講演;第二次欧州大戦の特色(四)

作詞・作曲・編曲・実演家
内閣情報部情報官陸軍陸軍歩兵大佐 林 群喜
製作者(レーベル)
コロムビア(NHK)
歴史的音源ジャンル
講義、講演、演説
カテゴリ(AI 付与)
歴史
キーワード(AI 付与)
英国, ポーランド, ソ連, ドイツ, 戦争
注記
商品番号 : AK21, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 講演
また英国側といたしましても、ポーランド保障という点からしますれば、ソ連のポーランド侵入には当然宣戦すべきでありましたでしょうが、 ポーランド保障はドイツの場合だけだと苦しい弁解をしながら、しかも自国の軍事施設までもつこうに承知しながら、英国を裏切ったソ連に対して、 フンマン誠に察するに余りあるのでありますけれども、かえって通商条約を締結するというような情報分を示しておりませんも、 面目論に肯定せずして、敵をドイツ一国に限定して、確固にこれを撃破戦とする考案であります。 自国の国力の限度を見ながら、危なげのない戦争を始動しようという考えと見るべきでありました。 次は戦力保持への努力であります。 前の大戦におきましては、後戦各国とも平時から作られました作戦計画に基づきまして、 海戦二、三週後には国境付近で四六軍の大衝突が起こり、続いて幾多の海戦が重なられましたが、 今時の戦争では、独破戦争後三か月を経過いたしましても、両軍とも国境付近に兵力を集中し、 敵の攻撃に対する準備を整えているだけで、いまだに新面目なる海戦を行っておりません。 これは前大戦では、欧州のほとんど大部が敵味方の二陣営に分かれ、 武力戦の優勢を占めることが事後の作戦指導上、策備からざる要件であると考えられたためでありましたが、 今度は後戦国も限定せられ、何も急いで決戦を行う必要はない。 むしろ戦力を蓄えながら、どんな形で戦争が終わっても十分なる発言権を握っておこうという点を考えているのだと思います。 すなわち海戦で勝利を重ねるということは、戦争指導上大量の手段ではありますが、 これがためにヘトヘトに疲れ果てましては何の役にも立たんのであります。 戦争では対戦に勝つことはもちろん必要でありますが、それよりも重大なことは戦争の目的の達成であります。 故に戦争を終わりました時において、相手国はもとより第三国の干渉等を受けましても、 我が戦争目的を放棄せねばならぬような羽目に陥ることを避けねばならぬのでありますから、 この場合を考え十分なる戦力を保持戦とするものと考えられます。 すなわち英独両方とも不十分なる順次で調散の少なき海戦を重ね、 不必要な損害をこうむらぬようにしたいとの希望ではないかと思うのであります。 ただこれをもちまして今日戦争が全く時給戦模様に陥ったとみるのはどうかと考えられるのであります。 我が戦場が戦機の塾しておりませんのは、日がともに戦場へのあらゆる条件が具備されないので、 これに必要なる諸条件を整備中だとみるべきでありまして、 でき得たならば独軍の大破作戦のごとく即戦即席の効果を求めることが自然であり、 作戦そのものから来る自然的な要請であると言わねばなります。