敵討岬幽壑 前・後編
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- 勝川春亭畫
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- 日本語
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- カタキウチミサキノホラ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
敵討岬幽壑
S
欠S
S
くらつぼにくゝり
つけはゝといもとを
たすけ引て東の
ちまたへはゝり
けるにこの馬
あしはやくして
人よりさきへ立
しかば宇次郎は
しき
これにおくれしと
いそぐ程にふもと
とびりはついにおく
れてはるかにひき
さがりけるを宇
次郎はあとより
くるよと思ひいく
ます〳〵馬に引
そふて心せてまた
これをしらず
このよはうば玉の
やみにしてみち
いとくらければ
ふもたは又
びわにおくれ
おやこ兄弟はなれば
ばなれになりけり
のこきのから前つつ
さるほどに宇太夫が
つまふもとは二人りの
子どもに出くれて
かなしさいはんやうち
なくかすがらまどひ
ありきつくついにつかれ
はてみちの松かげに
たふれふらぬことに又
山しろの国皇后の
今さむらひの手に
岩井小吉といふもの
ありけりちかころ父母
ありけりちかころ父母
世をさりけるにらん
せいのならひにてしよ
ぢのでんはたも人下
かすめとられせんかた
なきまゝに鎌くら大町
のちやし可斎といふ
ものいまさしくをぢ
にてありしかばこれを
たよりてかまくらへ
おもむくとてごうらう
今次といふところを
あかつきかたにとをり
けるをりしもかのふもとがこ
たふれかしたるをみて
ふかくあはれみしなのぢ
までこともなひけるに
ふもとはつきの日より
いたくわつらひて
いたくわつらひた
こゝちしぬへく
見えしほどに
せんかうしのきやう
ないなるべちぎあ
んとかいふあまの
い門りにやごらせ
たりしかる同
かのあまかひ〳〵
しくかいほう
せしかば小吉
よろこびて
あまにたのみ
おきそのみは
かまくらへ
くだりけり
おわさい
かへじやが
きごと
なおかた
うれしや
〽のふしにいで二
あひおやこ
はなれらに
なりてみち
にまよひ
もので
ござり
ます
□□□□
〽いわ井小吉
たゝちに
ふもとを
ふもとを
いたはる
たさのどく
いつらまに
こされ
ごときのならず
さてもひわはよくとあにく
おくれてとあるつぢ
たうにそのよはあかし
けれどもいつちを
さしてゆうべきを
しらずことさらうへ
づかれてせんかた
づかれてせんかた
なかりけるかゝる
ところにいわがこ
四郎平といふものは
そのところをこふり
かゝりてさま〳〵に
いたはりしよぢの
わかごをひらきて
ひわけくはせさき
いふやう御身がたづ
ぬる人にや三十七八
の女のあはたくしかり
東をさしてゆく
をわれゆふべいん
かげたり心つよく
〽おぼせともなひ
おつゝきてはこに
あはすべしといふ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
びわはくしわい
や
くり子そちなが
さてもよい代物だそし
に十四なれども
心さかしき女子
なりしがその身
かんなんの中に
あればぜんごの
しあんにおよ
はずついにかの
おとこにとも
なはれてけり
任のおとこは
のぶしおく
の山九郎が
おとくにて
つねにみめ
よきおなし
こをか
どはかし
ます
〽ここから
つれてきた
やらむごい
ことをしおろ
うりけるが
今びわが
ありさまで
ありさま
見てこはよきろもの也と
ひそかによろは山さま〴〵に
すかしこしらへをがみのくに
大いそのくゝわうにばゞかいへに
すれゆきて五人五人にうりわたしは
ゆにうりわたしぬ
〽だん〳〵のお心ざし
をばごがござる
からそなたを
そこへあづける
〽岩かみ
一四郎平は
ふもとう宇次郎
日おひつかんとて
いちにち〳〵と
ひわをすかし
ついに大いそのくるわへ
ことも
なひ
きた
大統なり
〽こんやは
□□□□□□□
大いそのくつわめじばどは
ひわががんしよく
なきをみて大にころ
こび身のしろ午両
にて四郎平
とりまづた
きやくあしらひにしてし
やしなひけりびわい
ひこをなだめいたわる
やうもじばぐさま〴〵にいひこしらへ
四郎左十があざむき
うりたるをしらず
ある日うもしばぐに
心とかくこれからはてならひやここちやのゆかう
りつくわまでよく改らはねばなりませぬぞ
ヲヽよはこじや〳〵
ヲヽよいこじや〳〵
むかひておいごはいつ
ころかわがばくとけんを
たづねてきまふらんと
いへはうもじほとえみ
てかの田夕はわかおい
日あらずなんぢを
いもとなりとてこゝへ
つれ来り五十両小
うりわたせしからに
いつまでまつともふ
たゝび来りことあるが
からずなんぢも又此
さとへしづみしては
ゆく〳〵われに入主もうけを
させよしからばそのくど
くにておやけん弟にあふこと
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
いたいという
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
}
うもじばゞはいよ
いよあつくびわをいた
□□□□□□□
はりててならひいこたけ
のわだ何くれとなく
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ならはせけるに
びわはわが身の
はかなきになきちゝの
事はゝの事あり
宇次郎がゆくへさへ
心もとなくて人なき
ひまにはそで
をぬらさゞる
一日もなくあけ
くれにたゞちゝが
ぼだいをとひ又
あらふるかみほとけ
に一トたひはくと
あにくあはせ給へ
とぞねんじける
こゝろのうちいと
あはれなり
名武洲美信殿
〽みのすくせあしくして
かは竹のながれにはしづみ
ましたれどみをけがして
〽めいどのとゝ
たまこのよ
のはくさまへ
おなつ
かしや〳〵
みさきのほら前へん
あみ
だぶつ
にあざむ
かれくる
かへうられ
たるをしつて
ひとかきな
とども
そのかひ
さら
に
なかり
けり
ちゝはゝを
はつかし
めんとつ
思ひ
□□□□□□□□
らず
とても
おや
はと
めづり
あはれ
すはわが
命を
ちゞめ給ひ
てこのよの
としつきにせきもりなくてびわはすでに
二八のはるをむかへしほどにうもじばく
かれをすゝめてきやくをむかへさせんと
いふにびりはちかつてうけがはずしいて
そのことをうながせばびわふかくうち
なげきてしがいせんとすることたび
たびにおまへばうもじほつともてあ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ましいかやせんとしあんせしがうもし
がいもとにはつむかしといふ女子
ちかきほくりにやりめぐらして
をり〳〵介もじがもとにきた
りしに何となくびわをあはれ
みひわも又はつむはしをたの
もしく思ふけしきなればうにし
はひそかけ女のよしをはつむるし
にものがたりおんみかれを
すゝめてこのことをとゝのへ
給はれといふ小はづむかしも
もだしがたくてひわが
へやにいたりて七ばをつ
くしてときしめすに
ひわはのがるゝにことば
かくてわかみのふへを
あかしゆうくんは人を
えらまでそひに
こもじばぐたちきゝこる
〽もつともじやどくりじや〳〵
わしがいふことよふ
きゝやや
するものなるに
もしちゝのかたき
おくの出けり
二にきたりて
わらはにあふとも
しらずはこれにも
一みをけがさるべし
しかれはいかにのた
まふともきやくを
むかへんことは思ひも
よらずそのほりの
ことならばいかやうなる
こと也ともいとはず
よういくのおんは
みをこにくだきて
もむくひはへる
べしたゞ〳〵おのを
むかふることはゆる
させ給へとてなき
しかばはつむかしも
ことはりにせめられ
をしぼりける
をしぼりける
ことはりにせめられてともにたもと
ひわこへ
〽わたくしはちゝのかたぎをねらふ
ものてござりますかたきの
かほも見しらねばきやくにあはじとちかひたる
昔
はさきかいら有也
久
さま
こゝに又聞とく夫がつま
のふもとはきふる
いわ井小吉がなさけ
にてしんしうぢんくわうつ
じまでともなはれしなを
日みちよりわづらひ
いでゝいとゞせんかたなきの
折しもべちぎあんの
きせんにといふあま
なさけあるものにて
わかいほりにまねき
いれかひ〳〵しくあづ
かりいたはりしかば小吉
もよろこびてふもと
をばきせんにたの
みおきかまくらへ
おもむきけりふもとは
おつとにおくれ子共
にわかれ世ははや
かうと思ひしかばやまひ
すこしいへてのちあん
しゆにみのうへを
ものがたりついに
かしらをまろめて
きぜんにのでしと
なりながくこのち
にとゞまりぬさてが
又やう次郎はかのよ
こるのはしるまゝに
みちをいそぎしほど
にはゝといもとを見うは
しなひて大におどかき
とある山でらにちゝの
しがいをほうむりて
をばかいてらへきしんして
そのみはくわいこくの
ずやうじやにいで
たちくに〳〵をへ
めぐりしんしう
ぜんくわうじへさん
けいせしときはから
ずもはゝにめぐり
あひいもとびわが
あひいもとひわが一
ゆくへなくなりしよしを
きゝていとゞびん
なく思ひけり
○喜仙尼
はと人で
ござり
ますか
かはり
はてた
〽おすがた
じや
うれしや〳〵
中菜
させんに云
〽めれがそもじ
むすことのか
こちへ
はやう〳〵
〽一森宇次郎
はしよこく
をへめぐり
かたきおく
の山九郎が
ありかはいふに
あはんと
思ふのほ
米洲
みさきのほら前へん
うもじばゞははつむかし
をもつてびわを
さま〴〵にこしらへ
すゝめさせけれども
びわはたえてうけ
がはずそのことたび
たびにおよびしのち
ある日はつむかし
びわにいひけるは
そなたはちゝの
かたきありて
そのかたきを
見しらねばきやくに
あひがたしとのたまへど
つら〳〵ことをあんずるに
くるはゝしよこくの人の入りこむ
ところなればながくこゝにありてこそ
かたきのゆくへをしることもあるべけれまた
てんとうまことをてらし
給へばたとへかほを見
しらずともかたきし
にみをけがさるゝ
ことはあらじよし又
一トたびかれど
そひぶし
〽ひわ
あさひ
とかい
めいして
よし
めて
つとめ
する
是より末は後へんを前へん二さのぬでは火中下と
いたし宵は出しおき申候みさきのほらの前へんと御尋て被下
曲亭馬琴作祝
後
賈茶帛のわ布小吉は下たび
のさひにあはんとて五七ヶ月
しんくして三両の金をとゝのへ
みのまはりそうおうにこしらへて
うもじばくがいへにいたればうもじ
きもをつぶしばいさらう何ことの
編
ありてかくきらびやかにいでたちて
〽ぬしをちやうりとしられてはこととくのはずにす
よりくるわへ来てあきないし給ふなし
さて〳〵人は
見かけに
よらぬ
ものじや
四月
来たりしぞととへば小吉しか〳〵の
よしをものかたり何とぞあさひの
きみ下あはせ給へとてあげだい三両を
わたしければうもじもその
こゝろさしもだしがたくて
のふやうあさひはれき〳〵の
〽まづそのかねは
おさめ給へこのこと
とくのひさへいた
せばいつまでも
まちます
三
やかたへまいにちまね
がろくなればこよひは
いへにあらず五七日へて
兄来給へしかしとうぶん
刑
のうちくるわへちやをうりに
来ることむよう也といさいを
いひふくめけり
〽うもじはかれが三両の金を見て
これをとらぬもそんなりと思ひあさひ御
あはせんとうけあふ
〽ばんじ
たのみ
入ります
ゆう頃らははゝと
いもとにとゞめ
られてやむことを
えずはしり
のかんとするに
日はすでにくれは
かゝりてぞくの
やをいらくること
ひまなかりしかば
そのしがいを
かくしうづむること
をえずされば
とてうちすて
ゆくべきにあら
ねばいよくせんと
思ひわづらふ折
しもおちむしやの
はなれ馬とおぼ
しきがこつぜんと
かけきたれはこれ
天のたまものなめ
りたてやがてくり
やうをとつて引
とゞめちゝのゑがい
をいだきのせて
いなし給ふもと聞次とのふもと宇次郎へ
はくのしがい
をはなれ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ふのせて
なめげなる日ごとにこゝへきて
ちやをうるおとこをなぞや
ざしきへいざなひつると
ざしきへいざなひつると
うちはらたてば
なじいで
むかへりの
きやくじんは
さる人にあ
らずかま
くらかたの
あさひの
用むきを
うけ給はり
給ふ何かしやの
むすこなり
このころおんみに
けさうしてたびぐ
かよひ給ひしがをり
あしくてかへしまゐ
らせたれはこよひは
又まれ人をもてなし
給へとてさま〴〵にすかし
こしらへしかばあさひも
おやかたのかくいふにもだしがたく
しぶ〳〵ざしきへ出けるが
このとき大にえひてよろづしどけなし
こなゆち爰也
がてんじや〳〵
〽あさひ
大に
えひて
いへに
かへる
〽あぶない
三郎右衛門
さてざしきもひけしかどあさひは
心もすまねばじいてあまたの
さけをのみねやへも入らずして
びやうぶのそとへまるねとしを
小吉はすこしもおどろかせす
まくらをさせきぬをうち
かけ又ぢさんのこんろにきび
しようをかけてちやをあつ
くたぎらせみづからさめかを
まちけるにやはんにいたりて
あさひくるしげにはかんと
するけしきなれば小吉
かいほうしてきたなき
ものをわがいふくの
そでにうけとめて
そでにうけとめら
こと〴〵くはかせ
うはきをぬぎ
てくる〴〵と
おしまろめつく
かたはらへつくね
おくにあさひは
ちやを一ツ
のみたしと
いふ小吉心
えてようゐの
せんちやを
くみてのま
するにあさひは
心よくのみて
又そのまゝねふ
りけりさてよも
あけてあさひが
えひやうやく
さめはじめて
小吉がまくら
もとにあるを見て
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
大におどろきそも御身
は何人ぞととへは小吉
こたへてわればばい
さらう小吉也
すぎつるころ
十一
おんみに
げさうしかやう〳〵
にして三両の
あげだいを
とゝのへかよふ
ことせたびに
およびて
ゆふべはゞ
めてげんざん
みさきのほら後へん
してすこし
よびおこす
ことな
〽あさひ
は小吉一
をいやしみ
しいて
さけを
すくして
えひふし
よのあくる
までさめ
ずいとつれ
なくもて
なしけれ
へど小吉
はすこ
しも
くら
み
せしがいたく
くんひ給ひし
ゆゑおどろかさず
よすがらかいほう
いたせしとて
ことつまびらか
にもの
かたりぬ
なかり
あさひはことのよしをきくていよ〳〵
おどろきわれらよなかに
びろうのことせしかとおぼ
えしがそれかと思ふもの
もなしこはいぶかしきこと也と
いへば小吉がいふやうに
いかにもさること
ありしをわがそで
にうけとめはき
給ひしものを人に
見せじと思ひて
そのいふくにおし
つゝみかゝこのかた
すみへつかねおき
又ちやをのまんと
のたまひしとき
かねてよういのせん
ちやをまゐらせたる
つぐるにあさひは大に
はぢてふかくその
こゝろざしをかんじ
ながら人を
しらずかく心
わがみまなこあり
みらるゝわざ
〽小吉
はあさ
ひに
このゝちふたびきた
らずますますあき
べへあさひは小吉が
こうつさしをかんじ
この人こそちくのかた
きをうつべきちから
ともなりなんと思ふ
にいとゞほゐなくわかれを
しよりしばしもわす
るくひまなけれどまた
あふよしのなきをなげ〳〵
きひそかに思ひ
こがれし
こがれしとぞ
ないを
□□
みぬ
〽とめるに
られめへ
あやまなんと
一
をせしを
こうくわい
するにたへたり
すでによも
あけたれば
せめてかふ一日はこ
したらよしろうやら
どうりうした
まへとてわりな
くどゞむれば小吉直
ほくこんみてわれは
とせいにいとまなき
みなるにいかでとう
りういたすべき
はやまからんとて
出んとすればのさひ
たらず今は
とてやがて
これまで也とてやがて
いそがはしく一かへりけり
はせんかたなさに
金千両あまりとりいだしこれは
のまりにさゝやかなれどもよごしたる
おんみがいふくのりやうともしねへなほ
申べきこともあればかならずくかよひ給へ
かしといふに小吉は金をおしもどし
われひとたびおんみ小ゆはんと思ひさだめ
すでにそのこゝろざしをはたせしからはふたゝひ
かよふしよげんなし又かのいふくはこゝへ来べき為にとく
のへたればほかにもちゆる所なきもの也うちすつるとも
みさきのほち参へ
さても岩かみ
四郎平は川しゆと
しめしゆはせ小吉
をざんげんしておひ
出せしのちはぐ
はるいろもなく
たちふるまひ
かばあるじ一の哥
もやうやく
かれ〳〵ちかよこし
まを
りてとか
なき小吉を
かんだうせしこと
をこうくわいし
ひそかに小いその
へせうそくして
小吉をよび
もどし四郎平
川しもをおひ
うしなはんとする
けしきをかれら
はやくすいりやう
して四郎平その
よか秋をきり
ころししよぢの
きん〴〵をのこり
なくうばひとり
ついに川しもを
ともないていづく
ともなくしゆつ
ほんすよめけ
てのちきん
じよの人〳〵
はじめてこの事
をしつて大に
おどろきほかに
一合五斗九斗九升七斗五升七合
十月廿九日夜中
しんるいもなき
一の斎なればさつ
そく小吉がかたは
へつげやりぬかの
四郎平川しもが
あくきやくを
にくまざるもの
なかりけり
かさいが云
〽かひいぬにてをくはるく
にんひにん大あくにん
二人ながら今に
おもひしら
せんむねん〳〵
みさきのふち爰也
〽おいほれめ
たまつて
くたばれ
川しも
あはてゝ
いづる
あしかふる
あるかれぬ
四郎平さん
はやくきな
□□□□□□□□
小吉はさと人のしらせに
よつてさつそくかけつけしが
すでにをぢしの斎はこときれて
かたき四郎平らはゆくへなく
〽おつゝけかたきの
くび引さけしゆらの
もうじゆうを
はらし
にげうせしときこへしほどに
いとゞむねんやるかたなくひとまづ
申さん
あけがのべおくりをとりおこ
なはんとてこれかれとりしら
ふればわがなあてなる五斎が
じひつの状ありひらきみれば
四郎平川しもがふ義の
ことをかきしるしわれ
あやまつてとがなき
なんぢをかんだうせしこと
今さらこうくわいすはやく
たちかへりてわがいへをつぎ
四郎平川しもらをおひいだしくれよと
ありしかばさてはこのことをかの二人がさと
つてせつがいにおよびしかと思ふに
しばしもゆうよすべからずとて
やがてのべおくりしてをぢのかたきを
うたんとぞ思ひさだめける
〽小吉はわがあやまちなきことめいはくに
しられをぢのかんだうをゆるさんと
ある状をみてなげきの中のよろこびなりといふ
あさひは大いそにつとめすること
すでに二ねん小およびしが小吉はをぢの
かたきをうたん為にとをく
たびたつときゝてにはか
にはつむかしをまね
きていふやうかねては
三ねんつとめせばおん
〽これまでの
ごよういくなれ
申そふようは
ない
みうけ水ひてみのいと
まをたまはらんとのた
まいしがわがみのいつせうを
まかすべしと思ふおとここんどゑんごくへ
かへり給へばもろことも小まいりたしのこるいち
ねんのみのしろをつくなふべしすみやかに
いとま給はりやうにとりなしたのみはべると
いひてかねてきやくよりもらひたるきん〴〵ざい
ほうしよ〳〵へあづけおきたるをとりよせおよそ
千両あまりわだしけりうもじもこの二ねんが
あひだにあまたの金もふけせしことなれば
いなともいひがたくもの金をうけ
おさめてあさひにいとまを
辻方
けり
〽ほりからそう
だんをかけらる
れば千両ぐらいじや
せねとはテしらことかなはせうちしました
みさきのほら爰へん
〽さて〳〵せうしな
〽みな〳〵
きのどく
はつむかし云
〽このさとに
つとめする
ものぜんせい
て出るな
なるに
手七匁引一合
あさひははつむかしをはじめとしてほうけり
ばいにそれ〳〵のかたみをおくり
あはたゝしくくるわを出て小吉
がいへにたづねゆくにけさはや
たびたちたりときこへしかば
あとをしとふてみち
にておつゝきさでわが
こゝろざしをのこる所
なくつげ又そのみのうへ
をものがたりかねては
かたきうちのすけたち
をもたのみまゐらせ
又はゝとあにがゆくへ
をたづぬるちから
とも思ひこみわり
れし日より心では
おんみの女ぼう
と思ひゐたり
しにふりよ
のことによつて
おんみもまた
かたきうち
に出給ふと
きけばみづ
からみうけ
せんかたなくじがいせんごとするにを
もやむことをえずなつ
しておんあと
をしたひ申し
たりおんみの
をぢごはわか
為のしうと也
このこゝろねを
つびんともおほ
さはもろとも
トロウ
にいづくまでも
したがへゆかしめ
給へとてようは
のろぎんあまた
とり出しことば
をつくしてかき
くどくされど小
吉はなか〳〵とく
しんせずをぢの
かたきをうたん
とてたびだつこの
女をともなふいはれ
なし又われにかた
きあれはおんみがすけば
たちすることもふ定
なりかたぐうけ引
がたしといかにあさひは
〃
嘉永三十
〽このときたがひ
のみのかへを
あかしあひしかは
あさひつはこと
あにのつくがなき
ことをきく下吉が
おんきをかんじ
よろこぶ小吉も
あさは
あさひは宇次郎が
いもとふもとがむすめ
なりを
なりとはじめて
しりぬ
なし
みさ□のほ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
小吉はあさひをぜんくわうしへづれゆきてはくの
あまにたいめんさせたくは思へとも身に一大事を
かへたればそれも心にまかせずすこきゝたる
こともあればかたき四郎平があとをしたひいづ
のおくへわけ入りけりこの日ゆきいたくふりて
口どるべきところもなしてゝにいとうがさきと
いふところに大なるほらあなありむかし
かまくらのせうぐんよりいへきやう和田平太
たねながを入れてそのおくを見さはめさせ給ひし
ほらあな也しかりしよりこのかた此ほらへ入るもの
なし小言あさひはゆきくれてせんかたなくこのほう
へ入りてひとよをあかさんとするにうちへ入ると
そのまくじぜんとほらのくちふさがりいかにすれ
どもひら〳〵ことなければ大におどりきたゞほうぜんと
してゐたりけるこの折しも一もり宇次郎もしよ
こくをへめぐりこゝになきくれかのほらに入りて
やすらひぬしかれどもなかにへだ
てのいできしかば小吉あさひは
ほらの入口に人あることをしら
ず宇次郎も又ほらのおくに
人あることをしらざりけり
〽小吉はあさひをともなふと
いへともすこしもたはれたるおこ
なひなくほんもうとげてのちほうふ
になるへしとやくしたり
小吉がいふ
〽これはひとあしも
ゆかれぬあのほらの
ゆかれぬあのほう
うちでこのひとよ
をあかすより
ぼかに
しかたは
ない
〽わうすら
もこの所
にてゆき
くらしなんぎ
みさきのほら後へん
さるほどにいわかみ四郎平は
茶し一の斎をころして
きん〴〵をうばひとり
川しもをいざなひて
かまへらをたちのき
七日はかりがあひだ
はこねの山ちうに
こもりてそのようすを
きゝさだめそれより
しるべあればいづの
いとうがさきを心
さしておもひきつく
四郎ゑふと思ふやう
われこのとしごろ
つまをもたぬはみを
ぢざいにはしり
ぢざいにはしり
まはらん為也しか
るにめのまへに
かたきをもち
ながらあして
まつはりなか
女をくはへ
あるかんこと
大なるふかく
なりとかく
人なしき所にて
ともせんと
思ひいこらがさき
のこりにて
たちまち川しも
ををしめころしけり
同四から平がぼうあく
によくむべしといへども
かの川しもはしゆじん
をわがみそかをに
うたせあまつさつ
きん〳〵までぬすま
せてもろともにかけ
おちせしあくのむく
ひかくぞあるべきさる
によつてわがいつ
せうをうちまる
せんと思ふ男にころ
されしことこれ又いん
ぐわのどうりなり
四郎平いふ
〽これでおもにを
おろしたこゝろ
もちだやれ〳〵
さば〳〵と
したぞ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
よう
うかぐ
ゆすり
ろむ
〽やれ人ごがつし〳〵
このときゆきも
すこしやみてまだ
よひのほとなる
に思ひもかけず
松のかげより一人
の大おとこ四郎
平をよびかけ
なんぢはよき
しごとをせしな
命をしくはさか
てをおいてゆけと
いふ四郎平さみ
もあへずにくき
男がいひざま
かないでさかて
をとらせんと
いふまゝに二尺
八寸こふりのやいば
ぬくても見せず
うつてかゝるを大
をとこものとも
せずぬきあはせ
てたゝかふたり折働人
しもくもはれて
月かけくまなく
てらすにぞ二人
かほを見あはせて
かの大男声をかけ
なんぢはわがおとく
いて上四郎平には
あらずやといへつ
四郎平も又うち
おどろきさいふは
わかあにおくの山の
九郎にはあらすや
こは〳〵いかにとて
たがいにはからざる
たいめんをよろこひ
四郎平はわがみのうへ
又ちかごろ一の袖をころ
してかまくらをたち
のきしことゞ物をもの
かたるにおくの山九郎も
久しくあふみにあしをこゝめ
かたきことありてこのはるいつに
きたりこのほとりにはいくわい
するよしをものがたりつく
たかいによろこぶこと
かきりなし
みさについら後へん
〽一森宇次郎はほらのうち
にていちぶしゞうをきく
しちくのかたき
おくの山のがさじ
とてとんで
〽どつけい
〽おくの山
九郎は
おとく
四郎平
としら
しはし
たゝかひ
月出て
はじめ
そのにて
人を
しり
たがいに
おだろき
月
わか
るゝ
みざきのふし引つふと
宇次郎ほらよりとんで出ておくの山
九郎にむかひすぎつるとしめふみぢ
にてなんぢがやにあへなき
死をとげたる一もり
宇太夫がせがれ
安次郎也せうこは
すなはちこゝに
ありとてちくを
いたるやをとつて
九郎になげつけ
太二むざんにきつて
かゝれは九郎四之平
きつさきをそろへ
きつさきをそろへ
もの〳〵しやとていどみ
たゝかふ宇次郎は
二人をあいてに
ゆうをふわつてたゝかひしが
思はずいしにけしこんで
はたとたふるゝところを九郎はへ
くみとめんとすくみよるを
今頃らむくとおきてあしを
はらはんとするに四郎平はやく
うしろへまはりて大げさに
きりたふし九郎に
とゞめをさくせり
一もり宇次郎
うんつたなく
してかへりうちに
あふぞ
いたましき
茶しか袖は久しくようつうにて
なんぎしければはこねにおもむきてどう
ぢしかのちにとうりうのうちにはかに
わづらひ出ていよ〳〵じざいならざ
りしに岩かみ四郎平このゆばに
ききもてかれをこ斎なりとしりければ
ばまめやかにもてなしかんびやうしてほど
なくほんふくにおよびしかはか斎は
四郎平がものとらんとてかくするとは
しらずふかくよろこびてたじなき
人と思ひしほどにそのすじよう
をきくにちかころこのわたりに
たびずまゐすれど元より
よるべなきものなりといふしからば
かまくらへきた
り給へわれよき
小せはしてまゐら
すべしこいへば四郎
平はいちぎにも
およばずともないれ
てかまくらにかたり
ながくかのいへに
あしをどくめ
ける
TILINTE
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
〇〇
のやの
あるまい
〽こいつやゝかう
の与市と
きてゐる
〽しめた
心なにさおまへたびはみちつれ
よはなさけとやらわれらが
おやぢがいぎていますとちう
どあなたの
とあなたの
としころ
なれば
たらんの
やうには
そんじ
せぬ
〽おてまへの
おかげでまづかやうなことを
いた寸やうになりまじけない
みさいのふ直つん
四郎平は万代
がいへにきたりし
より思ふところ
あればよくこゝろを
もちひてつとめけるに
元来さんひつは人なみ
にすぐれてしかもあけ
がこゝろにかなふやうに
のみたちふるまひしかば
この袖はます〳〵とき人えたり
とよろこひていまだ
はんぬんも
たゝざるに
小吉とゝもに
見せのことを
うちまかせ
たりしかるに
川しもはすぎ
いるころ小吉
小れんぼしてひそかに
くどきよるといへども
小吉は義を
おもんじて大下これを
はつかしめければ
ふかくうらみつく
うちすぎつるにかの
四郎平はおとこぶりこそ
小吉におよばね十ぶんに
はたらきあるものなり
と思ひこみやがて四郎平
にのりかへてにくからずもて
なしければ四郎平大に
よろこびてより〳〵
川しもとみのゝうす
しかれども小吉が
このいへにあるうちは
何ことも心のまゝにはし
なしがだしとかくに
かれをおひうしな
ひていへをもおうれう
すべしとて二人さう
だんをきはめ四郎
平は小吉がにせふで
川しも云
〽こりやあいつぞや
米町からきたへ
かはせのかねさこれと
帳めんのつけかけと
よくあふやうにしな
たいていほねを
おつたことじや市
ねへわとなし
して帳めんにうしろ
くらきことをしるしおきし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さて川しもに金五
十両ぬすませて
これを小吉にぬりかけ
んとたくみける心の
うちこそおそろしければ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
〽あくにん
どもわる
たくみする
する
よし〳〵こうして
おけば小吉めは
じきにおづかた
づけそこでやと
かくをどう
ともすると
おれときさ
まとこんおい
のだんに
な
き
みやう〳〵
みかいのほう
川下川四郎平兵衛
しめしあはして
さてある
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
よのね
もの
がた
りに
あるじ
天斎に
いひけるは
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
小吉どのは
まさしくおいごなれども
しよからぬ人にてわがみに
ふ義のれんぼしでとかう
このいへをたち
のくべしとわりなくする
す事たび〳〵におよべりしかれ
どもわがみはいつもつれなり
もてなせしにかの人いたく
うらみて此うへはかくどせよ
うらみてひらつけくともに
そのまゝにはおもじと
〽ぞんじよりあれば
いらい出入はかな
はぬはやく出て
ゆきやれ
いふしかればわがみは
とをからずかの人に
ころさるべしとかくわがみの
いとま給はりてこの
わざはひをのがし給へかしと○
かきくどきてそでをしほり
ければ可斎大にいきどをり
つぎのあさまづめきなひ
むきのねめんをあらため
Q
Q
みるに心えがたきことおほく
おとす五十両あまりのふそく
見えければさていうたがふ所
なしと思ひさだめなからさす
がにこのとし月かれがはたらき
にて見せはんじやうせしこと
なるにおいのことにはあり
④
③
⑦
あらはにおひうしなはんはわが
はぢにしていとびんなきわざ
④
なり
と
思ひ
かへし
そのことは
一秋中
月団之海
なしに小吉
をよびてかね
公生
三両あたへ思ふ
むねあればべちに
いいをもとめてひとり
かせぐべしたゞしたうぶんな
□□
〽ほんに
といしゆはせ
ける
今のうち此ほう
出入すべからずと
けり
みさきのほう前へん
〇〇
なり
〇〇
ところ
を三両
もらいて
へつけする
とはうまいもの
だはちを
しつた人なら
きんじかかは
くれまい
〽小吉は
これ
みな
川しも
四郎平
〳〵とたち
のきけり
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
小吉はかまいら
をたちさりに
いそのしゆくに
かすかなるしやくや
してかの三両を
えでとし大いその
くるはへせんちやを
もて行てあき
なひけりその
ころまではだん
ちやまつちやのみ
にてせんちやといふものが
なかりしかば小吉がせん
ちや大きにおこなはれ
人みなばいさらうと
よべりしかる小一森
宇次郎はずぎつるころ
しんしうにてはのふもと
にいがりあひしばらくべちぎ
めんにとうかみうしようゐ
の金子をのとしとゞめて
あんしゆきせん片にはゝの
ことりたのみおきふたゝび
くわんとうをへめぐりて
かたれおくの山はいふにおよ
〽さやう〳〵
にはおよばぬ
こといたみ
右同断
屋外何
殞出座
人
ばずるとびわが
ゆくへをたづねける小
ある日小いそのまつ
犬馬にて小士わが
ちやをとりてかへ
るにゆきあひ
たちながらいち
わんのちやをこひ
しよりものかたり
ながくなりはじめ
ながくなりはじめ
てこのちやうりは
わがおとふもとを
すくひし人としつと
ふしぎの楽郎を
かんじあつくいちれ
いをのべて今よ
せう〳〵あたへける
}
小吉はさらにこ
れをうけずしゆが
ぎやうじやのこと心
なればとてちやの
あたいもとらでふるまひければ
ます〳〵そのこゝろざしを
かんじてたち
わかるく
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
一〽すりや御ばぶんとはあふみ
ちにて四寸にちかきに
をなこをとも
なひしんしう
ぜんくわうじの
べちぎあんへ
たのみお
いたことる
ごさるか
そのをな二
ゆはすなはち
われらが
はとでござる
さて〴〵はか
らすも
おんある
人にめくり
ゆひよろ
こば
ばん
〽奉順礼坂東北三番
みさはのみさはの
さるほどにいわせ小吉はまいにち大いすに
いたりてちやをあき給ひけるに一もり宇次郎が
いもとびわはこのときすでにあさひと
よばれてぜんせいたぐいなくざい
かまくらのれき〳〵たちかはり
入りかはりきやくにたへま
なかりけるしかるに小吉は
ある日はじめてあさひが
どうちうするを見て
つく〴〵とおもふやう
世にはかゝる
びじんも
あれば
あるもの
かなこれは
何といふゆう
くんならんとて
かたはらの人にとへば
うもじがはゝへにあさひとよばるゝは
かれなりといふさればこそなは
きくおよべこのころうもじへ
あきなひにはやけどかの
きみをば見ざり
けりひとよのあげたい
いかばかりぞととへば
〽あすは又はたけ山
さまの月見じやぞへ
同藤太太太
〽あれがこのころ
ひやうばんの
金三両なりとこたふわれも
又をとことうまれたるおもひ
でにかゝるびじんとひとよかたら
はゞいつせうのたのしみこゝに
きはむべしいかにもして金子
たゞ一すぢに思ひさだめけるまことなかかな
むすびのかみのえんのつなもてあしに
はかのまもひまのない
三両さいかくし一たびのぞみをとげんものをと
ことではある
つなが
かるゝ
ときは
うと
きもな
かうごをもちひずし
てあふといへり小吉は
せうとくりちぎ
にてこれまで
いつせんもむようの
ことについやさゞ
りしにふと
あさひにこゝ
ちまどひふ
かく思ひさだめた
かるもすくせにむす
びしえにしなるべし
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
もつゝ
*******************************************
※三※※
〽みこと〳〵みよしのゝ
はるのはなむさし
のゝあきの月も
およばぬ〳〵
ことはいほ前へん
小吉おそのよふたゝびしあんするに今のみの
うへにて三両の金よういにとゝのふべきに
あらずしかれどもいつかのつちもはこぶ
ことたび〳〵なればいひに山をもなすべし
われまいにちあきないの初ぶん銀色じ
づゝのけおくこと一ねんつもらば三両は
こゝのふべし又七ふん五もに
つまば九ヶ月にして三両
にいたがなればあすより
かくぞすへきとてまい
にちあきなひのたせう
によつて五ふん七ふんないし
壱匁のけおきしかば半ねんあまり
にしてよぶんのかね四五両できぬ
このほかに三両はもとでに
のこしまた三両はあげだいに
あてのこる金にてはいふく
みのまはりそうおうに
こしらへあめふりて
あきなひに出がたき日
かのさとへいたらんと
したくせり
馬琴作
有高三
〽よし〳〵これほど
一あれはもとでも
いらずわがねん
くわんをとげ
らるゝ
よし〳〵
〽小吉わがぎのいたり
にてよしなきわざ
に心をつくすといへ
ども小吉がこうさし
あらばゆるすべし
もし小吉がこちざし
なくはどくのこゝろ
なくはどくのこゝろ
みなりいちがいに
ろんずべからず
これまではこのさうしの前べんなり後へん三さつはべちに上中下といたし
うり出しおき申候みさきのほらの後へんと御たづねて被下候坂元通油町葛屋
20120
以テ購入セル角園
猶興委託第
}