巨月賞

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秋長堂物梁編
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秋長堂物梁編
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コゲツショウ
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東北大学
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松歌巨河岩方に 狩 十夕上 内人持 二浦 『労弁恭唱聞 十一日 江戸の望みを論する時はお本く花より団子を尽し 上戸の好みを翫ふ折は猶まに月と泥亀を尽す 立田の中に就て三亡の影は室子のちいさなくに比せず 平鍋の再ひ思ふに二国千の興もとかつきの泣きなるにます 一けたし四月売の名ことおこるか四月三つ物の広草 を照し巨類也三町の軽覆を棒く玉河の清水の精神の 一応く土千形に角り金杉の土芋あらつて金一升 に損ふ半宵雨はれて初昔青天の笠を恥三更の 国に収つて初毬分金の錦とほこる時月この食物多き のみにあらす月前の詠物またとほしからす爰に四方の狂声 口なりす利をし甲州の蒲菊に智恵岱をしほりて 奇なる趣向の種を咄ては行程にみの口つきになら はんとし更科の暮春に工夫の底をふるひて妙なる おなしの噺をねりかゝは定家く隆の後段にすはらん とす膳に高いの席をわかては徒らに給事のあしを 労しるに甲乙の位を定むれはひそかに判者の心 を悩ますさのみ新古を撰ますともよし曰円庵の 目の興連隊としなく手つかみに雪野哲藝 千万なれはあとの理さきさきになつた花多のむめむ くらひにまはるも有へしこそは臣月のおほいにして かゝはらさるゆえすし也多し愧る処は言葉の林に枝豆 をひねは和歌の浦にはまくりを拾ふ月のかつらの 風る士に花ゝ団子のけしめをくひお月さまと泥亀の あさけりをうけむこゝをそれもまたいかゝはせむむし 江戸と上戸のおのかす箱也 文仏はしめのたし中余四方類垣ひ 池蛙等 仰なす麻布の高き本荘のひきゝもめつる自の光りを 八十伴雄 空に消し烟のあとの富士香塩すかりのやうに匂ふ目類 宝銭持 海に入る月おしてるや難波やの庭にふりひく生松の影 金川身脩丸 身脩丸 箱根山冠か嶽のいたゝきに住高しすめる秋の夜の月 大倉金光 見る目と茶の初ほとにうかされてふたり前ほと老やしつらん 宇治園守 歌はさて至て春雀丸硯かけぬを愛らも去月の新 柏木兼守 自はまたわかいみそらの夜歩行にそれから秋の名にや立らん 鉄炮洲阿足 てる月のみやこをさして花すゝき尾花あし毛の初やむくらん 河原吹方 蒲むしろゝ走らす浪の花すゝきほも一はひにはる月の舟 橘香保留 ともし火をかきたてしよりあからけれ目の桂の男の子にて 芦原仲経 庭の面白きを後に美濃紙の障子に画かく月の松に元 白銀いさ子 くもりなく晴れたる須磨のうしやさん手の筋迄もみゆる自殺 橘比良久 かゝちぬるむかし今戸の西行や目に見とれて手をつくねもの 紀若丸 賤か宮の軒もむかしに須磨すたれあかしかゝけぬ月のさやけさ 三番叟早人 顔ふたつ見ては天地の違ひともおもはさりけり池の西の月 瀧本草丸 てし影にかつらをかけて櫛田川さすか隈なき自の丸髷 堪忍成兼 てる影も空に氷て水車めくらてよとめ淀川の内 森繁躬 見るうちに我や老けんものわすれ寐る気もつかぬ目の夜すから 二一 大原牛彦 水毘の玉のうさきもすき通る月は目かね歟秋かけて照る 橘鉢植 目影は玉藻にあそふ金魚かと松葉くゝりて池にきらめく 山手赤帯 無筆する指さす自の丸のゝ字目椎量にもすめる秋の夜 薬玉長糸 たい山に雲なて見えて吸物のうしほにうつる名自の影 親船沖乗 大海のよらから出て大きなる山もこまらに見する自彩 落栗庵 花に風春は心をつかひきぬくもなく見たし秋の夜の月 三陽奥為 檜垣船湊につきの鏡にてときやろと呼ふ乙女子のかけ 市町久住 窓明て月をみつれは巣をかけしくもとて逃る影のさやけに 相戸塚 催馬楽其駒 松風のおとして雨のみれゆくはひろふたやうな童月の影 式亭三馬 さしむかふ目には泪そこほれけるからしなならぬさらしなの月 愛亭方住 避りわたる月に雨けはなけれともふりにし事を思ひ出ぬる 鳥亭焉馬 雲の浪にしつめる月の影みれはおもひ出羽の泉潟の景 一 近江枇杷子 よみさしの文も折〳〵源氏雲かゝれる月の品定めせん 都千賀江 山の端に匂ふて出る秋の夜の夜の夜の夜しと誰なかめけむ 同断花長藤 手のおよふ竹の箒にはきちきる目へ馳走の軒の蜘の巣 松理葉出成 雪と見はまつ雪にしてかく庭の月にさはかな松も折かし 黄金杉盛 照りわたる月をくらけと見へて猿さへきもをつふす秋の夜 新芽若松 幾秋も老せぬ月の仙薬をうけたき瑠璃の玉のさかつれ 小倉百人 十五夜に庭のさし木は根のつけと庭にさす目に起つかれもます 小金多麿 太平の御代や〳〵と円居して門の戸さらぬ秋の夜の月 紀砂楽 此けしき見さらん後のはなしにも伝はりさうな松か枝の月 寅春風 一照る影を雪に至とへし玉亀手をもぬらさすもてあそふかな 紀豆成一 一浮雲にはしる衣を船の帆のはしらてとめる浪の上の浪の浪の浪の 八算兼一 中空を見ていたくせし首筋をきのとく顔に月やさすらん 二 秋田早成 からすより先へうかれし目さましの山茶も月の出はななりけり 造酒樽住 空晴れてとこへか雲を吹よせのうまき最中の自に松風 道具雅楽 目に酒くまなきも又淋しみと下戸ならぬ人やいひはしめけん 少々道頼 舞うたふ自の夜船のすみた川芸なし猿も水に半を出す 想溜風呂主 七宝の玉のひかりや福寿路無量百千満月の影 樽曽底成 むさし野の堀かねの打のつゐそこに月の衣のはね釣瓶あり 甲子豆人 みる人のうへに眼のつく沢蟹のあな自彩のあかきそ宵そ 岩井扇蝶 をしめともまかせぬ比叡にの目の影をこひめやか茂川のね 平水盛 うすに似て足もひかれる其月の御影出ます伊豆の石山 松風空寐 明石潟てる月影にめもさえていく夜寝られぬ須磨の関守 葛野内記 朱子抔かるしよ抔もちの夜の月にはありてぬる人もなし 稲穂波 影清く今宵硯にうつりしをたのしみにする月のすといろ 小槌持主 山田守る庵にも竹の根太の音くち〳〵すめる望月の影 宝倉光 優婆塞の笈に背負ふて秋の山月はさなから逆の峰入 浅草早早 むさしのへきけん上戸のはてもなく見るにはてゝも月の中秋 弥息扇 紫折戸に自の匂ひのいろめけはをとこをふなの花もなまめて 家産真萩 今宵ひく駒のあし毛に引かへてひつめといはぬ望月の影 美知奥成 目は弓風は矢田野を野分して薄をはしるいのこ雲かな 天津乙女 山の端を今出来秋の月今宵ねるものとてはいねはかりなり 猿人真似 さゝのやの破れたる壁をもる目にぬるさはをしき秋の夜そより 薫高人 てる月の鏡は天下一面に南てんちくのこともくもなし 於保笑麿 空にはれる目の水は松かえのこふしにくたく光りさやけさ 透原呑義 八重雲に自宮殿を戸させとも吹やふかたる風は焚吟 売示笑顔 舟はたへみなのり出て山の端にかたふくまての月を見るかな 六丁 橘満枝 波にしら熊手のやうにうちかけて目住の紅の紅の落葉かきゆく 花園峰繁 船よりはおくれて出しか月出か崎へあかりと自のさやける 角道早成 蛍書にかくへつまして照ら影はあかり天井月の空窓 不老前真富 天のはらに雲の帯して身重なる月に詩人もくわゐどいの類 花下守 あれはてし不破の関屋の板ひさしいたくふけねともる句のかけ 杉板赤実 仰山に照れはてるとて苧堀れはつちの中まて明夜なりけり 鶯歌子 さす影は雪の詠めと更るのにつもりもやらぬ月の雪 桃本雛丸 盃の外に最ひとつ目の前さし出る雲は押へたきかな 鼻元近見 沖津浪たつの都も天る月にしほのひるかとおもふさやけさ 常盤杜繁 めをくはる田毎の月の若苗や今宵とへ見るかけのさやけさ 金尺目積 枝豆はさす鼻さはれとも見る邪身ならぬ松かえの目 弄雪箕山 絵のことくみゆる銀地に彩色し薄の露や月の綴とり 芝の堀山陽 つくまいの月の光りにあさりては芦辺にしるき杉の鍋鶴 寿栄守 夜もなりて秋も最中の空になと月はますみに見ゆるあとら也 金杉浜成 月を見て思ひそ出る古郷のいもゝ大かたまめにあるやと 長芽繁人 秋の夜にうかれたらすは雲間よりうまれぬ先の月や惣しき 羽金鉄人 目はたゝみてるはかりに備へものほしへりのせし秋の夜の夜の空 笹東鈴成 下戸上戸うちましりつゝ呑むひと夜呑まぬひと夜もむつましき秋 鳴滝音人 さす目の処みを杭はなられは夜のふかきをもしらすなかめつ 橋立躬文 るひとつよめぬ賎さへうかれ出てしばかり見たる月のあかうさ 凌雪千丈 うかされて茶に寐そひれし始終たしかならねと宇治山の月 鞠鳴音 酒くまむ肴にもうして玉川のあゆめはあけむ水の上の月 奥桑折 紀安住 月の中の薬の露を老の目にさすかさやけく雲もかゝらす 紺井仲成 天る月はわけへたてなく雲井より残かつゝれの袖にさすかけ 上水下見 更科や田毎に稲のあかるみて穂波にわりて照る自のかげ 下毛大田原 玄仲那言匕盛 うしろみせて今宵艸には入らすともかへせきたなしむさしのゝ月 大伴御津風 月を見て漉くむのを何ゆゑとわらふ子ともの声もくもらつ 吉借真金 日てりかさ雨もつかさもぬく月のふたかたはかり今宵おほきさ 紀安丸 物喰ふてすくには寝まし秋ヶ宵うしになるへき松蔭の月 冬水秋金 酒あれと肴は自の受てなほ骨をあらはすさら科の山 落栗滝常恒画六 椎莱人 はや寝よと老のこと乗を守り給て目見え都もそむくのはうし 森羅万象 今宵しもわけていろとる月影のつき〳〵しくもみゆる亭との 紀広持 一名にたる屏風か浦に天る月の影は浪にもたゝみ込れす 自身歌調 とく〳〵と雲はのそきて月夜よしよし野の清水影も濁らす 駒金成 米ならてしらけし月も椎の葉にもりて詠る秋のくるたひ 東雲明行 人ならす憎まるへきをみな愛る大きな顔の目のかつらを 瀧本鯉丸 影消て弓もひかれぬ光りかな月に玉巻くはせう桃灯 恩連堂四 自影のあかしのとより大和島たゝひと丸のうちにこそ見れ 白髪麻雄 俎板にひかりをちらす魚のこけ高とのを月のみところにして 紀安人 海糸にのり出して見る舟よりも山にかたふく月そあふなき 砂原跡人 すむ月は山はかりかは里芋を掘かへしたる山の中まて 四方真顔 さかともと雲間まつまの目の雨はら〳〵鶏もなき出したり 一同断枕元勝丸 松かえに杖をゆくりて関の名のあたかも登る月の桂男 家業道盛 松の葉のふしある枝にとまりてもかゝる角なき自の円さ 銭屋金坪 水と空こゝにふたつの玉津島自みちのくの影の明神 美船音戦 おもしろく空さえいたる笛の音にふけゆく月ををしむ下りは 仮橋唯行 目にめて露もおきぬる秋の夜に萩の臥猪の床そはつかし 東声音 二千里のみちゝしよすみの外のりを丸くめくれる月の輪の影 山人訛言 神風やいき吹かけて環もなき月を鏡と見る二見かた 上毛小幡 梅花実 目の欲かくまて登て短尺のその雲紙の雲もよけてき 浪上宇気丸 雪と詠め花とめてつゝ今川のぐそく揃ひとし仲秋の月 海辺汐時 大勢て山へあけたる月のふね浪をこえたる影のさやけさ 気疎人 隈もなきかつらの花の江戸見坂をりしものほる月のさやけさ 花下蔭 赤く照りしろくもみつの詠ある雪と花との中秋の月 四海納納 家ことにあまりてみつる月影は野す洲の草の霞にやとなり 根歩きさ子 さら浪や志賀もむかしの俤を月の宮古にのこす秋の夜 山手高彦 赤壁の古染付の模様よりかけぬいまりのさらしなの自 盈斎北岱 るよみは文珠のちゑの松もれて雲のきれ後の月を愛らん 花元好 昼にさへまけぬひかりをもちあから雲のうちはの月のゆかしさ 耕閑夷道 うへなしの目の詠めを賤か折青天井にむしろ一枚 弄月金花 長月の影を跡よら上備へのけて置たき鏡もち月 月茲安見 かたふきし月に光りをそへ柱軒端くちたる栗の下庵 酒月米人 更科や捨て久しきうは玉の世〳〵にひかりをはな明明 成蹊技也 しまりよきくらまの山も稲妻のかきにてあきの月そさやけき 三ノ岐阜 鯛蕎麦 久かたの空の海には奪ひとるあまけも見えぬ明色の珠 信功 春日朝早 〽かりかねの空やくそくやなされけん雲間を目のぬけつくゝりつ 三川吉田 欄干坊 今宵こそしころ屁もひきたけれいとかけ清き月にむかひて 紀有竹 一照る月の影はことしも愛敬のこほるゝはかりみつる初汐 行重世 むら雲を西のかたやにおしつけて風に団扇のあかる自かけ 望月秋良 いりてかは天におよみぬ事のあらん笠もめされぬ秋の夜の月 養老滝成 むら雲を安房と上総へひきつけて鋸山にいつる自かけ 角田水音 むさし野にくまはなけれと自の輪ははら一そいに見ゆるなりけり 紫石見 住よしと思しめすかも松の葉の針のむしろにやとゝ自かけ 松葉計好 むら雲に目にてしされて秋風の手のなる方へ月やさすらん 花長房 さやかなる自には雲のよこしまをたゝこの杜の朱の玉垣 桐木延安 しほなれの衣十夜のそら晴れて月のみなしやあすもひさらん 五常道守 千代こもるひと夜を秋のはわけとて窓らつ竹に窓うたぬ自 順舞女 我しなのよきもあしきも見る影の鏡臺山の月の鏡は 樽貫衛門 大和から唐土かけて二千里をくもなく覗て高まとの内 氷室夏守 てり渡る自の水にすへりしや雲さ也あしをとめぬさやけさ 櫛笥掛子 池水の心にかゝるうき雲もさらりと晴てなか空の月 雀春子 弾唄ふ声の高との覗くめりうら山の端をのひあかる自 物延於古足 二千里の月のから歌やまと歌おなし趣向のうかふ流山 蓴菜種子 ふたつなきは宵の月を盃の中へいくつもうけてこそ見れ 山郷村路 見とれたるこかねの色の自の影よくにはふける夜ををしむあり 幸喜多留 目にうかれあそふ烏はひと見て寝る人ほとなあほうてはなし 夢告成 大かたは自をなかめて老ぬらん黒髪山も霜と見ゆるは 志賀宮子 村空の衣はめさて水鼎のすゝの玉江にすめる自新 明石浦子 浪華江のえならぬ影にあしのはもかと〳〵むきて肉をこそ見れ 平忠成 てりそえる自には蜑もうかれ出て飛ひ〳〵歩行とるからす貝 奴等佐十 照る月の都そさしてつんのほるせたら近江の琵琶の海面 尾張奥住 萩かえにころける露のしら玉は雲間にちきるもち月のかけ 黄金山成 もろ人の嘸侍らひと海山をまたいて出る秋の夜の月 古川青秋 ゆへり葉か嶽より出るもち自にねつみ色なる雲そかゝれる 十八亭梅戸 松まふるまてに千とせもかはら葺玉と砕る月の白露 子孫永久 逃水を雲におはせてむさし野をかけすに出る十五夜の月 信州昌掛 橘中道 ひるほとのひかりは自の玉亀くもなく池をはしるさやけさ 悠々待人 天津風雲のかよひも拂帳月にすこしのかけたにもなし 相州藤沢 山田畔主 てり渡る目は粂路の橋板を虫のはむまてみゆる秋の夜 鎌倉近住 塩竃のけふりも風にふきやふれ月もる笠にたるし夕露 松梅布留道 一畳るかと気をおとせしか寒晴れてひろひものなるむさしかゝ自 松み平 いく社か齢も自の盃を亀にのませて投ちこそすれ 柳糸丸 十八才にみつれはかくるたとへるももれてさやけきその夜の空 垣根外也 かつらきの神もひる夜といははしや今宵かけさる月のさやけさ 四方真顔 うす雲も自の前を要かけるねてそ心とうしろを通るやう也 森涼風 もちの夜のひかりはさらに玉手箱あくるはをしき浦島の目 梅永女 ひかりそふ影をみへじのふりはえて秋の最中の月の大吉 伊勢浜人 海はらに月の光りもみつしほのひるかとはかりあやまたれぬる 寐覚保伎 高とのを船とたはれて画に目のおも楫よむかはす友 橘実副 鼓うつ隣は月のかへらもの次第に雲のきゆる間拍子 八貫兼一 入日さす炎はた雲のあし跡をまたいて出る秋の夜の月 丹頂雀成 たとふへきものこそなけれ秋の夜の月は清女か筆の跡にも 辰斎政之 ぬるそうしみつ月影に草木まてねふき景色は更に中空 大倉金光 琴の音は峰より呼ひて秋風もふき自在なる松の戸の月 新玉年浪 下戸も吸ふ錦鈷の玉の香にちりこそ見えぬ月の酒れ 寄関従 風の手に堺はかけまし絵の事は白きをのちの月のさやけさ 小原呑安 花よりも団子程にそまとかなるかほみせんとて匂ふ内影 出世門吉 目をみてぬれたる袖を人とはゝ草〳〵におく露にあふせん 琴波綾綾 秋風もよさむになれは破れたる雲の衣を月やさすらん 秋田万作 夕もみちあかぬ詠めを継はしやつけてうかるゝ月の夜島 十六丁 野田筏槌音 難波江に汐みちくれは自新のとほるに潰れてあしの音するへ 利根川清記 立田山夜る行く月はあかはたか雲の言を風にはかれて 三度粟人 さす汐としつかに月のみちつれはやり過したき浮雲のあし 川辺釣人 桂男のかつらめしては月の顔いつれわか衆と愛る秋の夜 軒槻良 いと伝たてぬきにして見ゆるなり月の夜なへの座のはたをり 紀夏掛 新米のいはひに賎のさひつるやからうすにつきふけわたるまて 月めで 老となり人 秋の野に 腰を 好かして たちも あからす 阿賃子川成 … 梅瓜画 川井物梁 夜もすからあさまに閨をしつらひて深くも月にもいれぬるかな 丹須鶴成 世の人に呼ひしてられて名のかとの丸さかうへに丸き自かけ 目丸酒 しら雲と春見えし花のなき秋もにほひますけのかさきたる有 桜川慈悲成 神代よりかはらぬ押に真丸にすえた今宵の月の印形 美の串丈長 秋て宵空のふとんもふらぬきて月の丸寝の手枕の小野 上辺堅面 新自の色にふけりてすき通る夜のまかきかし末かくれゆく 十七 東南貞住 吹はらふ雲の袂もすゝしけに舞子の浜の月の一さし 乙貝長人 水にうへる自の影輪の空色も秋はかつらの花のかゝ紋 一竹太竹 老となるものといへと母照目をこしをかゝめて見る人はなし 菖蒲仲住 庭もせに女世の石はありなからねる事しらぬ目のさやけさ 酒蔵人 村かとはうせものなれや法印の見とほしにする目のさやけさ 宮備え頼 植込の木は伏らすとも自夜よし此方にむきて作る亭との 籬唯住 尺八にあはせて興をつくし声声も雲井にさゆる月影 下毛古河 韓楫音続 月影のさして来るやと待居つゝむかひの山に心をそやる 大白東路見 晴の類いま詠出んよみてんとかたふく迄の月を見しかな 真帆早船 月影にむかふ三軒両隣萩もむやひの秋の中垣 泉壺湯 あらしも空心もそらにう有れて目に寝られぬ秋の夜歩行 池田堅住 神にせよ仏かもせよ天か下いつたいにさす目のさやけさ 小槌音成 影さしてわたれる鳥はてる自の雪につけたる跡かとそ見に 蝙蝠老人 ひかしへも西へもけしてかたふかぬ月のすみかは秋の中空 橘有秀 見る人のまつまに出てすみのほる名高き天の橋立の月 橘友也 ゆき合のまにしく愛んむし雲の衣やうすきかたそきの目 便里折著 うろくすをはなてら池も秋最中もなかにうつる月のさやけさ 柳原向 こよひけにほうき千里の外まてもたゝはくちうといはん名目 市川白猿 はら鼓うつこゑ聞けは目きよみまた寝ぬ狸空にしるかな 葛西草人 大橋のはしからすつと橋場まて川筋みゆる月のさやけさ 冬瓜花成 花のころにくまれものゝ風の手もくもれる自の鏡をはふく 三陀羅法師 あまか客の畳いわしのすままても月はあかしとめさしてや見る 七珍万宝 雪はまろめ花は手折れと手持ふくみつるはかりにあかぬ自彩 津守年行 絹魚の潰るより自の玉かつら窓からみたる影のさやけさ 畠畔成 さし渡しめへりもしれぬ自新の円法七九中秋のそら 桑酒壺 皿に桃もる月影にうかれては秋の夜床に尻もすはらす 森花住 盃をおさえなされて吸ものし露たくさんな萩の上の目 大小目合 雲けきと花はちらせし人の気もこりて水と自や登らん 相戸塚 八束穂長 中空に月の柱のはひこりて星の林も見えぬ秋の夜 紀百枝 蒲むしろしたしき友の円居してひとりもかけぬ月の空 草綾人 人丸か言の条目のもちの夜はやとてふ宿にいもをこそ愛れ 亀池住 腹所の城の石垣よりもくみあけて見たきは水にうつる自動 魚長広 八月のかみり水にも月はさして薬やいれん巻老の瀧 青松守豊 雪花とひとくらみにはえも愛し月は輪をかけてはつる山雀 大暑寒其成 旅人もめつる桑名の松葉焼自にこかるし烏はまくり 真女子持 しら露のころけ安きといふめれと丸きは疵にならぬ自彩 紀芳貫 はしきゝの生立るのをそのはらに長ゐして見ん秋の夜の月 勝伴団江 今そしる海の庭まて照る自に雲のうへにも都ありとは 忠孝二字守 ともし火の丁子頭も出されけり山の端にほふ月のひかりに 村上利貞 四秤こまかい事も却なれかけ目あらそふ月の一まん 廿 聴音住 初夢の富士を田殿へそのまゝに見さめのせさる秋の夜の月 七女 一類わかき目のかつらの男山月代まてのそくそさやけし 万橋 秋の田のあからむ稲もおのつから月にみ入て腰やうしめし 鹿師子丸 よひ〳〵のなかめに霞りやとるやと自は丁嚀に袖をたつねて 山東京伝 かつらさ也寿の字と見ゆるもちの夜のかけすくつれぬ南山の月 五島勇魚 天津空立舞ふ袖もやゝ過てのこれる自のかつら桶かな 檜垣百船 一むさしのゝ草より出し月の中へ又むさし野の入かにそうね 風早夏家 暮るゝにておろせし枝の目くるみそのまゝ負ふてかへる杣山 夏山し解る 照る自をあたまの上野山さかくやなかも昼のかねかこそ思ふ 萩屋裏住 もたいなや田両の事は十五両かりてもみたきいねのはなしろ 紅井天世羅 むら雨に萩もわらきもよの人も寐てからはるゝ月そうひなき 安井売方 伽やろことうたふ小舟のひんさゝらさゝらんをとこ色やますらん 桜中道 下戸ならぬ男はいかに秋の夜の月に酔ふても寒くこそなれ 常磐松門 老にけん腰もかゝみとみつそくみ泪くむまて月にみいれ婆 都住住 空ふのみ影のこゝろをうははれて月夜に釜もはつかしからす 下毛宇切宮 宇都宮住 夜露にはぬるとも肉をみさふらひみかさをめすに仲秋の空 鯨百廣 てる月の桂の花にいやおひ春時もわすれてみよしの山 此花春芳 一眺はしらのねたのはさらになかりけりかき出てみる目の友舟 和琴糸彦 湧くみて夜すから友とはなし鳥せんは仕立も月の吸物 花花園問丸 能見れは絵そら言にはなかりけり中にうさきももち月の影 万代数成 月影のくもたになくはあはらすとら狼のもるもいとはし 祭和樽 星はみな今宵おちけん大空にひとつも見えぬ石山の月 難波小夜風 出て霜とみれは光りを仮橋や月のみち〳〵さえわたる影 椎柴道 里人のつなき捨たる舟はあれと自はひかれる淀の川水 勝々山人 真ふたつに秋をわりても面影の身には似さる十五夜の月 大殿若持 猿の手におよはぬ影をつるへ縄くみあけて見るいさよひの月 同 遊し長居 いにしくのさらしな男つかゝ見し今宵尾花もすてられぬ月 松元宗 お六櫛くしけつりして黒髪の山もわかやく月のきん出し 磐井有常 中空にさえて影もる必障子とりはつゝしても月なおとしそ }同仲廣 洞仲広 よしの山くすの宿とうらおもてみちかへるほとわかき月影 菅原長根 たつのひそむ石山ならめ雨さそふ雲もおこらぬ月のさやけさ 仙府 籬嶋千賀 月やとる露にこゝろをおくはかり風に桂の花のちらねめ 奥川又 蔦のやゐ俊 今宵こそ月のかつらの花さかりひらいて愛む庵の戸障子 同 石上光俊 二千里の外と詠しこゝろよりあしもかりたき難波江の月 柳雪解 詠ぬる自の雪にはなよ竹のねやうと思ふ人たにもなくし 桃花陽陽 中空を仰ける月の銀扇子未はゆくかさす影のさやけさ 堀川舟人 むさし野の草の葉うらの虫の音もすき通るほと月のさやけさ 青柳糸女 ねふたさもわすれて時をうつせみのみなきを空にうははるく自 青梅 物事真抜 月の前をおそれす松は桐干をこすのまちかて這のほる影 水本順 きけんよき目にお髭のちりよりも軽薄らしく払ふくもの巣 〃〃〃〃 籠島人 さきくゝる噺の邪魔も松の葉をさし出て結句にくかとぬ月 一同玉川喜代主 玉川喜代住 あ帰らすはつまやうらみん須磨のこら色のあかしの月にひかれて 頃古呂丸寐 御先手に雲はらはせて中押へおさえなさるし月のひき馬 壺石文 尊ふとさの銅歟袖にはら〳〵と藁とくすゝき月にそなへて 同 橘満成 容ありてひとまほしくもさす影の目見せはやとおもふ我宿 同 大友密浦 いつまても目にあかしかた須磨寺の鐘をは耳にかけぬ自かけ 秋ねさ女 まち住て噂をすれは月影のともなき窓とさしのそく顔 絹寐昼過 たち舞ふてものおまはする雲の袖に顔うちふら伝すつる内かな 同一食泡気 一食飽塩一食泡気 いかみより雲井におもく見る影の月のひかりのたつた一りん 琴葉綾琴 やつの岡やつの谷まてさす影は天か下てる姫の兄御か 南総横地 四輪舎 閨にけて日のはりをいれ紐のめをはたけつゝ夢もむすはす 山手柳水 猿のしももおよはぬことのたとへにやかさめす目に水の面の影 無学文盲 何事もみつれはかくるならひをやよくの鏡とてらす自影 花垣真守 三五夜の月にかゝれるくまのゐはなか〳〵しさの詠なりけり 天宮筒 あからさは昼かと思ふさほ山に鳥の蔭さすもちの夜のて 川井物梁 汝かあらしもみつわさし籠のまり〳〵す老しか月の露をなめても 長井秋益 雲の袖にかくしともなき目なから面々つかしき影のさやけさ 呉服那糸人 女郎花尾美に袖もまねくらむ月の桂のをとこやもめを 天鵞堂張兼 高砂の尾三のかねの音もさまる月や霜ことおとろかれぬる 四方真韻 今も猶姥橋に出しおもかけを見するや月を背負ふ山松 佐藤上則 なりに似すおもふやうにはさゝぬなりもちの夜ほしら月のくに蜂 磐井右常 月あかき空にはみえすさす菊のつほみに星の名やゆへりけん 濃紫の石山形の硯の硯の海にむかび。にほてる てゝを賞したる。湖月抄のひゞきをかり。狂歌 巨月賞と名づくるは。およはぬ月にこがれたる。 猿源氏のもの語りにもはるかおとれるものながら さきに出つる月よみおとこの男ぶりに人真似して。 千里をわしる庭を雇ひ。遠き境の題をさへ集め 月の毬のうた袋に。殆三百百首にみてり。やかて 玉の兎の毛のす衛も誤りなく書写して。呉剛が 斧に桜木をゑらせ。天津乙女の羽衣の色〳〵なる 紙に摺らせ。なづとも尽ぬとちふみとなせり。その 一編集に序ありて跋なきを本いなければと。なま じゐに筆をとりぬ。きはめてひがこと有べけれど。 よしやへちまの水いれに菊をさしたる趣向も なければ。もとより薄のほめられんともおもはず たゞねがはくはみる人蛤の舌出して笑ひ給ひ そといふ 子仲礼 秋長堂物梁 追滴驛 黒墨之 練美金 助右衛門 〇便 御内 愛助 8 耳の 田之助殿 狂歌百人首 いひ 狂歌巨月賞 いひ出れはれは 和歌こそおかしき ものなれあやし洗 賤やまかつのしわさも 同人 内人の