桜鍔恨鮫鞘(鰻谷の段)(三)
- AI要約 (β)
- この文章は、ある男性が自分の妻に対して謝罪する場面を描いています。彼は妻に対して何か悪いことをしたと感じており、謝罪するのは男の役目だと考えています。しかし、妻の方は特に謝罪を求めておらず、むしろ彼に対して不満を持っている様子です。妻は彼に対して家を出て行くように求め、彼はそれに応じることにします。最終的に、彼は妻の新しい夫となる人物と対面し、その人物がこの家の新しい主人であることを認めます。
- pid
- 1322936
- date
- 1936-01
- note
- 商品番号 : 53621, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 義太夫
- year
- 1936
- genre
- 三味線楽(浄瑠璃)
- creators
- 竹本 錣太夫(五代目), 豊沢 新左衛門[三味線]
- duration
- 198
- persName
- 竹本 錣太夫(五代目), 豊沢 新左衛門
- publisher
- ビクター
おれ、母女ひと、それもと思いどうしたわけ。
お妻に悪いことがあらば、わびことするのは男の役。
いやこれ、娘には何も謝りはござらん。
気に入らぬと言うはこなたのこと、もうこっちの家へふつりと足踏みして下さな。
お妻と言うな。
切りましたぞ。
夫は女房に営みをやる。和紙券の大夫。
それにしかい、女房の方から縁切るという、おなたのしやんの。
はい、向こう取りました。
向こう、よがいながら娘にはれきとした男がござ。
うかうかとながいはなるまい。
さあさあ、早よ、言んでもらいましょう。
聞いてはすので、しざたてなおし。
屋敷ばばここのすの口から、とくしんづくでもろごたお妻、もとより、
こなかなすたる夫婦、いま、ご主人のご難にゆえ、人の目立つをいかんがと思い、
わざとこの屋ごとござきし、この八郎めいにいとまもとらす。
向こう入れてはすのまい、すのまい。
いや、これ、言わせない、言わせない、言わせない。
ここの家、こりゃ俺がうち。
こなたは、べつに家があれば、おもてむきの男じゃない。
それじゃにおって、こっちから、ひまやっていとった向こう。
うむ。
して、その向こうは、ただ、どこにいる?
ああ、その向こうは、ここにいるわい。
いや、見せておいてもらおう。
と、おや、真ん中に。
おお、ああ、む、あら。
あなたがこの屋の向こう殿か。
うむ、この屋の八兵様と言うて、大金持ちの、でね、殿。
いや、りょうがいながら、きょうから、お妻が生じまじありなしの。
花向子様や、主廟の貴様が、この屋の八兵との。
名は金って聞いたべど、顔見合わすわいまが始めや。
そりゃあ、たがや。
かれ、あじょるみ。
しけ、ぴんのわれを追い出し、向こうになるのも、
いなものなれども、親子が立ってと言われるによって、
気のどくながら、われらが、にょぼり。