落語:かぼちゃ売り(下)

AI要約 (β)
この文章は、商売のやり取りを描いた会話です。登場人物たちは商品を売り買いしながら、値段や利益について話し合っています。ある人物が「上を見ろ」と言われた際に空を見上げてしまい、その結果として首が痛くなったというエピソードも含まれています。最終的に、商品が売り切れたことや、利益を出すための価格設定についてのやり取りが続きます。全体的に、商売の現場でのコミカルなやり取りが描かれています。
pid
3567934
date
1932-05
note
商品番号 : 70992, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 落語
year
1932
genre
落語
creators
柳家 小さん
duration
192
persName
柳家 小さん
publisher
ヒコーキ
あ、上見てるから早く取ってくれよ。 おう、眩しくていけねえから早く取ってくれよ。 何だよ、俺の方でより取っていいのか? さあ、えー、さあ二つ取ったよ。 お、お隣のおばさんか? うん。 今、東大専屋来たんだ。面白いんだから買ってやつくんねえ。 こっちのは七千円の、こっちのは八千円だ。 安いやな。 なあ、五つ買うって。 おいおい、さあ、お隣五つ持ってきな。 ああ、上見てんだから早く持ってけえ。 何だよ、人ばかり使ってやんな。 え、何、おじさんか。東大専屋だ。 買ってやつくんねえ。 全員は俺のとこで立て返らん。 え、小さい方買う。そうかい。 おい、向こうにも売れた。さあ持ってけえ。 おう、トーナスの配達が上がりだな。 おい、トーナスの安売りだよ。さあさあ。 おい、俺のとこで全員は立て返るから買ってやつくんねえ。 さあ、おい、ちょっとおい、みんなもう売れた売れた。 売り切れた売り切れた。ぼんやりしてちゃいけねえ。 おい、すっかり売れちゃったい。 ああ、もういいかい。 もういいかじゃねえ。 また安いものは買ってやるから持ってきな。 あ、漢字は分かってんのか。 ああ、党ずつあったんだ。 それじゃ七千が党の八千が党の一円五十千。 間違いねえよ。 ああ、そうか。 この財布の中に売れてけえいいんだ。 ああ、これは軽くなった。 おい、ありがとうございますと何とか言ってきねえな。 ええ、どういたしまして。 え、変なこと言うなよ。 おじさん、行ってきたよ。 もう帰ってきたのか。 ええ、その夕方まで売ってこなきゃいかねえのに。 売れた? いくつばかり売れた。 みんな売れちゃったよ。 ほら、カゴは空っぽだ。 おお、偉い偉い。 関心関心。 さあさあ、え、銭を出せ銭を。 財布を。 おお、一円五十千元ねえ別にしたな。 儲けはどうした。 儲けって。 いや、上を見たのはどうした。 上を見たって見たんだ。 見たのはどうしたんだ。 見たんだ。 あんまり見てたらねえ、 首輪痛くなっちゃった。 ああ、お天気がいいもんだから 喉の奥まで日が当たっちゃった。 なんだ。 上を見ろと言ったら お前空を睨んでたのか。 ああ、この馬鹿。 お前ぐらいの馬鹿を お前ぐらいの馬鹿は 少し馬鹿への馬鹿じゃねえな。 え、僕は満成だ。 ああ、その次は須田町だ。 定留所を聞いてるんじゃない。 七千円に八千円は元だと断ったじゃん。 元寝てくるくらいなら うちでもって昼寝してる方が気が利いてる。 ああ、あたいもその方が楽だ。 何を言ってるんだ。 八千円のものは十千円、 七千円のものは九千円に売るから これが儲かるんじゃ。 余計言うことは賭けねえだ。 賭けねえ言わなくて 女房子は養えるかしっかりしろ。 もう負けれたあの奴があるもんだ。 上見ろったら空を睨んでる奴があるか。 瀬戸物屋の狸じゃある名刺。 さあ、二五歳ってやるから もう一遍言ってこい。 今度は十千円に九千円には売れるんだ。 余計言うことが賭けねえだ。 二十歳もなりやがって。 言ってこい。 へえ、へえ。 驚いたな、ドン。 じゃあまた さっきんとこ行ってみようかな。 おい、おじさん。 おい、またトーナース持ってきたな。 おい、そんなにトーナースばかり 食っちゃいられねえ。 けれどもまあ安いのは評判だ。 じゃあ八千の今度は三つばかり買おうか。 八千のが十千で 七千のが九千で。 気のものはおんなじじゃねえよ。 あれから帰って行ったら おじさんに大変叱れちゃった。 八千に七千は元なんだ。 余計言うことが儲けろって。 上見ろって。 それ知らねえから上見ていたんだ。 ああ、そうかい。 俺は変なことをすると思ったが それで上見ていたのかい。 いいわけえもんだがぼんやりしていて おめえ幾歳だい。 六十だい。 見たところは二十歳ぐらいだな。 大人は二十歳。 四十は賭けねえ。