅の法は赤小豆をにて皮をさり水をしぼり 粉になし小麥の粉をまぜ白砂糖をせんじ其汁にて こねまぜ甑にてむし上るなり色白きは大白きは大白のたう用 黒は鍋炭を入てよし其外いろは好次第にすべし ○眉の毛はやす法 一眉毛のうすきはあつくしはげたるははやすには石 仏にある苔を黒焼にして髪の油にてねり付てよし ○饅頭つくる法 一まんぢうこしらゆるには醴酒にて小麦の粉をこね中 へ餡をつゝみ焙籠にもりあたゝむれば肥能を貯ふ たゝびむし成なり但しあまざけの仕用はもちごめ 一升めしにたき別に類に類に麹二合水一升五合にてあらひ 花ばかりとりて其水へ右の飯を漬一夜ねさして あまざけとなるなり此あま酒すいのふにてこしかすを さり小麦のこをこね用ゆるなり餡の仕用はあづき 六十七 ヒヤン 水にゝて能たきつぶしこね布ぎれにてこしあづきの かわをさり大白の砂糖を随分たくさんにいるゝほど上々 のまんぢうになるなりいろは何にても好次第にすべし 前陰に蚤わきたるを治する法 一前陰にしらみわきたるにはあくけつよきたはごを 湯にぬらしすりつくるときはしらみくれないに成て 死するなり又小児の睾丸はれ痛には天瓜粉には天瓜粉には天瓜粉になれ 甘草一匁五トよく〳〵せんじ少し入て呑てよし 髪のはゑざるをはやす法 一かみの毛ぬけてはゑざるときは半夏一味細末して つくればさつそくかみはゆること甚めうなり ○獣のかみたるを治する法 一鯨糞本名伝授事実はくじらのたけりのことなり糞は非なり 右さつそくにつけてよし犬猫馬牛其外のけだもの 毒蟲のかみたるに付て甚めうなり ○下疳の治する法 一下疳便毒楊梅瘡なをしたきときは 竜脳木通当飯車前子延胡索 沢潟梔子熟地黄黄芩金銀花 知母香蘭白扁豆茴香乳香 甘草此十六味常のごとくせんじ用ひてよし 同法 一下疳瘡骨痛を治するには敗毒散 羌活独活柴胡前胡枳売川弓 一桔茯苓人参久参冬甘草 右に黄連に黄芩が加味して日数五六十日服用す れは甚よし若虚弱の人補益にもよし 雛頭の花つくりやう 一鶏頭の花つくりやうに鎗鶏頭につくりたき時は たねを手につまみて蒔べし又平雛頭につくり たきときはたねを木ともに右の手に持左りの手の 平にてたゝきまき蒔てよし又白たね赤たね其 外黄紫にても手のうちにてよくもみまぜまくときは いろ〳〵の嶋鷄頭になるなりこの理をもつて鳳仙花 朝貌にてもいろ〳〵になるなり ○蚰蜒をのぞく法 一端午の日五月五日也滑の字を書て家四方の柱には りおけばげじ〴〵いでざることめうなり ○婦人産後の法 一産後長血をなをすには烏梅五ト地黄一匁 六十九専家宝巻之中 続断一匁人参同川芎同当飯同雄黄同妙 右七味をあつきさゆにふりいだし用てあとつねのごとく せんじ呑てよし ○婦人熱風気を治する法 一熱風気にて惣身しびれいたみほつぱんのごとく にわづらふときは葛根升麻芍薬甘草 いづゝつねごとくせんじ用ひてよし ○同腰気を治する法 一婦人腰気にて足腰痛には和の牛膝を用てよし 唐薬はあしゝ和国の薬大効あり ◯腹中の瀉りを治する法 一腹の瀉渋滞赤はらにていたむときは胃苓湯 蒼朮陳皮厚朴夫芩白芒猪苓 各等分 澤瀉芍薬黄連甘草各等分木香 加味して用て甚めうなり ○同とむる名方 一腹くだるをとむには梹榔子炒て用ゆるくだゆりとま ることめうなり又生にて用ゆればくだるなり又芥子 がらを甘草のせんじ汁にて製し右の薬を服用す ればさつそくとまるなり時節を見合せて用ゆべし ○麩のつくりやう 一小麦を磨臼にてよくひき滓をともに水に和し てしほ少ばかり入桶にてかきまぜ足にてふむこと数 百へんしてかすをとりさればすなはち麩となるなり 是を丸くし又は竹を簾のごとくにあみ塩をふり其 上麩をのべ包にてゆにてにれば苞ぶ或は鳴戸ぶ其 外しな〴〵仕やう次第になるなり ○口中含ぐすりの方 黒やきにして一匁秋の 一口中はれいたみできものあるときあかざ 実のりたる節来 ともに其 まゝやくなり 桔梗五分甘草同右三味細末しふくみてよし ○同方 一滑石六分甘草二味細末してさゆにて用てよし ○同ふくみ水の法 一辰砂二分滑石大分甘草一分此三味能細末して 白湯にて用ゆれば口中の痛に甚効あり 又夏水にかきたて呑ば暑熱をさりすゞしく なることめうなり ○口中気歯の痛を治する法 一気つかへにて歯牙のいたむには木ふし茶ひはつ。 干山椒/右三味調合し水茶碗に一杯半入て 一杯にせんじ口中へふくみて甚よし腹中へ入ても くるゝからず跡を呑てもよし ○又法 一蒲黄香附子塩少しが此三味をつねの ごとくにせんじふくみて歯のいたむに甚よし ○転筋を治する法 一こふらがへりしたるときは男は陰茎をひくべし 女子は両方の乳を左右へひけばさつそく治する ことはなはだめうなり ○痿瘤をおとす法 一こぶおとしたきときは荒花根を石臼にて よくつき汁をとり糸を半日 ̄ノ又は一夜ひたして 瘤をつなぎおけば一夜すぎておつるなりもし しるしなくば一両度も糸をとりかへつなぐべし おつることめうなりさてこぶおちたるあとへ龍骨 詞子等分粉にして付てよし又馬歯筧焼灰末 //脂脂付て甚めうなり ◯喉痺の治する法 一俄に喉ふさがりしときは酒に塩を加へて口中にふく み少しづゝ飲ば敗れずしてはれ次第に減速にいゆ ○同秘方 一喉腫唾ものめざるに赤蜻蛉のめざるに赤蜻蛉のめべし蜻蛉のめざるに赤蜻蛉のめざるにて吹込べし ○同法 一喉になにもなくいぼいでたるに鳳仙花の実 をのみてよし ○同喉に食つまりたるを治する法 一飯を食するときのんどつまりなんきなるときは 塩を少し箸につけなめてよくとふるなり常に早 ぐひのとき度々つまることある時はかねて膳に塩 すこし付置てよし 〇 ○五疳一本針の傳 一小児五疳のうち何にてもなをさんとおもふ時は 脊中の大骨上より七ツ目の下八ツ目の上との間の 疳兪此処に両方へ一寸五分づゝの処へ針をして 血をいだすべし又同く九ツより十をの間脾餓 なり筋違の灸点なり ○蒟蒻餅つくる法 一七八月根をとりて晒乾外の皮皺になる時水少 し入能煮随分よくにたるを取いだし竹べらにて かわを剃春つきつぶし桶に入水多くいれかきま ぜしろ水のごとくになしいさせおきて上のすみたる 水を捨底に残りたる糊を再春つき随分ね ばき糊となるなり別に真の石灰を右ののり 五升に一合和して蒟蒻の形をこしらへて又熱 湯一斗に石灰一合入よく煮たゝせ置て煮すなはち うやむものよきなり ○繪の具之法 一絵の具彩色は五色をもとゝす彼と是と合して 諸の色をいだす其大法をこゝに畧す 一浅黄はこぶんにあいろうを合一紫はあいらうと 生膿脂を合一藤琶はあいろうとこぶんしやうゑん じとを合一黄土を火にてやき赤みをいだし 松のみきの彩色に用ひ甚よし ○癲癇を治する法 一てんかんおこらざるときに養生れために一廻り二廻り 或三十日ほど毎日天南星搬撹山査子格 各等 細末して白湯にかきたて用ゆれば一ヶ年すぎて 大効あり一生やまひの根をきる大秘方也秘すべし ○同灸治の方 一伏白 男は左 女は右 但し肩の上付根前の皺のとまりなり 此ところの穴所へ灸すべし大秘方なり ○垢切を治する法 一あかきれ又はうち身にホルトガルの油一味 わたにしたし布ぎれに包○これぼとにして置痛 所へたび〳〵付てよし一両日の内に治することめう也 油紙の仕やう 一油紙留油のねりやうはゑごま五合につた草 一両 てつのやすりくずの事 丹かけ目 壱匁七八分 右の油よく火にかけせんし五合の四合になるほどに せんじつめ油のあわ消候ときしきみの葉少し入よく ぼり〳〵とおれるとき火をひき候て油紙へ引べし 又右のあぶらかたくせんじつめ五七日もおき候へば うるしのかわりになるなり ○同法 卅目金くそのこと也 一ゑごまの油一升密陀草 細末にして 右二味調合し油九合になるまでせんじつめ密陀 艸を布ぎれに包入又右九合油八合にせんじつめ 少し置候へはうるしになるなり是を紙にひき候へば 至極よき油紙になるなり久しくおき候へは用にたゝず かたくなる所はうるみといふなりつかひ候ときは色は なにゝても合せもの次第になるなり ○油のつきたるをおとす法 一油の付たる所へ小麦の粉を水にてとき上へあつく すりつけ一夜/置候て其翌日ふるひおとし候へは能 おつることめうなり ○同法 一あぶらの付たる所へ火のしにてよくあたゝめ上へ天花粉 を細末してかくればおつる事めうなり ○赤味噌作りやう 一赤味噌又は玉味噌ともいふ大豆なるほどよくに やし丸の豆なきやうによくつき玉にして縄を通し 天井へつり置日数四十六七日/斗よくからして日数 すぎ候とき臼にてよくつき細かにして大豆の粉七升 塩一升水一升九合ゟ二升此わりにていかぼどにても能かきま せ仕込しなに桶の底へぬかをしき塩二合の割合に少 々しき其上へ牛房四五本ならべ其上へ牛房の葉を しき味噌を仕込なり桶のはだへだん〳〵上まで葉● をあて仕込べし但し四斗樽ならば桶一つ入候分三度 に合すなり右のわけは下たへなる分は水合せやうしか 〳〵として中段は大躰に合せ上段はかたくして仕こみ て後日数三日ほどすぎ米のぬかに塩を二割合せ水 にてしる〳〵とのべ右の味噌仕込候桶にふたして毎日 〳〵四五十日の内木ねつてつき桶のふちはなれぬやう に桶のきはを別して念入よくつきてよし ○足のうら切を治する方 一六月土用の中十日の間毎日青石の日あたりにて あつくやけたるにて足をすりこすりてよし ○さゝじんの法 さけのかす 一斗寒の内に塩 一大豆一斗椀一斗五升餅米糠 三升入こねおきてよし 西西漕三 酒糖 三日 以上四種よくかき合せてまた塩三升五合入つき こみ百日すぎていだしもちゆるなり ○砂糖漬の法 十一月十一 一なによらず砂糖漬にしたきときは石灰を水に 入かきまぜ濁らせなにゝても漬て取いだし砂糖に漬 おき候へば数月をへてもくさらず或は砂糖に漬おき て石灰少斗うへにふりおくものもよし但し病人に はよしあしあり用捨見合すべし ○薩摩人参製法 一倭人参但 ̄レま甘草こほくせんじいだし此汁あつ き内人参入置甘草の気を移し取いだし上げ日に 干能かわきて右のごとくに製法三度すれば即割人 参の代に用て甚効あり 但し右の製法の仕やうにて朝鮮人参三四分の功あり 甚大切の秘方なれども世のためにこれをしるす者 なり秘すべし 拾玉日用伝家宝巻之中終 松竹 月二 従百六十五 □□博物築後篇 至二百七 連歌苧手巻 全二冊 宗祇相園越公紹己独胤 蝸牛/閻人の作せる秘書をあつめ て二巻とせし本なり 覚上方授正本 伊勢物語 全二冊 一堂上方検正の本月岡丹下の絵なり古雅にあらず といへども當世の風雅に書てたぐひなき事にて 同岡丹下画 御座候吉文字屋板と御尋可被下候 ○女芸文三才図会全五冊 図 連歌至要抄 第一連哥の起より二百十四ヶ条の秘伝悉く 三ヶ津彩色/図并所々名所の図児童諸芸幷 書たる書なり初心持べき本なり 翫び慰となりて教となるべき事を集め貞女皆 堀川邊書合熊谷散人作 女の物語数々のせ和歌にて天地神明を感ぜしめ 全三冊 全三冊 堂上方やゝしきたのしたゝめやう又哥のよみ 色々の奇特ありし事早々小笠原諸礼躾方一件 かた哥の仕やう。等をしるす 一手引指両小児誕生より宮楽袴着被初婚礼等の 全五冊 式作法を顕し幷唐の聖礼図式京手嶋氏前 住本多しといへども正理を解つまびらかう能 く事を分書たる書なり 刻の教をかけ百首につらね并に誰解をくはへすべて 女幷児童はぬとなるべき程の事数〴〵集めのせ 歌林 効業 全三冊 産絹 こと〳〵かと絵図をくわふ当諸礼和哥学文ありて 連哥付合の式等をくわへのす 天人といへども此書を見ば益ありて心を慰べき書也 て哥の詞に古歌を引誰を加へ歌よむ便となし 《題:全五冊名人の名:名人仮名:名人の数としたるを一神〳〵に記し 築塩袋全五冊序 菊岡祐涼著 全五冊 四季京物百首を出し名前詩文故事物語の類 名人の発句等其事によりたるを一神〳〵に記して 名所には絵図を入大に博識の便りになる書なり 拾玉日用伝家寶巻之下 ○酒の酔を醒法 一酒に醉難儀なるときは麦芽一味をせんじ呑ば さつそく酔さむることめうなり又麦芽を生にてくらひ てもよきなり ○木細工の法 一桧板やはらかにしてつかひきときときときは鼠の鼠の鼠の屎 をあつめ熱灰の上に水を打ならべ置わらのこも をふたにして一夜おけばげぢ〳〵になるなり湯を わかし入るればどろ〳〵になるなり此中へ檜板をつ 奥十五専家室巻之下 連歌苧手巻 全二冊 宗祇相園越公紹巴尚 鏑張四人の作せる秘書をあつめ て二巻とせし本なり 覚上方授正本 伊勢物語 同息丹下画 全二冊 一堂上方検正の本月岡丹下の絵なり古雅にあらず といへども当世の風雅に書てたぐひなき事にて 御座候吉文字屋板と御尋可被下候 ○長芸文三才図会全五冊 全一冊 連歌至要抄 第一連分の起より二百十四ヶ条の秘伝悉く 三ヶ津彩色図幷所々名所の図児童諸芸幷 書たる書なり初心持べき本なり 翫び慰となりて教となるべき事を集め貞女皆 堀川邊書合熊谷数人作 一女の物語数々のせ和歌にて天地神明を感ぜしめ 一全三冊 全三冊 堂上方やさしき文のしたゝめやう又哥のよみ 色々の奇特ありし事早々小笠原諸礼躾方一件一件 かた哥の仕やう。等をしるす 一手引指両小児誕生より宮楽袴着被初婚礼等の つれ〴〵草頭書 全五冊 式作法を顕し幷唐の婚礼図式京手嶋氏前 住本多しといへども正理を解つまびらかう能 く事を分書たる書なり 刻の教をかけ百首につらね并に誰解をくはへすべて 歌林 哥に 産絹 女幷児童がぬとなるべき程の事数〴〵集めのせ 全三冊 詞業 効業 こと〳〵かと絵図をくわふ当諸礼和哥学文ありて て哥の詞り古歌を引誰を加へ哥よむ便となし 連哥付合の式等をくわへのす 天人といへども此書を見ば益ありて心を慰べき書也 藻塩袋全五冊名 四季京物百首を出し名前詩文故事物語の類 名人の教句等其事によりたるを一神〳〵にに記して 菊岡治涼著 名所には絵図を入大に博識の便りになる書なり 拾玉日用伝家寶巻之下 ○酒の酔を醒法 一酒に酔難儀なるときは麦芽一味をせんじ呑ば さつそく酔さむることとなり又麦芽を生にてくらひ てもよきなり ○木細工の法 一桧板やはらかにしてつかにしてつかひきときは鼠の鼠の屎ときは鼠の屎 をあつめ熱灰の上に水を打ならべ置わらのこも をふたにして一夜おけばげぢ〳〵になるなり湯を わかし入る歟ばどろ〳〵になるなり此中へ檜板をつ けおけばことの外やわらかになる曲物又はむすび なりともいろ〳〵にたわむことめうなり ○木舌を治する法 一舌こはり腫て木のごとくにて口中に満たる時は 芍薬甘草つねのごとくせんじ含てよし 又砂糖に酢をまぜふくみてもよし ○牙歯の痛を治する法 一気にて牙歯の痛時は香附子芥葉 常のごとくせんじ口にふくみ別に香附子の粉を痛 歯に付てよし ○金銀を呑たるを治する法 一人誤て金銀銅錫のるい呑たるを其まゝにおけ は中ひへ入病となるなりさつそく解せんとおもはゞ 生鴨の血を盃に一杯呑てよし医統 一小児誤て銭を呑ことありしかるときは生の蔓蓐 をおほく食すれば即化してくだりいずるなり ○瘧疾おとす法 但しぎし〳〵 一田ぜり といふくさ 一生の葉をとりてよくもみ両方の 手の脈所に少しの間置ばあと水ぶぐれにふくるゝもの なり其まゝおこりおつるなり右もしふくれざるもの はおちざるものなり又むしくいばのいたみにも右の方 甚よし ○灸点の寸法 一男子は乳の間寸法を取但シ寸法取を八寸と定め右 の寸法八ツに取て一寸とし二寸の間灸点なり 一女子は手首の上一の筋を取てべにさし指の先まで 寸法を取て此寸法八寸定二寸の間に点するなり 一いゝき六之前三行どふり灸点の間横灸点す 法にて三寸のことなり 青育大椎四ッ目の骨なり各灸灸点の間三寸即 是三/行通りなり 一二行通りの灸点の間各二寸/風門七十一十三 痞根十四九 ̄ノ歳十六右各二行通りなり 一大椎の骨肩先の大骨として首をうごかして 見るべし骨うごかざる骨を大小によらず大椎と して定め寸法斗取り骨よし大秘伝なり 一小児筋違の灸点は男女によらず十一の点一つ 右の方いたし九の兪に点一ッひだりの方に致べし 両方上下に灸点する以上二所なり是を筋違 一といふなりいづれも二寸の間二行どふり通なり 一風門二 ̄ル左右へ各二寸二行通り二椎の骨の下 二穴 一肺臓二寸左右へ各二寸三椎の下俗に挟膏育 二穴 一膏盲 ̄ニ而左右へ各三寸俗に広盲と云四椎也 ○灸すゆるに忌日 王ノ命は 一春は九/一/夏は五/一/一/一/一春は五食は五/一 禁穴也 秋は三愈 冬は十四歳土用は十一歳此所いむべきなり ○灸治忌日伝仲花の法 灸すれは 子の年生の人二月午の日灸すれは三年の内に死す 即死 丑の年の人二月寅の日即死 寅の年の人三月巳の日十年の内に死ス つ 卯の年の人四月申の日即死 辰の年の人十月戌の日三年の内に死す 巳の年の人一代忌日なし 午の年の人十月午の日即日死 同未の年の人十一月子の人十一/子の日即死 一申の年の年の人十一月子の日即死 酉の年の人六月酉の日即死 〆 戌の年の人 正月 巳の日 卯の日 両日とも即死 亥の年の人九月巳の日即死 右の通長崎にて唐人傳受す則死罪極候者を あまた御こゝろみなされ候所相違これなきよし よく〳〵つゝしむべし ○灸に忌月の事 一正月未日二月戊日三月辰日四月四日五月午日 六月四日七月丙日八月申日九月申日十月子日 十一月五日十二月朔日 右の月は毎年いつにても忌日なり男女にかぎら ずはなはだつゝしむべきなり ○同四花患門の法 一男は左女は右の足の大指の頭よりひつかゞみの 寸法を取り其しべを鼻の頭より分頭へのぼせ 髪を分真直に後のうなじへのほぜ後へ下してし べのつく所背中真中にかりに点をすへ又別に しべをこしらへ鼻の下真中通の鼻のつけぎは より両の点をする扨かりに点のしたる背中の点を ぬくひとる但し かくのごと両方口のはしまで寸を取 但し鼻の下の山形のごとゝのぼせ寸法を取用ゆるなり 同四灸の灸法 一後の首筋大椎の骨少し上に少骨有是うなじ なりかりに点腹のきうびの骨は胸の切から胸又の はづれの骨より壱寸下とまりに骨あり是をき らひといふ此点へかり点をつけ。おとがいれんげの骨 にかり点をつけ。口の横寸法是は真直に寸法を取 若人はきうびの骨しれがたき生れつきの人にはす 法とりやう。胸のとまる所骨より又有所骨が臍まで 八ッに折一ッを壱寸とさだめ此内一寸切残り七寸をあ たる所鳩尾さだむべし ○切疵を治する法 一黒さしげあかざ二色を等分黒焼にしてねり つけて甚めうなつ ○金山寺味噌の法 二金山寺味噌又納豆味噌といふ 大豆 一斗 一斗 上白麦 越瓜 六升白うりなき時は かもうりにても 茄子 六升 塩おしにして 塩三升 塩 右五品を大豆はいり皮を去麦は一 夜水につけて此二品をむしてよくさましねさせ能ほど にねさせさまし目にほしかたく乾て粃の花を能ふるい て白瓜を細に三四分ほどづゝに割茄子も同断生姜 も同に以上六品とも一所にもみ合せ水のいづるほど桶 入る石の圧を置て十日ばかり過て半切桶へあげて 百七十専家室巻之下 又もみ合せ右の圧いつまでもかけ置候て日数百日 ほどすきてよくなれ風味甚よし ○求肥餅造る法 一葛粉一升蕨粉一升白砂糖一升/糯米二升水二升水ニ 漬うすにてひき濃き汁となし右三味の粉を入てと ろ〳〵とせんじ木箆にてしづかにねること半日七分目 と濕飴二斤半入て又せんじて半分となる即成なり 右ねりつめ板に小麦の極末をふりてあけ置二三日冷 し切り用ゆるなり ○狐火をしる法 一野中にて狐火をとぼすを消さんとおもはゞ鼻を クン〳〵とすれば即坐にきゆるなり ○柚べし法 一寒晒の粉一升五合味噌五分醤油酒二品等分に 寒ざらしのこ味噌ともに合せ砂糖栢黒胡麻 たうがらし以上一所に仕こみ用ゆるなり但 ̄シ楠の皮のうられ 白すじをさり仕込なり ○百合の油とる法 一大きなる白ゆりの花びらをとり五六分づゝに切茶碗一 入胡麻の油一合に花を十メばかり入茶碗口を能くつ おき十日ばかりも日にあておき夜にいればとりいれ 昼の内はいだし日にほし右のゆりのはなのくさりどろ〳〵 一となるときにぬのきれに包こして油をとり徳利に入 おき幾年にても用ゆるなり百合の油はひさしく 幾年もすきるほど良功あり一切の痛所腫物類に 付てはなはた奇妙なり 目をあきらかにする法 一甘遂用物にてうといふ草眼中へ入れて目をあきらかにす 一努肉付いづるに甚めうなり 一ルウダ草目がらきと云眼中へ入て目をあきらかにす 一齊陰干にして置甘草少入なづな一握常のごとく にせんじ呑ば目をあきらかにして眼勢つよくなる也 ○目に物入たるを治する法 一目になにゝてもいりたるときは破こべの実を少しこよ りのさきへつけて目の中へ入れば目の中にてくる〳〵と まはり少しも痛なく少しの間にて目の外へいづる目め きて居ても少しも痛ず甚奇妙の良薬なり目の白 まく虚血努肉にても右の実に付いづることねぐいてとり 古今集恋いづる跡にて目あきらかになるなり ○目いぼの呪法 一編此通むまといふ字三ッ書目いぼの出来たる方の 伝家主巻之下 足の大指の爪に書なりなをる事めうなり ○目をまはしたるを治する方 一目をまはしたる人の名をよびても気付かぬる時は 其家の屋根の上へあがり瓦をまくり其人の名を 呼べし早速気付ことめうなり ○耳の内へもの入たるを治する法 一耳のうちへ物いりたるときは唐弓の弦をきり小 口へ膠を付て取いだしてよし若弓のつるなきと也 さはくはんぜよりにても切小口へにかわをつけて取 いたずなり ◯耳の内より膿出るを治方 一枯凡壱匁黄丹五分為末耳の中へふき入べし はれいたむにもよし ◯耳の内より血いづるを治する法 一竜骨粉となしふき入べし ◯白禿の名方 荊棘の花野翁の花各陰乾にして末と しらうさのあぶらにて可付 又赤小豆 ̄ホ鍋炭各等分軽粉右よくまぜ髪の油 にてねりてぬるべし ○白梅酒の法 一新酒一斗餅米壱斗但し白米をよくむして右の酒 一へ入九日目にしぼり又割米七升ほど入て又七日ほ どすぐるあくる日数十六日にて甚よし 又青梅酒は一生酒一 ̄サ太白砂糖三百目 青梅六合右三種を但し梅は念入ずいぶん強 梅一夜水に漬置きあげしなに布のふきんにて よくふき水けをとり右の砂糖を酒にいれよく〳〵 かきまぜとき水嚢にてこし梅と一所に壺に入れ。入れ。 口をよくはり仕込置日数八十日すぎていだし ◯耳の内より膿出るを治方 一枯凡壱匁黄丹五分為末耳の中へふき入べ はれいたむにもよし ○耳の内より血いづるを治する法 一竜骨粉となしふき入べし ○白禿の名方 荊棘の花野翁の花各陰乾にして末と しらうさのあぶらにて可付 又赤小豆 ̄ホ鍋炭各等分軽粉右よくまぜ髪の油 にてねりてぬるべし ○白梅酒の法 一新酒一斗餅米壱斗但し白米をよくむして右の酒 一へ入九日目にしぼり又割米七升ほど入て又七日ほ どすぐるあくる日数十六日にて甚よし 又青梅酒は一生酒一升太白砂糖三百目 青梅六合右三種を但し梅は念入ずいぶん強 梅一夜水に漬置きあげしなに布のふきんにて よくふき水けをとり右の砂糖を酒にいれよく〳〵 かきまぜとき水嚢にてこし梅と一所に壺に入れ 口をよくはり仕込置日数八十日すぎていだし 用ゆれば甚風味よし ○白ねり酒の方 一上諸白酒壱斗餅米一斗よくむして 右二品壺へ入能ふうじ置七日目に石臼にて 引又七日休め置ば甚風味よし 塩鯛いつまでも置法 一塩鯛をいつまでもたぼふて置たきときときは寒 の水にてとぶ漬にして置ばひさしく一年も有 ものなり ○塩鯛を生にする法 一塩肴なによらず生ものゝやうに仕たきときは 木槿の葉と共に水につけ半日ほど置ば甚だ 塩いでゝ風味よし ○白髪を黒する法 一黒胡麻を九度むし九たびさらし細末し なつめの肉をもつて丸じ毎日服すれば若白 髪は謂に及ず老人にても黒く艶いづることめう也 ○蚤蚤をさる法 一三月三日棟花のはをたゝみの下にしきて おけばしらみはもちろん蚤も出ることなし 伝家堂半六丁 ○しやくりを治する法 一しやくりして難義なるときは白砂糖をねぶり て甚めうなり ○小児舌しときを治する法 一小児舌しときとて舌にことのできなんぎなる時 天南星壱味を足の裏へ粉にして張てよし 早速舌しときひくことめうなり ○小児虫病を治する法 一小児腹の中の虫毎月十五日の間はあをむき になりてゐる下十五日より月末にいたりては腹中 の虫うつむきになりて居るなりこれによつて 下十五日より後は甘艸をせんじ用て薬を相応 に了簡つけて可用腹中の虫半月つゞに居住ひ かはることめうなり極秘密なり ○小児胸腫痛を治する法 一小児胸はれいたむには枳実を加味すべし 一同虫氣には平胃散を用ゆべし 一同虫気つよきときは五香湯用てよし 一同瘡気の時はつねの五香湯を用てよし ○小児夜啼を治する方 一天南星一味小児の手の掌へ薄のりにてはり つけ置べし必とゞむることめうなり ○同咒のの 一小児臍の上へ晶かくのごとく田といふ字を朱にて 書置ば夜啼とまることめうなり ○同又法 一丙寅といふ字を紙に朱にて書まくらもとに置ば 小児の夜啼をとむることめうなり ○小児養生薬の方 一小児つねに用ひて食を消し養生に用薬方 山査神麹砂参麦芽白朮陳皮 青皮甘草 ̄ル 右八味に生姜を入常のごとくにせんじ用てよし又 細末して薄糊にて丸薬にしており〳〵用てよし ○小児腹いたむを治する法 一小児腹強く痛眼はれ血眼になるときは 一此穴は手をにぎり筋のこまる所なり灸 三壮すべし 右の所へ灸三壮づゝ両方合六壮すれは大人にても 気ののぼりをひきさげて大によし打眼には左 にても右にても眼いたむ方へ灸してよし右の外気 ののぼせ大人小児の虫にて毎日はらいたむには毎 日三火づゝせつ〳〵すへてはなはだめうなり ○小児陰嚢腫を治する方 一天花粉一匁甘草一匁五分右二味よく〳〵せんじさけ 少し入呑してよし ○小児涎を治する方 一小児涎止ざるには半夏をあつ湯七たびしたし あぶりて粉にし生姜湯にて用てよし ○小児乳をあますを治する方 一小児乳をあましてやまざる時は地骨皮を水 にてつねのごとくにせんじて用ゆるは甚めうなり ◯小児の夜啼を治する方 一小児夜啼を治するには燈草の煙草の焼はいを用ひて 乳の上につけてあたへすはしむれば止ことぬう也 ○同方 一当飯を末となし乳にませて晩しむれはよし 又道の真中にあたる所の土と竃の中心の土と二 種を細末し新に汲水に少し斗を調へて飲もよし ○小児土器を好を治する方 一小児虫取為にて黄土を喫こと好むものあり 是を治するには乾黄土を研細末して黄連 をせんじかきまぜて餅となして服すべし 一小児好て泥土を喫には男女の分なく黄連 黄芩寒水石陳皮茯苓白赤甘草 各等分 右/右/右/右/右/小児に一二銭 目つゝ水にてせんじ服してよし愈ことめうなり ○小児舌しときを治する方 一小児舌に物できたるときたるときは燈心丁子頭を灰 にし舌へつけてよし ○霜やけを治する法 一油の土器を黒焼にして付てよし ○小便通ぜざるを治する法 一小便通ぜざるときはあたらしき象牙を研末に なして一銭流川の清き水をせんじて其湯にて 象牙の粉を服すればさつそく通ずることめう也 ○腫気病を治する法 一腫気病には林檎を黒焼にして白湯にて用ゆ ○同方 一冬瓜の皮の所の中の白みを干物にして腫病に 用てよし又外の薬を用ゆるときもこれを加味し て甚よし ○腫物異名 一アブサスねふとの事カランケシヨ/升の事スヱス/事 カラアブ瘧の事右は阿蘭陀の言葉なり ○腫物の痛を治する法 一白刀豆を細末してあつゆにふりたて用ゆれば腫 物痛を治し上気をひきさげ痰を治すること はなはだめうなり ○腫物を治する法 一腫物初て見つけたるとき人参の芦頭一味 よく細末してすり付大効ありいかやうなるできもの にても大事とならず大秘伝朝鮮人直伝也 ○腫物いへかぬるを治する方 一腫物または灸いゑかぬるときは生姜をおろし付て 血熱をさるたび〳〵付れは熱をさりてさつそく いゆることめうなり ○同方 一三毒散五両四十霜五八雷電 一沈香霜サイカシノ実雷但し霜とは焼て灰にする ことなり焼とは黒焼にしてかたちあるなり 右五味等分上焦の腫物のときは川芎白止 五両づゝ加へ下焦の腫物のときは大黄四両蛇 床子五両を加ふ右末となして茶一服ほど酒 にて用ゆ上戸下戸ともに酔ほど用てよし此くする 腫物をはやくやぶりくさりを内へいれす大効あり ○上戸を下戸になす法 二酒呑にて酔ぐるひ難義なる人を下戸にしたき 時は五月五日の朝笹の葉の露をとり盃に入酒 に和て其人のしらさるやうにして呑すべし治すること妙也 項十一博家宝巻之下 ○同方 一酒呑人の先祖の石塔にたむけたる水を酒 にまぜて呑してもよし ○霜やけを治する方 一茄子のへた なり ほしたの ねぶかの白根十本 右二ッ品茶碗に水一はい半入八分目に常のごとく にせんじ少しさまし洗ふべし ○干山椒貯法 一干山椒を久しくたばいおきたくば鉄釘にまぜ 置ばいつまでも損ずることなくしかも香甚し ○ひき茶野法 一ひき茶ひさしくたぼいたきときはひき茶の 入物のそこへこへ松を紙に包入おくときいつまでも そんじざることめうなり ○七味清気散の方 大 一白刀一足 ̄ル 陳皮 一白刀豆ル陳皮大白砂糖大白砂糖大和肉桂中 山薬中 香附子中 半夏の汁 にて製し 干姜 右能細末して散薬とし調合す第一痰せきの 名薬なり ○疥癬を治する方 伝家望巻之下 しやじん也 一苦参 せんぶり少し此二味を能せんし 一両 ひぜんをあらひて湯の花をすり付つぎぎれにて 包置むしてよし但し土鍋にてもほうろくにても入置 あらひしなにあたゝめてはあらひ湯の花をすり つけ〳〵してよし ○木香丸の方 一香附子二十目黄栢十目当薬五生木香六匁 右四味細末して丸じ用ゆべし功能は諸虫腹 のいたみはらのくだり積聚万病によし 香附子 三十日 かり 黄栢 二十目 妙 胡黄連 十日 少妙 五匁 蒼求 右四味細末して糊にて丸じ用てよし嫁伝の功 秘方也丁 能胸の痞腹のはりを治す ○同梹榔子丸の方 一木香二ま《振榔子二匁青皮三匁白米二匁 六匁 陳皮二匁厚朴四匁枳実六匁麦芽七匁 右細末して神曲の糊にて丸じ用ゆべし功能は なはだ多し諸病にもちひてよし ○背虫を治する法 一背の身柱一穴三椎の骨の所たかくなる背虫に てさま〴〵療治すれども効なき時は三の推高 き背の上両方へ三穴ならべて灸点廿壮づゝして 十一十四の灸一度に灸して快気するなり又七 の椎右のごとくたかくなる七の椎へ灸以上三所す ゆれば全く快気することめうなり ○疝気の名方 一接骨木甘草ヅ此二品をつねのごとくに かんぼく せんじ用ゆれば何ほどつよき疝気にてもいたみ さつそく治することめうなり ○同様の法 五銭目 十義目 一ゆづり葉 一ゆづり葉十幾目さはら木五畿目木香五戔目 梹榔子五戔目甘草二銭目以上五味 右つねのごとくせんじ服してよし効能はせんきはら のいたみ虫症に用て甚よし ○同干蓼の方 一干蓼大甘草少此二味細末して白湯にて ふりいだしあとをつねのごとくせんじ呑てよし ○同法 一胡椒一両半塩一合五勺此二味をぬる湯にしてた らいに入腰湯してよし但し湯かたにてもたらいの上 へかぶせ陰嚢陰茎ともよくもめんにても絹にても 包おき候て腰を湯にてよくあたゝめてよしゆかたは 胡椒にむせもふさぬためなり ○同法 拾匁 一安意丸と云楊梅皮拾匁胡黄連唐れたり 唐のたう やく也十五 六匁 片腦 生脳の焼かへし 胡椒三匁 右細末して丸じ丹を衣にかけてつねに用ひて 第一疝気痞食傷腹痛むねのやけ 其外諸病によし ○疝気咒法 いまだいと 末人のくまざる 一七月十五日の朝天井水 さきをいふなり を汲て 温飩の粉むくろうじ程○およそ是ほどに丸 じて呑てよし ○せんべいこしらへやう 一砂糖蜜にて小麦の粉梅末してかたからず和ら かならず甑にて蒸とり押敷の大きさに丸く うすひかたくしてかはかし炭火を填し焙り用ゆる なり白大豆粉にして入べしふくれ甚よし ○銭瘡の咒法 一ぜに瘡の上へ其大さほどに墨にて南といふ字 を六ツかき上を墨にて真黒にぬり其上へ南の 字を一字かくべしなをることめう也又なをりたる上へ 北といふ字を書ばもとのごとくなるなり奇妙の咒也 ○酢造法 一熱もの粽三 しちまきなき時は 常の一文餅にても三ッ菖 一握 一揖 西茶碗に水同三盃 蒲 酒 手ひとつかみ也 一盃 右四種合してよく入物に入置日数卅日すぎて とりいだし用ゆべし甚よき酢となる万年酢 とも菖蒲酢ともいふなり ○同法 しやうぶ 一文程 一用手に二にぎり酒一升水一升水一升水一升 一寒の餅一箱 三つかみ 三つ 右四種つぼへ入ふたをよくして三十日すぎてよき 酢になるなり但し餅いれずしてもよくなれどもあ より酢つよきゆへ餅入れて酢の風味少しやわらか によくできるなり右酢をとり候あとへ酒水餅を 菖蒲とともに少つゝ入/入/添候へばいつまても用ひられ 調法なり若酢ぬるくなるときは入物ぐち日に当 てよし余り酢つよくは内へ入置べし酢とり 候へばかはりをあとへ入ていつにでもあることのなり ○雀薬の法 一雀二十両氷砂糖一斤酒一升酒一升酒一つにし て炭火にかけとろ〳〵とせんじつめあめのごとくな るとき上置候てつねに少つゝ服すれば腎精を まし気力をつよくして甚大養生薬なり ○筋脚気の名法 一手の両方のうでの外一のふしよりにぎり指四本 とまり少外筋の間に点して灸五壮づゝすべし 此灸よく上の筋気脚気下の筋気脚気にも 一とのほか効あり名灸所なり 拾玉日用伝家宝巻之下終 天文俗談巻之一 華洛西村遠里著 寒暑之事 或問曰春夏秋冬寒暑の往来するは日輪運行 の遠近によつてなるか答曰然り又問然らば麦至五 月中の時と日輪北に行極りてきはめて天頂に近し これ極熱甚しかるへきのときなり冬至十一月中には日 輪南至の極なりきはめて天頂に遠しこれ極寒甚 しかるべきのときなり然るに今寒暑の往来各其 南北に行極る夏至冬至には寒気も暑気もさほ とにはなくその時節を過て小暑大暑立秋のころ極 熱堪かたく小寒大寒立春のころ極寒も堪がたく水 雪も多しこれ日輪各その極を踏て北にては南へ少 つゝ遠くなり南にては北へ少づゝ近なるのころなり日輪 運行の金進によるといへば其理相齟齬するやうほりふ 審詳にこれをかたれ答曰そのふ爰なるはむ至極也 然とも天地の間陽気たるものこと〴〵く太陽に属 せたるもの有事なし宇宙の中火気の純粋なる もの凝て日となる天に在て日とし地に在ては火 なり天の暑気は勿論電光流星客星妖星光物 の類地中の火気陽気人身の温煖心火相火衝気の 陽気にいたる迄太陽に属せすといふことなし禽獣 の身体心気の温煖もとより相同じきなり如此の理 なるものゆへ寒暑の往来はもとよりの事也天地 の間の水気たるものは萬物こと〳〵く太陰に属 するも同理な梨故に南赤道にあたる土地の別は 極熱焚がごとく北北極を天頂に近みる州は寒凍も ばかりなしそれに応じて南北の州々みな寒暑の 候かはるなり日本のうちにても津軽南部のあたりは 寒涼甚しく雪も多し越後越中能登加賀これに 次四国九州のあたりは暑気甚しく雪なきがかしこれ 皆日輪運行の遠近ゆへなり然とも太虚の空に ては風の吹ぬくをもつて太陽の火気をうげとめるも のなし地のうくる処によつて日輪の火気土中にと まりて暑気をなすゆへ地中の陽気これに応じて又 これをたすく地中冬至に一陽来復し春にいたつ て段々陽気増長して地中の主となる地中の陰気 陽気にさしあけられて小寒大寒のころ陰気地を に隆なり天上の寒気もそのころは人身にしみに たり厳寒人身に堪かたく氷雪もおほし冬至の ころは日輪南に行極るといへとも地中の陰気い また地上にせまらす天上の寒気いまだ人身に しみわたらす故に冬至の節気極寒にいたらす氷 雪もすくなしたとへはこゝに人ありて寒気甚し く風雪はけしき夜他行して帰るとき地/爐に火 を甚つよくしてあたれどもあつしとおほえす火の るくしてこたえめやうに思ふなりよほとあたりしめて 手足身体温りしとおもふころは炉中の火は白 灰になりてはじめよりはぬるくなれども人身には火をは じめよりはつよく思ふがごとしこれ此方にしうわたる といまだ其気に渡ざるとの差別によるなりよく〳〵思 ひ合すべし暑気も亦此理と同し夏至に一陰生 し次第に増長し空よりは陰気催し降り地中は 陰気主となり地中の陽気をなし迄陽気地上にせまり 空より陰気催すにより地上の陽気地球にてまる故に 小君大暑のころ極熱堪がたし夏至のころは日輪北には 行極れどもいまだ人身に暑気の満ざると暑気の地 球にせまらざるとをもつて暑気つからざるなり立秋 処暑のころ残暑の堪がたく立春雨水のころ余寒の 堪がたきも皆人身その気にま〳〵来りて寒暑はさ かりのときはりやはらげども身にうけて堪がたきなり 物に退屈してはしばしのほども堪がたく老人の物事 性急になる道理も同じ事なりと知るへしよた問 夏は井の水甚凛冷として冬温暖なるもこのをより の事か曰然り右いふ通冬は陽気主となりて地中に 潜伏す故に井華水温に湯気の立ごとくなり夏は陰 気地中の主となりて陽気地上に専らなり故に井水 凛冽として冷なり東武の井のことく地下に溝をふ せて諸方へ水すしをつけ大河の水を汲がごときは 別なり井水夏はあたゝかに冬はひやゝかなりこれ大河 の長流水を汲ゆへなり 人之眼力之事 或曰人間の眼力はいかなる子細にか横と竪とに大分 のふ目あるやうにおもはるゝなりたとへば十間ばかり の間口の家がまへをみても格別長ともおもはぬに 上へ十間はかり高きものは殊の外たかきやうに思ふ なり我ある人にきくことあり叡山の直立弐百間 にすぎす愛宕山直立弐百四十間にすぎすと登 山するときはくるり〳〵と山をめ。くる故に五十町三十 町の行程あれども山の真中の直立は右のごとし これ町見術をもつて凡のと露測量する数なりといへ り弐百間ばかりの高さ如此みゆるなりまた様に地上の 幅を見ては四五町ばかりの処はさほどにひろしとは見 ぬものなりいかなる道理にや曰それは三才発微にいへる 意味なるへし禽は天気をうけて空をかけり眼空を 見る獣は地気をうけて匍匐して地をはしり眼地を みる人は天地間の気をうけて頭を上とし足を下 とし眼横をみるといへり横をみるを性とすれは 幅を見るは常なり爰をもつて地上に幅をみるよ り盥の高さを見て長くみゆるは人目の性にうくる 処なるべし扨人の眼力遠きものは小にみえ近きも のは大にみえはるかに遠くなれば次第に小に終にはこと見 ずやうになるは元来人の眼の賭まるく瞳子は珠のごとき ものなればそれをこしてうちより心の見すかす事な るゆへ太陽は太躰にして地球の小躰の暗虚の影次第に 小空なり月天にては月体影に入て蛤すれども衆星 の天にては高遠なるにより影詣てなくなり星の喰する事 なきが如く同じ理にておもしろき道理あれども必なしには 解しがたし箕術のよき人は皆得意の事なりこれは品の かはりし事ながら眼の沙汰の次手なればいふ人や獣の如き 胎を具して生るゝものは眼鼻口耳前陰後陰の九竅 あり九竅あるものは肥上より下におほふ禽のゑ卵 によつて陸に生ずるものは眼鼻口耳陰の八竅 ありて前陰後陰わかちなし一穴にて交合の糞 とも兼用す此分は肥下より上へふさがる卯によつ て温に生ずるもの魚蛇の類と肥なし常にねふ らず化生するものは眼に穴なし黒点あるのみ蚤風 早々の類これなり温熱水気をもつて温生するもの 蚯蚓蛤蝉のるいは眼なし貝原も此趣を大和本草にも載 られたり 一摂州有馬鳥鳥地獄之事 往年愚攝州有馬の温泉に湯治せしにそのはろ 春なりしかは湯入の人々或は疾を助て処々に遊ぶ日和 長閑なりければそこの坊かしこの宿屋よりうちむ れて鼓が瀧に行人おほし時は未のころなりし愚 もこもにいたりて徒然を消すその途小鳥の地獄 と称する処あり札を立たり世人のよく知る処なり 大坂は大坂の人一両人随分行歩達者なる人〻なり低き来 りてかの鳥の地獄に立よりしがそのうちの壱人山城 を一つ抜てその中へおとしぬその地周回に小石を もつて石壁とし水なき井の至て浅がごとしその 底に悩めぐりありきて甚くるしむ体なり相ともなふ 人無益なる事をする人哉と云つゝ彼穴の上に伏き右 の蟻を助けあげしが卒倒して人事をしらずれ中 大にさはぎ他の人々もとも〴〵世話をし気付よ水よいと いへども薬を持合し人も希にて水は遠し殊の外 の難義なりしがいろ〳〵として心気たしかには成し かども面色青菜のごとく両人の肩にかゝりしらぬ人 にもたすけ合てよう〳〵旅宿にかへりしをゑまのあた り見たりこれ何の故にやと不審におもひその翌日朝 飯すき己の時ばかりに彼穴にいたりて其気を覘ひみ れとも何の気もたゝす毒気のあたるへきものなし 故に又其日の未の時/昨日の刻に行いたりてうかゝひみ るに毒気起て穴上に近つくへからす僅にその側に立 より思ふさへ其気に堪がたし爰をもつて思ひみれば山 中の毒気の起る処なりその起る時とおこらざるとき とあり潮汐のさしひきあるか如しとみえたり古人此 故をもつて鳥の地獄と名付て人のよらさるやうにせ しと見えたり毒気の事を云つたへざるは湯浴の客 のぞの土地を恐れ嫌ん事を憂てこれを沙汰せざる ものなり下野州那須野の殺生石なといふ処も其 趣なるべし其土地毒気の起る処なるをもつて大石 をしるしとしたるを数百年毒気石に浅て毒の害を なすなるべし摂州古曽部といふ処に能因法師の墓 あり街道より街道より十二町わたなりその十二町を行みち のかたはらに薮ありその藪のうちに垣をゆひ廻した る石ありこれも其辺の土民いひ伝るは毒石なり とこれもまた殺生石のるいその処の地中の毒気 の起る処なりと思はるゝなり惣じてその毒気の起 る土中には砒霜石礬石等の毒石あるものなり生る るものを硫黄と名付火にて錬ものを砒霜といふ硫 霜は毒気猛烈に生なるものは毒気力少しといへとも 礬石砒石のるいは大毒あるものなるをもつてなり其 外にも地中いかなる毒気あるもの在ことをしらず後 土西域等地中より毒気の起る深山等往々有之由 書々にみえたり物産の学に長ずる何某曰摂州有馬 鳥地獄はこれ其地中砒石ありと宜なる哉 東西天頂遠近之事 或学文者のいはく列子に孔子東に游とき雨の小児 の弁闕を見る其故を問ば一児のいはく我はく我はく 出るときは人をしこと近し日中には遠しとすその故は日の 出には日輪大にみえ日中には小具みゆる遠ものは小に近 ものは大なり一児のいはく我は日の始て出るときは遠し て日中には近しとすその故は日の出にはあつからず 日中には熱しをものは熱遠ものは涼なり孔子決す な事あたはず両児笑て曰たれか孔子を多智なりと するやといふ事ありこの遠近いかにや曰これらの事 は三才発-微天-経或問等の書に出ゑが或問註解に両 説を和解してくはしく述置たれ共いまだ板行にならざ るものなればその大略をかたらんか天の体渾円地の体 も亦渾円なれは東西天頂遠近の差別なき理なり日 月の体大小をみるにかぎらずよろづの事/游気のわさと 地心と地皮との故によつて東西の天と日中の天と不同 の事あるなり円体のもの故東西天頂遠近ひとしきなか ら地心からみれば差別なし人は地球の皮に処すること故 地球の半体千五百里許天頂は近しこれ地球の余程 凡三千里許あるもの故なり然れども日出には大にみえと あつからす日中には小にもえてあつきは遠近のわざ故には あらず地中の湿気時として上り騰るこれを消気といふ一に 蒙気しもいふ質軽微にして天象を隠蔽ふことあたはず といへども其気地上の空中を行ば小をして大に見せしめ 卑をして高くみせしむ眼鏡をかけて物をみるかことも 游気の厚は眼鏡の愈厚に似たり日中には太陽の気に 消されて浮游気尽く掃て軟き隔るものなく眼鏡をはづ したるやうなもの故その本体をみる月星ともにその趣 なり故に出入には大に天頂は小なり朝夕は冷に日中は 熱するも同じ事にて朝夕は浮游水湿の気に隔られて すしく日中は水湿の気なきによつて熱し游気の升る 八日輪地下にありて陽気下より蒸起をもつて地中の 水湿気につれて游升て淋気となる太陽に照燥さる れは海気消す故に日中には游気なし其土地水に近きて 湿地は游気の升る事も高厚温気もなく水辺もな く燥たる地は游気の升る事も卑薄なり又同月星は夜 陰の事なれば天頂にて何故にて何故にみゆるや海気の消さるべ き理なく夜陰益游気盛なるへきかり答曰夜は游気の 消る消妙のあやにはあらず又別にわけあり昼とても此 理は同じけれども日中は游気消するものなれは此説迄に はおよかたにして止いかなる清夜にても夜陰游気なしといふ ことなしその游気を見通すこと天頂直にみる故游気うす く東西は斜にみる故游気悪し斜にみるは彼右いふ地 皮に居てみる故の事なり三才発微の主意を愚図解 して古云註解に載置たり右いふ通なる故東西は大に 見え天-頂にては小にみゆるなり湖水大海波濤をこして その出入をられば日月星ともに別して大にみゆるなり を近のわざにはあらず皆々游気の眼鏡のほすわさ なりと知べし 天文俗談巻之一終 天文俗談巻之二 火斎珠方諸之事 水晶の眼鏡をもつて日輪の火を取事は人のよく 知る事にて火を取人もおぼけれど月の水を取てみた りといふ人はすくなし太陽とちがひ太陰なるゆへひさしく かゝらねば取がたきをもつてなり火球一小火斎 殊とも云又改魂とも云唐書に東南海中にある処の 羅利国より出るといへり又古城国よりも出水精のこ とく卵の状にして色白数尺の間を照すまた陽燧と て銅を鋳て其形面を凹にしてそれを腰磨し熟し させ日に向て艾をうけて火をとればこれるものあり 方諸は月の水を取これは大弁なりといへりまた曰石 なりと皆非なり銅と錫とを半分合にしてこれを 鋳て鑑となしよく挙て熱からしめ月盛なるときに 一むかへて水をとり銅盤にうけて数滴を下す水精し て艾をうけて火をとるが如しかくのごとくいへども よき水晶の珠なれば水火ともにこれをとるにみれる なり方諸一名に陰燃といふ 七十二候之事 或のいはく世に出るところの懐中麿に七十二候を しるすといへども俗人の目には忘れぬ事おほし国字 暦にはなし外の暦にしるす暦ありや答曰俗人のしら ぬ暦の仕立やうに具注暦といふものありこと〴〵くく 真字にて書たるもの故真字歴ともいふ板行にはな し此こよみに七十二候を付るなり天地の気候の人目 にみゆる処五日〳〵に景色変り行として五日を一/候と し三百六十日にみちて一年と成これを七十二候といふ 取着といふは正月の節にてその日より凡十五日許これ を一気といふ一気のうちに三-候ありて立春の日すぐに東 風解凍の一-候なり冬の内に寒気甚しく凍りして 春の気に成て東風に涼が解初而といふなり東方は木に 属して四時に配しては春にあたる故陽気をうけて氷と かみけそむるなりその次第二の候黄鷲親院とはうくひ す此ころよりなく声あきゝかにきよく和するとなり第三 の候魚上冰とは極寒の時は魚水の下に伏し蔵る此 ころ陽気の温暖を得て水の上に海なり雨水は正月の 中気寒じ凍るの雪霰とけて雨の水となる葱なり 此日すぐに第一候土脈酒起なり極寒に凍りたる 土気陽気に潤ひ土脈の和気通じ起るなり第二 候霞始靆とは陽気の色あらはれて此ごろより霞 色そらに見ゆるといふなり第三候草木萌動とは 此ころになりては天地の気泰にして交り陽気にめ ぐまれて惣じての草木も芽立て萌動なり啓芸 は二月節なり極寒の時伏蔵したる諸光戸を放出る なり故にすぐに其日第一-候熱夷啓戸といへり此ころ よりそろ〳〵出土中を出るなり第二の候小桃始笑三 は桃の花はじめて紐をともそめ火をみぼすなり惣 じて諸花ともに花の咲を咲といへり雀韮が詩に桃花 依旧咲春風といふ句あり詩哥ともに笑といふ事多 し莟の少しひらきかけたるさまなり第三候菜虫化 蝶とは世人の見る通菜の虫のるい此ころになりて蝶 と化するなり春分は二月の中気その日すぐに第一候 雀始巣とは雀巣をくみはじむるころなりといふなり春 分は陰陽の交会するとき日出日入昼夜五十刻づゝにし て正等なり等分の儀を取て春分といふ節気の大なる ものなり第二候桜始開とは彼岸桜糸ざくら児 さくら熊谷ざくら等のはやき花ども此ころひらき そむるなり第三候雷乃発声とは此ころより初雷雷鳴 そむるといふなり清明は三月の節気にして陽気次 第に壮にして天気清浄明潔にして萬物盛大なり 故に清明といふその日すぐに第一候玄鳥至とは此 ころより熱きたるなり第二候虹始見は此ころより 雨気の日或は虹のみゆる事ありといふ冬は虹のたつ といふ事これなし虹にはいろ〳〵の説あれども日 光のさすと雨の気とのわざによつてたつものなりゆへに 朝の虹は西の方暮の虹は東の方へよつてたつもの也 寒気の節は虹なし第三候鴻雁北とは属北にかへる 此ころより帰りそむる雁ありとなり所謂海道なり穀 雨は三月中気なり此時節甘雨降て萬物を生育す かゆへ穀雨といふ哥に木のめはる殿といふ趣なりその 日すぐに第一候葭始生といふ又芦とも云此ころ 性のぐみ生ずるなり第二候牡丹華もまた此ころ 咲そむるなり第三候霜止出苗も此ころ八十八 夜すぎて天気温暖にて霜なく苗代そろ〳〵 青葉を出すなり立夏は四月の節気なり此日華 気終て夏の気たつな梨その日すぐに第一候 画始鳴の候なり妻は即蛙の字と同暦面に飛 とあれども正字は素なり田野の蛙なきそむる也 第二候蚯蚓出は此ころより蚯蚓地上に出はじ めるなり竹算生は世上甘竹の子生そむる頃也 小清は四月の中此ころ粉物咸秀生ずにしく盈満の心 にて小備といふ此日蚕起食桑の候なり蚕生育を 得て桑の葉を食ふなり紅花栄も此ころ紅花のさ かふるをいふなり麦秋至もその頃麦秋になるなり芒 種は五月の節気此月芒あるは穀を種へし故にいふ也 其日増婦生の候なり蟷螂は風を飲露を食ふ一陸 の気に感じて生ず麝草烏蚕の候は両温陽気の薫 薬を得て此ころ腐たる草化して蛍となるなり梅始黄 冬梅の実色付なり夏至は五月の中気なり一陰黄 泉の下に動盛陽の位故夏至といふその日するはち乃 東枯の候なり乃東は夏枯草なりうろき草とも宇 つほ草ともいふ此ころ枯はじむる也菖蒲華は此ころ 花さきそむるかり半夏生は半夏生ずるなりからすのひ しやくみもほそみ草ともいふ薬草なり夏の半にはゆる ゆへ半夏といふ小暑は六月の節気極熱の大暑に対 してかくいふその候温風至は盛熱の時風あたゝか成なり 蓮始華は蓮の花咲はじむるなり鷹乃学習は此ころ驚 の雛鳥飛ことを教習学なり大暑は六月中気極熱の時 故に大暑といふその候桐始結花は土用中に来年の 花を葉の間に結なり此桐は白桐なり土涸避暑すとは 陽気土湿を蒸調ふて薄暑なり大雨時行は白雨時々ある をいふ立秋は七月の節秋に成なりその候涼風至とは 秋気を催してすゞしき風いたるなり涼涼風は秋風なり寒 嬋鳴は烟このころより。鳴はじむるなり寒蝉は烟なり菜 霧升降とは此こ呂より霧のたちのほり又は降するをいふ 蒙とは霧気は蒙はと迷もの故なり處暑は七月の中也 此ころは残暑となりて少時不退なり故に熱暑と云綿 樹開はこの頃より綿の柎ひらきて綿のふきそむるなり天 地始者とは天気漸く升り地気漸く降り蕭然とし て物あらたまり更り玉物の寒新に登るなり未乃登と 穀物此ころはじめて熟するなり早稲ほどの出来る心なり 白露翌八月の節気秋気催し増て窮草葉に白み ゆるなり此段草露白とは上にいふ意なり第二候/藕鍋 鳴とは難漿このこのころよりなり雲鳥去は燕かへりさる なり秋分は八月の中気陰陽交代昼夜等分春分の如 しその候雷乃収声は此ころふり雷ならざるとなり 蟄養抔戸とはもろ〳〵のむし陰気を恐て土中に伏 し蟄るなり各土をもつて穴の口をふさぎ戸を閉たるが ことくするをいふ水始酒は此ころ陰気によつて水気 涸はじむるなり寒露は九月の節気陰気増長して 露さむくなるなりその候鴻雁来は雁北地より来 而所謂初雁なり菊花開は菊のさきそむるなり 螺蝉在戸とは蚕戸中に入なり今云イトゞなり 霜降は九月の中気此ころはり霜ふるなりその候霜 始降は上の意におなじ霎時施とは時雨をり〳〵ふ ななり楓旧黄は楓または蔦の葉など黄葉する也 立冬は十月の節気此日冬たつなり山茶始開との降 ばきの花はじめて咲なり地始凍は寒気に閉塞し て地気氷るなり金盞香とは今云金銭花のみなけし き也小雪は十月の中気雪すこしく降なりその候虹 蔵不_レ見とは陰陽の気わかれて陰気盛なり故に虹の 気伏してたゝざるなり朔風払葉は木の葉をとしの風 ふきて木の葉ちりはつるなり朔風は北風なり橘始黄 とは柚蜜柑の五日い邑付黄になるなり。大雪は十一月の 節このころ雪大にふるをいふその候に閉塞成冬とは 此時節は人も戸腰を閉もろ〳〵の虫も土に入て戸を探 し陰気盛に陽気蟄伏し萬物みな閉塞なり熊熱穴 も此ころより熊穴に入て陰気を避て出ざる也/顛魚群 は妄魚むらがりらるなり冬至は十一月中気一陽来復 のとき日輪南至の極冬のいたり天の一歳のはじめ也 乃東生は夏枯草此節はゆるなり麋角解とは麋の 角おちてかはるなり雪下出麦は麦生じて雪の下に 出るなり小寒は十二月節寒気行はるゝの時也大寒 に対していふ芹乃栄は芹はへしげるなり水泉動 とは二陽地中に生じて水泉の気脉動なり雉始姫は雉 の雄その雌を求てなくなり大寒は十二月の中気大に寒 気おこなはるゝ也その候款冬華は蕗のはなさくかり水 沢腹堅とは氷はじめる時は水沢の水面のみなり此ころ 寒威強上下に徹て皆凝ゆへに腹堅といふ鶏始乳は 此ころより鶏はじめて巣に入て卵をあたゝむるなり 天河之事 或問天河といふものは夏はよくみゆれど冬は見えかたし 何故に河といふや答曰天河また銀竹或は天漢雲侯 汀溪などゝいろ〳〵名目多しいにしへより地上の水気の 精升りて天河となるといへり故に天河の名あり左伝河 国遊地象天官昼憲経晋書天原発発徴天文志物理論博 雅管窺捧要等の書その外いづれのいふ処みなおなじ然 れども近世西域の天学わたりてその説に星遠鏡を以て これを宇かゝへば実はこれ微塵の小星/陰天みえかぬるもの 梨地のごとく聚り一すじの白練絹のやうにみゆ漢土のひ て南の州賓表といふ処などにては極月ころ凛々と雲 の泣たる夜には星眼鏡をまたずして朗然と微 塵の小星を見るといへり漢土のいにしへよりその微塵の に星たるをしらずして種々に想像の見をもつて 万国の河精升りて天汀となるの諸説いろ〳〵ある也 又夏みえて冬みえかぬるは天の運行のなす処と暗気の 為にかくさるゝとによる天河帯のごとく白錬のごとく尾 宿真宿のあたりより起りて二つにわかれ河鼓星の 俗にいふ牽 牛星なりにてひとつに成星宿張宿張宿のあたり にて没し大かた其長天を竟ななりなり然るに日の長短に より日の天にある処一日も同からす日と星の毎日め くりによつて夜々あらはるゝ星次第〳〵にちかひ立と 参とは大にちがふなりたとへば参星十一月中冬至の頃 は天の中へきたれば夜半なりそれより十二月節気 に寒大寒の時分には夜半には次第に西へかたふき夫 より強く西によりて二月春分のころには黄昏に南 中して夜半には西へ入てみえず如此のもの故夏至五月 中のころは参星に日がやどりて夜半には箕星南中する なり冬至と裏表のやうになる也それ故十月ころよりは 天河黄昏にはや西にかたふき見えがたくなり十一月 十二月と段々昼のうちに大かた地下に入て黄昏には みえぬやうになる夏は大かた黄昏にあらはれて見や すし四五月ごろよりそろ〳〵みゆるやうに成六七月 のころは甚見やとしその上官は天気爽にきよし冬 冬天気晴太陽南に遠く自然と諸曜の光すくな し此道理なるをもつて夏はみえ冬は見えぬやう に思ふなり 九曜星之事 九曜星または十一曜などいふ事世上にあり各其 星体ありや如何答曰此事但徠の訳文芸蹄にも 出たり九曜星十一曜星と云星はなし曜の字は日の一 克とも照とも覚ともよむ字なる故に日月に本火 覚書状大全 真跡 戸田玄泉堂 全一冊 急用間に合即座引 中小木 全一冊 いろは早引 は早引全一冊 横本平かな付にて此書をみれば直に 手紙を認め候手本に相成候様に仕候 此書はいろは分字引の大新板にて御座候世間 通用の文字不洩集め字の読終りを 年頭状ゟ歳暮迄四季折々の文章商人取引の 同六百六十六十四通りに分け御ざかゆ 手紙世間は用の文通不洩集め上たる方へ披露 状より同/軍品をかきわけ皆々当世の風に へ字を尋るに早くひけ申候草字斗并に あいもな認め如何様なる六ッヶ敷手紙のにても 真字両点いづれにても御望次第出来あい 文言工夫即時に出来候并に婚礼の文等には 御座候 封じ様名書の礼式を委しく記し口には 国宝節用新増大全 部分の目録を出し次第を分つ奥には手紙 大本節用大新板真草緑篆四棹 書候。入用の字を集いろは分にして見安からしむ 千字文入 世界にあらゆる文字不洩集め諸芸の 歌道早指南 全二冊 習ひ方料理献立諸礼方其外人家に 詞寿の書にて読合せよせ物ゑんの詞等ふ 詞哥は書にて読合せよせ物ゑんの詞等不一重法の事夥敷集め申候まことに六今 漂集らいろは分にいろはたし古哥を引注を無類の大節用集なり かへ歌を読むに便利なり浪華書 第七州船頭 吉文字屋市兵衛版 冬天気晴太陽南に遠く自然と諸曜の光すくな し此道理なるをもつて夏はみえ冬は見えぬやう に思ふなり 九曜星之事 九曜星または十一曜などいふ事世上にあり各其 里体ありや如何答曰此事但徠の訳の訳文茶蹄にも 出たり九曜星十一曜星と云星はなし曜の字は日の一 光とも照とも覚ともよむ字なる故に日月に木火 覚書状大全 真跡 戸田玄泉堂 全一冊 急用間に合即座引 中小森 いろは早引 全一冊 真跡 横本平かな付にて此書をみれば直に 此書はいろは分字引の大新板にて御坐候世間 手紙を認め候手本に相成候様に仕候 年頭状ゟ歳暮迄四季折々の文章商人取引の 通用の文字不洩集め字の読終りを 手紙世間用のかへ通不洩集め上たる方へ披露 十六日の後戸田と四通りに分け御ざるゆ 状より同/輩品をかきわけ皆々当世の風に へ字を尋るに早くひけ申候草字斗并に あいもれ認め如何様なる六ッヶ敷手紙のにても 真字両点いづれにても御望次第出来あい 文言工夫即時に出来候并に婚礼の文等には 御座候 封じ様名書の礼式を委しく記し口には 国宝節用新増大全 部分の目録を出し次第を分つ奥には手紙 大本節用大新板真草録篆四棹 書候。入用の字を集いろは分にして見安からしむ 千字文入 世界にあらゆる文字不洩集め諸芸の 全二冊 歌道早指南 習ひ方料理献立諸礼方其外人家に 綱哥は右にて読合じよせ物ゑんの詞に不_一重法の事/夥敷集め申こらに。古今一 漂集らいろは分にいたし古哥を引注を無類の大節用集なり □□□□□□□□ かへ歌を読むに便利なり浪華書 吉文字屋市兵衛版 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 冬天気晴太陽南に遠く自然と諸曜の光すくな し此道理なるをもつて夏はみえ冬は見えぬやう に思ふなり 九曜星之事 九曜星または十一曜などいふ事世上にあり各其 星体ありや如何答曰此事/徂徠の評文芸蹟にも 出たり九曜星十一曜星と云星はなし曜の字は日の一 充とも照とも覚ともよむ字なる故に日月に木火 見書状大全 真跡 戸田玄泉堂 急用間に合即座引 懐中小本 いろは早引 全一冊 横本平かな付にて此書をみれば直に 手男を認め候手本に相成候様に仕候 此書はいろは分字引の大新板にて御坐候世間 通用の文字不洩集め字の読終るを 年頭状ゟ歳暮迄四季折々の文章商人取引の 明治六十六日の時と四通りに分けざはゆ 手紙世間聞のかへ通不洩集め上たる方へ披露 状より同/輩品をかきわけ皆々当世の風に へ字を尋るに早くひけ申候草字斗并に 真字両点いづれにても御望次第出来あい あいもれ認め如何様なる六ッヶ敷手紙にても 文言工夫即時に出来候并に婚礼の文等には 御座候 封じ様名書の礼式を委しく記し口には 国宝節用新増大全全一冊 部分の目録を出し次第を分つ奥には手紙の前 大本節用大新板真草緑篆四躰 書候。入用の字を集いろは分にして見安からしむ 歌道早指南 千字文入 世界にあらゆる文字不洩集め諸芸の 全二冊 習ひ方料理献立諸礼方其外人家に 詞寿の書にて読合ぜよせ物ゑんの詞等ふ 重法の事夥敷集め申候まことに古今 漂集らいろは分にいたし古哥を引注を無類の大節用集なり かへ歌を読むに便利なり浪華書 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 吉文字屋市兵衛版 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 冬天気晴太陽南に遠く自然と諸曜の光すくな し此道理なるをもつて夏はみえ冬は見えぬやう に思ふなり 九曜星之事 九曜星または十一曜などいふ事世上にあり各其 星体ありや如何答曰此事/徂徠の誤文巻蹄にも 出たり九曜星十一曜星と云星はなし曜の字は日の 光とも照とも燕ともよむ字なる故に日月に本火 覚書状大全 真跡 戸田玄泉堂 全一冊 急用間に合即座引 中にに いろは早引 全一冊 横本平かな付にて此書をみれば直に 手男を認め候手手本に相成候様に仕候 此書はいろは分字引の大新板にて御坐候世間 通用の文字不洩集め字の読終りを 年頭状ゟ歳暮迄四季折々の文章商人取引の 手紙世間用のかへ通不洩集め上たる方へ披露 下総守護治法」と四通りに分け御ざんゆ 状より同/輩品をかきわけ皆々当世の風に へ字を尋るに早くひけ申候草字斗并に あいもれ認め如何様なる六ッヶ敷手紙のにても 真字両点いづれにても御望次第出来あい 文言工夫即時に出来候并に婚礼の文等には 御座候 封じ様名書の礼式を委しく記し口には 国宝節用新増大全 部分の目録を出し次第を分つ奥には手紙 大本節用大新板真草緑篆四棹 出候。入用の字を集いろは分にして見安からしむ 千字文入 世界にあらゆる文字不洩集め諸芸の 全二冊 歌道早指南 習ひ方料理献立諸礼方其外人家に 詞寿の書にて読合せよせ物ゑんの詞等ふ 詞萬の書にて読合せよせ物ゑんの詞等。重法の事夥敷集め申候まことに右分 漂集らいろは分にいたし古哥を引潤を無類の大節用某なり □□□□□□□□□□□□ かへ歌を読むに便利なり浪華書 吉文字屋市兵衛版 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 狩衣 月三 従二百十二 大尾 妙術博物全後編 至二百四十六 全一冊文認様 女文革手引草の重法なる事左に記す 秘密口伝入 人女文章手引草 人女文章手当秘密口伝入 の 女中けしやうの仕様より次第して色を 女の灸世間通用をもらさず 家 白くするあらひ様或はかみのつやを出し 集め上々えあぐる文ゟ下つかた に 様かんざしのおれたるをつぎ一切の道具 まて上中下しなを書わけ三 貝原先生の養生訓と申 書さきに出づるといへとも まはりどふくして今の人 行ひがたし も 段がへし五段がへしの式其外ふみ そんしたるを直しやう衣服しみ物おとし 延寿養生論全一冊 九 やう数〳〵染物しやうそめ色はかう 此本は一小冊にして人々養生 認める心得になる事文の式法 やの秘伝洩さす紋ところ黒みたる の極秘をのべたり食物の 口伝もらさす集む此本をみれ めん なをし様まであつぬ料理指南一切 心得より日々やうじやう ばいかなるむつかしき文にても早く 云 す の食物久しくたくはへやうたき物 かゝれ申候文をいろは分にいろは分にいたし の法ひとりあんまの法迄 □□□□□□ 名香の方しきしたんざくの云やう ◯○部屋見廻の文は)の部にあり くはしくしるす 覚 品〴〵哥のよみやうひみつ ○婚礼はこの部にありと申様にわけ いも百/珍全一冊 一口伝介のふうじやう上中 申候ゆへくり出し見るに出し 此本はいも一色をいろ〳〵の る その外女中重法なる事 ゑ かづ〳〵かきあつむあらまし 下をわかちしん物書付の仕様 りやう理につかふなりこゝろ 一目録したゝめやう其外女の 安く下女にてもできるやうに 下にしるす 一重法なる事一切をのす いたし酒ゑんの一興にそなふ 天文俗談巻之三 十千十二支之事 十千十二支の事くはしくその弁を述よ曰くはしく いへば甚その説こと繁しその大略をかたらん委きな とは愚が秘書に頌暦略註といふものあり其書に かな暦に載るほどの事はのこらす註せりけりの 人あらば愚老が茅屋に来るべし老夫は身ま かるとも秘本は残りてあるべし扨先支干の事 人 をんなぶんしやうてぴきくる全一冊文徳様 貝原先生の養生訓と申 女文革手引草の重法なる事左に記す 女文章手の亭秘密口伝入 同 女の文世間通用をもらさず る 集め上々えあぐる文ゟ下つかた 書さきに出づるといへとも 女中けしやうの仕様より次第して色を 白くするあらひ様或はかみのつやを出し まはりどふくして今の人 に 様かんざしのおれたるをつぎ一切の道具 まて上中下しなを書わけ三 も 段がへし五段がへしの式其外ふみ そんしたるを直しやう衣服しみ物おとし 行ひがたし 延寿養生論全一冊 九 此本は一小冊にして人々養生 やう数〳〵染物しやうそめ立はかう 認める心得になる事文の式法 やの秘伝浅さす紋ところ黒みたる の極秘をのべたり食物の 口伝もらさす集む此本をみれ めん なをし様まであつぬ料理指南一切 心得より日々やうじやう ばいかなるむつかしき文にても早くし す かゝれ申候文をいろは分にいろは分にいたし の食物久しくたくはへやうたき物 の法ひとりあんまの法迄 □□□□ 名香の方しきしたんざくの云やう 〇部屋見廻の文はほの部にあり くはしくしるす 品〴〵歌のよみやうひみつ 去◯婚礼はこの部にありと申様にわけ いも百珍全一冊 一口伝文のふうじやう上中 申候ゆへくり出し見るに甚はやし 此本はいも一色をいろ〳〵の その外女中重法なる事 下をわかちしん物書付の仕様 りやう理につかふなりこゝろ 一目録したゝめやう其外女の かづ〳〵かきあつむあらまし 安く下女にてもできるやうに 十九日下にしるす 一重法なる事一切をのす いたし酒ゑんの一興にそなふ 天文俗談巻之三 十千十二支之事 十千十二支の事くはしくその弁を述よ曰くはしく いへば甚その説こと繁しその大略をかたらん委きこ とは愚が秘書に頌暦略註といふものあり其書に かな暦に載るほどの事はのこらす註せりけの 人あらば愚老が茅屋に来るべし老夫は身ま かるとも秘本は残りてあるべし扨先支干の事 は太夫公が史記の天官書著吉が五行大義などいふ 書にその解詳にあり支干ともに五行に配当して 陰陽昇降相生相剋の理をそなへたるものなり蓋 甲乙冬五行にしては木なり四時にあてゝは春方位 に配すれば甲は寅卯の間乙は卯辰の間にして甲は木の 陽乙は木の陰甲は草木の始て生ずるの時玄皮を冠 て萌出るにかたどる乙は甲の陽漸く進で陰中を出る といへどもいまた陰気に拘られて陽気伸ることあた はす冠るところの玄皮を落したるに象るなり丙丁は火 に属す夏なり方位丙は巳午の間丁は午未の間に記す 丙は火の陽丁は火の陰なり丙は畑の字の略のこゝろ也 炳はあきらかともあらはるゝともよむ字なり陽気著れ明か なるといふの義なり丙の字は一入門の昼をもつてこし らへたる字なり其一は陽気のあらはるゝにかたどり 入門は陰気内に入の象なり丁はつよしともさかんな ともあたるともよむ字なるゆへ萬物の陽気丁壮に陰 気に相あたるの義にとる戊巳は土に属す四季の土旺 なり方位は中央なり戊と云の陽萬物を生々す冬 着の土用なり己は土の陰万物土に帰して巳夏秋の 土用なり戌の字はしげるとよむ字にして茂の字の 心万物生々の義にとる巳は起字の略にて萬物土 に帰しまた春は発すへきの義にとる庚辛は金にし て秋なり方位庚は申酉の間酉戌の間は辛なり庚は 金の陽辛は金の陰庚の字は続とも更ともよむ字なれは 夏の陽気を秋の陰につらけかゆるの義にとる事はからし とよむ字にて味にかゝる金気の味辛新に成て後物 の味成就す万物の味は陽気によつて生じ陰気の 収斂を得て後全く味をそなふる義にこる壬癸は水 冬に配す方位壬は亥子の間癸は子丑の間なり壬 は陽発は陰一陽/已に胎をうけ陰これを壬なり妊の 意また任の字の意天の号令。此にいたつて萬物閉蔵 陽気その下に懐妊し時を授て萌芽づくるの義に とる癸は揆の字と同じ意にて伏蔵したる陽気 時を度るの義にとるなりむかし黄帝の時に大権と いふ臣下陰陽/升降の理を考へて十幹を作り骨 とし十二支を作りてこれか枝とす幹は本なり茎なり よきは末なり枝なり清陽天となつて五行彩れ十干立 濁陰地となつて八方定り十二子分運移り気遮り気遮り て歳々にして盈虚紀に応し十母十二子配合ともに 妙用に臻るなり子は北方至陰の位寒水なり十一月 の支なり陰極れば陽生す一陽来復のとき易にていへは 地雷復の卦なり一陽下にあり五陰上にあり子は微也 萬物下に儲ふにとる孕といふ字の意なり丑は紐の字 の略なり十二月の支冬の土用にあたる二陽下に生すといへ とも四陰の気尚壮にして陽気を結組にとる地沢臨の 卦なり寅は演の字は略正月の支なり東方木にあたり て春此時三陽已に生し陰陽相半す陽気の発生を 人始て見の時もつて事の始を述へし演はのふる とよむ字陽気の演にとる故に神を祭るなり夏の 代は正にならひて歳首とするも此ゆへなり地天泰の 卦なり卯は正東日の升の時なり二月の文中に して萬物茂盛のとき四陽下に生し二陰上にあり雷 天天壮の卦なり卯はしけるとよむ字にて茂と同し草 木のしけるにとる五竹にしては寅卯は木に配す辰は震の 字の略三月の時陽巳に半を過もの尽く震て長す春 の土用にあたる五陽下にあり一陰迄にあり渾天尖の 卦なり己は四月正陽にして陰なし造化の用を摺陽これ を主る万物品を尽して生長し陽の泣きはまる乾為 天の卦とす己はすでにともおはるともよむ字なるゆへ 陽気の巳にきはまるにとる午はまじへるともしくとも よむ字にて長大を兼たる字なり万物陽気きはまり 皆満て長大になり一陰下に生じ此より陰気の主と りとなるなり方位正南に配し己午は火の位時は五 月夏至に一陰生ずるにあたる天風始の卦とす未 は六月土用に配す未は味なり物成て味あり此とき 草木の枝葉已に重て繁成す是をもつて木の字 に一昼を重て未の字を作る二陰下に生し四陽上 にあり天山遷の卦なり申は七月の辰にて身とも 賊ともよむ字なり申酉は金に配す三陰生し三陽 退く此故陽の生々止て行はれず三陰に収束せら れて万物の身体よく成就す申の字は手指物 を持の象陰気陽気の生々を賊ひ収斂して升発 せしめざるにかたどる三陰下にあり三陽上にあり天地 否の卦とす酉は全かり西方日入の時陰陽/正中八月三 酉の字はつゝむとよみて綱字の心なり万物納縮り陰 気収蔵して門を閉つゝむにかたとる四陰下にあり二陽 上にあり風地観とす戌は九月の事なり土用に配す 陽気いまだ既ざれども然れども事をもちひず戌 土の中に潜蔵る故に戊字の中に一昼を加て戌の字 を作る五陰下にあり一陽上にあり山地利とす亥は 十月の文なり亥の字はおすとよむ字にて効の字と 同じ陰気万物を効数の義にとるまた万物地下に 入穢れ草木の根菱内に含育の象りなり六-陰陽な し坤為地とす亥子は水に配す十干は天の五運十 二丈は地の六気にして五運六気相会して医書に云 司天在泉の主気客気毎歳遷りかはり運気をなす 十干を歳陽といひ十二文を歳陰といふ又十二律とも 十二辰とも云十千をきのえきのとひのえひのとなどこ いふ和訓何真書にもみえず和語正濫抄といふ書に木の兄 木の才火の兄火の牙みな此趣にて五行の陰陽を兄弟にとり たる和訓なりといへり兄といふ字をえとよむ例は井出の 左大臣橘の諸兄公のかくなり又十二文を十二の獣に配当 し鼠牛虎などを昼はもろこしよりの事と見えた り事物紀原に黄帝子丑十二辰を立てもつて月に 名付また十二名獣をもつてこれに属すとあれば漢土に てもふるき事と見えたれば日本へわたりし時すでに 右十二の獣に属してその図等ありしより日本にては 往古より十二の獣にいひならはせしなるべし実の処は 右いふ通陰陽の昇降する道理より古聖人のこしらへ たる十千十二支にして十二の獣にはあらざるなり子丑寅 などの和訓は神家の説なるよしにて上を略し中を 略し下を略しかどする事にて子は根さすの下略丑は うゐ〳〵しの中略寅はからけるの下略等の説あれども 附会の説に似て倍しかたし其上和名鈔東雅等の和 訓のことを書たるたしかなる書にも見えねばこゝろもてなし 唐土よりわたりしとき已に十二の獣に属せし図等有 へければ十二の獣の和訓をつけられたるものとみえたり 三十六会之事 或日天に二十八宿地に三十六禽といふ事諸書にあり て弓の重藤などを巻にも握皮より上を三十六禽 になぞらへ三十六とし握の下を二十八宿になそらへ 二十八とする類多くあり二十八宿三十六禽とは何等 のものにや曰天の二十八宿は一に二十八舎ともいふて 上古黄帝の時より定られ星経又は史記天官各代々 の天文志なんどの書にいろ〳〵むつかしく道理を説て其 一宿〳〵の名目を弁しあれども経ずる処は日月五星二 の運行を推歩し惣じて天の周囲にかゝりしことを いふときの古文符徴なり二十八宿を用るは唐土日 本朝鮮琉球等の別々はかりにて天竺西洋等の糞 国は周天の列舎を或は十一象とし又は十二象とす 同し宇宙の列となれば唐土の諸書の説のごとく ならば巫国も共に一統に同じかるべし飢渇寒 暑男女交合等のたぐひは万国相同じきをもつて みるべし二十八宿は角九氏房心尾箕の七宿を東 方に配当し斗牛女虚危室壁の七宿を北方に配 当し奎妻昌昴畢觜参の七宿を西方に配当し井 鬼柳星張翼軫の七宿を南方に配当す然れども各 其星は東西に周赤道の南北に列会して周天の円 形をなす西南東北にあるにあらずもつとも一宿とす るもの或は二三星を一座とし四星五星十星いろ〳〵 あり多きもの二十二三星をかぎりとし少きもの二 星をかぎりとす一宿持まへの度分の長も三十二度ば かりより一度弱まで多少いろ〳〵あり天学によらざ ればくはしくは知がたし三十六禽とは十二文にあ てる十二の獣を中として各二品宛その類をそへて 三十六としたるものなりその三十六禽の品左のごとし 鼠蝙燕黄牛児牛水牛虎豹鶏兎狐貉龍龍蛇魚 蛇蚓蛞蝓馬鹿瘴羊杵粉猿猴狼雀鶏鶏鳥狼射 豕豚猪 風之事 風はいかなるものにや吹ときはその勢ひ痘忽にして止は いづちにありともなしその形象もなく不審ものなり其 理いかなるものかその説をかたれ曰その理を説たるは 天経或問天原発微末書にては或問珎等にあり愚か天 経或問註解及天学指要に和解し畢ぬ故に今此 をかたらず風の理にあらさる余事をかたらん素問には 九宮八風編を立て虚邪正実の風をわかつて病根を試み 案する事を説管窺揮要天官書等には風角を候ふ て其歳の登不登を占ひ或は事の吉凶禍福を知るの 類を説てく詳なり然れともその説の通にもゆるもの ゆへ療治もそれをあてにもしられず冬至の風を占ひ 立春の風を候ふても米布にもかゝられず近来の米高 をする大商人を見るに天学はせねども貨殖の大 事なれば心気を忘して風雨を考へ十に六そその占ひ を不外高下の勝利を得て金もふけをなす人/浪華な どには間ありむかしの書物之通に柱に膠して勝負に かゝらば貨殖水にせで大なる破滅なるべし通俗の軍書な とに孔明や仲達のやうな大将達の天文を見たやうにちが はぬことなれば天学者には大分の弟子も有へし知 行にも成べし給銀にてかゝへられなば尾迄梅幸や 中村慶子より上行ほどにとれるなるべし天文占に 名のありし枢竈なれども鄙国の大火を占ひ一度 は考の通にあたりしかども後年の大火は子産が承 知なかりし通曽て大火なし考大に相違したり左伝 の趣をみるべし惣じて将来を占ふことは何にても十 の内五つと六つは考あても成べけれども易の合も 不思議不令も不思議の格にて陰陽造化の自然よ りふく風なれば空腹に食事をして腹のふくれ物 を貫て代銀取に来るやうに十が十ながら適中してちかは ぬといふ事は決てならぬ事なり十度のうち二三度はづれ る口があつては勝負の恃惜小はならずかやうの事故天学 者にては口すぎがしにくきなるべし或曰これはもつとも なりさりながら有年凶年を占ふ風のことをおばかり かたり給へ曰さあらば管窺楫要等の風角の占を少 はかりかたるへし 立春の日天気清明なれば順にして善陰は則旱す小 雲雨あれば其年豊年なり丑寅の風きたれば田友 もの不作す未申の風きたれば春寒し東風きたれ は順して萬物よし西風ふけは旱す辰巳風ふけば友 虫多し北風ふけば仇あり戌亥風ふけば春霜作ゆを 一損す南風ふけば必旱す○正月/元日に天気清明にし て雨も少雲も少風も少あるをよしとす雲もなく 風もなければ作ありしし風は東北を豊年とし北を 中年とし東を洪水とし東南を民疾疫ありと し南を早とし西南を小旱とし西北を豆るいよし とし西方を凶とす元日より十二日に至て雨を占 ふて其年十二月の晴雨を占ふ 春分の日天気清明なれば万物あしゝ風は東を不順 せし西を亡とし辰巳を諸虫死すとし戌亥を寒多 しとし南を五月水六月旱とし北を豆のふ作とし 未申を豆るいあしゝとし丑寅を米の不作とす 立夏の日天気請明なれは旱とす風は戌亥を不作 雲雨あれば其年豊年なり丑寅の風きたれば田/夏 もの不但す未申の風きたれば春寒し東風きたれ は順して萬物よし西風ふけは旱す辰巳風ふけば友 虫多し北風ふけば仇あり戌亥風ふけば春霜作物を 一損す南風ふけば必旱す○正月/元日に天気清明にし て雨も少雲も少風も少あるをよしとす雲もなく 風もなければ作ありしし風は東北を豊年とし北を 中年とし東を洪水とし東南を民疾疫ありと し南を早とし西南を小旱とし西北を豆るいよし とし西方を凶とす元日より十二日に至て雨を占 ふて其年十二月の晴雨を占ふ 春分の日天気清明なれば万物あしゝ風は東を不順 とし西を凶とし辰巳を諸虫死すとし戌亥を寒多 しとし南を五月水六月旱とし北を豆のふ作とし 未申を豆るいあしゝとし丑寅を米の不作とす 立夏の日天気請明なれは旱とす風は戌亥を不作 とし南を米旱損すとし北を雨多しとし未申を 人不安多しとし丑寅を地震疫病とし東を時なし東を問ひなり 《題:らざる雷多し西を夏虫多しとし辰巳を有年 とす げし 夏至の日天気清明なれば旱とす風は北を夏寒多し とし丑寅を山水暴に出るとし未申を六月雨多し とし西を霖雨とし辰巳を八月民病とし戌亥を望 稲を傷とし辰巳を九月大風とし南を豊年とす 立秋の日天気清明なれば万物からず未申の風は五穀成 丑寅の気候不順西は或東は秋雨多し辰巳は凶北は 雪多し南は旱戌亥は来春米貴 秋分の日天気清明なれば万物更生す風なれば物 ならず西は病多し戌亥は盗賊多し辰巳風多し北 は冬雪多し南は歯丑或は十二月天気陰南は土功作 立冬の日天気清明万物ならず戌亥風は物あらたまる南 一は疫疾あり丑寅は地気浅未申は水食貴し東は 古西も亦尚辰巳は気候不順北は大小霜雪あり 冬至の日天気清明右同じ東風ふけば雷ならず南は 産婦多く死す此はよしとす丑寅は陰多し未申 は秋蟲あり西は雨多し辰巳は萬物傷戌亥は寒気 おほ 多しとす 右管窺輯要天官書等の八風占の趣なり 天文俗談巻之三終 天文俗談巻之四 金神之事 金神といふものは鬼門に訳て人の恐るゝものなり鬼 門の事は居行子後編に出たれはその説をきゝぬ金 神はいかなる神なれは諸人かく恐るゝ事しやその説 をかたれ曰金神は夜又国巨旦大王の精霊なりといふ 説藍籃に出たれとも樵牧の市語同然にて一向取 どころとすへきにあらすその外陰陽方の通書大全 永寧通書暦例暦林問答陰陽書五行書:寺の諸書 にも方位をそのとしに配当するの説はあれとも此神 は何等の神たりといふことはなしこゝに山海経営小云 西方薦収金神白毛虎爪珮蛇執鍼専司無道と又 国語に云観公夢在廟有神人面白毛虎瓜執載西方白 虎金正官とまた列仙伝張道陵伝に云西域房陵間有 白虎神好飲人血と此等の説を拠ところとするより外 なし然れとも鬼門と同しく右の説〻いつれもたしか ならさるの説なり或説に庚申の神と同躰なりと神家 には庚申の神は猿田彦太神なりといふ庚も金なり申 も西方なるによつて金位に属す故に金神と称すと 金神七穀といふものあるは陰陽家所謂七門舎の故也 さつとは金気殺伐の意なり陰陽家に木は九火は三土は一 金は七水は五と人の五性によつて魂の数かはるといふ 事ありてその歌あり来九かとに火三の山にち一七金 とそ五水りやうあれ此心にて七穀といふなるへし何 にもせよ皆愚蒙の人の人の人きうへにて恐るゝ事 なりとしるへしいつのころより頒暦にしるし来り しといふ事国史になきことなればしれず数百歳 鬼門と同しくならへて恐れ来る事なれば垣破り にいへは世上の人情にそむけは人望をうしなふ 只哀むきは世上にならひ王法を立忌避るとも 心中にはまとふ事なかるへき事なり 人日之事 正月七日を人日といふ事ありいかなる出所にや曰事 物紀原にいふ東方朔か占書にいはく歳の正月一日二日を 占ふ二日狗を占ふ三日羊を占ふ四日春を占ふ五日生 を占ふ六日馬を占ふ七日人を占ふ八日穀を占ふみな 其日天気晴明温和なれは安泰にして蕃息す又 天気かん烈にて惨然たれはその物疾病ありて乃 耗するなりと此意によつて七日を人日といふなり 東方朔は漢の武帝の臣なれは此事漢の世より 始るなり 歳年差別之事 年と歳とは相同しきかまた差別ありや曰差別 あり年の字は禾一歳にして熟するを取捨の字 と同し意なり穀熟するを稔といふ正月より十二 月迄人の一年なり歳は越の字の意味故の限に 越るの意なり星一歳にして周旋散の限に帰る なりわけて太蔵神は木星の精霊一歳のうち に十二方をめぐる亥より始り戌に終り一歳に一 周す故にその字戌に作り歩に作り歳の字となる 冬至日輪南至の極より始り翌年の冬至迄にて一 歳終日天の一歳なり其外にも一祀と書て一年 の事に用ることあり経書に見えたり祀は一歳 の犯の編てすむをもつての義にとるまた載の字 を書事もあり載は筆なりとよみ始るといふ よみもある字なり故に物終て始るの義にとる 爾雅に夏の代には歳といひ高の代には祀と いひ周の代には年といひ堯舜の代には載といふと あれども愚按ずるに一涯にさやうともいはれを 書経の尭輿に定四時戌歳とあり舜典には歳二 月東巡狩とあり禹貢に作十有三載乃同とあり 太甲に三年後帰于毫といふ周礼に三歳計聖 史と書するときは爾雅のいふ処のこときにもあら ず右いふ通のわかちなりとしるべし 須弥山之事 或問いはく仏説に須弥山といふ説を立て世界の道 理を説それゆへ俗用の節用集のるいにその圖を出す もの多し天学にいふ処と大に殊なり仏説がよけ れば天学家にいふ処あしゝこれいかなるものにや答 曰仏家の経々はみな方便の事おほし須弥の説は長 《題:阿含経に出たり須弥の四方を四/月中界を 横にめくる四州とは西は牛賀州南は瞻部州東は 勝神州北は具盧州なり仏家にて須弥を三界九山 八海ともいふ無色界色界欲界の天を立無色無界を 四空處ともいふ色身なきをもつて定れる方處なし 色界十七天あり其下に欲界種々ありて都て三十三 天と立たるものなり東西は白南面は青西面は赤北 面は黄なり如此の趣にて種々の説を建全躰を皷の 胴のごとくに図してその中界を日月横やめぐると したるものなり然れとも方便の説にして天地の形は 象とはあはざる事なり五十年ばかり已前に城州松尾 に住する僧あり博識にして書ことに浮図氏の豪傑 なり須弥の説をもつて中華古学の天学に合せん と欲して百/計千術すれども思ひを尺のみにして其 説終にならすして過ぬ其後二十年ばかり経て京極 通四条辺に文雄といふ僧あり九山八海解嘲論といふ 書一冊を著述して仏説をのへ天学家の説をおとし 而その説一尋の便をもつて百仭の深井を汲て 用る処の短きを覚ずして此井には水なしといふ にことなる事なし強て仏説を補して天学家に心 書にくらし又常州の人に不染居士といふ人あり護 法資作論といふ書を著すそのうちに亀須弥のこ とを説て中学の天学家を駁しその終にいはく大 抵世天文地理之説皆可思議之法也仏家説得不 可思議要非思量分別之所能解方便品曰是法非 思量分別之所能解故其毎説広逸無辺元来出世 之族如此苦求尽其分数非所以知彼矣とせり愚 按するに仏説にかきらず何事にてもその玄々奥旨 たる処は皆思量分別の解する処にあらざるなり中学 も命理の玄々にいたつては文字言語の及どころにありて 或問解天学指要等にいひ置しことなり天地の形象は 目前測量図測の器をもつて量得て観へきものなる や近をすてゝ遠思議すべらざるの説を信ぜんや不染 居士仏説の須弥山を方便にあらすとして其証に方便 品を引まことに耳を抛て鈴を盗がごとし終々みな方 便のこと多し須弥も亦方便の説として大に可なり経 文之事は別のことなりとして中華の天学に比すべき にあらす古昔の天学家の説のうちに蓋天の説北極を 天頂として赤道を天晦とすれば日月地平の上下を横 にめぐるといふこれのみすこしく似たれども全躰大に 齟齬すその余は纔に似たる趣もなし寒測にあはざ る事はみな空論のみ天学の門に入人にあらざれは くはしく語て詮なし故にその大綱を答て止のみ 朔旦冬至之事 本朝の例に朔旦冬至とて殊の外御いはひ有 事にて清和天皇貞観二年庚辰十一月冬至な りしを閏十月の小を強て大となして冬至を十一月 朔にして朔旦冬至の嘉儀の儀式ありし事ありし事あり 八十三代土御門院建仁二年にも此例にならひて 嘉儀ありし事ありかほどにいはひたまふはいか なる故にや曰まこと朔旦冬至といふは十一月朔 日の前夜の夜半子の正刻後寅時までに冬至 の刻限のあたるをいふ十九年を暦の一章とて 往古の粗き暦法なればその通になりしことなれ ども世を逐て暦法くはしく成きたり今の暦法 などにては十九年などにて朔旦冬至になる事 あらず然れども凡十九年ばかりになれば十一月 朔日に冬至とはなるなりいにしへより朔旦冬至と いふて嘉するものみな朔日冬至なり和邦そのし らべもなく朔日冬至をみな朔旦冬至にして賀せら るゝ事なり朔旦冬至の賀漢土に於てはその例を きかす歴代の書に載る沙汰をきかず疑ふらくは斯 和例なるべし江次第に朔旦冬至の宴会は桓武 天皇乃延暦三年十一月戊戌朔慶賀を行はれ田 租を免さるこれその始なりといへり只冬至を賀す る事は漢土よりの例なり事物紀原に玉燭実 曲を引て曰冬至陰陽百物之始日極南影長有 履長之慶また漢雑事にいはく冬至陽生君子 道長故賀としかるときはこれまたに漢制なるへし 江次第に曰冬至の宴会は聖武皇帝神亀二年 十一月己丑天皇御于大安殿受冬至賀辞とこゝ をもつて是は冬至は一陽来復して陽の徳次第 に長ずべき始なるをもつて和漢ともにこれを 賀する事と見えたり天の一歳の挙なるを以て 最も賀すへき日なりと知べし扨朔旦の刻限にふ同 あり天学の書にはあれこれにその説も出る愚か天 学指要にもその説を載す然れとも天学によら さる人の為に次手なれはあらましをかたらんもろこし 夏の代には寅月をもつて歳首とす今の正月と同 事なり殿の代には丑月をもつて歳首とす周の代 には子月をもつて歳首とすこれを夏殷周の三正 といふ周正子の月を用て正月とするときは夜半子 の正刻をもつて朔旦とすべしまた殷正丑の月を 用て正月とするときは丑の正刻をもつて朔旦とす 夏正寅の月を用て正月とするときは寅の正刻をもつ て朔旦となすべきなり 天文俗談虫之終 二度の落薬全五冊 右の書疾行子撰世の人情をつれ 〳〵草抔の如くにかき申候おもしろき 暮二御座候亥の年文々木比し申候 其節御求御覧有御求御求御覧 天文俗談巻之五 庚申侍之事 あるひはとにせしやう 或問世上に庚申待とて庚申の夜はうちより豆腐 などを炙て三弦浄瑠理または竿鼓囃子なとやう の慰をして夜半後迄は遊び子時すぎて寝所に 入をよしといふいかなる事にや曰庚申まちのこと和 邦にても古き事と見えて源氏物語東屋の巻 にも出たり漢土にても史漢のるいにはその沙汰あり ともきゝおよばず仏家よりの事にしてもとは道家 の事なりときゝぬ庚申経といふものありその経に曰 人の腹中に三戸あり人の大害をなす常に庚申の夜天 上に升て人の悪事を帝釈にうつたふ故に庚申毎 に寝ざれば尸虫天上する事をえすと夜半子時 をすぐれば翌日辛酉の日取になるゆくその虫腹の内 より出る事あたはず爰をもつて夜半まで寝さる一 やうにするとなり庚申待にはあらず守庚申と かきて庚申をまもりもりする心なれば庚申まちと いふは庚申もりの転じたるにや俗説諱に僧史略 を引ていはく近ころ聞周郷の地邑杜多結で庚申会 を守て初集り鏡館を鳴し仏を唱讃を歌ひ衆人 念仏行道し或は絲竹を動し一夕睡らずもつて 三献上帝に奏し罪を誌し壽算を奪ことを避也 然して此実に道家の法なり往々無智の釈子入会 し小利を図謀り会の其根本をも尋ねず誤て 邪法を行ふ深痛べき哉と又祖庭事苑を引ていは く三戸鬼の事仏経に出るにあらず道家に出また 西峯松下氏の云を引ていはく守庚申は道家修行之 法なり然るに近代寂滅之徒此夕人に代て庚申を守 殆ど佛寺をして道観を為しむ其人を惑はすこと 甚し符章を事とする者も亦其利を慕て明神 之傍にもつて淫犯をなす近年往々にして書を読 理を知の人ありもつて何女とかせんやこ云々此事 まことに愚蒙のいたり右に諸説を述るが如し愚おもふに 其身に悪事あらば腹中の尸虫升て天帝にうつたへ すとも天の照覧豈くらからんや世迄の人おほくは庚 申経にいふ処の趣をもしらず只庚申の夜は深夜に なりて寝る事とのみ思ひ何のわきまへもなく慰 ごと酒者に興を催すをよろこび此夜庚申の神を まつりて信ずる人々は罪なし只不学の人故条 わけもしらずしてと笑ばかりにてすめどもな まなか些古昔なわろたち物しり貌に尸虫のわけ を法釈などをして我もその心にて守庚申を催 すごときの人は別して仕官人の風上にもおかれぬ一 事そかし身分によろしからぬ事をしてそれを 主君に告さらぬやうに禦組正道を大事とせず我 欲する処をなすやうなものにて言語を絶したる悪 人なり君子は其猫を慎むといへり其意を誠にし其 心を正しくせば腹中の尸虫何時升天して天帝 に告るとも恐るゝこと有べからず腹中の虫の出て天に うつたふるをこはがり腹のうちより虫のひられぬやうにとこ 思ふやうなるうしろぐらき心にて悪心を慎まずんは天の 照覧までゆかぬさきに人これをゆるすべらず別に 何ぞ深きこゝろありて庚申の夜まつる事かはしらね とも小明浅元の身には右いふ通の事ならでは見 あたらず後人その心にて庚申の神は猿田彦命に て金気殺代の意もあれはと思ひ慎でこれをまつらば あたらずといへども遠かるまじき事なり 女護島之事 或問いはくむかじより蛮国の海中に女護の島と いふ処ありて男子なく楚の嶌の女南風を陰門に うくれば子を妊といひつたふさやうのことも有にや その島の方角日本よりいづらにあたり行程いかば 一かりありやこれをかたれ曰此等の事は愚が著述 するところの写本に万国夢物語といふ秘本あり その書にくはしくしるしたれども暮ざるも本意なけへ ればそのあらましをかたらんいにしへよりいふ女護のしま は今にては日本の支配うちとなりて蛮国にあらず帝 都よりは東南にあたり東国伊豆州の下田より海迄 を南にさること六十余里にして八丈嶌といふ島あり これいにしへの女護島なり今は往古のごとく女人 ばかり住にあらず男女ともに世上のごとし文革 ひりけて繁昌し嶌絹を織出す世に八丈島と いふこれなり御代官所なり後漢書東夷伝に海中 有_二女国_一無_レ男其国有_二神井_一闕_レ之轍生_一子云々本艸綱 目塩麩子の附録にいはく扶桑の東女国ありとも あり又北条五代記にもむかしの女国は今の八丈しま なる事をくはしく説りその證多きのみ 石脳油之事 西国順礼三十三所の終美濃州谷汲寺に岩の間 より油涌出て仏前の燈明の用に足よし縁記に なが〳〵とやかましくいへりさやうの事もある事にやいかん 曰谷教寺の油は仏力の不思議にて涌出ることかはしら ねどもこれ本草綱目所謂石脳油なり仏の功力をも かたらざる越後刈頭城郡松代村に地中より油わき 出一日に三升程宛取用ゆ其所にて名付て草生水 と云彼地にて銭百六七拾文位の売買のよし価之 事は時々のやうすにてちがふものなれば今はいかに やしらず燈火にずいふん光よくとぼる其外大荒 戸村磯明村水梨村等の所々油わく処あり万国 は勿論日本一州にても愚がきゝ及ざる所また 油わくところあるべし惣じて地中より出る処 の物造化自然の生々にて出来ることなれば不可思 誠なる事おほけれどこれらの事はその道理し れてあり本朝奇跡談にも此等の事を載たり たとへば同州蒲原郡女法寺村百姓庄右衛門森の庭 より火出る夜は此火をもつて燈火の代りとすそ のはじめ正保二年三月彼者庭にて鞴を吹そのゑんに よつて不図火燃出て今にたえず常には火なし竹筒 をその穴へさし込此方より附木に火を付呼火をす れば火出るいらざるとき其竹筒を取退蓋をすれば 火消てなしその竹筒おも焦ことなし香川の薬選 にも此事を載られたりまた往年京都の西下嵯峨 の道に常盤村といふ処にても新に井を掘とて土中 より火燃出て大におどろき処々評判せし事なり 此島はみな地中の火脈に振あてたるなり富士山 浅間嶽等の燃たぐひ皆同じ漢土にても蜀中の 火井のたぐひ萬国そのるい多し温泉などの理も 古き書々にかきし如きの事にはあらずおもしろさ 道理なる事なれども居行子に薬運を引てくはしく 載たれば今これをかたらげ谷汲の油は縁記の通 仏力かはしらねども他にそのるい多事なりと知べし 五更之事 天鼓の謡に五更の一点鳥も鳴といふ事あり五更とは 寅時をいふか一点とは世にいふ寅の一点か更点の事 如何曰五更とは凡寅時のころなれとも更点の割 は別なり昏六の正刻より明六の正刻迄の六時 を五更の惣数とするゆへ一更は一時二分宛なり昏 六の正刻より後一時二分の間を抑更とし一時三分 ころより二更となり二時四分にて二更終り三更四 更と一時二分宛を距て四時八分にて四更終り四時九 天文文谷炎 分の処五更の一点なり寅正刻の少前なり五更終て 六時満明六の正刻となる也扨一更を五点づゝに割 一点二点五点として毎更終るゆへに一更の終は戌正 刻後二更の終は亥正刻後四分三更の終は子時半後四更 の終は寅正刻前なり圖をもつて解すれば了会や すけれどたもなくては紛しく思はるゝものなり日東通 暦等の書には図解あり更点の割は長短のかまひなく 其時々の一夜の割なりと知るへし 応帝亜之事 京都四条通祇園の御旅町にいんでんやとて煙草入 煙管筒革の巾着等の類の物を商ふ家ありしか 今もありや変りやすきは世のならひなる故今はやきや しらねとも先めづらしき家号にて何やらん出所あ るやうにきゝぬいかなる出の家号なるやその故をかたれ 曰これはめづらしき事を御尋あるもの哉なるほと 一通ならぬ屈号なりこれは天竺にある列の名より 出たる屋号なり日本九州の地より千里の波濤を 距て南京呉越の国のほとうに行それより千里二 千里の道路を距て唐土を西へ行せければ天竺に いたる天竺は又唐土より土地広綱にして五天竺あり 往古は印度といひしなりその西印度の地に応帝 亜といふ処あり北は莫臥児と壌を按て大国也 天竺より又西の西洋の諸番国の会する処に して繁昌の地なりその州より出る産物のうち に皮革の極品種々を出す万国こゝに次ものなしと いへりこれをもつて思へばいんでんの中着などいへるは 彼応帝亜より出る華の中着といふなるべけれは 此国の名より出たるや号なる事必せりこれにかぎ らず茶人の重器とするいどの茶碗といふものあ り茶人の方には何等の字を正字として書やしらね ども往年も希に井戸の茶碗と外箱に書付 したるを見たる事あり万葉がきにしたる心かは しらねど拙き事のやうにおもはるゝなり右無応 帝亜は西印度の地なり南印度東印度各別々あ り五天竺のことなり今はそれ〳〵の州の名をよぶ 往古は印度といひ又は天竺といふその印度より 来る茶碗といふ事からめ日本より印度の地までは いづれへ行ても海陸凡三四千里の土地なれば珎物 として大切がるももつとも至極なり愚柔道にうとき をもつて金銀車の誤とやなるべきかしらねども次手 なれば咄はべる 小人嶌之事 世にいふ小人/罵といふは如何方角いづくなりや曰天 竺の北にあたり韃靼の西方に没厠箇未突国といふ 大国ありその国の東北の海浜に小人国あり矮人図 といふ国人男女長三尺にたらず五歳にして子を生じ 八歳にして老人となる常に鶴にとらるゝにより穴 を掘て居住す夏三月は壌を出て往来す羊を馬 のごとくに騎と此国のこと家語にも出三才図会に も長人国小人国の図を載す然れどもその国今は 役厠箇未突国の為に滅亡せられしにや采覧異言 等のたしかなる近代の書には此国の沙汰なし愚が 万国夢物語をみれば蛮国八十余国唐土天竺朝鮮 琉球みなその国風を知のみ 同 医療衆方規規 養全一冊 蓬籠 延寿養生論全一冊 先に貝原先生養生訓世に行はるゝと 薬方加減等を委しくしるし病症 いへとも六ヶ敷今の人の人の行ひかたき事多し を附す是則道三先生治療の書也 此書はわづか小冊にして人間養生の極 医人にあらずしても此書によつて 秘を述たり此書によつて常に養生 治療をなさば病家にあやまちなく 一の道を心がけば無病長生にして天寿 薬違ひ等なかるべし を得局の良書なり 享和三癸亥六月発行 浪花書舗 心斎橋筋北久太郎町 河内屋喜兵衛 心斎橋南江四丁目 吉文字屋市左衛門 行 目録 同七月 目録 妙術博物巻後編目録 妙術博物築後編凡例 以テ購人セル行謬博 一先年新板行いたし候妙術博物茶と外題をしるし智術秘伝 秘密妙術妙法其外人家日用重宝なる事数々集め 世に弘め候所大に世間流布いたし候故此度右妙術博物挙初 篇に洩たる事を集め二篇といたし世に弘む 一いろは分目録に記し候丁附は本文上の経にある丁附にて 引合せ見るべし はうそう 一いろは分は仮名遣にかゝわらず声にて見るべし ほうそう 右の如き は)にあるやほ)にあるや分りがたしこれら仮名:がたしこわらず は 少何二編 声にて引べし即ちほ)の部にあり 一此書に洩たるは何の書に出たりといふ事を目録に記す其内人 家万宝といふ書にある事徃々あり人家万宝といへる書は初め 二冊は人家万宝の第一長生冨貴を得て家内安穏に暮さるゝ 身の行ひ方其外徳益ある事卅三ヶ條集め次七冊は妙術博物 釜に洩たる奇妙の秘伝妙術を集め○草木の花を自由に咲かせ 一草木植様○地震雷を前に知り○日和の降晴○男女を美人に する法其外人家日々入用の事を記す此両書を見るときは天 ○地万物の妙術を得るなり 門部分之註 妙薬 二丁ヨリ廿二丁迄 薬の見様病人の心得養生の法丸散湯方常の方書になき 妙方を集め一二/味にて病を愈す幷に灸点名灸法其外万療治を記す 衣服 染色指南あらひはりしみおとし合羽の仕様其外 《振り仮名:人〻着用の品一切をあつむ 道具 廿二丁ヨリ廿九丁迄 金銀石紙木竹の細工墨糊画の具其外/家内に有所の物蔵 記す右夫々仕様の妙用を集む并にびん付油掛香おはぐろの法を記す 生類 廿三丁ヨリ丗三丁迄 鳥けだもの魚虫一切をしるす并 ̄ニ其毒をさり或は 飼やうなつけ様色々の妙法をあつむ 少片二編 女行二介 料理 魚鳥青物其外万食物こしらへ様たくばへ様幷に さま〳〵奇妙なる珍しき料理をあつむ 食物 卅四丁ヨリ四十丁迄 酒酢醤油三噌作り様毒けしの方其外万の 食物をあつめしるす 草木 四十丁ヨリ四十三丁迄 さし木接木花実をはやく生じ幷に色〳〵契り たる花を咲し都て草木竹一切をあつむ 天地 四十三丁ヨリ四十六丁ヨリ四十六丁ヨリ 日月星辰風雲水火山海川沢泉水其外晴雨 日取の善悪四季折々暦にかゝる事を記す 妙術 四十七丁ヨリ五十一丁迄 ○神変不思議奇々妙々妙々妙々の術○文字のはじまり○ 詩哥の心得其外品々あつめ記す 妙薬之部 薬の見様病人の心得養生の法丸散湯方常道の方書になき妙方を集め一二味 にて病を愈す灸点名灸の法其外万療治の事をしるす 卅五丁ヲ い犬の咬たるを直す方 獣のかみたるを直す方六十八丁ヲ 此方にて万一なをらざる時は妙薬 一いぼを落す方 卅五丁ウ 博物筌といふ本を見るべし 医道は計り知がたし医薬可慎の論百廿六丁ヲ 一古井の毒を消す法 ろ労咳を直す灸法 は鼻緒ずれを治する方卅三丁ヲ 一髪を黒くし歯をかためる法同を 少何二篇 ○妙薬 女後二年 ○妙薬 卅八丁ヲ 一鼻血を止る方 同ウ 一鼻へ物の入たるを直す法 卅九丁ヲ 一歯生したきの法 同 一牙齦の痛を直す法 甘草を濃くせんじ汁を含み 一牙の痛諸薬効なき物を治す 口すゝぐ三五日にして愈ゆ 卅九丁ヲ 一針肉に入たるを直す法 同ゥ 一はゞき瘡を治する法 六十丁ヲ 一虫喰歯を治する法 同ウ 同まじなひ同ウ 一口中気にて歯の痛を治する法二法七十一丁を 一五疳一本針の傳七十三丁ウ 一髪の薄き所又はげたるを直す法百一丁ウ 一顔など突はれたるに薬百二丁ツ 雁瘡の薬百十三丁ツ 一雁瘡の薬 一雁瘡の薬百十三丁ツ 一蜂のさしたるを治する法 一蜂のさゝぬまじなひ二法卅九丁ゥ 同百六十五丁ウ 一牙歯の痛を治する法 黒砂糖一盞姜汁二盞/和しこれを 一四時疫病を治す ふくす熱汁出て愈る妙なり 妙術二篇 卅一 一小児腹痛を治する方 百七十七丁ヲ 一腫病を治する法二法 百七十九丁ヲ 一蛇のさゝぬまじなひ二法 四十丁ヲ 百卅二丁ツ 一鼻血を止むる法百卅二丁ツ 百七十九丁ツ 一腫物異名 鶏子糞熱酒にかきまぜ渣を 一陰症腹痛を治する法 去りふくすたちまち愈ゆる也 七十丁ヲ 一腹の瀉るを治する法 同 一同止むる名方 一妊娠有無を知る法 好き酢を用て艾をふすべ半盞を ふくして後腹中大きにいたまば是 はらむ事あるなりいたまずは はらむ事なきなり に 粉刺をなをす法二法 四十三丁ヲ 一薩广人参製法 一薩摩人参製法七十七丁ウ 疱瘡を治する奇方 ほ疱瘡を治する奇方鼻七丁ヲ ほ 同ウ 一疱瘡目に入たるを治する法 たとへほうさう出ると 一疱瘡はやる時服する法 百廿九丁ウ いへともすくなくかるし 一疱瘡穢れたる氣にふれて色変ずるを直す法同 ̄サ 一一 一骨うづき妙薬 一瘡の後骨うづきの妙薬 少将二篇 女□□□ 百九丁ヲ 一同方 四十一丁ヲ 一疱瘡のまじなひ 同ウ 一疱瘡よけの妙法 四十二丁ヲ 一疱瘡色相直す法四十二丁ヲ 同ウ 一疱瘡にて目閉たるを治する法 四十四丁ヲ 蛇に咬れたるを治する法 一蛇人の穴に入るを出す法 ばり定むおのづから出るなり あながちに抜き出すべからず 蛇の尾をとらへ刀をもつて割き 辛きものをはさみ糸をもつてし こ深山幽谷などへ行時悪獣毒虫 并瘴瘴 を去る法 也 百卅九丁ヲ 一/床ずれせぬ法 十丁ヲ 百卅八丁ウ 一反花瘡下し百四丁ヲ 一吐血を即座に治する法 一吐血を即座に治する法 ち血とめの方 ち血とめの方百卅丁ウ 一小児乳をあますを治する法 一小児乳をあますを治する法 四十六丁ヲ 一乳にはれ物できたるを治方 菊の葉搗て上に 一/疔腫物急危死なんとするを治する法 敷く即ち甦 へる冬月葉なきときは根を もちゆるも又よし 少何二篇 □□ 如行二名 一中風の治方 中風の治方四十五丁ツ 一痔を治する法同ウ 痳病を即座に直し様百卅八丁を八丁ウ 赤白痢の妙薬九十一丁ヲ 一痢病を煩らはざる法 痢病の妙薬同 一痢病の妙薬同 一痢病の名方四十六丁ウ 一痢病を治する法 陳蘿蔔を湯に 一痢病止ざるを治する法陳蘿蔔を湯に ○せんじ服す即治す る 瘰癧を治する法 九十二丁ヲ □□□□□□□ 一女の月水滞りを治する法 女の月水滞りを治する法六十四丁ヲ 一同月水をのばす法 一同月水をのばす法同ウ 一瘧のまじなひ二法 同 一瘧の妙薬九十二丁ヲ 九十二丁ヲ 一同落す某 一同落す某同ウ いかなるおこりにても 一一切瘧蔵菜 同 落ずといふ事なし 一瘧落かねるに妙薬九十三丁ヲ 九十三ヲヨリ 一瘧薬五方九十三丁ヨリ 九十四ヲマデ 妙術二篇 一痘黴薬家伝斬鬼丹九十四丁ヲ 一瘧載茶の代に用ゆる方同 黄疸の薬九十九丁を 一小児黄疸の薬百丁ヲ 一黄疸一黄金色の如くなるを治方同 一魘死したるを治法三法九十五丁ヲ 一驚きて物をいはさるを治する法同 一面を爪にて狐破りたるを治す同ウ 補養菜同 一補養菜 一瘧載茶 百卅一丁ウ 胡臭の治方 胡臭の治方百卅四丁ウ 九十六丁ヲヨリ 一同妙方六方九十六丁ヲヨリ 九十七丁ヲ迄 一同痘薬九十七丁ツ 同早く止むる法四方九十八丁を 同治する方四十六丁ウ 一草鞋喰の菜 草鞋喰の菜九十九丁ヲ 一脇頻に痛み屈伸なりがたきを治す同 ̄ の 力髪はへ薬の方十二丁ツ 少将二編 髪を黒くし歯をかためる法 一顔のつやを出す法四十七丁を 一髪のつやを出す法同 一髪はへざるをはやす法同 ̄ヲ 一雁瘡を治する法同 一頭のいたみ虫熱を去る法同同 脚気筋気を治する法四十八丁ヲ 一隔の病を治する法同ウ 一同断同 同 一同方 雷に驚き死せるを活す法四十九丁を 甘松の香気つよくする法八十四丁ヲ 一髪髭の白きを黒くする法百丁ツ 一髪白くならざる薬百一丁ヲ 一髪の薄き処又禿たるに附菜同 一髪のぬけかれて潤をひなきを治す同 一髪のはへる油の方同 一髪を永くしつやを能する法百二丁ヲ 一髪の色赤きを治す同 一しんじん 女後二篇 一髪を生する薬 甜瓜の葉を汁につき 是をぬる即ち生す 一面に光沢を出す法 毎朝口すゝぐ水を以てはいて掌の 中に入て面を洗ふ久しくして自然にうるほふ 一頭の疵痕に毛をはやす法 一顔など突きたるに菜 同 一面に腫物出て癜の附たるを治す 一陽噎の妙菜 同方百三十端 同方百三十 百三丁ヲ 一同秘伝妙方同 一/腸の養生薬 同ウ 一同二方 一楊梅瘡 便毒疳瘡の薬品々即ちしつ薬也 便毒疳瘡の薬品々即ちしつ茶也百四丁ヨリ 病の考へ薬方付薬委しくしるす 百十三丁迄同 百十三丁ウ 一がんがさの茶一瓜瓜瓜一 一かんかさの菜百十三丁ウ 一反花瘡下し百四丁ヲ 平里流瘡菜百五丁ヲ 百卅二丁ウ 喉疳の治法百卅二丁ウ 一旅に出るとき乾生姜胡持へき事百卅九丁め 一筋脚気の妙方 筋脚気の妙方夏十六丁ウ よ小児夜啼を治す三方 少将二編 一小児夜啼を治する法二方百七十八丁ヲ 百七十六丁ウ 一同まじなひ百七十六十六丁を 一小児よだれを治する法 百九丁ウ 一楊梅瘡の薬二方 一楊梅瘡の芽二十袋百十丁ヲ 一同苑家百十丁ヲ 一同洗菜百十丁ヲ 一司村矣同同 一同附菜同ウ 一同悪瘡の付薬同 一同加減秘密丸同 一楊梅瘡大豆瘡妙薬百十二丁ヲ 一楊梅瘡下疳瘡餘毒妙薬 一楊梅瘡下疳瘡餘毒妙薬同 ̄ウ 楊梅瘡筋骨攣痛を治する大秘方百卅五丁ウ た たん一切に用る方 五十六丁ヲ 委しく妙薬博物筌といふ本にあり 一痰の茶名灸 一下し薬を用ひず大便秘結を治する法 につき梍角の灰の末二三才調へて ふくす立どころに大便通ずるなり 蘿蔔子一合 をもつて冷水 一旅に趣くには乾姜胡椒を持べき事百卅九丁め 俗に手のいたむをそらでといふを治す百卅四丁ゥ 百卅五丁ヲ 一刺のたちたるを抜様 少将二篇 女後二篇 一同方 四十五丁ヲ ○頭痛を治し目を明かにする枕の拵やう百卅丁を 一頭瘡を治す 醋の湯にてあらひ浄くし百中霜に肺粉を入 少計生油にて調へぬる立どころに愈ゆ 百十三丁ウ 一かさにて聾に成たるを治する方 五十九丁ヲ ね猫の咬たるを治する法五十九丁を 六十九丁ウ 一婦人熱気を治する法 柿の葉さらしすり末となし湯にて二 一人睡臥醒ることなきを治す 三銭を服す愈るを待て薬をとゞむ 百卅六丁ヲ な癜風を治する法 一同方 五十九丁ヲ 一白癜風の妙菜 一白癜風の妙薬卅二丁ウ はり の乱気を治する薬 ら乱気を治する薬五十九丁ウ 一同方 む虫喰歯を治する法六十丁ヲ 同まじないの法同ウ 小児虫病を治する法 一小児胸はれいたむを治法百七十六丁ヲ 一大人胸のいたみを直す法妙薬博物筌といふ本に委しくあり 一切虫のさしたるを治する法 町術二篇 一虫喰歯治方 百卅四丁ヲ 百卅三丁ウ 一耳へ虫米豆の類入たるを出し様 一無病の人針灸薬猥りに用ゆへからざる論百廿七丁を 一頭の痛虫熱をさる法 頭の痛虫熱をさる法四十七丁ウ 一馬の咬たるを治する法螺をかみてつける又炭を焼て 油にてとゝのへ付るもよし う漆にまけざる法 う漆にまけざる法十九丁ヲ 一漆まけを治する法卅三丁ヲ 一打身を治する法六十一丁ヲ 一一角見やうの法 一一角見やうの法同ウ 打身の名方六十二丁ウ 一魚の毒を消す法 同 其瓜の皮をせんじ服して 一瓜を食し傷らるゝを治す よし諸のうりみな同じ 六十二丁ウ 一魚鳥の骨肉に刺たるを治する法六十二丁ゥ 舟に酔たるを治す并に魚の毒を消す薬百卅一丁ツ 百卅五丁ヲ 一打身閉動を治する法 百卅八丁ヲ 一漆瘡の薬 赤小豆を新しき布袋に入井の内に置こと三日にして 一瘟病を避る法 出し服す男は十粒女は二十粒 一同法 麻油を鼻の穴の内へぬり病家に行くべし傳染する事な し出てゝ後こよりにてさぐりてはなひるべし 少将二編 百卅二丁ヲ の喉に骨の立たるを治する法百卅二丁ヲ 七十二丁ヲ 一喉の薬三方 一喉に食つまりたるを治する法同ウ 一喉に物のたちたるを治する法六十三丁ヨ 六十三丁ヲ 一喉に餅つまりたるを治する法同 ̄ツ 一喉に骨のたちたるを治する法同 一喉のつまりを治する法六十四丁ヲ く針のたちたるを抜く法二法卅四丁ヲ 一女の月水滞りを治する法六十四丁を 一同月水のばす法 一同月水のばす法同ウ 一薬湯の方 薬湯の方六十五丁ヲ 菌の毒を治する法同 ̄ッ 百四丁ヲ 一万瘡薬并にくさにもよし 一泄瀉を止る法生姜一塊艾一把水煎熱服す 一泄瀉を止る法 一義 百沸湯にてんじ服す 一霍乱吐瀉を治す枯礬の末 委中の穴より 一霍乱吐瀉せず腹張絶せんとするを治す 血をとり又十指 ○金類の頭より血を出すこれ良方なり委中の 穴はひざのかゞまりの内にあるなり 蘿蔔をつき汁をもつて 一火事の烟に薫れて死に至る者を治す そゝけば即ちよみがへる 少何二畜 卅二丁ウ や湯火傷の妙薬 六十六丁ヲ 一同二方六十六丁を 同ツ 一同名方 一医薬可慎の論 百廿六丁ヲ 并に病家へゆく 一疫病流行時疫気払ひ様 ときのこゝろえ 百廿九丁ヲ 百三十五丁ヲ 一湯火油一切灼傷を治する法 百卅八丁ウ ま毒蛇の傷りたるを治する法 一遠行に足痛みまめ出ずるを治する法 百卅七丁ウ 一楊梅瘡大豆瘡の妙薬 百十二丁ヲ 一眉毛はやす法 六十六丁ウ 同ウ 一前陰に虱わきたるを治する法 大坂心斎橋南へ三丁目吉文字屋の 一万病を治する薬 天寿保元丹といふねり薬あり 六十八丁ヲ け獣のかみたるを治する法 け獣のかみたるを治する法六十八丁ヲ し 一下疳を治する法二法 同 一頭の疵痕に毛をはやす法 一頭の疵痕に毛をはやす法百二丁ヲ 百十二丁ヲ 一楊梅瘡下疳瘡餘毒妙薬百十二丁ヲ 百卅六丁ヲ 一下疳痛み汁出るを治する法 肥身一ツ灰にやき姓を ふ男子陰嚢湿痒を治す 存し麻油にとゝのへぬる 町将二篇 一小児ふぐり腫を治する法 百七十七丁ウ 并に瘴気を さける法 百卅九丁ヲ 百卅一丁ウ 船に酔たるを治す幷并に魚の毒を消す百卅一丁ウ 六十四丁ヲ 一婦人月水滞りを治す二方六十四丁を 一婦人産後の法六十九丁ヲ 一痳疹一婦人熱風氣を治する法 一婦人熱風気を治する法同ウ 一同腰気を治する法 一同腰気を治する法同 一頭の白垢を治する法十八丁ヲ 三丁ヲ 一古井の毒を消す法三丁ヲ 也 こ婦人腰気を治する法六十九丁ヲ 一口中ふくみ薬 一口中ふくみ薬七十丁ヲ 一同方 同方七十一丁ヲ 一同ふくみ水の方 一口中の薬数百方妙薬博物筌といふ本にあり 一転筋を治する法 一転筋を治する法七十一丁ツ 一/痛をおとす法同 一喉痺を治する法三法 一喉痺を治する法三法七十二丁を 一同方 同方百卅二丁ウ 少何二篇 女術二編 七十三丁ウ 一五疳一本針の法 一俄に腰いたむを治する法 大豆六升水にかきまぜしめ しほし妙熱して布につゝみ こしをのすべし冷ゆれは いく度もかへのすべし 一腰曲てのびさるを治す委中に針して立処に愈ゆ 百卅一丁ウ ゑ胞衣下らさるときの法 へるつ 一同妙法卅二丁ヲ 一同妙法 酒の酔をさます法百六十五丁を て癲癇を治する法七十四丁ウ 同ウ 一同灸治の方 一俗に手の痛むをそらでといふ治方百卅四丁ウ あ ああらひ粉の方十三丁ヲ 一頭の白禿を治する法十八丁ヲ 一足の裏へ古き竹木針立たるを抜法卅四丁を 一足の裏へ鉄釘の立たる即時に抜法同ウ 一垢功を治する法七十五丁ヲ 一足のうら切を治する法七十七丁を 一楊梅瘡悪瘡附薬 一楊梅瘡悪瘡附薬百十丁ツ 一同加減秘密丸同同 女後二篇 一遠く行くに足いたみまめ出るを治す 百卅七丁ウ 白蜜をぬりて 一熱き油に中りやけ痛むを治す 即ち妙なり さ酒の酔をさます法 百六十五丁ヲ 一上戸を下戸にする法二法 百八十丁ウ 一酒食停滞心中はり満るを治す 塩を牙歯にぬり温水に てそゝぎくだすこと三次 たちまち心よき事湯を雪に そゝぐかごとくに治す妙々也 百卅一丁ヲ 一婦人臨産の薬方并に難産の加減 一婦人産後の法 六十九丁ヲ 一雲母粉半両温水に調へ 一婦人難産日を経て生れざるを治す ふくす口に入れは即ち 産す順ならざるものは即ち 順也万に一をもうしなはず 一横逆産手足まづ出づるを順に生るゝまじない其先出 したる 手足に子の父の父の名を かけば即ちじゆんに生る也 き灸のいぼひたるを治方 卅四丁ウ 一菌子の毒を治する法六十五丁ツ 一金銀を呑たるを治する法 一金銀を呑たるを治する法百六十六丁ヲ 灸点の寸法同同 一灸治忌日の伝 一灸治忌日の伝百六十七丁 一灸に忌む月の事 一灸に忌む月の事百六十八丁ツ 少何二編 如徳二巻五十七 一同四/火患門の法同ウ 五十九丁ヲ 一乱心を治する法二方 百六十九丁ウ 切疵を治する法百六十九丁ッ 六十五丁ヲ ゆ菜湯の法六十五丁ヲ 百卅丁ヲ め頭痛を治し目を明らかにする法 一眩暈甚しきを治する法 大黄を酒にひたし九度むし九 度さらし梧桐子の大きさに 丸じ五七十丸白水にて 服すべしたちまち効あり 百卅七丁ウ 一痘瘡目に入たるを治する法 百七十一丁ウ 一目を明らかにする法 一目に物の入たるを治す 百七十二丁ヲ 一稲麦の芒目に入たるを治す曩荷の根の汁を 目にそゝぐ即出ず 一目いぼのまじなひ 百七十二丁ヲ 目をまはしたるを治する法 沈み耳の内へ物の入たるを治する法同 一同血出るを治する法同 耳へ虫并米豆の入たるを出し様 米豆の入た/米豆の入たるを出し様百卅三丁め 一第一/耳の薬 同 一水のかわりにあたらぬ法三丁ヲ 少将二編 女後二篇 し白癜風の妙薬 卅二丁ウ 一前陰に虱わきたるを去る法 前陰に虱わきたるを去る法六十七丁を 一小児黄疸の薬百丁ヲ 顔に腫物出て瘢の付たるを治す百二丁ウ 辛熱の蒸無病の人常に用ひまじき事百廿八丁ヲ 一楊梅瘡下疳便毒の薬数方百四丁ヨリ 百十三丁迄同百十三丁迄 百卅五丁ウ 一楊梅瘡筋骨攣痛を治する大秘方 百六十一丁ヲ 一鬢洗香 鬚洗香百六十一丁ヲ 一白禿の妙菜 百七十三丁ツ 一湿気の妙薬大秘方 百卅二丁ヲ 一白髪を黒くする法 百七十五丁ヲ 一同方 一己が髪をやきて頭の垢と等分にして大豆の大さに丸し 二丸づゝふくす頭をして白からざらしむ 一風蚤をさる法 百七十五丁ヲ 一しやくりを治する法 一しやくりを治する法同同じ 一小児舌しときを治する法同 一小児虫病を治する方 一小児むね腫いたむを治方 百七十六丁ヲ 一小児夜啼を治する法 同 少何二篇 一同まじない二方 同まじない二方同ツ 同 小児養生薬同 百七十七丁ヲ 小児腹痛を治する法 同ウ 一小児ふぐり腫を治する法同ッ 同 一小児よだれを治する法同 小児乳をあますを治する法同 一小児夜啼を治する法二方百七十八丁ヲ 同ヲ 一小児土器を好むを治する方 一小児土を喫ふを治す 乾黄土一塊を研来し濃く煎じ たる黄連湯にてとゝのへ下す 一小児舌しときを治する方 百七十八丁ヲ 蒜をすり熱湯にて 一暑に中り卒倒するを治する方 これをそゝぐ 一同方 生姜皮ともすりたゞらしあつゆにてそゝぐ 急病ゆなきときは涼水にて下すもよし 一濕中り筋拘攣を治方幷に湿痺を治す薫或は 慈////‾/‾慈 和しかゆに 煮てつねに食ふべし 一諸薬に勝りて妙なり 熊膽一分すり末し涼水に 一傷寒狂を発するを治方 とゝのへ服す立ところに止む 白蜜一小盞好酒一鍾同しく煎し 一傷寒多日汗出ざるを出す方 極熱してふくす即ち汗出ず 一/痔久しく愈ざるを治す 熊膽をぬれは神功あり 一切の方これに及ばず 一酒鼓鼻并婦人鼻黒粉刺を治す 白塩を以て常に 擦る妙なり 一/霜やけを治する法 一霜やけを治する法百七十九丁ヲ 一小便通ぜざるを治する法同を治する法 一腫物の異名同ツ 一/腫物のいたみを治する法同同 一腫物愈兼るを治する法百八十丁を 一同方 百七十九丁ウ 一腫物を治する法 夜草繭一味を煎し服すれは 一夜小便多きを治す 永く夜おきることなし 百八十丁ツ 一上戸を下戸になす法 一同方 一同方百八十一丁ツ 百八十一丁ツ 一/霜やけを治する法 同 ひ髪髭の白きを黒くする薬 百丁ウ 一鬢洗香の方 百六十一丁ヲ 一七味正気散の方百八十二丁ヲ 百八十二丁ヲ 一ひぜんを治する法同 一梹榔子丸の方 一梹樹子丸の方百八十三丁ヲ も木香丸の方同ウ ウ 一木舌を治する法 一木舌を治する法百六十五丁ツ 少将二編 一喉に餅つまりたるを治する法 一喉に餅つまりたるを治する法六十三丁ウ 百卅丁ヲ せ久しき咳を治する法百卅丁ヲ 一年久しき咳膿血など吐くを治す大根の実一合湯に せんじ食後に服す 百八十三丁ヲ 背虫を治する法 一疝気の妙方同ウ 同 一同ゆづり葉の方同 百八十四丁ヲ 同千たでの方百八十四丁を 一疝気の薬二方 一疝氣の薬二方同 一同まじなひ同ウ 一同まじなひ同ウ 一疝気偏墜根を断つ薬 一疝気偏堕根を断つ薬蒼朮一斤一分は童便にひたし一分は よき酒にひたし一分は人の乳にひ 一たし一分は塩水にひたし各ひたす事三日いり乾かし 櫛核同しく末となし酒のりにて楷桐子の大きさに 丸し毎百丸空心に 酒にてふくす 一せにかさのまじなひ百八十五丁ヲ す す雀某の方百八十六丁ヲ 百八十六丁ヲ 一筋がつけの妙方 一筋かつけの妙方同ヲ 一脚気すじけを治する法 四十八丁ヲ 一妙薬博物筌といふ本あり 此本をみれば素人にてもりやうぢ できるなり丸薬さん薬あぶら薬 /諸家秘伝の妙薬/名灸等まで不残くはしくあつめて 疵名をいろは分けにしていろの部をみれば○いぼのくすり 少阿二編 〇衣服道具 ○衣服道具 ○いたみ止めぐすり○いんのうの薬○いぬのかみたる薬 如此わかち其病に用る薬方を夫々記し甚た重宝の本也 衣服 之部 道具 染色指南あらひはりしみおとし合羽の仕やうその 外人々着用の品一切をあつむ 金銀石紙木竹の細工墨棚ゑのぐ其外家内に有所の物不残 しるす右夫々妙なる仕様幷にひん付油かけ香おはぐろの妙法を記す 衣類などにとりもちの付たるをとる法八十三丁を 十五丁ウ 一石摺の法 竹石黒檀に心易く彫物する小刀の法十一丁を 一印可といふ文字の出処 ろ衣服に蝋の付たるをおとし様百十六丁ヲ 一/蝋礬ぬりやう 一蝋の付たるを落し様 一蝋の付たるを落し様 は針を久しく置く法 花火線香の法卅六丁ウ 一髪の油梅花油の法五十三丁ヲ 漆金銀箔の上文字かく法/八十五丁ヲ 鼈甲玳瑁水牛細工みがく法初丁ウ 一口紅粉はけざる法十一丁ヲ と燈火に飛蝦蚊虫の入るを除く法十七丁ヲ 一唐紙つぐのりの法 女宿二七有 一唐本表紙染仕様五十五丁ヲ 一唐紙薄要糊の法十一丁ウ 一唐沙羅砂かく法十二丁ヲ 一衣類などに黐の付たるおとしやう八十三丁ヲ ち早ちやんぬりの法はやうるしの事也十一丁ウ 一絹などに血の付たるを落しやう八十三丁ヲ 一同おとし様并腫物膿血おとし様百十六丁ヲ ぬ塗物に入まじき物の事十九丁ウ を織物の本金か真鍮箔かを知る法三丁ウ 一はやおはぐろの法 十丁ウ おはぐろ二三日はげさる法十丁ウ おはぐろ付て歯に光り出す法同 ̄ツ 冬綿入を着ずして寒からざる法二丁ヲ 一暑き時綿入を着てあつからぬ法 同ゥ 衣服中入真綿すいださぬ法百十四丁を 并に初心のよみ方風体に 一和哥の徳儀 一和哥の徳儀并に初心のよみ方風休に百四十九丁ツ まなぶべき書の事 一はり物わらび渋あわせ様 はり物わらび渋あわせ様百五十七丁ツ 掛香の方 国 梅花ふじばかましのぶ草 百六十丁ヲ 花たちばな勅方 少何二筋 ゆ 一座敷の壁上ぬり仕様百廿五丁ツ 一雲どり紙こしらへやう百五十八丁を 一帷子の汗臭幷 ̄ニ人臭を去る法百十五丁ヲ 一梅雨の時分衣服かびたるをあらひ様同 油紙傘に文字かく法八十五丁ヲ 一絹木綿紙などの墨落しやう八十丁ツ 一油紙の仕やう七十五丁ヲ 一額看板に朱印おし様 一髪の油びん附ねりやう 一髪の油梅花油の法 五十三丁ヲ 一扇の地紙并に合紙を二枚にへぐ法十八丁 ̄ 一堅紅を道中へもちて乾かぬ法十九丁ヲ 一毛氈皮衣の属虫生ぜぬ法十六丁ヲ 一書画紙絹に蠹鼠喰ぬ法十丁ヲ 一かわらけに付たる飯とりやう 一/懐中合羽の法 一懐中合羽の法十二丁ヲ 手細工紙子の法 一手細工紙子の法十三丁ヲ 十三丁ヲ な た薫物の方梅衣をち葉菊花 じじう黒方 少将二篇 ゆ 一松明の法 一松明の法五十四丁ヲ 一旅行の人紙帳を持べき事 旅行の人紙帳を持べき事十四丁ヲ 一旅用敷紙しきむしろの法十五丁ヲ 一旅用袋の事 旅用袋の事同ウ 竹石黒檀に心易く彫物する小刀の法十一丁を 一煤竹に自然もやう生ずる法四丁ウ 一玳瑁鼈甲水牛細工をみがく法 染物色合の法五十六丁め ○梅雨の時衣服かびたるをあらひ様百五十五丁を 一頭痛を治し目を明らかにする枕のこしらへ様百卅丁ヲ 書画紙絹にに鼠鼠喰はぬ法十丁ヲ 中入の真綿吸出さぬ仕様百十四丁を 毛氈皮衣の類虫生せぬ法十六丁ヲ 一燈火に飛蟻蚊虫の入るを除く法十七丁ヲ 一書物/写紙に虫いらさる拵様/五十三丁 う漆金銀箔の上文字書く法八十五丁を 一漆の付たるを落しやう百十六丁 ̄ 一薄要唐紙つぐ糊の法十一丁ウ 少哥二篇 女宿二宿 女村二匁有 十一丁ヲウ のつぎ物はり物糊の仕やう 一早のり第一の法百六十一丁ウ 一早のり第一の法百六十一丁 く雲どり紙こしらへやう百五十八丁ヲ 一口べにはげざる法十一丁ヲ 一釘幷一切鉄器いつまでもさびざる法十七丁を 旅行懐中風炉の事十三丁 ま)箱絵を焼物にてする法十七丁ヲ ふ筆を久しく貯へる法百五十七丁を 一旅行懐中風炉の事三丁ウ 一/旅行懐中風炉の事 一旅行袋の事十五丁ウ 一旅行袋の事 胡粉塗物の光り出す磨様十六丁ウ 一冬硯の墨凍らぬ法十七丁ヲ 一竹石黒檀に心易く彫物する小刀の法十一丁を ゑ絵の具の法七十四丁ヲ ゑ絵の具の法 一官女の画眉墨入やう六十五丁ウ 一切鉄器いつ迄もさびぬ法十七丁ヲ あ蚫に彫込もやう付る法 一あつかみをついではなれざる法十八丁ゥ 少何二篇 女後二篇 一扇の地紙并合紙を二枚にへぐ法十八丁ウ 一油紙の仕やう七十五丁ヲ 一同方 一油の付たるを落す法二法七十六丁を 一油おとしの法七十九丁ヲ 一油紙傘に文字かく法八十五丁ヲ 帷子の汗臭幷人臭を去る法百十五丁ヲ 一油のかゝりたるを去りたるを去り様幷洗ひ様 き香包金銀のさびの方四十九丁ヲ 銀箔一夜にさび付る法八十九丁ウ き金銀箔細に切る法五丁ウ 書画紙絹に壺鼠喰ぬ法十丁ヲ 一金の色をよくする法十五丁ウ 一絹切 ̄レ細工に筋つける法十八丁ヲ 一絹木綿紙などの墨落す法八十丁ウ 一絹などに血の付たるを落す法八十三丁ヲ 銀箔一夜にさび付る法八十九丁ウ 一木細工の去初丁ヲ 一木細工の法初丁ヲ 少何二篇 女后二年 め頭痛を治し目を明らかにする枕の仕様百卅丁を 火斎珠方諸の事二百丁ヲ 書物を写紙拵様にて虫不入事百五十三丁ゥ 一淡紙こしらへやう第一の法 はり物をするわらび渋合せ様同ウ 柿渋の付たるをおとし様百五十六丁を 一額看板に朱印おす法四十九丁ヲ 一旅行の人紙帳を持へき事十四丁ヲ 旅用敷紙敷むしろの事十五丁ヲ 一書画紙絹に蠧鼠喰ぬ法十丁ヲ 髪の油びん付ねりやう五十丁ヲ 一唐本表紙染仕やう五十五丁ヲ 一/硝子を作る法八十八丁ヲ 一鬢洗香の方百六十七丁を 一火斎珠方諸の事二百丁ヲ も木綿に書画をかくに墨付よき法八十五丁ゥ 一毛氈皮衣の属虫生ぜぬ法十六丁ヲ 精好はり様初丁ヲ 石脳油の事二百四十丁ウ す水牛玳瑁鼈甲細工を磨く法初丁ツ 一煤竹に自然のもやう生する法四丁ウ 炭火の飛をとめる法十六丁ウ 一冬硯の墨凍らぬ法十七丁ヲ 一官女の画眉墨入やう 一硯の墨急におとす法八十丁ヲ 一板に付たる墨おとし様同 一墨の付たるをおとし様 鳥けだもの魚虫一切をしるす幷其毒をさり或は飼様 生類之部 なつけやういろ〳〵の妙法をあつむ 犬のたにこを去る法 い犬のたにこを去る法卅一丁ウ 一犬の蝿を去る法同 一犬の蝿を去る法 一烏賊魚の墨にて書たる文字消たるを顕はす法八十 一鳥賊魚の墨にて唇たる文字消たるを顕はす法八十五丁ウ け は蝿を避る法卅九丁ウ 一蜂のさしたるを治する法百卅八丁ウ 一羽蟻の出るをとむる法百六十二丁ヲ に鶏を強くする法卅二丁ウ は郭公の雛は鶯の巣にて成る事百四十一丁ヲ へ蛇のまとひ付たるを取る法初丁ウ 四十四丁ヲ 一蛇に咬れたるを治する法 一蛇をさける法二法同同 一蛇の家内へ入ざる法四十五丁を と禽獣の声は一偏にして五音を具せざる事百四十丁ヲ 一禽獣の陰陽各類に依て居する事百四十一丁ヲ 一深山幽谷などへ行時悪獣毒虫を去り 幷瘴気を さる法 百卅九丁ヲ 一島の卵にて雌雄を見わくる事百四十一丁ヲ 六十二丁ヲ 一魚鳥の骨肉に刺たるを治する法 一燈火に飛蛾蚊虫の入を除く法十七丁ヲ 一鳥のさま〳〵に変ずるを知る法八丁ヲ 一鳥の雌雄の知れぬを知る法同 ̄ウ 一泥鰌を袋に入一日死せぬ法二丁ウ か蛙のなくをとむる法六丁ヲ 一蝦蟇の雌雄をわける法 一蚊をさる法十五丁ウ 一蚊をさる法十五丁ウ 毛氈皮衣の類虫生ぜぬ法十六丁ヲ 一蚊をさる法五十三丁ウ 少何二篇 一蚌胎珠を生ずるは月の陰陽による事百四十一丁を た鳥の卵にて雌雄をわくる事同ヲ 一犬のたにこをさる法卅一丁ウ つ恙の字濫觴の文字の由来百六十三丁ヲ ね猫の目にて時を知る法六丁ヲ 一鼠の耳大きにする法初丁ヲ む燈火に飛蛾蚊虫の入るを除く法十七丁を 一馬の沓すり痛むを治する法卅二丁ヲ 一馬のすくむ病を治する法同 一馬の息切れせぬ法 一馬の息切れせぬ法八十九丁ヲ 一耳へ虫并に米豆の入たるを出し様百卅三丁ウ 一切の虫のさしたるを治する法同 一牛馬の陰陽 百四十丁ウ 虫喰と云鳥 一郭公の雛は鶯の巣にて成る 餌を飼事 百四十二丁ヲ 百四十二丁ウ 一鼬鼠の事 一鼬鼠の事百四十二丁ウ 百五十六丁ウ 一書物を写紙拵やうにて虫不入事百五十六丁ウ う新に掘たる泉水に自然と魚を生ずる事百四十二丁を 一牛馬の陰陽 百四十丁ウ 町痢二篇 一魚釣秘伝 一魚つり拾○つり竿仕様○ゑの仕様○ゑの仕様○魚つり場 くはしく記し候魚つり秘伝と云本あり 一魚を取る毒ながしの法 一魚を取る毒ながしの法八十九丁ヲ 一魚の病を治する法 一魚の病を治する法八十六丁ヲ 同 一魚いたみ死するを救ふ法 一一角見やうの事 一角見やうの事六十一丁ツ 一魚の毒を消す法 魚の毒を消す法六十二丁め 一魚鳥の骨肉に刺たるを治法 一魚鳥の骨肉に剃たるを治法同 の亀鼠の事百四十二丁ツ 百六十二丁ヲ 一蚤風をさる法二法 百七十五丁ヲ ○禽獣陰陽各類に依て居する事百四十丁ウ 一鳥の羽獣の毛各其類に似る事同 兼狗子の吠止まぬをとむる法六丁ヲ あぶらむじを去る法八十五丁ウ さ三十六禽の事二百十九丁ヲ き蝉蛍陰陽百四十二丁ウ 一狐火を知る法 狐火を知る法百七十丁ウ 一狐のばけたるを知る法妙術博物篠前篇に委し 一金魚わかしやう同養ひ様人家万宝と云本にあり 町朽二篇 み耳へ虫并米豆の類入たるを出し様百卅三丁迄 し風蚤を去る法百七十五丁ヲ 一虱を化して青虫とする法 ひ蟇を殺し又活す法三丁ヲ も毛氈皮衣の属虫生せぬ法十六丁ヲ せ新に掘たる泉水に自然と魚を生する法百四十二丁を 同ウ 一蝉蚤陰陽 す雀の糞の雌雄を分る法六丁ツ 一雀を赤くする法 餌に紅をまぜてかへば 久しくして紅のことくなる也 料理 食物 之部 魚鳥あを物其外万食物こしらへ様たくばへ様并に さま〳〵奇妙なるめづらしき料理をあつむ さけ酢醤油みそつくりやう毒けしの法其外万 食物をあつめしるす い 塩鰯やく法 塩鰯やく法廿一丁ウ 袋烏賊の去廿一丁ヲ 一袋烏賊の法 一袋烏賊の法卅一丁ヲ はじかみ色よく漬様廿二丁ヲ 一白雪糕を造る法四十丁を造る に蒜を食し匂はざる法八十八丁ヲ 一鶏の剛きを和らかにする法廿九丁ヲ 錦木といふ肴の法廿三丁ヲ ○料理食物 料理食物 ご魚鳥の肉寒水に漬置夏までそこねぬ仕様百廿一丁ウ 薯蕷汁煮てもねばりうせざる法廿九丁ゥ 一鳥もどきの法 一鳥もどきの法廿一丁ウ 一道中にて湯水を不飲咽渇かぬ法八十四丁ウ 一伊勢豆腐の法 一伊勢豆腐の法卅丁ウ 一泥鰌を袋に入一日死せぬ法二丁ウ 一豆腐一丁を丸ながら油炒様百十九丁ヲ ち常用の番茶を香よく煎ずる法廿五丁ゥ 一煎茶にあわのよくたつ法 一水にあわぬ茶をせんする法廿一丁ゥ か王余魚を風味よく焼く法同を 一彩芥子を解き毒を去る法廿二丁ウ 一甘露梅の漬やう廿三丁ウ 一香物漬やう同 同 柿の和ものゝ法廿六丁ウ 一榧の皮ひとりとれる法廿九丁ヲ 一かすてらを造る法 一かすてらを造る法 病人老人老人老人 一粳米の寒晒にて朝鮮粥仕様 不食人に吉 少何二論 百十七丁ヲ 百廿二丁ウ 鰹節虫喰ず堅くならぬ貯へ様百廿二丁ゥ よ養羹のつくりやう六十六丁ヲ た蛸をやわらかに煮る法百廿二丁ヲ 五十四丁ウ 一大根を久しくたくぼふ法五十四丁ウ 卅一丁ウ 一王章の法 一竹の子を生にて久しくたくはゆる法 妙術博物筏 初篇にあり 一玉子の煮ぬき模様をつてる法 廿七丁ウ 一玉子早煮ぬきの法 一鷹の羽といふ肴の法卅一丁ヲ そ 蕎麦切湯煮して置のびさる法百十八丁ウ 一索麺を結ぶ法 一索麺を結ぶ法廿二丁ヲ 廿二丁ヲ つ漬梅の法廿三丁ヲ ねぶかを食し匂はざる法八十八丁ウ な茄子の香物冬迄生漬の如く仕様百廿二丁 ̄ 一生魚を炎天に道中へ持行そこねぬ法 一生魚を炎天に道中へ持行そこねぬ法八十六丁を 一梨子錬の法 一梨子練の法廿五丁ウ 同しく久しく貯へる法廿七丁ウ む甘露梅の漬やう 少痢二篇 女イニイ 一漬梅の法廿三丁ヲ 一梅酒造り様 百廿丁ヲ う魚鳥の肉寒水に漬置夏迄そこねざる法百廿一丁ウ 一外良餅つくる法 一外良餅つくる法六十一丁ヲ 一精進肴の鰻をこしらへ様廿八丁ウ 一魚の骨をやわらかにする法廿九丁ヲ ののつぺいとうの法卅丁ヲ 一野食の法 一道中にて湯水を不飲咽渇かぬ法八十四丁ウ 仏耳草餅に入れる法百十七丁ヲ 一桑酒造り様 一桑酒造り様百廿丁ヲ や心易く焼塩する法廿二丁ツ ま万年酢造る法百十九丁ウ 松茸つけやう百廿丁ウ 一饅頭つくる法六十七丁ヲ 味噌豆早く煮損ぜぬ法廿六丁ヲ 一待兼味噌の法 一待兼味噌の法同ウ 一松茸心易くたくばへる法廿七丁ヲ 如補二篇 ふ麩のつくりやう七十丁ヲ 一麩の油上 ̄ケ丸あげの法廿三丁ヲ 小鮒にて雀焼の法廿四丁ウ 粉芥子をとき毒をさる法廿二丁ウ 一こんにやく餅つくる法七十三丁ウ 一牛房をふとくつくる法廿四丁ヲ ゑ豌豆上ケの法廿六丁ウ 己朝鮮粥仕様病人老人養の人に吉百十七丁を ああまざけ急に入れる法廿一丁ヲ 廿二丁ヲ 一あちやらづけの法廿二丁ヲ 一あづき飯すくくりと和らかにたく法同ゥ 一精進肴鮎のすしを作る法廿八丁ヲ 一赤味噌つくりやう七十六丁ヲ 一あまざけ俄にこしらへ様百十七丁ツ 一青柚たくばへやう百廿一丁ウ さ白梅酒の法百七十四丁ヲ 一白ねり酒の法同ウ 一酒の酔をさます法百六十五丁を 女補二篇 一桑酒つくりやう百廿丁ヲ 一梅酒つくりやう同 一酒の味替りたるをなをし様同ウ 一さゝじんの法七十七丁 一砂糖づけの法同/ 一錦木といふ看の法廿三丁ヲ 一山椒の芽年中たくばへ置く法廿四丁ゥ き金橋を久しく貯へる法廿七丁ウ 一金山寺味噌の法百七十丁ヲ 一求肥餅つくる法 一求肥餅つくる法司ウ 同ウ 柚べしの法 ゆ曲べしの法百七十一丁ヲ 百七十一丁ヲ 一青柚たくばへ様 百廿一丁ウ み味噌豆はやく煮損ぜぬ法 み味噌豆はやく煮損ぜぬ法廿六丁ヲ 一同そんじたるを直し様人家万宝と云木にあり 一待兼三/三/法 一待兼三噌の法廿六丁ウ 廿六丁ウ 一水に合ぬ茶をせんずる法廿一丁ウ 廿一丁ウ 塩類焼 廿一丁ウ 一/精進肴進看のすしをつくる法 廿八丁ヲ 一紫蘇千枚づけの法 一紫蘇千枚づけの法廿九丁ウ 一白梅酒の法百七十四丁ヲ 一白ねり酒の法同ウ 一塩鯛いつ迄も置法同 一塩鯛を生にする法同 一精進看/鰻をこしらへる法廿八丁ウ 干山椒たくばへ様百八十一丁ウ 一挽茶たくばへやう百八十二丁ヲ も も求肥餅つくる法百七十丁ウ 一仏耳草餅に入れる法艾もちよりかろく してよき也 百十七丁ヲ 一鏡餅をつくるに破れざる法 一鏡餅をつくるに破れざる法卅五丁少 せ赤飯色赤くする法片九丁ウ 一煎茶に酒のよく立仕様百廿二丁ウ 一せんべいこしらへやう す酢のつくりやう同ツ 一万年酢つくりやう百十九丁ウ 一/難を漬て久しく置法 醋のかびぬやうにする法廿九丁ヲ 少何二万 草木四十 草木 一西瓜を喰ふとき峻せぬ法 一西瓜を喰ふとき変せぬ法廿丁ウ さし木桜木花実をはやく生じ并に色くかわりたる 草木之部 花をさかし都て草木竹一切をあつむ は は蓮花の作りやう は蓮花の作りやう四十丁ウ 一蓮花をいけて久しく置法八十二丁ヲ 一萩の花藤の花久しく生置法同ウ 一蓮のたねを蒔く法 蓮のたねを蒔く法八十七丁ヲ 一近世の花を愛するは古人の愛するに異なる事百四十四丁を 一春の花は下枝より咲秋の葉は梢ゟちる論百四十七丁ヲ へ景天草火を鎮むる徳ある事 へ景天草火を鎮むる徳ある事百四十六丁ヲ 一へちまの水とりやう 四十三丁ウ ○こと隣の木よび取植る法 八十九丁ウ 笋のはやく出る法 五十四丁ヲ 蕎麦に五行の徳ある事 六丁ウ 五接木の法 八十丁ウ 一作木は自然の形にあらざるゆへ早く 見おとり する事 一梅木の穂と台と違ひたるに花実穂のごとく ごとく なる論 百四十五丁ヲ 百四十六丁ヲ な隣の棗の木よびとり植る法 八十九丁ウ 一南天の木を植る法 同断二篇 八十七丁ウ 女後二者 一松南天などを寄梅の法八十五丁を らし ら蘭をうゆる法十九丁ツ 一菌の養ひやう第一の法百四十五丁ゥ く菓の年切させぬ法八十六丁ウ 一くだもの早く実のなる法人家万宝と云本にあり 一くだものゝ核をまく法 一委しくは人家万宝 一/草木を植る法 八十三丁ウ といふ本にあり 藪の根外へはびこるを防ぐ法 ○家数の根外へはびこるを防ぐ法人家万宝といふ 本にあり 松の子ばへの法 九十丁ウ 一松の脊低く横へ栄へる植様 八十三丁ウ 一松を鉢にそだてる法 八十四丁ヲ け け鶏頭の花つくりやう六十八丁ウ 六十八丁ウ 一景天草火を鎮むる徳ある事百四十六丁ヲ 萩の花藤の花久しくいけ置法八十二丁ゥ こ牛房をふとく作る法四丁を 枝葉しげき樹木裏表見様五丁ヲ 朝貌日中にさかす法同 一朝貌の花紅とび入の法八十二丁ウ 少将二編 一桃杏に毒あるを知る法 一春の花は下枝ゟ咲秋の葉は梢ゟ散る論百四十七丁を 山椒の木を植移す法八十七丁を き枝葉しけき大樹うら表見る法五丁ヲ 一草木を植る法八十三丁ウ 一切たる木に根をつける法八十六丁ウ 一木を作りいたまぬ法八十七丁ウ 一桐の子ばへの法九十丁ウ 菊の子ばへ仕様百四十五丁 ゆ) 百合の油とりやう 百七十一丁 菱黄の性を知る法 萩の性を知る法七丁ヲ 樹木をつくりいたまぬ法 菱みづぶきの性を知る法七丁ヲ ○桃杏に毒あるをしる法同をしる法 西瓜を喰ふとき変気せぬ法廿丁ウ 天地之部 大地之部日月星辰風雲水火山海川沢泉水其外晴雨日和 日月星辰風雲水火山海川沢泉水其外晴雨日和 の善悪四季おり〳〵暦にかゝる へい い井の水あしきを直す法 卅五丁ヲ 一古井の毒を消す法 一古井の毒を消す法三丁ヲ ○天地 ○天地 五丁ウ 一井戸を掘るに水の有無土地を知法 二百四十四丁ヲ 一応帝亜之事 に女護の島の事二百卅九丁ヲ と年歳差別の事二百九八丁ウ 一朔旦冬至の事二百卅三丁ヲ 一摂州有馬鳥の地獄の事百九十三丁 百廿八丁ヲ 一湯治は老人虚人には大概あしき事百廿八丁ヲ 一東西天頂遠近の事 二百廿一丁ヲ 一風角占の事 か 一寒暑の事一寒 百八十七丁ヲ 座敷の壁上ぬり仕やう百廿五丁ウ 百廿三丁ウ 一風の強く当る藁屋根損せぬ葺様百廿三丁ゥ 八十三丁ヲ 風の吹く年を知る法八十三丁ヲ 一雷余の法八千四丁ヲ 雷除の法八十四丁ヲ 雷に驚き死せるを治す法四十九丁を 一壁土雨に落ざる法五丁ヲ たゝき土の法 たゝき土の法五十五丁を 梅雨の時/衣服かびたるを洗ひやう百十五丁ヲ 十二畜 女初二編 ね猫の目にて時をしる法六丁ヲ 夏氷をつくる法 ら弟盾狼藉丁寧等の字義百六十三丁 九曜の星の事 く九曜の星の事二百十一丁ゥ 一茅屋の谷合いか程の雨にも漏さる仕様百廿四丁ヲ や居処によりて病人多し屋作り心得の事百廿三丁ヲ 一風の強く當る藁屋根そんせさる葺様同ゥ け 煙にむせぬ法 四丁ウ 一枳根木酒屋の材木につかふまじき事百廿四丁ウ 二丁ヲ 冬綿入を着ずして寒からぬ法二丁を こ墨氷らぬ法 十七丁ヲ 一金神の事 二百廿六丁ヲ 二百卅六丁ヲ 二百四十二丁ウ 一小人国の事二百四十六丁ヲ 天頂東西遠近の事 天頂東西遠近の事百九十六丁を 一天気陰晴を知る事 一天気陰晴を知る事七十九丁を あ油に入たる水を取る法 あ油に入たる水を取る法同ウ 少将二篇 女初二篇 一有馬鳥の地獄の事 百九十三丁ウ 一天の川の事二百九丁を 二百卅三丁ヲ さ朔旦冬至の事二百卅三丁ヲ 一三十六禽の論 一三十六/禽の論二百十九丁ヲ き灸するに忌む日 き灸するに忌む日百六十七丁め 同忌日の伝同 同忌月の事百六十八丁 狐火をしる法百七十丁 ̄ウ めし 一人の眼力の事 百九十一丁ヲ み 一方諸の事 二百丁ヲ 一油に入たる水とり様七十九丁ツ 水に溺れたる人抱へ上る法一丁を 一丁ヲ 一水のかわりにあたらぬ法三丁ヲ 一水の至極よきをしる法同 し暑寒の事百八十七丁ヲ 一十千十二支の事二百十二丁ヲ 一十二支の偶奇をしる事八丁ヲ 一人日の事 一人目の事二百廿七丁ツ 二百廿七丁ツヽ ●妙術 四十六 妙術 一須弥山の事 一須弥山の事二百卅丁ヲ 二百卅丁ヲ ひ 三丁ヲ 一人の眼力の事 一人の眼力の事凡十一丁ヲ 一七十二候の事并注 二百一丁ヲ せ新に掘たる泉水に自然と魚を生ずる法百四十二丁を 一石脳油の事 二百四十丁ヲ 築山山水伝と云本あり此本を見て少しの庭にても 一せんざい庭作様 つくらば家相に叶ひ家はんじやうすべし す す冬硯の墨氷らぬ法 十七丁ヲ 神変不思議奇々妙々妙々の術○文字の初り○哥の 術之部 心得○其外しな〳〵をあつむ いい 消たるを再び い烏賊魚の墨にて書たる文字の あらはす法 一板に付たる墨落し様 八十五丁ヲ 八十丁ヲ 二井戸を掘るに水の有無土地を知る法 五丁ヲ 一一切邪気妖怪狐狸の類家内へ入れす拂ふ法 妙術博物経 初篇にあり 一印可といふ文字の出処 百六十二丁ウ はやおはぐろの法 十丁ヲ 一春の花は下枝ゟ咲秋葉は梢ゟ散る論 一春の花は下枝ゟ咲秋葉は梢ゟ散る論百四十七丁を 一法度の文字馬鹿の字出所 百六十二丁 蒜を喰しにほはざる法八十八丁ウ 女徳二篇 一にげたる人を自ら帰らしむる法 百五十八丁ウ 一二十を念と書く来由 百五十八丁ヲ 一日本国中一目に見る本大日本尚案内といふ本あり城下宿々名処旧跡 津々浦々くはしく記し一国づゝ色をかへさいしき致候 蛇をさける法四十四丁を 一蛇の家内へ入らざる法 一景天草火を鎮むる徳ある事 一景天草火を鎮むる徳ある事百四十六丁ヲ 一口べにはげざる法 一口屋にはげざる法十一丁を と頓阿の奇妙ある事 百五十三丁ウ 一深山幽谷悪獣毒虫并に瘴気をさける法百卅九丁を 一土蔵の土つけやう 百廿四丁ウ 一道中にて湯水をのまず咽渇かぬ法 八十四丁ウ ち面白の字珎重の字出所 百六十二丁ウ ぬり物に入まじきものゝ事十九丁ウ おはぐろ二三日はけさる法十丁ウ 十丁ウ 一おはぐろ付てはに光り出す法同 ヲ 一おそわれ死したるを治法三法 一おそわれ死したるを治法三法 ウ 和哥の徳并初歌の詠方風体習べき書の事百四十九丁十九丁ウ か堅紅を道中へ持て乾かぬ法 か堅紅を道中へ持て乾かぬ法十九丁ヲ 女後二篇 女初二年十一月四十七 一掛香の方 梅花蘭忍草 百六十丁ヲ 花橋勅方 一雷除の方雷死をすくふ法妙術博物挙初篇にあり 一風のふく年をしる法 一風のふく年をしる法八十三丁ヲ 余慶といふ字の出処 に余慶といふ字の出処百六十三丁ウ 一鍛錬の字料簡の字出処 一旅行人紙帳を持べき事十四丁を 一旅行に乾生姜胡椒を持べき事百卅九丁ツ 一料簡の字出処 料簡の字出処百六十三丁ヲ 俗に手の痛むをそら手といふを治法百卅四丁ウ 頭痛を治し目を明らかにする枕の仕様百卅丁ヲ 一十一/一/一の字濫觴の字濫觴の字/一/一恙の字濫觴の字由来 一恙の字濫觴の字/百六十三丁ヲ ねぶかを食し匂はざる法八十八丁 夏綿入を着て暑からぬ法二丁ウ 濫觴の文字由来 百六十三丁ヲ 矛肩の字由来同 同〇 哥詩は和漢国風の事 う哥詩は和漢国風の事百四十七丁ウ 一哥の詠方風体等学ぶべき昼の事百四十九丁ウ 一魚を多く手易く釣る法 二丁ヲ 少河二篇 一漆にまけぬ法 十九丁ヲ 一詩哥の能不能は和漢国風なる事 百四十七丁ツ 一和歌の徳并初心の詠方風体等学ぶべき書の事同 いづれより出ても至極 一哥は代々の風体かわり有といへ共。 は同じき論 百五十一丁ウ 百五十二丁ウ 一哥三代集と新古今を初心学ぶべき次第 一哥は有のまゝにいひ其様やすらかなるをよしとする論百五十三丁を 一頓阿の哥に妙ある事 同ウ 一為秀郷歌を聞て今川了俊弟子となる事百五十六丁を の道中にて湯水をのまず咽渇かぬ法 八十四丁ウ け 煙にむせぬ法 一煙にむせぬ法四丁ウ 四丁ウ 丁寧の文字由来 一定家卿骨髄といふ書の事 百六十四丁 百五十丁ウ 一手習早く能書となる伝 一字の筆法を第一にならふべし○筆道稽古早 指南といふ本ありてならひの法秘密口伝くはしく しるし諸流の筆行筆跡をあつむ格法 七十五点の奥儀をしるす あ赤子の善悪吉凶をしる法 あ赤子の善悪吉凶をしる法七丁ヲ 七丁ヲ 一あぶらに入たる水をとる法 七十九丁ヲ 一あらひ粉の法 十三丁ヲ き亀鑑の字の註 少将二編 □□ □□□□□□□□ 百六十四丁ヲ 廿丁ヲ ゆ夢を見て忽ち善悪を知る法 占夢早考と云 一夢うらなひ多く集めし本 本あり見るへし 二百丁ヲ み火とりたま水とりたまの事 二丁ヲ 一水に溺れたるを抱へ上る法 百四十七丁ウ し詩哥は和漢国風の事百四十七丁ウ 百四十八丁ウ 一道徳を詠ずる詩并小人を誡る詩 百四十九丁ヲ 一利慾にのみ走るを制する詩 百八十丁ウ 一上戸を下戸になす法 一司法并 ̄ニ人家万宝と云本に色〳〵法あり 百八十一丁ウ □□ ひ ○火斎珠方諸の事 二百丁ヲ 一人の迯たるを止る法くはしくは人家万宝といふ木にあり 百五十八丁ウ 一筆道秘伝筆道早学問といふ本あり委しく因の部のしるす す煤を水にとく法 初丁ウ 一/墨ながしの法 一墨ながしの法九丁ヲ 少将二編 なし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 狩馬 妙術博物巻後篇 後壱 云一三十四 拾遺智恵海巻之上 智術門 鼠の耳大する法 □□□□□□□□□□□□□ 以テ職入セル □□□………………………………………………………………………………………………………………………… 一ねずみのいまだ。目のあかぬ時より。蕎麦の粉 を水にてこね。毎日飼ふべし。成長すれば。耳う さぎのごとし。 精好張法 一精好をはるにはるにはるにはるにしししめしめしめして 張るべし。そのまゝ張れば。薬などふるうごと にたるむなり。 煤を水にとく法 一煤をとくには。水に酒をさしとけば。まじるなり。 又法茶にてとけばまじるなり。 鼈甲玳瑁水牛細工をみがく法 一木賊にて。見かきたる跡を。むくの葉にてみがき。上 みがきは鹿角を粉にして。白焼にして。右の三品 ともにみがくべし。つや出るなり。 蛇のまとひ付たるを取法 一尾の先弐寸。上を小刀か瀬戸物の破口にて切さき。 疵口へ胡椒を入べし。忽ちとけるなり。 魚を手易く多く釣る法 一燕の肉に。索麺を粉としてまぜて。飯にて和かに。 こね針に付て釣るべし。いかやうの下手にてもは りをおろす度毎に釣ぬといふことなし。 冬綿入を着ずして寒からざる法 一雄黄一赤石脂一丹一乾姜一松香右五味等分 に。細末して。糊にて棚の子の大さに丸じ毎日。十 粒づゝ。酒にてのむべし。尤十日程の間服すれば。身 あかくなるなり。夫よりあたゝかになりて。雪の中水 の中もはたかにて行にさむき事なし。 夏綿入を着て暑からぬ法 一雌黄一白石脂 右二味 水飛して 一丹一磁石一磁石一白松香 分人の乳と蜜とにて。桐の子の大さに丸じ。十粒 服すれば十日が間暑中身ひやゝかにして。炎天に綿 入弐つ三つ重ね着して。あつきことなし。 泥鰌を袋に入一日死せぬ法 一どぢやうを布につゝみ帰るに。白豆四五粒と一所に 入て。水をちよこ〳〵そゝげは。六七里程の道も死す ることなし。 水に溺たる人を抱へ上る法 一人あやまつて水へおほれ。水をがふ〴〵のみくるし むを抱へあくるには後より抱へあげべし。前よりかゝ ゆれば。その人も共にしつみ死するなり 古井戸の毒を消す法 一酢壱合わかして。井戸へ入れべし。毒にあたる事 なし 水のかはりに中ぬ法 一焼塩に田螺の殻を入れ飲めば。あたることなし 早を知る法 一五月朔日に大雨降ば。其年水すくなし。又寒の 中度々雨ふらされば。その年旱するなり 水の至極能きを知る法 一至極の清水は。壱合の目三十匁あるを上々の清 水と知るべし。 蝉を殺しまた生法 一過てひきかへるを踏殺しなとせは十薬の葉をき せ。小便しかければ。生かへるなり。 織物の本金か真鍮箔を知る法 一織物の金の見分がたきは。人の肌へ当しばらく暖み るべし本金は色変ことなし真鍮箔はいろかはる なり。その変りたるを元の如く。色をもどすには雷隠 の内へ持行。しばらく釣り置は。もとのごとく色 出るなり。 煤竹に自然のもやう生ずる法 一紙に渋を引。文字にても花にても切抜。礬水にて竹 へ張付火を焼上に釣下年久敷して取下水にて洗 へし。渋の紙をとれば。もやう自然出来るなり。 一生煙にむせぬ法 近火の時心得べき事なり 一類を水にてぴつたりぬらすべし。煙の中に立ても むせることなし 枝葉しげき大樹木の裏表みる法 一すべて樹木は枝葉ともにその地主の方へ向ふ物也 外に有木のうらおもてを見るには。樹木は裏の方へ ふとると知るべし。 朝貌日中に咲す法 一朝皃の翌日。咲つほみを。紙をぬらし。巻て翌日 の日中に紙をとれは。今咲たる時のごとく花うつくし 壁土雨に落ざる法 一すさを十俵程も入。土ならば土をこねて。すさを式 俵入れ。こねて又翌日弐俵入てこね。五日の間毎日弐 俵づゝ入れてこね。四角に平にして真中へ水すこし 入れて。薦にて覆ひして四五十日もそのまゝに捨 置て。土をよくうまし。壁を塗べし。いかやうに強き 雨に逢ても。土落ることなし 一金銀箔細に切法 一革に胡粉をぬり。箔をその上に置。竹の小刀にて 切べしいかやうにも自由に切らるゝなり。 井戸を堀に水の有無土地を知る法 一茶碗に水を一盃に入。底へ碁石を入。土地に置其 茶碗の中をみながら跡へ歩みその碁石の見へぬ 所まで行。踏留りたる所を堀に決して水ある物也 夏氷をつくる法 一熱湯を井戸の中にをけば氷となる。 狗子の吠やまぬをとめる法 一小犬の吠やまぬには。香油を蜆がらに一杯鼻の中 へそゝぎ入ば。かならずやむなり。 猫の目にて時をしる法 一子午は孫のことし。卯酉は円は円は円は銀 杏のごとし。辰戌丑未は。銭をかたむけるがごとし。 蛙の島をとめる法 六拾遺疋 一十五日に野菊の花をとりて。細末にし風上より まきちらす時は。なかぬものなり。 醤胡四糞の雌雄をわける法 一_一/一左へまはりたるは雄なり。右は雌なり 蝦蟇の雌雄をわける法 一蝦蟇を地上にをき。東へゆくものは雄なり。 蕎麦に五行の色ある事 □□□□□□ 一葉青く花白く茎赤く子黒〳〵根黄也 風を化して青虫とする法 一風を青草の葉の上にをき一夜瘡をうける時は一 化して青き虫となり。飛さるなり。飛さるなり。 麦黄の性を知る法 一みな水に生じて。麦は性寒黄は性暖なるは何ぞや 所以あり。菱は花開ひてかならず日にそむく。それ ゆへに寒なり。黄は花開ひてかならず日に向ふ。それ ゆへ暖なり 桃杏に毒あるを知る法 一花片の六出なるものは。仁かならず双ぶなり。仁双ぶ ものは。人を殺す心得べし。 赤子の善悪吉凶を知る法 一生れ子の叫ぶ声力ありて。つゞくものは。長命なり こへきれて。復急に揚るものは短命なり。啼声散 ものは成長しがたし。啼声深きものも。成長しかた二 し。臍の中に血なきものはよし。臍小なるは。短命也 身軟らかにして。骨なきよふなるものは。短麁なり。さつ はりと白く長く大なるは長命なり。そばめづかひして一 物を見る事の正しからぬは。甚だ悪相なり。血を汗 するものは。難義おゝく短命なり。汗出てもながれざる は育がたし。小便凝りて脂のようなるは成久せず頭 四ツにわれたるよふなるは。育がたし。ふだん手足をう ごかすは成人しがたし。早竺早/早歯早語はみな 悪人の相なり。頭の毛揃はざるものは成長しがたし 髪少なきものはいふ事をきかぬもの也。額の上に 旋毛あるものは若年にて貴けれとも。父母をさまたげる 事あり。尻掌踵等の骨成ざるものは死す。魚口のよふ なる口は死す股の間に肉なきは死す。頗の下破れるもの 腹の起らざる陰嚢下り白きもの等皆死す。大抵小児 のときすぐれてかしこきものは。成長しかたし。 鳥のさま〴〵と変するを知る法 一二月には鷹が鳩と成。三月には田鼠が鶉となるも八月には 八拾遺上 鳩か又鷹となる。九月には雀が水に入て蛤と成十月には 雉が水に入て蜃となる。その外にては鼈か鶉となる鶉が 鶏と成鶉か布穀と成。布穀がまた鶏となる事ども也 鳥の雌雄雄のしれぬを知る法 一鳥の雌雄のわかりがたきは。これをしる法あり。その左 右の翼を見るに。左を以て右を掩ふは雄なり。右を以 て左を掩ふは。雌なり。又法毛をぬきて水中へいるゝに しづむものは。雄なりはうかむものは雌なり。 十二支の偶奇を知る事 一子寅辰午申戌は陽なり。奇を陽とす。鼠虎竜 猴犬はみな指五本。馬は蹄壱本。いづれも奇也世卯已 未酉亥は陰也。偶を陰とす。牛羊鶏猪は爪四ツ亀は 爪二つ。蛇は舌二枚いづれも偶なり。 入用門 墨ながしの法 一紅にも墨にも竹の虫粉をよくまぜて。塩油気のな き鉢に清き水を入紅もすみも筆にたつふりふく ませ筆先ばかり水につく位にするがよし。筆を水へ ふかく入れば。かたまりしづみてちらぬなり。ちらしを するは。楊枝のいかにも細きがよし。油も有かなきかに。 なきかにつけべし。油多けれは次のちらし自由なる がたし。 床ずれせぬ法 一蒲団の下へ荻の葉を敷べし。床ずれ出来る事なし。 書画紙絹に壺鼠喰ぬ法 一薄礬水にて山椒の皮をせんじ。絹も紙も刷毛にて 引べし。箱の内或は包紙などへも引がよし。 土器に付たる飯を取法 一土器の尻に水をぬり。火にあぶりあたゝまりたる時。 へらにてこそげべし。うつくしく。取るゝなり。 一早おはぐろの法 一だしかねの花のかたまりたるを粉にして。生ふしに 合し。懐中し。指の表に付。歯を横にするべし。うつ くしく付なり。 おはぐろ二三日はげざる法 一石榴の皮。陰干にして。漆を日にほしかため細末に してかねつけるときぶしにまぜふくむべし。二三日もは げることなし。 おはぐろ付て歯に光り出す法 一五月に粽にまきたる笹を黒焼にして。はこべの葉の葉の 陰干黒焼にして塩すこし。右三品指のはらにつけ。ふ 人白歯のとき見がくべし。初てかねつけたるとき。 うるはし。光て口中かねまけすることなし。 口紅はげざる法 一新しき酢を硯の墨にすり。唇につけ。その上に。紅 をつけべし。はげることなし。口紅の青く光をいや におもはゞ。酢を指につけ紅の上をちよとおさへべし。 竹或は石の類黒檀に心易 彫物する小刀の法 一雄鼠の牙を柄をすげ。小刀にして彫るべし。竹などは 別して。すべらぬやうに。彫るゝなり。 早ちやん塗の法早うるしのことなり 一朱或は緑青胡粉などを塗上に玉子の白汁を刷色 にて引べし。塗のごとし墨は油煙をよき墨にてすり まぜぬるべし。 唐紙薄要の糊の法 一唐紙薄要を張るには。常のひめのりはこわばりてあ しく。ふのりにて張れば。引はりこはばることなし。しかし 常の糊を水につけ置ねばりのとれたるをすこし 入れべし。 唐沙羅砂かく法 一さらし木めんを薄糊にて板にはり。或は四方を針打 して。薄礬水を引日に乾絵を書べし。墨書の絵には 油烟を墨にすりて書べし。赤は生腹腹にかたべにを 合せ事べし。白上りもやうするには白糊にてもやうを 書。日に干て乾たるとき。右の赤色をべた〳〵まん べんにぬりよく風に当かはかし。もめんのうらより。 たゝけば。白糊こと〳〵く落て白上りもやう出来る也 白糊はひめのり薄くとき。胡粉を入事なり。 懐中合羽の法 一薄礬水を美濃紙に引干に渋と水と等ぶんにまぜて 引。両手にて紙の隅〳〵を引皺をのばし。麺棒にまき 板の正中に。棒の丸さの穴をあけ。棒へ通し。静に強く しめてちゞみ皺をして後両手にてもみやはらげ。蓖麻 子の油をわかし。ほち〳〵休時。白砂糖と唐紙を入べし さまし引時。蜜陀僧を少し入べし。尤此紙を続合には。 蕨のりにて続べし。もやう或は紋など書は礬水の乾 たるときすべし。 髪はへ薬の法 一蛤の油貝に松のみどりをつめて黒焼にして水油 にてとき付べし。瘡の痕もはへる也。 手細工紙子の法 一鷹紙をよくもみ。襦胖にして。肌に着るべし。綿を着る より暖なり。 あらひ粉の法 一ぶんどう五合。かもふりの種三合。臼にて挽ふるい 用べし。肌をこまやかにし。にきび。はたけ。そば滓 たむし。出来ることなし。湯をつかふことをきらふ 小児などには。顔へ右二味粉にしてぬり。手拭あつゆへ にてしぼり拭ふべし。油気おつるなり。 一旅行懐中風爐の事 一道中にても。野山遊興之時にても。俄に飯を炊き 野菜を煮。薬を煎じ。すべて竃の代に用ゆるに。かさ びくにて便用なり。その形左のごとし。 底如此穴七ッ明ケ 一同弐寸三分 爪三ツ ○〇○ 弐寸五分 此所へはまるやうにする 鉄にても。銅にても。かやうの願こしらへ。 如此くりあけ 爰より風入る扇 にてふきおこす 此外に真鍮。あるひは銅にても。手付の釣鍋壱つ。 又は薬鑵のたぐひを用意すべし。外に右の鍋を 釣上る。取置の懸木へ。入用図のごとし。 コトクサリ 鍋 一金物はとりおき 此所ほぞにて さしこみ とりおき 此中ヘ火ヲ入ル の 火口 旅行の人紙帳を持べき事 一凡諸国行脚する人。旅宿のたよりあしく。野山或は 小祠の拝殿などに一夜を明す事有。そのため紙帳 を用意す。独寝の紙帳なれば。其形ちいさし。夏は 蚊をふせぎ。冬は寒気をふせぐ。ある修行者の持たるを 見て。その形象をうつす。 外に紐四筋ありて木枝或は 柱なとへ釣り上る也 の 此所入口 の に の の すゞしの切にて まとを付る 旅用敷紙敷むしろの事 尤渋を 一右の紙帳の内へ敷紙壱枚ぱ 敷莚へりつきござ 引なり 壱枚。但し弐ツに切これはかさびくなる様にこしらへたり。 如図 二枚の間をぬいよせ此所ゟ 弐つに切扨二枚かさゝして 申事事未辛未申事る未辛未年 ぐる〳〵巻なり 旅用袋の事 一自分の身を入べきほどの袋を厚紙にてこしらへ 寝るとき。其中へ入/頭筋より出し。枕をとる。此袋は近年 人々多く用ひ覚へたり。蚤虱蚊など諸虫を避るによし。 石摺する法 一正面石摺はふのりを紙に引石摺剤毛にて打込べし。 礬水を用ゆるは悪し。 蚊を去る法 一五月に萍をとり。陰干にして。粉とし艾の捻粉と ふのりにてかため。細き棒のごとくして。紙に巻。蚊遣 にすべし。 金の色をよくする法 一きざみたばこ中へ入置ば。みがきたるごとく成也。 金箔などは。たばこにてくすべべし。金箔の煤を落 すに。煙草の心を水に浸し。其水にて洗ふべし。 毛氈皮衣の属虫生ぜぬ法 一毛氈皮衣など。日にあたりたるを。そのまゝ箱など人 入れ置故に虫を生ずるなり。能さまして入置べし。 山椒を紙に包毛氈や彼衣の畳たる中へ四ッ五ツ 入れ置べし。虫生ずることなし。又法箱の底人苧麻を 敷置べし。湿の深き所に久しく置ても虫生ずる ことなし。 胡粉塗物の光出す磨の法 一人形など胡粉ぬりて光をいだすみがきやうは。天気 のよき日に胡粉ぬりて。干あまつよく干ぬ時。手拭 のくたびれたるを手に巻。人形へ胃気をかけて 手拭につよくみがくべし。艶いづるなり。 針を久しく置法 一すぎの灰の中へいれおけば。いつまで置てもさび ぬものなり。 炭火の飛をとめる法 一炭火のとぶには塩をふればとばぬものなり。 釘幷に一切鉄器いつまでもさびぬ法 一石灰にいれをけば。いつまでもさびぬものなり。 燈に飛蛾蚊虫の入をのぞく法 一三月三日/芥の花をとり。火皿のあたりに置は飛 蟻蚊虫とびこまず 冬硯の墨の染らぬ法 一冬硯に。酒をいれて。墨をすればこほらず。 蒔絵を焼物にてする法 一瀬戸焼物を極細末にして。玉子の白汁に石灰す こし入。蒔絵すべし。 一蝙彫込もやう付る法 一唐黍の灰を極細末にして酢にて解蚫貝にも やうを書。日にほし。漆にてもやうの上留を書。せゝ なげの底に壱年程置うるしを小刀にてこそげ 落し生藁の灰に石灰すこし入湯に溶し。縄どら にてあらひみがくべし 大網にて魚を多く捕法 一大網にて魚を多く取には。猿の毛を綱の四隅に付 置べし。魚多くその綱の下へ集る也 蟷焼をすくまする法 一まむしへびをすくまするは。夕顔の葉をかげほしに して粉とし。貯へ置。まむしへびの向ふより捻かけべし。 次第にすくむなり。周よりかくれば。木のごとくなりて 死するなり。 頭の白垢を治する法 一さぼてんを水に浸し。髪の根へ指にて毎日ぬるべし。 二三日してふけこと〳〵く浮なり。抽配をぬるよ りよろし。 絹切細工に筋付る法 一繻緬繻緬繻子などの切にて。細工物するに。紙に張 付たる切に筋を付ることあらば。真鍮の箆にて付 れはよく付也。竹木の箆にて付ば切破るゝ也。 脂つよきたはこを和らかにする法 一生藁を釜へ入れ水すこしにて焼瓶を入てたばこ を蒸せば。やわらかになるなり。 厚紙を続で離ざる法 一厚き紙をつぐには続小口を軽石にてこすりて。糊 をつけつぐべし。離るゝ事なし。 扇の地紙并合紙を二枚にへぐ法 一湯気の上にしばらく置てへぐべし。自由にへ がるゝなり。 堅紅を道中へ持て乾かぬ法 一梅干を二三日水に漬核と肉を去り。蛤貝に入れ。 かた紅を入又梅の皮を蓋にして貝を合し。道中へ 持行に。幾月にても乾ことなし。 塗虱をのぞく法 一麝香をおけば。壁虱さるなり。 漆にまけぬ法 一漆桶などに一杯入たるをみれば。多くはまけて漆 瘡を生ずるもの也。しかるに川椒三四十粒搗くだき。 一指三十六 口鼻のうへにぬりてみれば。まけぬ也。 /漆器にいれまじきものゝ事 一ぬりものに蕎菜をいれをけば漆はげる 蘭をうゆる法 二山の土をとり火にて烟細き羅にておろし。此土 にてうへ。清水をかけるにほどよく根まて水の透た るをかぎりとするなり。すべてしめりたる土は水か根に とをりがたし。かはきたる土は。水よく根にとをり。 一/漲て根をいだくそれゆへよく育なり且又蘭の根 は甘きものゆへ。壇生じやすし。これをさるには。まづ 鉢を別の鉢又は桶などの中に水を入。その中に置 水が蘭の鉢へ入根に透たるころに引あげ小便を かけ。さて又水中にをき鉢の中へ水入 ̄リて。あり。うか みいでるをかぎりとすべし 夢を見て忽吉凶を知る法 一/印或は釣ににはぜなどは懐妊なり。侏儒をみれば。諸 事成就せず人に笑はるゝ事あり。亭を築をみれば。 諸事成就するなり。桃をみれば。警固の役を蒙る 事あり。李は獄屋などの官を得るなり。香の類は。嫁 したる女のさられてもどる事あり。竹の隠遁としる 《題:十二十八 口鼻のうへにぬりてみれば。まけぬ也。 /漆益にいれまじきものゝ事 一ぬりものに蕎菜をいれをけば漆はげる 蘭をうゆる法 二山の土をとり火にて烟細き羅にておろし。此土 にてうへ。清水をかけるにほどよく根まて水の透た るをかぎりとするなり。すべてしめりたる土は水か根に とをりがたし。かはきたる土は。水よく根にとをり。 漲て根をいだくそれゆへよく育なり且又蘭の根 は甘きものゆへ増生じやすし。これをさるには。まづ 鉢を別の鉢又は桶などの中に水を入。その中に置 水が鼠の鉢へ入根に透たるころに引あげ小便を かけ。さて又水中にをき鉢の中へ水入りて。あり。うか みいでるをかぎりとすべし 夢を見て忽吉凶を知る法 一/印或は釣ににはぜなどは懐妊なり。侏儒をみれば。諸 事成就せず人に笑はるゝ事あり。亭を築をみれば。 諸事成就するなり。桃をみれば。警固の役を蒙る 事あり。李は獄屋などの官を得るなり。香の類は。嫁 したる女のさられてもどる事あり。竹の隠遁としる べし。梳はさつはりと憂事ほどける。蟻風は憂事あり。 松は人の頭と成。柳は遊山翫水或は旅行としる。鶏鶏 は喧嘩口論を慎へし。丈尺は人の悪事などを直す事 あり。秤は金銀をとりなやみし。或は目附などのよふ なる役をうける事あり。碁象戯は喧嘩口論を慎べ し。女房の粉飾したるをみればかならず。懐妊なり としるべし。 西瓜をくふとき愛せぬ法 一西瓜をくふて。子を喚へばおくびせぬなり。 拾遺智恵海巻之中 料理門 あまざけ急に入る法 一麹壱升氷おろし半斤水五合を煮たゝし。麹に氷おろ しを入。又/炭火にて焼。道明寺壱合入るべし。あま ざけ入る時。塩すこし入置ばはやくなるゝなり。焼時 塩少入れば。甜味はなはだし。砂糖を入ば味ひ軽し。 但し心得べき事有。あまざけを食して直に湯に 入れば。白癜風を生ず。 王余魚を風味よく焼法 鰈をうらおもてよく洗ひ。水をたらしうらしうらお より。酒を手にてぬり焼べし。風味よし。 鳥もどきの法 一もぞくこぶに。麻子を巻込まるめ。油あげにして 水菜にて煮べし。鳥を喰ふことし。 塩鰯焼法 一塩いはしを焼。あつゆをかけ。三枚におろし。生姜 酢をかけ食ふべし。風味よし。 水に合ぬ茶を煎ずる法 一水に合ざる茶をせんじるには。その水を茶に打て 炮じせんずべし。いづれの水にても如此すれば。合ぬ といふことなし。 あちやら漬の法 一砲壱升/黒砂糖壱斤塩壱合右三品/熱かへらし。麩昆 布きんかん桜桃など漬べし。 はじかみ色よく漬る法 一酢壱合黒豆半合をせんじ。汁を酢にさし塩つまみ入 はじかみ漬べし。梅酢より。風味至極よし。 素麺を結ぶ法 一さうめんをむすぶには。拭巾をあつくしぼり。さうめん 於道中 を巻入。しばらくして取出し自由にむすばるゝ。又 法釜に塩湯をたゝし。さうめんを管へ入。その湯気を 当しめし風にすこし乾かして結ぶべし。 粉芥子を解毒をさる法 一熱湯にて。こからしをとき丸め。椀の底につけかため。 しばらく。日のあたらぬ土地へ俯に置べし。毒さる也。 心易く焼塩する法 厚き紙に。塩をかたく包。大火を焼下へ入置べし。紙 もへず。色白き焼塩出来るなり。 赤小豆飯すつくりと和らかに焼法 一赤小豆飯しかける時。米壱升に酒三合さし入べし。焼 そんじなし。強飯のごとく。すつくりとして。和らかに して。飯の色赤く出来るなり。 錦木といふ肴の法 一わさびおろし大根おろし花鰭。各等分に採て。生醤 油をかけて出す。 麩を油上の丸あげの法 一あげあぶらの中へ。蝋を少し入上べし。手毬のごと くなるなり。 漬梅の法 一青梅を。白水に一日つけて引あげ。水を乾し塩と紫 蘇を入て。押をかけべし梅干にして核はなれうつ くしくとるゝなり。 甘露梅の漬やう 一豊後梅の肉かたきをとりすて肉ばかりをしばらく 塩おしして。両面の紫蘇にてつゝみ。扨ふた茶碗などに つけおく。白砂糖を間々のしきりに入て。漬る也。酒の 肴。又は向ふ付などにも用るなり。 香の物漬やう 一大根を塩押して。二三日/置てその汁にて。糠をこね て漬べし。 玉子早煮抜の法 一玉子を青竹に。水と一所に入。焼火の灰に埋置べし。 又柚の実を抓出し。玉子を入。針金にてくゝり。焼火の 下に入置べし。ぬれ紙に玉子を包み。熱灰に埋と同し 午房をふとく作る法 一地の深さ五尺四方。広さ六尺程。土を掘かへし。其土を よくふるい。黒ほこ見合に入。もし土不足ならば。外の土 をまぜならし。午房を太すべき程の太の棒を五 六寸さし入。七寸程づゝ間を除て。穴を十ばかり明べし。 穴へほしかをつめ。上へふるい土に黒ほこまぜてふるい入 午房種を蒔。見ばへの善をみて悪は抜捨べし。糞 には。小便に水を半分まぜにしてかけべし。午房味 はなはだ斉く和らかなり。 山椒の芽年中貯へ置法 一石台に土を入。山椒の目を毎月晦日に蒔べし。山椒の 芽年中有るなり。 小鮒にて雀焼の法 一小難の腹腸をすり。串にさし。醤油の付焼にすれは 雀を食ふごとし。 三 一鏡餅をつくに破さる法 一餅をつく時。こぬかをとり粉にすれば。餅ひゞきわるゝ 事なし餅かたまりてはらひおとせばさつそく こぬか落るなり。 常用の番茶の香をよく煎る法 一大豆十粒程。ほうろくにて。半焦に炒てさまし。土 瓶に白湯を熱たゝし。ふきあがるとき。右の豆と番 茶を入。よくせんずべし。誠に。山吹一森などを飲。香 気のごとし。薄く成らは茶を入べし。 梨子珠の法 一梨子をわさびおろしにて摺おろし。汁をしぼり。百 目生姜のしぼり汁 ̄サ匁氷おろし壱付焼鍋に入れ 炭火にて焼。せつかいにて手を休す底を廻すべし。 飴のごとく成なり。 味噌豆早煮損せぬ法 一空豆の味噌は。去年の豆を二月程。水に漬て桶に入れ 角棒にて突つぶし。皮をさり焼べし。大豆は白水に 浸し。白水にて焼へし。大概煮たる時木を引て。煙 火ばかり残し。四時程うまして搗べし。豆和らかにし て夏味噌損ることなし。 待兼味噌の法 一踏込の酒の滓一〆目糯米の糠よくふるは酒のかすに まぜ合し。味噌の下へ敷べし。年を経る程風味よし 柿の和物の法 一五六月比の。西條柿の初たるを湯にてよく洗ひ。日に 干。核を取さり。細く切て梅干の肉にて和て喰ふべし 風味甚よし。酒の肴水物などに。柿を喰ふべからず 柿は酒毒を吸ふものゆへ。酒毒を脾胃に滞し。酒痰 と成なり。 豌豆上の法 糖を入。薄醤油にて煮るべし。 一豌豆一夜酒にひたし。管へ入乾し。榧の油にて上砂 松茸心易貯ふ法 一椀の蓋に松茸の笠を入。藁にて包み。茎を上になし。 火を焼上に釣さげ置べし。いつまても。松茸の匂ひ。 うせす 金橋を久しく貯へる法 一金橋を荒豆の中におけば。いつまでもかはらず。 梨子を久しく貯へる法 一梨子を貯へるには。間々へ。大根をへだてに入れて。梨 子と梨子との。はだのあたりあはぬよふにすれば。 年を経ても爛れず。 玉子のにぬきに模様を作る法 一岩たけをこまかにきざみ。玉子のときたるにまぜ合。 扨下にふしの有。竹のつゝの皮をうすく取。上の方はふし のなきやうに切。右のときたる。玉子岩茸を入なり。こ 口まで。一はい入たるはあしく。九分目に入て。上よりつめ に紙をまきてさしこみ。竹の下のふしと。つめ木とを あらそにてしかとくゝり。此竹の筒を釜へ入煮也。牛房 大根にても。一切入。知らかに。煮上たる時分。右の竹の 筒を釜へ入煮也。牛房大根にても。にんじんじんにても。一 切入。知らかに煮上たる時分。右の竹の筒を取出し。小 刀にて打われば。水玉のやうに成。小口より切取肴は。煮へ ひやしなどに取合つかへば。さま〴〵のもやうを書たる やうにみゆる也。料理の品にて鳥の身など入たるもよし。 精進肴鮎の鮓を作類法 一大 ̄カなた豆を。夏の比。塩おしにして貯へ置。冬春の 比。一日斗塩をいだし。扨一方をわりて。塩かげんよき飯を いれて少し重石を置。小口より切て。なた豆のかた ちのくずれぬやうになして。傍にほだてさんせう などをおきたるもよし。形像難によく似たり。 蛸を和らかに煮法 一山査子を。二つ三つ入れて煮るべし 精進肴の鰻を拵る法 一山の芋を皮をさり。わさびおろしにておろし。温飩 の粉をすこしまぜ。あま苔四五枚重ねて。右の芋を つけ油上にしてあがりたる時。醤油をさし。取いだし。 串にさして火にて焼べし。まことのうなぎを見る如し。 鶏の剛きをやわらかにする法 一老鶏に。白梅をいれて煮れば。やはらかになる。 榧の皮ひとりとれる法 一猪の脂をいれて。榧を炒ときは。皮ひとりとれる也。 兼の骨をやはらかにする法 一/盃に松実をいれて煮れば。やはらかになる。 酢をかびぬよふにする法 一炒たる塩を醋にいるれば。いつまで置ても。かび生ず。 等みへ 紫蘇千枚漬の法 一しその葉をよくあらひ。拭巾にて水を取十四五枚づゝ。 重ね味噌の下へ敷べし。月を越へて風味よし 赤飯色赤くする法 赤飯むしてこしきより上時分。茶碗に水一盃入 銅銭二三文つけ置候水を。わらぼうきにてしはき かけ。ふたをしておけはあかく成也。 薯蕷汁煮焼てもねばりうせさる法 一栗をおろし。薯蕷のうちへ入れば。いかほどあつく てもねばりうせず。正篇に出たる法とは異なるがゆへ こゝに。しるすものなり。 のつべいとう法 一鴨をいり。鳥のごとくつくりだし。たまりにてにてにてにてにてにてにてにてにる。 にえたち候ときかげん吸あはせ。うどんの粉を。だし にてとき。ねばるほどさし。にえたちし時分出し候 程。鴫などもうづらにてもよし。 野倉法 小鳥をたゝき。せんばのごとくさつとにて。扨鯛をかき こまかにたゝき。熱湯をかけ。上置大キなるあわび を薄くへぎて。これもしらめ候へは。ふくろのごとく なり申候。此ときだしたまりかげんして入。ふき立 候とき三色入。かきあはせ候へば。ふくろの中へつゝま れ申候。玉子のそぼろ上置によし。吸口色々 伊勢豆腐法 一山の芋をおろし。鯛をかきてすりいもの三分一 入。たうふに玉子のしろみをくはへすり申候。いづれも によくすりあはせ。杉の箱に布をしき入包ゆに をしてきり。葛たまりかけ候て出し候。又鳥みそはみ さび味噌などかけていよ〳〵よし。又豆腐ばかりに ても。能すりて右のごとくする也。 袋烏賊の法 一大き成。いかの甲をぬき。中へ魚玉子をすりまぜ入。 焼栗など入て。口をゆひ湯煮して。輪ぎりに切て。 あいてには。木の子抔入て煮物によし。 鷹の羽の法 一杉板に。かまぼこつけ。あひにあらめを入。煮て はなしすぢかひにきりて。鷹の羽のごとく。見ゆる やうに合て置なり。 玉章の法 一からす爪のさね也。きんぶんしともいふ。たまりにて 煎上てよし。其外あんにん。たうにん。くろまめ。から かは。せうが杯も加へてよし。ゆふがほの種もする也。 秘療門 犬のたにこを去る法 一犬の耳の中へ。たにこ生ずるには。酒をぬるべし。生 ̄シ たるも死て。落るなり。 犬の蠅を通る法 一犬の身へ。ともしあぶらをうすくぬるべし。蠅付こ となし。春のひがんにぬるがよし。 馬の沓すり痛を治する法 一ふきの葉茎汁をしぼり付べし。馬の沓じりし たるは。足を常より高く上て。その足を遅はこぶも のなり。 馬のすくむ。病を治する法 一雨のすくむ病は尻目づかひするなり。肩を立て 肩のつかへたるやうにするなり。米の麹を二三合 一づゝ飼ふべし。寿妙に治るなり。 一胞衣下ざる妙薬の法 一極月に門へさしたる柊と。鰯の頭をせんじのますへし。 早速おるゝなり。 鶏を強くする法 一馬の爪をけづり水に漬。飯粒と青葉にてこねまぶ し。飼ふべし。つよくなるなり。 一白癜風妙薬之法 一堅魚節 一匁 細末 和の大黄根をわさびおろしにてすり おろし。汁をとり。右のかつをの粉をこねて付べし妙也。 湯火傷の妙薬の法 一生しぶを墨にすりて付べし。忽ちひりつきをやめ。 寂つかず。早速いゆるなり。又方たでの葉を。黒焼に して墨にても。しぶにても。とき付て妙也。 漆瘡を治する方 一鰹節をけづり。粉にしてふるい。胡麻のあぶらにて とき付てよし。鰹節を。せんじのみてよし。 鼻結ずれを治する法 鼻緒すれ草鞋くひには。麻茎を焼その疵を煙に てふすふれば治す。鼻緒すれは。古壁の藁すざを君 焼にして。胡麻の油にてとき付てよし。又烏賊の骨 をけづり付てよし。 髪を黒くし歯を固る法 一皀莢一生姜一升麻一地黄一早蓮草 一標角一細辛一荷葉一青塩各等分 右一所に黒焼にして。極細末し。細きふるひにかけ べし。髪を黒くするには。胡麻の油にてとき付て よし。歯をかたむるには。黒焼を指の裏に付て歯を 横に付べし。但しいづれにても。荷の葉は葉のぐる り壱寸づゝ取て。心の方を捨べし。 足の裏へ古竹木の釘立を祓法 一古木竹釘足のうらへ踏立抜がたく。痛むには。柚の核 をわさびおろしにて。すりおろし。飯粒にてねり足 の裏へ紙にのべて張るべし。翌日足の表ふくれはれ。早 速いたみ止足の甲へ釘出て道を抜。あとへ無二膏を はるべし。瘀血のこらず愈るなり。 足の裏へ織釘の立たるを即時に祓法 一雪隠虫をそくいにてねり。釘の立たる所に付る也。即 時に抜いでゝ。其跡いたむ事なし。 灸のいぼいたる法 一兎の毛を黒焼にして胡麻のあぶらにてとき付て よし。灸のすれやぶれ。くゑたるには。ふりかけてよし。 国 を といふといふはなるものこといしきといふして。 行と 風二 妙術博物修復篇 從三十五 至七十八 拾遺智恵海巻之下 傳授門 天気陰晴を知る法 一早天に。草に有露を見るべし。葉端に。露あれば 一日天気よし。露くさの根本にたまり有ば。其日 かならず。雨ふるなり。 油おとしの法 一生大根を。おろしあらふべし。早速落るなり。畳 などに。油の久しくしみたるには。生菓をせんじかけ て。生大根にて。こすり水をかけて。洗ふべし。又袋に 糠を入。熱湯にて。すりつけあらふもよし。毛氈な どへ付たる油は。滑石と土器とを粉にしてふりかけ。 杉原をよくもみ。四ツ五ツにたゝみ上におき。上におも しかけべし。油こと〴〵く。杉原へ吸取なり。水に油の 落たるには。生菓を巻握くゝり。立に半分つけ置 べし。こと〴〵く。藁人すひとるなり。 油に入たる水を取法 一杉原の紙極に。滑石の粉を巻込。先へ酒をちよと つけて。幾筋も半分したしつけ置べし。油盞に 水入たるには。藁を弐三寸に切。中へあぶらを通し 火の際より一歩前に横に置べし。水こと〳〵く後へ 寄なり。酒に油の入たるには。杉原をもみ丸め。酒 の上かはをおだつれば。油取るゝなり。 硯の墨急に落法 一生大根にてこすり。水かけて洗ふべし。硯に疵付して 早く。墨こと〳〵く落るなり。 板に付たる墨落す法 一大根の香物を。ふたつに切てこするべし。又板に文 字など。久しく書付あるを落すには。しほをふり生 大根にてこするべし。早速落るなり。 絹木綿紙などの墨落す法 一絹木綿などの墨は。生姜のしぼり汁と。生味噌と 生大根のおろしにてあらふべし。紙などに付たる には。大根を薄く切下敷にして上より大根にて たゝくべし。何底もかへてよし。 楼木の法 一今時植木屋に。木の台に別の枝を。横さまにち よとつけたるごとく接たるは。木の皮をけづり接枝の 横もけづり。田螺を夏の土用に。生ながら乾つけ 細末にして。飯にてねり。その台と枝とのけづり 肌へ付しかと合し。竹皮にてまき。糸にてしかと くゝり。枝より葉の芽ふくを見て。糸と竹の皮を 取て見るに奇妙に付なり。又法人油ばかりぬり て。右の如くつゝみくゝり置ば。十四五日の中に梅なり。 又法楼台のあまはだを。小刀にてそぎ。梅頭も長 くそぎ。末をすこしかへしてそぎ。扨皮目の間へ。 右の楼頭の本をさし込。台の接本弐寸も下より。 だん〴〵上へ糸にて巻あげるなり。別に生木のくさ びを拵へ。右巻時台と接頭とへかけて添て。それ ともに巻べし。糸のしまりつよく。又くさびの間 □□□□□□□□ 五十三 より。地気を楼頭へ吸すためなり。楼小口の外へ。 見ゆる処人。膠をうすくときさましぬるべし。是 は接口より風ひかせぬためなり。気外へもるゝ時は 付ず。桃の台に渋柿を接べしすべて接口を刀 にてむちやくちや切そぎたるは付がたし。只一刀に すつはりとはす切にすべし。切たるとき。そのまゝ つぎ合すべし。間あれば切小口より。風ひきて付 事なし。 朝貌の花紅とび入の法 一あさがほの赤きはなのつぼみの先へ酢をつけ 置ば。紅しぼり咲なり。 萩の花藤の花久しく生置法 一萩の花はしほれやすき物なり。是は冷水にいける ゆへなり。熱湯に生置ば。二三日しても。今生たる ごとし藤の花を生るに花器に湯をさしなどし ては。なか〳〵久しくこたへず。これも熱湯にいけれ ば。花久しくたもつなり。しかし湯をよくさまして 生ことなり。 蓮の花生て久しく置法 一泥水の日当にて。ぬるみたるを瓶子に貯へ置て 生るかよし。是も冷水をいむなり。 絹などに血の付たるを落法 一絹に血の付たるには。生姜のしぼり汁にてあらひ。 落ざれば。人の乳汁にてあらへば落るなり。 衣類などにとりもちの付たるを取法 一とりもちの付たるに。早速からしの粉をふりかけ。 置べし。とりもちこと〳〵くかはきて。自然とくる〳〵 と。巻おきるなり。 風の吹年を知る法 一為などに巣を。木の末高き枝に作る年は。風すく なし。ひくき枝に鳥の巣作るとしはかならず。風 年としるべし。 草木を植る法 一草をうつし。植るには本植てありし根の土き主 より。一寸さげに間を置植べし。木を植るには。今迄 の土きはより。一寸も深く上へ土をきせ植れば。よく つくものなり草木ともに。植て水をかくるはあしゝ。 しほれたるまゝに置べし。その夜の露をうくれば。 いつきりとなるなり。 松の背底く横へ栄ふる植やうの法 一松を植る時。根の下へ平き石か瓦を置て植ばかな らず横へ枝さかへはびこるなり。 松を鉢にそだつる法 一鉢植の松は。十月比ほりおこし。根をふるひ古土を さり。屋根板の至極ふるびて。年久きを粉にして。 砂とくろおことに合し植べし。糞には。川芎を入るゝは 悪し。腰を一弐本折て入がよし。水は日に壱度かけ。 日のつよく当らぬやうに。北うけの風を当べし。 甘松の香気つよくする法 一葉甘松の香氣をよび出すには。酒をすこし打て。 紙に包上を木綿切に巻懐中して一夜身につ けあたゝむれば。香気甚敷なるなり。 雷除の法 一五月五日午の正刻に艾葉と浮萍とをとり。陰 乾にして。雷の鳴とき焼べし 道中にて湯水を不飲して咽渇かぬ法 一何首烏はして白茯苓各三両白蜜 弐両 弐代 甘草薄荷 各壱両 烏梅肉白塩梅各巻両葛根弐両右極細末にして一 蜂蜜にて○是程に丸じ壱粒さゆにて服すべし。 一日いかやうに行ても。咽かはくことなし。 松南天などを寄接の法 一松にても南天にてもよせつぎにするには。両方の 接合す所をけづり。玉子の白汁をぬり。竹の皮に てしかと巻。壱月程して切て。半月程して。竹の皮 を取べし。 油紙傘に文字書法 一生松葉。手壱束を五分ばかりに切。一夜水にひたし。 その水を墨にすりてかくべし。油はぢ〳〵ことなし。 一漆金銀箔の上文字書法 一生松葉。一握横槌にて打て。一日一夜水にひたし。 その水を墨にすりて書べし。 木綿に書画をかくに墨付よき法 一別の木綿を熱湯にしぼり。そのもめんの上に布。板 をしばら〳〵上に置さめて書べし。自由にすみもゑ のぐもつかはるゝなり。 烏賊魚の墨にて書たる文字の減 たるを復びあらはす法 一烏賊の墨にて書たる文字は。いつとなく白紙と成 なり。酒の中へつければ。また文字あらはるゝ也。 油虫を去る法 一和の蒼朮と。石菖の葉の陰乾を。五月五日に床の 下をふすべべし。 生魚を炎天に道中へ持行損ねぬ法 一生魚を白砂糖にまぶし。壺に入。炎天に持ゆく べし。損じることなし。 魚の病を治する法 一泉水に索麪を壱把入置べし。魚死すること なし。又/唐辛を入置もよし。 兼いたみ死するを救ふ法 一引茶を魚の口へそゝぐべし。もし験なくば。二三度す べし。かならず活るなり 切たる木に根を付る法 一背の高き木などを切て。根を付んとおもはゞ。その 木の本の横へいくつなりとも。誰もみをして。牛の 皮を細く切さし込植べし。かならず根付也。 菓の年切させぬ法 一菓のなりどしは。かならず翌年すくなし。なり年 の冬根元に灸すれば。又翌年も出来なり。灸は 日向にすべし。外へ灸したるはきかぬなり。 菓の核をまく法 一人焼場の炭。を合藁の炭のあくにたれたる。滓牛 たね一つに の皮 目五分 右三品たねをおろす下へうづむべし。 一いかやうの核にても生せぬことなし。 蓮の種を蒔法 一豆腐の滓の。あたゝかなる中に蓮の肉をつゝみ。 繭苞に入。居爐の辺に置。春のひがんに。黒土壱升 白豆を十粒程たゝきくだきいれ。種をおろし。日当 の泥水の。あたゝかなるを入置べし。 山椒の木を植移す法 一木の枝葉を切取棒にして植れば付なり。枝葉付 一杉辺 ながら植ればかならず枯る也。 南天の木を植る法 一南天植る所を掘べからず。随分地築してかため。 南天の鉢をそこへすへ昼平地より高く土をもり あげ。手にてかため植べし。さやうにすれば。実も見事 にでき。茎ふとくなるなり。南天のこへに。茶滓はあ しく。葉巻也酒の滓をせゝなけの泥にまぜ。根元へ かけべし。 樹木を作りいたまぬ法 一枝などを切刃物に。その木の葉ても。汁にても。 つけぬぐひて切べし。いたむことなし。 硝子を作る法 拾斤 一白硝子は一/白石粉 一/燭/一/一/一/一/一/一/一/一/一/一/一/一/一/一/銀拾斤 一青硝子は一石拾斤一なまり拾斤一ゑんせう拾斤 一岩緑青四拾目一銅のすりくず三拾目但し赤銅の すりくず無之時は。岩緑青三拾目入るなり 琥珀色は。両目右の通三色ともに。白石の替りに 赤石をも粉にするなり。朱三匁を入べし。右の石と なまりと。一日一夜炭火にて焼。そのゝち素焼の壷へ 入れ。その時ゑんせうをも入るゝなり。扨金のさほの 先に付吹なり。猪口盃などを吹は。金にてその形を こしらへ。其中へ吹おろすなり。但し瓢箪を吹には。針 金にてくゝり。ふくなり。切落すには。水を引は切るなり一 水が小刀になるなり。小口をぬんめりとうつくしくする には。吹落したる時指にてなづれば。そのまゝうつく しく成なり。それ〳〵に口伝多し。 蒜を食しにほはざる法 一桑の木を白焼にして。さゆにて飲ば。にほふことなし。 同又/ねぶかを食しにほばざる法 一葛の根弐匁一白砂糖五分一乾姜三分右せんじの むべし。又法一黒砂糖三分一丁子壱分一陳皮弐分せん じのむべし。 一魚を取毒流しの法 一柿の渋山椒の葉と犬たでの葉とをすり。汁 をしぼり。川上へながすべし。魚こと〳〵く酔てう かぶなり。 馬の息切せぬ法 一いつさんに遠路などへ馳行に。馬息切れは死する なり。馬の舌を引出し。まんなかを針か小刀にて穴を つき通し馳れは。息切せず死することなし。 銀箔一夜にさび付る法 一水壱升一水銀壱匁一朱五分の積りにして。先水を わかし右二色入はけにて引へし硫黄のはなをふ すべるもよし。 隣の棗の棗の木よび取植る法 一南隣か東隣の木ならば。早速二三ヶ月の中にこの 方へ芽ざすなり。よび取する地へとなりの棗の葉百 目。馬の夜こきたる糞百目。右一所にうづめべし。木の 間間中程の所ならばずいぶんうつかやすし。北隣西隣 の木は。二三年もせねばこぬなり。右の葉をうづめし。 九十合覚 所へ。月に壱度づゝ白水をかけべし。 桐の子ばへの法 一その桐の葉百枚斗。ごもくの下へうづめくさらし一 牛の皮五匁馬のふん五十右弐品土へうづめ。その中 へ。桐の子四五十粒蒔べし。 松の子ばへの法 一川芎を粉にして。黒土とほしかとを。よく手にて もみこなし松毬の随分枯たるを仰向にうつめべし。 みばへはへるなり。 ○赤白痢妙薬 一豊子の花落て莟たる時。其つぼみに二所も 三所もきざを付て。其口より白き汁のたる 一を皿にかき入て溜りたるを干かためて一両 是を阿片 といふ 一桑木の虫屎四両水を天目に二盃入半分に 一/煎じつめ又それを三分一に煉つめ能ねばりた る時。右の阿片を能研て皆入て煉まぜしるく ば葛粉を加へて・是ほどに丸じ大人小児に限 ず弱き人には二粒強人には三粒つゝ用。蓋母の 一按右ノ四方積滞ヲ疎滌シテ後ニ用ユベ シ卒尓尓ニ始ヨリ用ユベカズ 煎湯にて用て妙也 ○痢病を煩らはざる法 一蛇蕉をとり端午の日朝露に当て壱つ。水 にて呑べし。其年いか程痢-病流行てもう つらす ○痢病の妙薬 一瓜湯/一煮たる鶏卵の黄なる所をしやうが三 ふ一入白湯にて用ゆべし 雨の部 ○瘰癧を治す 一烏蘇苺五匁甘草二匁 いまだ潰れざる先に右の薬を煎じ用ゆべし。 数ふくにして癰 金の部 ○瘧の妙薬 一巴旦杏壱匁甘草壱分 《題:右割みおこり日の朝早天にいまだ人の汲ざる 水にて食椀に水一盃入半分に煎じたとへば 黄五百日中におこり候はゞ其前までに皆用ゆ ○瘧を落す薬 白蓮 一梹榔子草菓川芎自芒 但し熱つよくは 青皮紫蘇良姜の楽 除_レ之を 半夏 各等分 右常のごとく煎じ服す いか成おこりにても落て ○一切の瘧截薬 といふ事なし 各等分 一合/右/右糊にて大豆ほどに丸し一粒づゝ発日の朝与 ○瘧落兼る妙薬 中落茶の 木香 時は大に加ふ 馬鞭草中木香 甘草少し 右つねのごとく煎じ用ゆ ○瘧薬 壱匁五分 壱匁 かわ 一蒼朮弐匁陳皮壱匁五分厚朴壱匁 壱匁五分 五分 草菓 甘草五分草菓菓壱に五分紫陽花根 壱匁五分 生にて 生姜一片入煎じ用 ○同方 一牛膝蔵菜此二味をすり丸し早天に 一五粒用ゆべし。千日になる瘧も落べし ○同方 一草薯牛膝/一牛膝榔子 莪木大黄黄芩 人参荊芥川芎 右つねのごとく煎じ用 ○同方 一芥子をすり其中へ鍋すみを少し入。頭 のをとりの上に付べしかげもなく落るなり ○同方 一青皮/厚根中/白朮中 虫には干姜を加ふ 右一ふくにて必らず落事疑ひなし ○瘧の蔵薬 一家伝斬鬼丹 黄丹 すいぶんよくすり 三度水飛する すりて泥の 獨頭大蒜 かにし 各等分の内黄丹を少しまし 右五月五日の午の時に調合し幾人もの 手にて丸しおこり日の五更に流水を汲て 東向に坐して呑べし ○瘧疾黴薬の代に用る方 一大蒜三ツ胡椒七粒百草霜三分搗合せ一丸 とし男は左。女は右の曲沢穴 油澤 □□□ □□ ノ中曲池ニ遠ク少海ニ近シ尺沢ト 少海トノ真中大筋ノ間脈ノウツ処 に付て縛置べし ◯又瘧発日の朝東に向ひ百会穴に 頭上鼻ノ通 髪際ヨリ に朱にて上天下都城隍在と七字を畳 五寸 書べし落ること甚妙なり ○魘死たるを治法 一急に半夏皀角の粉を鼻へ吹入痰を出し 若身静に眼陥ものは不_レ治 次に蘇香丸を与ふべし 面の色青黒ものも治せず ○驚て物を言ざるを治する方 兵乱火-難盗賊或は猛獣を見て大に驚 一言一言語あたはざる者あり。是驚気心包絡に入 ゆへなり。密-陀僧を細末し一度に五分ほと 好茶にて与ふへし能語なり ○魘死たるを治す 一梍角を末し叢豆の大にのごとくにし。鼻の 中へ吹入嚏は即気通す ○又方 一雄黄を粉にし管にて鼻中へ吹入べし ○面を爪にて狐破りたるを治す 一生姜の絞汁にて軽粉を解傷処に付べし 一痕なく愈る也○又手足面など掻破り 膿腫痛には鍋墨を清油にて解伝べしいゆ ○補養薬 一七月七日に蓮花を採九分。八月八日に藕根 を取八分九月九日に蓮肉をとり九分。各 陰乾にして細末し少つゝ白湯にて服す べし。気力を益虚を補ひ不老の仙薬也 和の部 ○腋臭の妙方 弐分五り也 一麝香 竜脳 弐分五り 明礬五分 車幾 右梅の酢にてねり腋下をあらひて付べし ○同 一硫黄弐分竜脳三分樟脳壱分 甘明礬五分明礬壱分五厘也 軽粉にして腋下にして腋下に伝へし ○同 一軽粉壱匁膽礬壱匁肥松塩壱匁 一軽粉 守宮黒焼 一右細末し下をよく洗ひ又湯に白粉を入よく すり洗ひ付べし ○同 一青木香を厚片好醋に一夜浸し腋の 下に夾へし切々かくのことくして即ち愈 ○又方 一蜜陀僧を末し生姜皮ともに擦て 解合せ頻に腋下に塗べし自愈べし自愈 一の頃汗出たる時/塗は弥好 ○同 一明礬 焼て 壱匁 膽礬 たけのむしくそ 跡をくさらする 三分 竹虫出 には過す痛時はひかへる 白粉弐分 白やきに 鹿袋角 して壱分 霊天蓋壱分 右粉にし酢にて煉付へし。但しとんほう草の標汁 にても付右の分にて若痛には日出草の汁にて も付べし。腋下の毛を抜付へし。根を絶さんと思 はゞ膽礬を少し過し付。二三日/置ば膿なり膿ざ る時は幾度も付べし。膿て出るとも三日ほどに てすきと症るなり ○右産薬 一鹿袋角五分霊天蓋五分猪脂壱匁 霊天蓋五分猪脂壱匁 右湯煎にし膏薬にして付べし ○腋臭早留る法 一右の薬方の内膽礬を去粉にし。肺下を垂 にてぬらし紙にてつよく拭ひ其跡へ唾をうすく 付。右の薬をすり付暫腋下を。暫腋下を。 むして立処に臭やむべし但是は当分の事也 ○同 ねつみのふん 一麝香・鼠糞七分少し塩七分少し塩七分 巴豆二分縮砂二分 小豆の汁にてとき上を布にて包腋下にはさむ へし。黄なる汁出ば薬を水にて洗ふべし ○同 四両 一密陀僧四両白礬三両浮石弐分 各粉にし腋下をよく洗ひ拭ふて此薬をぬる べし半月にて治す ○同 一胡粉壱味すき膠にあはせ牛の油にて煉 一腋下の毛を剃て付べし。須臾にして腋下より 薬薬薬〗黄なる汁流出る汁流出るを拭ひ去べし。厠へ行に大便 黒く漆のごとくなるべし。若化人厠を同うす れば必す伝染なり。厠を別にすべし。数日の後 一墨を腕の下に塗ば毛の孔見ゆるなり毎日 其毛の孔に三四火ほど灸を七日すべし。病の 根を断治するなり ○草鞋喰の薬 一半夏を粉にし付べし。まめ出来たるにも よし 脇痛 肝は血を左の脇にたくはへて痛をなす 肺は気を右の脇に鬱して痛をなす 肝肺の二臓を心得て治すべし ○脇頻に痛屈伸なりがたきを治す 一善叔散 陳皮 陳皮芍薬干姜 びやくじゆつ 各 びやくじゆつ 木香 甘草かし 白木 等分 右細末し塩湯にて切々用 ○黄疸の薬 一鶏卵壱つ殻ともに黒焼にし酢壱合に て温め服す鼻中より虫出て痘 ○小児黄疸薬 一青瓜の蔓贈り刻み壱匁水盞に一はい 入七分に煎じ寝さまに用ゆ夜明まへに 黄なる物瀉て瘧 ○黄疸の薬 一遍身金色の如く黄なるに甜瓜蔕四十 九を六月に取丁子四十九と合せ浄き鍋に て烟の立止まて焼て焼て細末し。大人には一題 一古今集雑小人には半/牛/度々吹入べし忽愈しししししししし愈 かの部 ○髪髭の白を黒くする薬 一還少膏 壱 五倍子 一銅屑白礬各五分 銅屑白礬各五分 塩三分 右好煎茶にて団となし湯煎にして其内へ 一焼酒少斗入皀角の煎汁にて髪を洗ひ。 其後薬をぬり絹にて髪を一夜/夜盤邪 前のごとく皀角の蒸汁にて徐洗ひ薬を ぬり如_レ此三夜ほどすり付れば白髪黒成なり ○髪白くならざる薬 ひやくじゆつ 弐両 白木 一人参壱両作 黄老日 一人参 ̄ト 一人参壱両白朮弐両貫老目三分乾薑弐両 せいさうし 壱両 弐分 肉桂 青鞘帽 肉桂壱両青蘇子弐分枸把子三分黒胡麻弐分 兎糸子弐分 右細末し蜜十五両にて煉薬とす其外 気付気力を補ふ。又我髪の落を壱両山椒 五十粒入煎し酒にて飲ば黒く成なり ○髪の薄き所又禿たるに付薬 一初生髪軽粉松脂鼠糞臍帯 右粉にし胡麻油にて付べし ○髪ぬけ槁ぬけ橘て澤○なきを治す 一桑白皮側栢葉等分に煎じ休ふべ し即ぬけやみて潤ひ出るなり ○髪の生る油の方 一秦椒白芒 蔓荊芥陵雪/附子各十匁 右皆生にて細にて細に包み白しぼりの油 に廿一日浸し置一日に三度つゝ禿たる所に 付べし。此油髪なき所に付ば毛はゆるなり 外へつりぬやうにすべし ○髪を長し光沢をよくする法 一菘菜子の油をぬれは長く先沢よく先一巻 ○髪の色ありきを治す 一桐木をせんじ洗ふべし。黒し光沢を出す。 ○頭の疵痕に毛を生す薬 一梧桐子の灰をぬるべし ○顔など突腫たるに薬 一鼠粋の葉を揉葉妻かげ干の粉まぜ付へし ○癲面に腫物出て瘢の付たるを治す 一刀豆を研砕きて其汁を付べし忽愈る事妙也 ○膈噎の妙薬 一臭木壱升に水壱升入壱合に煎しつめ 馬銭 粉にし 弐両 安息香壱匁木香壱匁 右練薬にし一日に三度つく●是ほどにして用ゆ ○同 一漆良香極上茶台等分 ●細末し●細末し●是ほどに丸し用ゆ ○同秘伝名方 かつていらとも 虎尾 へんねれすとも いふ 壱匁巴且香 かけぼし 二つくだき上皮 ともに用ゆ 一氷砂糖五分甘草弐分生姜二斤 右つねのごとく煎じ用 ○脯の養生薬 ほして 一苦葱実 一苦葱実ほして鶏魚白子ぞして各等分 右粉にし用ゆべし ○同方 一霊天蓋 いかにも古きを 白湯にて用ゆ やき されかうべ ○同同 一梭尾螺を半分黒焼にし挽茶一眼ほど づゝ白湯にて用てよし ○万瘡并にくさにもよし ごまのあぶら 壱合 一松脂 胡麻麻 一松脂壱袋胡麻油白粉三分 右火をぬる〳〵として煉後にいわう壱分 粉にして入して入しる飴のごとくねり烏の羽にて 引へし ○瘡毒薬 瘡毒瘡毒楊梅-梅-瘡天疱瘡 俗にたうがさ湿毒といふ皆月証也以下准_レ之 /楊-梅-瘡ノ類初起ニハ表裏ノ毒ヲ通解スベシ凡石-薬 一寒冷ノ瀉剤嗅薬等謾ニ用ユベカラズ毒気ノ浅-深 其人ノ虚実ヲ能考ヘ診テ方-剤ヲ與ベシ の 一川芎 一川芎香附子葛根独活各 独活各大 葛根 冬は中 木香中 霍香 縮砂 荊芥中 夏は大 黄芩 黄芩沈香茯苓摸榔子 山梔子 連翹 山梔子連翅当帰甘草烏小胡麻杏小 □二 二番に一盃入て半分に煎じ用ゆ 私にいはく山帰菜一斤を七つに分。其煎汁 にて右の薬を煎じ用ゆべし ○反花瘡下し 一丁子壱両胡椒大黄縮砂 甘草 虎肉 名 壱両 弐分 弐分 人参弐分巴豆 一山椒の大さに丸し一日に丸し一日に五十粒用ゆ ○瘡毒の薬 弐匁出け 各 甘草あらは壱匁 一大黄黄連黄芩 壱匁 杜仲字地黄地黄地黄 但虫気有には白朮茯苓梹榔子加ふ 右割合五つに分五つに用ゆ葱法○壱番は 水を茶碗に二はい。弐番に二はい半〇三番に 三ばい○四番に二はい○五番に三はい入。何れも 壱はいにせんし用ゆ一ふくの薬を五度せんずる なり ○平里流瘡薬 生にて 一黄菜 壱匁 陰干 つるはこべ 壱匁 壱匁組 檜木の根皮 上皮を去 壱匁五分 百草霜壱匁軽粉壱匁五分 一右粉にし●是ほどにうす糊にて丸じ吉野葛 の粉を衣にかけ一度にかけ一度に十粒つゝ一日に三度づゝ 用ゆ。但し呑汁を手に持て口中に少しも留ら ざるやうに早く呑べし嚼割はあしゝ。一七日用ひ いまだ愈ざる時は二七日も用べし。手足痛み 起居不自由に骨節痛等の久き瘡にも 用て妙なり。但 ̄シ薬を用る四五日は口中痛涎多 く出る人も有べし。苦からず。驚て用ひざる人多し。 痛をこらへて薬を用べし。一七日用つよく痛時は 休み。又一七日用ゆべし。右丸薬の呑汁は山帰 菜一菜一に刻三七つに分。其壱分一番に 永天目に二盃入壱はいに煎ず二番に二はい入 一はいにせんし。三番に二盃半入壱盃に煎べし ○壱分を三盃まで煎るなり是にて一七日か二七日 用べし必平愈するなり。此薬用て後一七日休 て八日目より。又一廻り根ぎりの薬を用。根ぎ りの薬の内軽粉を除き葛粉五分加へ衣に も葛粉を掛て用ゆ。右二色共に呑終り。本復 せば其時蕎麦彩を刻み常の蒸薬一貼程 づゝ常のごとく煎じ。其葱汁にて山椒り五十粒程 づゝ二三度用ゆ。是にて腹中に滞たる軽粉を とり下すなり。右の薬何れも呑終て後。十二日の 内禁物酒茶索麺酢蓼冷汁 薬用る内好物 干大根牛房萵苣無 鰹鰹此七色用ゆべし此外何れ も不_レ可_レ食禁忌肝要なり紫芋と牛 按 ̄ニ此方察 ̄テ_二病-人 ̄ノ虚-実 ̄ヲ とは一代食すべからすべからす 用ユベシ ○瘡問薬上戸に用ゆる方 弐両粉にし内壱両は 一大黄 あぶり壱両は生にて 黄芩 三分 粉にし 三三 川芎 粉にし 右古酒にて裸に煉茶碗に入火の上に置沸 立て能押合木栄子二つ程づゝ。一日に三四度 も酒にて用ゆ。五日も酒にて用ゆるも用て小便濁血の 色に成たらば薬相応と心得かぎ薬を用ゆ □□ ○同下戸に用る方 一軽粉 五両二両に成 まて焼返し 三十目 寒晒米粉 右丸薬にし白湯にて用へし右の問薬共 に用ひ其後かき薬を用るなり。但豆瘡の 時はかぎ薬無用なり右二色の問薬ばかりに てよし但不_レ愈時にはかぎ薬を用ゆべし ○同興薬 一沈香 壱匁上々 を用ゆ 朱七分木乃伊 壱分 一大人参弐分丁子三分軽粉 弐分但し 二度焼返し 三十目 百草三十目 右を廿一本にして一日に三本づゝ七日/興なり。此 薬をかく内塩の類堅忌也。軽きには一日に一本づゝ 早天に嗅せてよし。右の薬/右の薬/口中口中/痛事 有ば四物湯に人参を加へ用べし。茶碗に水を 入側に置ひたもの鍬をすべし ○瘡の嗅薬 一鹿射香人参沈香辰砂錫鉛朱 右口に水を食煙おほひをして穴を明。油火 にて嗅べし但し薬五分を二度にかくなり。此薬 反花瘡穴瘡便毒小瘡悪瘡等によし ○瘡後骨痰の妙薬 一養命散 壱匁 壱匁 大黄 人参 其まゝ あふる 川芎 詞に 其まゝ 杜仲 弐匁紙二包 あふる 香白莚 さわ 其まゝ 黄連 壱朱 毛を去夏まし 桔梗 十一匁五分 其まゝ 沈香 さわ 呉まし 木香 弐匁五分 其まし 弐匁 当帰 白水に浸し 栽木 壱匁其まし 多ければ 甘草 山帰来上々八十日白水に浸し割み 哉わ 其まゝ 右山帰来を弐匁つゝにかけ其外壱味〳〵を 一豆腐一包にかけ右弐匁と積わけて川芎を一眼に 六分つゝ入卅包にすべし 右の薬煎しやう 一番は水天目に一盃二分入て一盃に煎し 弐番は水天目に一盃半分入て一盃に蒸し 三番は水天目に一盃六分入て一盃に煎し 四番は水天目に二盃入て一盃に煎し 五番は水天目に二盃弐分入て一盃に煎し ○同骨うつきの薬 一莪木大黄黄芩黄連 川芎山梔子くるやき鼈黒焼各等が せんじ用ゆへし 右加減ハ 丁子沈香木香黄耆香白莚使君子 右いたみ熱のさし引等によつて加減すべし ○楊梅瘡の薬 山帰湯 大黄壱両当両当銀壱匁黄芩壱匁 酒に浸 地黄 杜仲壱両李木皮 壱匁 莪木 酢にて 煮壱両 白水に浸 芍薬壱匁 し壱両 廿わツゝ 山帰来 甘草三分 一小川 一右/右煎薬の時は五貼に合て一貼を二日つゝに用 ○同 くろやき七日 一河骨 分に皿壱ツ 其まゝ七日分に 甘草 茶二ふく 黒焼七日 田蝶内 分に茶一ふく 其まゝ粉にし 山梔子 七日手に茶二ふく 浮萍 おしろい 白粉 黒焼七日分に 皿壱つ 一七日分に才ケ壱ツ 右湯にて用ゆべし ○同洗薬 二色を煎し 忍冬 一蓮葉 洗ふべし すいかづら ○同付薬 へびいぢこ 黒焼 黒焼葉蔓とも 一虎皮 蛇薦 右胡麻の油にて付べし ○楊梅瘡悪瘡付薬 壱分 黒焼 烏賊骨 一膽礬 一膽礬壱分烏賊骨五分荊芥黒焼 弐分五り 右各粉にし薄粘にてのべ髪の油を少しぬり て此薬を付べし。胆礬しまずして奇妙に癒る ○同加減秘密丸 あつき十五両 十五両 五両 白粉弐分 小豆 当帰 白薬 八両 大冬米 河骨 霜にして 五両 甘草弐分 右細末し是を七日に用 大豆瘡便毒尻瘡気腫 癰疔 癰疔骨瘡等万によし 若虫気あらば良香少し加ふ呑汁は湯 にても水酒にても用。大豆瘡には蜜にて一 ねり用ゆ 右の薬にて口痛む事あり其時の薬 一桑寄生木香連翹沈香 外麻黄茂木通射于 名 丁子乳香 独活 三両 三両 麝香がし甘草がし 右何れも細末し五日の間一日の間一日に三度つゝ熱 湯にてふり立用ゆべし。六日七日の間によし ○骨うづき盗汗なき人には此方を用べし 一人参順血湯 鹿角 りは 十匁 柚核 黒焼 五匁 しやくろのかは 六匁 石橘皮 右細末し廿一包となし。山帰菜壱斤を三ツに わけ。壱-分は其まゝ。壱分は黄色に炒。壱-分は質 色に炒。此三色を押合て七つに分。一日に一貼づゝ 煎し。其汁にて右の粉薬を一包つゝ一日に三度 つゝ七日に用ゆべし ○何瘡にてもくさりくゑたる時/ゑたる時/菜 一阿仙薬桂心川骨黒焼黄柏各等分 細末し付べし ○楊梅瘡大豆瘡妙薬 ゆ 航 一田蝶 赤きを 三つ 二味黒焼にし五両 粉にし白粉茶五服ほと火にて蟠り加へ 一糊にて●是ほとに丸し一日に五十粒或卅粒つゝ 白湯にて用 ○楊梅瘡下疳瘡の余毒に大に験ある方 一南婦川芎芍薬白木茯苓 防風蛇骨皮牛膝/葱茨仁己上九味 土伏苓倍して入常より大眼にして用 ○同 百三拾目うくろもち さわ 一土茯苓一一一目うくろもち 一土茯苓 土竜 地黄弐匁黄連弐匁 大黄弐匁 黄芩日る 大黄弐匁黄芩弐匁甘草弐匁 右つねのことく煎じ用骨瘡等に尤妙也 右一剤十日に用若当分病にとがめたりとも くるしからず重ねて用べし ○瘡付薬 但し裏へ入ざるうちに付べし しの 一火出 黒焼少し 腹中より出たる虫也 虎皮 毛ともに 黒焼 一夜水 辰砂 五倍子 飛し 飛し へむしくそ 唐竹の虫糞 右四味は等分なり虫の黒焼は少し 一鯉魚 ◯瘡にて聾に成たるを治す 三年に 口より紅花を腹一はい入黒焼 成を壱つ にして粉となし是を七貼にして一日に一貼つゝ酒に て七日用。但飲汁の外は酒を用べからず。尤毒 忌あるべし。右の薬を用て当分とがめ 腫事有るべからす。是薬相応する効なり ○雁瘡の薬万くさるを治する事妙也 ○雁瘡の薬 一阿仙薬壱匁軽粉三分 右細末し胡麻油にて練付べしきはめて験あり 此本をみれば常の人にても 万病のりやうぢでき申候 妙薬博物筆 全七冊 此本はやまひによくきゝ候薬をのこらずあつめ丸/茶膏薬 まで世間の秘法家伝の一方ととのふる迄さぐりもとむ 病名をいろは分にして見安からしむいぼをなをす薬は いの部にあり○はのいたみをなをす黒はほの部◯ぢの薬は ちの部○わきがの薬はわ)の部○やけどの薬はやの部居の くすりはたの部○万能膏はまの部○口中某は口中某はこの部に あり右のごとく何病にてもいろは分にして万病妙 薬をたくさんにあつめ今度平がなにいたし申候 御手寄の本屋にて御かいか被下候 ○瘡にて聾に成たるを治す 一鯉魚 三年に 口より紅花を腹一はい入黒焼 成を壱つ にして粉となし是を七貼にして一日に一貼つゝ酒に て七日用。但飲汁の外は酒を用べからず。尤毒 忌あるべし。右の薬を用て当分とがめ 腫事有敬るべからす。是薬相応する効なり 万くさ類を治する事妙也 ○雁瘡の薬 一阿仙薬壱匁軽粉三分 右細末し胡麻油にて練付べしきはめて験あり 此本をみれば常の人にても 万病のりやうぢでき申候 妙薬博物筏 妙薬博物全万病のりやうぢでき申候 全七冊 此本はやまひによくきゝ候薬をのこらずあつめ丸薬膏薬 まで世間の秘法家伝の一方ととのふる迄さぐりもとむ 病名をいろは分にして見安からしむいぼをなをす薬は いの部にあり○はのいたみをなをす薬はほの部◯ぢの薬は ちの部○わきがの薬はりの部○やけどの薬はやの部居の くすりはたの部○万能膏はまの部○口中某はこの部に あり右のごとく何病にてもいろは分にして万病妙 薬をたくさんにあつめ今度平がなにいたし申候 御手寄の本屋にて御かいか被下候 □□□□□□□□ 閉門同 狩丹波 風三 妙術博物巻後篇 從七十九 至百十三 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 早見書状大全戸田筆 大日本獨案内 折本 懐中本 此本を見れば直に手紙 かき候手本に相成り申候 此本を見れは日本国中一目に 見ゆる本なり日本国○名所 ○年頭より四季おり〳〵の手紙 ○旧跡○宮寺○宿○城下○陳 ○商人取引の手紙○世間入用の文 屋○みなと等迄委しくあつ 通もらさずあつめ上中下の品を め○一/国づゝにて色をかへ わかち申候○くちには目録を出 さいしきいたし甚だ見やすく し見やすく仕候おくに手紙 仕候且折本にして懐中するに につかひ候文字をいろは分に 宜敷仕候御手寄之本屋に而御覧 いたしわすれたる字を尋ぬるに一宜敷仕候御手寄々本屋に而御覧 之上御求め可被下候 早速しれ甚だ便利なり 久治 万宝智恵袋巻之中 衣服 十七七七 一絹。紬。木綿の衣服。中入の真綿をすい出す には。仕立ざる前に。大根の汁を糊をかふ ことくにし。張乾して。仕立れば綿出ず 一衣服の垢づきたるを洗には。冬瓜の汁芋の 煮汁。又大根の煮汁。又合歓木の葉の煎 汁にて洗へは。垢落て地群なり 一油垢の付たるはふるや紙を敷て。火熨計 にてあたゝめのすべし。油気紙へうつる也。紙 をかへ幾度ものして後しづかに揉は。垢落 べし。ふるや紙は。薄を打たる紙なり 一絹布衣類油垢をとるには。梍莢を煎し 温にして。浸置て洗べし 一梅雨の時分。衣服かびたるには梅の葉を せんじて洗べし 一夏帷子の汗臭。又。人臭を去には洗濯の 湯へ。桃葉を多もみて汁を加て洗べし 一油の付たるには。小麦の粉をふりかけ。又水 にてねりて。あつくぬり置一日一夜を過 してあらふべし。又滑石。天花粉。等分に して。油の付たる所を火にてあたゝめ。右の粉 まぬ 十九 田中 をふりかくる事。二三度四五度にして。 こと〳〵く去なり。又大根の汁にてあらふも よし。又油付たる時。其まゝ口にて。幾度も 吸とり。後に。滑石をふりかけ置は去なり 一墨の付たるには。飯粒をすり付て。含水 にてあらふべし。又杏仁を粉にして。唾にて すりぬり。熱湯にてあらへは。痕なし。又 棗肉をかみて洗もよし 一血の付たるは。大根の汁にて洗べし。又ふくみ 水もよし。又灯心にてすりあらふべし。又 当分には。生姜をへぎて上に置は血う つるものなり。又瘡の血膿付たるには生 半夏にてすりあらふべし 一柿渋の付たるには酸漿草の汁をすり 付て洗べし 一漆の付たるには。杏仁山椒。等分粉にして。 すり付てあらふべし 一蝋の付たるには。熱灰を紙につゝみて のすへし。幾度もつゝみかへたるがよし 飲食 一仏耳草の葉を餅に入れは。艾餅より怪 て風味よし。昔は三月三日の餅。皆此草 なり。後世に艾を用来。此草和名母子草 といふ □□□□□□□□ 一粳米の寒晒をひきわり。細にして粥に煮 て。赤小豆のしほり粉。沙糖を入用病人 老人などによし。不食の人にもよし。又 大便調らざるの虚人に赤笠遠慮す べし。糒にてもよし朝鮮鮮粥といふ 一醴を急にこしらゆるには。よく花の付たる 麹を五升水一升五合ほど入て。花を洗 とり。滓へ又水一升/計入洗て花の残ざる 一時滓を去。汁を一汁を去。糯米のひき飯を 鯛を湯煮 するの そは切は もろこし 河漏津より 始る事 青青 貯玉法 五合ばかり入。鍋へ入。炭火にてしづかに煮 なり。少沙糖を加ても猶よし 一蕎麦切は。もと中華の製なり。河漏津と いふ所船着なり。其所の旅舎に。そば切を して売。名物なる故に。所をさして名に用 て。河酒といへり。日本の蕎麦切に同し。 湯煮をして。少間あれは。のびやわらぎて 味よろしからず。玉子の白みに。沙糖を加て ねれば。のびずして味もよし 一豆腐一丁を丸ながら油炒るにはのことくのことく 四角をとり。八角にしてあげべし。底をとくとくと あげて。うちかへしあけれは。色よくあがる也 一難を漬て久く置んとおもはゝ。桶の内に 竹の皮を敷。酢をつけて。竹の皮の端を 上を折返し。押をなるほどつよく置て。 桶の中へ水を入置べし。桶を入子にして。外 の桶にも水を溜置べし。一日に一度づゝ 水を替てよし。暑気の時は二度もかゆ べし 一万年醋は五月五日の餅の粽を。白菖蒲にて つゝみ。風すきに乾し置。酒一升。水一升に 一粽つゝみながら一つ入。三七日ほど置てよし。 器にて一杯とれは。其器に酒一杯。水一杯路へ 入置也。幾度も同じ 一桑酒は。桑の根皮百目。白砂糖一斤。焼 酒一升入。三十日ほどして用 一梅酒は青梅三十。酒一升。沙糖一斤半壺に 入。土中に埋る百日ほどして用。梅は色付ざる 一時とる豊後ならは三十。常の梅ならは五十 計。ぬるき湯へ木の灰を入て。其中へ梅 をつけ。うき出ぬやうに蓋をして。一夜 置。とり出水けを拭。生酒よし 二酒の味あしく替たるには。藤の実を炒て 一入置は。味なをと。本草にしるせり 一松茸を漬には。水一斗に。塩一斗三升入。能 煎じ。二三日ほど冷置。松茸つぼみなら は根を切去。ひらきたるは茎を去べし。能 湯煮をすべし。茎をひねり見るに。湯内 へ通たるは。やわらぐもの也。その時さまし置て 右の塩汁を。桶にても。つぼにても。もらざる 物へ入。漬也。一説に。桶の底へ青松葉を薄 敷。其上に松茸をならべ。幾重も其通 にして。塩水を入べし。うけぶたをして。松 茸のうき出ざるやうにすべし。蓋の上に。 かろき押を置べし 一寒の水一斗。塩五升。米糠五升。煎じて。沸 立たる時。冷置て。魚鳥の肉を漬置は 夏に至ても損ぜず 青袖のちいさきを。枝葉の付たるを取。器に いれ。塩にて埋。銅のきれ。又はやすり粉にても 少入て。風の入ざるやうに。蓋をして置べし 年をへくも青し 一鞘を湯煮するには。赤小豆を少入れは やわらかになる也 一越瓜押なしに漬様ざなごをとり。釜に湯を温置。瓜を入 取上しづくをたらし。塩を少つよくして漬べし。甚宜 一煎茶の酒を好には。茶の花。仏耳草の花。 を。陰干にして。少入て煎ずれは。酒立もの なり 一茄子香物冬に至て生漬のことく仕様二日ほど 塩押して。成程しるき糠に漬置。風味甚宜 一鰹節を貯へ置には蕎麦の穀に埋置は 虫喰ずして。堅ならず。やはらかならす 久く置て損ぜず 居家 一居所によりて。人病多。尤屋作心得有べし。 山陰。深谷。河海。沼沢等の湿地は西北の風 をうくるやうにすべし。涼風は湿を払故に。 流行の病も自然と遁べし。六気の病 寒風温。湿。多し。東南の風は。温にして湿を ふくみ。西北の風は涼して湿を燥す。穢て 悪臭ある地は。猶流行疫疾多し。居所に 忌べし 一風のつよくあたる所のやねは損ずる事多 藁屋の角。軒口は。殊に損じ易し。細築 竹を。わらにまじへて葺べし。閉縄朽ざる内は 風にとられず 一わら屋の谷。瓦或樋なとにても。甚雨の時は もりやすく。殊に。わら朽ぬれば。猶もる事多 やねしたぢ。こまやかに。角の立ず。丸なるやうに して松皮の厚疵なきを。三寸足ほどに。広 葺くわらの葺合少溝の有やうに葺へし 何程つよき雨にももらす久く朽ことなし。 普合すき間なければ。水をふくみて。朽事はやし 一酒屋に枳槙木を。家内の材に用れは。酒悉く 化して。水となると。本草に載たり 一土蔵は。壁ごまゐをつよくして。表より土を厚 つけ。裏壁を通ざれは。火事の時。火通す 内は野根板。うすきそぎ板なとにてはりて 土の落ざるやうにすべし 居所は陰に背き陽に 向ふへし土地により 家作心得有べき わら屋の屋ねを 修理する法 事 一壁をはかく上ぬり わる法 一家の壁は。折々に上塗をすれは。奇麗に なりてよし。しかれども壁厚なりて宜からず 土を乾細なる篩にてとをし。海蘿をゆ なく煮て。土を入。刷毛にてひくべし。壁に 疵ある所をは。紙を以。ふのりにてはり。其上 をひくべし 醫薬 一今の世人。学ずして。一文不通なれども。病 を見ては。是は何病なり。其薬に宜し。脈は とあり。かくあるなどく。見抜たるやうに利口 をいひのゝしりて。我身を損ずるのみならず。 人の身命をも。害をなす人多。人には貴賤 あれども。命には高下なし禽獣虫魚とて も。無益には敢ざるに。大切なる民命を傷 事。歎ても餘あり。医道は甚深にして。 中華といへども。名医はすくなし。漢の代より 以前は。道に長ぜる人多けれども。其人の 道。全は伝ず。漢以来。名医多。書籍も 漢大なり。然ども。後世の謗を得ざるは。張 仲景一人のみ也。是ほど大切にして。はかり しられざる道なるを。愚人のあさましく 一容易なる事のやうに思は。是非なき事 なり。今時の医者とても。渡世利慾にかゝはり て。民命を弄する事。にくむべきの甚き 事なり 一世に無病の人。病を防とて。病ざるうちに 灸を多するものあり。針灸湯薬は。病により てこそ施べきに。無事なる身の。病を待て 一鍼灸湯薬を預用は。益なくして害多 古人も。古人も。古人も。壁裏に柱を添 ことしとて。医書に戒をけり。養生は只飲食 色慾。時令の寒温に心を付て。謹守べし ○いにしへは。未病を治するには。心を正し既に 病は食治を施。食治癒ざれは。針灸湯薬に 十一月 及といへり 一温泉は実病には。病症により。又湯により て宜く。薬の及ざるほどの験もあり老人 虚人は大半忌べし。応ぜざるのみにあらず。起 て大に害をなす。摂州有馬は硫黄の気 あれども。やはらかなり。下野の草津は酷毒 の気ありて。多害をなす砒石の気ある なるべし。本邦温泉甚多よく撰て浴す へし 廿一日朝 夕方 一丁香肉桂。竜脳。麝香。等の辛熱の入丸丹 の薬。無病の人。常に用て気を散じ。口気 の清涼なるゆへに。好て一時の快をとりて。 後の害を知ず。辛熱の物は。元気を減し 命根を絶軽々しく用べからず六味丸は幼 より老年に至まで。用べき薬なれど。人に よりて斟酌あるべし。薬といふは。病に対しての 名也医道をしらずして。容易に用ことなかれ 疫病の流行時蒼朮を焼て屋内に烟をみてゝ 疫気を払べし。疫痢なとやむ人の家に 入は。是を貌で行べし。気は鼻より入ゆへなり 又はなの内に辰砂をぬるもよし 一痘瘡流行時。預これを服すれは。痘をのがる たとひ出とも。すくなく軽し。緑豆。赤小豆の黒大 豆。各一升。甘草節二両。水八升。入煮て。意に まかせ。豆を食し。汁を飲べし。七日にして止べし 扁鵲三豆湯といふ 一痘瘡を患者。穢気にふるれは。色変ず烟草 を紙に包て。床食の下に置べし。又胡蕪を ひたせる酒を。四方の壁にそゝぎたるもよし 穢気をよく去。痘に宜きもの也。惣じて。忌 べきは。脛胆の気。経行の婦人胡臭。體気有 人 ̄ハ其外一切の穢臭を退づくべからず 一菊花を多取て。陰干にし。枕に入れは頭痛を 治し目を明にすといへり。石菖蒲の根葉も宜 一久く咳嗽の止ざるには款冬花陰干にして。た 葉粉のことく烟を嚥ば。よく心ものなり 一五月五日に。苧麻葉を取て。陰干にしよくもみて 一切の瘡腫に灸すれは。即消散す散ぜざれ は。わづかになりて。膿潰て愈。廿壮。三十壮。五十壮 ○百壮。瘡腫の大小によるべし 一同日に。韭の絞汁に。古石灰を粉にしてこね金 餅のごとくにし。風のすく所に久く置て。細末 し。一切の切疵に付ればよく血を止。はやく癒 年を経て久きほどよし 一婦人産に臨て腹痛。難産或横産或逆 産。或胞衣下ざるには。当帰三匁川芎一匁 煎じ用。胞衣下ざるには。冬葵子を加児枕痛には 延胡索を加。気上悪血下ず。歯をくひしめ。反張 気をうしなふには。益母草を加べし 一胞衣下さるには。草麻子。皮を去。すり砕て足 心に付べし。下れば其まゝ洗去 一瘧の載薬。石菖蒲。硫黄。等分末して糊にて 丸し黄丹を衣とし。発日早朝に五十粒/発前 に又五十粒飯のとりゆにて用 一船に酔たるには。桜の木のあまはだを煎じ服す 又魚毒にあたり。酔たるにもよし 一魚骨喉に立たるには。鳳仙花の子を。舌の上に 置は。其まゝ抜る也。呑てもよし。又撒椀子を 末して呑もよし 一河豚魚の毒にあたりたるには。芦根を濃煎 じ服して妙なり 一湿気の妙薬大秘方。大なる蝦蟇を土につゝみ。黒 焼にして。七日の間朝夕。酒にて用。大に効あり 一俄に気を失。口をくひしめ。眼直たるに。半夏 の末を。鼻中へ吹入れは。嚏出て蘇なり。又 細辛の末。梍莢の末もよし 一喉痺腫痛には。かすり破て。血を出せばよし 一怪には。桔梗甘草。等分にして。絹に包。含て 汁を呑べし。荊芥を加て猶よし 鼻衂には。山吹の花を陰干にして鼻中へ入ふさぐ 一山袋を引 旅へ行に 心得へきの法 耳へ虫の入たるを 工工 一工 又一 又 故なぶして むさと文食せ 数内師八博学 にあらずんはなる へからさる事 □□ 本草綱目 かゐなの痛を 治する然 べし。花の時分ならは。其まゝ用てよし。又項の 毛を抜ても。軽は止なり。又手拭を冷水に浸て一 頃に置て冷せばよし。しげくとり替へし 一耳へ虫の入たるには。竹の管にて。つよく吸は出なり あるひは米豆等の物にても。吸出すべし 一転耳膿汁出には。明礬を火にてふかし一匁。黄 丹を炒て一分入。細に末して。竹管を以。少づゝ 吹入る事。日々五三度もすべし 一虫牙には。穴あらは胡椒を末して。糊にて丸じ入 べし。又箸のさきを綿にて包。胡麻の油を付 麝香少ふりかけて。火にて温。牙に熱こだゆる ほどにして。取替て用べし。穴あらは。穴の内へ入 穴なくは。痛牙にてくわへて。熱気の牙中へ通 やうにすべし。又艾灸するもよし 半分は生 軽粉少計入。生 一腋下胡臭には。膽礬一匁 半分は焼 姜の汁にて調て。腋下を手拭にて。あつく痛程 すりて。後に付べし。三五度にして愈。軽には 一生姜の切口にて日々すれは愈。又田螺のふた を去て。脛凡少入置は。化して水のことくになる。 其汁を頻にぬるもよし 一手の痛を。俗にそら手といふには。古綿を火に入 烟にて薫れは。即止。くぢきたるもよし 一竹木。肉に入には。甘草をかみて付置は。抜出る なり源入には。度々付べし 一熱湯。或油。或火にて灼傷て。痛甚ものには 石膏を末して。酢に調て付べし。汁出るには。 其まゝ付てよし 一打撲。閉動。痛甚には。延胡索七分。当帰五分。 一肉桂三分。煎じ服す。妙也 一楊梅瘡。病源ものこれを用て月余。浅ものは 一半月にして即愈。軽粉の薬を服し。筋骨攣痛 疽療し。腹を動す事あたはざるもの。是を服し て亦効あり。土茯苓一両。著類仁。金銀花防風。木 凡 ̄ケ木通。白鮮皮。各五分。梍角子四分。気虚には 人参七分。血虚には当帰七分を加。煎服す。一日 に三股。茶。牛。鶏。魚肉。焼酒。麺麪。房事を忘 予此方を用て。効を得る者多し 一下疳。痛汁出るには青袋。軽粉。等分細末し て付べし 一紫白癜風に。附子。硫黄。分生姜の汁に調 先茄子帯にてすり。又薬を帯に付てすり 付るなり 一癖瘡に巴豆の殻を去。紙に包。打て油をとり。 一油の紙につかざる時。軽粉を十分。一加能すり合 て付べし。乾たるには。唾にても。草大黄の汁 にても。調付へし 一癰疽以下一切の腫物に。はやく蒜のとちを。銭三 文の厚ほどにへぎ。腫物の上に敷て灸す べし。痛あらは痛やむまく痛されは痛の出る まで灸すべし。是を隔蒜の灸といふ 一疥瘡爛痛痒には。毛氈を焼末して。麻油に 調て付 一痘瘡出て或張よはく山をあげず。或膿めぐり一 かね或頭ひしげくぼみ。或色黒み。或しらけ。或 かゆきは皆元気よはく虚熱などによりて なり。楊柳の木の虫をとりて。其汁を付煎じ て用べし。冬は虫を乾し置て煎じ用。度々 試てしるしるある 一痘瘡目に入には。小痢の根の汁にて。目を洗 べし。妙なり 一遠竹に足腫痛或ふくるゝを俗にまめといふ番 一椒を黒焼にして付。或きせるのやに。又は小麦の 粉を水に調付べし。一夜に愈 一吐血を即座に治する法。人吐血せは。はやく小便 を呑すべし。血とまりて後薬を用べし。乳汁 ばかりのむ小児の小便は猶以宜也 一漆瘡には山椒を煎し洗べし 一一切の虫にさゝれたるには藍葉汁を付てよし 葉なくは。紺屋の藍の染汁もよし。なうだ草の 葉をもみて付もよし呉茱萸葉もよし 一痳病を即座に愈には螻を生にて呑酒を 以て送下す。又鍔をすり爛臍へ入置も。甚妙也 一毒蛇に傷たるには。野猪の心を乾置て。粉 にし付。又煎じ洗もよし 一蜂にさゝれたるには。明礬。生の天南星の汁へ 入洗べし。又葱白を敷て灸するもよし 一透頂香百薬煎麦胡砂六分龍脳弐分 一射香弐分細末して甘草の濃煎湯にて 丸す。一方百薬煎二両石膏十匁射香一分 竜脳三朱半細末し。甘草二両車前子二分煎 丸となす。手に胡桃の油を付て。漆塗の盆の 内へ丸し入べし 一人山林深谷に入は。大蒜を細に擣て。雄黄を 入て餅のごとくに丸帯べし。山中の瘴気を 去。悪獣毒虫を砕。落傷れは削て付 べし。毒地の傷に尤よし 一旅に出には乾生姜。胡椒を持べし朝出時。姜 一片を含。又胡椒粉を湯に立て飲べし夏は 暑を去。冬は寒を防。飲食の毒をも消べし 万宝智恵袋巻之中終 万宝智恵袋巻之下 禽獣虫獣虫魚 一禽獣の音は一に偏なり。故に智なし。智あれ ども。一に偏也。能舌を巧にし。ほしゐまゝに轉 といへども。五音を具せず。人の音は外五行に配 内五臓に応じて。欠欠する所なきゆへに。五 音調ひ。智足て万物の虚なり 天下知恵袋下 一飛禽は陽なり。皆果穀を食て天陽の気を 得る。走獣は陰也皆留藁を食て地陰の 気を得るなり。故に。飛鳥は高巣居し。走獣 早穴居す 一林に栖鳥は羽。葉に似たり。草に宿する獣は 毛。草に似たり。各其類にしたかふなり 一馬蹄の円なるは陽となす。牛蹄の折たるは 陰となす馬臥て起時は前足より立牛 臥て起時は後足よりす。皆陰陽にしたかふ 一鳥の印は長は雄。円は雌なり。鶏卵にて試 べし 一南海中秋に月晴時は。艸胎珠を生ず陰ば 珠なしとなり 一鶯の巣に郭公の子をなすといふ事予舊 万宝知恵袋下 住ける竹林に。小鳥の巣の内に雛有ける に。虫喰といふ小鳥。虫をはこびてやしなふ。日 を経ほどに大なりて。巣の内に満ばかり也 一口を開事虫喰の十倍なり。後は虫喰も 餌をあたふるごとに。おのか首をのまれて。毛 一抜爛けれども猶餌をはこぶ事/怠ず。或 一人此雛をとりて飼しに。長ずるに随て 気ものは陰によるの儀 野ぶすまと いふの弁 鶯の 巣に 巣に ほとくて ほとくさすを 生す 郭公となれり。まのあたり見し事也 一我むかし深山へ入しに。うつほなる大木の片 枝に。鳥の居けるを鉄炮にて打けるに。其音 にや驚けん。うつほの内より鞠の大さなる もの飛出て遥なる谷の方へ下を見れは 次第にひろく成て。三尺四方も有べきほど に見えしを。人にかたりけれはぞれこそれこそれこそれこそれ といひて哥にもよめり俗に野衾といふもの也 とぞ。是蟷蝠やうのもの也。野袋は夜出て 人の顔を包てたぶらかすといふといふといへとも。自 然と人に行あたりてとり付を。人恐て。気を うはゝるゝとおもへるなるべし 一ある人の庭に盆池を握て。魚を放ざるに。 次年の夏にいたりて。小郷多生ぜり。又水草 も色々生たり。新なる池水なるに。天地陰陽 の気化して。自然と魚を生する事。誠に 造化の妙也 一蝉は陽に近し。木に依陰を以て声をなす 腹をたゝひてなく也。壁は陰に近し。土に依て 陽を以て声をなす。宵翅を以て鳴也 草木 一世に花を翫事。人の心時に随なり。いにしへより 目ならふものを捨て。珎奇を好は。皆人の風俗 也。たとへは色を好に同じ。近世もくはやすは。 牡丹。芍薬。鼠。菊‾蓮。山茶花に百合。杜鵑花等 其外何によらず。珎といへは争求て園に秘し て。世に類多からん事をいとふ。其品流布す れは。又品すくなきものを尋むさぼる。貴介 富家は。金銀をいとはず費し。只得がたきを よろこひ。色よきに目をたのしむのみにして。実 なきゆへに。世にすたれもてゆるは愛おとろふ。何 天真を楽といはんや。唐の代の牡丹にひとし。 周子の愛蓮。陶酒か松菊。和靖か梅。東坡か 竹其志雲泥なり 一作木を好はよからぬ事なり。木石ともに。おのが さまなるこそ。見所おほけれ。木は梢を切枝を愁 石は爰を鑿かしこを削たるは。目ざましけれど 頓見おとりてあくもの也。木石のみならず 何事もむかしより有ふれて。常なる物は いみじけれ。資朝卿の作木をほり捨られし むべ も宜なりけり 一菊の種生をするは。花のしぼみ終時苅とりて 片日のあたる。うるほひあるやはらかなる土の 苔など生たる軒下に。二三尺ばかり高つり置は。 翌年の春。自然と生を移替て養は。春 秋。又は次年の秋。花咲て品かはるもの也 一蘭の養は。味噌豆を煮時のあめをとりて 二番米津等分に合。蘭の根にそゝぐべし 尤。冬の中によろし。来春よく栄べし。 第一の養なり 一景天を俗に弁慶草といふ。又血止草といふ 一切疵に葉を揉て付れは。よく血をとむる故 也此草を盆に載て家内屋上に置は火災 なしと書にしるせり。性。火を鎮ものと也 一接木は。桃の台に梅杏を接。渋柿に甘枋小 栗に大栗。白梅に紅梅。八重千葉を接 ても。皆接所の穂の通にて。台による事 なし。不審やうなれどもさにはあらず。それ〳〵 の生得は。物々一太極にして各別也皆天性 によれり。其地よりのぼる所の気液は。天 地の陰陽なり。陰陽に色味大小の差別 なし。うくる所の物にありて。おのか生質の 色味大小をあらはせは。渋柿の台は渋しと いへども。穂は甘質なれは。台の気液をかる 事なし。只陰陽の気をうけて。おのか性を 長ずるのみなり 一春の気は下より升ゆへに。春色は広野より 先前出。花は下枝より咲初秋の気は迄 より下ゆへに秋の色は高林より先色色付 梢より散初なり 詩歌 一本朝の詩は。何ほどの作者といふても異朝の詩 にならべては気象風骨。愚眼にはをとりて 見ゆ。和歌を突朝に翫は。又さも有べきか。 とかく能不能は国風によるなるべし 一淵明が。悠然見南山。霊運が。池塘生春草 の匂は。古今に称ずる句なれは。熟味はしらぬ ども。天然の句なるべし。杜甫が。乾坤日夜浮と いへるも同かるべし。かやうの類。本朝の詩人の及 所にあらざるべしとおぼゆ。和哥におもほの 〳〵とあかしの浦。春たつといふばかりにや。 有明のつれなくみえし。などは普通の哥 よみの極味を味る事およはざる境なり とぞ 唐の小詩に。天若無霜雪。青松不_レ如_レ草 ̄ノ地巻 無_二山川何人重_二平道是は君子の操と道 とを詠す。又/狂風抜_二例樹_一樹例根已露 一上有_二数。枝藤_一 ̄ニ青々桶_一 ̄ヲ是は小人の禍 身に逼ども猶さとらずして意気揚こ たるに喩る也。又。一日天無_レ風四溟波自息 人心風不_レ吹。波浪高百尺。是は人歎のお こるは。風の吹ふかざるによらず。心を己と 制する事を得ずして。物にひかれて。時 ならずおこるに喩 一帰子暴が詩に。有生不暫静_一。拠々労経 一営_レ希在_二明日_一。今日何録_レ寧。日々去 不_レ知。如_レ渉_二万里程_一。亦思一息_レ肩 ̄ニ其如_二願未_二願未_二 _レ盈息_レ肩竟何年奄然大命傾是は小人 の道を弁ずして。利欲に走て。日々心静 ならず。願事心に足ず。月日の行ことを覚 すして。終に死にいたりてもさとらざるを。 よく模写せり 一和歌は我国の風俗にて。神代より始て今の 世に伝れり。異国の詩賦に同かるべし誠に 人の心を感ぜしむる物は。哥にしくはなし。古 今の序に書ける事宜也。あがりての世には。 文字の数も定ず。法式もなかりしに。世を治 たまふ政のたすけともなれるゆへに。代々の 帝ももてあそび給へは。下としても此道に長 ぜる人。いにしへ今にすくなからずして。道の掟も そなはり。いやましにさかんになりもてきぬ されはいにしへより。代々の風体はかはりぬれど よめる詞はたがふ事なし。近世のよみ方には。 一定家卿の詠哥大概。風体は頓が草庵集 を。学ところのもとゝすべきとぞ 一宅家郷の百人一首。秀歌大体を常々熟 視して。人々の堪能をもさとるべし。是此 □□ 日本 ̄ 和歌を 詠する を 百五十万歳和応下 もろこし 詩を職て 遊ぶ体 郷の骨髄なりと聞侍し 一代々の歌仙の抄物に。よみ方風体委しるせり。 心得とすべき趣とり〳〵なれどいづれの教 より入ても。至極は同事なるべし 分のほるぶもとの道はかはれども。おなし高 古今集秋の月を見るかな。といへる心なるべし 一いづれの道を学とも。常に心はなれては其道 に至べからず。芸能に長ぜる人を見るに。昼夜 行住座臥に忘ずして。工夫をなし。功をつめる にあらざれは。堪能にいたる事なし。和哥の道 猶さらなり。当意即妙は常のたしなみにあり。 清少納言が鳥のそらぬ。道綱母の独ぬる夜 為明卿の我敷島の道ならて。為重卿のされは こそよるとはちぎれ。などは此道を心に忘ては 云いだしがたき事なるべし 一三代集はたとへは古風なる行儀正き人に逢へ るがことし。新古今は和して優なる人とともに 座するに同。しかれは初心の哥よみの見習べきは 三代集にして。先作法行儀をたしかにして。 新古今を見侍は。礼の用は和を貴とする事 をわきまふべし。初心よりおもしろしとく新古 今のみに情を入なは。淫にながれて。実を失 べしと聞侍し 一哥は見ること聞ことにつけて。ありのまゝにいひ 物によそへてよみ出。其さまやすらかにして 心感あるをよしとす。今の世地下に上手を いはれてよめるを見るに。趣向をめくらし。詞 を工にして。色々といかめしくよめるを。哥とおも へるは無下の事也。たとへは作木などを見るが ごとくにて。見るほど見ざめせらるゝ也 一了俊申されしは。頓あか達者なりし事を。二度 まで見侍し。為秀郷座せられし会に。一首 人のよきぬ題が残て。既に短冊かさねらるゝ時 見出たれは為秀は短冊をかさねらるゝ役を せられけれは。頓公にとてなげかけられしかは 頓公ちとも案ぜず。短冊をかさねらるゝ間に。 やかて書出せり。其題は。梅散客来と云題に て侍し。人のよまぬも道理なり。扨いかなる哥を 読つらんとおもひて。披講の時聞侍しに とはるゝもいとゝおもひの外なれや立枝の梅は ちり過にけり。とよみ侍しなり。又ある所の会に。 為秀。頓阿。慶運。静弁。兼好。なと其頃四天 王といはれし名人どもあつまりし言に。頓阿慶 運等は皆各六首とりたり。為秀は猶多とり 一給し。又末座初心のものは一首二首取し也扨 頓阿我六首の影を見渡て。ちと所用侍り 自由ながら帰て参候はんとて。我六首の額を 小棚の下へ押入て罷出しかは。慶運我とり たりし六首の題に。皆とりかへて置たり。はや 其まに皆哥ども出来て。書て出さるれは。 頓阿は何とくおそきぞと申さるゝ所へ頓阿 来て。さてさきに置し題をとりて。墨をし すりてかゝんとて見けれは。六首ながら悉別の 題也。されどもさはきたる体もなくてやあぬ事 かな。誰かあそばしたる事ぞといひて。墨すり 筆を染て。やかくさら〳〵と六首皆書て 出せり。披講の後に。慶運かしこくぞ仕たり けるがやうの時ぞ堪能のほどはあらはれ候へと 申けれは。頓/うたての事をし給ひつるもの かな。おとなにて人のせんずるをだに。仰られか へきものをと申/侍しぞの六首の中に。橋霜 といふ題にて 山人の道の行衛のあともなし。夜のまの 霜のまゝのつぎはし。とよめり 一冷泉為秀郷の歌に 哀しる友こそかたき世なりけれ独雨きく 秋の夜すがら。といふ歌を聞て。今川了俊は 為秀の弟子になれるとなり 雑事 一書を写紙は。山茶の枝葉を煎じ。灌汁を器。 に入。紙いかほども重ながら漬て。二三日も置 てとり出。盤の上に載て。広板を以。押にかけ 上におもりをつよくかけて。又二三日も置て。石 盤にて勝べし。乾ほど構は。をのづから一枚づゝ はなるゝ也。色黄にして宜。久きを経ても虫 の入事なし 一筆を貯るには。山椒一匁。黄栢五分水一盃入 煎じて。其汁に筆をひたし置。しばしして 日に乾し貯れは。久くなりても蛙ず 一渋紙を作には色々の伝あれども。蕨渋にしく 事なし。其法蕨粉一升を。水七升にて糊に 煮てさまし置。少温なる時。生器一升をみづゝ 入。ねり合て用べし刷毛のこわきにて。糊を ひくべし。野猪の背毛か。棕櫚の皮の毛の副毛 よし。糊のむらなきやうにして紙を合べし。踏べ からず日陰にほすべし日にあつれはこはく成て しなへす。とくと乾たる時。二番渋に水を少加て 一裏表よりひくべし。蕨粉はさらし粉はよろし からず。さらさざる色の赤黒を用べし 一わらび渋にて張物をするには。粉一升。水六升 渋八合ばかり合てよし 一雲どり紙拵様。盥に水七分程入。墨こく磨て。水の 中へおとし。楊枝のさきにて水面に雲とりを模様し。 扨紙を漬べし。墨をする水は。煙草を浸たるがよし 一二十を念の字に替て用書中の日付などに 一念一日念二日と書は。二十を念と呼。呉王の 女二十と名づく。故に是を謹て。江南の人 二十を呼て念とす。此説兼明書に出と いへり 一淮南子に磁石を井に懸れは。亡人自帰と 一云注に。亡人の衣に。磁石を裹て井中にかく れは。逃人をのづから反となり 一薫物の方 梅花春沈香四両丁香二両甲香二分 うち紙を する法 渋かみを する体 ひげそり薬の方 筆をたく おふるの法 挑灯の する法 百五十一ノマンマン氏へ 名香の法 香をきくの体 甘松二朱射香二朱 《題:荷葉夏沈香七両二分甘松一分甲香二両二両二両二両二両二両二両二分甲香二分甲香二両二両二両二両二二五五二分二両二四五升五二五五 丁番二両二両二両二朱白柑一分二朱白柑一分三朱 一餅蒔金三分安息香一分 菊花秋沈香二両丁香一両甲香三分 一菜陸三朱甘松三朱射香二分 一侍従冬沈香四両丁香二両爵金二分一朱 甘松 黒方沈香五両丁香二分白組一両甲毛粮毛一両 一薫陸一両射香二分 一各各/各各各蜜にてねるべし当分は蜜香 ありて香気宜からず。蜜香をとる事口伝也 一懸香の方 梅花梅花三匁丁子三匁甘松二匁龍脳五分 一射香七分白組七分 一花橋丁子四匁射香一匁龍脳六分蜜を酒て 袋に入べし 一菌丁子三匁霍香一匁白柑一匁甘松万五分 一龍脳五分射香五分 忍草射香龍脳梅花各二十匁丁子 茴香各一匁 勅方射香龍脳片脳各五分丁子白組 霍香各一匁五分甘松二匁青木香六分 右いつれも紙にて包。袋に入べし 一髪洗香丁子三番射香少甘松二両白松二両白根 梍莢八画枸杞一両右末し蜜丸にし髪 を洗時。温湯に入能ときて洗べし 一鬢洗香丁子一匁梍莢二匁対香龍脳各二分 右細末して海蘿をなるほど濃とき。布にて しぼり。粉を入。平く堅め。鬚を剃時温湯は よくとき。顔をすり洗て剃べし 一絲瓜のひねたるを干て。皮と実を去湯手に すべし。又畳を拭によし 一胡蝶花の根を乾し細末して水をそゝきて 糊とすべし 二石菖蒲の葉を畳の間に入れは蚤を去 一朽たる柱なとより。羽蟻の出を止には。おこぐちに 横槌を倒につり置へし。奇妙也 一諸芸の至極を師より伝るしるしを印可と云は。 維摩経に。善能如_レ是坐者仏所_二印可_一。これを いふる 一法度。書経大禹誤に法則制度の切字也 一馬鹿。愚なるものを。馬鹿と云は。秦の二世皇帝 を趙高。偽謀て。鹿を馬と云し古事なり。 史記にいづ 一珍重。善事を云。釈氏要覧に。善加_二保重なり 一面白。神書に出。日光の新に出て。人の面の時 白なるをいふなり 一鍛練。物によく熟するを云。鍛冶の鉄をきたひて。 利器に作にたとふ鍛錬して成就する事也 一料簡。漢書に出。料は度の儀。簡は撰儀也 一恙。上古に人いまだ家宅なき時。穴居せしに。 つゝがといふ虫なやまかと事ありて人を損ず。 故に安否を問に。恙なしやといふより始れり 一濫觴觴は盃也。湿は浮也。家語に江は始紙 山より出。其水盃をうかふるほどの小水な れども。楚に入ては。舟なくては渡事あたはず。 故に物の始いさゝかなる所を云。山谷か詩に。峨江 初濫_レ觴入_レ楚乃無_レ底 一弟者は中のあしき事を相違なる事を云弟は ほこ。絹はたてなり弟は其利からん事をなし。 盾はとをらざらん事をなす 一余慶。余ある事を云。易に出積善之家有餘哉 一丁寧。漢書に出。再三告示の心なり。俗に云懇 の意なり 狼藉狼藉狼狽て臥さる時は雑乱_二 す故に万事破れみだれたることを云也 一亀鏡。亀は焼てうらなひ。粒しきを 談す。鏡は物を照して明なり皆證 とするの儀。たしかなる事を亀鏡とも 亀鑑ともいふなり 万宝智恵袋巻之下終 歌道書品目 定栄堂歌枕秋寝覚 定栄堂 歌枕初寝覚 《題:名仮名仮名仮名仮名:悉く出して悉く出し哥の読合付 古今夷曲集 全四冊 聖徳太子の狂歌を始堂上方将軍家諸大名地下に 合古哥まくら詞等をしるす 有賀長伯撰合本三冊 一同有賀長伯撰合本三冊金十三冊 同増補 或はうすやうすり 至るまで古今名人の狂歌秀逸なるを集む中世も 右大に増補して名所を見るに大成なる書なり 板木不足して悉く揃はず不足の侭流布せしに 幸に揃ひし本住吉の神庫に納り有しを暫く 全三冊 名数和歌選 申下し是を写して板木を雕揃へ辰の年ゟ発行す 〇和哥の数たとへば古今三木三鳥の伝受より源氏 小本七冊 六十四帖の哥まで一より段々数によりて和歌 合本一冊 歌道人物志 を集め絵を加へ風雅の本なり 古今哥人姓氏年暦歌学等の事夫々悉く記して 目録哥人の名をいろ此分にして見やすからしむ 岩躑躅 岩躑躅全二冊 いづれの哥人はいかなる人と即座に相知れ候哥 業原に真雅僧都の道かしいわねはこそあれ岩 学重宝の書なり つゝじとよみたる事を始として此類の哥物がたり 歌道手引草 全一冊全一冊 おもしろき名歌多く集めのす 古今和歌集 全二冊 是は哥書を集めて哥読便りにす至つて女中 堂上方授正誤無之本也吉文字屋板と御尋御求 など慰みなるべき絵を悉く加ふ先第一は古今和 可被下候奥に名印御座候 哥集和歌威徳物語五十ヶ条百人一首三十六歌仙 歌仙二葉抄 品々伊勢物語皆此書一冊にあり其外歌道に 歌仙二葉抄全三冊 よりたる事数多あつめ記す 三十六歌仙に委しく住釈する書なり 亀鑑ともいふなり 万宝智恵袋巻之下終 歌道書品目 定栄堂 歌枕秋寝覚 歌枕秋寝覚 《題:名仮名仮名仮名仮名:悉く出して悉く出し哥の読合付 古今夷曲集 全四冊 聖徳太子の狂歌を始堂上方将軍家諸大名地下に 同増補 合古歌合古歌まくら詞等をしるす 有賀長伯撰合本三冊□全十三冊 或はうすやうすり 至るまで古今名人の狂哥秀逸なるを集む中辺も 右大に増補して名所を見るに大成なるに大成なり 板木不足して悉く揃はず不足の侭流布せしに 名数和歌選全三冊 幸に揃ひし本住吉の神庫に納り有しを暫く 幸に揃ひし本住吉の神庫に納り給しを暫く名数和歌選 全三冊 申下し是を写して板木を彫揃へ辰の年ゟ発行す 和哥の数たとへば古今三木三鳥の伝受より源氏 歌道人物志 小本七冊 小本七冊 合本一冊 六十四帖の哥まで一より段々数によりて和哥 古今哥人姓氏年暦歌学等の事夫々悉く記して を集め絵を集め絵を加へ風雅の本なり 岩躑躅 目録哥人の衣をいろ此分にして見やすからしむ岩躑躅 全二冊 いづれの哥人はいかなる人と即座に相知れ候哥 業原に真雅僧都の道かしいわねはこそあれ岩 学重宝の書なり つゝじとよみたる事を始として此類の哥物がたり 歌道手引草 全一冊全一冊 おもしろき名歌多く集めのす 古今和歌集全二冊 是は哥書を集めて歌読便りにす至つて女中一 堂上方授正誤無之本也吉文字屋板と御尋御求 など慰みなるべき絵を悉く加ふ先第一は古今和 可被下候奥に名印御座候 歌集和歌威徳物語五十ヶ条百人一首三十六歌仙 歌仙二葉抄全三冊 品々伊勢物語皆此書一冊にあり其外歌道に一 よりたる事数多あつめ記す 三十六歌仙に委しく住釈する書なり 月一 妙術博物経後編 従百十四日 公土百六十四人 経典読法早指南全一冊 四書五経小学近思録等の要語を抜揮して片かなを以 其義をさとす初学の人此書をみれば書を解たる 事水の下につくが如し ○改正道中行程細見記全一冊 筆道稽古早学文全四冊 西は朝鮮ゟ東は蝦夷松前まて国々道中付御火 入木道の秘密口伝悉くあらはし格法七十五 名方知行高幷に御紋駅御定の駄ちん 点の筆法奥義をしるし諸家の筆形草銘を 付名所旧跡神社仏閣等不洩しるし 集め筆道訓の伝授正体八景詩歌極則四体 此書をみれば日本国中をめぐらずして 千字文の国字引能書の手習法名言等を 順覧するなり 集載す此書を見て手跡稽古すれば上達する 一右の書天明年中に板行仕候得とも国郡 事神のごとし其外詩歌の仕様。石印ほりやう等 相分りかたく候ゆへ此度一国宛にて色を 迄初学の便に成事をしるす書て か人彩色仕候。其外重法の事品々増加へ申候 経学抜錦国字解全一冊 読書をするに其語の 寛政七年新板と御尋可被下候 注解を見度ときは甚 たよりある書也 医療衆方規矩大成全一冊 薬方加減等迄委しく記し申候道三先生の被成候書也 医者にあらずしても此書を持候へは療治等あやまち なく心得になり薬違はなかるべし 拾玉日用伝家宝巻之上 ○井の水悪しきを直法 一井戸の水金気多く水鉄かなけにて 水あしきには井戸の底へ堅炭を入れ生 姜を幾つも入ていつまでも捨置候得ば至極 の上水に成事奇妙なり ◯犬の咬たるを直す法 一犬の咬たるにはむめういを水にてねり付てよし 又せん湯には黄連黄芩大黄黄栢 山巵此五味を常のごとくせんじ用てよし 経典読法早指南全一冊 四書五経小学近思録等の要語を抜揮して片かなを以 其義をさとす初学の人此書をみれば書を解する 事水の下につくが如し 全四冊 ○改正道中行程細見記全一冊 筆道稽古早学文全四冊 西は朝鮮ゟ東は蝦夷松前まて国々道中付御火 入木道の秘密口伝悉くあらはし格法七十五 名方知行高幷に御紋駅御定の駄ちん 点の筆法奥義をしるし諸家の筆形草銘を 付名所旧跡神社仏閣等不洩しるし 集め筆道訓の伝授正体八景詩歌極則四体 此書をみれば日本国中をめぐらずして 千字文の国字引能書の手習法名言等を 順覧するなり 集載す此書を見て手跡稽古すれば上達する 一右の書天明年中に板行仕候得とも国都て 事神のごとし其外詩歌の仕様。石印ほりやう等 相分りかたく候ゆへ此度一国宛にて色を一 且初学の便に成事をしるす書て かへ彩色仕候。其外座法の事品々増加へ申候 寛政七年新板と御尋可被下候 読書をするに其語の 注解を見度ときは甚 経学抜錦国字解全一冊 たよりある書也 医療衆方規矩大成全一冊 薬方加減等迄委しく記し申候道三先生の被成候書也 医者にあらずしても此書を持候へは療治等あやまち なく心得になり薬違はなかるべし 拾玉日用伝家宝巻之上 □□□□□□□□ □□□□□□□ ○井の水悪しきを直法 □蔵書 一井戸の水金気多く水鉄かなけにて 水あしきには井戸の底へ堅炭を入れ生 姜を幾つも入ていつまでも捨置候得ば至極 の上水に成事奇妙なり ◯犬の咬たるを直す法 一犬の咬たるにはむめういを水にてねり付てよし 又せん湯には黄連黄芩大黄黄栢 山巵此五味を常のごとくせんじ用てよし 又咬たる所へ灸三壮ヅヽすへてよし 又犬山枡を黄栢の粉にてねり付てよし 又早速黒砂糖をぬりてよし 又醤油をいくたびもぬりてよし ○いぼ落す法 一餅米を水にてほとばしあつ灰にのせ置こも をふたにして蒸候得ば概になるなり是をそつ くゐにしていぼにつけ置候得ば落る事妙なり ○蝋礬ぬりの法 一文庫黒塗に仕度時は下地を墨にてぬり 上へ蝋礬を水にて能ときぬりてよし ○労咳を直す灸法 一其人の手の掌中の手くびの筋より高々指 の末までわらにても寸法を取置又高々指を折 かゞめ中の寸法を取候て扨其人の背中へ点を するには先衆を畳へ付け右の手のうちの寸法 を畳の上へあて末の所へ印を付置候て又指の折 中の寸法を印の所より上へ三ッ上り点一ッ印 の両方へ一寸程づゝひらきて点二つ又印より下へ 一ッさげ一つ灸すゆるなり委は圖のごとく 手の掌中也 高々指の図 背中の図 きうてん ○灸点 なり 此所医へ にて も 此寸法 此筋より上へ 帥付 手のうち 寸法 寸をとる 取置 是より上 三つ下へ一つ なり 両方、二ツなり 右の所へ灸数は気根次第にすへてよし労咳 は勿論常の人少し気六ツヶ敷に養生にすへ て甚妙なり ○花火線香の法 一縄火の法は焔硝十匁雄黄壱匁五分灰三匁 但し灰は浅がらの右三味細にして用るなり 一流星の法は焔硝拾匁雄黄壱匁五分灰二匁八分 右三味細にして 横四寸五分 但し葭の 穂を付る竹の筒と葭の穂と懸合よく作り 合候様に拵へ申候葭なき時は合羽紙にて矢 の如く拵へ付てもよし右薬一切立生の筒へ 三筒に拵てよし本草 一柳の方は焔硝拾匁雄黄二匁灰五匁鉄十四匁 右四味調合細末して竹の筒へ随分堅く仕こむ なり竹の筒は見合にしてよし 四匁 五ト 一車火は焔硝 一火二匁五分 右三味細末調合して竹の筒へ入るなり 一同石竹の方は焔硝七匁雄黄七ト灰四分鉄二匁 右四味細にして調合竹の筒へかたく込なり 同山吹の方焔硝九匁雄黄四匁五分灰三匁一分 鐵六匁但し少しつゝ 鎗 あらくして 右四味調合して竹筒込なり 一同三三浪の方焔硝八匁雄黄七分灰壱匁五分 失三匁五分 鉄気五分右四味細末して調合竹の筒堅く仕込でよし 一同立花の方焔硝十匁雄黄二匁灰二匁鉄七分 右四味細末して調合竹の筒をしかたくこむなり 一同菊の法焔硝十匁雄黄七分灰壱匁鉄二十匁 右末して調合竹の筒に堅くつめてよし ○鼻血の留る法 一鼻血を止るには膠を人中へぬりつけてよし 又白韮山巵子炒此二味を等分に調合して 細末となして鼻へ吹こみてよし 又紙を八枚折汲たての水にひたし頭のいたゞき に置て早速鼻血とまること妙なり 又山吹の花影干にして能細末し薄茶一貼ほ ど白湯にて呑てよし 一烏梅五分続断一匁地黄一匁人参一匁川芎一匁 胡麻酢煮一匁当飯一匁当あぶりて 右七味を白湯をあつくたぎらしふり出し用ひて あとを常のごとくにせんじ用ゆれば金瘡又は打身 産前産後長血に妙也 右の薬散薬にして諸の疵にふりかけてよし 一柚の核一味黒焼にして細末して白湯にて用よし ○鼻へ物入たるを直法 一鼻へ物入たる時は胡枡の粉を鼻へぬりてよし ○歯生したき法 一雄鼠の骨を細末して付れば忽はへること妙也 ◯牙齦の痛を直す法 はぐきの痛む時は年を越たる茄子の糟漬を 霜にしてはぐきにつけてよし医統 ○針肉に入たるを直す法 一銭肉に入て出ざる時は象牙を粉にして水にてと き塗てよし又鼠の脳をとりぬりてもよし ○又法 一烏鴉の鯛三五枚火にてあぶり焦し粉にして 酢にて付てはなはだめうなり ○はゞき瘡を治する方 一麦のよばしを黒焼にして油にてねり付おくべし なをることめうなり ○蝿を避る法 一端午の午の刻に白の字を書家の四方の柱に倒 はつてよし但五月五日まつ昼九ッ時なり ○蜂のさらぬ咒法 一呼無/性二所五シム呼シヨと数遍となふれ ばはちのさゝぬこと甚妙なり ○同薬方 一蜂のさしたる所へ大根のおろしを急に付てよし 半日ばかりのあいだに癒ことめうなり ○蛇のさゝぬ咒法 一常に枇杷の種を懐中すればさゝぬことめうなり 一旅他国へいづる時は帯かゑり又は紙入などに必 ず入置べし ○同薬方 一石楠花の葉黒焼にしてはみのさしたる所へ付て 血の通ひ上り申ざるやうに能くゝり置候へばはみの針 上へいづるなり則はりをぬき其跡へも又付置也 甚大効あり奇妙の薬相伝なり ○白雪糕造る法 一米一升糯米一升山薬妙蓮肉皮を失費分四厘 右五品細末となし白砂糖一斤半右かきまぜよく むしあげて則成なりこれをよき薄刃にてきり 板にならべ乾てよし ○蓮花の作り様 一壺にても鉢にても器に植たき時は上より三寸斗 水をため土の下三寸斗に蓮を植さて土合泥半 分川のまびごみの砂あらき半分合春の彼岸 中に植ゆべしよくくさり根を取て去年の大根 を用ひてさて浮葉いづる時に大豆を二十粒ほど たゝきひしぎこへに入れ立葉いづるとき干鰯を頻れ 入てよし右の作やうにて花はやく咲みごとなり ○疱瘡の咒法 一枇杷の葉曲尺一寸四方にきり一枚天豆一粒にて も二粒にても其子の年の数ほど入常のごとくせんじ 用ゆるなり但し世間に疱瘡はやるせつはいつにても 右の年数ほど大豆を入葉一寸四方にてせんじ 小児に呑せ候へばかるき事妙なり ○疱瘡除妙方 一草麻子三十粒辰砂一匁麝香五厘 右三味をあたらしき茶碗に入よくはりあわせて五 月五日昼午刻に惣身の内十三所へあたらしき筆 にてぬるなり百会両脇下両の掌両うでの 背中の おりかゞみ臍の内同うら ○両足のひきかゞみ両足のひきかゞみ両の 臍のづ 古合せて十三/昨五月五日昼まへにこしらへおき正昼 むまの刻に むまの刻に金銭の丸ほどにぬるべし一度ぬれ はおもきはかろくかろきはせざるなり三年ぬれば 一生疱瘡せぬとなりさて右の薬拵候茶碗も 筆も一人の外余人に用る事ならず茶碗も筆も 二度用て川へながし捨べし大勢ならば其人数程 別々に薬こしらへ置正午の刻一時に用ゆべし 少々にても刻限がちがへば益なし此方奥州仙台 より伝来甚神効なり ○疱瘡色相合直法 一疱瘡/疱瘡あしくなりあしくなり候時は其子の を少しきざみ銭壹文入せんじいだし其汁を 用ゆれば早速包能なるなり奇妙の咒なり ○疱瘡にて目閉たるを直法 一疱瘡にて眼とぢたる時は梨水をぬりてよし 但し梨水の取様は大きなる梨子ナ氷砂糖 一斤 右二色梨子の皮をとり真をさりわさびお ろしにて細かにおろし布の袋に入汁をしぼり粕 を捨右の氷砂糖を水にてざつとあらひ水嚢へ 上げ梨のしるとひとつにして鍋へ入れよはき炭火 にかけとろ〳〵と二時ばかり煉加減は露をぬり物の 上へおとしちらざるほどにて能き時右の布の袋へ 入れこしとくとさましてよき徳利へ入おくなり 一疱瘡のせつ眼中へ疱瘡入候時は天南星一味 細末し頭の百会へ紙にてはり置べし 一又眼中へ疱瘡不_レ入方土龍を黒焼にして百 会へ紙にて張生燕脂眼の下へはり置候へは目の うちへ疱瘡いらぬなり 一疱瘡の時目に星の入たるは蛤を火にて焼き汁 をとり能さまして眼の中へ入てよし ○粉刺を直法 一面躰に粉刺の出來たるには馬歯筧を水にて せんじ能々あらひて甚妙なり ○又法 一黒牽牛子小豆等分細末にして袋にいれて 毎日貌をあらへば顔の光沢をいだし甚妙なり 又白丸の粉を酒にてとき毎夜ねさまに塗てよし ○へちまの水取法 一糸瓜の蔓あがり候時根本より候時根本より一二尺ほど上へ にて切口をたはめ徳利の口をうけ四五日ほどつゝ おき候へば切口より汁いづる即入ものへたまるなり 一切の病に用ひて効あり惣じて能腎をまし頽 手足にぬりてきめをよくしつやをいだす ◯蛇に咬れたるを治する法 一へびにかまれたるときはしほを嚼付て其うへゑ 灸三壮すへてよし又大豆の葉をつけてもよし ○蛇を避る法 一春より夏にいたり野がけ又は旅へ行時にへひを さけたきときは乾姜雄黄を細末となし 袋入て男は左り女子は右の臂につなぎてよし ◯又方 一五月五日の朝罷在と紙に書を鑑さかさまに 家の裏口へはりおけば内へいらざることめうなり 四十四伝家宝巻之上 □□□□ ○蛇の家内へ入ぬ法 一五月五日の午刻に殊にて茶の字を書て家の 戸に倒に張りて置ば家内へ蛇きたらず 又屋根の瓦に儀方と二字をかき四方に置てよし ○とげ立たるを抜法 一頴刺たるときは甘草柚の核此二味を等分 にして細末し付てよし又酒にて呑てもよし ○血止の名方 五両細末 一血止疵養生には麒麟血 若青木なきときはまんてう草の汁にても壱升 右二味よくたきにへたち候ほどよし但し紙ともに入てよし ○中風の治方 一桑の木の南の方へいでたる根をとりよくあらひ 日にほし刻せんじさんしや一味細末して散薬と なし右の桑の根をせんじ汁として度々用ゆる 時は中風一切煩に妙なりもつとも調合のせつ 穢不浄をいむなり ○痔を治方 一木鼈子五倍子各等分散薬にして捻懸てよし 一痔痛て忍がたきときは棒桐樹の枝葉とも に煎湯にして洗ひてよし 同痛走つよき時は稀黄草連根を煎湯 にしてよく〳〵あらひ候へば愈ことめうなり ○乳に腫物いでたるを治方 一乳にできものくすり多く用てもはれひきかねる 時は李桃の汁を付てよし 一乳の上わつかにかたく腫れることをおぼへ痛みを なをす時は葱をもつて熨すべし或は又牛膝 を用ひて水に入せんじて膏薬のごとくにして布ぎれ をもつて擲け貼れば立処に効あることめうなり ○淋病の名方 二甘草一分木通一分紅花一分 右三味常のごとくせんじ用ひてめうなり ○痢病の治る法 一格桜を黒焼にして五月五日朝早天にいまだ人の くまざる水にて呑べし一代痢病をやまざるなり ○服臭を治す法 一脇臭時はつねの胡粉を付てよし 又生姜をおろし汁をぬり付てよし 又たきたての食をにぎりかため脇の下へはさみ其 食を尖にあたへくわせてよし 又三年酢にて石灰ねり脇臭の所へぬりつけ置 てはなはだめうなり ○顔の艶をいだす法 一貌に光澤をいだし輝をいたしたき時は黄青菜薬種 なり 自然生を柳の木にてせんじて貌をむし候へは おのづとつやひかりをいだすことめうなり ○髪のつやをいたす方 薬合ニ 一桐の葉 一はい 一側柏葉同桑白皮同川芎同 一当帰同何首烏同丁子半分 右七味せんじいだし鬢水にして朝夕用ゆるれば はなはだ奇効あり ○髪毛はへざるをはへざるをはやす法 一髪毛はへさるときは半夏壹味粉にして 付てめうなり 又云雄鼠の骨を細末して付てもよし ○鴈来瘡を治する方 一雪踏の古き皮を黒焼にして胡麻の油にて煉付て よしふりかけつけてもよし ◯頭の痛虫熱さる法 一山巵子一味八ッ角のあるを黒焼にしてこまかにし 気つけには白湯にて用ゆ腫物たゞれ又はかきや ぶり瘡気に付てよし灸の痛愈かぬるにぬり付 てよし又頭の痛虫を治し虫押気をさげ眼をよ くして血をちらす ○脚気筋気を治する法 一かつけ其外足の痛時は両足のくり〳〵の下た 此所に早くぼみ穴所あり灸三壮つゝすくれ は甚めうなり旅にて足いたむ時は夕に灸すまれ は明日はすきと直るなり 四十八専家全巻之上 くろきみの 一すじ気には山枡の目を ことなり 細末して散 薬としてかつけ筋気にいたむ所へ付てよし旅 道中に持て甚だ重宝になるなり 右のくすり白湯にて呑てもよし ○膈の病を治す方 紺屋の染藍を陰乾にして粉ふし用ひてよし ○十食の法 一白き鳳仙花の実三合をとりて黄色になる迄 いりて粉となし毎服三戔目能酒にて送下す ◯又方 一山生魚の陰干を細末とし味噌汁にいれて 食する時は飯もおのづから通るなり ○雷に驚き死せるを活す法 一蚯蚓を多く集てすりつぶし足のうらへすり つけ置ば能蘇生なり ○香包金銀のさびの法 一香包金地銀地とも模様にてさびいたし見ごと にいたし度ときは先金地にても銀地にてももやうを 明凡にて絵にても文字にても書ひやがりそのうへ いつへんにいわうを引て但し水にてときひくなり 金銀の明風のもやうあらはれいわふをひきし所 は面白さびることめうなり ○かすてら造の法 一小麦の粉極末して一升白砂糖二斤鶏卵八つ ときてかきまぜ鍋にて炭火をもちひていりて 黄色となし細き竹のはりにて孔をなし中へ 火気を通しやうすよくなるをまちてきるなり ◯額看版に朱印を押法 一木目しやれ惣体板に朱印を押たき時は堅き 鬢附を印にをす板の目に押て甚よし ○髪の油びん附ねりやう 一石膏二斤薩摩蝋五斤種白しぼり一ぱい 但し油壱升のかけ目四百五十目のつもり割合に ねるなり油は種の白しぼり油つやいでゝよしひん付 に用るには胡麻のあぶらはつやいでずしてあしゝ 一石膏は次油には和の石膏念入能々細なるを つかひてよし上油には唐もつかひ世間一流に 今何ほどよく油にても石膏を入候夏にいたりて は猶もつて油のかたまりよきに付入申候 一油ねりやうまづ一番に石膏鉢に入蝋と油を 作芽生炭之上 能くたき少し其中へ入かきまはしおきかたまり候 時分は鉢のふち目はなれするとき又あとより右 蝋と油たき候を入よくさまし置なり 一地売下次向の油は鬢附かたまり候せつ鉢のまん 中少し蛛のすのやうにかたまるときさつとつき つやよくいづるあまりつき候ことあしきなり是は うり物の世間にいだし候次向のびんつけの仕方也 一上々地向鬢附には油かたまり鉢のふちへ目は なれの時つきつやなくできるしかれども油能燥 加減よし是は鬢付強く地向上々のねりやう仕方也 風 □□□ 一にほひ入びん付ねりやう梅花の油仕やうは 蝋一斤に付壹合より二合まで但したねの白しぼつ 油等分に合にもいるゝなり右のわりをもつてね り梅花油のにほひぬけ候に付あとよりびんつけ 水嚢にてこし申候前に入れ候よし 一色つけの仕様は茶いろは蝋一斤に付/紫檀畢而細末 して入る是は上油の方次油はべんがら半両入るなり 山吹色は山梔子にても欝金にても一両半二両にて入 其外何いろにても右のわりにてよし 一にほひなし上中下とも鬢附薩摩の白蝋を用ゆる但し 匂ひいりにはつかひ申さず候白の晒蝋のことなり 一にほひ入の鬢附はさつま白にても赤にても琶つけ は別して生蝋をもちゆるなり 一鬢附ねりあげつやをいだすにはふのりをうすく 水のことくにときかすなきやうにして上にひく也 形にいれて後に右のふのりをひき口中のつはを つけてよし 一鬢附煉やうは家々銘々の伝あつて少々つゝ品 ありといへども序にあらましを記す蝋八十目 ねりあげ二斤になる干粉水油二百四拾目入但し種の 一にほひ入びん付ねりやう梅花の油仕やうに 《?:蝋一斤に付壱合より二合まで但したねの白しぼつ 油等分に合にもいるゝなり右のわりをもつてね り梅花油のにほひぬけ候に付あとよりびんつけ 水嚢にてこし申候前に入れ候よし 一色つけの仕様は茶いろは蝋一斤に付紫檀半両細末 して入る是は上油の方次油はべんがら半両入るなり 山吹色は山梔子にても欝金にても一両半二両まて入 其外何いろにても右のわりにてよし 一にほひなし上中下とも鬢附薩摩の白蝋を用ゆる但し 匂ひいりにはつかひ申さず候白の晒蝋のことなり 一にほひ入の鬢附はさつま白にても赤にても忍つけ は別して生蝋をもちゆるなり 一鬢附ねりあげつやをいだすにはふのりをうすく 水のことくにときかすなきやうにして上にひく也 形にいれて後に右のふのりをひき口中のつはを つけてよし 一鬢附煉やうは家々銘々の伝あつて少々つゝ品 ありといへども序にあらましを記す蠟八十目 ねりあげ二斤になる干粉水油二百四拾目入但し種の 白しぼり是は冬中前後の油ねりやうは和にて 女中方に用ひてよし 一蝋百二十目水油二百目煉上二斤になる是は中/堅也 煉上二斤になる是は相堅也 一蝋百八十日水油百四百四百四丁斤になる大極上大堅也 右合加減にては春秋冬のねり上やう也甚よし 一蝋百日水油二百廿日/燥上二斤になる和かにして女中むき 一蝋百四百八十目/水油百八十目/斤になるこれは中堅なつ 一蝋百七十日水油百五十日十日/水油百五十日是は大堅間也 百廿目 蝋百目水油 煉上二斤になる大極上堅本 の 夏ねりなり 右之通の加減にて五月より八月までの仕入なり ○髪のあぶら梅花油の法 一梅花油のねり加減は女中向は和かになる方よし 蝋ばかりを焼其後梅花の油入れへらにてかきま ぜさましおき但し梅花の油は火にかけてはにほひ ぬけるなり色は薄あめ色に仕たき時は紫檀の粉 を二斤のうちへ半両程入蝋と炊合て吉野のうるし こし紙にてこし鉢へ入てさまし上に蜘蛛のものはり たるごとくなるときねりあげ候へは次第にぎんいでゝ よしいろの付やうはうこんにても山巵子にても胡麻の あぶらたきだし右のいろあひ蛤貝にてやうすをみ 候て加減は上に雲のごとくなるものはり候時分煉かけ 金べらにて鉢へ入風のすくところへいだしさまし 其後玉になりとも形へいれなりともいたしてよし ○蚊のさる法 一五月五日朝より昼までの間/一間を一間〳〵へくすべお き候へば蚊すくなしもしあやまつて人すべさる處は 蚊多し必所々のこらざるやうくすべおくべし蚊 なきことはなはだめうなり ○松明の法 五十目 卅日 一硫黄 一硫黄五十目焔硝卅目松脂三匁丹一匁五分生脳五分 右五味を粉にしてひめのりせうちう少入れねり合せ 竹にてもわらにても付てもちゆればいかやうなる風雨 にてもきゆることなし ○筝のはやくいづる法 一藪の中の竹をのこらず寒の入五日前にきり其上 を火をかけてやき其あとへわらにてもあくたにても能 むしおき南向の日当り能腹成所を見たてゝ来三 月末には必帯いづる但十年すきて一度つゝ右之通 作り十年の間を置竹をきり右之通すればよし 八九年の内にてよろしからず ○大根を久しくたぼふ法 一大根の大きなるを畑よりひきて土のつき候まゝ 浅漬にして扨其後葉をとり又寒の水にて壺へ入 置候へば一年もあるものなりときによりて不自由なか 節とりいだし用ひてよし ○たゝき土の法 ねまりある 一砂土 を壱升 石灰五六升油壱合五勺酒壱合五勺塩二合 右五種をよくまぜ合せ臼にてつきねり合せさてせん 水にても又は溝にてもしつくいせんとおもふ所を能たゝ きつけ置て其上へ右ねり土をへらにておしつけ ぬり厚さ二三寸ほどにてよし ○唐本表紙仕やう 一唐本表紙/色は常の茶染にてはあしゝ菓 子やのあくにて染れば至極よろしこれ唐人 の相傳なり ○唐紙をつぐ糊の法 一しやうふをよくつねのごとくにたきもつとも つねの糊よりかたくし糊壺のかさならばしほ 三つまみほとのつもりにてやはらかにしたきほと 水を入とくなり 拾玉日用伝家宝巻之上終 拾玉日用傳家實巻之中 ○たん一切に用ゆる法 一松脂を桑の木葉とともにやき灰となして海 松脂を炭火にかけよくたゝきとり右の桑の灰を水 にてこしあくとなして此中へ松脂を入布ぎれにて 漉候へば松脂かたまるなり又たゝきくだき右の通に 七度まで水飛いたし候へば性かろくなりて松脂く さきことなし一度〳〵に桑の灰汁水へ入堅まりたる を煉引にして用ゆるなり若桑の灰汁なき時は上々 の酒或三年酒などにても右のこどく松脂を七度迄 五十六博家宝巻之中