演説:危い哉!國民經濟(上)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 井上 準之助[立憲民政党総務]
- 製作者(レーベル)
- コロムビア(戦前)
- 歴史的音源ジャンル
- 講義、講演、演説
- 出版年月日
- 1932-02
- カテゴリ(AI 付与)
- 政治
- キーワード(AI 付与)
- 井河内閣, 金本位制度, 貿易, 財政, 不公平
- 注記
- 商品番号 : 26780, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
諸君、井河内閣は疎閣直後、
金輸出再建支を断交しました。
浜口内閣成立以来2年有半、
国民とともに非常な忍耐と、
努力によってようやくに建設いたしました
金本位制度を一丁にして破壊し去ったのであります。
日本の財界の根本には、
何ら金の再建支を結構しなくてはならない
欠陥がなかったのであります。
貿易の関係において、財政の関係において、
通貨の関係において、
さらにその懸念がなかったのであります。
なおまた、9月21日に、
英国が金本位提出をいたしますと、
一部の資本家、少数の銀行者は、
日本もイギリスとともに金の再建支をするであろう、
それならばその以前に資金を外国に移しておいて、
これによって利益を得ようという思惑をする人が生じたのであります。
これがすなわち、いわゆるドル買いであります。
これに対する資金を調達するために、
比較的巨額の金貨を海外に送りましたのは事実であります。
しかしながら、この思惑の取引は、
10月の末には全然余ってしまっておったのでありますから、
犬害内閣が12月の14日に金輸出再建支を決行したことは、
その時期を誤っており、その必要はさらになかったのであります。
しかしながら、犬害内閣はこれらの事情を知らず、
乱暴にも金の輸出禁止を決行したのであります。
その結果は、一方には一部の思惑者に莫大な利益を与え、
他方には金本位制を破壊し、財界を不安ならしめ、
国民の利益を犠牲に供したのであります。
これは全く犬害内閣政治の結果であります。
諸君、政治の結果が格の如く不公平な不合理な事実を国民の前に表しておいて、
しかして国民思想の前導を唱える資格がありましょうか。
私はこれは政治道徳に反すること大なるものと考えます。
常に政治の公正を唱える我が党におきましては、
決して任用することのできない事柄であります。