葦垣集(仲住追善狂歌蘆垣集)
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- 魚屋北溪畫
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- 日本語
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狂歌葦垣集
一狂歌葦垣集完
譜代恭信号副船会ヲ
こその秋あしかきの中すみかくさはの
狩野亭吉氏藩蔵書
露と消にしなこりしのひかたくなり魂
をなくさむるためにとてそのうからの人々
こそしの春世にすゝめてかりそめに
よませし歌のかくもおほく成にたる与
あひしれる友のかまりはさら也しらぬ人
はた遠きくに〳〵よりもそこはくにあつ
まりきぬるは其ぬしの世にありける本と
草の木をはかくわけいり雲ゐる嶺の
たかく心をやり月雪にうそふきし詞の
花のに本ひおのつから千里の外にかほり
みちて永き別を夢かとのみかこつ人
いとおほかるによれるなるへしいまや此集の
はしめにそのなししるせとうからの人々
のせちに関ゆれはつかみしかき筆とりて
かつ驚きかつかなしとまたなき後に
其名のと本きくにゝもかゝやかしか
きこゆるをよろこほひてしるすものは
おなし青山の里にすみてはやう
此ぬし冬ものとひかはし尚古堂の
あるし南季
嘉永のはしめのとし
それの月
葭蓋仲住
久綿出戦の
はれゆく
あと庵
評画
同所々
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
科め
水
てる日も○
洗ふ
抜
書
人
大
園
栗{
熱
稔因大実
ゆく雁を
空にゆるさぬ
実もかな
実もよな
かなみのあみも
かひなきものを
降いてぬ
暮雨はこよひ
瑞国千秋
一御くらる
あすやいかにと
おもひてそやれ
またきえぬ
こしのみゆ皮を
こしのみゆ殿を
花とみて
こなたへかへれ
春のかりかね
残月亭
広記
広記
長丸改
桜はな
真崎葛永頼
雲にし似すは
なか〳〵に
見すてはゆかし
春の
雁かね
七日雨に
なやめる
して
色そ
うつくしき
小町にてよへる
ならぬも
万葉亭
都喜丸
ちれはこそ
いとゝ御くらは
めてたけれといはひ
なでも
つらき雨かな
山定茂実
桜はな雪と
ちる日に
け
るは
雨は
枝のわかれを
ましむ涙か
青丸
雨そゝく春の
若葉の青山に
ちりても残る
ちりても残る
花のおはかけ
四方山永女
北渓
書
抜
人
大
菴
谷
四
高砂屋
錦てふ
ふさくらを
桜さくらを
よににして
浦舟
なにを
ふるすへ
ふるすへ
かさる
雁そそ
なかゐして
誰かはまをか
立ぬらむ
園原やまを
かへる
かへる
かへる
雁かき
音の門喜の女
風さそふ
此ひとふりは
さく花の
其のかへしや
ると
なりけむ
春樹園
千芳
しかすかに
あぬ
詠の
いとさ九郎
匂ひを
むそふ
露の
たま
田鶴千歳
北渓丁
竹盛園
春雨の
ふるこそ
よけの
秋良
けふひとる
花見て
くらす
山守か
妻
山富亭
花のため
はるゝをまては
ひとるをも
十日の雨の
こゝちこそ
すれ
精の米女
西やとり
はのまつも
花のかけ
手いけにやせん
手をる
ひと
はと
亀
玉
立わかれゆく雁かきも
いなはちのまつに
もみん秋や
ちされる
楽浪舎
大枝
書
抜
人
大
堂
北渓
ぬれつゝ
国にやとれる
染もあるを
西になちかそ
桜見の友
月の屋
芝口屋丘程
〽みよし野の花の
さかりを見のこして
さかりを見の事
雁はふるすへ
ねにかへるらむ
山家埜其楽
暮面にぬれてよし野の
さくらかり
しほるもうしき
袖のうへり香
春の屋若女
もみちする秋を
ちきりてふるさとへ
さくらも見すて
かへる雁かぬ
御かぬかは
待にし雨も
月雪を
わめくまてめてし
雁かねの
花をはなとか
いとふ哉
るにこゝろを
ふらみち
にして
ゆたむ
桜雨斎
法人
寿子
しほるさへふしまれてけり雨の袖
花の手〆めしこゝろ
花の手〆めしこゝろひ
ならひ
寒楽代山雅可
空になく声のちかきは
さく花の雲にのりてや
雁のゆくらむ
櫓園玉丸
降雨よ花にさはら伝鐘のねの
くもりてうとき夕くれもかな
南風亭歌也
燕栗園大人
兼
魚類
飯嶋両中花四谷庵大人選
四谷庵大人選
亀玉堂大人
示しめともとらぬ雁はかぎりなる簪のこゝろをこゝろとやせし
福室勝子
つれなさよしたふこゝろも白雲のよ比にすきゆく春のかりかね
御くら花雪とつめかしこし跡のうもれは雁の色とよるへく
八重かすみ冥の名たてに立こめてかへらん雁をしはしとゝめよ
遠里の花の盛りのゆかしさも心に匂ふはる雨のやと
山辺みとり
梅垣正香
遊女一笑
花垣守雄
なしむなりしるもしらぬもあふ坂の実こえてゆく雁の名残は
保たるなすほしのひかりにゆく雁の文字はさやかにわかたさりけり
蓮行列
式アラク
武谷ケ貫
しな女
千里ゆくとこよのくちも難波津のあしもとよりや雁はしらむ
咲そむらされらはすことたちはなのとこよゆかしと雁のゆらん
仝
榧の屋広海
一宝窓文詠
しくものゝあらぬ花さへ驚きとにおもひかへ伝や雁はいぬらぬら翁
すとなれし哉とはあらはに過かしとおもふるよはにかへるかりかね
小野菴足章
玉川
檜義園忠明
初
すみなれて立かけなれやふるさとへかへるを雁は旅のんに
ぬれてなにはろこそよされ片岡や石にうえたる花の一木は
みる人をうまくねさけて春面は花の色香をぬそとはてけち
玉くしけふに見ける春雨やゆくたあすとの花にそゝくか
青子
尾勢田
至一園
奥藤田
賞吟社敬村
下毛結城
竹迺屋真蔭
とゝまらぬ春のゆくへを友としてはぬうちかはしかへるかりかね
つゝしさゝ山は時面し秋の花をつれなくかへる歌のかりか手
牡丹堂染美
雪月菴古路
なく声も空にかすとて春のよの月に朧を競ふ雁かな
渡月亭広陰
汁と見え糸とみたるゝ雨そうきぬきをとむへき花ならなくに
瓢亭駒成
奥伏黒
〽ほかりにもつきはありとはるはかり花にむすへる面の白露
美代門竹実
駿馬場
一おのかよのふけぬうちにと卯花の月夜もまたて雁のいぬらむ
とつ国はいかにかあらんこの星の花を見すてゝかへるかりかぬ
つくはれはかすみにこめし朝ほらけ女夫ならひてかへる所かね
智面にめれしたもとをしるへにて花のわかれのうさをからむ
桃の屋三千成
武小谷田
一白糸園喜好
伊勢蛸地
煎茶亭清風
下総水海道
一独楽菴花文
笠縫
吉学に御たけく風の吹てより空のとにかへるかりかゝね
土龍
武我野
一花ゆゑにさこそはなれめしつけさをくさとしふれる庭の春雨
紫茎周真苔
名古屋
きのふよりけふゆる雁のすくなさにいとゝなこりはなしまること
吾伸台伸安
武飯田
あえまてもめにとよせんとさきてよりさくらも雨のはれとをやまつ
雨の日はまれにも人のとひこねは花の廬はもとけかりけり
奥伏黒
檜辰亭照明
鳳竹亭桐好
武青梅
一豊穀垣真寿
一御くらには風より雨そあらなりし花につとへる人もちらせは
仝
一日に見えぬ面も見出つ初さけらつきにそふる枝のしつくに
扇松垣守風
妹たりうめることふととの山さくらちかはす遣しとそゝく雨かな
一珍文舎
侍りひし花の盛りにふる面はやとにけるさへ袖はめれけり
一賞梅亭このみ
珠園大香
袖笠のぬるゝもよしやよし野山面さへ花の匂ひなり勢は
奥八丁目
にくらにも心ゆるさすかへるらん旅を常なる天津嶋かき
百舌鳥屋
ゆく雁を乗しめとかひも中空や霞の網はとめもあへすて
来ん秋の門ゆの露の青さりをもかけてかするな智の臨かね
孤鴻
一汝か名残たしとしらすも寒の袖しつる白衣にかへるかりかね酔竜亭金持
はなくそゝくたやかならてたにうつたひやすき花の梢に頓智気は丸
ゆく先は寒か廿九日か白雲のみれをこしてへむかふかりかゝね
畑持
春西はよへのなゐよりふり出て世をゆする花を咲せける哉
秋朔亭梅芳
をしめともちかゆゝ花はすへもなしのこす若木を雨ようるほを
一替西の日をふるまゝに心さへ花さへいたくいたみ成るかな
千種浮藻
浜松
木竹馬友成
武引又
花ちらすとかを羽風におはしとや御くらをよ北にかへる鳫かね
輝雄
雨つりふ花の雫はかさしめる袂にしみて雲にこそにに
ける西に花はうつれと又もとのつほみにに添ふ枝の白露
おもけなる花にさはらて春雨の露のみちらす山風もかな
五輪亭小車
同中神
浅人
山高月房滝澄
いら人のしくぬにしきやくれ羽鳥あやにいとひてはなのす雨
おのか名に了ふへを立てゆく雁のなとくらさなくもうしろみけむ
竹栄庵枝長
万鶴亭千亀
おもひ出ることのみあるをゆく雁のつはさかん汁に何かへならん
ひとへつゝ雨にひくかはかまりある春ものはへん八重桜はな
咲みたんまてはと雨のふるならむ夢にはかそとゐやよはれつゝ
同金子
桂里園広記
梅下窟好文
心からわかるゝ雁もしかすかに巻をしかなきてきてゆくくる七珍亭入船
一天か代の十日の雨よ七日見るはなをはる日によきてふらめん楽笑館唄雄
一下くら花うつろふいろしなかにははるすも雨ははたはさらまし放鷹亭余風
それそとも見えこそわかね春霞もれてかなしき天つ雁かね
松風亭琴成
しつかなる雨にも右さらねられすよ花のうつろふみとをおゆへは静屋重雄
金子
けふの雨きのふの花のうはさしてちらふもはなを見すこゝちして
千登世
けるさとに心ひかれて梓弓はるのたひ土をいそく雁かね
花と見し峯の雲よりふる雨にもと見るとて咲まさる花
いへる雁戸てこととはんなき人のたさのゆゝへはしるやしらす也官城野小萩
かへる雁まてこととはんなき人のたさの候へはしるやしらすや
内九郎持庭のほこりもたゝせしとふれるが花のかそいろゝの雨
裏ふしのかたちをなしてさく花の雪をうし左にかへる薄かね扇の末広
裏ふしのかたちをなしてさく花の雪をうし左にかへる雁かね
花さかは羽風も人のことさひとをしむまにゆく春のかりかね
尾張、
花のはやおり出す百は山まゆのはとにをさ〳〵おとらさりけり
ゆく雁よやすらひまたはからはれん花も露もかきりある無畳
奇風
倭文園島成
前へ露を玉にはぬかてす面のいとよりかけて花そちらせる倭文園島城
二
武峯
海なせる霞にかくろおしてゆく尾や神代の天の天の鳥ふね
一橋
梅吟社千赫
八幡
きりこめし秋をしのふか春の夜のかすみをくけてかへる雁かぬ
甲州倉科
梅司園春一
去る時のうさをおもふかさくら花さくをはすして雁はかへれり
檜鼓園梅高
武峰
ものいはぬ桃山吹にいやまして西にはおもき花のくちひる
蜂屋に花はめれけりゆたにたつ雲の真袖はおほひなからも
山住
茅舎千寛
ゆあかりの共妃かすかたかす所にぬれてつやよき花のかほはけ
山下菴閑
すされはとこよへいそく雁かねはなにをさくらにおもひましけん
ちる花は雨によかせて白雲の袖うちかさしかへる雁かぬ
花の香を羽袖にしめてふるさとへつとにやはこふ春のかりかね
ふる面によしぬれぬとも出て見んはれては我のちりもこそしけめ
ゆく雁は花のにしきを来し秋の稲むしろとも猶もはさるらむ
檜栄居梅臣
松の門鶴子
会津
松竹園幸枝
奥伏黒
明石浦子
尾張
竜の屋
いとゆふと柳の髪をよちませて引留はやな雁のかへ御紙
玉撰堂道正
武飯田
西の日は軒をやとりにたのむかな花をふしとの園のこてふも
檜林亭今成
同我野
ほいなしと雁はいぬらん秋の夜にちきりし自のかけのことさに
松竹亭梅人
源士楼綱美
鳥雨にたほひこほるゝさくらずしつくはかりも初にとめはや
いかはちとこよの国はおもしろき皇国の花をすてゝゆてかり
千代道直
うつくしき花のしへかほをつやとかにふらひあけり暮のぬか雨
さよひにうかるゝ春はけふひとるやとにゐよとのかそいろの雨
万事亭長丸
わかれおもふ心ししらは春かすみひきてとゝめよ雁の羽袖を
気つよけにあたをもえすさ春の雁花のみやとも見すてゝそゆく
面をいとひ木陰によらはことさらに花盗人のぬれ衣やきん
もたよしと見すてゝ雁や帰るむさきとりぬ花頼くもる月
さらたきにさすかわかれやをしむらんこゑみもしせて雁は帰れり
武中神
小餘綾磯女
錢雪算清香
四花園美盛
文々舎
文弘舎多丸
老はくのおのか気まゝにゆく雁は蒸に花はきやゆくりけむ
仝
一呼月楼三宜
世をかりの名にしぎへはかつゝかなき身をこそつとゝふかゆらめ
仝
堅木園枝雄
もあろによる方もなしいつこにか君かりかねのかへりゆくらん
武谷ヶ貫
琵琶園音繁
橋わはをくはへもてゆく雁かねはとこよの人の懸相成かも
春の屋和海
同中神
同松梅亭商人
雪と見る花はえすこゝはなとる雪つむ里へかへりゆく雁
同
ぬれてこそなほおもしろへおもひつれ面にかさしゝ花の遠り枝
しけり
同金子
五輪坊四文
これほとの花をはすてゝゆく雁の国のつたには何をもくらん
此道園暗記
春面にぬれてそためする花のいろにたのむかひなき思ひの里
歌川堂国彦
智雨のはとに仕立て風の手もいれぬにしまやそのゝはつ花
うす墨の筆の海路やこえつらんかすくに文字のにしむ雁ね
成林舎百丈
降しきる雨にもむきはいためける花を西旋か前のかけに見て
同断断橋栗園千健
奥仙台在江戸
一梨よりも西の第九郎のから国にあらはたそへん常肥かなきかにきか源
千菊園
下毛鹿沼
産出て遠川をこそも国山になれはしめとや雁のゆくらん
仝
桑子
△
一降つゝて雨にうつろふ花のいろは心にかゝる空にさりける
岡崎如露子
仝
智雨につほめる花の数そひて露さへちらぬ庭のしつけさ
浅桑園
全
別れゆくなこりもふかき夕かなみ立なへたたへたゝ雁の一つら
ノ蓬本麻也
仝
かく召朽すおどもきこえて咲花の雲のみをゆく春の雁かね
榊本広達
かゝ迄山ふもとを立て上つうきへうしろすかたをうつす雁かぬ
清玉庵
一西風とひとつにいはんもはかしふるにつけてそ花はゝさきける薩栗菴
咲そめし花も雨にはしほたれて春の心にひゝかさり会
親因
武谷ヶ貫蔭海改
いとにしもまかふとならは歌の雨ちりゆく国をぬきてとゝめよ
一稲園豊海
魚清木町
持たする袖にも雨のつたひ来て雫は花となほにほひけり
青樹園新沐
稲はみしにくさわすれてあら小田のかへすはをしき春の花かぬ
もならはちるよてはふれ雨されてやひとも花のいろはもとるし
みよし野のよしのをあとにゆゝ雁はかへるを臺とおもふなるらむ
かへるへき霞のうみは風なきつ出ふねのはへよ天つ鳴かね
塗板に書たる文字をあらふ如露にきえ高かへる時かね
通例舎保成
上毛高崎
泉源樓
房州東条
玉兎斎亀人
山水清良
下総助崎
緑松園琴柱
木九郎さく峯に雨もつ雲の袖香をしるへにそちゝへかりける
牡丹樓
たゝ一羽おくるゝ雁は友鳥のしらぬさぬさ九らをつとに見んとや
穿花楼楊羽
春雨のふる日もかれすかさゝして花のしつゝのおくをたつねん
なりぬかしあすのいろかをまつうちは気もはる面の花の莟そ
きりためし秋をしのひて朧なる空をしをりに雁は行らん
夕やけのもみつる空をゆく雁にまたしのはれぬこその秋風
五
木曽猿智恵
渋谷善司丸
葎しける
白玉堂光
空のうみかすみかくれにゆく雁のならふつるゝや沖のも船
瞽面の親のいさめかしら〳〵と花に意露のなみら見えけり
花見すてかへれる雁はかふしきゝてよるふる里へゆくこゝろかも
朝音堂昌育
定蓉園筆雄
武玉川
調布園繁茂
花笠をぬふ尊を蹴にしてかたいと鳥の空かくれゆて
西の糸にとちたる花はしかすかにかをりしよねへちらさゝりけり
春面に水はまさねとすみゝ河岸にあふるゝ花のしらす
良卓
茂竹すゝ女
竹交合友良
春雨のはれゆゝ遠の山のはにかゝれる其は花かあらぬか
蓮草持
やよや雁かへさはいそけ御く花になれかつはさの風もいとへ婆
かりの世に心とむなと春雨のうしへかほにや花ちらすらん
ほのかなるかすみのそらに入間路やたのむの雁のかへる夕暮
一花七日ふりへけるはたにさくにしけひおしたるゆゑにやあるらん
鶴樹斧刷安
神楽堂舞子
月の屋満丸
相鎌倉
乱橋亭高浪
日の光る御山にさける瀧さくらきりと見るまてふれる暮雨
竹瓢園転寐
風ならはいとつれなしとちりなよし面には心あり安気けら
東鶴
山の名のあらしは花にさはらすて親そふ面になとうつしるらむ蘆原国子
雨の日はゐなから鉢の木のもとにめつれはこゝも滋賀の花園
紀州新宮
音無川成
歌をよむ蛙を友にこゝろまてしつけて花をめつる雨の日
ふる雨にいろをもか遠もうしなひてまことの音とみよし野の花
ゆきとしてなれにし是はまよはしとやとの夜すから雁の行らん
人みなのうしめる雁のわかれちを月はかすとてしらすかほなり
玉光軒月影
さく花もつひにはかくとさとりけん雁はかれ木をくはへてそゆて
かへりゆく通り手からこの文字ならん春の冥路をこゆる雁かね
なかめあかすふる春雨のいとさくらつなきとめたき気しき也けり
千田合豊秋
六よみなき山里人はかりうねのかへるに春のなかはをそし留
行馬はかなみのきめに影すきてたり文字とや空に見るらん
肌うすくなる暮のよにかへりゆへ衣かりかねかさねてもきよ
をとめらか花兄小袖のおくみかたたちそはしむる小田の雁かね
たらちねの雨のふる日は見して花にこてふの哥はむれもせす
おき出て帯しむる頃よこ雲の袖をとほしてかへるかりかね
因
寒に花のおやにこそなれんしてちらさぬやにそゝくする
扇にも書しかへ字かと見るまてにかすめる富士をつたふ雁ね
あかつきのかすみの袖をひけとはたとさる空なく雁はいにけら
檜生薫正義
紀山人徳成
東風舎文母
駿河方ノ上
降雨のあしさへ地にはつかぬ哉よし野の山の花のさかりは
智雨も心して不礼山さ九郎花の色香のなかれもそする
たゝ一羽たのもにのこる雁かねは花みてかへる心なるゝむ
東路をはそける雁はもろとしのよしのゝ花を見んこゝろも
白雲と見ゆるもうへ上よし野山花より碁の面はふりけり
をしめともとまらぬ馬はさきに又みかけし山の花やよめるらん
一ふての手形かはりかゆく雁のならふすかたも。文字の冥のつ
潟田川上馬春雨に水まして秋もにはへり花のすかたに
葉もゆる春の雨にははくたひもぬれて上もらぬひさくらに国直亭椙山
つく花を見て隠なき雲里へ春をつけにや雁はゆくらん浅露春一卓
一面あしのちかくなきほと中々に花見る人そ遠さかりゆく富士本人業
碧松亭秀穂
奥浅月算改
湖月芥明照
武水波田
檜染亭色明
兵鳳亭
鶴の屋松門
秋砧楼持郷
梅の屋几睡
曲直亭椙山
浅露森一草
ふる雨にしほるゝ花のおもかけはやめる西龍か立すかたかも
ゆえ雁のなたりのことをなかむれはなくさめかたきけふの其面
春雨のつたふしつゝは山さくら花のうてなの玉とみゆえ
立蜘の水にこさしと賤る田をかへさぬうちにかへる雁かね
ちるすゝしむ人の心の立そひて雨にそふかき花の白く
花見ぬをなれんはつるか空の海かすみかこれにかへる雁かね
さみにのちゝ恋しもやみのむしも留にとこかぬ庭のさ九白木
てる月の雲は風にておはましを風そふ雨そ花にすへ大に
ふる面の露ちる中にあらはれはゝふすたもさぬ初さくらず
汝かかへるとこよの国にはつ雁とめてられんとやいそきゆくらん
一さきみてる花を見すてゞゆゝ雁は心かけたる枝やくはへん
つくらに世をゆへりてはおず〳〵とはねをのはしてかへる雁気
春雨にうたるゝ花はさもなくて人のこゝろやまついたむらん
一待ちひしかひなく花によく病はなかむる人の調なるもし
会津
四
来る雨にしほるゝ家のおもかけはやめる面龍か有すかたかも転寝
織糸織女
蓬寿斎
てる月の冬は風にんおはなしを風そふ雨そ花にすな言に松月舎家
汝かかへるとこよの国にはつ庭とめてられんとやいそき御たん梅借
泥太房
且長歳真名雀
舞雀亭竹翁
雲はの真なつかしと海山をこしちへいそそてつ道かぬ俄の米歲
八重ひとへこゑはかすとにこもりかたあの山こえて帰る時年和風亭国吉
鬼さうらふらはきとてかそいろの屋も時をは分かへすそ守蛙の尾歌翁
児さくらわらふころとてかそいろのへも時近はたかへすそ守
きさらきや雪のまたとのとひ〳〵を真にたとりてかへる雁かね
はゝき木のかすむゆふへに候と雁もありとはすれに見えぬ園原
手拭の浅黄さくらもしはるほとぬるゝにしるき春の夜の雨
あすか山嘉すともいくすちる国に蝶心羽袖をしほる春西
あてつ空いはとの響をあけかたにこしちへいそて春の恐ね三千年百疋
あさつ空いはとの関をあけかたにこしちへいそく春の雁ぬ
秋さてのちかれをつけてゆく雁にひかん桜のはなむけやせん
新勇園春助
月影はためはぬ目か殿か玉章のかへ字よめかぬる朧夜のかり
ちるをたしとなけく泪かはら〳〵と花よりおつる雨のたむ月中
ちるをたしとなけく泪かはら〳〵と花よりおつる雨のたち水
本の口先
またも米ん秋のためとや内の水もにこさてかへる春の雁ね本の口先
ゆく雁の山をつくりてよくれはや春あたゝかき風のふくらん歌遊亭伊丹
守る人のいとふ心やしのふらむ花んしはれて見ゆる雨の日閑常番都成
袴ともなりてかへ語る雁かり青そも水仕女の玉代のころ小澤菴童山
一三行雨に袖をしほりのたひころも雫もかを馬花のよしの始竹扇楼仮名女
花を見ぬ心を人や笑はんとかろみよくれにかへるかりかね
竹垣奇水
春雨のふるたひことに玉のをもちゝにみたるゝ糸されら花
二見岩陰
竹間堂桂枝
背角のいとにかゝりてうつくして手鞠さくらの花は咲けり
空高く西は降けり枝かはす松にさくらの走きれして
さく花をさつは久しと花に似しもの中ゆく春のかりかね
花咲菴
跨谷舎磐浪
清水や花のさかりはふる雨の千の矢さきそはとはれにけり
摂栗園千胤
経をよむ鳥さへなるに西行のさ九らみすてゝかへるかりかね
何事をおもひの山のさくらなよほかたふけて雨にさらん
きさらきの末のまつやまこえぬらし給立てはざかへる雁かぬ
丸み花をまつ心には中くにしつかならさる春雨のおと
霧のうへを来てはかすみにかへりてんこたひによむ雁かぬの父な
武谷ケル
千早振道
□
ひるま船路
孫呉空人真似
塔山堂磐根
龍潜嵐
過らてはおよはぬこめしへ今そし公屋にも花のいろしかつれは
四
艸香樓高鳴
今朝はとくかたゝを立て走帆の雲せの湖をかへるかりかね
梅園菅三千
えよし町の花にさはれる寒をはこしへやはこふ春の房かね
そらの海なみたつ雲はあやうしと霞の橋をかへる雁かね
とよとしの歌田のいねをけみあきて麦はめさらすかへる雁かね
あすはとて花見支度のはれころもこよひの雨に袖はぬらけり
ちらし書すなる文かもやく〳〵に文字をこよかになしてゆく雁
菊のはなさくころこめと白雲になくねわけゆく春の雁かね
花の雪つもらぬさきによし野山こえてとし給へ帰る雁かぬ
すみなれしおのか縫へのよしあしにわかれこそゆく春の雁かね
ちることをしくて花よりめてたしと松のときはへ帰たまかね
愛花園本住
菊亭瓢住
青歳閣千声
下て花のいろやあするとさゝなみを胸にうたする志賀の春雨
下毛鹿沼
御くら花雨にいろをなうはれそはれての程は雪とちると母
榛の本稲丸
会津
雄のうゝむすへるやうにゆく雁はあかりたる世の文字やるすらん
麻菪麻莨莨
桃の三千蔭
雨の日はひとりしめらる木のもとに心ちらさてめつる花守
飯能
魚の戸をおしあけかねに雁そゆく秋のちきりのとさしかためて
友義
武我野
秋に見む雁とおもへと今さらにゆくを示しけに見やる空かな
春日菴梅雄
今朝ひらて花は巫山の雲と見むゆふへに雨とふりのかはるは
たらちぬの間のめくらになれ〳〵高児てふ谷の恵よひみすとん
一含露亭蟹丸
花遊亭友雄
児とよふ名もあらし音面の面の露の乳房にそたつ桜は
五松亭十帰
替局のおとはしのへとすゝかゝ山ふりすてかたき花の木の本
こしのねへ花の使のゆとみんつらなりかへるかりの玉章
時しらぬ山をはるかのまとにして時しりかきにかへるほかぬ
てる雪と峯のさみらに雨のあしのすへりて枝にすかる雫か
仲好小吉
濱松
光々舎玉成
晴旭舘梅里
五束斎一成
ちかす見る花にからうらやまとうたかさくらしふる雨のしつけさ
ふる雨もいとはてとへは嘉寺のあかれといへることはやさしな
春くれは一しほまさる松をみてときはたかへす雁はいめらん
珍芥閑人
匕の真張
一飛泉楼刀祢鯉
ふる里の月はぬ秋のおこたりを花にうめんといそ是得かも
御くほとをまつにつくさで替雨は花の盛になとそゝくはんに
花鳥園春好
織止
四
氷室もり花ふん雨はいとふらんおなしやまひはめてむたこひに窓の文月
中々に花の色香そうつる気をあまりに面のそくそすとして桃源金万巻良
様かたの月を広きる雁かねは春変山やさしてゆてはん猪口山人
稔園大実選
楽しめもとまらぬ雁はかきりある昔の心をこゝろとやせし
さくら花雪をつめかしこしのねとまかへて雁のいなすをるかな
秋来ては春立かへる鳥なれはいつこもかりのやとりなるらん
おくらき雪とも見えに来し道にまとひて雁の立とするへて
おもひきや月のゆふへに来し雁の花のちしたにかへるへしとは
啼つれて花さかぬまにゆく雁は春のあはれのはしめなるらん
山富亭
賞吟社敬村
久からの霞のうへをゆく雁は春もさやけき月や見るとん
来し時の月夜にかへてかへるさのなこかか霞む雁のひとつら
檜栄舎梅臣
めてあかぬ花をはすしてゆゝ雁の心や在はのおほろなるむ檜義国忠明
代々花は雪と見ゆれとをれなくにこそゑたわよす西やあなる友成
待らひし花の盛にふる面はとはねと袖の如れにけるかな賞梅亭このみ
豊楽岱雅可選
はそ君ふるをかことにきても見ぬ面障せて公はさけるを
千田居豊秋
魯西のいともてとつるされら花薫りもよにへちらさゝりけり
茂竹寿之女
はさはとて雲ゐはるかにかへる雁なきてもゆけや春のはこかに
はつこゑをうれにちきりてゆく馬そ草や露は秋のものかは
いましはしつほみてまてよさくら花きはみなくふる面にあらしを
声はすも雨に丸きけりまつはうき世のならひにも花はならはて
きのふはれけふはくもるといとひしを雨にうつろふ花もいろはも
渡月亭広蔭
櫻雨齊陰人
武谷貧
塔谷舎磐浪
煙の屋広海
下毛鹿沼
桑子
さかぬまはうれしかりつる春雨をうきにかそふ間花盛てかな
大実
春をしも見すてゝ雁のはぬなるはなかれぬほとや花とたのめる
式中神
ゆくもうしをるもをかにやよりなんとなれにし生に雁そたゆたふ
一琵琶園音繁
桜花雪とも見えに来し道にまとはゝ鳫の立とさるへく
正香
花見すてよりこの春もかへるめりよににもつらに風のすゝせや檜玉堂千明
十一
瑞園千秋選
いかて君ふるをかことに来ても見ぬやつみせて花はさけるを
豊秋
花はすて又この春もかへるめりら所にもつらき雁のすくけや千明
ちるにとき花なまこゝろなまものと立やすけにも雁のゆくくし
谷貫
稲園豊海
あたなりと花なわらひそ降しきる面に心のあせてとはぬを
仝
おもはすも西に咲けり待はうき世の諺に花はならはて
くしはしつきてまてよ桜花きはみなくふる面にあらしを
武引又
朝夕の露のめてみにもゆかて雨やそしける花のふくみに
さくらずちるもあするもまかけましおのかものとて雨やいとへる
初さゑをたれにちきりてゆく雁そ花やか故では秋のものとて
下毛鹿沼
きのふけふ雨の数そふ花の色にしをれもゆくか人の心の
猫かゝを羽袖にしめてくらふ山やみにかへるもしるき雁哉雅可
遠里の花の盛のゆかしさも心ににほふけ雨のやと花垣守雄
○
一封住ぬしは中々にうき世のちりをはしはれし如梅咲春のあしたに
鶯のうたに月星をきくり花の盛は霞なから胡蝶の暮を結ひ
て月に雪に四の時をかく居なから言の葉をもて風流の道に
遊ひたまひてをかしき友おほかくしかこその冬小智の花は
かへり咲すいへらぬ旅路におもむかれしはわかに乗しめと母かひなま
今々に弥生のくろ役の業はと太まむと二雛のうは書をもて
諸君達に玉のことの葉をこひよゐらせしにかへれる雁にはいゝみの
心みをそへ西の日の花には七日の手向を備ふ遠にちかきの陽なく
うときしたしきわかちなうことのその花をふらせむらさきの雲の
ゆかり深かりしはなきたまも風こそよろこひたさふらめとおの程も
つたなきものはを添るにけむし
さく花もちりにし人のことのはとおもへは雨に初そぬれける四谷菴
花の雪こし路のゆきとふりわかれふらみちかけて雁やゆくらん亀玉堂
十一
咲をよと頼めし雨のやう桜何に若葉となして晴たらむ燕栄園
○
なかもするはとはたへぬる花ならはおれもときはにぬれつゝを見ん大寳
もえ出る萩の羽風の如なこりをもしらせ初てそ雁の立らん推可
一ぬるともと木陰によりてふる面にあせぬ心を花にしへむ千秋
木綿園大人判
当座画舎
麦の苅穂あるにかたわれ月出たり
ゆふこのも影をたのみに賤のなか麦かりいるゝ三日月の隠能前亭
薊の花さけり
鬼とよふ名はゆつりてん花割にちはれをしくて手折る心に千秋
柳の梢に蝉
風になひと柳のいとになく蝉のことつけほそくも左えぬ夏山蔭人
海上に時鳥の飛ふ
琴のねをとめて聞わる一こゑはすまとあかしの浦鷹文好
水のほとりに鶴たてり
いて千代もかはしてこゝにすみのはの松もむかしの友鶴の春采女
いたゝきに火ともす鶴は子をおもふやうちかしの浦になれけん永女
〇おなし画合のうちに芥子の花字
なかしさよちらぬめから芥子の国坊主持してかへるこなから木錦園
○
いつこそとしたふもはかなとゝめあへすすかくれにし雁のゆゝへを永女
しかすかに雁もなこりやけしむらんけふも沢辺にたりとほりつゝ
嘉永元申年四月廿五日於珍珍苓館披局
通計三千二百八十二首上梓三百十三首
経云唯仏寺仏の能究尽諸法実相と
聞はへりけれは寿量品の心をもて佚養しけり
清耳尼
白雲の花ふところやさ九る苗
雨か是やあすの花見を人こゝろ蓼甫
ちる花に眼を乗る間の月日成稔市
うつむけ婆心に見える西の国功甫
○
片里や雁のわかれ近小糠あめ歌因
ゆく雁向目につくやうにやねの草六間舎
月うすうはれれて雁の別れかな善志
か給る雁代るものうとくなりにけり志立
かへる雁かそふる人もなかりけり龍進
山水の筧にますやま鴈風子
○
雨の花庇つたひに匂ふなり随竹
やく米の日を引くに花見かな松荘
○
空蛙
しら露も置て去る也雨の花空蛙
流れ〳〵とさくも有けり夕されら田撰
去る前にたとへんものか桜谷にゆきて帰らぬ
親の別れをとかこち申されしもけふの
真祥仏なりけり
ゆく尾やあと見つめたるかゝの透櫓屋
人々のことの葉をこひまゐらせて比
集をなす
西の花なたもの雁を手向かな竹周
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