落語:スピード成金(下)

AI要約 (β)
ある日、坊やが「お父さんがのびちゃった」と言って隣のたっちゃんの家に来る。たっちゃんは坊やの頭を触りながら話を聞くと、アメリカのおじさんから800万円の財産が転がり込んだという。たっちゃんは10万円を現金で持ってきて、坊やに頭を貸してくれと言うが、坊やは嫌がる。たっちゃんはアメリカに行くための準備をし、坊やにお金を渡して好きなものを買わせる。坊やはおまんじゅうが欲しいと言い、たっちゃんは100円札を渡す。市兵衛さんもお金をもらい、花をかむために使うと言う。通信社の記者が訪れ、ルンペンから金持ちになった感想を聞きに来るが、たっちゃんは困惑する。お父さんが寝てしまうと夢になるから寝ないようにと坊やに言われる。
pid
3577391
date
1936-04
note
商品番号 : 67650, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
year
1936
genre
落語
creators
柳家 権太楼
duration
214
persName
柳家 権太楼
publisher
リーガル
どうした、どうした、どうした、坊や、お父さんがのびちゃったって? うーん、うーん、うーん、お隣のたっちゃんだな。 よく来てくれた。これはお前の頭か? おい、頭さわるんじゃないよ。 うーん、ちょっと貸してくれぽかり。 痛いねおい、治るのはどういうわけだ。 痛かったか、安心した夢ではない。 なんだい、人の頭で試すやつがあるか、どうしたんだ。 実はこれこれこういうわけで、 俺のところへアメリカのおじさんという人から800万円の財産が転がり込んだ。 800万円?800万円? うーん、おい、たっちゃん、お前がのびちゃっちゃいけないよ、しょうがないな。 ここにいる方なんだ。 それで何ですか、財産ここに持ってきましたか。 実はそれでですね、いろいろ整理や何かのこともありますと思いまして、 10万円だけこれ現金で持ってまいりました。 金管が5万円で、100円札が5万円。 こちらがそうです。 へー、これが100円札で5万円、金管が5万円。 うーん、たっちゃんすまないけど、もう一度頭貸してくれ。 やだよ、人の頭で試すんじゃないよ。 大変に金持ちになっちゃったぞ。 で、恐れ入りますけれど、いろいろ方向に財産の整理がありますので、 私とアメリカに一度来ていただきたいのですが。 アメリカへ? 私は洋服がないんでダメなんです。 いや、それは何とかしますから。 じゃあ、たっちゃん、何だよ、アメリカ行ってくるから自動車はそう言ってくれ。 50銭って言ったってダメだよ、三眼で行くから。 冗談言っちゃいけないよ、アメリカまで三眼で行くかい。 どうしたって1円は取るよ。 そうかい。 それで、あなたお帰りですか。 あ、あとでまた来るんですか。 大変なことになっちゃったぞ。 坊や心配することはないよ。 金がうんとあるんだから。 うまいものを何でも食べさせてやるから。 そんなボロボロの着物なんか着せないよ。 洋服でも鎧でも鉄かぶとでも何でも買ってやるから。 何か買いたいものないか。 お父さん、僕、おまんじゅうが食べたい。 おまんじゅう? よし、100円札持って買ってこい。 で、重たかったら100円札少し破いて買ってこい。 たっちゃんいらないか。 俺にも2、3枚くれ。 そうかい。 じゃ、俺にもついてに1枚取ってくれ。 市兵衛さん、おまえどうするんだい。 俺は花かむんだい。 もったいないことするなよ。 花かんだって捨てないよ。 洗った後で使うんだから。 おそらくくだらねえな、どうも。 ごめんください。 こちらですかね、北村市兵衛さんというのは。 実は通信社のものでありますが、 ご当家はルンペンからたちまちにして、 数百万円の財産化になったということを伺いまして、 ちょっとあがりましたが、 ルンペンより金満貨になったらそのご感想を受けたまりたい。 弱ったことになっちゃったな。 金持ちになるといろんな人が訪ねてくると、 お父さん寝てるってそういう、寝ちまうからここへ。 お父さん寝ちゃだめだよ、これからずっと。 こんなことがあるから寝るんだよ。 寝ちゃだめだよ。 お父さん寝るとこのことが夢になるから。