山の手振

creator
溪月畫
created_at
2026-08-17T19:23:18.401Z
updated_at
2026-08-17T19:23:18.401Z
field_rights
CC0
field_creator
溪月畫
field_language
日本語
field_has_image
true
field_identifier
10010000015358
field_ocr_status
completed
field_title_yomi
ヤマノテブリ
field_attribution
東北大学
field_oai_datestamp
2025-12-02T15:07:29Z
field_oai_identifier
10010000015358
field_ocr_updated_at
2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
つはぐちもかへらぬ秋の出し干にかりかね見する手弱女かきま漣 はんを見し春やしのはんせ干の衣を起出すえり紙の蝶実 蝉の都りしみるゝころは楓よりなほく赤しはしあしのさぬ仝 から人のはらに納めし又まても風にさゝせるほし干の巻 花そめの衣の上にもぬひ紋の蝶やちらつく風のむし干仲好 干あみの模様をもれて七干のまもり袋の亀も出る見ゆ春花亭鈴安 能衆装于日は風に観せ水室生雲もふき流すら両楽聖菴 守平に小袖のかひはなそよくむ雪をしのきし酒は忘れて筆持 七干に風あつ日かもいかにせんありて別れしはな染の衣紀長丸 土干の伊勢物かたりついひちの文字にも穴のみゆるをかしさ和交 西来居撰 月並 狂歌 山の手振 色連輯 ナヽ 立秋 みうき川きのふと過てけさははや鹿のはなつる秋のはつかせ花月堂百雄 稲のほはそよくはかりに鳴子縄鳥おとろかす秋のはつかせ秋雨亭笠人 柳葉のちひさき舟にのやきしはまたいとけなき秋の初風錦花堂七種 あつきをものせておきけん桐のはの落てすくしき秋の初風松花亭春久 秋きぬと告野の風におとろきてくより先にさわく萩原蓬莱居長年 あきらぬととみにしらすは一村の口きゝなれや荻の上風倭和多守 扇窓けさ立秋の初風にかけしまたれもまつたゝみけり むしかこのもかつこし舟に短尺のかた帆すしき秋の初風杜廼屋仲貫 ち今つくる桐の一をにのおちそめて朝の調子のかはる朝風蝶内亭六記 持なれし扇は捨てあつさをもたゝみてしまふ秋の初風鎧武士法師 すくしさをもらひためしといふまてに枕をふからす枝の初風薫桃吝歳業 はや夏もいとま申とゆふ日かけうしろになして枕やたつらん仙寿亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭亭春 うたゝねの程より風のてをいれて人おとろかす枕はきにけり金蘭舎奈町芳 また雁のわたらぬ先にてくさの葉に音もすなり柱の初風小野廼屋若草 源氏岩けさたつ枝の初風にいちらしたる相つほの巻琴樹園二喜 山松の梢ふきゝてことになる桐の一地にもおとす初風文鎮園花員 すゝしさをすこめてくるふみ月は雲の袂にしるき初風宝市亭舛成 すつはりとおとし玉子の桐一次にきみまき風の枕はきにけり竹窓道廣 文机の上にもけさは枯立て風にちらし桐つほのまき夕顔亭元成 秋きぬとめにはえねと声もたてゝ誰に吉野の萩の上風蝶運布津吉 いつくより来にけん秋のたつか弓いておとしたる庭の桐のは法昌菴谷佳 源氏岩咲こむ秋のはつかせに棚よりおろす夕顔の巻五月菴千巻 あき立てけさおき初事白露は権し府のかなめにもみつ文泉舎鈴繁 文月を告るはかりの桐一葉なけこみて行窓の初風和風亭国吉 キリフ 小山田にいつしか賤かひたはへて鹿おとろかす程のはつかせ花茂登輔 おとろきてたゝむすたれにすかしゑの舟も蜘をまく秋の初風花咲菴米守 七夕 こよひあふほしへ手むけの鬼灯もあかきいともて結ふをとめ百雄 たまにあふ星やわかれをかこつらん消いるやうなあかつきの空松梅亭商人 七夕にねかひの糸の手ついてにぬうてさゝけんきぬ〳〵の袖遊水桜川船 天の川星のならたのかし小袖かけにつけたる月の定政青松楼久丸 ひとよとはさかりみしかきたるそと霜息姫や日の心うらえ竹杖月良 との川はるゝこよひのあはせもの手向る声にそふ枕いと舛成 岩枕川瀬になみのうちよせて星も心やくゝき給は不二常行 ぼしふたろぬる夜のかけを其まゝにうつすたらひや帯とりのせ津吉 七夕のあふ夜はとしにくつなきひとつ小袖も星にかさはや文洲舎有盆 大原生こよひいのらん牛ひいて薫物姫にあひ給ふ星大盃堂呑桝 こよひあふ是にちそふをすゑ膳のはしをそろへてわたる鶴無多垣壁成 天の川とわたる舟のほつなにはねかひのいとをよるへかりけり養老舎如酔 よひの間に山のばさして入月はあふよの星に媒やせし六記 いろ〳〵に渡ぬく露の丸つくし朝顔姥にかし小袖をは奇石亭奇石 吹あへる笹の一葉は天の川つま待あはす舟にや有也舛成 天の川わたらせ給ふ也よひくそ星をいくせの思ひ成とめ仝 七夕のうたかく筆の薙軸にふへめる露や雨はたの石仝 とりそへて星に手むけのうたかん水入の牛水入のに文亭數頼 七夕の五百枚ころもをさをあらさひをへて一夜あふにもわ哉芳草園有面 いものはの露したゝりて末終に星のわたれる銀河とや千巻 つらの戸をいつる日うけにけふるゝ也薫物姫の袖のなみたは文琴舎繁朝 て夕に手むけのうたのつくはねやことのは山に竹のしけ山春友亭梅明 十五日 三宝亭 陶 をみなへし 誰かゆひつけし かたうたの ことはすくなも よろしかり けり 青海楼 十三、 元綱 からころもたつ野の 秋はるくさのはなの にしきの 横きれの道 宝市亭 外成 咲花のたれへに すりて庭石の ふたうもつゆを ふへむすうらさき 黄雀楼 夏躬 俤にたてり野上の 扇おくころさき をみなへし みたれしは 秋雨亭笠人 夕虹の根をたつぬれは 野末まて五しきに流る 千種百草 有馬山 南盛子 南部屋丁 春岑 猪名野の末に ゆあかりの ぬれかほみする 蔵の朝露 仝 いろこも咲たつ花はもへしころ かすみの袖にすりておきけん 渓月 渓月 十五日 てりわたる 至清堂 捨魚 月の都の 月の都の 桂はかりに たてつらねけん とのつへり けん 仝 十三、 中〳〵にねられさりけり いけ水にすみてこゑ なき月のかはつも い 妻こうてやはた 山寄なく鹿の 八木亭 しからみわへる 淀の川舟 青陽舘 梅世 ばきはらを わけゆく秋の 旅合羽 花むすひにも つゆはそひけり 花月堂百雄 山住の楽なすかたは まから木をあてゝねかゝる 松にみんけり 仝 見あくれは およはぬ世とや 山松の かさきてくらす みねのひとつ家 溪月 十五日 てりわたる 至清堂 捨魚 月の都の どのつへり 桂はかりに たてつらねけん 仝 十三、 中〳〵にねられさりけり いけ水にすみてこゑ なき月のかはつも 妻こうてやはた 山寄なく鹿の 八木亭 しからみわへる 淀の川舟 青陽舘 梅世 ばきはらを 花むすひにも わけゆく秋の 旅合羽 つまはそひけり 右同断同断同 花月堂百雄 山住の楽なすかたは まから木をあてゝねかゝる ねかゝる 松にみんけり あくれは 見あくれは およはぬ世とや 山松の かさきてくらす みねのひとつ家 煙草園透業 まちいたる赤き心はこよひそと紅葉のはしにむかふて夕煙草園造業 狂歌屋歌膝 おり姫にかしゝに袖もほしぬひのひよく仕立や妹かねきこと狂歌屋歌勝 水フ 文華園詠兼 はゝひろき帯も手向ん七夕の胸一はいにあひ給へとて 草花 黄霍楼反躬 花薄ますほの糸はてる月の水にひたしてあかく染けん黄霍楼藤躬 おり留のみへぬ千くさはへはゝのにしきなりけりむさし野新国吉 虹のはしわたす野川にかけそひていろうつくしき百学の国奈可芳 咲ましる花にうつりて白露の早ことのいろはみへぬ秋の野青海楼元網 をりとりてかさせる花子預曲申ひめ鹿の子絞もそうてうるへし信旧亭鰐丸 花におく露の外にもことのはの玉をつらぬし荻の短尺商人 みくるしくなきかたち野の女郎花なと嫁入の口なしに咲芳名垣真芳 いふのいろこき萩の下露にやけ野の灰やさして浅けん便巖亭満成 公等雨の夜よとに露ふかし野守のみのやかりて尋ん漢詠舎通鳳 ほろかやの更残へりにも弓なして本猪の床に覆ふ荻原蝶堂伸丸 きりの海はなれ〳〵の島薄ほしき秋や招き合らん夏躬 はゝひろな萩の錦もおかわけてひとのつゝて白と此ふ春花楼雲形 秋の野の萩の錦のうらならん綾にいとある風の不薄菴美夏良 さし出しいは風に袖やすりつらん糸のぬけたる野路のに青陽館梅世 薄 鳴虫もをふさの鈴のねをそへて風に羽たゝく鷹の羽薄仝 鮎つりし玉嶋川の花薄今も針なさいとをたれけり 告やれは友より友をさそひきこえ名もしれぬ花の多き秋草至清堂捨魚 水フ 荻の花鹿とわりなき中そとは口のさるなき萩やいひ先詠勇 菜の花の蝶より秋の詠にはこゝろのとまる野への万草家麺屋壺包 かすかなはもへし茎の灰さして咲なくさも此ふのいろ草廼屋友丸 花かへの錦にかへてしまからのめたつを花のつゆの丸袖琴樹園二直口 都人茶かゆすゝりて朝な〳〵みはやす秋のてくさの花千代田菴松雲 月くさの光りをかへすこほれはに野中の松も花のめさはり津吉 行かひの人にすれ給ふ姫蔵は心やさしき花にそ有ける莚薦園草業 山姫の裾のもやうのうつくしくめをもまよはす百くさの花茶呑堂里安ふ かひ猫のたはるゝならは袖垣に花まりつけん庭のそなかへ草業 したれ元の下行水の紐流花の錦のおりとめとみゆ早舩舎新酒 さひしさの中にさわかし破かへの耳こすかする萩の上風堪忍舎二字守 月かけの水にあはぬる女郎花よはにうはんのうすくみゆるは奇石 おくつゆも龍のあきとの玉なれや誰えさしたる萩が花妻花星 春たてし竹の柱もきにかれて野路の出茶屋に咲をみなへし月良 風をかけ露をも持て花薄袖かろからぬ野への紐道歌枕亭寝甍 吹風にをはなる袖をまくらせてとすきにかへるのへの糸萩弓延屋喜月 柴原よりはすゑに露のわたりもの更残もやうやる草の花屋男浪 みつくせぬちくさの花のせものひてまたはてしらぬ秋のむさし野泰平樂酒盛 扇にもうつすとやみん蝶の羽の白きにしむ露くさのはな数類 月の鏡つゝむふくさにゆかりある此子にほふ花か花鷲廼屋羽風 むさし野のを花の外にくさ〳〵の袖なき草も今さかり也松廼宿 いろとりもさていろ〳〵とはてしなや千くさ高草花のむさし有竹窓道広 かんさしにつくりてもみん水毘の玉ま横野の露のほすしき五柳園人 袖たもとあまりすらせて此子のいろやはけん野への白萩瑞園千秋 こゝろありて野守かおくる糸種の枝にそひたる水引の国仝 かしましくにもさか野の女郎赤きいろなかの風さわく也松霍 ゆきかひの袖になしみのかさなりて人にすれたる荘が花妻繁躬 此子のをふさとやみん鷹の羽の薄かもとのいと花の花梅明 よせきれの花の此子しま薄つゆにねまきの衣ものに野鈴繁 賤のをか手折てかへるをみなへしこれも夜食の粟にかもにる遺業 秋の野におもはゆけなる女郎花をはなの袖をかさしてそ咲新泉園鷺丸 花妻になれてくるてふ鹿鳴草しかなく里へうつしうゑてん進上亭長能忠 安中 一夜ぬてつみし茎の跡ならん此ふにしむ露のはきはら松木園秀雄 初雁 十二ヽ なると縄むすふ山まのふみ月に初て雁の文字わたるらん商人 ぬき模し夏のひとへはいかならんきそめて寒き衣かりかね南盛子春岑 門の田の稲みのる比夕月のかまをせおうてわたる雁かね新酒 朝きりにしめりてのりやはなれけん二つにきるし初雁のふみ百吟亭員歌 はることに桜みすてゝかへれ共家うには花を持し初雁玉鉾道広 不二もかくあらはれにけん初雁のきりの海よりぬけし山かた基方 こよみさへみぬ山里も賤の男に秋とよまする初雁の文に友丸 行ときは花をみすてゝくる時ははなをならへし雁の初冬夏廼屋涼志 夏と秋と行ちかうてて車井のおとにも庭の初雁の声春久 はつかりのきりにかくれて空遠くわかりかねしは墨かれの文字奈可芳 秋ふけて軒おとつるゝ風さふみころもたかはてきたる初雁新酒 てる月の鏡か宿やとふならんかたゝにちかき花雁かね二喜 いろまぬ常盤を出て紅葉はのひのあるかたへわたる初雁寝覚 わたりくる夕のきりに左らぬれてつきめはなるゝ初雁のふみ仝 国ところ月のみかさに文字なしてきたとよまする初めなり松上接霍薬 月も冬となかむる秋の道しるへさほとなりつゝわたる初雁酒 せもたゝぬ泥まの泥はふみとめすはねをあけてそわたる雁かね好道成 縄結ふ高あみにしもかゝるなよ文字のはしめてわたる雁かね垣延屋由都留 吹かくる夕のきりのき也ぬるはぬりいたにかく初雁の文字繁躬 すみよしの浦へや老のめてたさにいたりそめする雁のそるはし常行 手にとりて誰によとや遠かたの霧に封しゝ初雁の哥鈴盤 一すちの帯地のしゆまのごといろに文字をおかこむ初雁の声国吉 恋ケクホ いかにして鉄吸山はこへぬらんくさりのやうにわくる初雁鹿丘雄 キリフ 秋の田のけみする比の雲に又さほうりさまにわたる初雁茂登捕 もみち見もしくれの雲のあとへなり先へなりつゝわくる初雁和木亭仲好 鹿 くみてしる秋のみそは山の井におろすつるへの棹鹿の声和夢守 あはれさをかたる千早の城に声きく鹿はなき男かも夏躬 歩に本蔵の花蔵妻みならうてをしかの声うもたよわかりけり塵外楼清澄 秋のよの最くめとや山のゐの底にもひくさほ鹿の声の声う呑椒 妻こひの泪しくれて紅葉鳥あかき心も鳴ねにそしる草業 さひしさの火ともしころや燈籠の春日朝にもに男鹿の家う久丸 つまこふときけは最の増鏡月にやせたるさを鹿のかけ青海楼元網 真葛原妻こふ鹿の夜こと火うらみなれたる声の聞ゆる全 もみちよりあかきえにの糸荻に妻こふ鹿のこかれそよる柳川子舟盛 寄深き秋の野風にさてひきて耳につめたき棹屏の声 有なの月もほかりてゑやせしをしかの角の枝をもれ行六麁園常持 細くなく鹿の森は妹山と背山へかよふをたまきの糸李可芳 鹿の音のやさしかりけり山深く岩木の中にそたちつれ共米守 龍田山かさす府にすきいれし紅葉にも又かよふ鹿のね壺包 しま薄咲ぬる声へに道つけて一すち細き棹鹿の声 くりかきのみもいり相に鳴鹿の声もきになる秋のと取き駒廼屋鞍人 さひしさの関守もかな妻こひてついちの崩かよふ鹿のまな友友丸 根つけともなるてふ鹿の角ふりて山のくしからさかりてそ啼呑柳 もみちとをふそちらしなくさを屏の声にそあかき人しらるゝ里業 菊廼屋 芳香 十五ヽ 七夕に 願のいとも 人こゝろ みなそれ〳〵に かはるそめ いろ 讒司 十三、 黄雀楼 夏躬 そのまゝの 手向にせはや ほし合の そらをひたせる 琴の浦浪 春花楼 びとつらは棹も短かき初雁のこ 声のとゝかぬ里のあるかも 雲形 大仏のかねの あつさはこれほとゝ 仙寿亭基方 扇たけなる子も遣しへけり やう〳〵と妻こふ鹿のよるやいなかへろというてなくは何こと歳業 あふとみてさむるわかれや歎らん夢野の鹿の暁の声か平春友 いにしへのこれも都か奈良刀さひしするの秋鹿のこゑ舟盛 ふし〳〵もくたくるはかり竹の戸にいくよかたつるさを鹿の声文教舎友丸 反山のともしのかけに消もせていま身をこかす峯のさを鹿由都雷 芝薪こる賤の男かもらひ泣哀をさとにはとふ鹿のね塵外楼 さを鹿のきにさからはぬ心こそ女なりけれ花かはなつま久林亭斧 旅日記に秋のみそをかきのする筆にもかよふきを鹿の声射術国張弓 川王 なしふよりなれて最をよそやする春日の里に鳴鹿の声山田居形芳 藪の袖をはなか袖らすれあうてつまの恨のまさる鹿のね美豆良 なかぬよは何かひとことかけて鹿につしかゝ山守かつま文鵬舎海禿 妻こひになきはらす目もみへぬかなあんまの笛による鹿の声三秋園菊秀 むらしゝれ染やしつらん死た小鳥妻のこふ声にいろは出けり花園守 松風の声にねいろやあはすらん鹿の鳴ねも笛にかよへは松竹園花笹 扉のねのこゝのほかなる淋しさをさそひて送る峯の松風松雲 更るよのかけひの水に麦そへて細く流るゝさを鹿の声鈴琴 刀かけに角はなるらん山のこしさしてきみゆるたを鹿の声 夏山のとにはきねて空らくらく星もの鹿や妻したふ声歎膝 枯木ともみゆるを鹿のえた角に紅葉をさそふ声の色に不及亭事成 水フ ふもとまて声おろす鹿は枝角をかしらにさて大原の山青樹園若根 月 柳かけほとよくちりて照月の蛙もえたにのゆるさやけき鍔丸 老となる月をめてゝは鳴虫のひけさへ白くみゆるさやけさ武士法師 水の面にかけの流るゝ枝雲は月のかつらの花代がも張弓 玉簾まきの柱に花虫のひけのくろきもみゆる月かけ長年 村雲はみなかたつけて月こよひそらにも水をまつ風情あり八木亭満守 夜舟こく淀のいたりの水車月の鼠のまはすとそみる三宝亭陶 しほけなき硯の海に筆そめて月の都のうたもよまはや夏躬 山のはにもとるからすはさなからに月の下行程の風雲 かそくゝる二百十日はさもなくてこよひの月にあらす枝豆神酒延屋徳利 野守すらこよひ備ててる月の鏡にうつす夜寺の羽薄笠笠 むはし野の露といふ霧の光もて月や大さくまろめたま也津吉 秋の夜の月のかゝみに柄のなきはあかりたるよの次めなるまらん久丸 月になくうかれ烏やわらふらん人もねくらをよそにゆへは友丸 月こよひ星の林にさし出し枝雲はらへをのゝやま風斧 さしきまて照そふ月に砂かへの星は中〳〵光みてけり貢琴楼根折 秋のよに将棊をさせはて過ほの雪にしらるゝ駒のさゝ道薄坦沓成 出る時松のこはくにかけすりてちり雲もなき月のさやき武士法師 世にふりて雨になたゝる唐峯の松より月のもるはめつらし六花園行就 捨おきし秋の雨の地紙窓月にひらきて友を招きつ繁躬 てる月の都へ出てはつかしと備ふる芋もかつき着にけり百雄 日の本のがたへむかひて唐人もうたよむ月の蛙めつらん 須磨明石檀のうらまて照月の浪の底にも都あるらし国吉 むら雲はかたつけたれととも火の置所なき身のさゝ尻外成 さよ風にくたくる雲のいはほより月の水こそ湧出雲れ梅世 たけ高き峯の木立子さくられて望の夜なからかたわれは仝 むつにさく図のこかねもしろかねの光にしつむ松島の日仲貫 燈臺は星のことくにかけき也て月にあかるき秋の宮嶋唐木亭桐正 風になる雲のうけかとみてあれは空を飛行月の夜からす菊廼屋芳香 もし老とならは此まし捨られていくよもみたき更科の月六記 魚市のたつ日本はし鯡のみゆるは江戸の仲秋の月片田舎安住 なかめいる月の雪にははつかしや墨よりくろきおのがかけほし寝覚 村雲の袖より野にいる月は天津をとめのかひ鼠かも根松 稲つまの切火をかけて十五夜の月に手向る花の不薄胡蝶園夢捕 さす月の邪厂にやなると掃たにも枝ことをりて備ふりの男 両となりそしらはろしれとの口も戸はたてられぬ月の仲頼 杣人の力ありけりかけとなる枝雲はらふ月の夜あらし蘿廼屋清風 えたおろす木こりか綱のあし代は月に心のかよふかけはし美豆良 大きなる月の桂にくらへてはやとり木ほとな松島の松元成 ねぬ人の枕あつめている月をとゝむる西のことなしてん くまとなる松のみとりの青砥四月さへかけをみかく秋のよ武士法師 月こよひちり行雲のかくれ家にすこしは山もほしきむこし野八木亭 この枝かなくはとはかり幾種も思ひきられぬ松の月かけ作覧房枝丸 むさし野の月みる酒の肴にはつまむほとなる不上のいゝ もろこしへまはりてみてもさやかなるせうこは秋の仲丸の月由都留 水や空にくすは雲のぬか袋つかひやすらん月のをとめこ透業 めさわりの山となるてふちり雲もなくてきやけき月のむさしむ一樹園影方 放生会すなるこよひの月かけにみられて姥の杖もはなしつ 山家 一すくひ程な流れのなりひきこかしましき世を捨し山住萩廼戸仲住 たくはへもいらぬ山家の詞方にはよき屏風岩つらをりみち商人 朝夕に風かはらひて山窓は捨しうき世のちりともなし貝歌 ともすれはにくり社すれ山清水汲もなかすもわかこゝろから有面 そのむかしたてし柱の手命めにかんなの文字もしらぬ山住梅廼屋電子 世のうさはきゝなかせとも善業をみ水はかなしくつかふ山すみ銀糸躬 たゝひとりにこりしまて山水の清くすみぬるは吉の下房芳香 世の人のきよしといふもいかにせんかくれかにすむとにの下水如許 にこりたる世をのかれきてわれひかりすめるもたのし月の丸岩武士法師 あけたての戸口に鈴もいらすしてふりおもしろき松の下庵通鳳 竹の垣竹の柱にすむ人はすくなる道やとのむなるらし清風 松かへにひさしをかしてつかつたにおもやとらるゝ山住の房梅廼屋 村雨にしはし宿かる人もなし位を辞せし松のした庵松梅亭道守 行かよふ木こりの外も跡おうて嵐も枝をはこふ山里混沌舎来大 客人にたてる笠市もせわもなしうきよのちりをはらふ山六花園 其むかし小督のすみし跡ならんしのふことひく松の下房鳰照屋笹浪 世わたりもまかりなりにはことたりて住かねもせぬ山住の庵松雀 はひのほる蔦はそのまゝ松の戸のはしらかくしとなれる山里奇石 岩根なるきくの寄をも瀧水の酒とくみてそくらす山住仲貫 日ことてる落葉ころもをいくかさねきれはき寒し水の山住米守 鐘 ナヽ たる鏡いとみしならん山鳥の尾上のかねの声をたつるは夏躬 かゝみをもいくみし鐘に目さむれとまた人かほのみえぬ暁鈴梁 唐々麦の雨もよひする夕くれに声のくもりし三井寺の鐘陶 さゝ浪やし賀の浦にもひゝかして潮ゆする三井寺のかね影廿方 かゝみをもいこみしかねにさひしきの秋の姿をうつす入相長忍亭基頼 井ころかす旅寝の夢も芭蕉塚もろく破りし三井寺の鐘梅廻屋 ともし火の丁子やちりてかをるらん橋寺のかねのひゝきに舟盛 をしけなくつゝひゝきにや山のはの月をゆりこむ暁の鐘螺躬 村空の袖につゝみて一つ三つよそへやかたききぬ〳〵の鐘皮 焼火の花くもりして春の夜の朧にひゝく暁のかね千巻 花土蔵にそのまゝ庭の羽代垣萩も桔梗もみたれ咲して西来居 雷 当琴鈍々亭大人撰 龍の数も淀のわたりの十三里よすからひえや舟板の声商人 瓜音の調子はつれのをとめ子にいろのかはらぬ松風の皆久丸 松風のかよはぬ新の大江戸にことの音色のたえぬ出格子壺包 かをりよきを。ことめる髪にひゝことの枕いとをもかよふ桜かえ鈍々亭 さよ衣千種のうらの露しけくつちのはこひやおもたかると 砧 うてはうつうたねはうたぬかけほしのともに手つたふ月の夜根弓延屋喜月 月かけの様子はつれて目さはうの松のかけうつ錦かよきぬさ若草 すま簾のさはにかけて槌のぬも千鳥にかよふ賤かぬ酢静枝 さよ砧つちの音さへころ〳〵ところかす度の玉川の里寝覚 秋風に吹おくられて槌の音も山越にきくしかの夜砧梅住 賤のめかさしく松葉のかんさしも邪魔になりたる月の夜住成 まきめしくりかへしてはふみからのいく夜早くらにひて箱根花 玉川の水にさらせはくもりなく光も月の秋の長路今住 ともしとの明石のうらの巻砧油に浪のうたぬ夜もなし笠人 夕きりの海原とはてひゝけるは浪わけ衣あまやうつらん袖喜代 ねて聞は須磨と明石のひゝきさへ千鳥にかよふ風の夜館津吉 しまたにもゆはぬをとめかさよ鮎からこ〳〵とひ〳〵撚のね芦菴一馬 文風舎 夏躬 しくれふる たひねは寒し ふるさとの はゝその紅葉 錦かさねよ 山崎男 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 横雲の 宝市亭 横雲の外成 おひからもるゝ 紅葉はの にしきは山の 外成 こし守なり 十五ヽ いちらす 杜廼屋 仲貫 野分に蔀の 水にひまなく くたす玉河 はないかた 仝 一鉄うちの駕の戸あけて 紅葉見のひにかさしたる つまをりのかせら さしいりし月をあかりのさよ佐これや油をかすりしまなる元成 ものひとへへたてぬ音も相極つよめと姑の中のよきぬた只 しつのめも哥深くみて月こよひしきしあてたる衣してかつ満成 手枕の夢も結みてしつのめはかひなもたゆく衣うつ也糸芳 すなとかに手馴し蜑かよ酢も網のやうなる布やうつらん綿芳 片手うちかたてに妹か子持絵かた梅子なる夜根の音春重 さなく共淋しき秋にさひしきを重ねてうてる賤かさ取芳香 青きぬた井筒につみて夜仕事をふりわけかみのかたく 通夜かけて衆うちぬと都へもひ〳〵音羽の里の夜仝 にさらうつ妹か砧のつちのねに梅子をそふる桟おりの虫直成 盆踊をとりし後も相死の梅子そろへし妹かよきぬた義輔 甲フ から衣うちくたひれし妹よりも先へころりとつちはねにけり六時園足雄 隣をはおこしておいてさよ砧ぬふたさうなる相つちの音里業 あけちかくうてる佐にしみむしの星の消の空色の衣梅明 村雨に汐たれ取うつ音もしめるやらなる松風のさと元綱 あまに子の浦わけ衣うつやらん宿も定へのすひて夜話六花園 つちのねもよそへ忍ふの摺衣みたれ鳥まてうちあらぬ静枝 なく鹿の声きく時に哀さもうちかさねたる秋の秋の狂詁綾丸 冬すゑしつゝ子かほらひにとらせんともくさしまうへ母から さひしさはかしふひゝきも鹿の音もうつてちかひの秋のよきぬた梅世 花摺の衣やうつらん槌の音の手元にむしのみゆる巨佐歌膝 やれかへの穴からかよふ槌のねは井の字かすりの月の長砧陶 寒色のきぬにも月の一つ紋うては光のいつるよきぬし さゝめなき空もしれの糸島やうりさ衣の雨たれ極仝 つちのねのひゝきにをとるかんきしのてふもひらめく花陵の衆三才軒員守 きより裾ふへ風にわきも子か思はぬ妻をかさねてそうつ五柳園 菊 雨空ははれたる跡のにはたつみ星のかけそふきくの花円久丸 星の名をおひぬる菊の花見にはとしにまれなる客も千巻 祭るへき冬至もまたて菊作りことしも白き星にあひり奇石 みてあかぬ客の長ゐを思ひ出ぬ公帚木つくりの菊の一もと數頼 てより菊つくるま垣にさゝかにのきせ孫からる花の色糸長年 霜降の古かさゆひし添竹にゑもりもすなり菊の白房国吉 うつしかゑしなさまにそへてさす札は花の菜の葉の道しるへかも鍔丸 白露に光るきみある源氏菊花のとまりの中川の宿松廼宿 問ひやせんとはすやあらん音にさそふ女あるしの菊の花園捨魚 庭もせにつくる布袋のふくろ菊よりかゝりたる花もみん梅世 うつくしき髭とやてふのほくるらん菊のかをうを薫物にして 花の露すふみつ降に紐ありて破軍の星とみゆる白角鈴磐 望ては是もえかたし秋霧の海の遠なる玉のむらむして南谷住 いく薬あるこふ菊の一枝は老を養ふ酒にかへはや奇石 やさしさははな紙にまて音を留て小菊の匂ふ妹りふしろ友丸 長生の薬をいるゝ袋かも水にふり出す菊の下香 一株はわけて隠居の小金菊かこひの内にみるそためしき基方 をとめこに露をすはすも唇のくすり也けり死きくの国笹笹浪 鉢うゑの鉢は香炉か薫物にまさるかをりの菊の菊の円七種 こかね菊みる人ことにほしといふをいとゝきにせし国の花守 残まりる八十の白髪も白菊に杖つかせたる手いれうつくし花水 白露の光をそゆる源氏菊花に小蝶の舞もみけり通風 あすかつ水に星かけうつしてもいろはかはらぬ岸の村菊袖喜代 菊なりし袖をとかめはいかにせん匂袋も人にこそよれ鍔丸 みる前に菊の匂ひはかはゝれてうつる日数もしら菊の花元網 箱根山露にたわめる公羽草杖つき坂のかたへにそ咲雪満 しらきくや昔のまゝの古井にもほしかけうつすかまくらの里仝 鶯のねくらの竹を杖にしてさく長月の星の白菊糸芳 手入する菊に我身もやしなひて思はす老の千代や経ぬへ芳香 かをまし菊見もとりの袖こひのすかる扇も蝶とそみれ国吉 秋まてをこらへみきたる堪忍の袋菊よりもらす 白かねとこかねのいろに咲菊をみれは歌目にほしと思へり義輔 青ことさのせうしは天津空色やほしをうゑこむ菊の花園六時園 さゝにのくもをは風にはらはせて星の林とめつるきくその六庵園 いろもかもこほれぬやうに風いとふ手くはりのよきちゑ袋菊篠糸成 老となる月の霜夜の菊園は花のきせ綿そへ竹の杖仝 菊園に眠るこてふのめさましと花にこよりを通す短尺万歳音芳 花守のたはこ休のひまをみて蛇かきてすふ菊の白露六花園 のまく又千歳もへなんきくの国老を養ふ酒にひたして有面 白露も匂ひの渕となりぬらん花くゝり行菊の下水舛成 うりものに国をかさりてよし原のまかきにならふ秀菊道成 川添の宿の翁も居風呂にかけくみいるゝ菊の薬湯瓊枝軒光音 府の面はもやうに袖とみゆるなりえり紙あてし菊の国国六花亭常行 よの中はま垣の蝶の夢にしてまためをさます菊の菊の音宋永 くみとりて湯子たく菊の下水は丁字風呂にもかのまさりけり捨魚 仏名のころまて残れ咲花にかつけ綿する庭の白菊仝 えた雲にほのめく星とみゆる哉やゝ咲出し来強のきく梅世 七夕にかね向し後も小袖綿又もや菊の里にかさなん鈴飯 みちのへを庭にうつすかつき山の籬る島にこかね菊詠藪 児童にもまたこりつまに山川の浪の枕をこゆる菊の音鈴磐 はねなくて飛火の野守足なくてはしるかをかや銭菊の 長生の薬をなめて菊園に蝶も翁のひけやみすらん友丸 き雲綿の霜をいたく翁くさつくてふ杖や花のそへ竹巻椒 秋田 豊年のしるしとみへて秋の田のいなはの雲やきはむ雪 如酔改 弓矢とるに田のかゝしのものたふは作大将やつくりおきけん能船舎只則 なるこひく片手にかそふ暮日まてからりしてしまふな 小田守 奔霜のおくてのいなはほに出て民のたのみもみゆるに山田花員 みいりよきことをしまんに村長もいなほのかみをなつる秋の田 玉川や野雨の秋田を刈稲はやはり子鳥にかけてほすらん元成 賤のをか小笠の月もかくれけりいなはの雲の袖形の番通鳳 梢はみな野分にふして鳴子縄風くふ鳥はおはせすもかな糸廼屋糸芳 いぬの浪よるかとみれはひるも又田ことにみゆるすけかさの月酒盛 み入よくゑみたる橋になすわさのあすへとほるゝ秋田せはしき芳香 出来於の賤はせはしく鳴子縄たすきにかへる社形の小ま酔仙 とく起てみれは稲葉の朝露もおめつゝすふのそろふ出来秋鰕に成 野分 野分してあれたつ鷹の羽薄に鳴のはねかき音音も聞えす春岑 のいけしてあれたる跡の不礼講ぬかゝる薄はらはひし萩笠人 夕貌のあれたる宿の戸にあたるよはの野分やから白の音芦菴 吹風にのへの千種もあれはてゝ妻こふ鹿の声そしほとく仲澄 ふきをりし野分の跡のむきし野に風の力のかきりをそる元綱 種すゝき野分にさわきくたひれてあしのの原は起もあり しら玉の友は野分に失ひて声うかれふしくいせの浜荻蛤成 をそろしき安達か原に野分して骨まてみゆるあはら家三楽十丁春人 秋のよの夢のうきはしくつしは野分の風やつよくあてけん五柳園 紅葉 盃にかけのうつりてうるしゑの山をもそむる峯の紅葉は春岑 女つれけふをはれきのつまあかりそめてかしこき峯の紅葉は 立田山もみちの外にみらるゝは錦をまとふ女ひとむれ壷包 もみちめの日てりつゝきていそかしく声うさへかるゝまゝの水茶や花昌 山姫のおくの住居の岩たゝみさらさへりとる蔦の紅葉 もみちはのにしきにはちす苔衣たちならひたる松もうつくし春友 山鰈かほつちうちけす時雨をもたきしとなしてもゆる紅葉は草業 松葉寺もゆるもみちになま土のかまと賑はふすたの掛茶や唄雄 苦むした岩にすへりてあふなしと松にとりつくつたの紅葉は仲貫 酒くみてもてはやきるゝ紅葉見にき下戸の松やさひしかるしん長年 松と松かさなるかけのもみちはは紺地にそむるにしきなりけり はつ時雨もみちに色を染つけの錦ことみるくめの皿山鞍人 紅葉はのうつれる窓のあかり先松のこふしそてくらかりなる 上毛 野も山も木〳〵のはことに紅葉して酒屋に青き松の一えた文薫舎橘 順礼のみにもきの路やおひすりのせの山ありき色のもみち基方 川ひとつへとて心や妹らせの山は紅葉のいろにこかなら桐正 山〳〵も土佐豆の筆のいろなして極彩色の秋のもみちは文秋舎秀雄 たつた山みねの紅葉は飛雁の棹に、かけたるにしきともみち七種 渡いそくまゝにや雲の村時雨ぬるてはかするうるし紅葉は旭光 白汐やちしほといふはうた人のことはのしほに染る紅葉 うつくしき紅葉の錦織殿にしくれの雲や天の斑駒二喜 村しくれかさす紅葉のにしきには龍田舎羽も似合さわり仝 ぬりふたのちらし蒔ゑとみゆる也かゝみか池にうつる紅葉は鈴志 もしたらす時雨も足やはこふらん小町桜の紅葉するころ芦菴 まつける木曽の桟あふなしと増縄かけし蔦のもみち袖喜代 龍ま娘こかれやすら也秋山のしたひ男のいろのもみちは桐正 山姥も瀧のしらいとそめかへてにしきみる也みねの紅葉は千巻 また炭にやかぬ梢も紅葉してひのいろみする大平の山和多守 子を思ふはゝその杜の手きはよく錦したてし秋のもみちは たつた山みねの紅葉の日照時みなくみほしゝ吸筒の酒綿芳 そめなし時雨ははれて紅葉はの枝をめくれる短尺の雲商人 かきよせて酒あたゝめんかまとひたきつけによくもゆる紅葉は春友 恋いのる胸のほむしかはつせ山もはたつやうにみゆる紅葉は盛笹 山かけもめくるしかれの紅葉ははうら表なき錦なりけり 松かけに休む女の旅かさにもみのねたるつたのもみちは仝 これもかの妻こふ鹿のなかとおもふはかりの山気の紅葉は草業 渓司 十五ヽ 黄雀楼 旅まへら 蕨とまりは むらさきの 夏躬 むらさきの 江戸にこゝろの またのこりけり 三、 花月堂 旅まへら 舟底にして 百雄 あすこゆる 海のけしきは 宿にみへけり 楽笑館唄雄 出来於の門田 にきはふ刈穂時 たにしの庵も 留守となりけり 奇石亭奇石 こよりきく油障子に いろそへて庭にや花の あかりみすらむ 蓬莱居 志いて名を とはれもせしな 霜降の かさきしまゝの かくれ家の菊 長年 同倭和多守 咲そろふ花に 小袖うつりの きせわたうてな紙 花の御規式 文林亭改 武士の系図をみわの杉林あかき筋ひく等のもみちは金多楼は斧 人しれぬ往来なれや秋そともいはての山の谷のもみに仝 しりの山都のあとに宮姫のひのはかまともみゆる紅葉は仝 山姫のてきはの紅葉らすゝこく露の廻らぬもりの下落垣守 いゝめくりかへる時雨のふるさとに錦をかさるみねの紅葉 ぬれきをめつりしかれの紅葉はは染る紺屋のかめのをの山菴住 そめてほす時にやあらん寄たりてしくれにけふる峯のもみち道成 をりとりてかつけはやはり傘と枝にしくれの残る紅葉は仝 うつくしき紅葉の錦いるにしていろなき雨のいとにおけん捨魚 うつくしくそむる紅葉の緋縮緬いたしめとみる一むれの路間呑枡 立田姫打かていろこき紅葉はは昔の京のにしきなるらん舟盛 いはし垣こす一枝は針さしのくれなゐふかき紅葉はの色仝 家つとにかさす紅葉の一枝は故郷へへかさるにしきなるらん 霍の子の柿の梢も遠山もいたゝきあかくもみちしてけり水 村しくれめくる末社のあたこにはそむる若葉のひうち権現津吉 紅葉はの枝道わけて遊ひゐる上戸のましら下戸の小男鹿仝 磯山に流るもみちのかけうきてあまもくみこむなし月一句しほ寝覚 いろもよく相なしにけり袖うしのもみともみゆる衣手の衣手の森甘延屋田夫丸一 ふたら山谷間に枝をくみかはす楓のはしも朱ぬりとそみる春人 稲妻 八・ 千早振神代はしらす稲妻のいまに火をするうねひ耳なし基頼 一こゝにひろこる愛の君儒子におり留みする稲妻のかけ元成 三日月のかまのすりあふ石山に光をちらす稲妻のかけ酒盛 あひきして仏をえしと宮戸川浪にひかるはいなつまのかけ春友 みやす子が供声の米とくみたらしへきり火うちこむ橋あの六時団 画工の土佐の島山金泥の筋くまひきて光るいなつまま酔仙 蔵殿の綾の小路や西陣へなけひのやうにかよふ梢つま梅明 むさし水ものをはなか袖の摺火打雲のほくちにうつる稲妻唄雄 さつまかたいわうか島はあなたそと指色すかたにひかる摺つま清風 横雲の帯のもやうやさやかたに光をみするいなつまのかけ舞楽楼 三日月のかまに光のきらめくは山のはかねにかよふいなつま友丸 旅宿 十二、 木曽の道たひぬの岩によな〳〵の枕の山もいくつしゆらん百雄 八重桜ありし都の花ぬりをまくらにのくす奈良のはゝとや仝 たひ花かたしてよはの袖日記かきたてゝよむ宿のこともし火久丸 この近にわへるふすまも相宿のぬものかたりにきく国ところ基方 おきふしにゆかしく思ふふるさとを夜ことに跡へのこす宿帳杖 日数ゐて心やすくそなる宿にこゝろやすからすほふ川留芦菴 ふるきと子跡に松田や咲梅のひともすゝころに泊るはたこや和多守 かやの屋根竹の柱の木賃宿よもふしにくぎ旅まくら哉 深草のたひぬの哥のあらはにて露の枕にやくる月かけ元網 あすは又菫さく野もわけゆかん様のやとりの一夜泊に有面 深谷 恋のゆかしや秋の指まくら泪の露をふへむ花産錦綾舎糸成 舟 熟波かたこき行舟は追風に梅かゝとむる袖類の桿基頼 ありもそへて出しけん袖か浦に風かりてきしなにはつの舟鍔丸 大亀のおもみはかりて川岸の柳のかみにつなく友舟五栖園 黒川の海にいりくる酒舟はてうし口をやこへて来つらん谷住 空こときの香炉とやみん川風にけふりをたつる峯の泉丸 のりあひにしひれきらせは淀川の浪は小舟の足をなはり 狂歌比玉集 上