瀧登黄金鱗

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勝川春扇畫
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場所: 江戸
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勝川春扇畫
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日本語
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丸屋甚八
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タキノボリコガネノウロコ
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
□□□□□□ 〃バ 狩 門 ●●湯●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 三日 本人 玉 二十一丁 前 東西庵南北作卯之春 幸助 於菊たきのぼり二がねのうろこ 瀧登黄金鱗 一金本六冊 勝川春扇画丸甚板 序 豊人矢米信氏ノ開会ヲ 周の世の元旦は。二丁町の明焉。手打のどよみは。四海 いかふつき 浪しづかにおさまりて、雑煮をいわふ。江戸芸者の庫 箱は。屠蘇酒をしたむ器となり。初日の出のくま。 どりは暫の額ぎは。来て見よかしの素襖山。三国 市川の三升を。外題にあらはせし。東西菴主人の著。 予に序筆せよとあるを。いなとも立ず半ひらの引点に 出しは。鯰坊主のおさきものながら。此艸紙の小口へと 戯作者なりの審付に。一寸顔を出すことしかり 文政二己卯 東西菴社中 孟春新鐫 元日菴南枝 たきのほり 傾城は 月雪花 のみつ ふとん てらしつ ふりつ 色に そみ つゝ 大磯の 遊君 藻の花太夫 同二回 同同同同同同同同同 大夜着 禿等こそる 夜寒か事 蜂我 鯉の長者の一子 鯉之助 龍成と いふ 方に までも ひか れる 藝の とき だしは 矢の 一銀五郎 当り狂言 本堂 たきのほり あまさけ 甘酒 くろすな 黒砂 先良 はゞ 婆〻ア おやしや 月曇り 酢みだれつ また はれ つ 梅山人 おきく 幸介 黄菜見 白髪 や ましりの めうと つれ 東辞 たきのほり こんいふ事 今はむかし亦ゑいの頃なりけりひたち とね川のほとりに鯉の長者ぐん左衛門 といへるごうざむらひありけりぐん左衛門を 鯉のちやう者とよびなせるそのゆゑんを たづぬるに先祖よりして仏の道に入りいん とくをつねにほどこしちかくなるとね川 にてあびきせる鯉はことごとくかひ上て おのれがせんすいにはなりことすねんなり そがゆへ大なるせんすいなれともたけに あまれる鯉いくばくのかづなくむれあそび ことにはいんとくのようほうにや家たみに さかへて此ぐん左衛門がおちぼをひらいて すぐるものいくかまとといふかぎりも なかりけりしかるにいまのぐん左衛門はふかう にしてつまにさきだゝれとし五十にいたれ どもいゑをつぐべきせがれもなく此ことを 大にかなしみりんごくしもふさのくにこうざき 大みやうじんへさんらうし何とぞわれに家を つぐべき一子をさづけ給へときせいして七日 まんづるあかつきにおのれがいゑにかへらんと とね川のつゝみをすぐるにいまだとしわかき 男と女ごこだちのかげにさめ〴〵となき ゐたりぐん左衛門あやしみものゝひまより うかがいしにかの二人はやゝありて女は西に むかひてがりしやうなしけるにぞ男は水 のひかりなすかたなをひゞりとぬきすでに 女の首をうちおとさんとなすときぐん左衛門 とりあへずしゆりけんにうちけるがあやまたず 男のきゝうでにたちかたなをがはととり おとしけるにぞぐん左衛門いそがはしくはしり よりおん身たちはいとわかふして死を一たんに のぞまるくは何のゆへぞかしあからさまに ものがたりたまへよわれ又よきはからい もありぬべしといふにぞ二人はおもてをかくし とかうのいらへもなかりしがやゝありていふやう われら二人は千葉家につかへるものにて候が わか気のいたづらにおきてをそむきてふぎ いたしそのうへほうばいのざんげんにあふて すでにつみせらんとせしところをじひある人 かさねしみれんゆへにぞと のなさけにてしつぽんいたし候ににはかの ろうにんと申もとよりのたぐわへさへあら されば二人がその日をおくりかね一トとせを すぐるうちくわいにんいたしはやなゝつき ともなり候にいよ〳〵かつめいにおよび介も これひとへにう人のばつといまさらにはつ めいいたしとてもかくても一たんつみせられん 命をいままでながらへしもうきにうきを 命をいままでながらへしもうきにうきを 次へつぐ あきらめあさ まへのつゞきまだきより此所に来り死せんと してもはらなる子までにみらいはくげんを さするぞとめくしきことにみれんばし おこりてときうつるに夜もあけわたり 二 の 巻 みとがめられしこそはつかしきしだいなり ねがはくばものゝふの御なさけにわれ〳〵 二人がかいしやくなしたまはれとなみだ かた手にものがたるにぞぐんざへもんいふやう 御身二人のすでに死せんとして死におくれ給ふ 所へわれ来りてとゞむるはわたくしごとにあらず われら五十におよびてかとくをつがすべき一子なく これをうれいてかうざきみやうじんに七日つやなし まんづるあかつきのかへるさ此所にて御両人の ものがたりをきくにそのなゝつきになり給ふ たいないの子とそわがいゑをつぐべき子なり これまつたく神の引あはせなりとりをとき 神のおうごをしめしてやうやくに二人が死をとゞめけり 此二人はおきく幸介といふものなりさてぐんざへもんは 二人をあたりちかき所にしのばせおきてふそくなき やうにみつぎをとらせほどなくおきくはあんざんして 玉のごとき男子をもうけたればぐんざへもんは大に よろこび鯉の介と名を付て日ならず家に 引どりせけんへはかくしづまにいできし子なりと ひろうしてさて母のおきくをばうばなりといゝたてゝ をき幸介もいゑに引とりけるにぞふうふぐん左門が しんじつのふかきになづみ又はわが子の かんらくをよろこび心に二つなくぐん太郎 をうやまひかしづきけるにぞぐん左衛門も 二人が心ざまのたゞしきをよろこびてふかく めぐみけるにぞかぞへるとし月のたち やすく鯉の介は十さいとなりものよみ 手ならふことにはいとはつめいにてぶげいを まなばするに」をきゝて万をさとり あたりにまれなるおいたちなれば ぐんざへもんがよろこび大かたならずまた おきく幸介はわが子なりといふことは つゆほどもいろにいださずまことの 主人と大せつになしけるにぞ鯉の介 もじつのふたおやとはゆめにもだに たゞふくしんのけらいと しらず おもひてぐんざへもんに孝しん ふかゝりしとなり ○さて又ある夜ぐん左衛門しよさいに入りて からやまとの本ひきちらして夜ふへる までゐたりしにいづれよりか来りけん はくはつのろうじんはくゑをちやくし ぐん左衛門がものよみしてあるあかしの むかうにたゝずみいふやうわれら あるじにつぐることあつて次へつゞく ふうそく 三十一日 つゞきこゝにきたれり おんみ東にあそぶ ときはいのち あやうしみなみに ゆぎやうする ときはさいわい ありはやく 〃〃 此所を ㊉西にもいたるべし又きみよりたまはる 住所ならばわたくしに他こくへうつるべきか なんぢは狐狸のたぐいにてわが心を とろかさん為来りしものならんといふとき いじんは両がんになみだをうかめ いふやうそのあやしみばさること ながらおんこのさいなん をつぐる▼ はなれて むさしの かたにじう きよ あるべしと いふにぐん左しは ものにど ものにどうぜん 男なれば かのいじんの めんていをつく〴〵 ながめやく ありて大に 麦 業 総論 総業 わらひ のゝしりて いふやうなんぢ 何もの なればこゝに ゑりてあや しきことを つぐるぞもし つかる身に つかゝる身 参参 業業業業 米麦 美 米米 ** 作物 ▼五 われらはとうけのせんぞゟ としふりてせんすいにすむ 鯉なり千ねんのこうつみて じんづうをゑしことぼんりよの しる所にあらずおんみ東に ゆきやうあらば人のために命を はたしふかくをとるべし又 われら天にのぼる べきのとき糸りて べきのごつ ちかきうちあめを よびくもをはきてん じやうなすときは すがた千ひろの ひりやうとなりこの ほとりの山谷こと〴〵く しんどうなし地さけて 川となり山さけて おかをなすこと有 そがゆへすねん せんすいにすみし おんをしやせんが ためかりにゐじんの すがたをあらはし つぐるなりといふに ぐん左衛門いよ〳〵 わかいなんぢじん わらひなんぢじん づうをゑてわが さいなんをつぐるゟは わがなんをけのがし わがなんをけのがし 此所のものゝなんぎ せざるやうに天ぜう してこそじんづうとも いふべし日ごろ 池に来りて鯉を とも くらわんとする 狐 狸 なればくんめいに なれはくんめいに よりて東 よりて東 参 小も十六匁 業業業 □□□□□□□□ 梵紙 狐かはおそを きびしくせい とうなすゆへ いんじうわれを まどはして 此所をさら せんとはかる こそかたはら いたしと いゝつゝ ぬきうちに 本 きりかけ ゐじんおど ゐじんおど ろくいろ なく ぐん左衛門が かたくな なるせい しつを たんそく して きへ うせぬ 〽ハテこたろ 藤 ゐじんの すがた よ ふうそく □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ それは 長 それは をき ゑること しかるにわがれう ないにかゝること いりこみしこそゆみ やがみのあたえ 給ふなるべしいか にもして手に入ん とてくにの さかいに 高札を たて その 文に 此たびの馬をのりとり ほう しう里 見のれは ないに此せつ 参り いづれゟか けん ル 國 ゟ者これ有候はゝ浪人は ちぎやうのぞむに まかせかえ申べく又 他家の士なりとものり とり候うへは家のほう もつたりとものぞみに まかせしんじて申 とかきしるして 立けるにぞち ぎやうをのぞ む浪人は さらなり 他家の けらい 八万を きし 春毛の 〽そふ 高くは まいらん 高野山のきらひなく かけめぐりでんばたをあらすこと大かたならず此 よしを里見家へうつたへけるにぞさつそくにもの なれたるもくしにめいじてのりとるべきやう仰出 されけるにぞあまたのもくしらつまり〴〵に 高やらいをゆひまはしのりとらんとあせれども 此馬つねていにはあらで二丈三丈のやらいを飛こへちかづく ものはひづめにかけられ馬のために死するものそのかづを しらざりけりこれにてさと見どのよりも馬じゆづしゆれんの ものをゑらみさま〴〵のくふうをこらしのりとらんとすれども しんべんふしぎの馬にて人のみそんじて手にあふやうはなかりけり されば此あら馬出てよりこく中のさはぎとはなりぬ里見どのつら〳〵 まで のりとりて まで ほまれを あらはさんと すれども さらによりも つかざれば みな手を むなしく ひき者が ぞきぬ 次へつぐし 思ふようまことや もろこしにきゝおよぶ りうめとは此うまの ことならめ武もんの いゑにこの馬を□ 〽うま〳〵しい 馬だ 〽うまらねへ ものだ 〽きでんが あつぱれ のりとり 給ふか □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一わもわとて 一与壱匁 〽主へには いらざる □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○しるべにしたひ 〽て山ふかく入り けり黒砂山九郎 もぐん左衛門が しゆれんのほど をかんじ跡より だん〴〵つけゆき けるにぞぐん左衛門は なんなく馬をのりすへ ひでんのむちを入れけるにや つぎへ よみはじめ さて又ぐん 左しはしゆく ぐわんのこと ありてかづさ のくに 安須波卿 神にさんけい せんとて幸介 をともにぐして かづきにいたりける に里見の高札 のこはさとり〴〵 なりけりぐんたみつは 神にまうでゝかへるさ めづらしきことなれば ほどちかきぼうしうに いたりきよじつをきかま ほしく思ひすでにくにの さかいに入り見ればうはさ にたがはぬ高札なりけり ぐん左衛門もとゟ馬しゆつに めうをゑたる男なれば 高札のもとなるかりやの 役人にあふてかの馬をのり とるべきよういゝ入れければ やくにん黒砂山九郎といふ ものゑせわらひこれまでいく たりとなくちきやうたから ものゝよくに目がくれかの馬に 出あふてはほう〳〵ににげかへる ものめづらしからずおんみ老たいの いらざることとは思へども高札の おもてのとふりのほうびがほしくば かつてしだいにのりとり給へといふに ぐん左衛門にくしとは思へどもなを ことばをさげてわれらちぎやう ほうもつにのぞみなけれどもわづか 馬じゆつには心ゑしことのくまゝ いでその馬をこゝろみ申すべしと いふにぞ山九郎人そくに下知して 馬のあり所をおひいださせける にぞうはさのごとくふとくたくま しきあを月毛のの馬木の根 岩はなのきらひなくあれに あれてちうを飛くるありさま りうめといふどもかくまでことは 思はざりけりぐん左しはにつこり わらひあつぱれの事なりといふ さまはやぐつとを手にもちかの 馬にゆきむかひゑりかみつかみて ひらりとのりうつりければ一つりければ なをあれたちて山ふかくとびゆき けり幸介はぐん左しがらくばしつ らんかとあんじ馬のあしおとをゆ ふうそく つゞき一郎はいぜんにことかはり わたのことくなりてしがやかに あしをはこばせてのり来りし かば山九郎あふきをひらき やんや〳〵とほめそやしやがてかの 馬をうけとりかりやにひかせ きたいののりてを 見るものかな 此よしさりそく ごん上して きでんの のぞみに まかせ申さん 老たいのいき つきに 水を まいら さぞかしのしうしやうさだめてつま子も ありつらんそのかなしみも思ひやられて あはれなりさりながらこう上より したりとはぶもんのちじよくなれば つねていのびやうきとなしひき たるべしさりながらうの馬を のりすへし一たんのこうあれば ものゝついへにすべき手あての きんすはわれら 主人ゟ 申おろして とらすべ しんじつ 〽おいぼれの いぬぼね おつて れよと いゝさま いゝさ 馬びさく にてかたはら しみづをくれてこたへ ければぐんたゝつ何心なく一トロの しがたちまち五たいすくみてのふらんなししんけつをはいて死したるは 御ざんなりけるしだいなりかゝる所へ かうめうは ぬれ手で あはの 山九郎 しよしめる つもりでこの どくやら なんとむね んなかはらが たつかへみはゝく 幸介はいきせいきつてかけ来り主人の 手がらはいかにと思ふにかいなきこのありさま こはそもいかなることやらんとたづぬるに 山九郎はにはかにうれいの おもてをあらはし おそかりしぞ車身とやらん いまひとあしはやくば 主人のゆい げんもきく べきに老人の かきに老人の かなしさはかゝる たくましきめい馬を のりすえるじゆつはしり ながらせいりよくをもみ はいかんのつりをきりしとみへて てるよりおりるとそのまゝ かくのことくに血をはきらくめい せられたりるゝおしむべきものゝふを 馬のためにうしなふ たりとまへとし やかにいひこし らへけるにぞ 車介は何を へんじのことば さへなみだに かいくれてゐたり しが次郎は なをことばを つくり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ふうそく ◑もてなして 幸介には そく ばくの 金子 を あたへ ける にぞ これを また 思ひ なく 主への なきから ひつぎに おさめ やとに ひた 次へ 〽四ツ ざんねんや 一月廿一日 つばらにものがたれば 里の外に 鯉の介はいふもさら也 つゞきことのやうすを〽とゝさまにながきわかれとなりし みなし子のわがみそちたち ふうふがこれからはばんじに 心をつけて おきくは大おんの たもい 主へをいまはの のふ かいほうもいたし まいらせず ほいなき おんすがたを 見ることよと さめ〴〵と なげきしが かくてははて じとのべの おくりを いとなみぬ おきく 幸女は主人 なきのちはいよ〳〵 鯉の契をまこと 主へと ひつまくさも あがめ 二つにはなを せいちやうの ゆくすへを たのしみ とぞ 〽いふに いわれぬ 大おんの 御主人 おいと さま 三 の 巻 □□□□□□□□ ふうそく 鯉 さるほどに孝しんふかゝりしこゐの介なれば わかれて るい やむとき はか所へ 此日はそら かきくもり まうで けるに くも あし おそ ければ おきく 幸女の ふうふ 此そら にては にては らいめい あり 思い いふに けふの はずか まふではゑん いんしたまへと つぎへ からこきつぎへ つゞき こいの女 孝子は かみなり おそ れじ ときはつかを おやの はかに いたりて らくめいの とぎせし こともきゝ つゞきおよびぬ何とてちゝのはかにまふでる にかみなりごときをおそるべきやといふて いつものごとくひとりいでゆきぬしかるに 天にはかにかきくもりまふうしきりに ふきおこりしんどうらいでんすさまじ くたいぼくをふきおりいしをふらし こいの介はたゞ一しんにゑかうして ゐたりしがたちまちくろくもに まきあげられてこくうはるかに いたりけり幸介ふうふはこいの 介がむかいにゆかんとするおりしも いゑゐもろともおしながされ すべて此あたりのみんか寺ゐんに いたるまでわきいでたる水に おしながさるゝもあり又は大地に とづみしもあり此世めつするやと 老若男女のなきさけぶこえ すごしとやいわんおそろしとや いわんこれぐんざへもんにゐじんの つげたるにたがはすぐん左衛門は 東にあそびてはくめいに 死し又きよを さけずして 此なんに あふは ひとへに ぐんざへもん がかたくな ものなる ゆへならんか 今ひたちに 龍がさきと いへる所はこゐ 天上せしより その名を よびぬと ○それはさておき 千葉どのゝ みうちに地水 月のしんと次へ 一つゞき いへるもの ありてつまを うきくさとよび 十さいの むすめを もの はな いゝぬ 月のしては ぶんぶ 両どう ひいで たるもの のふなれ ども ちかき ころふうしつを わづらふてへん しんぢざいならず このときにいたり 男子なきを かなしみむすめ ものはな男子 にてあるならば かとくをゆづり 身のほよう 身のほよう すべきにとてうぼ おもひ いたりしに ある日あらしの たゞ中庭におそ ろしきおとの しければ月のしん あやしみたち いでゝみれば十さい ばかりのおのこ子 たふれいたりし かはいそがはしく 内にいだき 入れ三郎 などあたへ かいほうなす にぞ正言ら つきてあた りを見 まはし あきれし ていに 見へに けり ▲ せがれ こ の女也 けり しのめは いぎを たゞし こはそもいか なる御いゑ にてかくる 御かいほう あづかり に 〇 月 あふて こくう まき あげ られ 十一日 おもいしがそのゝちはぜんごの こともわきまへゟはずといふに 月のしんさそもきくわいのなんにあひ給ふといへども〽わ まずしんたいにつゞがなくこれうぢ神の勇ごなす 次へ つゞき所なりあめもやみなばさう〳〵に 御身のしゆく所のあんぴをとはすべし とてつぐの日心きゝたるけらいを つかはしやうすをきかするに こいの介がすまゐの一ゑん三四里が ほどは山さけて池となり川は うづみて山となりすにげんの みんかあともなくあわれといふも おろかなるしだい也此ことを こいの介きくとひとしく □□ さてはわがけらい SES ふうふもなき 人のかづに入り 88 しやわらはとそ 世にすてられし 身なしど なりとなき かなしむぞ 五十五日 〆 だふりなり 月のしんは なぐさめて いふやうみな らくめいして 一人も大す かりしもの なき中に 御身一人 たすかりしは やきいゝにほのいでしとやいわん ▼ 一九一 □□□□□□ 廿一日 かなへの魚のふたゝび 水に入りしとや いふべしわれふかうにして 男子なくおんみのなんじうは わがさいわいにかへん も事よこみち ながらわらはが子と なりて給へねとふうふ ひたすらにすゝめて こいの介をもの花 がむこがねとなし 主人千葉とのに ひろうしてつゝが なく地水の かとくをつぎ 月のしんはびやうしん 月のしんはびやうしん なるゆべつとめもかつね しだいの身となりぬ さて又幸介ふうふは 家の大こく 家の大こく はしらにとりつき 日ごとに こいの介 ゆくすへ はたづね といへども 一せんのたく わへさへ わへさへ あらざれば いまはむさし とさがみの あいだに わづものしやく たくして なれも せざる こたび かごをかつぎて なりわい とはなし ことなぬ いたりしが山さけて わきいだす水に それはさて おき ながされとね川の しもべにながされしがやうやく せにながれつきてからぎ命を たすかりとやかくするうちあらしも やみぬればくがにたどりすみかの かたにいたり見ればかたのごとくのありさま ゆへこれにては主人こいの介とのもおし ながされつらんと思へどもおもひとゞまること あたはずこゝかしこのねぎ山ぶしをたのみ うらかたを見るに身につゝがなしと いづかたもおなじはんだんゆへ一ツはこれを たのみとなし▼ 黒砂 山九郎は ぐん左衛門を どくがい なし かぎへ ふうそく 幸介をやす〳〵とたばかりわが心やすき ものをぐん左衛門なりといゝたていゑの ほうもつをかたりとらんとせしがいんあくたち まちあらはれめしとられんとしてあやうく ちくてんなしてかまくらにおもむかんど ちうやをいそぐにしんたいつかれて さいわいのたびかごにのりかな川の 〽ぬるしとも おちや一つ ゑきに参りかごゟおりてたがいに かほ見あはすれば幸介なるゆへ 山九郎きづもつあしのきみあしく 思ひしに幸介はしらざることのほとけ にてすぎしくだりのれいなどねんごろに のべて身のなんじうをものがたれば 山九郎はたちまちいつわりを 〽さま〴〵に 人の身の上も なります こしらへすぎしぐん左衛門 どのびやうきとひろうして われらがたくわへの きんすをなんぢにあたへ そのち主へゟぐん左衛門 どのゝ手がらのおんじやうを しゆく所までさたあらんやうに とりもちしにかんねいじやちの者 わが家にあしをやすめ給へといざないしが さま〴〵のいんあたをなすとはとうへんを見てにくむべし ありてわれをざんしむねんながらも にはかのろうにんとなりしとまゝとしやかにもの がたれば幸介も気のどくに思ひてこよひは ついには幸介が家にしばらくとゞまりてこれゟ 東西葦南北作○ 春扇画 〽おんしやうを ●もつてゐるのも むさくろしい おはからして まことの ぶしは ぶし きの きのどく 10469 Q 門 狩 第 下 して 登 黄 金 鱗 五月 後藤 次編 南北作 春扇画 南北作 瀧登後編 春扇画 の 巻 さても山九郎は幸介を さても山九郎は幸介を たばかりてまづしき なかにやしなはれゐたりしに 幸介は又わが主人 ぐんざへもんのことより おこりて山九郎ろうにん しては気のどくなる ものなりとおもへば 主人のごとく大せつに なしてかくまい おきぬさてまた ちばのかしん 池水月のしんは 主用にて かまくらへ おもむく道に かごをすゝむる ものを 見ればつま うきくさが おとゝ 幸介なり せばかたはらに まねぎ すげがさをとりて たがいのふじをのべ ければ幸介は大に せきめんしていふやう 夜目とふ目かさの ふうそく 三六七 うちとはせうせども かゝるいやしきありさま にてたいめんいたすも めんぼくなきしだい也 われらおんみのなさけ にてやしきをたち のきなが〳〵 ろう人のうち つまはくわいにん いたしその 日をおくり かね うへしなんより 幸女 〽おめにかくるふ めんぼくが ござりません かくごをきはめ ふうふすでに しせんとせし ときかやう〳〵の 人にたすけ られあまつ さへ うみおと せし子はその 人の子となし こよなき こよなき めぐみをとけし その主人は かやう〳〵にはて そのうへあらしの ために 次へ 主へと 〽だま まへのつゞき あがめしわが子は ゆきがたなくせうしの ほどもしれずそのゆく すへの心がゝりなるまゝ おしからぬ命をながらへ かゝるありさまの身となり さまよいゟといふに月のしん よこでをうち世にはふしぎの こともあるものかなその鯉の 女といへるはかやう〳〵のことにて わらはが世つぎのひろうして 今あんおんなりといふに 幸介もふしぎの重縁 よろこびうれし なみだにそでぬらすこそ どふりなれ月のしん いふやうわれら主用にて かまへらへおもむけば しゆくたくをたづぬる ゆうよなしもならずして わがちかきにおんみ 一ふうふを引とるべしと 一いふうちもしだいに日は くれてければ幸介は月の しんがあとにつきあゆみ ながらはなしつれくるとも なくかな川のはづれにいたれば 月のしんふりかへりこよいは われらとつかにししゆくせんと 思ふ也わがやどにとま申上つきへ 〽□ きやう みれんな だまし うち ヱヽ ざんねん な こゝまでおくりまいらせたりこよひはとせいもやめて はやくいへはやくかへりつまにもよろこばせ つゞき夜とどもにはなし給へといふ幸介は かうだをふりあまりなつかしさにわれしらず 申べしといふに月のしんもとふりに 思ひくわいちうゟそくばくの きんすをとりいだしてこれを なんすをとりいだしてこれを おんみの身のまはり又はわれらが ちかくへうつり給ふりやうに なし給へといへは幸介は大に よろこびおしいたゞきて又の さいくわいをやくしなごり おしげにたちわかれぬる この日山九郎は かな川のはまべに ゆきしもどり がけ幸介と さぶらひの はなしつれて ゆくをふと ゆくをふと 見つけもとゟ ●かゝる所へ月のしんはいゝのこせしことありとてとつてかへし 此ありさまを見てぬきあはせけるがもとよりふうしつにて へんしんきかざることなればおなじまくらにきりたふされ うごめく所をしんともとゞめを さゝれてかな川のつゆとはきへぬ 山九郎は心しづかに両人が くわいちうゟおほくの かねをうばひとりまし ばやに たちのき 此とき月の しんがぼくは 下布の じやちの うまれつき なれば 何ごとをかたりあふやと みへかくれに跡をつけゆきしが 日はくれて月なきよいの ことなれば しだをを 見るとその まゝにげ いだしけり 次へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 幸女もこれを まします しらざりけりかくて女手介が金を もらいたちかへる所にて山九郎たちまちひだうの よくしんおこりかな川のはしづめにてこへをもかけず きりかけしかばふいをうたれし幸介何かはもつてたまるべき あつといふてたふれけり □□□□□□□ 〽かにならしやんす すいそふやら 三日のむなきはぎ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ まにかゝつた □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 未来丑十一日 〽たより このみ どふぞ むかいに おきます。 さんせ 卯十一 つゞきさそ山九郎は何 くわぬふりにていへにたち かへりぬつまのおきくは 幸介がかへりのおそき かごかきのつねなれば あんじもやらでゐたりしか 夜あけてかくとつぐる ものありしかばおきくは きやうけのごとくなき かなしむぞとふりなれ 山九郎ははじめてきゝし そぶりにてともになみだ をうかめなきかなしみて いふやう人をころせし ものは天のばつにて しれぬといふことはあら ずわれとふからずかたき をさがしいだしこねぬが しゆらのまうしうを はらさすべしとさも じつめいらしくいさむる にぞおきくはかみならぬ 身の此一ごんたのもしく 思いけるさてたくわへ うすき身のとりおさり すべきよすがもあら ざれば山九郎はくわい ちうゟ一トひらの金を とりいだしわれらろう人 のありつきにやうゐし たるかねながらも此せつ のなんぎみすてがたし とてのべのおくりもいと しんせつになし七日〳〵の ついぜんも心のまゝに いとなみさて又わかき ものゝわかき女といへを おなじくせるもゑん りよなりとて夜〳〵は りんかにゆきてふしに さればかんねいじやち ける なるものはつねにおもて やはらかにうはべのじつこと あらはすもの也人にまじ はるものは心えあるべき ことなりあたりのものも 山九郎がじりゐをかんじ おきくもたじなく思ひ けるほどにりんかの 人〳〵あつまり女子介介介 がのちぞへにすゝめける おきくはていぢよ 両ふにまみへずと おもへども山九郎が じつあるくざし なればかたきを ◑ □□ 181962 …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… ●3 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ らうそく おほし 十八 うつちからと 思へば二ごんと なくしやういん なしければ 山九郎はおもつ つぼにのりしと 心のうちに よろこびなが らもやうやく のことにてとく しんなしついに はふうふの さかづき事 して山九郎 日ごろおきく にれんぼの 心あさから ざりしがゑん おうのふす まに 百ねんの 思ひを はたしぬ はたしぬ さて又月の しんがいへにて はあるじの たびゆき せし を引きけものは、 るすとて かげせんすへて たつ日より かへる日を かぞへるは たひのるすの ならひなり けるに此文 ぐれはわけて ものさびしく おや子三人 うちより うはさして ゐる折しも さら〳〵と しやうじを あけるおとの きこへけると おもひしに 月のしん 幸介二人 入り京□ にぞ こははやき おんかへり かまくら までは までは おわせじ とも次へ つゞき思はずといひつゝ幸女を 見てうきくさはとびたち こはめづらしきおとくあねん ぶりにてからどりしぞよくも ぶじにてくらせしぞ きやうだいとては さしむかいなつかし さのたゆるまは あらざりし道にて こちの人にあふてのゝ どふ〳〵か なにとてかほを あげざるや何の ゑんりよもいるべき ぞ月のしんさまの ものいゝたまはぬは おこゝろもちばし あしきぞといふ おりしも鯉の介 おりしも魚のめが たちいで幸女を みてさてはぶじにて ありしや幸介 わらはゝかやう〳〵の ことにてこゝにやしな はれつるがとうじの ちゝぎみとうちつれ 立りしからは何事も きゝつらんといへども何の ▼いふにさては しゆうじう にてありしよ な それはとも あれつかの まもあんびを きかではすぎ がたしとて夜 あへるを まちかねて さがみすじへ 人をいだしけり 幸介はわが子なり わんなる親の介がゆく すへをあんじ心にやむ ひまなかりけるをり 無御座候間の御座候間には、この間でもっというという。 いらへなくして幸介は りかねがおほつく〳〵みて 鯉の介がかほつく〳〵みて ものいひたげになみだを ほかりとおとし 一月のしんもろとも たちておくのひとまへ そぶりあやしく思ひかつてを見れども 入りにけりもの花はいかにも二人の つれゆきしぼくはいまだかへらず まづ御両人には御くたびれ給ふらん しとねをしきまいらせんと いゝさまおくのまに いたりてみれば すがたはきへてかげろうの かげさへあらればこはふしぎと こへたりるほどにうきくさ鯉の介 二人もかけ来りたがいにかほを見 あはしてふしぎ〳〵といふばかりなり うきくさはあまりのことに手しよくを しも月のしんにあふてあんとなし 一こともあふてぶじをかたゞんと 思いしいまわのおんねんぼう こんとなりて月のしんもろ ともこゝに来り鯉の介に まみへしはさもありぬ べきこと也されば さがみへ つかはせしひきやく 日ならずしてたち もどりかやう〳〵の 所にて何もの にかうたれたまい したつけける にぞ 家内はゆめの すでに この こゝちして てぶし一トまのくま〳〵をみればとはいかに 月のしんが着なれし小そで血にそみてあり ちばとの いま一ツのふるぬのこをみれば鯉の介が見おぼへある 幸介がいふくなりおの〳〵ちにそみてあればいよ〳〵 次へ おどろきこれにてはきよじあるにそふゐなしそれにても ふしぎの中のふしぎはわらはがおとゝ幸介を鯉の女のしたしき やうすはいかにといふに鯉の介なみだをぬぐい はゝ人のおとゝといはるゝ幸女はかやう〳〵のもの也と▼ ふうそく つゞきうつたへけるにぞものゝふにあるまじき ふかくなりとていへはもつしゆせられて かない三人のものもあほうはらいと なりにけるこそあはれなり鯉の介は かい〴〵したも二人をともなふて まづさがみのかたへと心ざし かたきの手がたりなしと いへども下部角内の ゆきがたしれざれば もしやかれが わざならんかたて 角内をとふの かたきと つけねゞひけり 四 いとまあるならばいまひとたびの すがたを見せことばかはして くれやうぞや 〽わがちゝびとのおうたみを大じにかけて 幸介があさゆふきなれしはぎ〳〵のひうちに のこる此もようおもへばやのおもうげとそふゐのすがたを 見るおもひ千ヱおうへば〳〵世の中にわれほどいんぐわな ものぞなきうみの初やにははかなきわかれのちのおやには くすきゑんよにたのもしきけらいまで此世にあらぬかゑてぶの 五 の 〽まづ〳〵 おせきなさらず 一トとふり おきゝくだされ 〽ゑんを しらぬ 秀岡よう みなたは主人を ころしたな 〽きように めしいとなつたも みなすぢのわざじやそへ 〽からご やれ さるほどに鯉の女はわづか土身にてうき くさものはな二人を引つれむきしさがみを はいくわいしてかたきと思ふ角内をさがす はいくわいしてかたきと思ふ節肉をさがす といへどもさらにその手がゝりもなかりけり しかるにはゝのうきくさは月のしんはてし みぎりゟ両がんをなきつぶしうまれも つかぬかたはとぞなりぬいとゞさへうきたび にとしはゆかざるものにいざなはれて いづこをさだめずさまよひありくうき くさが心のうちいかならんや鯉の介思ふ やう角内がつねのことばに上しうなまり あたりとおぼへたりそれより上しうにおもむき あたりとおぼへたりそれより上しうにおもむきご しにこうのすの入りくちにて角内に はたとゆきあひけるにぞ鯉の女かたなに そりうちしゆうをがいせし大あくにんかくご せよといふに角内はだいじにひれふし ふもへ〳〵ことのやうすをものがたり主人を 見ごろしにせしつみはならくまでものがれ べきやうなしと思へどうまれついたるおく ひやうもの御はらいせには御心まがせに命を めさるべしといふにうきくさつね〳〵 角内がおろかなるりちぎものはしり たることなれば鯉の女をなだめけるにぞ 角内は人ごゝろつきといふやう命をめさ れぬおんほうじといゝ又おくびやうでつきへ ふうそとく つゞきすけだち ならぬかはりには われらがいへに いつまでも いつまでも 御とうりう あるべしと ことばもおろかに 角内は 主人 三人 あ. 南 ない して わがやに いりける 角内 がはゝは としよりの なり わいに ▼したきりすゞめにあらねども ものいふたびのした哥をきく もの花がつゞきこそきり身に しほの思ひ也ある日角角は 鯉の介がともをしてくりがいの とそむざんなれ日やみ のうきくさはつめしらざれ は〽これいうものはな目 ぐすりわかしてたもれといへ どもへんじせざればあたりを かたへいたりけるうちばゞは 人かいそよび参り何やら さゝやきあまたの小判に さぐりまはしなをものはな 〳〵とよぶをりしもかへる 一親の介角内もの花 かへてもの花を くりわたし ける さまはいづくへいなれし やといふにあまざけばぐ つごとごへにていふやう とくみなたしゆのたづね 給ふものはなどのとやらは 人かいにうりわたしに列と いふけつとうなものに しましたそれはなぜと いふてみやしやれはん代の かはかじやといふのに かはりじやといふのに みな〳〵あきれかへり しばらくことばも なかりけり ろきへ あまざけをせいしてゆきゝの たび人にあきなひくらせしが うまれつきとんよくにして じいをしらずあたりの 人もあまざけばゝと いみやうなしつまはじき してきゞはるゝも つねのきしつの ゆへならんか 角内はうき くさがめやみを いたはり 神仏に いのりさま〴〵 かいほうなす しんじつの ほだしにひらされ 百日あまりも とうりう なしたり 此内はゝの あまざけ ばゝはつら ふしあしく かいまがり にははんだいも ろく〳〵はら はぬのみか 目やみまで 一人ませば水が入るせは やくものがくぼくなると ねんぶつまじりの口小ごと▼ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ばゞ曰」 〽コヽサ いんで 見やしやれ そのやうに つらひものでも ござらぬ ずんどきさんじな しやうばい めそ〳〵なかずと きげんなをして いなれよのう 〽ゞきこらへかねて角内ははゝのむな ぐらをとり〽われはゝじや人きこへぬ ぞへ〳〵大じの〳〵御しゆじんさまの おともをしながらおくびやうの かなしさそのばゟにげさり かなしさそのはゟにけさり 此いわけはなにとせう かとせうとはしとるひまも わすれぬ身のあやまり しゆうじうのゑん こそつきぬあり がたさはふと やめにかゝりてゟ わがやへおともを いたしまいらせ せめてちうぎのかたはしにも なるやうにとかみ〴〵さまへぐわんかけて どうぞおくさまの御目のよくなりますやう 御としゆかぬ鯉の介さまのつよくなり かたきにめぐりあふて御ほんまうをとげられ 〽おくびやうものゝそれではくたばられまい 一ぶくのんでかいしやくしてからうち やれ〳〵死ぬに までおやの せはになり ける 〽はゝの あくじも わがみの いんぐわ 申わけの せつふく おゆるされて くださり まし とぬ いふものく まうこれ ぎりで 死なれ ますやうにとすきなる場をしやうがいたち どうぞこふじゆうのないやうにと 夜はつゆほどもいねふらずわらんじ つくりてわづかのりやうにかへお目の くすりやおに遣ひゆきとゞかぬは 身ひんなかなしさそれに なにぞや大おんの御しゆ じんをよくも〳〵人かいに ハどうとざけ せぬ どう せう ◑いろもなく いろもなく 〽そのおくびやう ではきなれまいと ではしなれまいと いゝつゝかさなを わたしてやつたのう うらめしいはゝじや人 たつたいまとりかへして たももどしてたもと しんじつあらはすちの なみだはゝはゑせわらひ □□□□□□ 醴酒 〽やかましいだまりおれおとしよりの やせうでどその日をやう〳〵おくるかゞき うき世にあまざけとせいその中へおほくの くらいたふしとめやのかりやたきゞのかり あぶらの水のとほんにせけんはかりだらけ なんぼやぬしがう人でもおんしやうは ぶんぬきめしの二合半ぢばらの きれる忠義はいやじやそれとも 百日あまりのもの入りをとゝへ まきいだせばよしそれができずば あの小あまつ子をとりかへすことは ならぬうりわたしたかねはみんな かりのかたづけとなり申たトいふに 角内は何をしあんもひとりは おやかた〳〵は主人つまるなんぎは 身ひとつとからごきはめて鯉の 介がかたなをぬいてはらに がはとはつきたかれども引まは されぬおくびやうものこれはと おどろく鯉のきはゝおやはおどろく さまやめいどにござる御主人 さまやめいどにござる御主人 そへてきり〳〵 と引まはせ 大こくぶどうと いゝつべし角内は くるしきいきをかきもの花 つ さまへ申わけの此せかふく死すねば ならぬぎりとなりしもや主人のごせんど を 見とゞけ 申さぬ 不忠のばち 御ゆるされて くだきり ましと いふおりしも ばゞはつぼを かゝへいで 〽ヲヽそれで 忠義は こそ たつた つぎへ 〽角ない はやまつた ことをして のけたなア のけたなァ つゞきめいどのみやげにかたりきかさんよくきけ角内 うきくさまの御がんびやうをいしやどのにきけばつねていの眼病 にあらざれば身のとしの男子のいきぎもに かでんのくすりをてうがうなし用ゆれば たちまち治するとの事そのくすりの りやうも大きんさいわいせがれはとりのとし かたきうちのおとももできねおくびやう ものはきてゐてもやくたいなしそれゟ あさ日のいでし ごとくあきらかに なりしかばおや子が 忠義の日くすりは 世にたぐひなき めいやくなり ころして御くすりの御用にたつがまだしもと 一ツのくすりはとゝなふてもかねのでる くすりにはたとゆきつまりせんかた くすりにはたとゆきつまりせんがた つきてもの花さまにことはけいふたら 孝くのためには何かいとはんと いさみすゝんでいなれしときの いぢらしさ人目にこはひかほ見せて 心のうちでないてゐるそのくるしさは されば角肉 おや子がちうぎ にてうきくさが がんびやう 治しける にぞ いかばかりおくびやうものゝ角内 しんでくれといふたらみれんがのこり 忠義の二字をわすれ又にげかくれ しをろうかとあとやさきやの しこんにてものはなさまを はん代のかはりにたりしと いふたゞばそのぎりに せまりじがいしをるか どうぞ死ねめし〳〵と わが子をころす くふうをするおやの 心はどのやうに あろうと おもはるゝと いままで なかぬ ため なみだ いちども おとす あはれさは 夕だつ あめに 夕がほを おしながしたるゝふいなり角内は くるしきかほをもたげそふいふ心の くるしきかほをもたけとふいふ心へ 母人としらざるいまのあつとうは ゆるしてくだされそれなれば 此おく びやうものが御主人の 御やくにたつかられしやまう目が 見へぬそのてうごうの御くすりは 〽ヲゝかねてとゝのへおきましたと いゝつゝ母は角内がはらに手を入れ いききもをとりいだしくすりに あわせてのますればふしぎや たちまちうきくさがけんびやうは かへへつけ ◑智の介は 老女に わかれを つげて さがみの かたへと こゝめ ける 〽これがかんの 此真に つゞいてうへふ あるといふたが こゝこれが あつたぞ きもじや〳〵 あつたぞ 客帳 さて又 山九郎はうま〳〵 おきくをたばより ふうふとなり 月のしんをがいして うばいとりし かねはやそらく 五百両あまりの 大きんなりしがは これをふかく これをふかく かくしをき ときをすぐ } してこよなき さいわいをえて 大きんをひらいしと おきくにいゝきかせその おきくにいゝきかせその かねをもて大いその くつわやとなりしが よこしまひだうの かねながらもしだいに しんだいをしあげたり しんだいをしあげたり おきくはみちならぬ かきやうと思へどもいさむる 正月七一 〽まだ〳〵見せへだすまでは いくらかゝると思ふ此しやうばいも かんぢやうをすると つまらねへものさ 帳 かいもなく 又かゝる人のでいりおほき 内にはおつとのかたきの 手かゝりをきくことも あだんかと心に そまぬくつはの女ぼう 箱 せけんのくつわやのつまとは ことかはりてまたぢひおかく かゝへの子どもにもふびん をかけてつかふゆへほとけ おきくとうはさされける となりそれには引かへ 山九郎あさからばんまで 女郎のせいばいちと いとめに うとき女は小刀ばりあるいは ぶり〳〵にかけてさい なむ そのてい たゞくは地ごくの あるじゑんまわうの ごどくなりとて ゑんま山九郎と いみやう されけり 〽モシ玉が たまだから これづめては よさ そふな ものだ ものだ ね ふりはせく 〽こりや〳〵そなたはみればつぶりのもいが あぢわすれたかといがみちだす所へぜげんの さびしいが大かたいろにうちこんだのであろ 半六が此子は嘉七が手からわたりました だんなにしられぬうちわしがかねかして やるほどにうけもどしてをくがよいぞや こちゞのはだいぶんといろがわるいが三半あい でもわるくば見せをひいたがよい身あがりの なんとよひ玉もとかたにはきづかいなしその なんとよひ玉もとかたにはきつかいなしその かはりにはねだんもはります〽ヲゝよひ 子じやとしはいくつじやゑはなんと〽ハイ としは上で名はものはなと申ます しんまくはわしがするかつ手のものもそふざい にはおいしいものをこしらへよおあしはりしが 〽まだ見せへだすのは世もはるかおやがのみ たふれかしんだのかといへばものはなはなみだ だしてやるかむろまはしは気をつけて をこぼすばかりなりおきくはそばより うなぎぐすりをくわせてたもそなたも こなたもおしつけねんあき半としや ことばをそへみればつまはづれから たちさはりいやしからざるうまれだち 一ねんはわしがしやうもんまけてやると ねんいつぱいはながいこと十八をかぎり いへばみな手をあはせおかさんはほんに 地ぞうさまどふりでだんながゑんま さまお目だまのでぬうちにみなさん 身じまいにきさんせとうちつれ ぐわや〳〵みせへゆくあたり見まはし 山九郎〽コリヤそふざいの神がこいぞや まつと水をまはせかまの下のまきが おほひぞすべためらきのふおとついも おちやを引おつてそれといふもつとめが わるひからじやかへしぶりじや方ばりの して半六どのゝのぞみのとふりに かねにしてやつてくだされといへば 山九郎〽おのれがやうでは 此しやうばいはいかねぞや しかし見たたまを外へやる のは ゑんぎでないとしぶ〳〵 かねをだしてやるおきくは ものはな引つれておくの ひとまへいりにけり のれんをくゝり入り くるは六十ばかりの しらがばゞ〽はいごめん なりませわたくらは おやも子もない一人り ものとふぞほうこう にんにかゝへて下されまし ○角内がはゝのあまざけばらは人かいの手を だんぐにせんぎしてものはながこの屋へ けふすみしときゝやりてほうみうにのぞんて 来りしもものはながそばにつきそいて かいほうせんと思ふちうしんの いちがなりそのはざしいやしき ものゝろう女には又たぐい 〽山九郎あきれはて まれなるふるまいなり 巻 コリヤ五十ねんもわかくば かゝへまいものでもない の 〽ハイわたくらはうまれ ついたるとんよくじやけんもの あなたのお名はゑんま 六 山けらさまとぜげんの 半六がおしへましたゆへ せうすがはらのやりてばゞに 次のもんだん 〽おきくは もの花が いやし かゝざる すがたに ゆへある ものゝ ものゝ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽はい } かゝへて下さりまし〽いかさま かほつさからはげしいばゞどの こちのかゝが仏じやによつて 女どもがするけおるけふから わしが内のせはやいてくだされと いふによろこびつべこべと なじまぬうちからせはやきぶり さもにくらしく 見へにけり 子ならんと思ひ さま〴〵にいたはり いふやう此さとへくるものは いづれおやきやうだいの 為にうき川たけのながれに しづみながら子は和やのちじよくを かくさんと思ふがゆへ名をかくし こまれをかくすものぞかしおやのびやうき にてうられ来り跡にそのおやをかいほうとは するものなきといふ □□□□□□□□ 被下置候 ふりすぐ つゞき一かなしき身にもあるならばかいほうするうちの 二十九匁はおつこにねがにてわしがやるつゝよず身のこへ はとにしやいのうといふにものみなはなみだを ぬくひかきくしが身は大じゆへいかなることが あるとてぬうちあけてはかたるまじと 思ひしがあふせのごとくわらはが へはゝおやはがんびやうにて そのくすりの かはりにとりし 身のうへ跡に かいほうなす 人はひだに 〽はなしにきいた 幸介さまはあの やうめべさまはす おまへの それは〳〵 かたきをたづね めぐれば日やみの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ なくといふに おきくは みゝそば だて 〽わしとても かたきを ねらふ うへ 身のうへ してそな たの おやご たちは なんといやる 〽アイしもふき 千ばの からん 池水月のしんと 申ますと きいて き □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽さてそふで ありしよなア ○おどろき くささまといふてかや 〽かゝさまの名はうき 〽ほんにおまへは よくごそんじ 〽しらいでなんと せうわしがせんの おつとはそなたの かゝさまのをとゝご 〽それならはなしにきいた 介介さまでござんすか 〽さァその幸介どのがきよねんの 春三月十五日人手にかゝつて はかない御さいご〽やゝなんといわれます わたしがとゝさんもきよねんの三月十五日 〽をはてなされたところは〽かな川のはしづめとやら 次へ 金弐匁 つゞき御主人の御用にて五百両あまりのかねそ ごくわいやしなされたがいんぐわのはしさすれば ふしぎなことばかりおはてなされし そのみざりとゝさまと幸介さまとの ぼうこんがわたしがゆへ ござんしてそれには鯉の介 さまといふおかた かやう〳〵のことにて それがゑんと なりてと はじめ おはりを ものがたれば おきくは おどろく ばかり なり やくあつて おきくは しづき わがいまの おつと山九郎 どの五百両あまりの かねをどうまきに 入しまゝひらひしとて そのうねにて此しんだいと なりしも此とうまきの かげなりとてみやのうちに 〽ヲヽくるしいか〳〵だがヨ〳〵おぬしがつらの うつくしさしんせつぶりでだきねをしたのを さぞくたばつた五手負がくきばの の かげてやいとてあらう へとくはとみ へみ 〽かたきと しらではだみを けがしたが口おしや とてもいきては◑ どうまきをひめをきあさ ゆふこれをたいせつになし かないのものにはかつて 見するもなし 月のしんさまの かねにてはあらざるや さすればその 六・〇〇・一・一丁 どうまきに そなたは おぼへあらんと いゝつゝおこぐらゟ みやばこをとり ○○○ いだら中にひめおく どうまきを見れば 〽これこそわがちゝぎみの どうまきしかもわたしが これこのしたぎのむらさき ちりめんに一つぶかのこの しぼりばなしといゝつゝ 引あはすればおなじ きれ〽さすれば幸介 どのゝころしても〽わたしが たゝさんのころしても〽がてんの ゆかぬはこちの人何にもせよ たいこさみせんに 下ざしきはかむろが けいこのことのをと 二人はかい〴〵 □□□□□□□ さしあらぬきあしに さしあらぬきこしに しのぶはにはの四五分半 かこいにあるじの山九郎 ひるを夜なるたかいびき おきくはまへらを かたきとゑのりかけてはみんと あしにてけとばし 両人はこづまからげてたがいに くわいけんのねたばあはする をりしも二かいざしきはさはきの きよねん三月十五日 かな川のはら づめにて つぎへ ◑いられぬ からだ さりながら かたきを うたずに めいどへゆき なんと いゝわけ チヱへ YAA あるべき ふうそく つぎわがおつとく月のしん どのをがいしかねをうばひ とりたるしやうこは此 どうまきたちあがつて しやうぶしやと いゝつゝ両ほうより つきかくれば山九郎は はねおきてなんの くもなく二人が くわいけんをうち おとしやらじと あせるおきくを とつてつきふせ むざんやたんとう にておきくが きゝうでを たゝみへかけて つきとふし つきどふし ものはなをも おなじたゝみに さしとめら につこり わらいし ありさまは ありさまは にくらといふも おろかなり 山九郎はかん〳〵とたばこを くもらしながら二人のくるしみを 二十八 こ毛のおや かたにはむかふ とも かなふまい だんなどのが 手をおろす までも なく わしが りやうりを りやうりを して見せうと いふに山九郎は 心をゆるし たるてい なれば ろう女はそばに よりて山九郎が 〽はもの まい すると 此がき わきばらへ がはと つきたつる にぞ 山九郎千ヱ 心を ゆるゝて おいぼれに たばかられたか ざんねんなと いふをり しも 見て〽へヽゝはみいゝざる女のかたき よばわりめいどへみやげのためいふて きりそふかよくみゝのあなを あけてちやうもんしやれおのれらが しゆじんのぐん左衛門をどくがいしたも おれさまかな川のはしづめて 二人をころし五百両のかねを ぽつぽにおさめいまのかんらくを あそばさるも此どうまきの おかげなんときもがでんぐり けへるかへゝみはゝゝ〳〵〳〵〳〵 おきくものはなは きくほどむねんのはがみをなし しにかはりいきかはり此うらみを はらさいでおくべきかともがき まはるぞふびんなれされば 此日鯉の介うきへさは やうやくにもの花がありかを きゝいだしきやうとなりて 〽何をいふにも かよはき わづか 土才の鯉の 土才の鯉の介 かたなをうち おとされて わしづかみことなり 鯉の介かたな を とつて きりかけ うきくさも 思ふ十ぶん きり さいなみ いまだ いきある もの花 おきくを キヤ たすけ おこして 次へ 二かいにゐたりしがもの花を さがさんとてにはにおりて こゝに来りやうすをきいて おやネは身がまへなしとんで入り だんくのうらみをいふていざ〳〵 たちあがつてせうぶといふに 山九郎につこりわらふてたちむかひしが 〽わるくさはげはこの 子せがれひねり ころすとあたりをにらみし ありさまはきじんの へんげと思はれたり かゝる所へやり手に すみしあまざけばゞァ とんで入り▼ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二十九 つゞき一トかたなつゞうらみを むとはせ鯉の介はくびうち おとしてなきん〳〵に たむけたりおきくは 鯉の介又はうきくさに めぐりあひしを 大によろこび これをめいどの みやげとして 夕部のつゆとなりに 鯉の介は おきく幸介を じつのおやと いへること いまはに きゝて いよ〳〵 ぐん 太郎が こう おんを かんじ なき まう じやの せき ひを たてゝ 二六 時中の ねんぶつだうを 大いそにぞうりう なしたり此とき 千ばどの かまくらへ ほつそくの みぎりゆへさつそくに 鯉の介をとりあげ 池水月のしんの かめいをたてさせ ひめぎみを くだされその中に いでさし子をもつて ぐん左右がかめいをたてさせられ そのゝちぐんこうありて かまくらのぢき人となり いへばん〳〵せいとさかへけること 鯉の介が出世を春雨の たきのぼりといわふて まことに めてたら〳〵〳〵〳〵〳〵 手 〽チヱ さん ねんや 〽からご しやれ 山東両子店口上 春扇画 東西葦南北作 一どくしよ丸一しん形きせる 一きおふぐわん一雑形烟草入 一玉いん銅いん 石いんてんこく 品〻 浮書 司馬赤水 巳 二 政 文 卯 妻浮橋 夢市郎兵衛 東里山人作 蝴蝶夢幻譚全六冊 息子みもちあふぎ 豊国 国貞 家譜鳥持扇 画 おきく 幸助 勝川春扇画 東西庵南北作 一瀧登黄金鱗全六冊 勝川春扇画 此ほんは三人のむすこそのこのむ所の心〳〵に したがひてさま〴〵の人情をうがちかかいは おちぶれまたは出世をなすことわけをおめし ろくかぎつゞりたる艸ぞらし也 山東京山作 春 新 版 絵 双 紙 さいしき 三山東京山作 ずり 繪本東都喜佐子 珊画工名家合作 子宝船七人兄八弟全六冊 山東京山作 柳川重信画 京山作 仮名茶話文詁註 過入よみ本 右のこらず山山板うりいだし申候 御評判よろしく御求の程奉願上候 同 録 いつを白く 十三味薬あらひこ水晶粉は する大妙やく 右京山梨 むしば 一つけ薬 珊瑚酢包百銅 取次仕候 (基 廿七 地本 問屋 芝神明前 丸屋甚八