人形筆五色絲藏
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- 歌川國貞畫
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- 場所: 江戸
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- 日本語
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- 山本平吉
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- ニンギョウフデゴシキノイトグラ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
上之巻
第一
門外一冊
同43
狩
丙戌
日本駄右衛門有馬の於藤
人形筆五色孫藏
歌川国貞画
柳亭種彦作
上編
全六冊合巻
文政戌春新板
江戸よし町川岸角山本栄久堂嶋
中昔の謎語に。駕籠に乗振袖と掛て。人形輩と解意は。かけば出とは
作者の事に似たり寄たり似顔の絵冊子三冊合した木舞台に。勧
善の作り物。よき所見合て仙女香のひろめを書入いつもの所に口絵が
四五丁。その誂への朱がきをうばふ。紫墨の丸後に。黒どんめきし綺香
金欄上下着附の時代世話。異本を二本校合して。陀右衛門が物見の
一松に白浪かゝる藤の花。模ざらしとは太屋には禁句万苦の苦の世界と。
せつなき時のもぢり口も。持まへ下手の長談義。もつともらしく説わくる。
十二因縁州数を。前後に分りて六道輪廻。畢竟世界の大詰に。善は崇
悪は亡天に。眼の有馬節。邪正一如の二上りにのぼりつめたが鳴呼身のうへ有。
因果報応の勧化をあげられませう
文政九年丙戌春柳亭種彦志
太鼓持
花咲乱酒
〽松に
なりたや
有馬の松に
□□□□□□□
藤にまかれて
ねとござる
〽星になりたやなく夜の
ほしに擦は紅葉の色ふかく
かけて願ひの糸の縁
御座候事
□□□□□□□
摂州
有馬北の坊
素麺屋の
小
湯女
阿藤
いまこざるゝ
今小猿
壬生蔵
□□□□□□□□
しらつち
十九月十一日
ま
水木
同同同
打出屋の
手代
貞七
○四
や
には、それは、十九年十一年十一年に
ほつたん〽もう〳〵わかだんな
こし次郎さまではござりませ
ぬる此しんやにおとももつれず
とにどうやらたびじたくで
どつちへおいでなされますひき
とめられてふりかへり〽さういふは
ちうけんだら助いふにいはれぬ
わけあつてやしきをたちのく
あらましははゝさまへのかき
おきにしたゝめてへやにおいた
あしたよのあくるまでは
かならず人にいふまいぞ
いふなならもうさず
にもをりませうがいか
にしてもおひとりではこち
があぶないどこまでも
わたくしがおともいたして
まゐりませういや
此みになつてはともは
いらぬ〽でもしすがるを
はらひのけまいちのん
じにかけいだす「おゝい〳〵ト
だらすけがあとを
したうておうてゆく心のうちは
ぜんかあくか次編につばらに
ときわべしこれよりおよそ
四年ほどたちてのつぎはゑとき
にてこゝへつないでよみたまふな
おふぢ
中間
助け離ら
助き離が多き間
小車
越次郎
してきために
有馬冨士
鹿垣堂之進
娘巻筆
賊首
二本
陀右衞門
鼓ケ瀧
うちでや
打出屋
田子
兵衛
於
妙
娘
そのことはもつている。それである。
いだるにはながらしかしの
音川瓜之助辰則の近臣
小車佐輪太郎
誰
ゆめ
ぞ
飛
蝶ふたつ
飛
手枕野古調
飛脚
桔梗屋の
天神
花鳥
京都
嶋原
桔梗屋の
太夫
三五
それはもつた。
おふぢ
同
〽そんならそなたも〽おまへもしいちどに
ゑときのはじめしそんなら今のは
ゆめであつたかありしむかしのゆめともしらず
しまばらあそびききやうやのにかいをおりより
たいふ三五がねりものに松風でそうてこゑをひそめ
よそほふてでるところへおれも
よそほふてでるところへおれも〽いろ〳〵せわして
まけぬきゆきひらのすがたでたもつたなれどだん〳〵と
わざとむらざめになつたくわあげだいがとゞこほつて
てうへぬれかゝるをそんなしくみはせきせかれあはれぬ
ないといふてきくみはせきせかれあはれぬ
ないといふてたいふさんごかはらばかりがめんぼくなく
たてるそれからがくせつのだんかうしへもゆかれぬしぎ
しやくでくらはすえぼしがおちるよんどころなくとをざ
しほくみをけやらおふこやらてかつてゐたうちにうはさを
あたりしだいになげうちしてきけばどういふわける
おもしろいさいちうへごんとつきしまばらをそなたはぬけて
しまばらをそなたはぬけて
だすいりあひがみゝへはいつてかん此ありまにもなをつとめて
たんのまくらにあらぬひぢまくらゐるとのとりさたもし
ゆいりのつかれかはしぢかでうたゝねあはれもすることかと
せいりのこかはかはしちかでうたゝねあはれもすることかと
してかせでもめすなといひても
ないみのうへをきゝてもないひとりいひやるかなはしらずたづね
ごとわれながらしつかいきちがひあぐんでふたまはりはいつて
あゝもうおもふまい〳〵トにかいにこひのやまひにもきどくあり
ひとりかこちぐさのきのしのぶもまのけふのあふせおりややつぱり
おひつゞくとなりののれんおしあけてゆめのやうぢやじほろりと
〽モンさういはしやんすはさわさんぢや
〽モンさういはしやんすはさわさんぢや
ござんせぬか〽ヤマたいふさんごか今も今やう〳〵とおしめぐびてかほをあげ
とてそなたとゆめで「わたしもおまへと〽わたしやおまへにあひたさに
しまばとてあそひがこうじてくぜつしたさんぼんぎのごりよしゆくまで
さんぼんぎのごりよしゆくまで
〽そんならそなたも〽おまへもトいちどにぬけだしてきいたれど二の巻へ一
ひざをうつゝとも
そうてこゑをひそめて
二
せんかたなうかへつ
つとめねばおやかたも
もてあましすみ
かへにだすといふても
そのうはさがたかい
ゆゑしんまちでも
ひがしでもさうだんの
してがなくわづかな
かねで此ありまの
そうめんやのかゝへの
こゆなほんに今では
きまゝいつぱいおび
ひもといてついに
きやくをづとめた
たれどふつ〳〵きやくを
のつゞきもうどこへかござんして
のにとらへられ
たれもしつたものはなしうろ〳〵と
すかうちにおつてのゝものにとらへられ
□□□□□□□□
ことはござんせぬ
しまばらにゐた
ときは八百両が一両
かけてもださぬと
いふたが今ではたつた
三百里やうでみまゝに
なるこよひぢうに
そのかねをつがふしてくだ
かねをつがふしてくだ
さんせトいはれてほつと
といきをつき〽つぎへ
おふぢ
山本屋
〽ゞき〽しつてのとをりつかひはたしかんだうといふでもないが
こちらからゑんりよしてくにへとてはたよりをせずたつたくと
むめがえのやうにそなたはいやつても三百里やうといふかねが
どうして此みでとゝのはうまア〳〵じせつをまつたがよい
〽いく〳〵じせつどころかあしたまでまたれぬわけはうつぎ
とうごともふきやくがきふにわたしをみうけしてくにへすぐに
とうごといふきやくがきふにわたしをみうけしてくにへすぐに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
わからねどどうふら
ちがひはなささうな
〽さアちがへずにござん
せトことばばおもてうら
ふくみなゝこのはをり
きめづきんらんしゆと
いへどあびるほどのんでも
みだれぬりつばな男いつ
てうしはりあげて
〽あゝみつけた〳〵おつな
〽あゝみつけた〳〵おつな
ところへからまつてこつ
そりはなをやりたがる
ふぢにゆだんは
だんなのふかくと
ちらり〳〵と
たきつけて
おんむかひに
むかふたり
はなげはさんじやく
さがりふぢところへうまく
はひかゝりかねのつるに
とりついてたなをもつのは
そりやおまへのゆかりの
いろとなみをもたゝせす
おしげりなんすこやしには
かくいふらんしゆのさけが
めうやくまアそれまではいやな
ものでこれみさんせかたなにあつた
きんのかうがいふぢのはなは
わたしがなにえんがある
ゆゑさしてゐつともら
はうともいはぬものを
むりやりにこれたはいなじ
しまだわげよりぬき
とつてさしいだせばこくびを
かたぶけ〽ふぢのはなが名に
えんがあるとはそんなら此ごろ
こゝのはやりうたにあゝなんとかヲ
それ〳〵ふぢにまかれてねとござると
うたふがそなたの
ことであつたか〽あいおふぢ
といふがそうめんやの
だいくの小ゆなのとをり
なしまばらのききやう
やでさんごといつたたいふや
ぢやといふことはみに
はぢてかくしてゐたゆゑ
さうばかりきかしやんしては
はなしもできぬ。なるモシばんにそつとうらぐちからとしのぶあいづを
しかたとめまぜこなたはくだんのかうがいをすかしながめていつしんふらんもんもの
つれてゆくとのさうだんも太かたきまつてかけやから
がねもつてくるとのことそれは〳〵いやらしいせんせう
しれぬはづといひつゝむかふをうちみやり
あれ〳〵あそこへくる人はらんしゆといふたいこもち
酒
四五日たきからうちへきてとうごづらのおきにいりこゝではなんの
かぜにもなびいてみせるが
又けしきしからい
くちあひきげんとり
てをとりむりに
おふぢを
ひつ
たて
あたり
人の
あり
ぞ
とは
わざ
見ぬ
ふり
しら
ふり
いそ
がし
さうに
かへり
けり
おいづ
○つゆになりたや
たもとのつゆに
きえぬうきみの
かこちぐさし
うたふしやうがも
ありまぶしなには
げいこにきやう
まひこ大ゆな
小ゆなうち
まぶりらんしゆが
もんさくかるくちを
わらふなかにもうさ
くりかへしいふやうなれどあんまりぢや
くりかへしいふやうなれどあんまりぢは
なぜうき〳〵とはしてたもらぬ今
までそはらうにんなれ此たび
こしもうへめしかへされほんち千
こしゆうへめしかへされほんち千
ごくくださるべきおうらはんを
ちやうだいしたればうんといへば
すぐにみがおくたとへいやと
いやつてもくどきかゝつた
こつちもいぢみうけして
つれてゆくかけやから五百
りやうかねもつて今に
くるはづそうめんや
七六へもかけあつて
おいたればもうかなはぬ
たゝぬおふぢがかほをうつぎとうご
さしのぞいてにがわらひ〽おなじことを
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
かくごしやトいへば
おふぢはにつこりと
わらうてきせる
つえにつき〽あい
かくごしてゐるはいな
くどきかゝつたいぢ
づくがそつちに
あればこつちにも
いつたんいやといひ
かゝつたいきはりが
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ござんするかねで
からだはおまへの
まゝ心はこゝろで
わたしのじゆう
おまへのような
ずゐはうは
どうでもきらひで
ござんす
くびとどうとを
ふたつにしてだいて
ねるともすてるとも
かつてにしたが
よいはいな〽そんなを
おふぢどうあつ
ても〽ヲくどいと
しい男にしんぢうを
たてとをしてつぎへ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
〽つゞきしぬるのはほんもうで
ござんす
えりさしのべて
ゆう〳〵とたばこ
わをふくくもをふく
あぢにひよりがかはつたと
さすがのらんしゆも
くちをとぢしらけるざしき
とうごは
たまらず
〽おもしろい
それほどまでに
しんぢうをたてる
男はどこにゐる
〽ヲヽこゝにゐると
おもひがけなき
うしろのふすま
それがしはたんばの
国をぐるまさわ太郎と
いへるものこれなる
ふぢがしまばらに
つとめのときより
ふうふのけいやくそれは
すておきさしあたる
おとゝのかたきとうこと
ぐわらりとけひらき
やらんさやたちあがつてしようぶくじ
つばうちたゝいてつめよせたりこなたも
しやうすをみるに
くわいちうせしものは
さらなりだいせうまでも
うばひざりしはとはずと
しれしぬす人のじよゐ
ならんとおもふから
心をつけて
たづねく
ところ
おふぢに
あたへし
かうがい
なんぢが
いろゑのふぢは
ゆうじよのさいくいへに
つたへたちゝのひさう
こづかのかたはそれがしが
ゆづりうけてこれこゝに
それのみならずおのれが
たいせしその大小は
おとゝのさしりやう
さァいひわけは
あるまいがト
まなこを
くばつてひかへたり
うつぎとうごは
そらうそふき
〽こりやだうごや
かたるまでもなくおぼえ
ないとはそりやひきよう
ないとはそりやひきよう
ぢやしかしこゝらの
ひと〴〵にすぢなき
ことをいひかけしと
おもはれんも
かたなひぢぢかにひきつけてみがまへなし
みにおぼえなきかたきよばはりせかずと
とつくとやうすをかたれ〽ヤアやうすを
くちをしく
ひととをり
いうて
きか
それがしが
おとく
こゝ二郎と
いつしもの
しさいあつて
くにをしゆつ
ももしかの
ぽんだら
かたへやおちつらんとあとを
おといふ
したふておひかけしがきつね川の
ちうげんもかれが
ともにやめしつれ
むざんにくびをかききつてもちてや
けんその夜より
家にをらずしるにさりけん川へやおちけむなしきむく
家にをらずしかるに
やわた山ざきへんに
ばかりなれどいしやうのいろにて
おとゝがゆかりのものあればも不心やうたりなをもくはしく
おとゝがゆかりのものあれば
ヱ右へ
もとめた
かたな
なんと
いつても
みはしらぬ
〽いや。その
いひわけは
くらゐ〳〵ト
さやを
はらつて
はらづて
うちかたる
こゝろえ
とうごも
ぬき
あはせ
はつし
ふた
うち
みうち
おふぢは
てにあせたゞめぶ〳〵
〽こりやたいへんぢやは
かならずけがをせまいへし
いひながららんしめを
はゞめみなちり〴〵
つぎへ
いふが
〽ゝきをりもこそあれわきざしのつかにじやうばこ
ひつかたげやつこがいきせきかけきたり
〽やアこりやとんだところへきたどういふわけか
しらねどもおれがもらつた
まア〳〵まつたモシ
わかだんな
せき助でござります
おやだんながこびやうきで
よどをしのきふの
おつかひごじやうは
こんにトしらはと
これにトしらはと
しらはあはするなかへ
ぬつとだすとうごは
しさつてこゑをかけ
〽おれもぶしだがうなるからは
にげもせぬかくれもせぬちゝの
びやうきをしらせのじやうよんだ
うへでしようぶをしやれじかたなひだりへ
とりなをしさはふをまもつてひかへるにぞ
さわ太郎うちうなづき〽ヲしんべう〳〵せき助
これへトくだんのじやうくりかへしてこくびをかたぶけ
なみ〳〵ならぬちゝのたいびやういそいでかへれと
此しよじやうことはいへけんざいおとゝのかたきみのがさんも
くちをしこはでどうかへ下しあんがほとをめながらもあるうへはうへはうたじにはおよばれども
くちをしみてどうがな下しあんがほとをめながらも
うつぎとうごさしのぞくじやうのうはがき〽をぐるまさわ
太郎どのどうみやうりう太夫ふウさてはきでんは
十たんばのくにおとがはかりの助たつのりどのゝ
ごかちうよなさうとはしらすくわごんのだん〳〵
そのうへにもうたがはしく
もたうとのゝおうらはんまで
ちやうだいなしすなはち
ちゝのみやうだいに
あけなばそれがしおくに
もとへしゆつたつすべき
かねてのようい
さすればこれより
ほうばいどし此かたなを
かひもとめしゆらいは
おくにへまゐつてのち
ゆる〳〵と申ひらかんまだ
おもひたまはゞ
かたきうちははて
いつでもなることと
くわいちうより
いつふりをとりいだして
あたふればさわ太郎
とつくと見〽これこそとのゝ
おすみつきまがひもなき
おうらはんすりやかねてきゝ
およびしたてゑもんどのゝ
ごしそくよなかゝるしようこの
あるうへはうたがふにはおよばねども
こよひはこれにて夜をあかしあけなば
くにへごどうだうまアおすみつきは
へんしんいたす・せき助は
さきへかへりおつつけ
ごつうめんくだされしかたなからりと
なげすつればさわ太らふしん
はれず
〽ちゝの
せいめい
きかるゝと
うつて
かはりし
そのことば
やうす
いかにし
たつぬるにぞ
かたちを
たゝしびざへ
ちゝはうつぎたてゑもん
とてきでんのちゝごと
こほうばい
手をおき〽ごがてんの
まゐらぬはづわが
だい〳〵
とのへけんじゆつの
ごしはんなせし
あやまちよりおいへを
たちのきひさ〴〵らうにん
しかるに此たびきうち千石
もうすべきおすみつきに
いへがらながらいさゝかの
たまはつてわかとのゝごしはんを
もどるといふておけ
ばんじはみやうてう〳〵
トかたなはさやに
おさめても
まだ
をさまらぬ
むねとむねおふぢは
とりわけ女ぎの此みは
なにとなるこなは心に
さわぐむらすゞめかりの
ねぐらはもとめても
たがひに目さへ
あはのとりはかぜの
おとにもゆだんせず
みゝをすまして
ゐたりけり
10517
國貞画種彦作
そうめんや七六があないにつれていりくるはなにはのかけや
うちでやたごゑとうごはめばやく〽アヽまちかねたこれへ〳〵
じまねかれててをつかへしありまときいてむすめめもとうぞ
いつしよにゆきたいとなにが女のべん〳〵だらりしたこにとんと
いつしよにゆきたいとならましたこれはしたりわたくしの
てまどられ大きにおそくなりましたこれはしたりわたくしの
いふことばかりでかんじんのごようのすぢがわきになる
あなたさまには此あひだはじめておめにかゝつたれど
ひていりのおと川さまごいんかゞみもしよぢいたせばさうゐ
ないのはしれたことすなはちぢさんの五百里やうさしあげては
おきますれどなにをいふもやおんのことふういんは
のおたちあひでみやうてうきつとよみたてませう
たごべゑがさしだすかねとうごはうけとりくわいちう
よりしようもんをとりいだし千ごくのちぎやうの
うちより五れんがあいだにへんさいはかねてたいだん
したとをりへはいくしつかりとごしようもんは
おあづかりもうしましたをさむかわきからざし
でる七六とうごさまこちのかくのあのおふぢはいよ〳〵
あなたが〽ヲヽ今きくとをりみやうてうかねを
あらためると三百両すぐにみのしろわたしてやる
たごつゑどのもこん今はこれに〽さればどうしませうか
つゞみがたきのありあけさくらがいまちやうどまづ
さかり衣のひきあけにいつてみたいとむすめがいうてをり
ましたまやなんにしろわたくらはちよつといつてまいり
ませうじ七六つれてたごづゑはいそがしさうにいでゝゆく
牛井恭信氏ノ寄附
以テ購入セル商訳博士
狩野亭吉氏蔵
同一
中之巻
十一日
日本駄右衛門有馬之於藤人形
筆五色経蔵全六冊合巻絵冊子
柳亭種彦作五渡亭国貞画于時
文政九年丙戌新販江戸芳町川
岸親父橋角書肆山本榮久堂主
人平吉梓行筆福硯寿大吉利市
その夜もすでにふけ
わたしをみうけしてくにへ
すぎておふぢはそつと
ざしきをぬけいでこびしい
男にあひのふすまそろり〳〵
とぬきあしさしあしおなじ
おもひにさわ太郎ねぶりも
やらずまくらもとびやうぶ
かいやりであひがしら〽三五ぢや
ないか一さわ太郎さんもう〳〵
はなしがむねにつかへて
くちへはちつともでぬはいな
まアなにもおもほうつておき
おまへとこれからおなじ
かちうときゝながら
とうごづらが
やつぱり
あいつがくびをどうへついでおく
のもわづか十日か廿きこうけ
しようといふならばうけられて
うるさいにいつしよにいんでみや
しやんせいやでもおうでもわう
じやうずくめ十日のことはさておいて
一ト夜さでもしんばうがなるものか
ならぬものかつもりにもつぎ
つれて少々といなかけやと
やらから五百里やうかね
かけとつてふとんのしたへ
いれてにかいにねてくさる
あれをどうぞこつちらへ
〽たわけもいめそれでは
やつはりこつちがぬす人いひ
まぎらしてもおとゝのかたきに
かたがひないあのとうご今
ころすはやすけれどとのゝ
ごはんをしらぢなずものを
わたくしにはうちとりがたし
衣あけてくにへほつそくし
ことのしさいを申みあげ
おゆるしうけたそのうへで
うつふんはらすはあんのうち
ゐるがよいしことをわけたるさわ
太郎がことばをおふぢはきゝいれず
〽いまゝでさへまいばん〳〵いびりくざつて
つゞきしれたもの見つけられたらそれから
それまでわたしはあのかねとつてくるとかけ
いだすを「やれまてトとゞめるを又ふりきり
ふたりがあらそふをりこそあれたれとは
しらずくろ小そで大小ぼつこみにかいの
はしごあしおとしのんでとうごがねやを
うかゞひよるはくせものとさわ太郎は
めもはなさずみあぐるうしろにたち
がくれおふぢはこばぐさしのぞき〽ありや
たしかたいごもちのらんしゆさんさもしい
心はないやうなれど人のむねはしれぬものてはまかりあれどおくわへもきゝあはせそのうへでの
五百りやうといふかねにめがくれてのでき心か
どうぞかねをあの人がしゆびよくぬすんで
くれるとわしがみうけのくらうはまアのがれる
みつけられてくれねばよいがなむやくしさま
くわんおんさましたのまれもせぬにはかの
玉いれおきしはながみいれをすりとられしはゆだんとも
おろかともいはうやうなきぶうんのつきさま〴〵心を
くだきしがかね〴〵とのゝごようをきゞしうちでや
たごべゑがことをおもひいだしめんくわいなしたることは
なけれどかのものにたよりなばしようもやかもある
べきかととうげつはじめうちでやへたづねゆきしが〳〵の
よしものがたればたごべゑは大きにおどろき四五日さきに
りつぱのさむらひうつぎとうごどのとなのり出すみ
つきをわれにみせ五百里やうようだつてくれとある
たつでのたのみかね〴〵といゝごいんかんもしよぢいたし
てはまかりあれどおくにへもきゝあはせそのうへでの
とりひきと心のうちにておもひめぐらしその
ざですぐにわたさぬはしんめいのおんめぐみ
とうごといひ〳〵まぎれものは今ありまへ
とうぢしてそうめんやにをるとのはなし
きくとそのまゝたごへゑとしめしあはせて
きぐわんらんしゆはとうごがねまに
すがたをやつしいりこんでうかゞひしに
ちかづきびやうぶぐわらりと
ひきあくればとうごはかつぱと
ぢが
おきあがり〽やァぬす人の
いつたるぞであへ〳〵ト
よばはるをらんしゆは
ちつともおどろかず
〽へゝわれとそは大ぬす
人あのこゝなまぎれ
はながみ
いれしろ
らしやに
ちどりの
もの〽なにそれがしを
ぬす人とは
かなもの
てがたに
〽ヲヽそのわけを
おしたる
いつて
きかさう
たいこもち
らんしゆと
なのり此
ところへいり
こみしはおのれを
みださんはかりことたんばのくに山うちの
ぐんしおと川うりの助たつのりこうに
つかへしうつぎたてゑもんがせがれ
かつぎとうごとはおれがことだ下
づきんをとつてかなぐりすつれば
さかやきのびしあつびんにおもひ
なしかやめのうちもりしく
みえてつかにてをうちかけて
つつたちあがり○せん目なかごろ
くにもとよりきうちせんごく
たまはつてきさんすべきとのゝ
すみつきおうらはんをちやう
だいなしひごろのしゆく
ぐわんありがたしとぎをん
くわんけいじへさんけいの
かへるさ石ざんをおるゝをり
ちらりとそでへさはりし
男心えずとふところを
みるまにかげもかたちも
なくにげうせてゆくへしれず
かのおすみつきを▼
いんぎやう
まで
あらため
みしに
うばはれ
わが
しよ
まぎれ
なし
かつぎ
りうの
けん
じゆつの
おうぎを
かきしいつ
くわんははだみ
はなさず
こゝにある
いつたんわが
なをいつはる
ともくにへ
もどつて
ひやうはふを
とはれた
ときに
こたへは
できまい
一つきへ
太ふち
つゞきあのこゝな大がたりとそつかに
ふまへてうごかせずうしろにうかだふ
うちでやたごがゑうでまくりして
つつといで〽やうすは今とうごさまが
おりしやつたとをりなればおれがいふには
およばねどもいつぞやわれがきたときに
こゝでかねがわたされずはたうぢばへ
もつてこいとようふさ〳〵しい
ことぬかしたなそのくらゐな
こんじやうでなければ
ぬすみもできまいかい
ことばつきならじん
ひんならがてんが
ゆかぬとおもふた
からよいころに
あひしらひ
かへしたあとへ
ほんとうの
とうごさまづ
おいでなされ
だん〳〵との
おものがたりさて
そとむすめがとうぢへ
きたがるをさいはひにわれを
つつてあそんだのぢやこいつどうして
やりませうトおいのはぎしみとうごと
なのりしぬす人はがんしよくもあをなに
しほ〳〵ざをさがり〽もうありやうに申シませう
おのれがくびをトたちかゝるを
ひとまよりさわ太郎
はしりいで〽しじうは
もらさずあれにてきく
もらさすあれにてきゝ
さてはいよ〳〵こやつめは
おとゝのかたきに
まぎれなしなさけに
われにうたせてたべし
とうごをおしのけ
いりかはりかたな
すらりとぬき
はなつて
酒
そのまにくだんの
ぬす人はふとんの
したへいれおきたる
五百里やうのかねざいふ
てばやにつかんでにかいの
らんかんひてうの
ごとくをどりこえ
まつしぐらにぞ
まつしぐらにぞ
しくらにぞ
とんだりける
のとより
此やはいは
かどへはり
いだしたる
がけつくり
すぢやうの
したはほそ
ながれ水
おととばく
きこゆるのみ
くらざは
くらし
さわ太郎
つゞいてとばん
じゆつもなく
〽ゑへしなしたり
ざんねんや
いづくまで
わたくしはむく助とてわづかなかせぎのひるとんび
あのおふぢが三五といふてしまばらにゐたときに
ふつと見そめてわすれ
かねおのれやれかねさへ
あらばと
おもふやさきに
おぼえねどぎをんで
すつたはながみいれ
なかにはこれおと川
さまのおうらはんの
此かきつけもとは
一たんばにをりまして
ごかちうのやうすは
しる天のあたへと
たごづゑどのを
うま〳〵とやつたきで
おふぢがこゝへすみかへた
ことをもきいておいた
ゆゑかういふしまつに
きゝいれず〽くにへきさんのかなひながらとうごがみもち
あなたさまりおかほをば
田和田
□□□
田田
(中田
四四日申也
なりましたおはながみぶくろには
小ばんで十りやういちふがじうさん
こまがねもあつたれど大かたつかふてしまひました
やうじいれからくすりいれごいんぎやうもとりそろへ
のこらずおかへし申シますもとがいろからおこつた
のこらずおかへし申シますもとがいろからおこつた
こといのちばかりはおたすけしわびてもとうご
□□□□□□□
はうらつとうわざあらんはひつぢやうなりそのめんはれに必
もしきやう
きのごとく
はしごを
くだつて
おひかくれど
ゆくへはさら
に
しれざり
けり
○あとに
たごへゑ
たごへゑ
うちわらひ
〽にせものとしつたうへで
わたしたよらはあのかねはどうみやくは
しれてあるにそれをもつてあげると
いふはぬす人するほどでもないあはうな
やつでござります此あひだも申みた
とをりそのごはんもろをおとり
もどしなされたからはつぎん
出来
つきおいりよう
ほどきんすは
おかし申み
ませうじいふに
とうごはうち
うなづき
「せんこく
あやづが
きさまへ
わたした
しよう
もんへ
おした
のは
いま
もど
たへ
みがいんぎやうさすれば
べつにかきなをさずその
しようもんをようだつて
五百里やうとりかへてくれることは
できまいか〽いやもう
それはおやすいごよう
かねてあなたとごさう
だん申シたとをりあいつ
めへわだしたは
どうみやく
なれど
たごべ
田子兵衛
まことの
卯木東庫
金
に
五
百里
両
用だつ
じんに
ほんまの
こばんもてだいに
もたせてまゐりました
てい七こいとよびいだしふうを
とゝ〳〵かねあらためさアおかけ
とりなされませしおしならべたる
五百里やうとうごはしつかり
五百里やうとうごはしつかり
ふところへをさめてえもん
かいつくろひ〽これでみども
あんしんいたした田子べゑどのも
こんやはこれに〽い〳〵ようさへすみ
こんやはこれにいくようさんすみ
ますとわたくしのやどとつたしやくし
屋へかへりますむすめのたへがあさ
ざくらをつゞみがたきへ見にゆくと
きのふから大だのしみもうこんやも
よなかすぎさぞまちかねてをり
ませうトいとまごひしてでたい
てい七ともにひきつれかへりけり
〽つぎのゑときし○これもおなじありまの
ばうやすみところのしやくしやに
たごべゑはやどとつてるすのあひたは
てんじやうぬけむすめのおたへが
しやみせんにこしもとおすぎが
うたふやらまぶやらわけもながからぬ
はやはるの夜のいちばんとり
〽あれもうとりのこゑがするつぎへ
にせ
偽の
東庫
どうみやく
五百里やうを
もちてにかいを
とひおるゝ
ところ
上ヨ
とふち
つゞきこれから
すぐにあささくら
おてうつ
とつて
おくしばこ
そこへだして
くださんせト
おすぎが
きりもり
ものぬひ
はした
てんでに
そこらとり
かたづけ
〽こゝのたゝみは
びた〳〵して
どうやら
きこのわる
きこのわる
さうな
おたへさま
おみあしを
さァまし
たちよるを
おすぎが
とゞめ〽おまへの
あげませう下
ちやつとおし
けぢよのりんがし
11710
NTIL
□□□□□□□□
同断廿断同二十一日
同二月二三歩
てはあれしやうで
ざら〳〵してお心
もちがわる
からうにあら
だれぞト
つぎのまを
拍子屋
ざしのぞきし
あれ〳〵ちやうど
まめの妙薬
おきにいりのてい七
どのがかへつてきた
おたんさまのおみあしを
あらうてあげてくださんせじ
いふにてだいのてい七がへんじとともに
こゞしをかゞめ〽よいところへもどりまして
さつそくおやくにたちますトことばも
かるくきもかりくてぬぐひとればおたへは
につこりわらひながらにかぶりをふり
〽いん〳〵もうおいてたもばちでも
あたつてあしがまがるとはなみにも
ゆかれぬはいの〽これは又いかなこと
けらいがしゆじんのあしをあらうにし
どうしてばちがあたりませう〽それでも
どうやらよそほかにしかるをなごがあらう
かとわたしやそれがこはいゆゑ〽ハヽアこつちに
そんなをなどはなけれど男に
あしをあらはせてはどこのか人に
しんどうがたゝぬとおつしやることならば
はいよしにいたしませうトすこしひける▼
いかでし
□□□□□□□□
むなぐら
とつて
ひきまはし
〽こりやおも
しろいさァ
わしがしんぢうで
たてるその
男はなんと
いふちやつと
いふてきる
しやいの
〽はてなを
しらぬから
どこのか
人と申て
たので
ごきり
ます
〽あれ
同
の
この
しゆ
ど
あな
ごつて
あんな
いひかけ
するはいなじ
はてし
なけれは
つぎへ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
つぎ
つきおすぎはふたりをおしわけてきのどくがほ
わね〽まだやう〳〵七ツまへ今からゆくとさくらの
〽あゝもうしはしたないてい七どのもこれからきつと
はながあをいやらきいろいやらどうしてそれが
見わからうはなでもゆきでもひもじきは
たしなんだがよささうなあれわがみがわるいてゝ
あやまつてゞござりますさがおめしかへなされましと
ことにいくさの大じなりまアひやうろうを
わらうてちらすいさかひのもとはこひぐさねなしぐさ
しつかりとよういしてからうつたつは
きげんなをるもいつときにてい七
ひがしがしらんだうへのこと
ふつと心づき〽わたくしとした
おんたいしやうが
ことがかへりさう〳〵うか〳〵して
ごしゆつばでも
おやだんなのごこう
じやうをまだ申しあげ
ませぬよひからおとも
いたしましてかのそう
めん屋へまゐつたところが
いよ〳〵あとてござつたお人が
ほんのうつぎとうごさま
それゆゑにもつてまゐつた五百両は
ごようだちにせものゝとうごめは
そうめんやからすぐにしゆつぽんさら
りつとことはすみわたくしがおともして
みちまでおかへりなされたれどなにかまた
ごしあんにおちぬことがあるかしててまへは
これからさきへかへりおれがもどりが
おそいならむすめはかまはずさくらみに
おびしめるやらかほなをす。それおたへさまのおのりものおさむからうに
おてあぶりとさゞめきたつをてい七がおししづめてあきれはて御の
ゆけとこないにおつしやつてたつたおひとり
くらやみであとへおもどりなされましたトきいてみな〳〵
さわぎたち〽さがだんなさまのおゆるしぢやちつともはやくじてん〳〵に
からはらでは
しそつが
うごかぬ
うごかぬ
どれやどの
やつをひき
おこし
めしを
せたいで
から
ひとり
しや
べつて
たつて
ゆく
こゝのゑとき□かのぬす人をみうしなひしらはをひつさげさわ太郎そこよこゝよと
たづぬるをやれぬいたはけんくわぞとところのものどもさわぎたちてんでにぼうを
ひつさけてうめてかゝるをこゝは
ひつきけてうつてかゝるをはらひのけ〽おとゝのうたきをとりにがしそれゆゑにこそ
このしだらそのよの人にかまひはせぬちかよつてけがするなトいふのもきかず又むら
すべきやうなくちかよるものゝえりがみつかんでなけいだしあるひはけとばし
あとへ〳〵としりぞくところへかけくるおふぢまつた〳〵
此おかたはこつちのうちのだいじのおきやくそさうが
あつたらどのやうにもわたしがわびよう
あやまらう
かずならね
どもそう
めんやの
めんやの
四
ふぢが
きつと
あづかつたと
おしへだつれば
此ごろこゝに
なだいの
こゆなに
けがさせては
あとのなんぎも
はかられずとはちまきとつて
みなしりごみやう〳〵さうどうしづまれど
なにかぶつくさいひやまずしばらくあつて
そうめんやのあるじの七六おづ〳〵とさわきらが
まへにてをつき〽かたきうちといふことを
ぞんせずにあそここゝの男どもがさゝへだて
いらざることをいたしたはさぞおはらもつぎん
「つゝきたちませうがせう〳〵はかすりきずをうけたものもござり
ますればそのしよらちのつきますまでごふしやうながらわたくしかたへ
ごとうりうくだきりませしいふをおさへてさわ太郎〽くによりつげこす
ちゝのびやうきとじまることはおもひもよらぬはてけがしたはそつちの
そさう〽ささそうでもござりませうがうちのはともあれわきの男へさう
もぎどうにも申されませぬ
たかで二日か三日のこと
おふぢもとも〴〵ねがふて
くれとやわらに
でるはしぶかわの
むけたてとりの
男なりこなたも
ほつともてめまし
といきついたるうしろ
より〽イヤかれらにてきずを
おふせたは此とうごぢやしこゑかけ
られさわ太郎はふりかへり〽おもひも
よらぬあのきでんがせつしやが
此ばのきふなんを〽すくうと
申てもをこがましいがこれからは
ごどうかちうすりやよそにも
見てをられぬきでんのかうしんが
おふぢがていせつたてとをさせて
しんぜたざヤイていしゆ今きくとをり此おかたは
おやごのびやうきでちつともはやくきこくされねば
ならぬわけおれがばんたんひきうけてけがにんどもへは
それ〳〵にりやうぢをしてとらせたらいひぶんはあるまいな
それ〳〵にりやうぢをしてとらせたらいひぶんはあるまいな
〽つやもうさやうあそばせばなんにもわけはござりませぬ
〽いやもうさやうあそばせばなんにもわけはござりませぬ
〽これでおふぢも
さぞあんど
〽ほんにおまへは
むすぶのかみ
〽あゝもう
ながたち
れいには
およばぬ
ていしゆ此とうごが
にせものとさう
だんをしておいた
とをり三百両で
おふぢはみうけ
夜があけ
たなら
しよう
もんを
もつて
かねを
とりにこい。
さわ太郎どの
きでんには
ちつとも
はやく
〽しからば
ばん
じは
あなたがほんのとうごさまと申すことはたごへゑどのからかけたまはつてこん
おきましたしらぬことゝて今まではらんしゆさま〳〵とお心やすだて
いたしましたじいひかゝるをさわ太郎〽もうよいは〳〵。なに。うづきうぢ
ども。だん〴〵のお心ざしおれいをもうすことばがない〽これは〳〵さやう
あつてはいたみいるさしつけがましいことながらかわいさうにこれほど
まできでんをおもふてゐるおふぢさいはひうちでやたごづゑより
かりうけたきんすのうちをみのしろにつかはして此とうごが
いもうとゝおやごのまへをば申シとりあとよりつれゆき
しんじやういたさうよもやいなとはいはれまいトきいて
おふぢはゆめみしこゝちことばはなくてふしをがむ
おふぢはゆめみしこゝちことばはなくてふしをがむ
さわ太郎もかうべをさげ〽ねがふてもなき此みの
よろこびさりながらごきさんのよういにおとりかへ
なされたいや〳〵かれがみのしろは三百里やうと
うけたまはるのこりのかねにてしたくはじうぶん
おふぢあかしをこれへトえんばなにしり
うちかけてやたてをとりだしふで
ばやにいつつうをかきをはつて
かたちをたゞし〽せつしやが
いもとをつかはすからはたとへ
しゆじんのめいにもせよほかの
女をほんさいにもつまいといふ
此かきつけちかごろぐちなやうなれど
なんとこれにいんぎやうをすゑられ
てはくれまいかしのぞまれてさわ太郎
あづけたはながみぶくろあのなかのふくさづゝみ
なにがさておやすいごようおふぢそなたに
はやう〳〵トとりよせてかのいつつうへしづかとおしさし
いだせばうつぎとうごまきをさめてにこ〳〵がほ
国もとで
〽ゆる〳〵おめに
かうませうじ
したくも
そこ〳〵
さわ太郎まだ
くらきにぞ
たびだち
ける
つぎのゑとき
ものみだかきは
女のならひ
おすぎをはじめ
はしたものおたへを
すゝめてごとにきく
つゞみがたきをきて
みれどちゝたんほゝのさかり
さへまだ見わからぬあけ
ぐれをふしやうぶしやうに
てだいのてい七〽なんとおれが
いはぬことかあんまりつぎんし
左の下ゟ
ぼんぶにて
やしゆだら
によと
ちぎつ
たとうた
ざゑもん
にもある
からは
そこ
らは
〽つゞきしはやうてさくらのはなをつまむも
しれぬ此くらさしかしおれはまへどきて
おぼえてゐるがこれから壱町かみへ
のぼるとつゞみがたきあれ〳〵かすかに
おとがするまへの川がそのながれこゝらが
ちやうどありあけのさくらのなかにつち
だうがあつたはづぢやとすかしみて
○ヲヽこゝだどれいつぷくトとりだすきせる
ひうちこち〳〵だうのえんばなこしうち
かくればおすぎはなにかとものをんなのこ
みゝからみへふきこめばこうなづき
〽あいくがてんでござんすしみなうちつれて
たちかへるあとはおたへとていそぶたり
おすぎはそばできをいらち〽かういふしゆびは
又とないおふたりさんにとつくりとつもる
はなしがさせたさにはやいとしつて
あさざくらよあけぬうちにトつき
やられおたへははつとあからむかほ
〽それぢやと
いふてて以七が
こわい
かほして
ゐやる
〽ゑへ此お子と
したことがまぢ
症
めなかほを
してゐる
ならくひ
つくがよう
ござりますこゝへは
大めにかゝめ
みや
さん
せう
人の
見ぬ
まにさ
ちやつと
おしやれば
てい七も
てを
もぢ〳〵こと
つきほ
なく
〽ひま
ちの
ばんの
ゑひ
まぎれは
なさしき
おぼ
ずに
金
とんとだんなさまが
おいでなさるあん
じもなしおかごの
うちでとおもふた
けれどさいはひの此
いぢだうかみり
ほとける
しらね
どもかの
うき
はしの
をもへ
どり
ほとけ
もとは
右の上へ
つゞきゐたをおまへさまがかぜでもひくなと
めしがへをすそへかけてくださつたをもつたい
ないといたゞくてがさはつたがいんぐわのはじまり
しのび〳〵のおなさけはねたまもわすれはしま
せねどだいおんうけたごしゆじんのごひさうむすめの
いたへさましくじくとはぐさらにひゞきずものにした
おたへさまあゝどくくはゞさらにひゞきずものにした
からはもうどうもぜひがないちか〴〵にはむことつて
いへをゆづるとだんなさまがおつしやつてのことなれば
なんでもおまへがゐすはるきになつてゐたのがよい
はいのゑへもどかしいとむりやりにおすぎは
ふたりをおしやりつきやりとびらをひつしやり
しめあしにえんをおりから
つげわたるかねよりしらむ
山かづらあくるも
はやきはるの夜の
ひやいなめにあつたれど
よいところへじやうがきと
らしういひぬけました。ヤ
うけとつた五百里やうはどうみやくと
はじめからしつてはゐれどこれも
なんだかおかしらがいりようだと
おつしやるからおもいをめしてもつて
きましたこりやなんになされますじ
とへばほ〳〵うちうなづき
〽それをもつてにげろといつたは
われとおれがあひずりを
あのたごべゑにしられぬため
おと川のかちうとしりもつとも
それぢやからべにばなの
ほんにそれ〳〵田子べゑからわたくしが
やうなこばんを
ゆめをむすぶを
五百里十五百里
あとにして
おすぎも
おれに
ぬつくり
ふもとへ
わたした
くだり
けり
同
たわけ
○ぬけみち
つたつてうつぎ
つたつてうつき
とうごたきのほとり
ぬつといであいづのよぶこ
ふきならせばこかげをいづる
いぜんのぬす人〽おやかたしゆびは
〽こりやまんまとこゝに五百りやう
とりやまんまとこゝに五百里やうユリヤミぶ蔵
□□□
区
又
おやかた
そうめんやの
七六めもおれには
がけづくりからひらりとひととびイヤきついものであつた
われがうまうはたらひてくれたでおれはてもぬらさず
〽それといふもだゑもんさまみんなあなたのおさしづから
田子べゑめもいつはいくうて〽それ〳〵おと川のやかたより
うつぎたてゑもんをよびもどすすみつきもつた
ひきやくをばつさりいはせてこつちへとつたれど
そのたてゑもんになつてゆくとおれでははるか
としもわかし又たてゑもんがめんていをしつた
やつもやしきにあればそのせがれとうごとなのり
いりこむまへにおと川のでいりのかけやたごべゑを
かたりとるべきしあんくふうあいつなか〳〵あま
くちではゆきかねるおいぼれめそれゆゑわれを
さきへまはしあとからおれがみだしのやくやくし
だうへほうのふのきやうもんをとつておき
ひやうはふのでんしよぢやとにつこらしう
おれがきやうげんつぼへおちてたごべゑめが
いつはいくらつてちやう〴〵ちやう〴〵それはさうと
てまへにおれがきりかけるをひつはづしてにかいから
とびおりるかねてのてはづおもひがけないさわ太郎と
いふやつがわれをかたきとなのつてでたてこつちも
びつくりわれはさういふおぼえがあるかじとはれてみぶ蔵
ちかくより〽四年ばかりいぜんのこと山しろをかせいで
ゐたとききつね川のわたしばでまだとしわかな
ひとりのさむらひよいとりと見たゆゑにあとからつけて
だましうちてのさえでかくびはころり川へおちてほねをらず
さすがはわれもいまこざるといみやうをとつたほどあつて
国
せしめておいた此大小その里よじんがさわたらのおとゝといふは
ゆめにもしらずおふぢにやつたかうがいからことがわれていちどならず▼
心をゆるしてゐる
ところでけふ
ほんまのこばんを
三百里やう
みせておき
そのどう
みやくと
すりかへて
もとで
いら
ずに
おふぢ
しあん
なコレと
三ゝにくち
みぶ蔵は
あきれがほ
〽ふウなる
ほどつぎへ
左の下ゟ「われ
ぐるみがてんがゆかぬと
おもふたからもどつた
ふりであとをつけて
きいてゐた大どろばうめ
そのかねをかへしをれしとり
を見へなにしをると思へなにしをると
ぬくても見せずぐつといもざしあつと
たまぎるこゑたてさせじとてぬぐひ
くちにねぢこんであしふみかけてゑせ
わらひ〽むごいめをみるがいやさあだぼね
をつてはしたがねあゝかうしてしまふなら
すくなずくなも四五せんりやうあつたま
しゆだんもあつたにやれ〳〵ふびんな
ことをしたヲゝさつきさわ太郎がとりおとした
此手がみなんぞのようにたたうかと
あらうけれどこつはつ
しらぬゆゑそれはさうでも
かしいがくびつたけ
ほれたおふぢを
あいつにやるは
いかにしても
なさけないと
なげくびすれば
せなうちたゝき
もちつ
〽いやそれもちつ
ことのまあとでは
われにくれて
さずにまづて
いぬをいれきのふあの
さわ太郎へびきやくの
こぬそのまへからとつくりと
こぬそのまへからとつくりと
やるはきをおと
ゐろかねてゐこんの
おと川けあはよくばと
きいておいたこれから
おふぢがおやかたにあつて
又ひとしごとわれはこゝらに
又ひとしごとわれはこゝらに
かまつてゐずとちつとも
はやくふけろ〳〵〽そんなら
おやかた〽ゆけ〳〵トおひやつて
だゑもんはみぶ蔵が
〽つゞき国のしゆじんのいひつけで
女ばうをもつことをさわ太郎が
同同二十二
くだんのてがみむりに
つかませかたなの
ちしほおしぬぐふ
ふもとにはかくとも
しらずつぢだうの
うちにふさんの
ゆめさめてたち
いづるてい七おたへ
そらもをりからし
つぎへ
とつておいたがさいはひく
しがいのてに
だゑもんはなにか
ひとりでうちうなつき
ゆかんとするうしろ
よりおもひがけなき
うちでやたごがゑ右の上へ
おふち
あかねさあかねさすかほを
そむけてそろ〳〵とまへなる
ながれにてをそゝぎ
うがひをせんと
みづむすぶてを
うちふるふて
てい七が〽ゑんなま〳〵
しい此ちしほながれ
くるにはしさいが
あらうと見あぐる
むかふにあやしき人
かげすがたににあはず
てい七はうでにおぼえも
ありあけざくらちり
くるはなをふみ
しだきおそれ
げもなく
あゆみよる
おたへもむしが
しらせてや
こは〴
ながらも男を
たのみうしろに
そうて山みちをのぼるけはひを
だゑもんはとをめに見るよりことむづかしと
よけんとすれどひとすぢみちせんかたなみきの
まつがえをこだてにとつてたちしのぶふたりはしがいは
見てびつくり〽ややだんなさまぢや〽とゝさまぢやけら
国貞画
種彦作
よひゑへなさけないことたれがしたこれきを
つけてくださんせとよべどさけべどこだまより
ほかにこたふるこゑもなして以七はじたんだ
ふみ〽今ひとあしはやくばなかうやみ〳〵と
ごさいこはとげさせまいにくちをしい
なんぞかたきのてかゝりにと見まはす
しがいのつかみしいつつうヲよいものが
てにとりあげなにをぐるまさわ
太郎どのどうみやうりう太夫
・ゑ・ゑトばかりににどびつくり
とたんのひやうしにだゑもんは
まつがねひらりととんで
おりきつてかゝるをてい七が
こゝろえたりとぬげつくゞつゝ
むたうのはたらきだゑもんも
あんにさうゐしあとずさり
おもはずいはかどふみすべり
みなぎりおつるたきつぼの
はやせにまろびおちたりけり
もとよりてい七すゐれんを
えざればさらにせんかたなく
ゆくへはいづこしらなみを
にらんでむなしく
たつたりけり
年九政文
文戌年九政文』
十九年戊戌年
年版開奉成年
文政文
いろは一
御大名火消
定火消御役
町火消附両面切
石油十四
御場所附並
番組
両面摺
火事御出役
此書は火事場御出役の御名前御持場所をこと〴〵く出載せ
並に町火消人足頭取住所町名名前且いろは組合の半
てん印をくはしく正しのせすべて火事場にかゝはりたる
ものを残さずあつめ只池魚の災ひをのがれしむる備
要の事を記してあまねく世に知らしむるの一書也
同江江
▼
本所
いろは組纏つくし西面程
卅三深川
此書は既に先年より売出し置申候右両品共吟味甚聞
申候最寄之本屋に而御求被遊て被下候万一間違之儀も
御座候はゝ為御知可被下候早速相改差上可申候
父江戸よし町川岸角山本平吉板
る事と重重四日目にて
古ふち
そむけてそろ〳〵とまへなる
ながれにてをそゝぎ
うがひをせんと
みづむすぶてを
うちふるふて
てい七が〽ゑんなま〳〵
しい此ちしほながれ
くるにはしさいが
あらうト見あぐる
あらうと見あぐる
むかふにあやしき人
つゞきあかねさすかほを
かげすがたににあはず
てい七はうでにおぼえも
ありあけざくらちり
くるはなをふみ
国貞画種彦作
よひゑへなさけないことたれがしたこれきを
つけてくださんせトよんどさけべどこだまより
ほかにこたふるこゑもなしてい七はじたんだ
ふみ〽今ひとあしはやくばなかうやみ〳〵と
ごさいごはとげさせまいにくちをしい
なんぞかたきのてかゝりにと見まはす
しがいのつかみしいつつうヲよいものほし
てにとりあげなにをぐるまさわ
太郎どのどうみやうりう太夫
ゑ。ゑじばかりににどびつくり
とたんのひやうしにだゑもんは
したきおそれ
げもなく
あゆみよる
おたへもむしが
しらせてや
こは〴〵
ながらも男を
たのみうしろに
そうて山みちをのぼるけはひを
だゑもんはとをめに見るよりことむづかしと
よけんとすれどひとすぢみちせんかたなみきの
よけんとすれどひとすぢみちせんかたなみきの
まつがえをこだてにとつてたちしのぶふたりはしがいを
見てびつくり〽やヤだんなさまぢや〽とゝさまぢやけら
まつがねひらりととんで
おりきつてかゝるをてい七が
こゝろえたりとぬげつくゞつゝ
むたうのはたらきだゑもんも
あんにさうゐしあとずさり
おもはずいはかどふみすべり
みなぎりおつるたきつぼの
はやせにまろひおちたりけり
もとよりてい七すゐれんを
えざればさらにせんかたなく
ゆくへはいづこしらなみを
にらんでむなしく
たつたりけり
NUUEEDIL
同年九政文』
九戌年九政二
十九年戊戌
文化九年戊戌
丙戌
いろは
御大名火消
両面摺
定火消御役
町火消附両面摺
御場所附並
番組
火事御出役
此書は火事場請出役の御名前御持場所をこと〴〵く出載せ
並に町火消人足頭取住所町名名前且いろは組合の半
てん印をくはしく正しのせすべて火事場にかゝはりたる
ものを残さずあつめ只池魚の笑ひをのがれしむる備
要の事を記してあまねく世に知らしむるの一書也
同江戸江戸
本所
順
四十四本所いろは組纏つくし両面程
卅三深川
一深川
此書は既に先年より売出し置申候右両品共吟味念入
申候最寄之本屋に而御求被遊て被下候万一間違之儀も
御座候はゝ為御知可被下候早速相改差上可申候
父江戸よし町川岸角山本平吉板
ト云フアヨリヨリアマス
第一
狩
十一日
門4冊
製
文政丙戌一
春発販山本板
人形筆五色
絲減下編
種彦作国貞画
種彦作
丙戌春山本寿桜
国貞画
つぎにありところへうかみいでひといきほつとつく
ところへとつてかへせしてしたのみぶ蔵〽たごべゑめが
おやうたのあとをつけてのぼつたすがんばらせて
おいたやつらがちらりと見つけてしらせたゆゑ
今とつてかへすところ此おなりにはなんでも
しさいが〽ヲゝてまへをかへしたあとて
たごべゑめがらせたゆゑふびん
ながらもたつたひとつきところへ
したからのぼつてきたはたしかゆふべ
さうめんやへかねをもつてたごべゑが
ともをしてきたてだいついでに
きやつもたゝんでとおもひのほかに
てごはいやつしまふたところがもんにも
ならずどうがなしてと
こゝのゑとき一〇みなそこくゞつてだゑもんは人なき
ひつぱづす
あしがすべつて
川へづぶ〳〵
それなりに
づきんでかほは
見おぼえぬ
やうにしがくは
しておいたがあら
みぶ蔵はしあんがほつぎへ
くゞつてきた
ねざめのわるいやつが
できたわれいつてけして
こぬからいひつゝしぼるそでたもと
筆曰
とりに遣しましたら日東物に此家若の
そりや坂本とやらのかあれは
よくこれてとなりへひつこしたといふ事ぢや
〽京橋の伝馬町いなり新道へ仙女香を
書た扇がまいり
ました
おふち
かゞき〽おやうたさへてごはいといつたやつをあひてにしてしゆびよく
まゐればおなぐさみいや〳〵そんなかるわざはまァいゝにいたしませう
どこもかしこもとりやびつしよりわたくしがしたぎでもおめしかへ
なされませぢやがきものよりかんじんの。れこはどうなされましたト
とふにだゑもんうちうなづき〽どうみやくともにちやうど千両
もつてゐてははたちかれずきのつかぬ
まつのねあがりさゝのしげみへ
うづめておいたみぶ蔵われが
めんていをばあのてだいは
しりをるまいすりやみちで
あふてもよいといふもの
さつきてまへにわかれた
みちの三に本まつのある
ねもとだたいぎながら
とつてこいおれはあそこの
うちへいつて火を
もらうにき
ものをあぶりながら
まつてゐようじ
〽左ゟもどるは
しめしあわせて
ぢやうすてゝ
わかれけり
○こゝの
ゑとき
のちの六冊に
くはし
ばの国山の内のぐんしおと川うりの助たつのりがらうしんに
とき〳〵をぐるまりう太夫といふものありとしはむそぢにあまれども
くすりぎらひのきうしらずしなひちくたうとらぬ日は
かへつてかたがはるふかきにはのくわだんのつちせかり女ばう
かざらしとい〴〵にせづからはうきうちみつにぬぐひあげたる
きのめえんこしうちかくればまきふでが〽さぞおきがつぎ
きりめえんこしうちかくればまきふでが〽さぞおきがつて
ましたらうまづおたばこでもめしあがりおよこにおなり
おきやく
もうぼたんも
四五日のうちには
そろ〳〵さくで
あらうなんと
おれがたん
いで
〽どれ〳〵見せやれ
こりやたしかに
かねぢや
たづねたらモシこゝに
さいふがあつたはいな
○八郎を
ほんのばらこなしあり
これできれいになつた
かざらしもこゝへきて
いつしよにながめて
なされませおこしひねつてあげませうトたちよれば
りう太夫〽いや〳〵かまふてくれやかなけらいどもに
いひつけてもよいことをあくせくとするのも
ともに
たのしみやれと
いへどもつまはうかぬ
かほつき〽此さわ
太郎はなぜおそい
むかひをやつてけふで
一四日おとうとのこし二郎は
⑧
いへでしてからまる四年
たよりおとづれないうへに
又あにまでがもしひよつとト
いひかくるをりう太夫しりめで
じろりとうち見やり〽ゑへまた
やくにもたゝぬぐちなんのふそくか
しらねどもおやにもつげずしゆつぽん
したふしよぞてもり
したふしよぞんものゝこし二郎いきても
しんでもおりやかまはぬ又あにのさわ太郎
けいせいぐるひといふ大びやうそれがおもつて
かんだうといふでもないがかへりそびれ此ごろは
ありまのゆにうか〳〵してゐることはこのみゝをつきぬけど
しよぞんがあつてすてゝおいたところにこんどよぎない
わけでむかひにやつたせき助はきのふかへつてされ大み
あふてきたといふたでないかすりやあとから
よいでは
ないから
はなしを
わきへぶく
たばこ
かざらしは
まきふでが
てまへも
なにか
きのどくの
せきに
まぎら
その
ところへ
にはの
きりどを
おしあけて
心あくせく
さわ太郎
たち
かへるを
りて
りこう
大夫
〽つぎへ
ふが
つゞきそれと見るよりこゑをかけ
〽ヨヽぶじでめでたいさァこゝへし
さすがおであいかほ見れば
りつぱにいひし
はり
ゆみの
きも
をれ
○○おと川のらうしんあまた
あるそのなかにそのはう
たちふたりのものはくるまの
りようわとたのむところ
ひやうはふのぎろんより
ふわとなつて二十年
これいへをみだすのもとゐ
だうのしんのむすめ
まきふでをさわ
太郎がつまにめとり
もとのごとくにすゐ
ぎよのまじはり
さア〳〵おれが
しんみ母は
なをさらきげんよく
〽おそかつた〳〵たいてい
まつてゐたはいな
あれとゝさまのごき
げんがふしぎなことで
さらりとなをりもう
あんじることはないこれ
むすめはづかしいことは
ないちやをたてゝきて
のましやいのじいはれて
かほもひぶくさにえんのうす
ちやとしらかうらい〽はい
いつぷくもくちのうち
なかうどぢやと
おてづからおさかづき
ありがたくおうけしてすぐに
あのまきふでをむすめ
ぶんにひきとつてとしがよると
心せはしくもうかねもつけさせ
たれどこれまでのおのれが
はうらつたゞではきふにかへる
まいとおれがじしいつしやう
ぢやといふてやつたはけもない
いつはりちかいうちによい日をみて
こんれいをさすよろこべトきいて
はつとさわ太郎ひにぎやうてん
母かざらしやうすしらねば
にこ〳〵がほ〽まきふではをんなの
く申ひらかんことでもなし
おもはゆげにぞ
さしいだす
ましてちゝうへのご大
びやうはや〳〵かへれと
しらせのごじやう
なむさんばうと
もどつてみれば
つねにかはらず
ときげんよい
それはしばらくさしおき
さわ太郎は
へイヘイと
へんじばかり
のみこめぬ
ちやわんを
とつてしたにおき
〽今までかさなる
今までかさなる
此このふかう
に
おかほを
はいして
おち
つきは
おち
つき
ながら
むすめ〳〵と
おつしやるは
みなれぬ
をんないち
ゑんがてんが
まゐりませぬ
とへばにつこり
りうだいふ
〽此ごろしゆくん
て
たつのりこうしゝがきだうのしんと
それがしをおんそばへちかくめされける
ことはづかしいはむりでは
ないがそなたまでがその
やうにうつむいてゐることは
ないちやつとあいさつしやい
のうとはいふものゝこゝは
あんまりはしぢかといひ
とをみちでさぞ
くたびれもしやつた
らうふろもちやうど
わいてゐる
まきふで
ゆかた
もつて
おぢや
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
此印ゟ〽ヲヽおれも
よみかけたほんみながら
ひとやすみせがれのぢにめはうじ
おくとくちわかれてこそはいりにけれ
おふち
○さくら
さめとて
きらんども
こゝにとつぐ
とから人は
いひつたへ
たるもゝの
はな
さへを
さい
じやうぎち
にちとがく
しやかたぎの
とりきはめ
しうげん
むこいり
しうと
いりたゞ
一日に
ことすこ
てゆきの
しろむく
もみぢ
みぢしつ
ねやに
はな
きく
とこさかづき
さわ太郎
右の上ゟさつしやるまいまぎれ
ものゝそのをんなを
ひきづりだしていもと
やしや
おふぢとしうげん
すればその
ゐはい
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
こつ
いぢ
くどく
いはず
に
いやがおうか
たつたひと
こときゝたいし
どつかとすはれば
あやまりにごん
さわたらみの
くもいです
まきふでは
きつとゐなをり
きつとゐなをり
〽なにかわけは
しらね
ども
よめよめうの
まきふではなにと
やらんおもはゆくかほを
そむくるぎんしよくのたちつゞきたり
つぎのまにやれらうせきものあばれ
ものさがれ〳〵といふのもきかずやぶれ
つのりものかつがせてのつか〳〵と
ひとりの男とゞむる女をはりたをし
〽りよぐわいものとはうぬらがこととの
のりものゆひ
でもさすと
ては見せぬ
ては見せめ
さア〳〵こつちへ
かいてこいと
ゑんりよゑ
しやくもあら
けなくびやうぶ
からかみおし
やりつきやり
やりつきやり
づつととをれば
ふたりはぎやう
ふたりはぎやう
てんだゑもん
にこ〳〵うち
わらひいつたん
ぶしのかひやく
そくにもや
わすれは
右の下へ
同二十
おふぢ
との
さまの
な
かう
どて
太郎
ききまのしやめんを
やどの
かうむりけふ
からはとう
からはとう
つまに
さだまつた此
うちううつぎ
とうごといふ
さむらひ
さむらひみるもいぶせき
いもとを
おくる
□□□□□□
やらのたしかに
まきふでまぎれ
ものとはしたながな
みるもいぶせき
やれのりものその
うちにゐりをなご
こそかたりと
やらのたしかに
どうるゐわたしが
あへてやうすを
きかうじかよわ〳〵
見えてもぶしのゝ
むすめすそけはらつてたち
かゝるのりものゝとをさとりと
あけうちよりおふぢがたち
いでゝ〽あいとはしやんせ
までもなくこつちからいひ
やんせうにぐるまさわ太郎が次へ
七日
十一日
とをりとのさまのおさし
づで二世とさだまる
かためのさかづき父は
おいへのおとなやく
しゝがきだうのしんが
むすめのまきふで
〽ホミながたら
しいせんぞがき
ふたごとめには
とのさまのおなかうど
といはしやんすのが
はらがいたいきんりさんが
きもいりをさしやんしても
今やう〳〵さかづきのすんだ
ばかりしたひもといて
はだとはだ
あはせたことは
ござんすまい
「つゞき女ぼといふはとうごがいもとの
ふぢでごさんすいへ〳〵今もいふ
それは〳〵
たんと
□□□□□□□□□□□□
だゑもん
とゞめ
〽ゑへ
やかま
しいもう〳〵
わりやだまつて
一昨亥
ゐろコレさわ太郎
どのくどいやうだが此
いつさつたとへとのゝ
おさしづてもきでんのいも
おふぢよりほかに女ぼは◑
〽包ゟ一のめ〳〵と
したつらのかは
それがぶしか
さむらひか
さアへんたふはと
いつたところが
いんしんふつうで
はりあひが
ない〳〵うちの
しくあはせ
どいつもこいつも
ぐるになつて
きさんそう〳〵
此とうごにはぢ
つらかゝせてたのしむ
のかこんばんはおめで
たいごこんれいで
おとりこみ又
かさねてまゐり
ませうさわたらと
いふやつはぶしに
にあはぬへうり
ものいぬ
ざむらひだと
くにいつぱい
ふれて
あるくが
せめての
はら
ゐて
いもう
こい
□□□□□□□□
もつ
まいとかいて
おこしてまだ
すみも
かはかぬうちに□
あんまりなそれ
〽ばかりでないきふなんを
すくつたおんをうちわすれ
てを
とり
たち
あがつても
さわ太郎しめん
さわたらし
とはうにくれはてゝ
さしうつむくかほ
ぢろ〳〵と
うち見やつて
ひとまのうち
よりこゑたかく
〽にほんだろやりん
せらわらひ
のつかくと
たちかへる
ひとまのうち
まア〳〵まて〽なん
〽イヤとうごどのおませ
なされじいひつゝいづる
りう太夫つぎん
おふち
つゞき〽まてといふなら
まつてやらうしゆう〳〵と
してたちかへるめさきへ
なをすしらきのだい
りう太夫いんぎんに
〽させうながらきん
千両ちかごろあな
づりがましけれど
ひさ〴〵のごらう
にんおしたくの
いりよう
きんなんと
これでその
をんなと
せがれが
あげたいつ
さつをおとり
なされてくださる
まいか〽ヲゝやすいものだが
あつかいがさつぱりに
しておもしろいうつて
しんぜうやりませうじ
いひつみだんのかきつけを
ずん〳〵にひつさけばりう
だゑもんびくともせず〽こりやごらうもう
太夫はなをいぎをたゞし〽たゞ今
七十二年二月十五人金五人
あれでうけたまはればたうけへごきさん
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
新
なさるとやらしてごしんぶのごせいめいはじとはれて
▼なされたさうなおやはうりぎたて
ゑもんわかいときにはきでんとはう
ばいせつしやはらう〳〵いたしてのちしやつ
しやういたしたじやくはいものおみしり
しやういたしたしやくはいものおみは
ないはごもつとも此たびたうとのたつのり
こうよりおめしかへしにあづかれども
なにをもうすもちゝはらうたいそりゆゑ
せつしやをみやうだいにさしこと
おそではんすはつたこの
つきさァごらんくだされ
ふちうよりとりいだしわたせばみ
りう太夫ためつすがめつ
見〽なかほどこれにさうゐはご
ぬがごしんふにはあふみの国つく
まのへんにかんきよのよしつたへ
きいておすみつきをもたせ
やつたはきよねんのくれひかず
ふれどもかのししやのかへりとぬは
がてんゆかずかさねて人を
はせたるところ
ひのをめ
□□□
たうけの
やぶかげに
□□□□□□□
さきにいだせし
ししやのしがい
みいだして
おひ〳〵ちうしん
六のまきへ
六
つかひのものせつがいされたはたうちをたつてその夜
五ッすぎことのちうしんさすればもどりでないは
ひつぢやうしてたゞ今ごしんぶのごぢゆう
たくはいづれでござる〽ウ〽きつと
せんぎのしようもあれどなにか
しらねどせがれのきふなん
すくふたとあるおんがへし
こんやはなにも申候まい
さァあしもとのあかるいうち
とつとくかへれしおすみつき
しつかりをさめてとり
あはねばだゑもんはどう也
ぶらたちあがつてそら
工の巻一ゞきなをつくまへも人をくばりあまねくたづねもとむれど
はやたてゑもんはめとをくらましかのちにもをらざればいかにとも
せんかたろ〳〵なをざりにうちすぎしがそのすみつきをどうして
ごさでんが〽イヤサせつしやにすみつきをわたしたかへりにつかひのものぶ
きられたものでがなござらう〽そりやくらいかのひのをかにて
いふにいはれぬおのれがあやまり
ゆほかにつまはめとるまいと
たわけたいつさつかくといふは
ふしよぞんともはふぐわいとも
きでんなイヤサせつしやにすみつきをわたしたかへりにつかひのものがいふにいはれぬおのれがあやま
此ふぢとやらいふをんなは
われがなじこのけいせいと
いふこともひとめみるから
しつてはゐれどそれも
これもいひだてすると
むちてぢを
あらふ
せけんの
うはさが
くちをしさ
みす〳〵
丁にいる
たうそくに
うそふき〽そのすみ
うそふきその
つきのしごとがばれても
せんりやうとればこゝまで
きたほねをりはまづ
せんりやう
といふかねをあたへ
かへしたおれが
むねんさを
ちつとは
あるといふ。もの。はい。
すゐりやうしをれやいじちゝの
大きにおせわになりましたし
いかりのはら〳〵なみださわ今は
かねばここわきにひんだかへ心しづるにたちかへるあとうち見やつて
りうたまへ〽せがれ〳〵トまねかれておづ〳〵はひよるさわ太郎が走りがと
つかんでばつとひきよせなにかごとのしさいはしらずあやつのやうな
みもともしれぬ人にうか〳〵だいじをたの兵左とへしやじんのいひづけでもゆ
たまりかねわきざしぬいて
わがはらへつきたてんず
かくごのてい〽これはとおどろく
まきふでおふぢつぎかし
でき母かざらしもひとまより
こけつまろびつはしりいで
〽なななななんでこなたは
はらきるのぢやふたりとも
しつかりとかならずそのてを
はなすまいぞ〽あい〳〵
がてんでござんすト
おふぢはきつと
さわ太郎をいだき
とめてかほうちまもり
〽今かへつたあの
とうごが
ありまで
わたしの
みうけして
みち〳〵いふて
きかするには
あのをぐるまの
やしきへは
おれがいもとに
なつてゆきさきの
よめにあふたときはかう〳〵いへ
さうするとあなたの女ぼに
なられるとをしへたゆゑにさつきの
此みがもつたいないなんのりんきをいたしませうあさゆふ
おねまのあげおろしおそばにおいてくださればほかにねがひは
の○おふぢをかつぱと
つきたをせばあわてて
まきふでとりすがる
かざらしはそのひまにさしぞへ
ゑへのけ〳〵とはらふてに
又しがみつく母かざらし
りう太夫はにつこと
わらひ〽たいせつな
おいへのないじ
いひつけおいたをうちおわびのしかたもあらう
いひつけおいたをうち
わすれせつぶくせんとはほどにいさいのわけを
さわ太郎わりやふたつ
いのちがあるかはゝみ
ものとめずとしぬなら
とりどころなきたわけ
ゆゑゝるがごとくといき
つくよりほかはなし母
てばやくおしかくしきふなんを
すくはれたとはがりいつて
ゐやつてはどういふことか
わら大きはねこと
やうすがしれぬことゝしなに
よつたならとゝさまへいくへにも
おわびのしかたもあらう
ほどにいさいのわけを
はなしやいのじとひかけ
られてさわ太郎びんかき
あげてふりあふのき
〽申ほどみなみのはぢ
かつてにしなせろ
かつてにしなせろ
さりながら母さまの
まきふでその
せつかくおたづね
たばこぼんとつて
たもしみむきも
せねばさわ太郎
しぬもしなれず
はうぜんと
ひざに
手をおきの
あそばすを
つゝみかくすも
ふるういふかう
まづ四年いせん
こし二郎いへで
なせしその
をりから
それがし
やうにはしたないこといふたれどまきふでさまはたれあらう
とのさまのおなかうどでいはずとしれたごほんさいりやしい
あとをぼつ
かけでゆくへ
しれずと
たゞ今まで
ござんせぬトいふをまきふでひつとつて〽てかけめかけは
とのごのならひどうしてわたしもりんきせうモシ
さわ太郎さまそんなことは心にやまずとゝさまへ
わびことしてはらきることはとゞまつてくださんせ
これもうししなでかなはぬことならばわたしを
さきへころしてしくどきたつればさわ太郎
やう〳〵にかほをあげ〽いひわけににたれども
とのよりのおさしづで女ぼのよんで
あることはかみならぬみの
ゆろさらぬみの
ゆめきらしらずうつぎ
とうごにあざむかれ
きふなんがのがれたさ
かいてあたへし
あのいつさつ
今ちの
めいさつ
にておん
すみつきも
とりかへされ
すこ〳〵と
いでゆきしは
たしかにかれも
まぎれものといへば
ちゝはこゝゑになり
〽ヲヽあやつはゝかぞくぢや
ゑへ〽おとにきこえし
にほんだゑもん此里う太夫は
しつてをる〽ささそのたうぞくに
へいぬざむらひ
ちくしやうぶしにと
あつこうせられなんといきてをられ
ませうト又さしぞへをとりなをし○○
いハが
申あけ
おいたるは
おなげ糸
おなげ
きを
かさね
まするが
せうしさ
ゆゑまこ
とは
おとゝ
こし二郎は
人にうたれて
はてました〽ふウ
なにといやる
〽さァわたくし
かれがあとを
おびまづ山
しろを心ざし
まつのをの
へんをたづね
山ざきのかたに
しるべあればもし
かのかたへやおち
つらんと大ゐ川に
つらんと大ゐ川に
ついてくだり
きつね川を
わたらんとつぎへ
おふち
〽きしかしこをみればくびなきしがいおぼえある
おとゝのいるゐくわいちうもの大小までうばひ
さりしはたうぞくのしよゐならんとめふから
より〳〵心をつけしところまつかく〳〵の
しだいにてかうがいよりこし二郎が
かたきをありまでたつねいだし
すでにうたんとする
ところへちゝの
びやうきを
しらせの
じやう
それに
ついて
いつたんは
かのものに
いひ
まきら
されゆうよ
せしがいよ〳〵
おとゝのかたきにうたがひなき
しようこきくとそのまゝ
とびかゝりたゞひとかちと
おもひのほかよにもまれなるみがるのうまれ
にかいのらんかんをとりこえにぐるをおふてゆくところへ
やうすしらねばところのものそれがしをきやうじんと
おもにてばら〳〵ぼうづくめよるな〳〵とうち
はらふきつさきかすつて三四人とがなき
ものにてきづをおふせたうのかたきを
四男なきかざらし
此みのさんげものがたり
しじうをとつくと
ひととをりきいてたへわたしは
きゝいや〳〵それなら
もとこしもと女あのさわ太郎
わがみはしぬに
さまをおうみなされたこなたの
およばぬしなねば
せんのおくさまにちひさいとき
ならぬその人は
ならぬその人はからごほうこうおくさまおはて
こゝのざしきになされてのちふとしたことで
こゝのざしきに
おめかけられうみおとしたは
べつにあるに
そりや又たれがこし二らおへやさまから
そりや又たれが
〽もしなねばならぬおくさまとなりあがるほど
その人は此かざらしつのるはよくしんあゝさわ
ぢやといふよりはやく太郎がないならばじつの
われとわがでにわが子のこし二郎にこゝの
かとくをやらうものと心で
かばとつきたつれば
おもへばをりふしは
おもへはをりふしは
〽これはしばかりおどろく
くちへもだして
む〳〵〽あゝさわぐまい〳〵
こし二郎にかう〳〵ぢやと
わがつまやさわ太郎は
さゝやけどかれはわたしが
かねてしつてのこと
とんよくな心には
なれどまきふで
にぬすぐな
どのおふぢ
どの
うまれよりそめ
にもそのやうな
もつたいない
ことおつしやり
ますなその
けぶりがあに
さまのおめに
いつたか日ごろ
みうしなひいふやうもなきみのふうく
そのことにつきそれがしをかしこへとめおき
かへされぬといふはあつちがみなもつとも
こちらはちゝのご大びやうときいてへんしも
はや国へかへりをいそぐをりといひとやせん
はうにつきたるところとうごとなのりし
かのくせものしんせつらしくことばをかけ此
おふぢをみうけして此とうごがいもとゝなし
おんみのふさいにおくるべしそのことしようけん
一したまはじきづをおふせしあやまりも
それぶしがむきうけてきでんはすくさま
それがしがひきうけてきでんはすぐさま
かへざんとかやう〳〵のことばづめちゝの
おほせにちがひなくおふぢは
みやこのゆうりにてかねて
なじみをかさねし
をんなそのいろに
びかされしと
いふばかりにも
あらざれどすぐ
さまくにへもどらる
そのうれしさにせん
ごもわすれあちらで
かいたのぞみのいつさつ
あらましかきのこしはらかつさばかばけふの
いんぎやうすゑてたちかへれば
ちゝうへはごきげんよくくはいろかはる
まきふでをかうぢやとのおんはなしみぎの
ちぢよくはうけまいものをくちをしいトたゝみにくひつき▼
おふぢ
いやい
…………………………………………………………………………………………………………………
松平平正
からがくもんばかり
からがくもんばつり
なされた
おかたうつて
かはつた
けいせい
ぐるひ
あれはわざと
あれはわざと
とゝざまの
かんだううけて
わたくしに
此やを
つがせ
あなたの
おの
ぞみ
かなへ
ことを
すます
こゑよ
あましいつそ此みがつきへ
そこへまア
お心はつき
ませぬかとなみだ
ながしいけんされ
てもわたしがあくねん
ひるがへさぬにもて
廿八
うまれゆゑぎりあるおとゝと
ろをあはれみとう〳〵
かたきをたづねだし
うたうとしたから
ことおこりたうぞく
とはゆめ〳〵しらず
そのきふなんを
すくはれたさわ太郎が
あやまりのもとを
たゞせばわたしが
どのではないとのさま
さまにごふびんおかけ
とがいのちをすてゝ
わびまするりう太夫
なを〳〵これからさわ太郎
までむくつたものでござんせうすりや
さわ太郎にはおとゝながらあだ
がたきのこし二郎いんでせうとも
しなうともかまうはずは
なけれどももとよりたゞしい
なけれどももとよりたゞしい
なされ今までのあやまりは
ゆるしてあげてくださりませト
ちにまみれたるてをあはせふし
をがめばありあふ人〴〵ことばはなくて
めを見あはせたもとをしぼりゐたりけり
「つゝきないならばとそのことをくれ〴〵もかき
おきしてあれがいへでそれほどみちをわきまへた
ごし二郎がひごふのしはわらはがはぢがあの子へ
ありしとなり龍太夫が
物がたりにて
あはせて
○此ゑは千余年まへに
見たまふ
べし
□□□□□
おいんのつぎめには
あしかゞどのゝどらす
いれまつたまい
ねんせつぶんの
その夜はたうちの
しやうどじんさくら
いのてんじんへかの
ふたしなの
たからをさゝげ也
りう太夫もひさをすゝめ〽もつともをんみが
ししたゞしからぬそのおこなひを
われとても心つかぬにあらされどゝ
すでに二男こゝ二郎いへでしてより
せんびをくひさわ太郎をしんじつの
ふとおもふていたはるていあやまつてあらた
はゞかることなし
といふほんもん
あればとさし
むるに
ゆるし
今日
までは
うち
す
又
たり
太郎が
みもち
はうらつ
こし二郎か
かぐらを
さうすが
おいへの
きちれい
今よりとゝせあまり
いぜんれいのごとくに
てんじんのないぢんへ
かざりおきしき
れいなかばことをはる
そのときひとりの
まひひめがくだんの
たからを
うかゞひよる
しゆつこくも
へつにしさいのなきにもあらず
めいとのみやけにいひきかさんことなが
けれどもくつうをしのぎひととをりきいて
しねたうおと川のおいへにつたはるろつきのかゞみゆ
ゆうすぐもの
つるぎとて
よにもまれなる
ふたつのたからなの
かのもの
いつなる
しゆつをや
けん
つぎ
ヒム
しゆしこのやくにくはりしとにはあらざれどまづおんがみへ
ようでんとよふけてあゆむしやだんよりくわゑん
だいこをこはきにかゝへあらはれいでし
あやしの女らやうの
そでをひきむとひ
うつちちがへてたすきとい
なしひのはかま
さんありあふ人〴〵〴〵ねぶりきざししるものうつてなかりしよしそれがしその衣の
けはらひく
さゝゆるじちやう
みぎひだり
ちどりになげのけたつたるてい
たゞものならずとすゝみより
ちはやめりそでかいつかみひつき
とむればかふりしてんくわんはつたとおつる
するどきわかゝものにてみどりのまへかみ
ふりわけてはつたとにらみしありさまは
はるのやなぎのこのまよりかゝやく
ほしにことならずしやくせものこさ
めれとくまんとすれどかれがうんめい
いまだつきざるしるしにやとつこなけ
ざんかんを山にはかにくろくもたちおほひ
しのをつかねてふりくるあられかゞりひ
のこらすきえうせてもとのあんやと
事なるかみもとゞか〳〵と
そのいりからすゐがんじのかたよりして山かせ
きつとてきちにまだきえやらぬすてかゞりいちどに
はつともえあがり見あはすかほは女にあらずがんしよく
れのいへにあらぬはこし
らがともをやし
けん又なにゆゑ
こし二郎はうたれ
しこそのし
さいはかつて
しらぬまつた
せんねんあか
まつのりきよ
むほんを
おこせしその
ときにたう
とのたつのり
こうのかんちく
こうのおんちこ
ぎみかれかうつ
てにむかばせて
〽たゞいつせんに
ほろぼせし
かのあかまつが
わすれかたみ
たゝんといつし
もの介二ほん
たゑいんとなのるよし
より〳〵うはねにきの
たるがこよひとうこと
てないりしくせものかの
だゑのんにうたかひ
ない十か年よもほど
すぎてめんていは
かはれどもまひひめに
かさりの
ねやこと
ともせずに
あとをくら
ましゆくへ
しれねば
ぜひに
ときならぬでん
ときならぬで
くわうかく〳〵まろこ
をいすべきやうなく
てにあたるほうのふのゆみ
とりおろしにげゆくところ
まぎれこみたうそくも
たしかにきやつめあらだて
せんぎをなさばたからを
はきやくなさんかとかねを
あたへて心をゆるませしづかに
せんぎをなさんけいりやくさわ
太郎はかんだうをうけしといひ
じん
せんへ
おも
あらた
およばず
むきて
むればたから
本質
いづまのひかりに
なしすがたをやつしはやく
すかしてあやまたず
いとめたれどもゐ上へ
ふんじつさては
かのたいこの
うちへかくしてうばひさりつ
らんと此ことをふかくつゝみ
たゞさり参らにのみものがたりたからせんぎのそのために
わざとゆうりへいりこませおいたるうちに此おふぢいせんの
名はさんごとやらんなじみをかざねしそのこともとつくきいたが
わかいみではさういふこともあらうかといけんもせずにすてゝおいく
おいへのないじをかゝへながらいのちふたつもつてゐてはらきるかと
とめたは此わけ又こし二郎はわれにむかひしゆつけこんせいなしたき
ねがひさては母かざらしをいさめかねてのことならんとすゐりやう
しへがらそれといはずかれにもたからふんじんじつのしだいをそのときかたりきかせ
ほうしとなるよりそれをさへとりかへさばばくたいのちうしんなりととゝしんさせ
たからをとりもどせ
さァかざらしあにがはう
らつおくへのしゆつこく
あながちおんみのしよゐ
ばかりでないといふはかくの
しだい心にかけずと
わうじやうしやれ
いで〳〵まつごのさかづき
せんじてうしかはらけ
とりよせてさらりと
ほしてさしいだす此世は
ゆめのてふはながた
みらいははずの
うてなへとことぶき
いはふふきのだい
きておひはいまを
いだんまつぬはや
ものをさへいひ
かねてさらば〳〵も
心のうちあとに
さかふるはなよめを見
おれはしつていへでさせたがその夜ちうげんだう助もともにしゆつぼんしたりと見えるの虫でちりゆくのま
さころにひとつとたはうか。あひにあひ
おいの松こそめでたかりけれ。イヤ
あひおいといへばしんだおくも
ことしいきてゐると六十
みらいでかざらしあふたなら
たからがもどつておいへを
しつかりかためぬうちは
どうもおれはゆかれぬと
うばきうばきくら〽母さまもうしかざらしさましよべどその
かひなきいるさんにんりう大夫はたかわらひ〽すゑのつゆ
もとのしつくどうでいちどはしぬものぢやことに
あくねんほつきのしやうがいなになげくことがある
種彦作
〽これは
いふてくれヲヽがてん
するのはきこえるか
あとはねぶつもくちの
うちはやあかつきをつげわたるかねのひゞきこと
もろともにておひははかなくいきたえたりをり
からいき日死せき助がちうをとんでかけきたり〽おほせに
したがひくせものゝかへるところを見とゞけんと十ちやうばかり
したひゆくしかりしところに手したとおぼしくおなじ
でだちのくろこそで大の男が大ぜいあらかれかのくせものを
なかにとりこめおひくるものもあらんかとまろこを
くばつてたねがしまつゝさきをさしむくればむねんながらも
ちかよりがたくとつてかへし候じきいておどろくさわ太郎
りう大夫はうちうなづき〽ヲよし〳〵あやつなにほど
はたらくともてんちのそとへはよもでまいにぐればとてにほんの
うちさわぐな〳〵ひそかにせいトかざらしがしがしがひをとり
をさめさせまづさわ太郎もしばらくやしきにとゞまりけり
作者口上此さうし十二くわんにつゞり候やうはんえのあつらへ
ゆゑのこり六冊は当九月うり出〳〵申候人形筆
国貞画
はゞかりで
こざります
□□□□□□□
二編目と御尋御水の
ほどこひねがひ奉仕
○てい七なにはへかへり
しゆじん田子ぶゑ
一ちういんはてゝのち
うちでやのしんるゐの
さしづにておたへを
さしづにておたんを
一つまとなし
田子べゑがめとを
つゞ此こと二へん
めにくはし
めでたら〳〵
〽おたびのひもが
ほどけました
ちよつと
むすんで
あげませう
筆工
千形
道友
着成九政文
反新介著成九政文{
司史稗版新介義
につほんだゑもん
日本歌右エ門が
忍び駒
有馬の阿藤が
水調子
名物
甲州
商言
足袋
椀久
まつやま
松山
地本類
柳亭種彦作
山東京山作
形筆五色絲藏
菊寿章霞段不皿六冊
哥川國虎画
前編六冊
全十二冊
後編六冊
五渡亭国貞画
市川三升作
於夏
清十郎
尾上森幸作
想合對管笠六冊
哥川豊国画
同四ツ谷蔦六冊
哥川國安画
市川三升作
志賀春金漣六冊
墨川亭雪麿作
六冊
茶筌売話説種瓢士
言言言示票六冊
五渡亭国貞画
花蘭齋美丸画
御かほのめうやく
御かほ一切に用て
百
功能多き事
美艶仙女香単銅
無類の薬也
んま町いなり新道
弘所江戸南てんま町いなり新
弘所江戸まてい
坂本氏
いなり西となりお本氏
さうし類
よし町川岸
東□ぎゑ
山本平吉板
問屋江戸、
おやぢ橋角
さうし類
もとのしつくどうでいちどはしぬものぢやことに
あくねんほつきのしやうがいなになげくことがある
さころにひとつうたはうか。あひにあひ
おいの松こそめでたかりけれ。イイヤ
あひおいといへばしんだおくも
ことしいきてゐると六十
みらいでかざらしあふたなら
つゞきうばざくら〽母さまもうしかざらしさましよべどその
しなきは
かひなきいるさんにんりう大夫はたかわらひ〽すゑのつゆ
種彦作
〽これは
たからがもどつておいへを
しつかりかためぬうちは
どうもおれはゆかれぬと
いふてくれヲヽがてん
するのはきこえるか
あとはねぶつもくちの
うちはやあかつきをつげわたるかねのひゞきと
もろともにておひははかなくいきたえたりをり
からいきせきせき助がちうをとんでかけきたり〽おほせに
したがひくせものゝかへるところを見とゞけんと十ちやうばかり
したひゆくしかりしところに手したとおぼしくおなじ
でだちのくろこそで大の男が大ぜいあらかれかのくせものを
なかにとりこめおひくるものもあらんかとまなこを
くばつてたねがしまつゝさきをさしむくればむねんながらも
ちかよりがたくとつてかへし候じきいておどろくさわ太郎
りう大夫はうちとりなづき〽ヲヽよし〳〵あやつるにほど
はたらくともてんちのそとへはよもでまいにぐればとてにほんの
うちさわぐな〳〵ひそかにせいトかざらしがしがしがひをとり
をさめさせまづさわ太郎もしばらくやしきにとゞまりけり
作者口上此さうし十二くわんにつゞり候やうはんえのあつらへ
ゆゑのこり六冊は当九月うり出し申候人形筆
国貞画
はゞかりで
こざります
せい
二編目と御尋御水の
ほどこひねがひ奉仕
○てい七なにはへかへり
しゆじん田子ぶゑ
ちういんはてゝのち
うちでやのじんなゐの
さしづにておたんを
つまとなし
田子べゑがあとを
つゞ此こと二へん
めにくはし
めにくはし
めでたら〳〵
〽おたびのひもが
ほどけました
ちよつと
むすんで
むすんて
あげませう
筆工
千形
道友
文化九政文
史稗版新文著成九
につほんだゑもん
日本県右エ門
忍び助
おふぢ
有馬の阿藤が
水調子
名物
甲州
足袋
わんきう
椀久ちやせん
椀久
まつやま
松山
地本願
柳亭種彦作
山東京山作
形筆五色絲藏
前編六冊
全十二冊
於貝
後編六冊
五渡亭国貞画
清十郎
想合対管笠六冊
菊寿童霞盃六冊
哥川國虎画
尾上森幸作
一紫管笠六冊
市川三升作
哥川豊国画
市川三升作
同四ツ谷鳶六冊
哥川國安画
こがねのさゞなみ
志賀春金漣六冊
墨川亭雪麿作
御かほのめうやく
花蘭齋美丸画
六冊
茶筌売話説種瓢
信吉言示票六冊
五渡亭国貞画
御かほ一切に用て
功能多き事
美艶仙女香四十八銅
無類の薬也
弘所江戸南てんま町いなり新
坂本氏
いなり西となり
東にきゑ
さうし類
よし町川岸
問屋江戸、
おやぢ橋角
山本平吉板