伊達道具鳥羽累 上・中・下編
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- 歌川貞繁畫
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- 場所: 江戸
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- 歌川貞繁畫
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- 日本語
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- 河内屋源七
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- ダテドウグトバノカサネ
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- 東北大学
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といへ
伊達
道具
團十郎作
上編国貞画
与右衛門
○
同回答を図することには第一回回回回回回回答案第一回答案は前回
□□□□□□
自序
一春日団を穿て炎暑を避秋天衣を擣て厳寒す凌ぐ
総領の甚六白痴おどしをやしかしても身頼にあらすして
跡へも先へも参りがたしそこで陳都韓退之が漢語を和
火がたの館棒を輩薬金の土翫する児女をして悦めんと生へから
思ひ月をとる猿猴の手の長物語懸河が弁のべちや
くちやなみ通り出しては鬼酢の道念も素足と不便の序文
文章にし○ぬ此作意是から始る三番叟是非に
一かきゆかき候へと叛元の需いなみがたく左あらば筋を
参らせんと採たる筆の伊達道具鳥の羽果とりあへを
その理を述るにこそ
市川団十郎識
四十一日本町
市川宗三郎
山風新平
といふならんです。
朱蔵
市川三吉
市川周十郎
市川新蔵入
市川園そん
松本小次郎
四十九日
市川高麗花
市川二至七
坂東長嶋十五丁
中山門三
男女蔵
伝蔵
嵐光
同十四日
岩井喜代太郎
市川三蔵
市川平次郎
市川三牛丈
しん上
浅草氏
□□□□□□□
三
□□□□
青川里
体
条
三
金谷金五郎
縮川谷与右エ門
かくとうふ尾小三後にかさね
のうちに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
よりかね八く
田原
まさおか
人上
仁木段上左エ門
実は
赤松満祐
一子
原田丸
直則
角力取
荒獅子
男之助
久我野小助
土手の
道鉄
渡辺
民ア之助
代金子
仁木
弁之助
直重
村上兵庫娘
沖の井
ほつたん
かつり物とはり春秋す百年のそむりし嘉吉元年六月すへの事かみよあら松まんゆうむほんをくはだてあしかよしのり
いをしめしまりしにはでもてもてんかんじやんして京脇に打ほぼろほされ其子ある松光水亭に打のこされしばたく娘に
身をみのびおちのびたる家のにちらとうをあくめほんざくまや北にしろを立づきてたてこもりしかどましなり公の神を
ほとさきすかと〳〵すじにちくじやうと見へしかばはなくしく一戦なしてうち死亡さざめけり扨又落すらにその子あり
そうりなりは東田丸とて十五才その弟は甲斐田丸すへば女子にてたかへ娘とこらびけるがさすがに身あいのあいの男をかけにりりこ
手をそばぢかくまねきらせわがうんめいすぞにゆき今をかぎりとおもへばわれはころう
なさんさりながら其ほうたちはまだおひさき有てもの皮やみ〳〵とてきのひづめにかけさせんもふびんなりいかにもして
くんにたぎ且此所をかちのびよとて平田丸にはあか松のいへのちやうほうよりその一くもんをあたへ甲斐田丸に八重よさにさ
草付し塩いなとのまへひめやはてものかゞみをあたへ姫のめのめのとにはりまといふ女ありしをよびなやうだいのせうもへは
名付し祓い左とのさへひめにはてりはのかゞみをあたへ姫のめのとにはりまていふ事
名付し趣いもとのさるへひめにはそのか。みの事なければあほうときにたのむそふひや子は一世と申せどもにかは
いうしておちいびんがさかへゆめはまだいとけなければそのほうよきにたのむそには一世よせと申せどもなにかは
には有べきぞちいのたいめんこそためしもなれさらは〳〵〳〵とたちわがれば三人のきやうだはよろひのくさするにとのつた
原田尻申合は情なきちたへのおもせらなそれがしとてもはがねの中に生れもはぬさんねん十三才ちゝの村のたた
いち〳〵見すておちられませうる此うへおやき子もろ共死出三條御迄せんと甲斐田丸ももろ共に思ひきつき人の人の
さきらぎことこゑをあちくけてなんぢらいかにおさなければとていかにをしらざるかとせおひしびゑびらやうなこと
かりしづくにこゝをおちよと申は此ゑびらにのこりしうはざしの先ほうむすむこれぼうしみればちさま
かみなをうけついでぢせつをまつてはたあげせよわれもひとたびとんぼうのかたちに
とにしよけうむなくまつ此とほりととんぼうむすび引ほどきうはざしとつて引しぼりさつてはなればくりけんと
かきあげ方やづくのはしらにたつとひとしくてばちにひぐときの三へ彦次郎くわんじと打立しあれとてひころおろしやう
てきをおびやすあいづのふせばい立ていたまふそのひまにとゝおちよよろひのそでをゆり合ながれ爰にしかたしかたいやから
せんときもな〳〵きやうだいちめぐにそこはりとなくおちて行かげしやるまで見おくりて今ははやすともめびゝのないとも
とりいだしか言いきあけてこま引とやらせその中にみつて入じりむじんにかけやぶりさいごの一せんはなくしくついやうに
かいて原田丸はまや山のしろをおちのび恋このほとりにかくれすみのぞみ有身なれば日と〳〵にくまたまたそうふ
ことへのき出んぞうしうし着丸いためしにならひそんじゆろどもがくのみに心をゆだれける○弟の甲斐田丸は甚右衛門のよくも
答へゆき出んぞうしうし若丸のためしにならひけんじゆつぐんがくのみに心に心をゆたれける○弟の甲斐の有
たつみこれもおはらのさとにしのびゐたりけるがある日くさかりわらべに打まじり小房かりにくらまのなきけるをかりにくら
けいろうつくしき山鳥二腰やれ〳〵しげに甲斐田丸があたりちかへ来りければ手とりにせんとあとをしたひつぎ人一事
まへのつゝきしおもはず山ふかく入けるがとある
岩かげゟたけばつ元のおゝかみ二ひき
あらはれいで甲斐田丸を
目がけとびかゝる折から
きかゝるはら田左言れとみゐゟ
なんぢこしのかまをもつて
わがするやうにせよと
刀をぬきまつかうにさしかざし
小ひざをたてゝしりゐに
をれば二ひきのおゝかみは
二人のうへを二三
とびこへけるがたちまちはらを
かきぬぶり大地へどうとおつる
所をおさへてのとくびを
さしつらぬきけり
○かゝる折しもあしかゞ
よしなり公あか松の
ざんとうをほろぼし
よし政とおん名を
あらため此へんを
かりくらし給ひしが
此ていをはるかに
よるいとはしり
給はずきよかん
給はずきよかん
ならめならずさつそく
ならめならずさつそく
てがゝりなりと臼をたくみにすじやうを
いつはり何とぞきみにつかへ奉りたしと
ねがひければさつそくおんゆるし
あつてさいはひきんしん
御らん有てある松の
ごぜんへめされ両人が身のうへを
御たづねありしに兄弟のものは
大もう有身なればこゝぞくつきやうの
のも
とのも
きぬ川与へもん
両人ともに
だん正と名を下され
仁木のようしと
左は弁み助と
ようしとなし給ひ
ければ兄弟の
ものかざりなく
よろこひ大もう
五才なれば
よばれきぬ川へ
子なければ原田丸を
なしたまひ甲斐田
せんしことは
しらさず
ゆくすへはしらず
だん〳〵りつしんして
ちうきかほにて
つかへける
世楽あしかゞ
吉金吉
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
止と申
まし扨はくろし
おとゝきよ
東ごくの大しやたり
しかるに心にしかるに
ようしたるだん正なをのり
よしまさいゟのつけ人より
しゆつとうも二につといふる
又よりがね足のおぶり
大江のづかう山鬼つら
なにとぞ
おいのよりかねを
うしなひ家国を
おうりやうせんと
どうきもとむる
なをのりをちやのゆ
など
なをのりも
さるもの
なれば
二言とも
一三丁
同心に
おわび
ひたすら
いんしゆを
此ほと
の折から
鬼つらどう〳〵
左金
吾
連参
なれば
にてしまばらへし
まいよくもよひしか
ふと三浦屋の遊君
高尾といふに
なしみいく
□□□□□□□
まへのつゞきうつゝ心も
なかりけるをたんじやうは
しすましたりと思ひ
しすましたりと思ひ
ながらわざとおもてには
ちうぎと見せかけ
折ふしかんぞんなしたるに
よりてよりかね公の
御目どをりを
御目ことをりを
しほざけられ
たれ有ていさむか
ちうやをわかたず
いんしゆにふけり
あらしゝ男の介とい
外記かけらいにて
ゐつよくたけ
ばつくんに
勇とりと
なり又ものながら
なり又もの
よりかね御山へ
つけおくは
すくれたれば
人もあらされば
こよひも又かよひぢの
おんともにはおにつらどのを
大じめ汐沢丹三大場惣番
木戸弥兵へすがのや小助
あらしゝ男の介といふは
分地心ありての
事なるべし
扨よりかね公は
高尾もろとも
あげや入の折しみ
あげや入のあしみ
むかふゟかうどうまへ
むかふゟかうどうまへ
がくどうふやの三郎兵へといふ
わちぎ一へんのおやぢとうふの
にもつをかつぎひたとゆきあひしが
よりかね公のむれをよげんとするはづみに
かたはらの色たまりにまろびしかば
としよられしおかたを此人〳〵の
がさつゆへ此ていたらく
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
さそかしものうく
きたるうちかけをぬき
ぜめてこれなと
きたまひて
風などひき
たまふなと
里そだちの
おもはるべしとじぶんの
高尾きのとくに思ひわかいものに
目くばせしてたすけおこさせ
あどなさはたつたつを
ぬふたるはでもやうは
いしやうを三ぶに
きせければ三ぬも
そのけたかき心を
かんじもみぢの
もやうのおいせうを
下さるとはせうばい
ものゝとうふのみより
かたじけなしと
あつく礼をのへ
かゞ
かへりける
着はたか尾に打もたれ
さんざめかした大さわき
折からきたるにつきだん正
金井金五郎といふ小ものを
めしつれおいへのちらんしまた
重三郎君は二人を見給ふゟ
そのぎを立んとしたまへば
〽おすそにとりつき重三郎
こはあさましきみありさま
きみはたいてくのぬしたる御身にて▼
□□□□□□□□
ある
もの
ねいじんさゆう
にあつて御身
もちをだしやうに
したるかんけいを
さとし給はぬ
おろがのみ心
よしまさ公
のおみにいり
のおみにいり
なばおいへの
だいしまのあたり
一こゝもはやく
みこゝろを
あらたる
あらため
おいへ長久の
かんけんなしければ
せいじこそ
しかるべしと
ことばをつくし
利をせめて
あるひはいかり
あるひはなげき
よりかね公は御いかり
しんとうにおこり
おんはかせに
お手を
一
給ふとみべしが
これしらぶが
くびはまへ
にぞおち
いたつべきいざごぞんじんにことすりよればよりらね公たまりかねすでにかうよ
まいらすればげん心をたちげにはつたとけたをしておく二かいへぞ入給ふ
ほとににつきは只一人むねんのなみだにくれゐたるかたへのざしきを
見わたせばけはせい高をきやうたいに打むかひかみのおくれを
かきあげながらなをのりをしり目にかげいとしとおもふ
わが君と此高をが中をさかやとなしたるそのむくひ
あの見すぼらしいなりはいなと詞のはりも
衣のゐぢなをのりふつとかゞみに目をつけ
てりはのかゞみ何ゆへおことがしよぢ
なすぞこりやわたしがおやのかたみで
ござんすそれをおやのかたみといふは
さてはまさしあか松のむすめの
〽さかへといふ事さとつたおまへの
ことばのはし〴〵もしやたづぬる
〽ヲヽそちが兄たるはら田丸
〽そんならいよ〳〵おまへは兄さん
〽いもとであつたか〽モンおなつかしう
ござりましたといふに仁木は
ござんすそれをおやのかたみといふは
鳥をがゑりがみとつておさへ
なをのりはな
〽ヤイこゝなにんがいめ此なをのりはな
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
いつしかちゝの御むねんをさんぜんものと
此とし用あしかゞけへ入こみじせつをまつに
あさましいおのれはかたきのよりかねに
まくらをかはしそれがほんいかこゝな
人でなし兄といふないもとでないと
高尾をはつたとけたをしてゆかんと
するをすそにとり付おなさけない
あにかへさまかたきといへとまことはお主
あにこへさまかたきといへとまことはお王
父うへこそおしゆうを打してんはつにて
まや山とやらにてやいばのごさいこわたしははりか
まや山とやらにてやいばのごさいこわたしははりまが
ひさけにてやう〳〵そのばをのかれ出てみやとへのぼる
道すがらかわいやはりまはやまひのかへにて
たんうだいにかけたるかゞみこそおぼへある
□□□□□□□□
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吉三郎がくびを其まゝきつさきにつらぬき給ひくらんじと打ゑみいかにたん正書いれらごときいんじやくけんぞ
日が大ぼうの心をしらんやんぢえむやくのかん夕なさば春三郎がめいどのたづれころへたるかたくびを目たさへ
つき付たまへばだんおはむらくともせず君とたかをゝじろりと見やりごししよは雪はほさをいさにて黒きをとげり
おとうちかづてんざりながらきみけいせいにたまらいをうづゝれたまふけまくらはがねなどが此なきのりが五たいに
おそうちがつせんさりおがらきみせいせいにたましいをうはゝれたまふむまくらはかため
かくづきいざんぞんごんにとすりよればよりらね公たまりかねすでにからこと見へけるをみな〳〵やう〳〵出だめ
仁木
此世をさりまたいとけなき此身ゆへまかさなき人に
此きとへかりわたされしももつたいないかみんなは太うへの
此きとへかりわたされしももつたいないかみんなはう
ふちうゆへせめておまへはちうきをつくし此いもとを
よりかねさまにそはせてたべおじひ〳〵と手を食事
せうたいなみだにくれにけるなをのりはみゝにも
かけずいもとながらもそのこんしやうては
われ〳〵きやうだいか
たねんの
ことも
▼小ひざをすゝめ
われもさは思へとも
そのねいじんといふも
そのはいりといふも
たれ給ふわか君の
おちごたる鬼つらどの
お主のかたはれでなきならば
何とてあんのんに
おくべきぞ●
打て
わざはひ
のねを
たつべき
ぜひも
なき
ありさまと
てをこま
ぬいて
もくねん
たり
なに
思ひ
金
五郎
詞を
あらため
何とぞ
ねを
高
同丁
すはつでう
此うへは
うじかにおくへ
ふみこみよりかねめを
一うちと立あがるを
文ももすそにとりつきて
むねをさだめてもふしあにさん
なるほどおもひまはせばおさな
心にもおほへておりまする。今への御ゆいごんとめはいたしませぬさりなからくわは人日おほければ
しそんじがちこよひ四条の長洲より高尾丸と申上手にめされておくりを〽ヲさすがはいもと
廿三ツの月しろのあがらぬさきに小ぶねにさほさししのびより〽とは木のかほりいたんぜん
はおりがよりかねさま〽こりやゆき。なれ〽たかをはおくへいるあとへ小ものゝ金から仁音がそぞへ
さしよつてさいぜん小かけにうかぐへば情なき大そのゝ思るまひ忠しんむ二の重三郎をお手うちこは
申すもおそばにねいしんづきそふゆへとちうぎにとつたるむねんのなみだ仁木はこゝぞと▼
十二月十一日
かほ
一二二ノ
しさいは
〽おいへ
夫とつく
のため
ため
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
をひぞかに
打とりはらかつさはらかつさはらかつさはらかつさはらかつた
あいはてんあなたのごからい
でをるときはうるいまい
なればして
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
あかのたにんおにつらどのをといふににつきは思ふつぼ
〽ヲゝあつはれ忠しんかんずるにあまりありのぞみに
まうせかんどうなさんとはいへあたらちうぎの
わかものを〽おいへのだいじにかへられまする
〽できたとありあふすゞり引よせいとまの
しるしとかき物わたせばおしいたゞき
〽一こくもはやくそれとおくをめがけて
ゆかんとするをひきとゞめ〽こりや
せく所でないうちとる所はこよひ
ながすの十かふ〳〵とさゝやいて
一ながすの十かふ〳〵とさゝやいて
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
もをつおいつ一トまの内を立出る
あとをしとふてよりかねはい
ちどりあしに立いでたまひ高を
こゝにおぢやつたかけにそれにをる
こゝにもちへつたかやうそれにをる
仁木がしゐべ金五郎とやらこゝへ
まいつてよがかたをさすは
こりやたかをこよひ
身うけと申すれば
身がおくじやなんと
うれしいか〳〵と
うつゝたわいも打の
うつくたわいも打もたれ
君の御きげん見るにつけいとゞ
かましさをしかくしいやでごさんす
かましさをしかへしいやうでごさんす
〽アくそりや又なぜ〽いとしい男の
だめにもといやなおまへに身を
まかしたとつとめのくかい身うけ
されてはいゝかはしたおとこへしんぢうが
たちませぬ〽シテいひかはした男といふは
〽サそればな〽たれじや何やつじやとせきに
せいたるよりかね出たかをはふつとおもひ付
〽わたしがいひかはしたおとこといふはさいぜん
おてにかけられし重みらさまつねさへいや心
わが君さまげんざいおとこを目のまへで
ころしたおかたへどうまあ此身がまかされ
ませうおつとのかたきおかくごあぞばせ
まへのつゝぎやつはりしやうころしかんどううければ
とくわいけんさかてによりかねの
はおりのひもをふつつときりヱゝ
しそんぜしか口をしやとむしやぶり
つきもみあふはつみにはおりは
ぬけてよりかね公日ころの
御たんり千百ばいしゆはかせば
ぬきはなしすでにかうよと
見へたる所を金五郎やいばを
くゞつておしとゞめせんきんのどは
けいそのたとへこるがけいせい
たかゞけいせい君のおん手に
かけられなば御はせの
けがれやう矢神へのおそれ
かれが君にしたがびしも
そむきしも君をなき
ものにせんとねいじん
ものにせんとねいじん
ばらのはかりこと
とにもかくにも
十一
此ところにおんいりあつては
おん身のうへよろしかるまじと
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
しはれて御かんげんまみかしければ
よこしまなき
みこゝろにてつしてや
〽かゝ金五郎とやら
よふいふたういやつじや
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
いかにも下郎が
ことばにしたがひ
やかたへかへろう
〽さやうならばいやしき
わたくしがことばを
豊後丁
いれ有て
〽くるわの
さけも
さめ
さすかたまの御心ばへ
さやすい
よきもあしきも
すみやうにゆへんと
一万両たまふ
これが人世のもいて
からし守
むせびなきあめん
つてはせわかき
くにもないあいことし
もみんおあなたりお
のため一もめれも
此ところにおさ申所
いふにいはれぬあに
さんのわるたゝみ
つき□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
伊賀とも此方にしうけ物の吸物もびませりてぬきすで給ふたんぜんどおり有しのげように計て矢のふたみたたしやうにいたしやうには
も前へ出きよしむり出たお女つらき木をはじめ一味のものゝ来たふ心をはくるしめにめろしめにめきく男の介〽女よは〳〵出る〳〵出る
よりくねどのはこよひ人恐れずがいすはかりをめぐらしたり此かへつる喜代との旅人しれずうしなはんと思へども仕出み聞と聞き
もりければなからも事あさきそれゆへおらば惣直にをたのみ出たへりこそのごとくは〽ねてはやうがふ出しおきたりけんいやうの
ごくやく折を見合せごくさつあれとわたせばとめてくらうなし〽これにて太はんはかりことなれりまだのかへにもぬんを入さきたんより
こゝろへおきたりと成は何はしら木の箱をとも出しきおしいよき穴にとりたすもらにんとやうと白きぬのしよふといふともなん
きやうへ甲八本のへきを打そと聞て九日があいださねんなすときたほうちへ命たつとの事武しらさなのく見へしまはためを
はゞかりはかんほりやといふ薬をもつてもためたりきり出し血をもゝけばたちまちぐらんほとはためも上の上の上のことを
といいしゆべしや子たのみてうろくさせられよとそうゑ思ふあたしとりかねつる衣代をなきものものとかへはちが〳〵にもににももり
のほか外住さへさんになくづくをおたせていりことみあしおきたり又才屋がしんぞうきくのといふ火に火おとくんの介とねんこちいよし
まつ物の用によつべきやつかれは身かけなし何かからの用紙はからはん此うへより手かいへのかぎめに出くてかなはぬ国家はがこところの
か血をそけはたちまちももあつまよし其夜のしゆんしゆでしまてはな記二にはすんんやうちやかりしか無の心にしららせ
〽キハかにぬすしたらせしかばこんぶはしゆうおのかんどうけるらうの身のうへるぎはそのまて女の介におきしがこれも
そうちつゆへよらふき石川のかんどうかけれとをうどうまへかことそしややしくしとう兵へといふもこゝ内にしのびをれば木戸ねとへこよひ
うけたりかへられよはれ〳〵はこれは立かへりなをもなをもどを太いし小はさんとみな〳〵打つたしうをりをりをりからふ男のすけ
こかけひぬつといふ木戸弥兵へをとつておつね〽又やひそ衛仁木がことばやらすいしりとわからねと正宗のたんとうをうけとりにも
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原田丸さまへ妹さかへ事高尾ト有之
又はおりのうらに
思ひわび人の心の風をあらみ
秋にもあへずちるもみぢかな
我にもあへにちく
といふうたをかき
かたはらにてりはの
かゞみおちゝりあり
ければさしもの
金五郎
したを
ふるつて
ふるつて
打お
ろき
さては主人と
たのみしなをのりどの赤松のざんことう
にてあしかゞ一家をほろほさんと
かねてのくはだてわれおにつらをうたんと
いひしを
さいはひに
十十十一
十二
まへの
つゞき
かんじめく
此事
われゟ
ろけんせ
西陵冩四年
大とのゝ
一だいしとなかしにしあんしてかの
あふぎをすん〳〵に引さきてりはの
かゞみをくれいちうなしいづく共なく立のきける
○かくとうふやの三郎兵へはよりかね公の
おともなしおやかたをさしていそぎけるが
あゆみならはぬ道もせにはかとらねは
つぢかごにのせまいらせ其身もかごにうち
かりてかたしのげたをかごにつけていそがせける
あとをつけきし哥の介折といゝばしよといゝ
此
うかどひしが二てうの
かこのめぐしに
まよひためろふ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ところにあとなる
よりかねめを一つきにと
かごにかたしのげた
これこそまさしく
よりかねとかごの
たゞ中つきとほす
内にはわつと
たまきるこへ
ゑの
わけ
次に
七七
折からく毛まをもわ月にしがいをみれば
よりかねならぬ三郎兵兵へなむざんぼうと
見やるむかふへほうかむりいぎせきとして
きかゝる弥兵へそれとはしらず
弁の介いせうのもんに目をつけて
扨こそ金井金五郎慈のかたき
こねらいよりてたゞ一うちに
いひはざんぶり川の中あら
心よやとのりおしのごひ
よろこふ所へ又もきかゝる
人おとにとあるこかけへ身を
しのふ神なしぬ身のかなしさは
小三はいぜんの袖をたづさへ
おつとこゝろへねみへがあとを
おひきたり父が死かいを見て
ぎやうてんなし見まはすかたへに
弥兵へがしがいを金五郎と心へ
なげきかなしむことなか〳〵ことばに
引ずりだしおこしもたてびとゞめの力
つくされずあたりにおちるかたなをとり上ゆ
一
□□□□□□□□
むねんの
なみだに
くれゐたが
じぶんはよし
と弁の介
たちいで
道より
きかゝり
▼此ていをみて
ぎやうてんなしたる
そらなみだ
そらなみた
さいぜんのこはいけん
にて今こそ
あくねんぼつ
きせり
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いづくの
次へつぐ
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一
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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伊達
道
具
中
編
伊達道具鳥
中之巻
羽黒
東船堂梓
申候
二月
一
十一
まへのときいとあどけなきあんせの内にもてんねんと人をあはれむんことはほうさしてあがらせ給ふあとに
伊藤は外地さへもんをゑり同にかけ〽おいれがたれけんして春もなき下卒を身がはひきやうしごくのこしつけ
さむらひ死する時死ざれば死するにまきはぢはぢとりしとは古人の食ひくちてもたすかに分はおしへ物ときをいそする
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なまふろもいちどに立よりすでにひやらしをすめける〽いづゝ井つゝゐつゝ水は清けれどつざはりによしをこと
とも。その心をしむへあらばよろ〳〵〳〵よふやな〽申のだんわけ」鬼をあざむく早立助主人にかはるましんの其身すまとふへ
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くもちかなしてたち上りうへのきようをすらんと二定めさしてかけあがる外池左衛門はむおも上つろけへとやむ
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〽ヤレ橋がへどのよへこそ来られられいふと立聞て閨の介〽あらあやしや今夜之助てるなをねへじんばしがたくみ
にて我しの御身あやうくことにしほむにの外記左衛どの命のせとくのしゆゑまつしくらにかけくるあしもと思わだそ
ひろくとぶねづみめおいれもたこのねづみじやきあるめへ此まつがそがてやせんのほ身にきつとさへて見ろとはつしと
打れて男の介が下のつけにそりえるを見出立らず関之助三重さしてかけ上るあとをしたへて男の女またも
三重へかけ上りよりかね公のちやかんかつ手にとりすがり御きゝ入なき大とやさまとうらみやげばよりかね出又しても
あやしきれづみあれ松がそとりのけいかしたと引のと引の間にてやくなさじともとあふはづ参元のうち
こぼれてかたへの鳥かどにかゝるとひとしくこちうの小音こと〴〵く羽をちがて死してけりさてこそあやしきやもん
の内よろすはさいかひ此ねづみと太刀無双の関し助ねづみの口へつぎをあつとくしみ出火み助かんとおちたる二重めの
お紀左衛門がたなをはらへさしつけながらうへのやうすの気づらはしくしばしためちふ其東へうへゟおちたかいぜんのねすみよろ一
ぼひよろて呑やはもつ手にとりつけばじめんどうなと外記九め持まかためとりなほしはつしと切ば男のやうんと
のつけにまろさかさま三重目にはとしもといくのたゝみあらはれふてきの女くわいけんさかてにぬきもつてより手のがけ
とびかゝるをおそばにありあふ国の母およばぬち迄ざいひけるほとくびすじむんずとわしづかみぢんになれと
なげおろせば中にてひらりと身をかはし大地にあらぬ池の中たんぶとおちて水来りかほへそゝげばきのつゝあらし
いくのはほう〳〵はいあがり命から〳〵にけて行〽〽レはやまりたもにおもににもつはぬおとし
いくのはほう〳〵はやあがり不下から〴〵にけて行〽とはやまりたもふが大といぬじにあるな御主人とよばよるこへを
はじめてそれときことめ人〴〵子の刻刻すきて男の女もとのすがたに並へれどものくつらにたらしよいふる手
人々うへ千お日来りかへほしさり〳〵しさいかにとたづぬればいぜんの一くわん一つうもろ共さし五介がはくぶう仁木
つくのがたくみいち〳〵しさいつぎに物がたれば扨はん〳〵。きりてなしさはしらずしてねずみとおそあたらわるもの
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かはふしんでいくはじんなりとのおやとば外池左衛いぎをたゞしてこは有だき女せかなことさら日ごろにかはかはるわが
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てうとうけとめてむかふをきつと見をとせばくもきりふかくたん氏がすからをおほひ〽かゝそみあとして恋ざりぬ
だて
○こゝに
外記
さへもん
がせがれ
渡辺みんぶは
主人より
あづかる所の
まさむねの
たんとうを
うばはれし
おつどによりて
同断
供米
一
□□□□□□□□□□□□□
千客万米四斗弐升
御やすみ所
しやうおやの
かんきをうけつまのおやゑ
一子六之介もろ共ろう〳〵の
身となり北さがのへんにわび
すまひなし其日をおくるべき
たくはへさへなければとうけ本けの
うらかた人相しゆりのおんぎやうじ
となりてほそきけふりにうき
とし月をおくる内にもこむね
のせんぎに心をくだきけるが
いかなるぜんせのあくごうにや
此ほどはからず目をわづらひ
しだいにおもりてもうもくの
ごとくなればます〳〵なんぎに
およびかまおやゑには清水へ日参と
いつわり六才になる六の介に手を
ひかれ其身はあみがさにかほかく
ひかれ其身はあみがさにかほかくし
日々四条がはらに出てゆきゝの
一人にものこひてかそけき命を
つなぎけるがたづぬる所のこたんとう
わたらひや金兵へといふしち屋に
ありとほのかにきよしこにいたりて
かけ合けるに其あたひ金百両也と
さゝとびたつやうにおもへども
そでごひさへする身なれば百両の金
とゝのふべきやうなく心をいためゐたるに
わたらいやゟはかのたんとう外よりのぞみて
あるゆへ明日をかぎり其方へかりわたすべき
たいだんにて日ぎりてつめになりければ
みんぶはいよ〳〵とうわくしたるばかり也
○さて又土手の道てつといふしゆがん
じやありよくにかゝればくまたかまなて
つかみづらはるおゝばそうゑきわるもの
どうしの二人づれ四条がはらのちやみせに
やすらひそうゑき白木のはこに
一つうそへしをとりいだして道てつに
わたしこゑをひそめていひけるはこりや
これかねてたのみおきし仁木どのつるきよ
丸をてうぶくの人形ならびに白きぬの
ぐわんしよまつたこれなる一通はぐわんもう
じやうじゆせばほうびはのぞみしだいと
仁木どのじひりのそへ状これを其もとへ
渡すうへはかならずともに〽ヲツトがつてん
ぬからぬわれらさつそくほうりきみせ申さん
さて五かねて仁木どのごしよもうとある
まさむねのたんとうも今日中にごそう
いたさんこゝは人目もしげければしよじは
かさねてしからばとたがひにしめすあくじの
目くぎそうゑきはわかれて出るそのあとへ
これもおなし
ごうよくの川ば
つたひにわたらいや
金兵衛道道を
みておなじ
しやうぎに
こしうちかけ
たがひにあいさつ
ひて〳〵ごゑ
さてかねて
たいけの御よろう
仁木どのゟ
御しよもうの
此まさむね
のたんとう
よろしく
ごすい
きよ
たの
み入
にしきの
ふくろ
に
入まゝ
にて
せば
道は
てつ
とつて
せうち
うけ
とつて
いか
にも
しからば
いさい
こよび
ぢうに
とやくそく
かためて
わかれけり
○あら
いたはしや
わたなへみんぶ
この日も
四条がはらに
おこひして
ゐたりしがたんとうの
日のべもあすぢうと
せつはつまりてとつおいつ
しあんにくれて心もそら
ぼうぜんたる其かたはらに
一子六之助ゆきゝの人に
ものこひつかれすや〳〵
とねふりゐたり
扨道てつはわたらいや
金みへよしまさむね
のたんとうをうけ取
次へつゞく
わめくこゑにてきのつくみんふ
目はみへねども武士のはて
道てつをしつかととらへ
わきざしをばひかへし
やつともんどりうたせて
なげつくれば有てつは
あんにそういしわきざし
の身を入かへしとも
いはれねばいかゞはせんと
とほうにくれてゐたりしが
何か心にひとしあん
みんぶははからず正宗の
につくきとうぞくふとゞき
ひとりうなづき立さりけり
〽とゝさま此ほういんがわきざしをもつて行と
まへのつゞきたちまち又一ツのあくしんおこりなにうなにうなづきてかのみんぶが
そばにありあふわきざしをそつことうぼひてかのまさむねのかたひのなかみと入かへ
立さらんとする時に六み助目をさまし道てつがすそをとらへ
おぼろ月夜に
おやゑがかほを
見るゟぞつとおもそら
〽ヤアそなたはそうか
じやのテモうつくしい
しろものはらの四文で
あきなふとはなんぼ
もとでのいらぬ
せうばいでも
たんとう道てつがわる
たゝみにてわがてにいると
いへどもそれとはつゆ
しらざる神ならぬ
身こそぜひなけれ
○さるほどにわたなべ
みんぶがつまのおやゑ
おつとが袖ごひする
ことはゆめにもしらず
うきかんなんの其中に
かてゝくはへておつとの
がんびやうたんとうの
まり
やすい
どりや
口あけ
ほうじやく
ふじんの
ていたらく
おやゑは
大きに
めいわく
ありしよはしなれど
あたひの金のくめん
なければてにいらず
おつとを思ひ子を思ひ
ちゞに心をくだきつゝすこしは
くろうをやすむるためにもと
これもおつとへはぎおんへ
さんけいといつはりまいよ
四条がはらにいでゝ
其身を
そうかの
ていに
いで
たち
ゆき
きの
人を
とめ
はだみを
けがさず
おつとの
やまひになんぎ
のやうすを物がたり
なさけある人にすこしづゝの
かうりよくをうけ其日をおくるたすけとぞなしすける
○折からきりゝろ上手の道てつ〽さてけふは目くらどうぜんの
ろう人ものとあなどつてかんじんのまさむねをうしなふたゆへ
せんかたなきに其まゝわたらいやへかへしたを中みもあらためず
うけとりおつたはそゝうなやつとひとりつぶやき来りいゝ
いゑ〳〵
わたくし
じつは
かやうと
なんぎのわけ
を物がたれど
みにも
いれず
なほも
むたいに
せりあふ
はづみに
はつみに
道てつ
さいぜん
そうゑきゟ
うけとり
白木のはこを
かたへの川へとり
おとしなむさんぼうときものをぬきすて
川へざんぶととび入ぬおやゑはうれしくはやう
此まににげばやとあたりをみればかの
此まににけばやとあたり
白きぬのぐわんしよとだん正よりのみつしよ
おちちりありしをきのせくまゝてぬらひと
一はながみなりとこゝろえて
つゞきひろひあけたる其折からさつとふりくるに分あめかの
しらざぬにてつむりをおほひあしばやにかけいだすそれやつてはと
道てつが川よりあがりおひ来りのがさじとせりあふたり思ひかけなき
こかげゟりつはのさむらひたちいでゝ有てつをなげのくれば
とりやたまらぬとにげ行けりおやゑはうれしくかのさむらひの
てうちんのあかりにてかほみればわはいかにしうとの外記左衛門
なればはつもおどろきこはとゝさまかともいはれぬぎり
こなたもそれとみてとりてよめかともいはれぬしぎ
}
てうちんばつたりうちけしてやみはあやなく行すくる
おやゑすやみちをあしはやにやう〳〵にげのひほつと
ひといきつく所にこなたの小かげに小ちやうちん
しよんぼりぬれてたゝすむおやふちかよりみれば
おつとゝわが子とうれしやとはしりよりもとより
おつとにかゝすことなればなんきのやうすを
かたられもせずむねなでおろすばかりなり
かたられもぜひむむねなでおろすばかりなり
みんぶはやう〳〵おちつきたるていにてまいよの
ことゝはいひながらこよひはあまりおそいゆへとかふ
あんじてむかひのためくることはきたれどもにはかあめに
目かいはみへず竹なんぎとつまをいたはるおつとのなさけ
女房おやゑはうれしさかなしさむねいつはいちやうちんさへ
あめにぬれてかみはなれたればよあらしにふきけされじと
さいせんひろひし仁木がみつしよをそれともしらずふところより
とりいだして半ぶん引さきちやうちんのやふれをつくろひ半ぶんは
又ふところにおし入て打つれてこそかくりけれ
○さて其よくじづになりけるがわがわきざしとまさむねと入かへ
ありしときもつかずたんとうの日のべもけふをかぎりと気も
そゞろうでくみしてしあんのてい女房おやゑらゝけさにいたりてやう〳〵
そゞろうでくみしてしあんのてい女房おやゑらゝけさにいたりてやう〳〵
かのしらぎぬをわがてぬぐひととりちがへしことをしり折ふしおつとの
しゆばんのそでつゞれのごとくきれたればかのしらきぬをしゆばんの
そでにとりかへつゝ心の内におもふやうたとへおつといかほとしあん
父がたもとにとりすがりおなつかしやおや人さま
目さへかなはぬ此ざまにてお目にかゝるもめんほく
なしといふをもかまはず外記ざへもんはつたと
つきのけわが子といふもけがらはしやなんぢが
うしなふ正宗のたんとう今にありしよ
しれざるゆゑ此せつ
あくぎやくたる
につ
□□□
きと
たい
けつな
たとへ
かちても
おいへの
つぎめに
なくて
かなはぬ正宗なけれは一大じ
又其うへにつる喜代君定なしと
いへる御やまひわか君と同年の小児の
いきちをもちひざればほんぶくなしと
あれどもたとへたいしんのいきほひでも
一金にかはれぬ人の命正宗いきち
二品ともとゝのはざればとてもかゝても
おいへのだいし君へたいし奉り
いよ〳〵かんどうゆるされずと
ゆうぜんたるありさまにみんぶはしゞう
をくはじくきゝ心にうなづきい入に向ひ
ごくろうあるなは又うへ正むねちしほ
両やうとも今日中にお手に入ん
〽やゝなんとすりや其ほうに心あてが
〽いかにもたしかにござります
〽いかにもたしかにごさり
おもそのかたがなきわめいて立かへりこれかゝさまわしがたこをとも
やふられしとわやくにせがめば母親は其やうになきやらずとも
みろしよのかたしをとりいだし心せくまゝそれとも
しらでたこのやぶれをつたりへはきげんなほして
又立いづる表のかたふかあみがさのりつはのさむらひ
かけ札に目を付てこせものまち人ねがひ
のぞみとあるからはふんじつのたんとうの
ありかのしるゝこともやとつつと
はいりてあるじにたいめんいたしたしと
あみがさとればくはいかに父外記
ざへもんなれば女房おやゑは
はつとばかりきづもつあしの
ゆふべのしまつなにと
ことばも出ざりけり
かに
したまふとも百文のかねといふべきようもなしどつて此身を
つとめ奉公にしづめてなりとゝ気はつけどおつとの心をはかりかねさする
それとみていひ出さずぐわんせなき一子太郎親の心はつゆしらず
よいことをどりやつくろふてやりましよとゆふべひろひし
わしらは四条かはらへでるそうそのせはするものでごんすが此せつ
しんまいのよたかめが出おつておらがぜうばいのじやまするゆへためして
見ればこゝのないぎぜひなかま入させにやならぬそれかいやなし合じや〳〵
とたかごゑあげてわめにぞ女ぼうおやゑはきへいるばかりおつとみん。子も
こゝの御ていふもちまへのせうばいありながら四条がはらでものこひする
うへからはおしがなかまへ入にやならぬととや〳〵とおしこみてろかせきたるあり
さまにおどろく女ぼう〽みんぶはたゞあきれはてことばさへいてざりけり
六の介はかへりきてとゝさまかゝさまこりやどうするのじやとなげくは一しほ
ふびんなりしよを立ざくおもてにてかどゟおもりりつばの町人びやうちうゆへ
つきんはごめんと入来りたちさはぐやつばらをかたはしからつきのけてどつかと
座せばぎうもひにんも大にいかりきさまは何ゆへおしがしやまするのじや
〽其汁こそかんとうゆるすしからばのち
がたまづそれまではわが子にあらぬ
ろう人ものしかと申つくるぞとやくそく
かためてかへりける折からおもてさはがしく
こゝじや〳〵とわめきつゝわるものつぐり二三人
あんないもなくこみ入て〽こりやこゝなごていはこなさんか
おどろきたる折しもあれ又もおもそさはがしく二三人のひにんとも
〽ヲゝしやまはせぬ金くりやうこれもつてかせおれとなけ
出したる金五十九日によろこぶぎらひ人
これは有かた山ぶきいろ一人まへ一両ツゝこりやし
けつかう分おさばきとよくづらはつていてゝす
〽ふうふはゆめにむめみしかどく〽あなたは
こんと
したり
けるに目は見へ
ざれともみんぶは
こゑにてそれと
いづれのとなたにてたゝ今のなんぎをは
〽アヽ御ふしんはもしらせつしやは嶋ばらの
くつは三郎や才兵郎兵へと申すものちと
からかたを出たのみ申さんためとりかゝりで
かどにてこなんぎのてい見かねたるはせつしやがすんし
さゝい出ことゝおちつきがほみんぶはあつくれいをのべ
だて
〽つゞきとかくするまに女ほうおやゑ
つく〴〵と思ふやう女のあさい
心からあられぬことしいだして
はづかしいすかだをしうとに
見られそのうへけふの
わきざしをとりいだし正宗とはしらずして身とへが
イヤかくまい武士がたゝぬとしあんのてい何思ひかん
まへにおき〽いかにお町人みすしらす少われ〳〵
さいぜんのかりよくうくるいはれなけれは
此わきさしはせんこゝの人王
しちおもあづけ申
此しまつとても
かくてもいひわけ
たゝぬ此みのうへ
しなねばならぬ
ところなれど
けふにせまつた
おつとのなんぎ
いつそのこと
此身をうつて金
とゝのへなんきを
すくふがまだしもと
思ひ切て〽もし才とへさま
とやら見ずしらずの
はれ〳〵をすくふて下さる
お心にあまへ此うへに又おねがひが
ござりますぐらんのごとく見るかげも
ないおつとにわたくしはふつ〳〵あいそが
つきましたゆへどふぞおまへわたくしを
どこへなとつれていておせわなされて
くたさりませそのかはりにあのおつとへ
手切の金を百両やつてくたきりませと
くしさにはぞつこんうちこみましたつれていてつとめほうこう
〽ではないせわいたそう〽くれこちの人さり状かいて下さんせ
きいてさすがは見てとる才兵へヲゝなるほどそなたの
天王太夫
万
〽さてかやうにひとこし
もたぬ
それがし
一
よりは
町人
とうぜん
うぜん
女ぼう
くるしからず
百両にて
この女
どうぞ
かゝへて
くたされ
ていとう
し
身を
くだり
たのみ
○才兵へはいかにもせうちと
さつそくせうもんしたゝめて
印ばんすへさせくわい中ゟ金子百両
とりいだしたがひのあいさつそこ〳〵に
わがあり来りし四つでかごをさいはひと
お八重をのすればこみ助ははしりより
己かゝさまおまへはどこへゆるしやると
したふわがるふをふり切てたれをばつたり
〽女房ともなんにもいはぬかたじけない
〽こちの人まめでゐて六の介がことゝ
いひさしてわつとひとこへ
あとにのこしてはしり行
〽あとにみんぶはなにや
かやとりましへたる
かなしさにわつとひれふす
男なきときまなぜ
ならしやるととりすがる
六み介をみればみるほど
むねせまりせんこく父うへに
やくそくかためしわかぎみの
くすりとなす同年の
小児のいきち此六之助を
ころさねばならぬせつは
思へばふびんやものゝふのいへに
生れたるとしはもゆかぬ
おさなごに柚ごひまでさせ
其うへにちうぎのためとは
いひながらおひさきある
みどり子をわがてに
かけてころすとはすへし
つゞき
けるにかの町人かごをおろさせたれをあげておやゑにむかひ
〽わぬしはわれを見おぼへざるやことづきんかなぐりすてたるは
これすなはちどての道てつにそありける
〽おやゑはびつくりして〽さては▼
〽コレおろう人
どうじや〳〵けふ中にかねが
できねばばんにはほかへ
こりますぞやとさんとう
たづさへ入来れば〽みんぶは
やう〳〵なきがほかくし
〽いかにも百両ちやうたつ
いたしたればたゞ今
すぐにかいとゝんとかの
一百両を金兵衛にわたしければ
たんとうと引かへにして立かへる
○ほとなく入くるちゝ別記ざへもん
しゞうをさつしてしほくと打とほり
〽さいぜんの二しなは〽ハゝいよ〳〵
ころひましたとくだんの
たんとうあいわたしはやよに入ばかのやぶれたし
てうちんに火をともしてさしいだせば我
あらためみて〽わくこりまさむねならずま
にせものうろたへものめというりのていはんぞ
しゞうどをうしなひとほうにくれた
折からに又立もとるわたらいや金兵衛
〽こゝなろう人の大がたりめよう出れに
にせかねをさづけおつたなたんとうを
かへさばよしいなといはゞ代くはんしと
じやと金なげかへせば外江左に
あらためみていかにもこれは
にせがねなにゝもせよあぶしいやつ
正宗のたんとうのそのおきぬしの
せんぎのてつると金兵へをとつて
おさへたかてこてにいましめだりさて
外池ざへもんてうちんに張付ある
ほぐに目をつけこりやこれわかぎみ
てうぶくのみつしよおしいかななかばやぶれは
名上なしなにゆへこれがとあやしめば身
せんぎこぞ女房おやゑがてんのゆかぬはさいぜと
町人にせがねをわれにさづけつれ行し
すりややつはり女房までがぐるになつて
したしごどかにつぐきやつとはがみをなし
かたなをつゑづかけいだすを外記
ざへもん引もどし〽こりやまて今
一品のよういはいかに〽あゝそれこそはと
なきねいりにふしゐたる六之助が
ゑりもとをとつて引すへるむみ
だふつといふまゝに下かたなにさし
つらぬけばさつとたばし而ちしほをば
うつはにうけてさしいだせは〽ヱゝでかした
ゆがれおや人さま〽外絶もみんぶも
はりさくばかりのむねおししづめ
〽外記〽あとかまはずと〽みんぶ〽さいせんの
一町人めを〽外記〽ゆけ
○こゝに又えぶがつまおやまは四つでかごにのりて
はるうにゆきけるが人ざとはなれたる所にいたり
〽みんぶ〽さいせんの
にたり
さいぜん
思ひ
かど
すがた
かへたれば
おつとのぎ
なんぎ
うへは
もとより
此身は
すて物なり
道てつ
〽かたを
やすり
ほくす
さつきの
金はみな
にせ金で
きうや
つゞきそのけいりやくは
きのふ四でうがはらで
入かへおいた此わきざし
とりかへそふため又一ツ
には白きぬのぐわんしよ
とそへ状のみつしよ
せんぎのためとても
かくてもだいじを
しりたる女いやでも
おうでも女ぼう
にせにやならぬと
しゞかをきくより
おやゑはむきんの
おやれ
たゝみてあつたかくいつい
とも此よらみをはらさんと
むしやぶりつけば
じてぞのやらすではとても
あま江にはやくまいそれ
と二人のかごかきにめくばせ
どもくみな
道てかと
あいすりの
ものなれば
おやへをとらへて
松のこほくにしはりつけ
なほもさいなむその
●此所へおつかけ来るを
おやへはそれと見るよりも
〽くこちの人ようきて
下さつたさいせんの
大がたりめがといふ内
二人のかごかきとも
いきつゑおつとり
そうほうより
そうほうより
みんぶがもろひざ
したとか
にうつ
みてぶは心とりみだし目かい見合
かたなをつゑにころぼひつゝ
だて
●みんぶは
たをるゝ所を
なほきびしぼうずとめになし
〽コレおやかたこいつめを人じちに
女めをくどきたまへとへてつが
そばに引いだせばみんぶは心たけ
そばに引いだせばみんぶは心たけしと
いへどもふいをうたれてかたいきになり
けふはいかなるあく白にてさま〴〵のうき
めにあひ今又なんぢらごときそはいどもの
てにかゝるとはいかなるすくせのむくひにて
かくまでぶうんにつきはてゝぞとむねんの
はをかみならせばおやへは此ていをみてこへを
かぎりになきさけび身をもみあせれど
かいなきなは目有てつはみんぶをそつかにふまへ
いぜんのわきさしをひきぬきみんぶがゑりもとつ
さしつけ〽やい女めわるくじや〳〵はりだてひろけば
こいつめが命のせどいきのねとはるが芦どうだ
とあくまでひどうにみんぶはこれまでとろゝこして
手ばやく道てつがもへたるわきざしをうばひとり
わがはらへつき立ればおやへは見もきやうきのごとく
なほ身をあせるにはましめのふへきやうぎのごとく
なほ身をあせるにいましめのなは松の木にすれ
ふつと切れば其まゞそばへかけよる折からあらあらしきや
夜中なるにあまたのすゞめむゝがること見へしがたちまち
たんとうにちをあふせはあまたのすゝめむらがるよしもしやそれかと
くも間をいづる月かげにてやいばを見るにまがにかたなきすくわく
みんぶやまなこをくわつと見ひらきつねのごとくあきらかになり
ければみんぶはぎゐの思ひを置しつたへきくおいへのちやうほうこむねの
まへのつゞきふんじつなしたるたんとうなれは
さては此かたゐのいとくにてわがかんびやう
いゆなしたるかとよろこびつゝ
ておひながらも立あがり道てつを
二つきにつきころしつゞいてかゝる
二人のわるものいち〳〵に
くびかきおとし
あらこちよやと
よろこびしが
ふかでに
よはり
しりゐに
どつかと
べし
たりけり
おやへは
□□□□□□□□
ことゞも
あらましに
かたりけるに
みんぶはくつうを
しよびいゝ
〽さてはきのふやゝ条
がはらにてわがわきさしを
うばんとしたるくせものも
はいつにてありしかはからすたんとう
くやしけれといふころはやよはほの〴〵とゆわたり
みんぶがちやくせしじゆぐものそでこと〴〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵
わがてに入しをしらでさ夫〴〵かんなんせしこそ
ちにそみしを見るに石すりのごとく
もんじあらはれこれをみるに
つる喜代君ちやうぶくのぐわんもんに
そこなたのながれに白木のはこ
内にあやしきわら人形をつくり
入たるがながれ来るを
おやへは
てばやく
とり上
これ此
二品こそ
道てつか
みづから
口ばしりし
人かた
ならびに
きぬの
ぐわんしよ
なりといへば
みんぶはちやう
ちんにはりありし
ころしよのことをお
さるにてもそのぐわんしゆの名まへ
なきこそくちをしけれと見やる
かたへの松の木にさいぜん六之助か
もてあそびたるいかのぼりのいと
〽きれて風にしたがひ此ところへ
とひ来り木のゑだにかゝり
ありしにみんぶ目をつけおやくにこれを
とりおろさせかのつくろひしほぐをみる
これまさににつきかじひつにておのれば
名まへをかきしるしたればみんぶは
くるしさをおわすれあらうれしや
正宗のたん
あくぎやく
ちやうほん
一仁木が三兵衛
しやうこまで
とゝのふと
かきし文字の
此いかのぼり
これはすなはち
わがこのかたみ
といひつゝ
かつばとぶし
おやへは
これを
とがち
〽それは
わがこの
かたみ
とは
同
それ
みて
はと
さいせん
つゝ君の
くすりの
ために
六の女を
六の介を
ころし
たることを
はじめて
ものかこれは
おやくは
きやうきのごとく打なげき
みんぶも今さら心たゆみて
みんふも今さら心たゆみて
わが子のなげきにかつくりと
たへ入つくみへければおやへは
はものをとりあけて
ともにじかいと
みへけるを
へけるを
みんふはこへを
はげまして
〽うろたへ
女ほう
かくまて
かんなん
かんなん
い又うへに
つかざる
こへの
三十郎
ことさにて
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
いき
たへす
おやへは見ると
ふゝまつて
かいはいふ
外のことそな
○みつなるつみは天これをばつしげんなるつみは人これを
此ころ山名もちとよほそ川かつもちとよほそ川かつもとを
京都の両くわんれいと号したかひに
神てゐをあらそひしか山名
もちとよは元来ねいかん
じやちふかく政道たゝしき
かつもとをほろぼさん
みた心ありてかねて
一に木たんじやう
おにつらなどに
かんつうして
わがぼうけいの
たすけとぞ
たのみける
○さる
ほどに
げき
ざへもんは
わが子
みんぶが
さいごの
やうす
又まさむねの
たんとう其外の品〳〵
てに入しよしおやへよりつうじ
一ければあるひはこよろこび
あるひはなけきけるかみんふ
父子り命をすてしせいちうに
よりて主君のおんいへまつたきは
ひとへにふたりかたいこうなりと
さくる喜代君に六の介がせいけつをもつてせいし
たるくすりを用ひたるに日あらずして本ぶく
なしければ此せつおいへさはかしきじせつ
なれば此うへなをもたいせつなりとて
おやへをまさおかとあらためて
わか黒のもりやくとなして
わか君のもりやくとなして
つけおきなをにつきたん正
おにつら等のつみせうこ
ありてめいはくなりといへ共
ありてめいはくなりといへん
おにつらは当主のおぢ
君といひにつきは
ひがし山とのゝ
つけ人なれは
わたくしに
おやへをなぐさめつゝおや子がなきからをほうむり
はからひ
かたく
に
これ
よりて
つゝゐ
外地
ざへ
がへ
松
関之介
両人いさいを
ぐわんしよにしためく見れいの
やかたへうつたへ出ければ両くわんれい
一
ほそ川
山名
もんぢうしよに出座
ありて〽おにくらにつき
〽外記まつがえ左右より
よびいだしすでにたいろんにおよび
外納左衛門しとう〳〵たるべんぜつをもつて
につきがつみをあぐしれば仁所は
てうきが
べんを
かりて
これ
ちんじ
たい
けつせず
山名
もし
□□□□□□□□
りを
まげて
まげて
仁木かたを
かたふんとす
されどもかつえ
の正道たゞしければ外記ざへもん
これをたのみにかへつゞく
すへの日にいたりけふ。こゝと思ひまだめかの三品のしやうこをもち出につきどつきどつみをと〳〵せめとひければあつきよは
しやちふかくとのへ共へんとうあたはずついに外地左衛門にひゆせられ仁園つみたいけつにおよびける
じやちふかゝといへ共へんとりあたはずついに外記左衛門にいふせられ仁右衛門みさいけらにおよびける
ばかくて山名もちとにあたやわが君づゝ仁木をひいきすといへども天道あきららにしといつみきわまりけれはせんもなく
もちとこそこからひとて鬼づらをはうだいに千間仁木は山名のとにおそせつふきだめ其外悪くにいちみのものもいち〳〵
ちうおろすふきにになはめ又つる某代丸いふ名のやみにいかしきていちものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものものもの
ちうばつすべきにきつめ又つる恋代左衛門殿のやたにおへて家らくの上使をうけぬきのもは共へはそれ〳〵にかんしやかにし
善恕を一ないがろしせうばつをたゞしくすべしと下知なしけり○さて其日にいたりければつる喜代左ならびに外死左衛門
其外ちかざつもつ共を引ぐし家のつき目に用る所の空にいたんとうをうをかえてふ店のやかたにいたりけるにとしてほそう
ろ〳〵家とくつき心の丁みつきをもち来る外地ざんざながへようしやうなめる相代丸をしやうなして手にするにかつもと
外地に打むかひあつぱれちうきや其もしならんばよもうねのいへ大いつすべきに命をすつるみんじとゑせつまどのいのちに
かへたるはあつぱれ〳〵かんしせりすなはちよし政石より下したまはるつる真代あと目の御すみつきかたじけなくてうだは
あれとさしいかせばはつとこれつしその仁政を表したりけるそれに引かへ仁木だんにおのねがつみ勤めれをせめひろにはに
せつぶとい座をもうけ其役の上下しほ〳〵と庭につけば山舟がはらひとして外池左衛門てんけんやとめぐとほり
くるにぞ却記はにかにおり立て仁木に向ひ〽いかに仁来どのつみをにくんで人をにまずもとよりほうたかごへ
今さらあはれに見するやしづかにしやうがいあれといふにやつきはさしとつむき〽アアアアアアアアれがしになさいある
其おことばもとよりさいしもなきそれがし此かへのねがひはせつて一へんの雪かふをのみぞんずるとなみ心をながしてみぼうに
すへたる五寸九分をとりなほしいちねん下つきめていなれば外池もふびんとためらひしゆだんを見すまし持たる
たんとうてはしく外し記がわきばらんがはとつき置る〽ぶいをうたれてうんといへどさすがはしゆれんの不地ざへもんのとも
ころせんそこれをあしらへどはじめの雪でにたまりえずつつねに仁木がためにうたれけりだんじやうはいきほひさけく
〽つる喜代めをてにかけしうへあはよくばかり毛をもひとたちうらみんとおくを目がけて切入たり此日まさ出るも一つきよ
水をしゆごして来りしがかくと見るゟくわいけんをぬきもちてしうとのたきとだんぶうにつきかくるをこしやくなる
女めとはたとけたふしそつかにふみしめすでにあやうく見へたが忠孝二ツのまま出かしられながら下ぐたちしたみかに
仁木があばらをさしつらぬけばさすがのやうふもたまりえずひかむ所を二たちみたちさしとほしはねかへしてついにくび
をかきおさしいへてたへしてむくきのうのうやうどうなくなとこともなら
をかきおとしおいへにたへしてあたぎやくのちうぼんけらはがためにはしうとのかたき仁木だんじやうさへ見をひおかぐ打とろ〳〵
とよはくればこおためしやうじをきろとおしひらきほそ川かつえあつぼれてがらとほめたりけり
○かくて其日のそうやうおうかたならずつる喜代丸は松がそ関み助其外ちうぎのものともあまたしゆどなして
やかたにたへりまさおはなしたながらにしうと外記左衛が死がいを引とりてねんごろにほうむりまつがえをはじめ一
其外ちうぎのものにはこと〴〵くおんしやうをたまはりぬ此此まさおかぐたいないにみんぐがわすれがたみをやどし
よりしが月を上て男子ましたりしかばこれをもつて外紀左衛門がいへをつがせまさおかはいつる喜代ぎみの
めめとなりてかしづきけり又につきにたうしだとあくぎやくのやからいち〳〵からめとりてこれをつみしせんにんは
世に出あく人はほろび御代長久としゆくしけり●無益小三穀小三盆歩きゝのそときやめていはす
伊達
下編
御座候
御徳意様方益御機嫌克被遊御序を悦至極
奉救候然は私義晃まで堺町芝居向にてゑざらしにしく名
其外本願商売仕御贔屓を以繁昌仕候処
去冬類焼仕候に付此度富沢町本店にて開店
新作之絵さうしあまた出板仕候間相かわらず
御求被下御評判之程偏奉願上候
戌の秋
富沢町南がは中ほど
東永堂河内屋源七
こゝに仁木だん四がおとゝ無み介は小毛をつれてゑとを立のき東国にくだりほふさなかきぬ川のほとりにしるべのものある
たゝりて此ところにおちつき女と助は兵へもんともせぬかへに三はかさねとあらためてまくらをばかはさねど
おもてむきもふうふとなりてきぬ川のゝてばにゐざけ見せぬいだし又そのひまには百しやうろわざをなし
おやうりゆづりのやへがきの角も今はくさかたまとなしつ折〳〵もへもんかさねにむかひ今はまことのしかふに
なれしといろ〳〵にかきくどけどもとかくのことにかこつけてとくしんぜずひとせの月目をおくりけりけり○さてまた
さきだつて全くじのほうととらをにげのびたるあゝふいくのも此きぬ川のへんへさまよひ来り村すへ小やをしらす
女ひふんとなりてありけるが与へもんは此ことをしざりけり○かんあく一村に会するもふかきちなみにやありけん仁に一
だんじやうにくみしたるおゝば。そうゑきあくじあらはれたることをきくとひとしく。少々のありがねをたづさへざいを
すてちゝてんなし諸国にさまよひとこれも此きぬ川へ来りあたまのまるきをきいはひにどりしんじやとなり
ほうぞうじことやいふ寺にそうあんをゑつらひいばいしやなるゑんによりてやうしぼうとごうして世をみつびけりかくて
ある日やくしぼう村すへをとほりけるにとしわさき女ひにんこやの内にありけるに思はずかほ見合せ〽ヤアそなたは一
いくのにはあらずやといへば〽さてはおまへはそうゑきさまかこれは〳〵とき水におどろき身のうへの事はなしあいつゝ
やくしぼういひけるはおん身くまにありし時われしけ〳〵かよへともべんのなにじやうをたてわれにつれなくなびか
ざりしが今其すがたとなりはてゝもなをわれしりしんなり尤今此ごとく出家のまねして寺にあればきが身也
引とりかたけれ共われおほくのかねをもちをればおん身の心しざいにていかにともはらふべしといふにそいたも
今はひにんとまでなりさりたよりなき身なればいづれにもよきにはらひたまはれといとうれしけに見へければ
やくしぼうどうまきより金子十両とりいだし〽しからば此かねにていふくをとゝのへ身のまはりをこしいへてわが
すむほうそうじのあんじづへ来るべしその時又しゆだんありといゝのにわたしやくそくかためてたちさりに
あとにいくのはゑみをふくみ〽くわほうはねてまてと思ひかけない此十両これさへあれば身のふりやう給ふ
いくらもあるとよろこびいゝこやの内にぞ入にける〽そも〳〵此きぬ川のへんは京都の
もちとよのわやうぶんにてもつはらいりまめをおさめけるがある日よやんかさねもろともかります
やへがきのかまをたづさへツゝ立かへる向ふよりくる一人づれ一人はかしよくへもん今一人は人のでぶりをす
とゞむしの長兵へとて人のいやがるわるものづくりとふへもん見るがきづもつあしか手をさげてこれは〳〵おもつれて
どちらへかとしたでに出るを見くだしつゝ〽まわれが内へ今いくのだけふ此ごろ此村へきあがつて此そへもんじのみのみ
十両の金かりておいてえさぬとはちとつるいのあのかねはまことはおれがかねだ▼此長壱人がうまだぞよさんかんと
かへしてもらはふたつた今入用だとてつへんづけに与へもんはむねんと思へど世をしのぶ身
身のだいしともみでしいゝ〽ヲゝ御もつともの御さいそくこうさくのわざになれざる此与へもんに
□□□□□□□□□
あら立ては
つがたへつゞ
}
人
ともにわぶるもかまはずとへもんがゑりくびとつて引すへ
〽これやいそんなうすでないひわけですむことゝ思ふかやい
金ができずはこれかうととやへもんが持たるかまを
うばひとりむね打にかたんとするそのてを
同十一日
しつかとうしろゟ思ひかけなき女ひにん
〽長みへいかり〽うぬはこじきのぶんざいで
なんでじやまひろぐのだ〽イヤじやまは
せぬそのかねわしがたてかゑうと
とりいだしたる金十両与へもん
おどろき〽ヤアそなたはいくのどうして
こゝへはそのすがたで
そんじながらのごふさた今しばしのごりやうけんとかさねも
一壱匁七分
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
一ゟ被下候以上
一七二
一与七十
一よみ事
なし
いさいのことは
あどでゆるりと
まづ此かねかへして
一今のしかへし
かうさんせと
長兵人にかね
なげつけ
ゑりがみとつてもんどりうたせば
長兵へは女ににやはぬてきゝといひ
こじきににやはぬかねもちといひどうか
やうすのありそふ哥やつ金さへとればこつちには
いひぶんよりはとうぶん十ぶ一はこつちのものと
金かしもろともうなづきさゝやきたちかへる
〽のこるは両人ひにんのいくの▼
▼むかしよして
与へもんさん
さん今のなは
ふたりが中今がいにんの此いへの
あいそもつきやうが
身あがり乃十両は
まんざらでも
あるま
兵へもんいかさま
今にはじめぬ
そなたのたいき
れはゆるりと
まづそれまではと
かさねにきづかひ
目でしらすれば
いくのはそれと
はやりんき
しばしの内も
わかれたおとこ
たしかなことを
見ぬうちは
きつとやくそくかためたぞへと
うらくぎかへせば与へもんもせんかたなく
かさねはしゞうやうすしらねば
ことばもなくたがひにわかれて立さりぬ
此かまをしばしのしち
やへがきのかまと
しつた此いくの
もしやおまへの
心がかはれば此かまを
しやうこにおまへのみのうべし
○こゝに又金井
金五郎はすぎつるとし
みやこみ条大はしにて
高をゝてにかけ
てりはのかゞみを
たづさへてそのばを
立のき高をがぼだいの
ためにもど六十六ぶの
しゆぎやうじやとなりて
諸国をめぐりけるが又
おもふしさいありて
此ほど下ふさのくにく
くだりきぬ川のへん
をよにいりてとほり
けるにさと人のうはさに
此たびかみがたにて
ほろびたる仁木が
第此くにゝかくれ
すむよし此ものを
とらへてくわんれ
はま兵衛
うつたへいが
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
たまはるに
えず
高札を重れし
きくにはたしてその
高札あれども
らんやにてこれをよ
わがしよな
てりはのかゞみはあか松のいへにつたへしてうほう
にてやくわうをてらすときくためすはこゝぞと
にてやくわうをてらすときくためすはこゝぞと
少の高札のまへにいたりにしきのふくさを
ときければふしぎなるかなはくちうのごとく
あたりかゝやき高札の文字あきらかに
よみえたり此時かたはらに男女二人のもの
おなじく高札を見ゐたりしが金五郎
ふかきかさのひまよりこれを見るに
一人は弁之助一人は
小三なりければ
おどろく
折しも
与もんは
この
〽かくて与へもんいくのに向ひきのふの十両の
礼力どいひいゝ心に思ひけるは口がみのうへ
大事をしりたる此女とかくだまして
しちにとられしやへかきのかまをとり
かへすにしかじといとたのもしげに
かへすにしかじといとたのもしけに
これまでのことかたりあひけるが
いくのいひけるはわがみけふ
こゝへ参りしは▼
あらためて
おん身と
おん身こ
ふうふに
なるつもり
なるつもり
女房と思ふて
おん身つまあり共
わが身はその
いぜんより
下さんせたとへ又今
いひかはし
たる女
かゞ
みに
目をつけて扨はといひつゝ
立よらんとするに金五郎は
かゞみを手ばやくふくさに
づゝめばあやめもわかぬしんのやと
づゝめばあやめもわかぬしんのやみ
あとくらまして立さりけり
○かくて其よくじつになりけるが
与へもんかさねはけふぞしにうせたる
かさねが父さぶ金五郎らが一しうきの
たいやなりとて心ばかりのぶつじをなし
村のものなどまねき百方べんの
まうけをなしあたりの寺の出家を
まねき来りしに思ひかけなきおゝば
そうゑきがなれのはてやくしぼうなりければ
たがひにこれはとおどろきしがむらのものゝ
てまへをはゞかりさあらぬていにもそなしつゝ
百まんべんをはじめける折しもおもての方へ
おだんなさま御ほうしやとものこひの中へうち
うちかいなとのか〳〵入ば人〳〵きやうをさましけり
やくしぼうはこれをみて百まんべんはどこへやら
かねもしゆもくも打すてゝとんでいで
ひにんのいくのがむなぐらとらへ〽ヱヽこゝな
大がたりめしたく金の十両をとりくさつて
まじりひにんのいくの〽ヲゝこゝが与へもんさんの
そのゝちなんのさたもせず今にはざまで
こゝらあたりにまいついてうせおるわうどう
ものとわめきつゝ立さはゞに人〳〵ます〳〵
あきれはてこれはあんたるこんだんべとわれも〳〵と
立いづる与へもんは村のものゝてまへといひあら立ては
身のだいじとやくしぼうをなだめつゝやう〳〵にかへしけり
かさねはとりちらしたる
ものなどかたつくる内
一与へもんはいくのが
てをとりおくの
ひとまへ入にけり
金
こそ
本さい也
よし又
それを
いなみ
給はゞ
まへの
うへを
しつたる
此方
やへがきの
かまを
しやうごに
かしかたみそ
あれと
あく
まで
根
つよ
まことのつまにすべしさはいへ
まへのつゞき〽なるほど
われ今つまありしかれども
いかにともはからふておん身を
今こゝにておん身とふうふに
なる時はせけんのてまへ
ことにはたがひのあくし
あらはれんはしとも
なるべしこよひ中に
身がまへして
おん身と
此国を
立のき
身をしのぶ
べしといへば
べしといへば
〽いくのは
ゑみねふみいゝ
そのはやがてん
こゝろへぬそれが
ぢやうなら今まで
わしがだいじの
とのごをねとり
くさつたあの女中
にくさもにくしこれ
かうさんせとさきだつて
仁木よりうけとりたる
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
せめて
ひとねの
むしにむらしの
あらん引かへて
ほとけになたる
此与へもん
それにいくのを
つまにせよとは
あまりにつれなき
心やとなみだ
ながらにかきくとけばかさねは
と五もんをおやのかたきとは
つゆしらず今はいたはしと
げんざいおしゆうどうぜんの
おん身にてそれほどまでに
思ふて下さる御心ほぐに
ならねばなるほど
ひとよはまくら
かはしましよ
そのかわりには
本もうとげた
そのあとで一は此身を
すみぞめのあまと
なき人へいひわけ
せんと▼
}
どくやくのあまりを
ありあふどびんの中へ
うちこみそんならこよひ
又あらたまるにいまくら
きぬ川のわたしばのわたしが
いつものこやの内でそれとも
心がかはつたらおまへの身のうへ
がてんかへとことばをつがへていてゝ行
はやよに入てとやへもんはうでぐみして
たゞもゝねんたる折からにつまの
かさねはなにげなく〽心はしいことは
きかねども今のひにんのいくのと
どうかおまへにゆかりあるものゝ
やうす此身はおまへの女房と
いへどおもてむきばかりにて
一よのそひねもせぬことなれば
どふぞあの女中をおまへの
ほんの女房にしてわがみをば
いもゝになとしてどふぞかねての
本もうをとげさせて
下さんせこといふかほつく〴〵
下さんせといふかほつく〴〵
ふへもんは〽そはきこへぬ
ことばぞやきよねんの
けふよりはやひとゝせ
たかくはいはれぬ赤松の
何がしともあろふものが
ど百しやうとまで
なりさがりしんくまんくも
たれゆへぞおんみにつゝすしんじつも
月をかざね日をおくらば
だい
▼きいて
よろこぶ
与へもん
そんならこよひなき人を
なかだちにいもせのえんのにいまくら〳〵
さけとさかなわせう右いもので
とこさかづき二つまくらにものほとん
五六人あはたゞしくあつまり来りこゝな
与へもんどのうちにか此ごろおふれの人あか松の
ざんとうとおぼしくふしぎなかゞみを
かとぐちさらんとする折から村のもの
しよぢするしゆぎやうじや
此めたりを
さまよふゆへ
すへし
とらえうと思へどもてぜいが
すくなうてはかなはぬゆゑ
こなさまもでさつしやいほうびじや〳〵
となりわめけば与へもんも扨は
ゆふべのコゝそれと心にうなづき
立いづるあとにかさねはたゞひとり
ぶつだんにとうみやうてらし
金五郎がいはひにむかひ
ごときなみだをながし
こよひ与へもんどのとまくら
をかはすことくさばのかけで
さぞやにくしとおぼさんが
とゝさんやおまへのかたきが
うちたさゆゑ心にあらぬ
みさほをやぶるもしばしの
うちやがてめいどで申しわけ
とふぞそれまでゆるしてと
ひとりごとにいひいゝも
ひとりごとにいひつゝも
こへをしのびになげきける
折からにはかのよあらしに
つれてふりくるはら〴〵あめ
かど口に雨やどりして
やうすを立ぎくしゆぎやう
じやがちとごめんあれと
じやがちとごめんあれと
かとの戸あくるとたんの
ひやうしふきこむ風に
ともしびきえてまつくらがり
かさねはこはどなたぞと
いらへつゝいろりにゆわう木
さしくべてはつともへ立
ほかげにてたがひに
みかはすかほとかほ
〽ヤアおまへは
こよひをたいやと
思ふた金五郎さま
はづかしい此あり
さまとまくらも
とこもおゝ
かくせばイヤ
くるしうない
今かど口て
そなたの
しんてい
のこら
ら
きい
}
いふ折しも
金五郎
にてありつるか
きよねんの
こよひみやこ
いでうがはらにて
いもとたかをゝ
てにかけて
てりはのかゞみを
うばひ
次へつゞく
与へもん
立もどり
此ていをみて
ヤアうたがはしき
しゆぎやうじやと
思ひしは今まで
も此世を
さりしと
こゝろえ
たる
立のきしにうらがつなしさかにもなんぢが死いと見へさかはなにものなかずなくぜんゆかずなにもせよいものかさじと
ふりあふごじにとつてかれぞ金やらはしゆしやうのゑにてこれをあしらふおりからにいろりの火にきてそのやとなはらは
弁の介をきねかぎのかたきとしらす丈定もんともめをえたるとをもしらずあへてはむに心なかればかさねがこことり
参り此まにこゝろへましたと云いでんとするこへをしるべにいぜんいくのごくやくを人おきしどげんをとつて小さも
にくしと打つくれば目あてたるはすわねにはたとかゝねやみにまぎれてにげさりけり
〇金五郎き年もろとも立のきけるに与へもんが打つけたるどびのあく水かたかほにかりてかた目をひたとあたはひ
いたみたへよくそうへかたあらにしたりてあし引つりちんばとなりしを食くらいろ〳〵いたりてやみちをたどりつゝ
やう〳〵きぬ川のわゝしやまでおちのびけり○此こつきぬ川のわたしはつぶわたしといふてさしよりきしやうなを
はりいたしのふねにしづゐをつけこれを大つなにゆひ付てかなたみなたとわたりけるがさねに有ら此所にいたりけるに
はりいたしのふねに小づめをつけこれを天つ哥にゆひ付てかなこなたとわたりけるがかさねんそゑら此所にいたりけるに
やちうなればいたしの人もやあはさす折なしふねきしにありける処とはいごとびのりわたらんとするにかさねまいゝ
いたみたへよくかたかほ大にはれあがりたるていなれば金五郎やところよりかいてりてのかゞみをいだしててらしるに
こはいかにかたるほかみ引つりてむらさきいろにはれあがりまうへかた目つぶれて雪目と見られぬていになりかたあし
となりければ金くらこはいかにとおどろきけるにおさねもかゞみにうつるまがもぼにて〽のうなさけるや此ざまに
なりたるはこは何たるいんぐわぞやうらめしきこへもんどのとさいてへしやら〽ヤくなんとことへもんとは〽アそれそなみ介
どのゝへの色ぞ〽ヤア〳〵すや老身がおや三郎兵ヱどのことろしたるはあの哥の女にかたがひなしそのしかいにわれやや
三条の大はしにて高をてにかけかれがほだいためとわいこくの其内にもいつたんしうとたつみし三度とのゝかきのふる
をうらすとなるきはさきはす分下さきぬ川村にすみて更もんもんといふものなりといふこと成ゆゑあつてきゝしりその
をづねもとむるに其かたきこそ今下ふさきぬ川村にすみて受もんといふものなりといふこときあつてきゝしりその
ものにめくりあはんたやふこそ此国へ下りしなれそふとはしらずさいぜんなの介をうふざるこそくちをしけれときくゟらされは
北原もあられすしらぬことはいひながらげんざいおやのあざがたきとまくらこそふさねやうふしめてこれまでありし
此身は何たるこり此ざまになりたるも甚ばちならめ又二ツには此すかたを何とて出来られにづかしやあたや
ことはおやつたきき大ありかは。しれても其人もかりにもおつとなのりし人かつふにみたれぬあさは何の天気のむくいそや
〽これ食へらさんときまのかたきと又もんはおまへみつて下さんせなむあみだ何しかゝごして是に川へよびいらんとするを
やすはらあはておしとめいろ〳〵となたむれどもさらにともるべきけしきなけれとせんたなくふいりつおにてぐる〳〵ます
一にしぎりつけたき文もんをうつてけるそのあいださそもめうくはあろらけれどしばしのあいだそうしてゐやといひとて
〽そきおかにあがりふでもんがすみをきしてはし奉行〽あとにかさねはしぬにもみなれずこゑをたてとなきさけべれしも
あれこまた。のこも。だれの内よりふもいいのもつよもにあらはれいせきけとさなをたづさへツゝわたしふねにのりうつれば一
おみやくいつるはつかあまりの月かげにきねは此真見るよりも思うらめしや親のかたきの上へもんと身をもがけど
やうらしやうにしていたい
もひなきなは日心をおいしがり身をふるはしていかれるといふへもんは〽そへあげてゆざわらひ〽其よいざまになりおつた
おながのとし月此文もん心をつくしたかひもなく人のはやとなめるがざんねんたにどく出たしはそのとをりなね
われが想の三郎並めをふつたぎつたもおれどはやいみとくやいかまだての文にうぬがおもおも入金はじめもだしぬいて
やつたれば今ごろはかねていひふくめておいた
百しやうども乃てにかゝりつらんあらこち
よやこといひさまあしにてはたとけあぐれば
あつしとさけぶをいくのはそばより〽ヲヽ与へもんさん
うたがひはれたとてものことに此かまでおまへの
てりやうりそれをさかなにふうふのさかづき
〽おつとがてんと与へもんはかのやへがきのかまを
もつてかさねがせすぢをたぢわればあつと
一くるしむしつせんばつとう〽与へもんさん何より
それがよいさかな一つあがれとさけくみかはすいくのが
こうあくおそろしなどもおろかなりかゝる折から
大ぜいの百しやうどもをおひちらしまいちもんじに
かけくる金五郎こなたはそれと見るゟもほねおらず
打とるしゆだんと与へもんいゝのもろともに
ふねゟそつとおかにあがり又こもだれにしのびゐる
かくとはしらず金五郎いつさんにふねにのりうつり
かさねをみればふかでのありさま金五郎びつくり
おどろきさま〴〵にかいほうなせば今はかさねは
かたいきになりいとくるしきいきづかひして
与へもんいくのがいちぶしゞうをあらましに
ものかたれば金五郎はがみをなしていかりつゝ
ちしほにしたゝるかまをとりあげこりやまさし
やへかきのかま又わがしよぢするはおなじき
赤松のいへのたからてりはのかゞみとふくさを
ときてとりいだしかさねをひざにいだきいゝ
おん身此まゝしぬるともわれしうとのかたき
与へもんを打たるうへにて出家となり見らいは一つ
はすめうてなこれかさねせめて此世の歌こりにと
かゞみにうつすかほどかほおなごりおしや金五郎さ
といふこゑしるべにどつたりひゞくたねがしま
もろとも
おちいるかさる
金五郎おどり
さて□□
いづくにも
よはくれは
あそんじたりとつ
ぬいて大つな
はなくらば金の
はなやばくよを
ありたるつねた
なりたいゆりに
たで
さるほどに与へもんは
いくのとともに
おもふまゝにかさねを
ころし金五郎も
ふねくつがへりて
きしたるにうたがひ
なしとよろこびいゝ
東へもんいくのに
いひけるはとにも
かくにも此所にて
おん身とじうふに
おん身とふうふに
なりてはせけんあしければ
いづくへも
立のくべし
さはいへ今一せんの
たくはへもなければ
あのやくしぼうおん身を
こひしたふこそさいはいなれ
いつたんかれに身をまかせ
きやつがありがねを
のこらずうばひ
はあち立のゝべし
其のち立のゝべし
といへばごうあくふてきの
いくのいかにもよきてだて
なりととくしんしてやくしほ
あんじつにいたり与へもんは
とりもちするていに
もて出しければ
やくしぼうよろこぶ
ことかぎりなく
うつゝをぬかし日々
さかありしてくらしけり
かくて四五日す
一けるにある日大小
りつはにいでたちたる
さむらび来り
与へもんにむかひ
ひそかにいひけるは
それがしはくわんれい
山名さへもんもちとよ
のけらい亀なみ
さめざへもんと申もの也
おん身はすぎつる日
ほろびたるにつき
だんじやうどのゝ第
弁の介とのにてあるべし
につきどのさいごの
みざり主人もちさへ
ねがはるゝしさいあつて
おん身のゆくへを
たづねもとめられしに
此くにゝありときく
赤松のよるいせんぎと
いひなしけれをもつて
百しやうどもにめいじ給ひ
又それがしをもつてたづね
ちるゝにやう〳〵こんにち
おん身なることをしれり
もろともけいごのどうぜい
あまたさしこされたれば
明朝みめいにきぬ川の
へんにまたせおくべし
よしこまで来られよ
きて又主人山ゑどの
おん身のかほを
みしらざれかねて
しよぢせらるときく
しまろときく
やへがきのかまをぢさんあれと
ありければ与へもん大よろこひ
けるがさしあたりてとうわく
せしはやへがきのかまかさねが
死がいとともにきぬ川へおとし
入たれば此こといかゞと思へとも
入たれば此こといかゞと思へとも
まづ明邪きぬ川まで参るべしと
あいさづしてさめへもんをかへしけり
さて与へもんいくのにかくといひきかせ
やへかきのかまのこといかゞはせんと
あんじわづらひゐける内ほどなく
その日もくれたるにりやうしども
五六人戸いたのうへに水におぼれし
死がいをのせこも打かけてかゝけ来り
このごろまいばんきぬ川の水中に
ひかりものがあつてりやうがないゆへ
所のなんきわれ〳〵五六人いひ合せて
そのひかりものゝある所へ□さへつゞ
やくし
ぼうは
いくのに
ます
うつくを
ぬかし
此夜も与へもん
もろともに
すはいをかたぶけ
大小ゑひて
一とりふへもんどの
ごめんあれといひいゝ
ひとまに入てふしければ与へもんは
あぶんよしと立いでゝさいぜんうづめたる
かさねが死がいをほりいだし月かげに
すかしみればおぼへある二つのたから
してやつたりとうばひとりかほをみれば
むかしのすがたびきかへておそもしき
ありさまなりしがやがて目を見ひらきて
与へもんをにらみけりしうねんふるき女めと
もつたるくはにてはつしとうてはふしぎやいんく
せん〳〵ともへいで一かたまりのしんくわとなりて一つきへつゞく
つゞきあみを
女のとさへもんがく
てにかまくからす
もつたるまゝ
あがりしゆへ
おてらへ
どうぞ此
おてらへ
あがりしゆへ
ほうむつて
やつて下されと
やつて下されと
いふにぞ与へもんは
これを見るに
かさねが死がい
なればえたりと
よろこぶ其内に
やくしぼうはぢうじ
にかくとつうじ
与人もんにあなを
ほらせりやうし
どもゝ立合て
たもかゞみも
そのまゝに
死がいとともに
うづめいゝ
りやうしどもは
立さしけり
つゝきやくしぼういくのがふしたるひとまへとび入とひとしくいやいはあつとさけひてもだへくべし
こんにやくしぼう目をさましこれをみるにさいせん見えたるかさねが死がいにすこしもたかはすかため
しいてあをぶくれにはれあがりふた目と見られぬていなればごはいかにとおどろきさはぐ其所へ
主いてあをぶくれにはれあかりふた目と見られめていなればこはいかやとおとろきさはぐ其所へ
与へもんはてりはのかゞみやへかぎのかまをたづさへてはしり入うろたへさはくし
ぼうがほそくびをてはやくかまにてかぎおとし
ありしよをきゝおきたるやくしぼうがしよちの
かねをうばひとりいくのがかほみてびつくりおどろき
そのまかゝ打すてにげさりけり
○かくてきぬ川つみにはかめなみさめざへもん
あまたのどうぜいともにまだよのうちゟ
まち合せけるに与へもんや人がきの
かまをたづさへ来り
のう
なさけなや
与へもんどの此すがたになつたも
やつぱりおまへゆゑそれをふりすで
たゞひとりりつしん出世するがほんいか
此うへはどこまでもつきそひゆかで
おかふるといふをもかまはず与へもんは
大小いふくりつはにきかへさめへもんにむかひ
あのものは此村にさまよふきちがひなり
はやくおひしりぞけてたまはれといへば
さめざへもんいかさまさもあらんかゝる
しやばふざけ此かまのきれあぢためすに
さいはひといくのをとつて引すへゆれば
のううらめしや今に思ひしらせんといふをも
かまはずのどぶへかけてくびかききり
与へもんはよういのかごこのりうつり
はやほつそくとは心なく人〴〵の
あつぱれわざもの見ことなりといふ折しも
かほをみればさめざへもんをはじめ
こなかさねがかほにみへければ
おのれもかさねといひさままつ
さめざへもんをぬき打にまつ二ツ
これはとさはぐ人〳〵をこれもかさね
かれもかさねとかたはしから
きりたをしのちにはぢぞう
立木までかさね〳〵と切たをし
ものしやう
ものくるわしくみへにけり
此ときかたはらのつぢとうゟ
思ひがけなき金五郎あらはれいで
いかにすみ介今の恋はとやらんとやらん
せきあくのむゝい
今ぞしりつらん
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
此うへはじんじやう
さぎし
にしやうふせよと
いふこへにはじめてきのつく与へもん
〽ヲゝそふいふなんぢはわがためにはいもとのかたき
御やくそくの品
御うけとりあれとて
わたしければさはさへもん
これをうげとり
しかるうへは山名とのゟ
たまはる所のいふく大小いさ
あらためられてそう〳〵
一打立給へといふ折しも
いくのは与へもんが
あとをおひて
此所へきたり
しやうぶはこつちにのぞむ所とたがひにぬき合せ
ひじゆつをつくしてたうふたりふしぎや此とき
いらぢんのくわいふうもろとも大いなる
くちなはあらはれ与へもんがそうみに
まとひてはたらかせす金五郎が
えたりときりこむたちさき与へもんは
かたさきふかく切さけられたほり所を
ありかゝりつひにくびをかきおとしけれは
ふしぎやくちなはゝかきけすごとくに
きへうせけりかゝて与へもんがくびを
なき人〴〵にたむけその身は
かみをおしきりてかさねおやこ
高をらがぼだいのために出家なし
二つのたからをむろまちどのへ奉り
赤松のすへ弁の介をほろぼし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ろうせしかばならずふうび
あつてまことにゆうきのほうしやと
一寺をこんりうなしけり
しかるにあけくれゆらねん
ねんぶつのくりきによつて
よりかねさまはくるわがよひをやめて
勇念といふ名をたまはり東山へ
国貞書
おとなしくなり子ども衆もおとなしく
なりませうぞわしがくさぞうしをつくるも
もふこれぎり此本もこれぎり此本は
ちとながだんぎたがそのかはりにはとくな本なり
まことに徳本〳〵わつがもないわるいも〽○ぬよし〳〵と
問屋の徳本になるやうにおの〳〵さまがたおたのみ申上
めこたりををををををてく
市川圃十郎作
末
六葉
貞繁昌
清工山口助三郎
10464
乙蝶千鳥曽我昔絵六冊
山東京傳作
歌川国貞画
亥伊達道具鳥羽累七冊
【繪板新春文
春復報四屋雜談六冊
市川団十郎作
歌川国貞画
尾上三朝作
歌川国貞画
新
新妓池汀山吹四冊
東西蒼南北作
歌川国直画
板
初暦歳徳若三冊
緑亭可山作
歌川貞繁画
繪
問還輔再合肩三冊堀川春信画作
草
俄遊廓山門三冊當山伝光画作
紙
軍書一覧年代記絵入
西ノ内
二枚両め
鶏舌斎主人選
歌川国貞画図
類
此書は頼朝公より以来のいたとこと〳〵〴〵くしるし殊にあらはしたる年代記なり
一つみ
金命九一
三十二洞
傳家
しよくしやうひゑむししやく
つかへせんき寸白小児むしけ
酒の二日ゑひ其外前によし
江戸富沢町南がは中ほど
東永堂河内屋源七板