柳下戲草集
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- 柳下亭曙雀
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- 柳下亭曙雀
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- 日本語
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- リュウカタワムレグサシュウ
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- 東北大学
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将軍副
狂歌柳下戯草集全
おたく
□□□□□□□
兜襴穴束
柳下斎のあろし曙雀の翁はいとわかゝ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
りしより世のいとなみにころをつくし
蓋か散る浪花の里に家をおこし久かたの
日のかけさく百日傘あめゆきしのく雨今
をひざくをもて家の業となし鳥が那く
あつまの国まておしひろめ日に月にさみ
ゆく市人のうりかひしけきそか中にみや
ひわさを堂しみたまひて貞柳翁のなかれ
をく美し一文舎銭丸ぬしの社にあそひあるは
東山流の花をさしてこのみち好める人々
をみちひき老の那くさめに仙人のこゝろもて
碁をかこみて心あへきる友とあそひあるは
また三ツの緒のしらへに浄瑠璃といふものを
ものしてもろ人のこゝろを那くさめたまふ
さるからに世のまゝはりいとひろく今年
七十とかそへしりてとふ人さはにむかしより
まれといひける齢そといひさわかれきをまに
〳〵しるしはかりにとてはやにものしたまひ
つる狂歌の数つもれるをあつめて冊子と
なし柳下たはふれくさと名つけて賀を
とふ雅君子におくれるになむ翁はことに
浄瑠璃を毎之堂まひてそかわさにいとく
はしけれ婆こゝろある人のきゝしかはきとこ
ろこそおほからめおのかかいなての耳にさへ
よしはみて大おろし小物ろし三重はるとを
くるのる上る下簡ゆるのまはすうちはねるいれる
もつもちてゆる二ツゆり三ツゆり四ツゆり七ツゆり
九つゆりゆりなかし冷泉はすみこはりなく
くさ〳〵のふし〳〵はいふもさらなり四声
七音開合清湯男声女声非男非女声順
八逆六の律呂のかよひ那とおのつからわか音
韻のみちに露たかはさるはいとめてたき
わさにな舞ありけるそも〳〵浄瑠璃
と名におへ留よしは天文のむかし小野の
阿通とかいひき舞をみなありけり豊臣
太閤御台所にみやつかへして君のみ
こゝろを那くさめ舞と矢はきの長かむすめ
浄瑠璃ひめと牛若丸の恋中を伊勢
物語のさまにつくりなして浄瑠璃物
語と名つけしを太閤ふかゝめてたまひめて
のあまりに岩船検校におほせてふしつき
させ山中山城守殿の骨をかきなして
拍子とりつゝかたりけるとそ後に八嶋
高館なとにふしをつけて浄瑠璃ふし
といひしよりおしなへてみなからの名にそ
おひける澤角の検授かの浄瑠璃物語
をつくうへて曲節をつけしより世に
ひろこりこれに人形まはしをそへて
慶長帝の叡覧に入れしより浄瑠璃
太夫の受領をくし給へるにな舞今も
なほ其職たえすそありけるされ婆仁義
釈教恋無常のさま〳〵にことつけて世の
ありさまをつくりなしたるか。数しらす多かれ
とみな勧善黴悪の外ならね婆みち〳〵しき
からふみよりなか〳〵に耳ちかく人のこゝろ
をやはらけていとよきをしへにな舞
ありけるさはあれとかゝる賀の席
いはひにもの次へきめてたきことの作ま
きを翁ふかくなけきたまひて三浦の
大介浦嶋の太郎東方朔らか長き
いのちの諺をいとばかしく作りなし
倭唐士誉壽と題してかけたるををき
のひたまひしはあさからぬいさをにな
舞ありけるかうさま〳〵になくさめ
わさおほかれとまこゝろを家業に
とゝめたま求て家をとまし身も
すくよかにとしたかゝあしひきの山
とにからに年たかき三ツのほまれを
わかものにしていと〳〵目出度翁にこそ
安政六年といふとしの春あはつかに
筆とるは
八十二翁百六斎のあろし
式
古稀
七百歳
そのふ
とりて
きく慈童の
よはひを
うけん
露の
玉もの
春之部
元旦かみの代の春ともみつの朝またき八百万屋のまわる初うり
児手礼御年酒はよはれぬ児の年礼にあしもひよろ〳〵舌もまはらて
云家年礼初礼にまつ御手酒と四位君たかひにしやくもとり出しふ公家
初礼におろも用意しのめのころに出たまふ烏丸殿
山家元日樹の枝のはらひすまして杣人のおの賀夕まてもかさる元日
初売初売の東山くりやあるしまてふらん着て寝た姿見すなり
人日かと〳〵えひさて価の七草はいわねとしるきねもつけて来し
塩鯛山草の浦辺は塩のばね小鯛か寿みの網のひく三ツ朝
仝十日会のふくは。戌にさたすなりうろこの仰て。いわふ塩鯛
失悦のし来ると去歳の噂さの店風春はかすみにかゝる悦ひ
仝安なつておいて〳〵とこえめ賀つむりてん〳〵に矢のよろこひ
万才ひとと世の嫁をこえつ万才は帆かけゑほして門なみに来る
国名五つ立
入て万才
かそえぬるはしらのかすぞ下総やすはふの飛騨も三河万才
村藪入藪入を侍し親連むら口のはたけ伝いもに声掛て居る
仝はなれたる出音もむらえるとりてはまた根のはへ類子等の藪入
余寒童賀蛙なく野に於へとも心よくいちつく春の寒けさ
初天神さいせんもあかる浪花の初天神むへさいふより出し神とく
遊由春艸九軒てふゐつゝに掛し姫あさみいけにけらし前妹みさる夫に
仝鼠の尾に似たとつはなを植て愛すそはへよつたる里の山猫
人同
千代のはす
若菜の価
一せんに
はして
買人も
瓜とりし
ける
児手礼
さき草の
みつ葉
よつみの
たち姿
おさなき
春の
児の
年礼
ブイン
初桜よむはかりさける桜は短冊のこやはし雲とみやりこそすれ
花草化すと書ぬる文字の花はそれ火を燈すなり蛍にも似て
朝花月かけとうたかはれてはむねに手をおきい伝てまた見る夢見叫
松間花老雲の枝の下から咲いてゝかあいらしみゆ児さくら花
惜花さきなはと深山の花も谷川元流て其程の嵐つらけれ
楡鯛鋤鍬をもてるえにしやをくら鯛つく間はたにもうとゝ大根
春山うくひすもしらふる歌もまつ風の琴曳山に声のさへなり
仝をくら山嶺の紅葉くとくちりて今ひと遣ひのみゆきなす花
若鮎山に花見えてちら〳〵よしの川も路人もとも登る若あゆ
蛙啼く蛙しゆつをも得しる道はたにねむれる輩のくもおこしけり
十二支を立合
初午を詠り
己午春にとりゐもたつやさる店のねうしとうまひつしうらといぬ
初平遊女あへるほとはやる遊女はからし菜のはなを通して売た初に
浪花春三日の海望む天けき浮瀬もたゝみの浪に見す幾瀬恩
春夕くれそふてくりや千金の春の日も只一りんの月にかゆへし
餘寒毒はちり緋さくらはまた咲ぬうちはなをあかめる春の寒けさ
橋辺言雨はる雨のはこ板橋にふり袖やはねをあけつゝ渡る乙女子
春雨淋しざのあまりに友とつま琴のいとしめやかな春雨の宿
雛祭墨の画の屏風をこゝに引汐やひなのおまへにみたる蛤
仝ひな祭る賤かさしきもかゝやける雲井をこゝにうつす鏡戸
閏三月本は根にかえれと春は立さしてまこもやよひの長尾とみむ
関虫
もゝ張の
籠を
つらせた
ほたる
こそ
何はゝ
かりの
関も
乗打
夏之部
田植早乙女のまた歳さへも若なへのこしをかゝめてぬけ田植つけ
蛍狩おとゝひか蛍とらんとたきあふうちは喧嘩伝おさへたる親
里更衣遣ふよりは夏といふきの里人賀きうのあつさに衣着かへて
小くら山麓の里も衣かえいまひとしめんとし身ゆきあわざる
農更衣わた種をまきそめをりの膳着て草やかるみにいてし百姓
旅宿卯夜卯の花の雪より先へ客人をうまくころはし掛たおしやれ女
牡若五月闇あやめとみつの牡若いつれしやうふのわかたさる花
大矢数登城にも名のある縁のはし近くあたりはずさぬはんと矢数に
松里端干軒先にけふつき出しの菖蒲まて都遊のかね付さした色里
無
水入に
さかせる
筆の
朝皃も
文字也
かき根に
すみよ
かるへき
市中端午ひとふしに千代をこめたる竹や町に杖とたのめる子の幟立
仝みとり子の堂を職のたし人形飾類具足やまちの賑ひ
柏餅この葉衣着たるすよしの様餅夜着ふどんよりうまいめんはい
夏暑銭百のころりと夏の手枕にめのふそくした明ほのゝそら
短夜短夜の眼に借銭の負ひなからなとてつき出すねをうらむや
短夜噺ありたけの落し咄をしのゝめのころりと明てしもふ短夜
入梅八梅のころをしなへてかひるなりくもの袖すら早もはいことは
田家セ干入梅のかひのほしかと庄家もの賀こそてを竿にこやす古干
団おなし風招くあふきとかはらねはかたみすほほま国なりけり
商人立鹿利はゝ密にありまち絞り売見世のひる寝も裾にゆかた掛おく
川狩駕の名の四り手の網て川の瀬のかたかえてはいはいさこそとる
仝いてうとも見るさて網の不便とてほんに藻屑のむしきらさる
祇園会きおん言にかゝやき渡る町の名の松原西へいるや月鉾
鍬下納涼風そよくくさかの瀧に夏秋のきをわけかぬる夕道涼しき
海辺納涼浪波かたみしかき月のあしの間やおもはすこの夜過す夜十ミ
半賎納涼すゝしさの風もはたへに当人や四条河原につい立君も
馬士納涼すゝしさにかたもそろ〳〵入ふくろ一はんはねたと涼む馬かた
丁見納原つまみ喰ひの外にうまくも長吉賀猶物ほしとゆふすみせり
奴納涼すゝしさに床にころろとねい〳〵と奴か口に得たる境界
夏祭なこしてふ秋とさかいのお渡りに汗かき納む住よしの神
遊里菊
いつゝけに
おらはや
おらん
いろと香に
客まて
わせる
しら菊
の介
幅
秋之部
里立秋さやかにも眼にみぬ秋の龍田山夜半にかよふ顔高安の里
井戸知る濁りにもまへる鮒より井戸替のすかみてふな〳〵出る草刈
初の月初雁はまたき空にも月は名にふみいたらきて出る盆の夜
仝井戸替のころりと備ゆ西瓜よりその片はれの照はする月
仝音頭とる其ふし侍の月罷出にひちをまけみぞおとる色の夜一
盆市出来初穂そのふ仏の盃市にあを田をきつて来たるわらん道
地蔵会世話方もほつと将棋の相手にもふとしをかけた実の地蔵玄
せ丁百貫のかたに僧都賀坊にふつたあみかさなりの葉のついた草
爪市たて商ふ声も時つく間には鳥の名のなんきんのの
仝南京の小紋ならねと瓜畑もやうをみする一反のうち
里虫秋深みむしも日にましやせの里こえのしは〳〵かるゝ衣さへ
秋生花ならひ得し花もゆるしの色みえてしをんのかけのあかる水際
難波月秋の夜はいとゝ長柄の櫛はともかけてそ渡るいそよひの月
関月雁渡る外に其月の玉章やことしも移る文字の関家に
板ひさしもれて月まてあれにしえかたむきかゝる不破の関家に
渡場月田楽をさす舟ならて宮川のわたりに月をあふきてそみる
仝渡ふねにあられてしはし立まちのうちに東え月もあかり場
船中月詠にもあかてうこかぬ船はそのつきの水にとちやしつらむ
仝山の端に登れる月のうさきすらあさるやうなるきらす秋舟
月前雁てる月の雪にまとひてきた関のふみまよふたる初雁の声
仝月の船雲の浪間にうかみことそき保さし渡る雁のひとむな
勇発同すむ月の蛙かけよりまたの夜もいさよひと腰いれた関取
仝なけ出す足をちゝめてふし侍の月いつるまてこたへたる実
仝浦の名のすまゐ取とて月愛すにいらよねさめぬ枕投けり
秋冨士不二の根に面めけ移す御狩野やつきの兎にくまもみえの御
秋草あき風のふくさ堤にむすひぬる水引草も露の玉もの
街道男雲助もたりさすには得たりけんとうふ道てさか手投する
仝捧鼻てはつむ角力に護戸のやきやつより油断のならぬ取口
工家角をいこうはちとたらいても角力には樽やはあしを掛て勝とる
月下松たちそる月の車のなかり世はなとて建の松はにしらん
社頭角力名乗をも分いかつちと喜のとる手は宮のかもの入首
工家角力立あかりすもふは家のふしんよりこしからゑいと入た番匠
鹿小男鹿の上毛の星もみえさりきつきも啼音もさえ渡る夜に
原露結ふてふ露の玉章風の手にちらし書なる恋の書はね
秋風むら雲を吹はらふともみつるきや子なきかゝる秋風の手伝
野分ゆみ取こと聞て案山子はとこて立野分の風の手にやたをされ
豊秋はる夏もはやゆきくれて豊の秋桑山子も稲の花の下ふし
十二支七ツ立入
て豊秋詠り
みは安くむまい出来秋末はえさるは田の子とりいれし稲
松茸山よりもかりいたされたまつ茸はしゝの出るてふもの似さりけり
角力発持たけ狩に得手とほりおす斤数は友と登り分した相撲取
商人茸狩得実なむかしかたきの商人賀けふ茸狩の山にかゝれる
后月臼引てめてし団子の后の夜は手に出かしたる其豆なほ
仝とりわけてさやけき豆の名月の山端いつるかけ登るなり
菊手入してしなふりもよき禿きくそてに匂ひもとめたませ垣
仝さしびに宿せる露の玉おのこ光る源氏領栄の桐つほ
仝をみな子の其なかつきに咲いてゝ千代と呼るゝ茶の粧ひ
谷紅葉谷川の流れもよとむ紅葉ゝにあきの深みをおもふ水上
偖木紅葉薄書のさまや譬にもいろけみせかきつとふたる蔦のつるの手
春秋秋もはや春となるみのかた時雨そらも染なすりやうみせけり
山
家
初冬
谷川の
ちり浮舟の
柳葉に
しくれのくもは
渡りそむみね
冬之部
落葉ふゆ枯し樹々のもみちも落葉して二度もえいろをみするいろり火
淳憲道埋樹ゝはちり和歌の浦辺に敷嶋のてに葉をわけて道やもとむか
はつしかゝれならにもやうを見せつゝも袖しほうを見せつゝも袖しほらせるなるみてふ野辺
冬動物耳こやす猫のしるしやかき曇りまたもそはへて来た時雨空
冬至飛脚日の足もはやきに空も飛ひきやくとうしの用も届兼けり
森寒風いく田なる森にいてぬる水鳥やこす人も尊とたはむ寒風
水鳥ふり出し声鈴鴨のたち舞ふや浪のつゝみに二羽三羽そう
冬地議小くら山之ねの紅葉ゝ心なくふゆのみゆきもまたてちりけり
雪見箒をはかくせしもむへ玉の蔭とりあえすして積るなかめに
難波雪二つ井のゐつゝにかけのふり見けてふけゆく月のおひにまらしな
仝亀と呼ふ松もかくせしむつの花ふりかはりしらす田裏橋から。
連日雪樹ゝに花さく日も降けふも降あすもふりなん雪のしら梅
職人雪見仕立やのゆき見はお手のものほしにつもり愛てつたすみつた寸尺
家内降雪色紙なりの窓にふりこむむむつ花木山にほしく思ふ短冊
炭枝炭と成ても花の雪をみす炉中に毒か香まて添して
衾まきより包めとあしの出るてふ夜母ふすまの着類かしわ餅
仝見くるしと人也岩橋夜毎にも着たる葛城かみの小衾
仝名にしおふなんきん綿の貸ふさんときを限りにとり集ける
足袋六ツよりも五ツのゆひをかかみしけり浪花堀江の麁岡の足袋
紙子はり〳〵の音はみなしの老か身もかみこなしてそ召まするなり
寺院埋火埋火にいけるもかねの音さしてなちの出寺にたく熊野炭
冬旅野馬台のしはすの空也東海道さしてゆきけに乗れる雲かる
けさ水もむすふわらしの紐かゝみいてぞ解ぬる旅籠やの庭
やとすへきかけもなみ間の厚氷月のみるめもなき鳰の島の海
仝猿沢の池に氷のはりつよくなみのうねめのかけも沈めり
里水王詳をまねて也子等もこん〳〵とこうりわるさの唐出の里
仝たひもはく足やの里は猶さらに水もむすんてみすひも縫ん
冬夜噺ふるひたる咄も婆々賀せんたゝの祖父は巨焼の山にかゝりて
寒声手も足も釘となる夜の寒こえはふしもかまはす打込てゆく
煤払猫の手もかりたき暮の煤はきてそこらまたらにふく不性者
遊四煤抔色里の煤はらひとて仲居よりさゝの相手にしたる竺し竹。
山辺煤掃山里の草かる子等もとゝおきてうしにかゝれるけさの煤はき
仝さはかしきことに山辺の煤はらひたゝみたかくもひゝくこたまに
商念籠世渡りにしのきを削る商人も霜の剣におそれ引こむ
歳忘すゝはきの沙汰するころの手志にほこり出したるもふの河盛
仝歳しせんたく物やうち寄つてかほのしばすものはす酒盛
ひとつ年寄るともまゝの川船影さしつおさへつまはすさかつき
承平しまひにそしやく取かはす歳しれ五位のお吸も四位の少将
冬喰駅張高のむかしと今はうらはらやしかを馬やと喰ふ寒の夜に
仝吸物のけんとなる柚は酒盛のお客さんまてすうと答へて
冬天象おふなめと更ゆく月のしはす空霜の糖ひのすとくみゆるは
冬月月を見て老と成るよりひと歳のふけゆく顔にみるしはす空
旅宿飯搗おかゝみのうらにも浪のかたはたこけしぎ二見の宿の餅つき
仝客つけ婆湯也とり粉とてあら世話しこもち内義愛覚こふことや
丁辺餅橋明輩の鏡とも成長吉賀こゝろのきねを通す餅つき
歳内立春餅搗のころ迚きねかさたもするかみの春まてはや付にけり
節分つる掛のよはひもますのうちはやしはかりしられぬ豆の節分
歳市歳の市群集に見せもかくれんほはねや手まりて春をむるひほ
歳暮流れゆくきのふもけふもあすか川とまる瀬もなくよする年浪
娘撰男
よい男
えらむ
心もつくし
琴
また
十三の
いとゝ
思へと
恋の部
隔恋夫婦中其みちのらの立されはいつかは胸の合ぬ細布
久恋とし月の積る思ひもいは橋の一言ぬしの便りきゝたや
別恋とめられてまた言ふこともあり明の月はなされもならぬ別語
祈恋祈れとも顔よることは玉津島そと折〳〵はあはせ玉へや
変述便りなきはのりかえられや洗たゝ歟しきりにうてる妹か煎病
尋懸逢されは今は心も細常やたつぬる恋のみちの雲もます
青葉粉新枕こよひ霜夜のさむしろにさむさ覚へす二人りかもねん
あすまてもまたぬこよひの新枕箱より先え解る下ひも
仝恥しやかはす枕も初霜のはなといはれて消たかるらん
老人恋恥らひて妹に眼鏡をかくす身のいけんも耳にかけぬ老人
仝約束の日は珠数ならでくる老賀こひそ百八ほんのうの種
仝こりの来た直には夜るの按摩よりもみやはらけてまつ老は紙
仝口のはにかゝるつらさの老人もかみわけかたきは恋の味ひ
一医者恋能て貌類上より首を投ている恋にきゝめの見えぬおいしやは
狂哥浅香浅香沙賀折〳〵心さくら題なにともよめぬ妹の風体
職人恋忍ひ来る度に契りの深夜なへいつかは種をわけし綿職
飛脚恋こむつのかねて今津のお飛脚賀しのひて恋の雲荷おろせる
仝いつく迄も跡追分てお飛脚賀ふみおしてみた東の山道
船人恋おもひ初むいろはにほの字あけん迚硯の海て文かこの恋
下女恋恋すれは水仕は胸をもやとたりまゝならぬ身に気も引てみる
夏恋みに汗のかく玉草も永〳〵と思ひの余る短夜のそら
道言惣つめられて繁立ししるしにや送る思ひも如きつはた迚
一月下恋木かけにて君に逢瀬の折もをり。こよひはうらむ月の桂男
寄人形恋こひ風の吹にこゝろも浮人水際のたつすかた見初て
寄橋応見初たるかほよ花にはいろ〳〵と思ひ蜘手に渡る八つ橋
仝袖たにも泪にくちて我思ひたえてなからの橋の便りも
寄川魚まくらには積れる墓やあくたり捨る心を我はしら浪
奇薬種感二世まても知るりはせしとゆうたんのきけはつかへの癩も下かぬ
あひ思ふころのさづと通してやこよひは君に忍ひあふ巴豆
歌瀬義熈浮名たつ今皿つらや君と我なかも割なん人の口紅
童の楽はつとした浮名なさんと此ころの身にもおもしをおきふしにまて。
幾雲恋水際の立登りたる姿愛てくもたりし恋の山道
寄水呑車こよひまて唯賀水さすとしからき也しやくの体なれ汲たる人君
吾子直妹と我こめし心の応子をひとはな焼そ胸をもやして
歩土恋恋寿身の君に心はしたし壁つちとぬる夜の首尾を待妹
寄川歌楽恋病みの身はつくれとも骨と皮いけつころさぬ君の返事に
寄虫魚青快の血ぬる夜も明ける衣々になをしたわるゝ思ひ子母浅
奇動物恋来る文のけしものへんしも良々おそきその文字わりつ工説狼
仝思ひ院積る恋眼のしんしゆ立きみに深くも妹ははまくり
婚礼集
熊膽を
ゆたんと詰た
箪笥にも
仝
よひんの
きつけの
小袖蚊
同月に
是もひとしく
須弥も
み遊
ちう夜の
帯しは
腰を巡りて
雑之部
禁中祝百敷のふるきむかしもお恵みはなを餘りある御代そ目出度。
一歩五穀物いくはくの御恩も尽ぬ君か代や身を粉にしてもはたくはつたい
寄銭祝青坂の血ぬる夜もあし君か代のこゝ惣厚くしとふ子母儀
納れる御代につなきし朝引銭ひんと言ふさたさたきぬ国民
奇都祝たい子の御代の都も極楽と柳の婆らに衣もはかさる
寄国祝太季の書つのすまひにひとしけれうこかさりけるあし原の国
企有かたき御代にあふみの国境もの安堵をも寐物語りに
寄町祝岩か位の光りかゝやう油まちたみもあんとにくるからす程
仝御治世の国も広かるからかさるこれも竪地の御代は長町
寄船祝鎗はもの題舟まてさやに納れるきみか御召の静成御代
仝せん石と舟の沙汰のみ君か代の静けき浪のたゝひもなし
秀勇祝大君のよつに渡るも角力かやとつこい動かぬあし原の国
寄楽祝納りし御代の印は茶にも名をかり場の鷹の瓜そたのしき
寄石祝燈籠の石とみかけの明らかなそのひの玉のくらからぬ御代
仝変神の名も有かたき鋪石やかんこ苔むす御代のたのしさ
古郷みち広き国に杖つく老か身の千歳の坂も安くこへなん
還暦六十の一たん二反と植つけしよはひの種の実の間米の賀
仝六十の一から二は天作とさんに積れぬよはひ重ねむ
元服元服をすれは大人ことなりふりもおさな心の間も見へぬなり
仝元服をすれは立派な男山鳩の杖つく末を祝ひつ
孝かそいろに娘は孝をつくし琴いとしとやかにつき哥指
仝朝夕にそはて心もかけ硯くろうもうみの母えつかへて
婚礼集入相の其かねならぬかねつけは是からさきてさかす花嫁
仝荷拵はまた出来ねとも花嫁のこゝろにみさほもてる成へし
仝我思ふ人とまひにみやと鳥みやひもこそりはやすみ田川
仝望月の朝と引かへ嫁むかふしるしに包む白馬千疋
仝筒ゐつゝのさまて三ツ井の縫ふくさふりわけ髪に似たる黒座
仝親しらす子しらすはらむ養生にたゝみの浪のへり七歩行つ
仝紅のひもあらはしてけふ宮参りひたいの山に見る大文字
囲碁
老らくの
楽天と
碁も
楽しん
よはひ
さたすは
この
尚歯会
屏風たにさくを張し屏風にみ遊和歌の浦は雀の行男浪なす
家具本飯の菩薩に着せし椀の覆ていき順拝に酒もまはらん
汁椀の露も登る朝定紋をつなし楊羽の蝶足及膳
櫛かみの縁あれはや櫛も鼈甲の外に尓たりとみやる玉垣
仝乳母賀ほん守りす片手にたゝなみのはあと透して登るさし様
玉磨かねと小玉の徳はふんなものつゝまれながらせんあうはす
銭一文の銭も宝と兼てきく耳にはさみて太切にする
帳面上書もよく掛先の集帳まはり工合のひやうまてよし
産物一文の銭もつもれは山元手買ふやつしまの青磯左衛門
瑠璃やまた錦かゝやく伊方里焼さん水連も恥るへきかは
し
同戦楽の名にしんをも入てくる〳〵とまはすはかたに織出す帯
南艸かんなにてする田葉こは諺ののみもよしまたつちもよき出地
菓子童のほしいとなける泪にやほとひかゝりし菓子の八つ橋
仝初雪となめて賞翫有米糖たのしむまなくしたに消けり
饅頭囲む碁の其いし〳〵とこと替りまんちうにさたす黒と白あん
酒瓢を同雪花の友なれ也てりも移りもちりもする酒
仏法をとける御寺の土地はなれしやうしの沙汰は聞ぬ蕪に
住古道記三日海誰も遊ひとする賀路やかんもまたまた汐尻の富士
仝住吉はよきかみなりやころ〳〵の店にも銭の落る卯の日に
せさいやの茶はむせん迚住吉へゑかれてのみやむせる諸人
川口砂持難波江のあしのかたへの砂持に身をつくしてそ運ふ町々
全有かたき世はよいやさと持運ふ砂は尽ても唐ぬお恵ふあと
全新田となる子祝ひへ痛もかくみを入て砂持はこひけり
廉稲妻の鍵も添ふたる簾なれはいつれ雲井の物似たりけ
織物その価しれぬ錦は千鳥てふ香炉寿らねを立ぬ蜀香
染物大門や小もんに藤の紋所下着筑地の大納言染
全業平の菱紋付は染にけりゐつゝの形を河内毛綿て
釘やなに似ししのひかえしに打釘は夜のしら浪をよける為かや
飯物望月を其ゑん先をあゆみ来てくらの前輪にみゆる朝下駄
秋の金曰寒蔵に寐て居上へおしこまれなか間同士さへすれか出来ける
祭り将棋
の駒か曰
発りころあつい目さして七人はやくら囲ひをつめたしと言ふ
風か曰
逢夜の屏
恥かしさかくす恩には引替てあけの雀のかたうらむとは
寺
かいろうとなきし蘇鉄も有さかい妙国寺とてしかも名高き
とからしの名に逢ふふしみ東福寺から木て作る度裏るみへける
仏具式部よりしきみは粉にそはたかれてけんとを図する蜀の香炉
仝鰐口のくちを叩けは内からもはつてやりたきりんの横つら
水すむすまぬ水の境にたかへは舟はいかりをしつめにかゝりぬ
むすふともともとも言ふ谷水はむへや奉にかくるいゝなみ
洗濯短冊也色紙衣升せんたくはうたて戸にこそ張ませにしは
富家松身体の根強き松の五蔵もまたよゝにつゝきて栄ふ分限者
囲碁野馬台のしちに入部ら囲む碁にくもなくかちを取し吉備公
同ひとつて稀にかたんと囲む碁はこゝろ浮木にかうのほしけり
仝角力にもひとしや関とはね掛て地取をおもてなしてうへる碁
馬士囲碁囲む碁も演て算へた荷物よりせんをあらそひ勝かた馬士
奈沼者吉曲武家方にお出入しても町人はやりもいらすに当る浄なり
全分限者はなまりけもなく金銀とともにまはして諷妙音
医者按
摩喰花
さし投てかくる喧嘩はおいしや迚按摩はあたまたゝき掛れり
様宜酔酒中臣のはらえ一はいきこしめすお神酒に酔てそこへね宜との
妻手習お家流習ふ妻の手ならひは直ると言ふも嬉しきよ書
下女手習嫁入も近つく下女賀移し取お家の流義こつた手習る
生花
師は我に
似よと弟子
子に
おしゆ
らむ
はちの
如なる
花を
いけるに
仲仕生花水揚はもとより浜の仲仕とてこゝめ花をは投入にけり
職人噺技や葉をつけて上手にふりもしつつくり咄しのはねはきれいな
終夜噺はなし口弁もよいから永々と扨面白くしのしめの御路
眼ともし火の影に御光のうかへるは仏居まする徳としるき脇
愛らしく人をみるめのしほの眼にうみの母さへ思ひやらるゝ
鼻ものゝにほひかきわくる徳は孤ならすてかならす隣有る鼻の穴
仝口の上て居候なる鼻は実に眼下のものと兼てしらるゝ
鬼ならはなくにつかみて一口にすて言葉とも聞くあくあくたつ
仝雨峰と垂る乳のめくみて此ころはふたはの患ひしかさな子の口
舌おしのきく車の縁にし三寸のくさひ諸ともよふ廻る舌
耳許油とはちかひ能事きく度におやの会稽すく後耳
遠寺なる鐘のねさめに聞ゆるはむへためしかたる垢付の耳
仝壁にあると聞にし耳もぬる時の枕に寄てつきし紙すさ
腹左くはへの能き用心や臍くりのかねてすへ置腹のしやうもん
手月と日を算へて折し手のゆひにほしの影さす爪もみえけり
足青砥とそ道の替れと馬駕にのらぬ冥加ておあしひろえか
仝又五郎賀落つくさきのさから麩や沼津ゆく如踏込もし足
けん唐使に呼類きひすや入湯に磨しに下んの足も甲あり
尻うつむけしりや実も不二さん亀の尾の名所有馬の湯やてみる尻
屁たれか居と眼にはさやかに見へねともくさきのなひく風にしらすつ
小便菜種ともなる蕪にそかゆ小便みの油もやしほり粉かも
楽人屎うん呑みの堅きは石戸舞台かやしやうて出たる東人の来
社人屎高問てふ腹より下る宮奴賀具をもとうかみもて清めけつ
馬うさきの眼に色も似る迚住吉の折々浪を走しる御神事
企たゝいもて足も洗へもせんたゝや君のお召ののりかえの駒
鳥錠に名をかしわはむへよ天の戸のとて明に漿ひろけてそ啼
獣三味線に皮はしらねと鼬こそこう経ててんとなれるけたもの
親方をやしなひなから米ならぬにんし切喰て首くゝるさる
芝居弁当をひらくかたへの花道にあらしか生もちらぬ見物
仝鳩を呼ふさまか手叩く初日幕とやよりとんて出たろたる役
芝居家子すし詰たやうな芝居にお茶子等賀めやしませてそ切身すめり
忠臣蔵川魚のゑんや鮒たと井の内のこひのいち。から出る師直
仝末広の名もあるゑんや殿中てかたて風切高し御直
加古川賀妻に瀬ふみの嫁入に小浪もうてるけふの変かへ
妹背山芝六賀家にかりねをすへらきのお名のてんちと替るお住居
あくに実の入鹿賀末のす人迄も根たち葉をもからす鎌足
仝巻筆の鹿いる縁のはしり書ちゝの忠義を習ふ三作
仝ひとたはにひつくられしこ作は其芝六へ孝を積けり
仝さたかにも見えぬ心の曇りさへ子ゆへに晴て月も清澄
問ひな鳥は寝くらはなれて妹山に森も若木の恋すゑせり
三長命
ひと口に
語るも
たのし
長いきの
一万七千
むつ
ましや
妹脊山雲井にそ入をかなしむ雛鳥賀めいとの鳥と知るるうき旗
仝ふた星に願ふしるしのいとみえて雲井の方と契り初む病
悪人を一呑にせんと身を入鹿なにはの浦から出類鯖七
新薄雪
物語
かん気をは請て身にしむ国後賀こゝえて父にすかる哀れさ
仝御仏へ捧けしかけのたちまちにさる也此世を遠き国ゆき
国行か曇らぬかけのたち侍にいてゝうらみを晴す秋同
恋風の吹て園辺にちりかゝるそではらはさぬ花の薄雪
仝秋月の発す目顔を汲合てこひの意趣にそかゝる水桶
こひ草の気もおく霞の三日の夜に契りを結ふ里近左衛門
仝恋仁身の入てうはかも釘のあるきはいか栗の渋川藤馬
一仝葛城のかみの咎の姫寒辺なかは絶さる恋の掛橋
仝飛車ならぬ使者にさゝれて駒の名の立蔵かくと述る口上
仝三度喰ふまゝならぬ身の親とおや支度に腹もさける思ひて
仝姫落す親の泪の浮く露にまかき賀きくも哀れ添竹
陰陽のたゝかひ見する打物のひかりに来の家起しけり
菱原恋す身にてしはし車もありや姫とき世迚罪引出すもうし
仝応ゆへに雲井を姫よりなく音も包む音も包む荷の鳥
時移る船も出汐と丞悪合のけい国の儀に月のてる国
仝又錯のかねにちりゆく桜丸八重ひとへ書た別れおしめり
かた殿をは杖に机の数ならぬ子まて忠義をならふてらの
切帳たるとたんに紛ふ源蔵のけんも鉛とみたいの裾
身替りの子のなきからを子の日とて引かへ野辺に送る私王
仝花ものをいはねと心つくしかた子馬か首はころり飛梅
双蝶々御詮議にくる輪てゆひの医言になんと捨九もないしやゝりしつ
仝米の俵を軽くあけ羽の長五郎賀うけてかた煮にはをはねめ臥
仝いつらへか通ふ第に気もすまて幾夜ねさめぬ姉の関守
仝立引に内も鼠にし放解その濡髪と不破の関取
たらちねに放駒とは我侭な心の手綱ゆるさゝる姉
仝尻にむち打て知るへき誓言をすてゝ掛出す此放致
仝砥にかくに逢ふて衣れやかみそりのそかに泪の袖の濡斐
仝ひとふしよそ見えても根葉は内證のお早賀ひける窓に呉竹
仝清髪は人にしられた男山けん腹にはと思ひ恥しらふ
仝忠孝にからむ縄目は籠の鳥はなす与兵へは義理の放生
仝狐川に姿きる歟長五郎まゆより先へ濡す月代
仝おもはつも吾妻は親へ辺腰の駕の甚兵衛の縁の橋本
廿四孝もふし子を取替置し神の罰すはや当りて腹の板垣
仝忠孝の道の二つをおしえんと老婆愛雪に跡つける下駄
仝かけ勝賀手にもち月の雪の日に老母をむかふ甲斐の駒下駄
仝境目論屓し桔梗賀腹いせにむねをひら成す乳房唐唐
仝東の名の桔梗かるかやをみな同士化に入江から根葉を持けり
仝染いろの桔梗か原元慈悲蔵賀すてし古主の越後かたひら
仝孝と義の高いは山の伝松をすてゝ桔梗のはら違ふ子へ
仝浮木てふ亀の甲州に眼ひとつてまれな名を得た山本勘助
仝忠と義に心かた眼を操ぬ以てその甲斐え孝立た横蔵
近江源氏皆田より矢橋に落る大将をかりのものそと見る目高総
仝かゝり火賀煙る我子の末来にてあふみ源氏の香の音もする
仝両道いの使者に立たる神酒のかみ君に命はさゝけ物なり
太功記水揚をせさる莟の初菊はとめくしほれてみゆる本首
同ひと夏は死たこゝちや棺にた風呂て坊主に成た久吉
同蘭丸はもふ何時とたつねられ夜番太鼓のはちはしやつきり
歳にものし月につもれるひをふり
哥のいと〳〵ひ奉ひてこし折たるも
おとしめす前かしとこそなくさめ
たまひてよとさくら木にちりはめて
ひとしの草紙ときし強君子の
机下にさゝたるになむ人わらへ奉る
わさにしもありけれてわらふかと
には福ろく寿一とむかしに
かえりぬる暦のか香もたつかゆみ
やそちの春もなんのそのかきり
しられぬ翁そくそゝのかさるゝ
七十の齢も安き政の六と世といふ
そしの春の日もいと永き七十翁
疑事
柳下直り照雀
百十一丁
土つかり歌
21286
同
同十二