鑓權三重帷子

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近松門左衞門
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ヤリノゴンザカサネカタビラ
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一鑓椎三重帷子 鑓の柱三重帷子作者近松門左衛門 九十一ヲ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 君八千代国は。おさまり御留守にも弓馬 たしなひあつさゆみ馬の庭のり遠乗とはる かに出しはまのみやとりのたりのやぶさめ馬場並 木に落る風の音とゝろ〳〵と打波も乗わけつ べききりやうこそ表小姓の数々の中にも世の 権三とてふけいの下まれ世の人に。鑓の権三は □□□□□□□□ だて者のどうでも権三はよい男。うたびはやら すひなん草女有一つの恋草を飼にかふたる月毛 の駒前脚とつて肝つよく雪かみくだくしかめに さんせうよしや瓦は青郡のしつたりしたりした〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵つたりしたりしたく かつし〳〵とあゆまする。大坪のとうの鞍の内いと に心染手悪かいくりくり〳〵のり拍子。はいとかけたる 一声に。両口はなすやつとが顔此も。んにはねたるしゆん 〇 ○ そくやはまのすぞに風吹てさゞ時よわろしを の髪しづ〳〵〳〵と乗もとし引廻しのる袖すりの 松も女松の十八公其とし比のふり袖の京染もやう すけ足は家中でたれの娘ぞやおうでらしいか小ふ ろしき権三見るめの糸。すゝきぢらるほとりと馬の のさきよけり。ふりして。じやまをする。権こそれぞと見し 人の心に覚えあら駒も。色にそばへて。是はやきとい〳〵 顔をかとにて歌ぞめいとちわの貌打くれ〳〵かけさ する。くのはの音ははりわん〳〵。あをりの音ははだ〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳 嘉場場 たく嵐やばさきのすゝの笹原さら〳〵さら〳〵さつ と乗とび〳〵〳〵乗とばせひめをろく地につけでぞ。 二町五反の馬場の内息をはへかす半時計奉者を 見せてぞ三章せめるの敵も鋭く行に成のりとらむ れは小者馬衣もうお仕廻と走より。 あせに成た。下しり帰つて春かへの診持てこい事名は 其間みやへゐて休息せいないといふより中間共望む かたには足はやく立さる跡につな〳〵と立よつて足の衆 咒「先徒共にしつと取久しうごさんを催この御無事でめ 能加減 てたふごさんすろ。是見ぬ顔もよいかげんにしたがよい ぞやがはいてに雨もほねおらせけふ一時にけいとせねばけ 最前 はぬか。さ程わたしがいやなかばさいぜんからよけず共なぜ 此馬にやみ殺させて下さんせぬなゝこなれはなふ有のぬ 夷親同 け〳〵と。よふうれをつかしやんすと。にゝむめの中おろ〳〵 と女儀もろかりし是お雪殿人にこそよれ川側付 頃城 塩 之丞殿の妹御ク君けいせいをなぶる様に権三がうそを ││奉伺 つく物か少も心かはらね共下々のやつゝまかふため中間め 留死 らが見つ給ふかと夢に舞心もせず気がちうを互に 是此ごとく汗かいたしたいぞおぬしが不調法やきい人の人の人の人の人の人の人の人の 有物わかい女中に来人もせず此御な遠かけ。御家中に つと名が立ては此権三御奉公がならぬ申かはした詞也 かへたし同道ておかへりやれはやう〳〵と乗出を需取 て引とめうはが不調法とはよいわな事おつしやれなやいの 〃嘉和宿 権三様よもや忘れはなされまい去年のふゆにたしがやど 前合 でおゆき雨とおまへとあせた時是かぎりとおろしや れたかなうなんと。たつた一夜切にきほりにする娘御じや ごさらぬアリ忝くぞれからなしくつぶてもせずがふみの 行渡 いたびことに此方から返事せう。どれどに一ごの返事も なされたる。お雪ひのてゝこれ母御さまはござらず。めしろになる 姥川 此よはぐる也。伴は丞さまへたつた一といひ入でつい御祝言 奥様 すむ事。事おもさまにかたしやける。但いやかいやならいやと今 育自慢 御意なされ亦案が有かんによしがそだてゝちまんしやな いか。男にゆびも重せぬうわひさかりの十八さゝぎやはら かな内を一口くふて世ゝりさがておかふや。そりや成ませぬ 輿 あべかこふとぞわめきける。女中の句では恨む。書は 落ちる遠慮ふかく。返事せぬは身があやまり。御舎兄伴 之丞とは御膳番の浅香市市之進に茶の湯の相弟子 心やすい朋友なれ共申にゝいがあぢなかたぎで。むさと物の いはれぬ仁わかいものゝ口から御自分の妹下されとは何とも それは恥かしし然るべき妹頼みま方へあいさつあれ我は 一合忠伴之丞さへのみこまなれば用人じゆ迄まじて其 道 上は縁次第。此詞をちがへなばたつた今此高から。まづさま にころりと落ふみ数さるゝ法もあれ。心ていかけぬ〳〵と 御参顔 いへばおゆきがにつこりとゑがほにひらく小風呂敷是此帯 の縫見て下さんせ。丸に三ツ引出まへの御紋にたくしは 細工 糀 高菊よふはなけれどわたしがさいく。大小のしまる為中 入に念は入たれと。上げ口がお気に入の末ながふ 縫したてゝめさせねばならぬどれぞ妹頼みて本式の いひ入はなまへから是は是は是は是は世の心たのみ此者のことく いつ迄も。おこしこをはなれずそひまとふてやそうじやぞ やと。くらのまへわにある其手を取てじつとしめどうも いはれぬ嬉しい心八まん我とも心ていかはらぬ此馬も聞 てゐる畜生の心は人よるも恥かしいこりやせまにたて るよ聞べか〳〵といへ共いな馬の耳風にいなど計なり。 権二帯たゝんて懐に押入あれ〳〵浜手かくはげ馬の遠 乗は舎兄伴恋がほんにまで兄様がそれそこへ[リ旦野のかこり やならぬ見付れては後のやまし。先こつらへ〳〵とはんじゆの 〽かたへて走分程なく伴奏乗来り并権二出身々を乗る。 □□□□□□□□ いかふ情が出て馬持がよいゆへに其月毛も一両年めつきりと 銭 能なつた。買手かあらでうつて仕廻不両も利を取て 売 又跡からやす馬買置乗入てうつたらば金持に成筈よいげいし 覚て仕合こと人をけなす只せ権三気立をよくしつて 少身者の馬の手入風をろくに見ぬゆへ見かけれで爰はの 時の用にてぬ。御身近は大身人には多し朝はよしずはといふ時 肝つよくあゆみ勝は出身の方ひまうめされといひければ其 いひぶんは一度二の丸の桜の馬場で其月毛に此馬があゆ みまゆたあてことなり一事あせめて勝負せうのれ〳〵と 気をせいたり心得たといひたいが今迄乗つておれやる通 人馬共に草臥只今帰宅かさねて〳〵〳〵小者共こひやいといへ共 いつかな聞入ず。草臥とはさけ用心勝負せねば命んにんな と手綱をくつて乗出す権三も今分なく馬には一息つがせた り我身のあせも入たの月毛の約に梶狩哥みつの日悪上り ひかへくりゆるめひだり右に輪をかけちかへ共にきけしと二 三へん入かへ〳〵乗たりしが権三が馬は逸物の口を切て角を入ける とかけ万声の内一さん子昇出を伴に丞がくりげ馬鞭か けに尻込して知ても引てもしやくつてもまへ怖へ高いな 八日頃 なきしおまあがねあかり貌にたまらず伴は恋屏風がべし にどうと落木の根に腰ぼね打当あいし〳〵といふ声に 馬頭聞間ざうり凡主人の所も打忘れ一度にどゆぞ犬 ひける。権二驚き飛でおり怪我はないと立よればこれば。 権三加半はなぬかられ毛馬。こめらへ渡せ切て捨り。馬を渡やし あいた〳〵腰をもめ中間共うぬらも首があぶないと。権三が方 をしめにかけおねしれずのひとり腹権ともいはれぬあい さつゝ身をひかへて立たる所に手物番の岩木忠太太衛六 十八でも生件かたき所がねさぬき刺たてゝ。御両人是にか。御 寄人も参べきによい所で御意得た。本御家老しゆより御状 到来此度若殿御祝意心済お悦び出国におゐて当月番 近国の御一門方御振廻御馳走のため真の麗子の茶の湯な さるべとの事。是によつて我が舞浅香堂をも留主なれば 御城中弟子しゆの中真の台子伝授の方へ御広間本三の殿也 ごとめさせ申せと。御ぬ主御家老衆より仰付らるゝとはかせ共 どなたが伝授なさんもなぜぬ様御尋も此度の御用にたては第一奉 公其身の手柄三年の命之進も本望何と御番人聞覚もあつて 茶の湯の名をといふなら此度也とぞかたりかまん者の伴之丞 〽〽亥の台子やすい事。何夜あるしはうけね共秘事はまつげなんで もない事。色々家存でゐる数年のけいては此度御用はせまや 承る心やすふ覚めせそれは先珍重権二反は御存知ないされは 存だ共申されず存ぜぬ共申されぬ。惣で是は茶の湯の 極迄家々の侍多けれ共師近重を一流は東山殿より向伝馬 同牧野 相伝の大事なれば権三体が薬の湯で伝授ゆるしうげうくづも ごさらね共師身の必聞はつた義も有大概非のいらぬ程の御 角の間には合せませうと詞の中より伊丞[テ]か程大事の臣 の御用書に合せてすむ物は。此御用は伴之丞がおよりしてつゝ こゆる忠太殿其母心持あされといひければいや我人のからに 飯田 もならず。娘ながらも望を女房が恥ねく有べき事にもの ならぬ真の台子の傳授る。あやまり有て殿の花諸事談合 つくか能苦之御両人はふりかいざ御目道いたそうかともかくと伴 と忽ちんはちか〳〵は街を引石太意頬にくゝこなさは腰をおつなき なゝかね気でもおとつたりされでく拙者程の馬の成人なれ共蔵の 物にもけめきのいなから落て驚いたんと色とやら重言やら 右太景出した。きやつなぶつてやけんと思ひ馬から落て落るや とはいふ念が入し落守。たむか道理いつたも落馬がはやるやら 生駒部へ左がおこるも妙薬一般でかげもさらず落るにたす家は 今朝他所へ参事。人事の精進をつゐ落過たしたし此外に落馬の はやる時。むさといひかなどなさるゝな首が落るいたさうぞと しぶ口いふく茶の湯者を聟に持たるにてか身のなひきゆふは けふの物むかし世の口にあふ茶の名に人は氏よりそだちかや浅音市 みもの友主の句がさゐはさする薬人の奇物する薬人の能気もだて に二人の手の親でも。さやしやをねぼその生れ付風しのうく風し かくの三十七とは見へざりしすきや廻りの神のごひ下女中間に 五日雨降 もいろせず。はゝきはなさぬきれいとき梅路の丸石しき松葉 石燈籠はこけむして岩ほとなれる手水鉢植辺の木の下類 の隆宗地成迄夫婦ながらへて。子共の末を高砂の松のさかへや いのるらん申むすこ虎喰弾竹よこへ年季の角介様ひつさ げ藤路の中にはしり入景清是を見て。物々しやとゆへ日 かけに。お物ひらめかいて切てかゝればこらへべて。はむいたる兵は 四方へばつとそ逃にけりゑいやとう〳〵〳〵〳〵〳〵とぞ打合ける つほどにあけよそこなぬくめ。易書の数に念がゝ江戸 瀬切 数歌屋 の仇さい得しおらす。ちいさい手を相手にて怪我でもさするか すきやの餘土に疵でもついたらなんとする。是虎は是虎のばるを 相手にて日がな一日わり物き一々に帳に付こつ殿出帰りな 十一 あれたる。さつとつけが待ていやと。しられていやかさせあかき はしませぬわしは侍じや鉄つかひなひます。是なふ。そなたも もう十しや。其合点がいぬか。侍は侍しれた事。去ながらとつれを 見やいの御出にも能く御加増迄下されたぶけいは侍の役あづらしから ぬ茶の湯を上手になさるゝゆへ人の玉ひほんそうも有ちいさい時 から茶家の持御恋内さばきもならふておきや。永々の名主の 実に左がわるふそだつきといはれては別ゝがさきゑも恥かしい方の方の事は音 の手。ちい御へゐて拳でも談なしや高鹿に供てくれたに づれ戻れと。内外迄に気をくばる。留主こそ心つくしなれ お立てはさすが師だけの喚習いかひお母話も出床と指出すうす ちや茶碗の音羽にお本なくれるふりを見て孝行なよふいや 一焼 つた。となしになりしつた。妹のおすては身と遊びに出たそう な行水も仕廻ふてかけ髪はたがゆふた一方がさいくと見たのげが きちつとまづた額もけんであひそがないばこの出し給びんす でよふもわるにも見せる物顔の道具道兼にまゆが女さいし の物まへ髪もとうでないかゝがなをしよと。ひよ。ひらくつしと 指摘 鏡台の此かみより世の中は人こそ人のかみなれ人のふ見てわが 甲中原一 ふりのよきもあしきも身の手本絵に書筆のすさみには。京や大 の上らるも。心で見れは今爰に吉野はつ世の花も見る。藤御 持ての朝ね髪にあがり。顔也あひ。聖人になさせてみだれ 加えねぎれかみの枕にもねばしは猶もつゝましや。ようだは生れ 付なれば只たしなみは無髪のめでたかんこそ女はあやすかるべしと つれ〳〵草にも有といのとがく女子は髪かたち千筍となづる桜 のはに身持行義のときほどき子を思ふ手にづべ〳〵と。見かはす 虚 程に見へけれはそれの吉別よい子になりみやつたうそならその 鏡を見や親のめは身貧負負人人人負負給んといに食たきの杉 もいやつとにて。おきくが髪つき見てくれいあい〳〵とはしり出 是は〳〵奥両いかひお上手額付髪つきで下地のよいお顔が猶 美 うつてうならしやんして。女子でさへしん気がわくはだり身をむつ くりたいてねたいとはむるも有衣がはたと手を打てそうじや。 日比のふんが今はれた。わしが鏡て影を見て木地はずいふんよ けれ共人がほれぬいな事と思ふたる髪のゆひばつりであつたら 此身がうもれ木じや血外ながゝ出さまの手に一三日かゝつたら お国中の方は。秋風にすゝきのなびけてやろゝぞざゝめにける親 の子をはめるはいやらしけれど此様な姫を大ていの男にそはせるは 妬まひ常々つく〴〵思ふには御家中てむこをとらば表にせうの 源 武芸 笹野権くのよそはせたいぎりやうはお国一番ふげいよふて常の 道も弟子しゆにつぐはないそで気立といふ物が万人にもやま れぬい申いかた気男のきつい〳〵といへばおきくはわらべきも の申かゝさま権三様はおとなでおぢれのやうにあらふわしやいや〳〵 とかぶりふるわけもないかくは三十七の三十七の三句は一廻りうへのとりで四十 九是十二ちがふても見る事わが身望の御な子を持た。権三さまは 一れはり下のとめで廿五そなたはとんで十三十二のちがひはちやしど よい似合比にあ二三年して顔もなせし様一めたるしつくりの 京螺 長川ゐんいうほんに四人目の年是も不義恋よういはずと殿 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 御にもちや。そなだがいめなゝが男に持ぞや。ほんに重近殿と いふ男をもたねば。人手に渡す権三様じやないわひのと。子を てうあひのあひたてなく時のざけうのふかざれも過去のあらせ の縁なめ此人にべさせかへおけせて見せうぞと娘ぢまんの 鼻勝手を引負にぞ入にける玄関に物もう茶の間の間のかどれい ときへ出むかへは笹の様二樽もたせ岩木忠太郎殿は是にござらぬか。 〽毎日お見廻なきなきかれどけふはまだ見へさせぬ。しからば自然へ申てく 五郎次 りしか。此中は御国さ。おま主何事なく珍重になまする。少申度 委細 ことござればゐとい者太殿迄申入させ候此樽は上かたの名酒はさない方 の出殿出見廻りと。お次手ににてくりしれといひ置帰れは。申先しはく と走入女房早六女めて御口上聞へ〳〵。侍請たのなこと思ひ お通りなさのと申まやこと。櫛首鏡夢かつけてちのねの御 羽もひよくの恩縁そこふかき世の権二は遠慮ながらいねの古間にで 通りける是はよふこそお見廻と申候へ其方へとお心づきあつらい御物楽 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おり〳〵玄関迄御出下されても。わざとおめにかゝるごともなしじて御用 とは偽事か親忠太兵衛迄もなく直にお咄あそばせとへだてぬ いたまためやか也権こねをつき御しんせつあしらずか御舎弟甚 祖忽 車殿を以申筈千比そこつの願ひなが今度御祝言はふまひの 御礼也真の麗子のざり童子弟子中との仰渡し常々市を忽 物語一返りは聞覚へいぎ粉笑絵図の巻也でんじゆるし印 五 可を請ざれは押はなして真の台きのぼへたとは申さつを天下泰平長平長久 の御代のことをつまねば武士の奉公ばだし数年のこんぞ今度の 大数即物拝見をゆるされば重々世々の御厚恩と額を畳に押 さげて師弟の礼義見ければ。我々〳〵御執心御きどくなば石入此伝 授は子相伝にて我子のほへ伝へられずぼれぬ弟子は親子の 此いやく有ての人絵図巻物も渡す事それに付頃半がましい 千比餅相なやぶかく棒と申そうかねみゝに為申さうか。どいかゞ なれと折かな〳〵と兼々心にこめしゆへ申出て見まするめねむすめ のおさくをこな給へしんぜたいとつね〴〵にさしが望み今も今とて お鳴申せし折らかう申せばどうやる聲子のて心ゆとかへ〳〵にする 娘の職もおち大事のでんぞの詮もなしそれはそれ是はこれの だんしできくをそなさへしんざれば聟は子の相伝市を聞れてま 足弟わさしが忍むと押出てよい女房といふにはかぎりのないと老 いてが目縄田晃勝蔵氏 大抵めはなそろふたなき娘そはするとのごはみなれつけて外に ないなんと合点して下さんすかといへ共程力に手に弓かつむいより せず。どうでごさんぞ。なんの是が恥しい。扨脇がおこ気にいら ぬの。かぶりふりやしやんすひめでもないでもない。とうかゝ外に約束 が有そうな。そうじや〳〵ぬし有花はぜねがないあつたら男にゑが 注照 さめたと立つけで是はめいて。誰共家約束なし木者なしぬ わかい者当座の色は各州極ことはゆめ〳〵なし。酒身の年申也は 聞えもよし娘御おさく殿私さいに急度申受きせう 望叶ふた。おゐの詞そこを押ばいから。蝶なし。蝶なしの 一号従庫 ため。ちよつと御せのごんやましたい。御念入はひ。二たびくそくをかたに 往還 かけず。太遠殿のさし柳にきざまればねをわうへんさかす法も 早淵村 あれと。いせもはてず。もうよふ。ごさんをもつたいのけふは。日こ よひ台子のてんじめの書印の身の身の身の身の物やしきしよそれおものしゆ もどせよ。先非にひあせませぬ私に似たるも立てわんとふらふ 怪我 わきへ心ちゝさす一物に頼ます悪性があつたらばひ居がりわんきの哥 名面前 契約 押。おもたせのめいめおまへとわたか此樽にかければかければ。わいやくの 盃しやし心橋がなければ渡りがない台なか縁の橋にたし此鶴々橋 渡しはしにて祝ふかさゝぎの身もくれない。そむる共世に過なるゝはし なら又玄関に老女の声女子しは少数きした川側伴之丞妹おも 事者のぞばいしかおめにかゝいねどお悪外ながらお給ひそかに お咄申たたおつき役やう何やら押かけて参つし由頼みまするといひ 入り権二はつと色ちが人扨々思びもよらぬやつ何角色て参つ 迷惑同声 たぞ我には大禁物見付れてはめいとうでぬけてぬけてあたいと たろ〳〵眼に成ければかつて恋の為畜生その妹のうぞなんのきづか ひ侍番生の因縁聞て下さんせぬ有わたしに驚々の状 ふみ。夫有身をふみ付にする不義者。御用人しゆ迄認恥かゝせて と思ひしが侍一人さるといひ重遠殿帰られては異の有とゝ 中役の下女に隙やつたれば是の不義の件に妹のうばが来たそうな 直にあふも口おしい女主をつかふておくから様子を立聞せう。おなごそ 同女 めいあしていふ事いはせてつゐいなせ枝二組をもあのばゝが見いの にそつとぬかていなせませ夜に入人もしやつてかならずお出でん じゆの巻物渡しましよくひ燈奥にかくれ入きてんさいかく 者ゆさせしうなづた権二をかこふ袖屏風なふ〳〵おもじやら此 あついた年寄の御孝成どれあせ戯ふてしんでうと顔にべつたり 手拭のちゞみと皺上りみ帯のとき草まざれ忍ぶ草権はつけ 奥片刺 折角 て帰りけるあんまり拭ふて顔かいたひかせつくのお出におゝさまはけさ より親ざとへ参られゆるもと逗留有苦何成共わたしに出たり なされいひければそれならとなた数にしたやしなひ君のお雪様と 喜兵 申と笹の柱二様といひかせの事あれ共謀がなふて御祝言がおそな 姥 わる殊此よばか倒で一夜の枕を有せたぞの礼に権二様よりせき た一足銀一両是がせうに。侍の妹に侍が疵付ては。ひつひきならぬ 大角爰のほゝのちよつとお心をぞへいると彼かぜたゞずつゐ。埒の好 外に権三様と内証の跡先しやんとしめて有本子様方もある からは。銭ね出して御きたう大なさるゝじやきうねか。人のあのこ ことは事伏いらずの御きたうがしゆびよふ相済相応のお礼そこはうてが のみこんだみなたもほねはぬすむまい。うはべ計の。むすびむまへ に頼み上まする始ての怒口上にておもくおもしやとしやとしやくしや。 なふぞつちの心に出ければ聞耳に歓長はしさの貝の乱あえて 肌魚するおゝれじやごさらぬ殊に首のおねてこなさの御な長な 愛想 たがみ事じやういんで下されで下されとあいてなければ手もちはる 海海海越紫 くにゝは財で長六十ごろたへあるいて棒にあはぬさきになが □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ほへごとゐにさしよと逃ほふしてぞ帰りける。おくにはゑてに 御座候 ほかのわんをしゐのいろ綱されてしめかねたりおもふじ又 岩木忠太太兵衛只今是へと水とよさきへつけければ家内おそれ 高笑 あつかりておさゐもおかしからね共親にあいその笑ひ顔堂を 雨芝 の両主長きげんよふてまんぞく。虎やすてめが能あそして。ひかね 昭 寝 連立 をせずねぶたい。あつてはやうねたいといふて。づれたつて帰つた夜が みじがいはやく熟せてとく起しむるあがらせたが万病はおくにおくにか。 姫の子は十三四からはしをく出さぬがよい姉やすてめはなきに 生早 似たる。虎めは市之進にいきうつし。とりや。望遠江戸より帰つたと いふてかゝがそばちやつといけと孫寵愛のたはふれ びにて也祖父の祖母のてやかましからふ貞へゐて姉となんでね しやうかばきねびへさせまいぞやい角介もどつたらなぜ石とうろに 火はとりさぬ日かくれたがめに見ぬる。女にてぢいの哥の名 数寄屋 酒を少上ませともてなせはいや〳〵ゑ酒みり何よりすきやの庭 面白 毎日見ても見あかぬ書の色の物好心がのびておもろいかねて 内迄咄した笹の権三真の老子の願ひにはわせなんだる。いにもこん ぼりなされしゆへ巻物渡すやくそくに極めました出来た〳〵遣い わろのきどゝな諸げの心がけ頼ものしそんじあればあれば市みすのあ 汝将 かれ● やまり殿の所再びでん残さずでんじゆめさ去ながら家の大事わけ しかぬ下々にも。一言句聞せまいおんみつ〳〵ぶけぬさきに帰らふちやう ちんぼせ皆旨からやすませ夜ごとに留主を云つきやれ。又あす 見廻申そうが角介男といふおのれ一人門せどに気を付ひ何を いふてもひめでもいびぬ角介だどものざれこと夕やみに帰れは跡は 好翁 もんの戸をさすがすきしやの庭の白わ葉の木立物ふりて猛路は のくらき其房の参げ宿かるくま世の露はほたる蛙のゑの かまびすくかやう。軒に音つれてしよろ〳〵ながれ水の音夜も しん〳〵と更にけりおさまは掾さきに家内は参人をやきと何を 咎 思ふととがめ手のなきかみなやのとりゑにて涙も袖に落次第太 一の湯 正案する程妬しい犬体の身をかいひ娘にそはせうかわか がつれそふ心にて吟味にぎん思ひこふだまれ男なれば毛 書婆 大事の娘にそはする物悋気せずにおかふがひるの多めがめがめがめがめがめがめがぬかし づらお間様と権三のと内證しやんとしめて有めて有之 怪我 りんき者共ほよいひたかいへかへ伝授もひやうたんもなんのせう心 子も茶金もへちきのはみめい腹立やと身をゑんだに 打付てこぼす涙の袖雲下しほるちやきんのごとく也 気も因果か病か是程悋気ぶかふては我男を手ばなしと 海山へだてゝよふおくで能みおれはこはいもの皆心の気極から 怪気 始がむこのわんさとは悪魚のたねさらりと思ひ忘れうと云は 奥 猶物こがす涙はくせと成にけりけいやなれば母の権三供をも せずしづかに門をたゞく音。内にもこたへず走出誰しや安のときに 一粉霰刈萱 あくる声を入よりやくはたとしめすくにすれゆへ〳〵と手しよく。 に伝授の箱ざり忍びし有様は人の給ひ有へしと我身に見へぬ ラシ数寄屋 障子一重明てすきやに入にけり是は絵図のまき物しうげんげん 服出陣台子 ふくしめほんのだいと是みすの中の茶の湯の音誠の真の台子 とは此行幸の台子の分。三ぶく時三ノ具足つぼかざりの如々。印可の 巻ゆるしの巻是を読ば口伝いらず。心しづにゆる〳〵とお読な これませ権二いたゞきくり返しよめば世間もしつまりてかは川の声て 更渡る折も川術作之丞由まの明樽下人に物せ市の子がやし 塀囲 きへいのめぐりうむ〳〵耳をそばだて小髪に成す成ル内にはよふね たぞおさゐがねまへ忍びのくどきおふせつもる念をはらし。色の上にてたらし こみじいの台子でんじゆの巻物してやり権二めにうつてりさせうもし 人か起あふても女に者口へ砂でもやうがらせいれぼねをあけな それかゞみ実ぬけまつかせと。ふみつくればそこもかゞみもすつほりと ぬけたるを。散垣にぐんぐつと東になびしげたれといがさはらも ず思ひ入ぬけ庵とぞ成てけりおのれは四方見合せ跡からこい と伴み恋そろづ〳〵と這くゞり。庭に出ればきやの内にともし火 の。影は障子に男と女忍びあふ夜のこと。こなづさあふて 顔と顔せてしつぼりぬれの露ねて仕廻ふたかまだねぬかじみ〴〵 うまい花盛伊也恋かみもは上づかす。そおるをを念かけて。先陣こされ 流武者 たう治川にひざぶり〳〵のながれむしやひどをかはかし立けるが権三が 故にてたれぞ庭へ来たそな盃さへ人のこぬ所夜更てされが くり物ぞ今迄ないたかへるがひやもくなれやんたかへるも少 やすまいではきよろ〳〵せずと先まき物共よましやんせあれ又 蜘蛛 加へるがなききすといふ中に及介数をくらず庭の内主従一所に 立やすいふあれ又ひつしりなきやんとかでも誰ぞ有はちやう。 ちよつとぎんみと刀追気出んとす是やらぬ。三万は高城北は蔵かへん。 もくらぬに人の木り苦がない。能しての気をおまへと私こと私ことて ゐるを妬女子がわめきたくるとおぼへかござんすの是はめいとさやうの覚 みぢんもないいや有しやある。妹が口をそへればつゐ地の明様の明様。内證 しやんとしめて女の身のはかなさは。うはべ計にめかくれて物の中を しらなんごとわつと計の腹立成是宵かくら〳〵ゑ返るを結むこ 笑顔 の悋気とつゑがいふさに知ほつくつくつて。この袋ぶつりと緒がされし。 是見よがし耳常は定政の三は引とからざゝと小じたしかいひならべ 誰がぬふべし。たがめつご噛ちざつてのけふと飛からむしやぶり付。此黄は やうすが有の子がなふて。死こといふが妬ひきににやうたくやうたくやうたゝやうに ぐる〳〵とひはときたゝみかけてなぐり。あついやうし手がけがけがけがけがけがけが 病 つて庭にひゝりとなげ。ひ給へといはぬ計成思ひのやみぞ詮きなき 二人の類がばら〳〵髪いかにても此ざ帯といてもいゝれずと庭に 不断当 出んとする所をツヽ〳〵帯に名残おしいかふしやうながら此帯なされ一念の 蛇と成て腰に老付はなれぬとびつほどいてなげ出す権三あ まりにむつとしてふく廻りの女帯にかたことぎらぬと同ぐ座い なげ出す。すかさずほろひ伴夜を立市の進女房女の権三 みつつう牧右衛門 不義の蜜通すきやの床入二人が常をせう也。岩木忠太某にしら するといひ捨ぬけて出る声なむ三度伴参ゆみや八まんのきし と。刀ひんん心をしやうしけふり飛んで出焼蔵の火の火の火のかけかけたがし めれは彼介かうつたへ廻るをしつととらへ侍恋は何とくた。そを捨 て出られたせめておのれをめいどの供と肝の名年をぐいく〳〵ゑ ぐれはぎやつと計にて二刀にぞとまりける。すぐにたる手にとりなをし ゆん日のわきにつたむ所を。きゐすがつてこりやどうぞ。人多者 墨筒 伴ふ身にくもりないないなる人が何のあやまりしのぶとは。おろなぶたり が者をせうわにとられねみだれ髪のひざま證になんといひしけせん もう侍がすさゆこなども人番の身と成た〽無念やと泣けれ数は なかへも私も人間はづれの夢生に成しが。いか成仏ばち三宝のめうには 金毘 つきはてた儀ましい身に成とてたるばあつと計にどう臥きへ入 表甲 様になげさま。是非もないもと思びふたりは生てもしんでもをさつて 身。あづれにござる市の子殿女房をぬすまれたと渡ゆびをされ ては御奉公おろ〳〵人におもては合され又とてもしぬべき命也只今二人が 八幡男 一安をこといふ名義者に成きはめて市の近殿に討れて男のぶん立 てしんぜて下されたう。なふ忝けなからふと又郡しづむ計也いや是 一 不義者にならず此まで討れても。方の手殿のふん立。後に我々 豊 くももないゑをすげはふたりも共に一ぶん立いかにしてもまおとこに成 極るは口出し。いとしや口出しいは尤なれと跡に我と名を清めては。 京の葉安敵を討あやまり。二度の程といふ物ふしやうながら今爰で 夫 女房じめおんじやと一言いふて下され等は故難にもながし命を はたすおまへもいとひはいとひか。三人の子をなした。廿年の名深には。 わしやかへぬぞとわつと計歎くづをれ見ければ権三も無念の 欧洲 男治五臓六疳をはき出しくまねのねつとうが咽を通りくるしより 主の有女刀を。我女房といふくげん百倍千倍千倍無公ながら。こうなり 下武軽 くだつきふもんのつき是非かない権三が女房。おまへは夫 すがづ合位より外のことぞなき。家内のめのさめぬ中夜もみじかし 早立のかんとひろれはかひや三人のに共か母が今此ざまて住なりし やしきをのく共しらず何ごとか夢に見てすや〳〵我人我入抔顔に彫毛をと 泣ければ。みれんな市の近にしゆびよふ計るゝより。き世の願ひあ が有と引立つをあけんとすれは門外に提灯人足とびゝくはだ〳〵大 音上岩木甚束の柱上にあひに来た。誰もふさつてけつてけつかりかぬ よ〳〵とよばつたり。少しや弟の盛問は出しかうはなれや たかしとんづおしつうろつくまに家内はおさる門がたくぜんごにめを つく土垣悪人めがぬげ穴家身に神の御利王と二人手をくむ生 死のちき命のこひ四斗樽に六道四生きつとつまつていかれす。 諸へも先へも酒樽上。穴にさかさまさかどんどろ〳〵比はあか月の内夜 明の七つから。二問らに足四本。胴は一つの酒樽にあぶむ無明の酒の 酔是ぞめいとに通ひ樽ちぎりはかいちう同穴とひとつ棺にひ とつ穴とこぞにうづんておけの輪といねど物がいはせ樽 一権三おさゐ道行下巻 申達者 やりの権三はだてしゆでござる。あふくつぼから出す様 な男。しんとろりと見とれりおとこどうでも権三はよい 男花の枝から七ぼれかおとこじんこんとろりと見とれるおし とこいとひめ。息したはれし二はやうのうのうのくなさぬ さきにつなされて。ひかれぬかれ行ひとりて行ひとり の。この内心もすみてめくさへて。しんさ〳〵のそらわれ。つづいに 我身のあだしくさ世のそしかくさうきうきにあさりのもももものの 御普請判 そめでさゝのころとおききとひねまとひあゆみきとひては。 城州や一百二十五人一合百五十四歩 こきやかわすれ給ふたりが涙にれて出石の山はあれど恋の病は しるしなきたぎの有げたかぞふれば我とそもじ色と七つ十 二ちかひの月ぶけてあね共いはゞ岩枕かはす枕か思はくも。顔はなし や野べのくさそなたは人のなみなへおれが口が口がら女房と身のはぢ 狐にたづらに。そめぬうきなの村はぎのぎれなくそ哀なれふり あけれは源のきじんたいぢの人い山みねはあを。東につゝま 一居士居 一百匁 れてたにもおのへも。しん〳〵と山のふさへめいそなくくすみ 在所へ さりたる。松の下かけ。やぶのこがげの一ざいしよ。あれ〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵 一銭ツヽ むだつくからとなりのあねる。三十計ではゞろふり袖それでも 六ツ目 浅野村 こひのふしや。〽大工どのよりかぢやがにいねやのかけねかぢが 一同十 うつなふかぢがさつねやのかけねかぢがさつ 同同月十一日 の世紀のぎゝのとけそめてきよひそめしはされゆへぞ。とい ふいを生れゆへいくづおれすがた二こしのその一としは道しば 消果 の森のあたひときへはてゝ。一もとすらきかり残すこしのさはりは 秋にへれさびしやかなしいとをしといだきあひて。国に 親と子。あつさにおつと思ひは千をち一句すぢの衣は涙のおかせ くる子をくりとや世のうはさ手でせきかぬが川水にあらふ 円 たびとりまたづくにねぬ夜のかゝとぼ〳〵とほこり。まづ 後夕 女女 〃〃 れのみかたち。しはしやく浦のあまにもおとり。山の さ百共とむかしは末もたつまれに老はうき身のかきりぞと古哥 の詞も山ひしか。岩木忠太郎玄関まへ浅香市蔵方より小袖 木紋 だんすはさほごつぐら長持の其外嫁入道具宜積わね不義へ の諸道具道調とよばゝりちうしてありけり母は持荷の道におさ みまが菊の其日より。しやくのつかへに抱いたみいとゞ砂もあらぬになん じや道具がもとつた聟共孫共縁されたる情なやとよろぼひ 出。いふ事も見が事も悲しいとばつかりと。つゞりにつだき付 たへ入手に見けるがべか成てんきのしやうげぞや此御なる仕出すざし もい気はみぢんもなく。とぢやう者の孝行者子もじんじやうにそだ 金 てゝか風聞て下されわたし脇もたんと持。よめりの内の諸道具を 図 芳 一包みちらさず。子共しつけり便に少身の花夫にあまりくにかけとも 一同 ないといふ詞がちがふにこそ廿年に成道具ふもびもせず物なす 此心でそもや悪事をなんのせう。物の見入び思ひかと又くとき立 つけるが市の手の身に成てはゝお出しいかなれど。あまりにこれは つれない子はのづてくれもせず。見ぐるしいはぜにつませてわけ 子の恥は思はする中間共下女共よ余り人の見ぬ中はや〳〵内へ はこんでくれと欲あせれは忠太兵衛是々おばゝ。聞てゐればぐど 〳〵と何をごくにも一ぬこと。土の近にはあやまりない男一所につて 捨る。女の諸道具市の近がとめてなんにせう。人間はつれの女けれし 道具武士の家がけるゝ。中旬九かたはしにたゝきわり火をつけてやいて しま人長たと棒さいづち納路まさかりひつさけ〳〵立かゝる。奴はたへ 一手をひろげ待てくれとなふ能の道具はしうはなけれ父生 でも来世でもおさゐが顔はもう見られぬ手にふれた道具せ めて一色は震の類見に残しやしきを欠落する時も夜かうらい にゐるとても。ざぞ忘れぬはながこと常々やりたい〳〵と思ひし 草箪笥 念もふびん也。一色づも残て子共にとらせて下されと。つかせ たんすにすがりもたへ悲しみ泣ければ是おばゝ。今是が悲しいとはお身 も我々まごとは大きな悲しみ聞ねはならぬ。其時女はなんと せう年寄てはさきとを聞がやくと覚悟てしつと涙をかんにん めき身々かん〳〵と所にかたき玉武士の句に涙ぞなかりける □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 何と心案して見ても此道を取ては。はかばい中の如はゝ他国の □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 聞金道中中間共惣たいはゞり。一色つ身分やいたいとしひ時 られめいわくながら王命門。らさんをはさみ箱引ちらしあざきあ かきの焼火ともえあるやふりにて心傍に母は猶も身をもだゑ かいや式さゐがよめりの時。きあ爰で問人をたき千秋万ぜいと 祝ひし其道具門火の跡で広となす母がからだ諸共に薪となし 善徳 くれぬかと歎を見ては下女はた。わかとうに者に四方迄皆し袖 をぞしぼりける。残つは熊持一い取がてもやせとひらくざりの妹娘 兄弟だき合泣いたり祖父も祖母も夢心地やれ〳〵あぶなや今めうが な孫共やもし火を付たらかい物が。そいてゝこのいひ付かなぜば苦を 番用 立なんべきように生れついたよな花もとぢのやうな子共をやめは よふも見捨たと頓腹かきなでゝ泣けれは出すては何のくはんざなく □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かの心にあひたいかさまよふでと泣計姉のおきくはおとなしく。 何辺 とつれはかゝ様を切に行とおつしやが。祖母さま頼みますがはりに わしを殺してからぬ物てせされととつさまに侘言をと寝けたれ 鯛を ふしければ。ラヽよふのふた母はさ程に思ふまい。尾次郎はなぜきれや娘 を母につけるは離別の作法こちにへだての心はない孫三人を将父 に見てはうさもまぎれう物。此子はてどの四十二の二つにてはゞか おすてと付たが今は父母兄弟が世の権ものに成つとくどにくりと 身もしほれ枯木の御を祖父の顔涙にうちなかりけり。泣な〳〵 同福岡豊 だいじない。なんぼめかけてゝもぢいやばゝかわいがり。志平といふおぢが 中ニクリアリウ あるこいくと手を引てなく〳〵おくにぞ入にける。茶せんぞいひにいひに なす身なれば武道を見がくあられ釜たる心は運次第。あさり市 のを帰国をすぐに門出と。三人の子をた付て気はひけれど先 しばしお国の内ははがりの足ふか〳〵と男の門今迄とは事かはり 一案内なしも無礼也物もうも角だついたごび一礼のつてもがな とげんはんえ入立たる所に舅忠太慈変やねたくひつからげ。錦の つか程そねそつたり朱ざめほつこみ一もんじにかけ出る申々と袖引 こぬき取て翫はれは。南市のを今朝はちく生めが諸道舎孫娘二 一人難申た旅出立は暇乞とも見へたび出込分連付吉左右衛申と いひ捨てかけ出るいや申。御顔色も道なず気遣千万。こさい承はり とぐる上は恵外ながもなしませぬとなふ者のを御自分江戸より下着の せへ娘さゐめが提首をおめにかけいで御思ひ。世忰志平は其日より 尋に出かねよつても石太妻嫌ひさたぬ身ではなし刀の刃に 薯 血も付ず高枕でもくらされず。ひとり物にも狂はれず。相手がへて 記檀 存るに気物不義のせうを取て家にもしらせ国中に遺をし 左事ふれは川州伴の丞きやつを切て奉後のやひ出おはなしやれ とかけ出る是々。御心外尤ながら御世人は艶さき万一つよゑに 討れさつしやれば。此哥のを先めだきをさし置。舅の敵を討ねは 迷惑 叶はす。ねまぜめいてはせつしや人ひくに〳〵御手忍にうけ ますりとさしうつふけはなふ是常の色か程椎性のくきつた女房の 親ても。右太景が討るれば旧男の敵を討気よな是はきよく もないお尋たふ女は妾類に成たる共舅はしうとに極やためは 京及敵があらで意いては。そのぞりやお尋に及ぬこと。市の近御 心て此方に余の忝いと大地にどうと遠神の銘たる感涙に草の子 も是はと手をつね涙にくれしむこ舅武家の道毛正しければ ばゝにもあふていまどひの盃兄弟の娘ま一度顔も見たらふ名 鉢興 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ちかけのわいぎとおくへとは申さぬ。やい〳〵市の近のお出皆こいやいと 何 中野の助紋 よくけれは申ちいさいやつらによく申付たるがなんとほゑはいたさぬみな いひ思用者共そこはきづかひめさるなと。玄関に座けれは母は二人 の結むすめ左右に登て立出る中に盃酒さかな盆正月の 同断同右同 節ふまひ三人の子の誕生日一家寄あふ祝び日のうきはさし きに野ねど。そろね。者は人の数五人顔を見合せて物をはいは ぬ目礼に涙たし。なむ顔付は泣さけぶより表にて酌取下女が たれ迄こぼさぬ酒にありけり母銭の乗せいつきそゝわつと泣かい や此子九かてだのいひ付給ふてか。如に涙は物ながらおしいを見るに付 あの業人のちく生の人てなしの腹から此様な着用なねとして産出し た今みの根性さげてくれたらば母々子もそろふたり。火太慈夫或は子 も孫も産そろへた手柄者といせぬか姫の子は母方づきと二人けり 迄つて虎を残て下さるは岩木の名字をうとみこちとは縁を切心が 我もない市の子恨にござると声を上もり涙を一とに泣つくずそ道 理なれし御恨は相違へだつる心いさゝかなし此度我我おなされ 世の見しんと成たれす親より僧へ今日迄たのみと致せしちやのみちは 忘れたく虎次良ぬす子野休斎弟子ぶんに預人のお恨はれの根はれのれ門 出のお盃をといひければ。なさこそと打とけてへたてずる速盃に いふこととてはしゆひ能迄寺本市〳〵その本事とは千共の女我一名を さること身の悦びになす事はいか成れば成時いかなり悪世のちたり そと思へははつたと胸ふさがり鉄者のことく成市の近名かにくれておほす 涙にむせびけり女房おさゐか身岩木甚平宿なし旅の類もやれ 陸 二僕ぐつゝ立帰る忠太兵衛のびあがつけん。もどつたるしゆびは どれや市の進も一で今川出なんと〳〵とすく〳〵立やヤ木の進留主の 中本恵のこと出来お残りないさき不答者共が上げ首みなさへ見せ申せ と親共の心せき蒙らはもとよりきやつらが欠落の暁よりすぐにふづ 立たべ物を腰にひつけ海道筋のはたごや有次舟場をせんさくした 一かけ是迄も近はず尋しがいや〳〵足よりをつれ有のおくれたる 迷ひものふかくるゝ心も付まいとそんし伯耆路かゝろつて詮義致 せ共出合ずづく〴〵存すれば相番を頼し迄にて番頭へもことはらず。 鯢魚 日数をふるは不調法と致引返したゞ今帰りかけすぐにことはり相済ちよ 迄 つと立ながら両親にあけんたぬ此仕合御じやんも我も互におそいか はやいでおめにかゝらずは残念たるべ幸のあた参りあふほんまさつ せん吉左右いざ御同道伏らんまでいさみける。市の近手を打留て 御くらにおほね折御親子の御こんゆ心附にてあら知しもとやこれより 御用道に殿を我一人まいりからは外を頼むこともなし甚平殿は御休 息頼み入といひければいはれぬを慮心はやたけし給てらぬな ければ手のせぬ事も有。扨も留主の内。よもや何事も有まし と落付てもかやうの事の出来権三も他国に親類手代もあるへし 何とりまへ置くしらず。三日話四日詰共ふみ出し時の爰にて少し い事も有べし是非共に御問道是御心ていたのしけれと女房の身 日記 に介太りさせめがたき討ては本音でも有まいが。いふさ介出方と有 す共只ちからに成迄の事とは等に成けれは市の子色を損扨茶 入金のき気より外。人の目の取給しる夫と思めすな。弓矢八まん身 こそか身なれ見たちざれ共足の一両ら用上して。すはといはば をならずは鹿々にもま見ることはおもないさし。ゑ平か〳〵と思ひけ腹物なり。然らは 妻月敵同 足ほのめにきなせ討ぬけり是本のめに比とは川側伴は恋がことなそれほど おぼへの有言歌なせ討ぬ。市の色はつく驚尤かれか不義の状 数通女が手前にて見付きやつゝ一になと思へ共一時には手に及 す。先老は後日の沙汰といはせもあへそれ〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵の沙汰といはせもあへといはせもあへ から二人の初は手がとがす物の初後日のたきといふしらすうちはしらず介 太刀あきぬといふ市の近の介に左一人は岩木甚平が介太刀討へお 見やれと。能幕の器引ちざり。押ひゝけと付と付と仰さてはど 持たりけり。市の子是はと手をうては男ふうふ大さに悦ひ。こん りんざいの敵につくしといふは来つかこと併扶持人きへは何とうゆ也 海都 たいや聞へに及ずかれゆゝ身の蜂はひかね。お彫り模かけおち 致所を因州さいにて思ひのかに付取ました。手がら〳〵なふ 市の子惣付の門出す是程の吉左ほ有へきる。忠太郎が手づ 甚原をつれられい尤いふに及ぬこと介太刀して本討手の名に 疵つけな長たおいたごと立出んとせし所に千ツ計成旅人の川柱 にかげくれおくをのぞいてちらめを。者の進急度見やら心得ずと 走出れば中むすこの亮殿臣りとゝしげ成旅装束おのれ此さま はとさへ行心入こしやくしめとがいな取て引出すと聞の伝て 行婦のおすては女子なりは男歎討親をひとりやるは女にて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ないと先に立て走出るを引とゞめ扨はおのれをうんご母をきり 心かかさまなんの切物とぞ嘘結をつれていた権三つを切てへれる とうてもいゝといちばつたりやいわるい合ゑおぢ様もとへも出て行ば。 ちいさまばしておねより姉やすてはめらうの子。そちを跡に残をは もし権三ぬか来た時。きらせうと思ふ用心ずいぶん休歌に茶の 湯をならひ。時々これは見廻り。おとりへ孝行兄弟共にそとも。近時。 権三めかきたらば切てすてい組ひゝり残るがこはくは一連てゆかん となだめたゝせばいにもひとり残りましよ諸の事気遣せず 安手から遊くせと聞わけのよき利発者男ふまふまにはめもくれて 女け男打そろひすくつた様な子共の成人をい心もなき女めは いか成藤生ぞや不便共思はぬ切成共実成はやがて本主〳〵 と涙ながらの賤乞兄弟三人替てに権三めは切ころし加殿はそく さいでつれて戻て下されさらば〳〵とつ様といへ共父はさらぞ共いはん とすれはめもくれて胸に八色の雲とつる古郷はなんて 月にたれねて見よとてや伏見とはぶほにたせたりさとの名の橋の花ぶ くれにて見れはすゞしくのもしかたりて京持たる京橋にひ どつながれのみそぎ川木吹風も水とすゞしれ焼二おさゐは三日共 御締弓 同上所に足とつてゐるにいられぬあざゆみ伏見にしばしばしばしばし の秋のさくらか入相もあすをばしらず二日の命〳〵と聞すて難波の 房助 かたに思ひ立人めをしゆふのり合に空い呼ふりのふねこそばに ちやふねをごきつれてうとんそば切きりとく〳〵と押きはしだ主 なちやと茶をうるも宇治の開おちそいてむかしを胸に涙ぐむ 女心ぞ哀成市の手は御幸のみや甚平は三柄の里毎日そんじやう そこしとお姿をしめて甚平一人京橋の名類ふね共を見廻しすんと はやふ出る船があば乗たいとのか手にめを付見もせば尤やいがすきなら 此ふねしよやが鳴と出します。おふいふせばそうなせばいとはぎらぬ わかい是な殿ことおかなと筥の口かんでじやあのはがひあひあ そこに置ませうけぬ所はどう成としてゐよふが。物夜といふてはもう おそいあれのひかねにいたそう。そんなら勝手。母はこつちの乗身はそつ ちのしいはせぬといふ中に船中とつくと見廻し顔は見へねど十ツが十 是に極つたと嬉しさ足も飛あれど苫のげより見つくりかと。 とゆる〳〵橋の上けり顔て二三へ合いゝ○の神の関者の子が 旅宿へと足をとばせて走ける谷押のけて。大事の物忘れた 〽船頭殿こちやりはあげてもらを人に数われ大事の賞物語まで 一気乗いそぎりとてとんとしれたあけてたもれじてそれは どこ迄かいにゐかしやかツゝあればなんとやういふ町じやツヽそれ〳〵し 一朱此 もた町のあちらふぢの森の左しやがこなたもよつほとのこといふたが よい爰からなんぼ有と思はしやり一里半ござる。其中に舟は出て しまふ。あけることい成ませぬこと情もなげにとり合ず。 たはず共出てたれ二人分の運ぢんは珍てあるあかびにたのむと 北南の笹さき橋の上にめをはなさず爰な旦な殿はうつ〳〵と まらぬこといふ人じや。みせぬ雪ぢんめては一分たゝぬやうに てござれそれむごひ船頭殿今の外に諸から乗てもあればせ はふをびした上て下され頼みきすると詫ければせばせばいときつかひし て下されな。あす此将大坂迄。まんてにとけるやよい今宵夜は おかぬことず切にて。旦那殿も度ごまにきざんて色づけてづけてのせ 其辺積踏頭収 かさする。そこらは雨はすふ金つて行これてごきれといふとも心にかゝる ウニツぽ ひとつなり。おさゐ万気にかゝり船頭殿物には情といふと有。人 船頭 をのせず運賃とればせん事のふんたぬとや。我々とても人に誰を ことづかり。その買物を渡さねばどふもぶん立ざひ。是手を合するぜ 三 ひ共上て下されと詞をつくせば聞寄てそんなりやうあがつた。 過分〳〵と二人手を引走もせて候へど。みなたしゆは怪我しやうな。 浅草 かんざにけつきづにおかさまの大疵に又疵のつかぬ様に飛心〳〵と。 一拾五丁目 常船頭のされともけふこそ胸にこさへけれ床のげに身をひそめ。正 原が爰に有からは。者の近も此辺にゐしるゝはひめちやう。うやう。う すかなさかたあれといひければ〽それは覚悟のまへ逃を出るその所よ りおつこにしんぎと命出しいとは思はねてもしきの甚平か手にからつば 口おしい犬死志束と見るならばすいふんとのかるゝが。市の主殿への奉公 わたしやとなたがいざしみゑてもゐられ給ひ今夜はどこにとこにとこにとこにとこにといふ ぞに見すばなる酒かけかそろ〳〵東へ成てのぼふと名の空もとや □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ くれて。のれば〳〵にとぼす火きりとうま〴〵にどらの花の絵つくし判 字物見世にすゞみのしはゐ咄めにとり手の十二三から八男九口の娘や丁也。 くろひはおりの欲まれに。やらしのこむむむききそろふひやうしやなりふるも よく。それ〳〵。それ〳〵やませ。年もなにはゑのあしのかりねの夜さへ ながにちざるむすびはすれとゆるさぬ恋の恋のとへいつそやればやまべ 豊前 と思へ共一部さる丸とのせいしのあれば。天皇天王ばちおそろしく親 同断 の苦家もそこはかとなく金治の人丸ののあれとて。ちさに大に大に大口のち さとをしへてすごきふかやぶ中出わげてたんだふれ〳〵な爰でされたおだふれ〳〵なん すたのくつかしやあのおどりにを見るに付。国の子共もあのとしはい生たる しんだが煩ふががいやごとしはなどるまひはなれ〳〵に成果てどこでしんも浅 すゝいげ共の水も受かひゆくはんされいこせうぞ。迚なら介しんと此地蔵を 六道の中有のあかりに迷ひをはれとめてみいいがなかりたいと。あかき。 こと労も心かきくもるえは今年の日照にも神には篳夏乞の身をしるまぞ はてしなきこの子がたしなむ仮前国光れこそ来れ我妻也此世の縁は 薄柿軽子たくねぢかけ。志平と。先平を引かれたる父の言時ないとの 西の下刻運こそ北橋詰にて行合せり。世の世の条の者のすがめぐの覚したる といふよりやく打上か一が待受たりと指上る。万年の小がいせろとたもらず切落 かけらせ男女士の仮作法計と一尺八寸抜合せて刃に向ふたりあげれ者切 たはく見へばよ持に。嫡子共にけるさすな。お吉様おぜん外。半前権介人を 呼やも逃るやら隣丁八十九丁町。十三両切の高はやみ夜計の入たることく女は甚 原をちりと見て望は夫の切声に討れ犬死としばしばしばし物の類 権三かふんごと打切されいんん也坊こんでくはへとめたかかを捨て竹がな一手つ かふて鑓の権也と名を取下諸人の頼見等のこさん物。足私成火見物をよ 一刃をくゞる無刀の倒さずが〽成けり手負ふり。生一世と念もにおこん だり右のはたきの物を物かいにはりずんどきられても。猶忽つぬさいで の身ぶり。橋はどながら江葉のみれにあふせの歌と敵ふんみ〳〵〳〵〳〵〳〵み〳〵 のつけにふゆえ武士の死がいの見ごとさゆ逃賊さらたなかりけり。市の手女を見 失ひなむ三宝と北へ走あへどつどこへうせたと小角〳〵をから猫の 鼠をさがす非の光橋にはしがいのたをさは。なづしも七月番皃ながれて とい〳〵と。川こそう人伏見つたつたのかふ。たる。甚原綿を引立来れば。 太介大方のそなたに討るゝは口をしい。夫の手にいひくれいか。市の近程の仁たが 介太刀を討ゆぞと橋の中門に出せばなになふなかしやと歌所を片わなぐり に腰のかひくはらずんとかきげられあつ家に臥たりける。帯のつかんで願引 上見れは。その不便さとになしくの頼の儀物をお思ひずんぐゆさげけ てひふせ。野介まくづさいたいかり坊者の縁を臥かけるもろときれ覚へ ばこそぐに男が物板ふまへとぞいづれも一刀鑓の権三が古身の絶蔵も古紙咄も ふりし。哥も昔の古哥なれど谷の要顕さ必重鑓の初も永は世の評制ぞ成に 十一日 5807 右之本頌句音節墨譜等令加筆候 師若針第子如縷曰吾儕所傳沂先師 十句は 之源幸甚竹本義太夫傳 □□□ 予以著述之原本校合一過可為正本者也 浪華 山本九菓亭版 同 玉水源治郎版 同 紙屋與右衛門版 京寺町通松原上町 今井七郎兵衛版 江戸日本橋四日市 松本平助版 大阪北浜西横堀船町 加島屋清助板