百千鳥

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泉花堂三蝶
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場所: 東京
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泉花堂三蝶
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日本語
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北畠茂兵衛
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モモチドリ
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東北大学
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ショチョウシデンモモチドリ
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狩 如何も 諸鳥 百千鳥 飼養 諸鳥 百千鳥完 紺養 四 □□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ DEL 百千鳥序 狩野氏図書記 予荘年の頃より小鳥を好て常の楽と なす弐人難じて口野鳥空中に翅 丑年 をのして心の侭に恐行し花にやどり林に 計。亭吉氏藩蔵 そふしかるを仰しぞや籠中に入れて人 の心はたのしかるべし鳥の心はさぞあるへし 孫明府分鴨を放せしも己心を思ひ遣りて 也哮る声は苦みの声なるべし鳥の将に死なん とすか時鳴くことかなしきを知らずや。無益の数生 なるべしと予答曰野鳥は霜雪に寒へ風雨 にもまれ一ツロの水食も驚鷹の難を愁地 する時は木兎島柚の為に心を痛む籠中に 有ては寒暑の苦みなし抑洞鳥の徳とい つは翁風に起ては食を進め長日の退屈 を散し無益の昼寝を忘れ己づから 無性の癖止し嘲を聞ては詩歌の種 を求めいさぎよき羽振に中野の病 下の言は鴨の歯にて齟齬ならんに洞鳥 も下手に飼れ命をちゞむ是を救ん事を 思ひ一冊を綴りぬ 此由 一は餌飼目方を正し病鳥の養育を顕し ぬ人の一助となさんと則西千鳥とず 一桜木にとめて鳴せん事 をこふに任せぬれ共此外水鳥の類を のこしぬ後して鳥〳〵○紐を受て一 尚撰集すべきもの空 寛政十一未初冬 泉花堂三蝶述 百千鳥目録 米の粉挽様の事上鳥の粉合せ様の事 下餌遣ひ方の事摺餌青味の事 摺餌拵様の事水を飼ふと不調事 春秋時の事水を浴する事 腰皮取様の事足種の事 瓜切様の事眼の病の事 糞詰りの事餌離の事 辞評 目司一 一細駄虫の事籠仕立の事 ホウフリムレ 早々虫の事 一切怪我の事子々虫の事 フガワリ 螽の事物変の事 一本朝三鳥の事鶯子飼立の事 一尊夜洞の事諸鳥巣の掛所のゝ 諸鳥出所の事同羽色の事 唐鳥庭籠にて産と不産事 以上二十七箇 米の粉拵様の事 黒米一升なれば糖三升二合をまぜはじ めまづ米を煤竹色に少しうすく香色 に煎りてよし其米をとり上ケ木鉢にても 箕にてを入て後に糠をは随分ざつと煎て 焦さる様に温り計を取て米の中へまぜよく 〳〵かきまぜてひくべし尤細き篩にてふ るふべし米糖の割さま〳〵なれ共此割 をよしとする也 上鳥粉の合様の事 米一升糠三升一合白大豆一合大麦四合 各煎てまぜ挽べし煎かげんは前のごとし 此粉は婚兼頭セツカセンニウ小ヨシなどらと云 よわき鳥に遣てよし尤草駒鳥などにも よし 下餌遣ひ方の事 古来は煙を専につかひけれ共当時は一流砂 包つかふ事也うなぎはつよ過てあしゝ紗は 油ありてかろし鹿島砂は至てちいさく 油すくなし鳥のためにあしし中師を よしとすもつとも鹿島勧も雑鳥には くるしからす又たびらと云下餌有是は鮒 の類也上鳥にはつかふべからず又沙魚鹹のる いはたま〳〵上鳥に遣ひてもくるしからず 又わかさぎと云魚有妙に似たるもの也中より下 の鳥にはくるしからす赤腹といふ魚あり近 在かなし山川の早瀬に注魚也相州の辺 に多しみな此魚を下餌に遣ふさま〳〵 あれ共鈔にこしたるものなし獣は冬春の 間は沢山也黒に向て少し冬春の間多く たくわへ置べし折〳〵日にほして夏の内は 箱の中へとうがらしを丸のまゝにて入お〳〵 べし虫つく事なし 摺餌青味の事 菜を常とするは人の知る所也しかれ共暑気に なりては忽くされ安し暑中は箒の実生 を沢山に植置て菜の代りとすべし此葉 も莖よりすへ出るものなればくきをさりて 葉斗を摺てよし極暑の節は箒にても すへ安しすへたる餌を喰すれは上鳥の るいは忽津にはなるゝもの也物と昼とに二度 くすりてよし箒の葉は菜より青味つ よしかげんして入べし万一箒の葉なき 時はとうがらしの葉にてもよししかし 長く用てはあしゝ無據節はくるしからす 同拵様の事 餌は至て細かなるよし摺様荒さればなり こぼし喰ずたとへ喰ても糞ゆるく逸 て腹合にさわり病を生ず竹の筋をこしら へて擂鉢の目に入たる餌をかき落し〳〵 幾度もよく摺べしきなき時は下段の かけ目幟りてかけん違ふもの也ゆるきはあし しまたかたきもあしくほどよくすべし 其度〳〵摺鉢の掃除よく〳〵すべし前 日の餌残りてはあしく 水を飼ふと不レ飼事 一体擂餌の鳥には水を入るに不及しかし なから暑に向ては日〳〵水を同ふべし 秋過てよりは入るに不レ及粟稗ゑごま等を 喰ふ鳥は四季ともに水をたやさず同ふへ し摺餌には水気ありて咽かわかず精餌 には水たゆれは咽乾き落るもの也 地の事 諸鳥いづれも七月末八九月へかけて羽ぬけ かわりて新に生ず是を時といふ此時は今迄 五歩の下餌にて飼し鳥も六分にも増て 飼ふべし余りつよくしてはあしゝ下餌強 く洞へば羽ちゞれ足いたみ又は目を損ず 鶯駒鳥などは時の内四五度もゑびつる虫 といふものを喰すべし此虫田舎に多し かまゑびといふ草のつるに生ずる虫也小鳥 に至てよししかれども鶯などに世前に 喰すれば早く塒にかゝり音をとめるもの也 見合あるべし 水を浴する事 冬春の内は二日に一度ほどがゝ浴てよし暖 気ならば日〳〵にても苦しからず水遠 ければ鳥よごれ己から病をはず黒にうへり ては日に両度も浴てよし節よくあびせ早 く籠へうつすべしあびすくれは落るも のなり 臑腫取り様の事 年久しく洞鳥には綿種と言て脇に皮を かさね腰太くなりて自然と足のいたみと なるなりすて置ば終に足をそこのふよく 水をあぶせて竹のへらをもつて腰の 皮へさし入れそろ〳〵とはがすべし腸 のなりにとれるもの也筆のかさをわりて 先を能とがらして取るもよし年久しき にもかぎらず二三ヶ年も飼ふ時は腰種を 生す野鳥にはなきものなりさま〳〵の梢に わたりぬるゆへ輪弦なし籠の内にては同 しとまり木を伝ひ籠の目にもとせるゆへ に出るもの也 足腫の事 惣体飼鳥はまし足種出るもの也下餌強れ ば足を煩ふとまり木に摺餌こびつき其上 へとまるゆへに足を損ず折〳〵生木をかけ かへてよし真に麺のある木を用べしずい なき木はあしゝうつきにわらこくさ木の るいよし別て苦木よし揚慮木も節の なき所を用べし片々は細く片々は少し 太くして拭へし対なるはあしゝ 爪切様の事 籠中にては爪間もなし延るもの也すて 置ば籠の目へ引掛足を損ずよく水を 浴て後にほどよく切べし余り短く切 れは血出て痛を生ず裏より表の方へ 切るべし 眼の病の事 脇に雲かゝりて見へず後は左右へうつり て食する事かなわず早く唐墨の古 をよく摺て両眼にぬるべし雲はれてよし 泉水などの鴨駕誉によくあるもの也是は溜り 水にありて自然と濁りのどろ水眼に入りて 生ず小鳥にもあり古き唐墨よし 糞詰りの事 糞詰りて尻尾を上ケて振るもの也是には妨 の腐たるを能粉にして水にほだて呑すべし 是をボレイといふなり薬種屋にもある なりそれにても通ぜざれはかた紅をとき て用ゆべし尤摺餌の上へもぬるべし腹 中の熱氣にてつまるがゆへ也 餌鶏の事 まゝ体に離て喰さる事有別て赤髭助 鳥小翠雀などははなれ安し赤髭駒鳥は 赤土蚓の土をよくこきて短く切り餌に 夫々忽喰つくもの也土州は随分小さき を用べし青土町はあしゝ又連雀も畔に はなれ必し蕃椒水をこしらへ呑せ指 餌にもぬりてよし 細植虫の事 鳥の身に付く細植といふ虫あり形至て 少〳〵色白く羽虫の如し一ッあるときは一 夜になへて忽羽の茎より段〳〵喰尽し て終に其鳥落るもの也此虫往古はなし 一とせ鷹の鼻の中よりわき出て今も小 鳥につく事也鷹の鼻の中よりわきた るは喰たる鳥の嗅気鼻の内に入りてわ き出たるものなれば小鳥も無性に伺て籠 の掃除あしく糞中よりわく事也此虫 は中〳〵防きがたく此薬は飼鳥秘法の 名薬なれども好人のために顕すもの 也蕣の葉を煎じて洗ふ時は忽に去 て跡形なし尤其煎じ汁にて籠迄 も洗ふべし一つゝ残る事なし秋になり 葉を取りて陰干にしておくべし冬春 の内わきたる時のため也 籠仕立の事 籠はいかにも叮嚀に拵へひごの削よくす べしひごゆる〳〵しては爪を入て足を損 じ夜中などさわぐ時怪我する事有 百 奥行を深くして尾羽を損ぜす 怪我の事 籠の目其外にて怪我する鳥忽惣身種 て丸くなりて落る事有是は人間破焦風 のごとく疵口より風入りて腫る也早く竹 の範にて突破れは風出て快氣するなり 突様は横破りにすべし真直に突てはあしゝ 又足腫痛には鉄漿をわかし倍子の粉を少 し入て能さましひ度〳〵痛む足へ付べし 夫にても治せざる時は松草おとりてせんじ 洗ふべし松草といふは庭に生る草也地に 這生じて松に似たる少さき草也二日ほら洗 ひて忽治す夏の内とりて陰干にして 置へし冬はなき草也又伊となくふくれ 元気なきには人参をせんじ呑すべし 尤よくさまして用べし小鳥一切の病には 土龍の黒焼を水にほだて用べし大妙薬 なり足の折たるには黄柏の粉をぬりて 柳の皮にて巻てよししかし折たる足 は一たん治しても又痛出るものなり 羽虫多きには紙袋をこしらへ頭の出る ほど穴を明け鳥の頭を袋より外へ出 して夕葉粉の煙りにて三四度もいぶ すべし塩とたはこは小鳥に毒なる故に 頭を袋より外へ出していぶす也後に代着 より鳥を出し惣身へこもりたる煙りを よく〳〵ちらし籠へ入れへし鳥は第一夕 葉粉の脂をいむべし又は小雨のときし ばらく庭へ出して雨を受るもよし 孑〻虫の事 一体小鳥には早々虫まへの薬なり荒 鳥餌付け又は病鳥にもよし鶏学物 鳥などは塒のとき専に飼ふ也鶯子駒鳥 子さし餌の合に用ゆへし夏秋は沢山 也冬に至りてはなきものゆへ、多くとりて 水にて何べんもあらひ水よくすえて後 すいのうへとり干したくおふべし赤孑 々にあらず天水桶どふなどに生ずる黒 き子々虫をよしとす尤蚊になる虫也 銭の事 螽といふ虫有田より生ず草村にもあれ共 稲よりわくを第一とす此虫をとるは旭の あまり出ざる内とればあまり者ずとり上 きなり熱湯に入て殺し干置て用ゆ又は 紙袋へ入陰干にしてもよし鴬子なと生 立よわきには壱羽の餌に螽半分ほどつゝ すり交て用ゆ足と羽をとりすて遣ふべし あら鳥餌付の時又病鳥に入てよし一体洞 鳥は随分人足しげき所へおくべし自然とお だしくなる也朝は早くおこし夕にはあまり暮 ざる内にしもふべし夏の内は日に両度ほどこゝ 餌を直してよし直すとは箆に水を付て ゆるめて喰すべし 羽変の事 羽変りといふは白く変り又は柿色にて変 る也初め頭の羽より少しがゝ白くなり觜次 第に白く也瓜も白くなる時は真の羽変にて 後には一面の白にかわるもの也此南瓜へかけて 曰くならざれば真の変りにてはなし風切の 羽又は脊中尻尾より白くなるあり是は痛羽 と云て身の痛よりかわりたるもの也たとへば 人間も打身などにて其所の毛白くかるゝがご とし痛羽の鳥は塒の後も痛羽はうせず此 るいにて多は初心の輩だまさるゝ事有柿に かわりたるものは目白鵜のるいに多したとへ 真のふがわりにても賞すべき事にあらず柳 はみどり花は紅にてあり来りの羽色よし ふがわりの鳥は弱く短命なるものなり 植木のいさ葉のごとし 本朝二鳥の事 鶯駒鳥翠鳥此三鳥を日本の名鳥と称 し和鳥飼鳥の上品也 鴬子飼仕立の事 ウリマスウツク 鶯は美しき羽色もあらねど声よく詩歌に 用られ高間寺にて初陽毎朝来をさへづ 候故に哥よみ鳥とも云又法御斎経を囀る ゆへに経よみ鳥とも或はひとき鳥ともいへり 百樽の内に初音よりして人〳〵賞くわん する事也酒鳥の随一にてむかしよりすたれは 事なし就中近頃流行して能親鳥をしらへ みて付子とする事専也雛は老と云て一番の 子を第一とす三月中旬より巣をかける一番 の巣には雄多したとへば巣の内五羽あれば 三四羽は雄也二番迄は雄多く三番四番等の子 になれは雌かちにて雄少し末の子は至て弱 く五月未六月頃迄も産ゆへに付親の鳥音入 前に成て聞覚る間なし一番のはしりは二月 未三月初に出るゆへに親鳥の音を聞事久しく 其上甚丈夫にて声大き也末の子はよわく声 ひくし觜の廻り黄色なる所白くなりて憐 喰あしく育がたししかれどと此時子々虫を 用ゆれば觜の白み黄色になりて育もの也 鶯の子は飼にくきよふにおもへ共弱きものには あらず餌飼手当あしきゆへ也段〳〵盲独 畔につきし頃より日〳〵三度ほどかゝ霧水を 吹かくべし尤かろく吹てよし子の内は決て みて付子とする事専也雛は老と云て一番の 子を第一とす三月中旬より巣をかける一番 の巣には雄多したとへば巣の内五羽あれば 三四羽は雄也二番迄は雄多く三番四番等の子 になれは雌かちにて雄少し未の子は至て弱 く五月未六月頃迄も産ゆへに付親の鳥骨入 前に成て聞覚る間なし一番のはしりは二月 未三月初に出るゆへに親鳥の音を聞事久しく 其上甚丈夫にて声大き也末の子はよわく声 ひくし觜の廻り黄色なる所白くなりて憐 喰あしく育がたししかれどと此時子々虫を 用ゆれば觜の白み黄色になりて育もの也 鶯の子は飼にくきよふにおもへ共弱きものには あらず餌飼手当あしきゆへ也段〳〵盲独 畔につきし頃より日〳〵三度ほどかゝ霧水を 吹かくべし尤かろく吹てよし子の内は決て 水を治する事無用也かならず落るもの也暑 の内は別て朝昼夕と三度ツヽ霧を吹べし 斯する時は十羽が十羽共に達者に育事秘事 は実にまつ毛なり霧水の事は秘事なれ共 好人のために顕すもの也尊の巣は人の知る所 なれば記さず先菓の内を見ていまだ裸子な らば取べからず又四五日を過て見べし外の子参 ひ早く羽を生ずるゆへ油断すれば案立する 事早し巣を立て親鳥につきてあるを老子と いふ也者子にても付子にして付くもの也子飼 の内に驕子と言ありて能人に馴染おたしき事 有是は付子にして付ざると言人あれ共驕子 によく付く事有荒き子に付ざるあり全器用 無器用によるもの也まづ驕子はよわし夫には 子々虫節等用ゆれは直るもの也先付子の仕 娘は子を籠箱に入て親鳥の廻りへならべ置べし 日数三廻り法も置て後出し間を隔て親鳥 を高き所へ置べし子の声を聞て親鳥別て よく鳴くもの也上方にては三尺四方ぐらい の箱を拵へ箱の内へ口のすぼみたる壺を入 箱のふたへ丸く穴を明け其箱の上へ親鳥 を入たる籠桶のそこへ同じ大キさの穴 を明箱の上に置也声のひゞき箱の内の 壺へひゞきて格別によし親鳥の音入れ迄 付置冬至頃より毎夜時を絡め初め四五日は夜 五ツ時頃迄夜洞すべし夫より後は四ッ時頃迄 二タ廻り程行燈のあかりよくし籠の内は あかりのきす様にして置べし明りさらざれ ば鳥眠る也斯する内段〳〵鳴き出すもの 也鶯は一所に至ては鳴がたし別〳〵にはな して置べし夜洞といふは日を永く覚 へて春の季にうつるが故也夜洞の内は常 より下畔二卜も増へし雛鳥は早く鳴き 古鳥はおそし学のおそき子は親多音を 入し後洞育てしは冬豆頃より親鳥を 夜洞して音を出し夫へ付るなり是を押 付といふ鶯にいろ〳〵あれ共先むじ鳥と 言て法美経を鳴くをよしとすむかしは 引鳥を専ね美せしが近代は引手はやらず 引鳥と云はほけきやうを鳴ら跡ヒイと写 也三ッ音共に引を引の枝たるといふて上とする なり皆笛を吹ておしへたるもの也今も笛付 と言て子の内より口笛にらおしゆるによ く覚ゆるもの也しかれ共笛身の鳥は口笛の音 ぬけかね其鳥より三代へども立ねは口留 の旁ぬけかたし又三光とアあり月日星に 鳴く故也別にツブといふ有是はほけきやうと いふ所をケチヨケンときびしし鳴也又こけ故 右 といふを三光〇ブ○こけ殿共に皆鳴ぞこないの 鳥也兎角むじ鳥にしくはなし上音中音下 音と云て三ッ音のそろいたるを上とす浅草百 中庵に春日坐といふ鶯有名ほどの鳥かと なかりしが専聞く人多かりき今はなし乎 とせ難波鏡といへる掌を持たり此分をと 笛付のたねなれ共笛の音ぬけ言分なきは 也おしいかなみとせ以前迄付子ありしが今は なし下谷今杉のうら元三島といして村は此 所を初音の里といふ鶯の名所也むかし 東ゑい山町隠居所の御庭へ都より能学 御取寄御放し被遊しとの事毎年巣を 組其子ぶんじて三島の辺今によししかれ共 藪多なれば用ひがたし此子を求ら能親手 に付ればなを〳〵よし糀丁にも学谷と言 所有相州箱根の山中にも尊谷と言所有 此辺の鳥いづれとよし皆一ツたねなるゆへ也 尊の籠桶は随分大きくすべしせまければ 音のひゞきあしゝ 鶯荒鳥餌付様の事 鶯は秋八月より出て右鳴と云て梢をわた る是を捕て餌に付るに割餌入と云て 竹を二つ割にして下餌は砂にて七分粉 一匁青未をいつも白餌にしてかのわりゑ いれに入て半分はゆるし半分はかたくして 餌の上へ蜘にても蝿にても置捕へたる学を 早く押入にても又はいづれにてもくらき所へ入置 半時ほと過てほかの籠一うつす時とらへて 口をわりすり餌を三口ほど喰せ紙張の籠 桶に又はふろしきにてもかけ置けばかの虫を 喰ひ水をすふ也其時餌の上へ墨にて 等チ〳〵と点を打置べし虫と思ひ喰付を の也擂餌の内へ鰹節の真を少しかき入よ くすりてよし是にて野肉ひける事なし 大ノ口伝なれ共顕すもの也よく餌付し後 青味を入るべし何鳥にても荒気は早く くらき所へ入置わりゑにして餌付くべし 鰹節の真は常に限るべし学時より て音を留る事有是には田螺をとりから を去りよくつぶして水入にひたし呑すべ し八九月出るうくひすはみな藪鳥にて用 みがたししかれ共藪鳥によき鳥あれ 共藪口といふて嫌ふ事也 駒鳥下餌師尊同断巣は深山にかくる 秩父法の日光山などより出る中にも よし野ゝ沈川といふ所より出るをよし 野駒とて上とす音あくまて高く 丈ありてよし春駒秋駒とて三月 未十月ごろ出る山〳〵にて猟師 昼細をはりてせるなり雌をは網より はつしのこらずはなす事なり是は 年〳〵子のたへざるためなり子がいに してさし餌をくわする時より手を ひらぎてまねきながらみだつ ればかく手につき尾をひらき てかふり鳴くものなりいわゆる 是を手振駒といふ也子の内は雌雄わかり がたきものなれ共照りよきを育れはまづ は雄也口伝折〳〵拙餌に付ては餌にはなから 事は赤土州を帥に更と直に付く也 嶋駒畔駒同断東駒鳥の如く 形駒に似て赤みなしさへづりよし 野駒餌同断巣深山のもかくる 此鳥秋わたる形駒鳥より大きく鼠色に て咽に紅の羽有其色石竹のかきのごとし 見事なれどもさへづりなし見分一ト通り く 大翠雀臥若キ内は駒同断巣深山岩間にかくる 若鳥秋出る出所駒と同し本なれ半なれと云 く半分なり色ありのこらずるり有是は時 の数による也腹は白しさへづり有難し事は の見言也久しく咽へば身おもくなりてぶせ う也是をぼたつくと云也荒鳥の内は胡桃を望 入てよし次第に下畔をよわく飼ふへし 小翠雀餌同し巣同断 荒鳥秋出る出生大なりと同し是も本な れ半なれありさへづり至てよし度々津に はなるゝもの也 翠雀鵑餌同し巣は近立の山木股又は 木の根なり是又本なれ半なれ有胸に少し きはみ有脊中なり也さへつりなし見鳥也 黄鷂餌同し巣同断 さへづりよく高音也洞込にてさへづりなし子同 にして野のごとく高音に鳴く也目の廻り胸 黄色脊中に黒みあり見事なれ共時をかさ ねて籠中にては色さめて黄味うすし 上鶏餌同断巣同し 春秋出る駒に似て美しき羽色也見分にて さへつりなし 鮫錦峰同断京同し 惣身茶色にして白き星有少しさへづり 有 小鮫崩餌同断巣木の根にかくる 是も茶色にして白き星有至て少し 弱き鳥也 十一 茶鷄餌同断上ひたき同し 是は上びたきの雌也茶ひたきと別なる と思ふ人あり左るはあらず雌也類の 迷ひ多し 大じゆり人餌紗三分粉一匁巣葭茎の 中に作る頭黒く梯色の羽なりさへ。つり少し 有秋わたる 小じゆり人餌同断巣四し 形小さくほうじろのごとし尤頭黒く知 谷の辺にありさへづり。短し明方よく鳴くも の也田舎にては鍋かぶりと言也 大蟻吸餌師粉同返胡桃入巣不知 惣羽かき色に黒きふあり舌永き事升ほど 也木にとまりて舌を出し蟻の這上るを吸 ふゆへ也さへづりなしわづかの間はもてども 永く飼がたし 小蟻吸右同断魚不知 形同じ是又さへづりなし洞鳥にならず 大葭雀下餌鈔七ト粉一匁胡桃少し巣葭に作る 四月より出て葭に注火音にさへづり八月末帰る 土用前よりさへづりを止ム洞鳥にしては足 重く壱腰ぬけて見苦しく子洞にても 同断折〳〵摺餌の上へゑごまを少して ふりかけてよし 小葭雀右同断巣同し 形よしきりのごとくにてさへづり高く面白き もの也 黄連雀下餌紗三分粉一匁巣深山登 緋連雀同断同断同断同断同断同断 黄連雀をよしとす俳連雀は惣身鼠 色にうす赤し尻尾の先に紅の色有羽がい うらに黄いばみ有黄連雀は瓦に固みなし冬 の内渡る也俳連雀は春渡り萼の実につく もの也さへづりなし形唐鳥に似て見鳥也米の 粉の中へ黄粉を少し入ほふべし 深山画眉鳥餌は常の頬白と同し京深山を 深山ガシラ同断 深山画眉鳥は羽色常の頬白のごとく胸に黒き 羽有目の廻りより黄の羽有大胸小胸と云て 黒み強きをよしとすさへづりよく面白し 深山ガシラも羽色同しくさへづり有荒多 の内さへづらす洞込てよく鳴く也。頭に頭巾の 羽有ゆへにカシラダカ共言り 赤州鳥津七分粉一匁巣は木の洞に有 青州鳥小州鳥 青州鳥小洲鳥同断 頭に赤き羽なきは赤青共に雎也。小列鳥は形 小さく鼠色にて白き星有鉄網籠に入 てよく木を廻るもの也一名けらつゝき木つこ き也 背黒背鴒白鶺鴒黄鶺鴒 岩見鶺鴒餌六七ト粉一匁巣皆山の崩 岩間石垣の間に有脊黒の子は二月下旬より 三月中旬頃有さへづり永くよし白鶴静も 少しさへづり有黄せきは籠の中にては段 〳〵黄の照りさめて白み出る也岩見といふは 咽に黒く如此の羽有尤黄せきも年を経 て時重る時は黒み出るもの也一名庭たゝき又 おしへ鳥とをいふ也 大嘯鳥小嘯鳥畔ゑごま損餌に付て妙三郎也 巣は深山の笹の葉にて作る大こそは格別大き し摺餌に付る時はゑごまを摺交て付くべし さへづり有面白し一名琴弾鳥と云也 五十荏四十荏アイゼン荏小荏胡瓜 餌紗七分粉一匁巣は何れも深山の木の間有 四十雀は近在又江戸にもあり五十雀は惣身白 鼠頭黒く目尻も黒し形面白し唐鳥の風 也一名木廻り木鼠共云日光に多しアイゼン雀 は山雀に似て惣身赤し小雀は近在にもなく 山々有非雀は渡る形はしかわゆらしきさへ づり也 大鴒鶏小鯵膾餌粟稗摺餌は炒三分粉一匁 巣は近在又は下屋敷などの杉の茂みには巣の 内へ犬猫の毛を交て作る大かわらは格別に大 きし両鳥共さへづり有荒鳥にてはさへづらず 子飼にしてよし ツヽムンクイコムミウイメボソ 大加鳥小加鳥目細勺餌紗八分粉一匁 巣は大加鳥画眉鳥の巣へ卵を産込ほとゝぎす のごとく也小かけは目細鳥と同しく木の根洞 に作る大弐鳥一名カツカウ鳥也五月頃より高 四しもの也 大鵙朝鮮鵙嶋鵙赤鵙藪鵙 餌師九分粉一匁菓大貯朝鮮嶋 は深山の茂に有鳥島鴨赤鴨は近在に有垣 根式は杉柊などの枝に作る大鴨は格別大 也鷹のごとし朝鮮は渡りにあらず日本の 鳥也日光に多し頭の羽白み多く見る也 島贈といへ共島鳥にはあらす近在にありさへ づり高く見鳥によし赤鶴もさへづりよし 藪鴨はまへづりなししかしながら少きもの 也 赤鸚音鸚畔ゑごま巣は深山に有 餌は麻の実にてもよし觜喰違たる鳥ゆへ すり餌には付がたしさへづりなし下鳥也青は 赤鴨の雌也別にあるにあらず 青鴟黒鷺餌紗三分粉一匁巣は深山に有 ほうじろとはし青しどゝさへづり永く声 高く面にし年久敷同ざれは鳴ず黒しども はさへづりなしいづれも秋後に青しどらは黒やき にして血留の妙薬也一名青鴨黒鴨也 紅鴨鵜鯨真鶏餌衣ごま巣は深山の 杉の義に有紅ひわは雄数ひわは雌也色鳥 ゆへに籠の中にては一時に赤き色さめ見所なし 尤さへつりなし 大鴨小鴨餌ゑごま摺餌八州二三ト粉一匁 巣は源山にて両鳥共赤き羽也前にはしく 籠の中にては色さめ白みがちになり詠にし さへづり短くあし 嶋秋鳥深山秋郎畔師四分粉一匁 巣は深山にあり常の鷲より大きし嶋鷲嶋 多にあらず口光に多く有其外深山に有 惣身黒く白のまだら星は源山秘亭は歯太く 大い也声高くさへづりなし鉄綱の籠にてよし 稽共又は秋鳥ともいふ也 鶉鶏鴉黒鶇茶鶏餌師二三ト粉一匁 巣は何レも深山の洞に有鵜一名チヤウマ也さへ づりおしにてあしく鶏鵜はさへづりなし夜に入 て大音に鳴し其声ものすごし往古近衛 院御悩の時源三位頼政に勅定ありて財落 したる怪島鶴といへ共怪鳥の名にあらず 鳴声鶴に似たりとかや黒鵜はさへづりよく 大音也薬鴨といふは赤腹の雌也別にあらず シ十ヱ餌同断巣同し コヘ名 一名赤腹也春三月末梢にてさへづか其声尊 く黒つぐのごとし ノジコ餌紗三分粉一匁 惣身あをじのごとし目の廻り白しさへいり ほうじろのごとく鈴有て面白し 深山焦尾川焦尾畔生畔巣は石垣山 の間に有深山は形大きく惣身赤し此角太く 足共に赤し川焦尾は一名川蝉本の翡翠一 也見事なる羽色也両鳥共にさへづりなし生餌 ゆへ洞鳥にならず深山焦尾一名水こひ鳥共云 五月中寺山より里へ出て鳴く也 岩雀萩雀餌ゑごま醤餌紗二分粉一匁 巣は深山の茂に有岩雀は赤みなし萩菴は 少し赤みありさへづりなし両鳥共雑鳥にて 詠なし萩鶴ともいふ也 小燕小アガリ餌紗六分粉一匁巣糸 山に有小つばめは物づかいおもしろく美しき 鳥也高サ弐尺ぐらいの籠に入て羽を遣ふ を詠とす都上か茂の辺にて高はごにて 取なり小アガリも同類也ひたきのごとく じんぜう也是も物遣ひよし当時少し セン二ウセツカ蘆クヾリ頬東鳥津紗四 卜粉一匁セン二ウハ餌六分位にてよし皆同じ 類也しかれ共センニウハ同方むづかしく年久 しく同し人少し尾に美しき玉羽有 鳥の形少くさへづりよしセツカ同断照柿 の羽黒星有萱かゞり一名大さゞゐといふ也 鴫に似て大キサほうじろのごとし鈴有之 さへづりほうじろに似たりほうじろの子を 付て鈴うつるもの也しかし声ひしげたるも の也頬赤はさへづりなし雑は也 磯鴨餌師五分粉一匁巣は岩の間に有 荒ケッ餌付の時は鰹にてよし赤土州又は釣 の餌砂に遣ふゴカイの虫舟虫の細なるゝく 付てよし海辺に住相州三浦三崎の辺に 多し大キサ常の鴨のごとく頭より脊へ かけるり色也腹に赤味有雌は柿の羽多 し雌雄よく高音にさへづる也 赤髭雌ノびコ嶋解師也 巣は何レも島に有赤髭は駒鳥の類也背 中の赤味照よく咽に忌き羽有さへつりて く上鳥也妙四五トにてよし嶋ノジコハ常の ニジコのごとくなれ共さへづりよし島嶋は常 のいかるのごとくなれ共頭の黒み多く尾永 しさへづり尤よし何レも島鳥也赤髭 叫ばなれの時は駒のことく赤土町にて付 べし前々曰島鷲島もずなどは嶋の名 ありて島鳥ならず此三鳥はまことの嶋鳥にて 洞鳥の上品也 嶋ムク鳥餌紗二ト粉一匁巣は山中網のゆに有 島鳥ならず常のむく鳥より小く頭白く脊 より黒し頬に赤味有きへづりあれ共賤し一 名小公か鳥又は渡り今鳥と云也春秋出て歟 なし 三光鳥餌荒鳥餌付の時は皮剥氈一匁粉一匁青 味なし焼鶏卵のきみ。計を半分ほどて餌に摺 まぜてよし度々割畔にして尤胡桃も少し入 たまごなき時はもたず荒鳥にて其侭野のごとく 三光をさへづる也惣身黒く目の廻り有し形大 なりに似て尾一尺余り也二年の時迄は愚身の くろなり色なく駒鳥のごとし尾も短し三年 目の地より瓦永く惣身の黒なり色を生ず更 しき鳥也しかれ共洞方初心にては持がたし外 に口伝は巣は近在にあり鳶烏巣の辺へ近よれ は雌雄羽打て飛かゝり鳶葛を追ふもの也 第一の弱鳥也不功者にては自然と肉ひけ て持がたし 鶉餌紗七ト粉一匁巣は川端山の中に有 飼込て五分にてよし胡桃半分ほど入とよし随 分よく摺ほとよし菜も下餌も少しにてもつぶ すき様にすり粉を定て又摺へし粉を交てす れはねばり出ぬれ共苦しからず摺様あらければ 持たずさゞゐは洞方むづかしき様にいへども餌の 摺様細なれば落るものにあらず随分丈夫なる もの也米の粉は前に言上鳥の粉也絹ぶるいにて 細にふるふべし餌付の時は籠の内へすり餌を 丸め入て者虫蜘蝿にて付べしむかしは籠よ く紙にてくらく張り香盆へ洗をぬりて 其上へ餌をぬり蝿蜘にて付しか当時は上方の 伝にて丸の餌と云て付る事はやし冬鳥にて 寒気にはまけずしかれ共時々籠を釣して 置てよし時の時太事也大地といふは一度に 惣身の羽ぬけてよわるもの也いづれも時の節 は早々虫を遣ふべし正月未二月初より鳴 出し高寺にてさへづり永く洞鳥の上品也 夏は度〳〵水を浴てよし 田雲雀ビンズイ餌紗二三ト粉一匁 巣は山中に有形雲雀に似て田会雀ピンズイ 同類也田雲雀は常の雲雀籠に入て伺ふべし よく酒込てさへづりよし音は力ナアリヤに似たり ビンズイはさへづりなし 入内荏蕎目白鶴餌紗三分粉一匁 巣入内雀は山中の洞の中弩は松などの茂み につくる島同断目白は小鳥の中にて巣の作 高発明なるもの也木の枝へ馬の尾をかけ中段に 巣を釣青苔のかいにて作りたるもの也蛇の 心なるべし鵲は觜太く浅しき形也蝋此毛は と覚へし人ありまめまわしは鳴鳩の事也 此まどい多し驚は羽色美しき所あれ共の も賤しきは也さへづりなし嶋同断入内雀 六郷川崎より先にはあれ共川よりこなたへ わたらず藤沢戸塚の辺の山中におびたゝし 疱瘡の薬にて幼稚の枕元に至て羽風を 受れば疱瘡にかゆみなし 海燕畔砂は卜粉一匁巣は瓢箪のごとく 譬に作る常の燕は八月節より渡り二月社日に 帰る海器は四季共にある也少し大ぶり也腰に すゝ竹色の羽有随分摺餌に付て持もの也 菊頭餌師七ト粉一匁巣は山中の洞の 中に有冬より春へかけ丈夫也五月中旬より 段〳〵ふくれて落るもの也冬はよし暑気を嫌 故也胡桃を少し。交飼てよし尤鶏卵のきみを 入るもよし至て弱鳥也形甚少く惣身鼠毛 頭にあかき菊の羽ある故にきくいたゝきこと云稲よし 時鳥餌紗にてはあし鯉の皮をむきたとへはそ 匁ならば米のこ二三分交てよしこまかにすりてはあし ざつとすりてよし時〳〵生うなぎを佃に切用べし 荒鳥は勿論子調にても籠の中にて尾羽をす り切もの也冬の内は籠を内外共紙にて脹香 愈へは打薬をよくあみて菰の如くして花籠桶 に入て又ふとんにてつゝみあたゝかなる所へ置べし必す 日当り出すべからす冬の内は生うなぎにて洞 べしかけがへの籠をこしらへ置たへずとりかへ べし生餌故にあしき匂ひする也寒中は達 者にてまゝ寒明の時落るもの也三月未より 鳴出す時辺はむづかしく覚し人有左にあらず 手当餌飼にて何年も飼るゝものへ夏は時 〳〵はだか毛虫を用べし此類に筒鳥といふもの 有三月末より森林の内にて竹筒を吹く 如く鳴也田舎にては種蒔鳥といゝて此鳥の 旁を聞て作物にかゝる故也形時島に似て大き 〳〵時鳥の如し布穀未レ應勤種播とは演 雅詩に出たり布穀は俗にいふ種蒔鳥也異名 蛟母鳥とも云也又虹吹鳥ともいふ時鳥筒鳥 種蒔鳥皆同類也何れも足の爪前二本後 二本踏分て止る又島耳づくの類も前二本後 二本也時鳥は取分詩歌によまれ十王経には死 出のたをさととかれ初音に貴賎の耳をよろ こばしめ名鳥の随一なり 唐鳥庭籠に入て雛を生する部 今日本へ渡る所の品左の如し 孔雀白鴉錦鶏鶏雉高麗雉子 丹頂想思鳥文鳥長生鳩金鳩 弁柄櫃類違弁柄白子鳩ダンドク鳥 銀鳩カナアリヤ十姉妹紅雀 荒増此分は庭籠に入て産也 庭籠に入不産部 駄鳥鵜蹄鳩冠八歓鳥黄鳥 画眉鳥青鶏国丸竹鶏工キ薩 ヒイニスヘルベル鳥ヘキ鳥ヒイチイ セウ〳〵インコ 砂糖鳥紅膏呼青音呼猩々音呼 七毛音呼白音呼青海青呼達摩音呼 荒増かくの如しカラクン鳥は日本鶏の如く雛を生ず バルケンも唐鳥也今所々に有が故に人是を不称鶏の 内にも紅毛鶏鵜骨鶏是又渡り鳥也庭籠の仕 よふ雛洞立の世方并此外水鳥の部類数〳〵な れば追て後篇に撰彫すべし 諸鳥飼伝百千鳥僕 4239 東京 書肆 和歌山縣平民 北畠茂兵衛 日本橋區通壹丁目 三 拾五番地 三 十一月二日夜一時には、日本の