窺望心計示蒙
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- 池田正慶校
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- 池田正慶校
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- 日本語
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- キボウシンケイジモウ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狩り丁工
七日七日
か
ハ齊岩田先生編
保
同草池甲先生校
三里目を
卯
癸
夏
捷径
町見
全
新
鐫
此書院主法の辻蓮宗遷塔の建近より海島山谷峯岳の
高低距離をはかるに測量儀等の大器を用ひず唯図規一本を懐に
して布算の労なく速に至る術にして所謂町見術の先務たるべき
ものなり軍学家炮術家に此術を善せば大に其薬に益あり
「「「「」」「
露散士
十二夜
窺望心計序
消防転書記録
旅井恭信氏ノ寄贈金を
購入セルヿ関博士
酒野亭吉氏藤蔵画
有理而後有数是以究其数則其理明
狩野氏図書記
究其理則其数粲然理数相須而後得
矣岩田清庸受算学于予日夕弗懈研
精有年数已得又充完其理乃著一小
冊名曰窺望心計窺望之名蓋取諸祖
沖海島法而其術則眇々矣唯以便于
折量云尓然其意則簡而尽矣凡法之
大小広狭各有等而要之亦唯是此理
初学之士読之能究其理乎自小而大
自狭而広布演之数無不適而幽妙矣
算道之学至此而後可謂得矣清庸一
日示之請一言乃書之巻首以還云
于時天保十二年辛丑孟夏
齊政館塾中
福田美濃正藤原藤須徳木撰書
売通
薬堕心言房
窺望心計示蒙目録
下層
上層
量地大旨心計法大意
圖式
渾発及鎌製法
醤法八則醤法須知
図式渾発窺法
二ヶ條
進退して遠近をもとむる法
天口術
図式及図解地口術二ケ條進退して高深をもとむる法
図式
第一章
圖式第一章種をもとめて遠近をはかる也
図式
圖式第二章同
同
図式
第三章種をもとめて高深をはかか也
圖式第三章種をもとめて高深をはかか也
圖式
図式第四章此方に種をもとめて遠近廣狭を得る也
図式
圖式第五章種をもとめて廣狭をはかか也
図式及訳意第六章歩数を察して種をもとむる也
圖式
第七章
図式第七章呼吸によつて種をもとむる也
図式
第八章
圖式第八章渾発の口を大にする法也
図式
図式第九章表木を立て種をもとむか也
図式
第十章
一人の長を以て種とする也
表
図式
第十一章
間竿を以て種とする也
図式
ぶんけんじゆつ
第十二章渾発の分見術なり
図式
第十三章中不中をこゝろみる法なり
目録畢
凡例
一窺望は俗間にいふ町見術にして海島法あるひは重差法の名ありといへ
ども其総名は測量法なり然るに測量と称するときは天文地理経緯の
学総て測量なるゆへ又量地術の名あり蓋今此編の如きは一望の簡術にて
一且いまだ算学の端だに知らぬ童蒙といへども唯心計を以て求むること
を得るがゆへに窺望心計示蒙と名く
一量地の書に量地指南町見弁疑算法童子問に数部ありといへども未
其真理を解尽すことを得ず故に此編其可なるものは間これに随ふも
あり敢て俚言贅語を厭はず予新意を加へて以て詳に其妙理を解著す
一古来渾発術の書に其法を題して野草水月白浪などゝいへるもの
ありこれは畢竟其術を覚へ得るまでの符印なれば其名目に拘り
秘重せんことを聚て此編只第一章二章と録す
一此書に載る術は布算測器を用ひず只急卒の備を専一とする軍中
公慶則量去
などの主用にして其大率を測る簡易の法なりゆへ假如熱習するとも
一全備と思ふべからず其高山峻嶺を測り國郡地域を摸冩し波濤渡
一海を求むる等の真意は孤度測量法三巻に詳なり図て其真理を
知るべし間竿間縄等の図式も右書に載るゆへ茲に贅せず
一此編中にいふ所の間法は六尺を用ひ町法は六十間を用ゆ
一天口術にて高抵を求め地口術にて遠近を得る術数條ありといへども
一術数多きときは反て初学熱習に便ならざれば唯其一二を記す
此編十余章を載すといへども其理を究むるときは一二術に過ざるのみ
唯児童の解し易く且其聞織を広めんため繁を厭はずして数條に
分つなり此書固より我社友の筆労を照けん為に刻する所更に公にす
るにあらざれば文飾を用ひず嗚呼のことも志あらん識者幸に嘲ることなれ
池田弥三郎紀正慶誌
窺望心計示蒙
攝北麻田貫齋岩田七平清庸編
浪華匈阜池田彌三郎正慶校
量地大旨
○心計法大意
夫渾発の法は測量の捷径にして測量儀を用ひず
測量儀器を用ゆるもの
渾発鎌の二品を懐にして路次の遠近山谷の浅深
俗に町見
は測量術の真理にして
精妙の法なり
城樓の広狭洩らすことなく其綱領を得るの術にて
分見と云
其術は孤度測量法に
尤自卒の便にして軍役戦場等の要務なり其術
ありよく此心計の法を熱
は布算を用ひず渾発及び鎖を以て算法鉤股弦の
し業を野外に試みて
理に依て其望む所を得る法にして甚簡易なりと
後孤度測量法に渉ると
いへども其法種々の習ありて平日の修煉緊要也
あるひは渾発の術は実測におゐて大に差ありといふ
一きは量地の真意を得べし
寛徳計
一貫通斧堅義
渾
発
及
鎌
之
圖
者あり是大に非なり尤土地の高抵に随ひ少差は
あれども量地の法に少差を論ぜざるは公法なり
然ども其習に熱し己を正くしてこれに向ふときは
大なる差なかるべし其修煉の法委く左に記す
○渾発鎌製法
コンバスは蛮語にて渾発と訳す円規の事なり其製
長さ五寸に定め本三寸を黄銅にて製し末二寸を熱
銕にて作り其先を尖らし一寸五分餘細きみぞをほり
二枚合せ其本に要の釘を打ち五枚合にし或は開き或は
囲ぎ自由ならしむ其締綾からず堅からざるを善と
すこれ量地必用の具なり又鎌は長二尺五寸黄銅に
て細く製し五寸ごとに鉄或は白銀を交へ合符とし
本に長さ二寸五分幅四分ばかりの銅尺をつなぐなり
習法八つ古法所用
習法八則の八ヶ條
習法八則の八
○習法須知
堅体之法射形之習
一頬尽定法物見之次第
渾発を用ゆる修練の切要古法に八ヶ條の則ありと
いへども其最要たる所の者は堅体之法射形の習是
横手之定寸右手頬尺
第一なり先己の体をかため心をしづめ仰かず伏せず
一左手渾発横之習
一左足を前へ竪に踏出し右足を後へ横に踏みとめ
体を直くし手まへを正し的矢を射るごとくにして
一扨渾発を執るなり是を堅體の法射形の習といふ
平日の習煉肝要なり
又視学といふ事あり風目量を以て遠近高抵を知る
をいふ聖人も曰ふごとく布レ手知レ尺舒レ肱知レ尋と人身各
踏ばる足は人の長短に
随ふといへども大略半間
一足と心得べし
其自然の規度を備へたれば人眼の望むところ上を
視れば方斜の高さを測るべし中を視れば方直の遠
一近を測るべく下を視れば方斜の抵きを測るべし此の
覚曰二十
二十五匁
ノ世魂齋莊
右手
コンハスノ口
目当なり
クサリ余五寸
コンハスノ口
…………
コンハスノロ
目アテ
ごとく三段の懸度を自得せば測儀を用ゆるまで
一に其大率を知る是測量の緊要なり
又平生己が足数を以て間数を試み置べきなり大
抵三歩一間又は十歩三間あるひは七歩にて二間
なるか其人身の大小によつて小異あればなり
一又己が呼吸に随て人の歩をも試み置べきなり大
抵一呼吸に速きは三四歩迂きは二三歩なり其中
を折して試み置べし
○渾発窺法
先前にいふごとく心をしづめ體を堅め手前を直にし
て左手に渾発を取り其尖を繰二尺の听へさし込み
鎌の本につなぎたる銅尺を右手に取て眼本に寄せ
一左手の渾発を目通り正直に目当の方へ肘を伸て
手先下らざるやうに渾発の開き口或は広く或は狭
くして目当にため合せ見こむこと的矢を射るごとく
すべし渾発の口は初め随分開く開き置て次第にせ
一ばめて目当に合すべし向へのばしたる鎌は随分直
一平にして股と心得目当を夾みたる渾発の口は鉤
とこゝろえ能釣股の理を会得すべし
高さを測るには渾発の口を縦にして上へ正直にたてゝ
一夾むなり。痛又深さを測るには渾発の口を縦にして下
同釣之助
又横面の広さを測るには
へ正直にたてゝ夾むなり
渾発の口を横にし或は直或は斜にして目当を夾む也
或は釣
舶いづれも釣股斜角ともに同矩の心得専要なり
或ハ斜
或ハ剰
又遠山などを測るに其山根の見えがたきは渾発の上
の尖を山頂へ合せ下の尖は山根に合せがたきゆへ随
笑意言
一七十一日癸亥
天口術とは渾発を開
分鎌のたるまず斜ならざる様正直にして見こむなり
図して其差口を以て
遠近広狭を測るをいふ
一地口術は鎖を盈縮して
其差口を以て高抵浅
深をはかるをいふ凡天口
地口の術にて進退の間
数および以下の数章に
わたり種の間数を求むる
には皆平生試み置たる
一我奇数を以てすべし間
一竿間縄等を用ゆるも宜
しけれど簡易の便に
あらざれば爰に用ひず
○天口術
一天口術とは上図の如く面前に山などありて其遠近を
一知らんと欲するときまづ渾発の口を開き鎌二尺の所へ
一さしこみ前に記す法のごとく目当の方を夾むなり
一山の頂など何にても見え易きものに渾発の上の尖を
あてゝ下の繰を平直にして見こみ闕ければ次第に
一挟めて能々目当のはまりたるとき其夾みたる渾発
の口を紙に突留をき扨向ふへ十間或は百間又は一町
一十町に凡目量にて其求程の四十分一を進みて又初
のごとく目当を見こむなり其今決みたる渾発の口
一初の口よりかならず闊くなるもの也其初め交みたる口と
一今進みて決みたる口との差を以て其進みたる間
本場
○初コンハスノ口
一筋
進之測ル処
数十間百間或は一町十町の口とし渾発の口にて決み
一是を以て後に目当を夾みたる渾発の口をはかり其
幾夾ありといふことを知て何十間何百間或は何十町と
遠程を知るなり是を進測といふ
後コンハスノ口
たとへば図のごとき面前の山を本場にて見こみ目当を夾み
其渾発の口を紙に実とめ置に四寸五分ありそれより目
此一町すゝむものは向ふまでの遠さ凡十町
当を正直に進むこと一町
ばかりと目量するゆへ其四十分の一は十
五間なれどもそれにては
一にして又初のごとく目当を見こみ夾む
端あるゆへ一丁すゝむ也
に渾発の口五寸あり是を紙に突とめ置初に本場にて
はさみたる口四寸五分とくらぶるに其差五分あり此
五分は進みたる間数一町の口なり是を以て後にはさみ
たる所の口五寸をはかれば十はさみあるゆへ本場より
面前の山までの遠程十町と知るなり
別月化量江
コンハスノ口
又退測といふあり上図のごとき向ふ往還までの遠程を
求めんとするに前に江川などありて進みがたきとき此
一法を用ゆる也先本塲より望む所の列樹二本を目当と
し
列樹にかぎらず何なりとも
一是を法のごとく見こみ渾発の
見易きものを目当とする也
一口に目当を夾みて紙に印し置是より目量定法四十
分の一間数を目当通り正直に退き又初のごとく目当
一を夾むに其口初の口よりかならず少くなるなり
たとへば初本場にて夾みたる口三寸五分あり夫より後へ
十間退きて
十間は袖に目量するに凡一百間ばかりと見るゆへ其
四十分一は五間なれどもそれにてはあしきゆへ十間退く也一
又日当
をはさむに其口三寸三分あり初はさみたる口にくらぶかに
其差二分あり是退きたる十間の口なり是を以て本場
にて交みたか口三寸五分をはかれば十七半夾ありこれ
一本場より往還までの遠さ百七十五間と知るなり
○地口術二个條
一地口術とは向面の山岳などの高さを求めんと欲する
とき何れも天口術のごとく渾発の口を鎌二尺の所へ指
こみ其山岳の高さを竪に渾発の口に夾み其口を
一却し置其口の動かざるやうに目量四十分一の間数を進
みて又其高さを其口に合ふやうに繰を次第に縮めて
見こむ也其鎖かならず初の繰二尺より短くなる也
たとへば本場にて二尺の鎌の渾発の口六寸あり是を紙に
目童四十
彼渾発のくちを
一突とめ置此所より一町すゝみ
分の一也
分の一也
一動かざるやうに鎌をちゞめて目当をはさむに鎌の長
一尺九寸あり初の鎌二尺との差一寸なり是をすゝみ
たる一町の口として炎とめ置たる渾発の口をはかる
に六夾あるゆへ山の直高六町と知るなり
例月例ニ
五寸六分
三寸六分
又前面に障等ありて進みがたきときは退きて測る法
ありたとへば向ふなる大樹の高さを知らんと欲せば先
鎌一尺の所へ渾発をさしこみ前法のごとく望む所
の樹を渾発の口に夾みて紙に即し置其口の動かざ
るやうに目量四十分一の間数を退きて其渾発の口に
一合ふやうに鎖を盈して目当を見こむなり其鎖
絵
かならず初の鎖より盃るものなり
まづ初一尺の繰にて目当を夾むに渾発の口五寸六分あ
目量四十
り此所より一間退きて
其口に目当を合するに
分一なり
繰一尺四分になる此差四分を退きたる一間の口とし是
を以て渾発の口五寸六分をはかれば十四夾ありこれ
十四間なり是に見こみより以下我身の長五尺を
加へ大樹の高さ十四間五尺と知るなり
天口術圖解
何れも同矩の理也
メクサリ
○コンハスノ口
目常…
地口術図解
メスサリ
○コンハスノ口
……目當……
此のごとく高さを測るに己が長五尺を加へるものは樹木或は
山岳にても餘り遠からぬ所にて測るときは己が長五尺
を加ふべし甚遠方にて測るときはかふるに及ばざる也
是かへるとかへざるとは地理の高抵路次の遠近測数
の大小によるなり何れも用捨の心得第一なり
夫天口地口の両術は其所を進退して遠近高深を
知る術なり是量地の本術と心得べし以下に挙る所
一の法は其所を動かずして面前にあり合ふもの人家
あるひは塀構など其間数の知れたるものを種として
一其遠近高深を知る術にていづれも機に臨み変に
応じ其態異なるなりゆへに今其一二を録して大
一略を示す宜く此例にならふて平生熟錬せば千
一態万状おのづから其術を得べきなり
別房俱量江
○第一章
一此法は望む所の人家あるひは木石山川等の類何に
ても種になるべきものゝ間数を知て其所までの
遠近を知るなり
たとへば図のごとき向ふの民家長さ二間と知て此所にて
前にいふ法のごとく鎌二尺の所へ渾発をさし込み其
家幅を渾発の口に夾み合せ其口を種二間の口とし
一以て繰二尺をはかりて向までの遠近を知るなり其渾発
の口一寸六分あれば是を種二間の口として鎌二尺をはか
コンハスノロ
るに十二夾半あり即二間づゝの口なるゆへ向までの遠さ
二十五間と知るなり
○第二章
一此法は前術と少しもかはることなしたゞ其望む所
ヿコンハスノ口
の種斜なるゆへ渾発の口を図のごとく斜に用ゆるなり
以下正斜ともよく此理を窺ふべし
たとへば向に斜なる塔あり此幅一間半と知り是を種と
して渾発の口を斜にし向ふ目当の斜に合ふやうに
法のごとし見こみ其渾発の口を見るに一寸あり是を
一種一間半の口として鎌二尺をはかるに二十夾あり是
一向までの遠程三十間と知るなり
又此二法を施さんと思へども目当の間数此方にて知
れざるときは先此法のごとくして其渾発の口を印し
一置而して後彼地へ行き其目当の間数を知て後その
遠程を知るも同理なり又向ふ望む所に種とすべき物
一なきときは此方にて何なりとも種となるべきものゝ間
一枚をはかり置て彼地にゆきて此法を施すもまた
八度則量法
一日江府室前
可なり何れも此法を前後したるなり
○第三章
一此法は堂塔などの高さを求めんとするとき其幅の
一間数を知りそれを種として量るなり
たとへば図のごとき五重の塔ありて其高さを求めん
と思ふとき其下の重の一方を歩み見るに其幅三間
あり是を種とし又其高さを目量するに凡二十間ばかり
あるゆへ一町ほど後へ退きて法のごとく渾発を以て彼三
間の種を夾むに其口一寸あり是を種の口とし又法の
ごとく高さを竪に夾むに其口六寸あり紙にしるし置
彼種の口を以て是を量るに六夾なるゆへ高さ十八間と
知る也又此ごとく余り遠からぬ所にて高さを量るに渾
発の口大になりて夾みかぬるものあり其時は渾発を鎖
一尺の所へ指こみて法のごとくすれば其口小にして
よく夾めるなり遠程を量る時も亦是に同し
○第四章
此法は向の目当とすべきもの爰にあるものと同間間同
一尺なればまづ向の種とすべきものを夾み扨爰にあ
る物の間尺を知て即向の種の間尺とする也
たとへば図のごときは相州鎌倉鶴が岡境内などの趣なり彼
地十八町の間に鳥井四ッあり一の鳥井二の鳥井と同じ
間数なるゆへ一より二の鳥井を夾みて一の鳥井の間数を一
量り是を向ふ夫みたる鳥井種の間数として其辺の
もの広狭あるひは遠近なりともはかり知るなり其法
第二章及次の五章とかはることなし
○第五章
貫通百五十錢
□□□□□□□□
一此法は正面望む所の人家或は垣門の類何によらず種に
なるべきものゝ間数を知て道路などの広狭を知る也
たとへば先渾発を開き向の平門より求めん。欲する所の列
樹までを斜に一夫に見らみ其口を見るに五寸七分あり
是を紙に突とめ置又平門の幅二間といふことを知り是
を種として法のごとく渾発を以て夾むに其口三分あり種
一二間の口とし是を以て夷とめ置たる渾発の口五寸七分を
量れば十九夫あり即二間の口十九なるゆへ向の広さ三十八間
と知るなり○若此法を施さんと思へども向に種とすべき
ものなきときは何なりとも向の印になるべきものより
十間なりとも一町なりとも傍へ隔てゝ印を立させ是を種
一として広狭又は遠近などを量るもよろし
○第六章
此法は向に樹林河岸あるひは城廓堂社等見ゆ
一れども前に江河水田などありて行かれず其種
一とすべき間数の知られざるとき行人の歩数を
一考へて其種の間数を察し以て広狭あるひは
此所ノ
此所ノ
足カズヲ
見テ
タ子ト
スル也
一遠近などを求むるなり
たとへば囲のごとき林の広さを求めんとするに左右に
一目当の種とすべきものなきとき其辺に路次などありて
一人の通行するあれば其前の稲むらなりとも目標にして
一其所より林の口まで通り来る歩数をかぞへ見るに
一二十歩あり是を十歩三間の矩を以て其間を六間の
場として渾発の口に交み其口を積六間の口として又
一前法のごとし林の広を見こみ其渾発の口を突留置
種の口を以て是を量りて林の広狭を知るなり
此章および次の呼吸の
一又江河などを隔てゝ人家等を望み其下を通行する人
一法と第十章の術とは
の奇数を見て其家幅を察し是を種とするも亦宜し
其大声を得るの術のみ
又船中において此法を施すことありたとへば舟に居て
唯其時にのぞみての
一機転にして実に急卒
前面の岸などを通行する人を見るとき其歩み数
舟の櫓を押す声のキイリ〳〵といふ一声の間に幾足ゆ
の務を専用とするゆへ
くとして其櫓数をかぞへてあれより是まで来る間
天口地口等の術の正測
に同じく思ふべからず偏
一樟数何ほど一櫓に幾足といふ積にて十歩三間の矩
を以て其櫓数を量りて間数を知るなり或は一櫓に
に童蒙の閉識をひろ
めんため是を通録す
四歩行くとして其櫓数六十なれば二百四十歩なり
一尚機に臨み変に応
是を十歩三間の積にして量れば八十間と知るなり
じ宜く撰用すべし
一此法尤軍法に益ありといふ然ども是等の術及次の
一十歩にて三間二百歩に
一章などは人々身の長短肥痩によつて歩数に大小あ
て一町は是古法なり
れば用捨心得あるべきなり
○第七章
一此法は向面に道などありて種とすべきなれども中
一途に樹林或は村家等ありて面前を遮りしは通
一行の人を見るとき我呼吸に合せて其人の歌数
を量りて其種の間数を求むるなり
たとへば林の右より左へ行く人を見るとき其人の林
の口に至らざる前に此方にて其行人の歩数を我呼
一吸に合せて調子を求む尤前にもいふごとく人々愛行し
に遅速あれば其揃林に入らざる前通行の陰の見ゆ
るとき一歩より十歩まで指をりかぞへ何ほどの調子
と覚へをき林中に入りて行歩の見へざるに至て今朝
め置たる調子を以て林の左へ出るまでを我呼吸の数に
合せて彼行人の歩数を察し例のごとく十歩三間の
八度則量去
矩を以て其間数を求めこれを種として遠近広
一挟等をはかり知るなり
○第八章
一此法は向面目当の種を見こむといへども渾発の
一口あまり微少にして其測量の慥ならざるとき
施すべきの術なり
たとへば向目当の間数を知て其を種として渾発の口
に交むに甚微少なかときは手元より五六尺も向ふへ
仮枕を立て図のごとく横木を一文字に出し再本場
より其横木と向の目当とを一直線に見こみ其渾発
の口の横木に合ふ所の左右へ針を二本打て印をつけ其
口を渾発にて夾み是を以て五尺先ならば其五尺を量
りて其遠程を知るなり
○第九章
此法は向までの遠程を求めんと欲するに水田等あり
て目当の種とすべきものなく又天口術等も施しがた
きとき向へ一文字に間数を進みて標を立させ其を
一種とし傍へ斜に退きて其遠程を求むる也
たとへば有合ふ辻堂より向面の一本松までの遠程を知
らんと思へども向にも種とすべきものなきゆへ先見こみに
十間か一町か正直に向ふへ目標の杭をうたせ辻辻堂より
間数にかゝはらず斜に傍へより此所にて彼辻堂と目
枕の枕とを夾み其口を突とめ置種の口とす又辻堂
より彼一本松まで一はさみに見こみ其口をしるして
彼種の口を以て量り其体程を知るなり尤繰は二反
とも辻堂の方へのばすなり
十一
一貫通葺
四月信馬六人
○第十章
此法は向面に道路などありて其遠近を知らんと欲
するに目当の種とすべきものなきとき往来の人を
見て是を種として其遠近を求むるなり
たとへば向の波戸を望むに行人の外目当とすべきもの
なきゆへ彼是四五人も其行人の身の長を渾発に交々
一各其口をしるし置是を平均して長からず短からざる
所をとりて其口を人長五尺の口とし是を三倍して
一二間半の口として二尺の鎖を量りて其遠程の間数を
知るなり
因に曰二尺の繰を以て法のごとく人長を夾む其渾発の
一口の寸分によつて各其遠程を得るの表大略左に記
して児童の便頭蓋是等の術は前にもいへるごとく人々の
一求表の算法にいはし
肥痩長短によつて其数異なれば必然として専用すべき
一人の長五尺に繰二尺
にあらず無拠ときの法と知て小差を論ずることなかれ
を乗じ渾発の口を
種間人長五尺
一種間人長五尺鎌二尺を用ゆ
以て除き又間法六尺
渾発口求程渾発ノ口求程
求程
を以て除きその求
一分百六十六間半餘一分半百十一間餘
一程の遠近を得るなり
二分八十三間余
二分八十三間餘二分半六十六間半餘
又便利によりては繰
三分五十五間半餘三分半四十七間半餘
一尺にて見こむも亦
四分四十一間半餘四分半三十七間餘
可なり繰一尺にて見
こむときはたとへば渾発
五分三十三間餘五分半三十間餘
の口一分なれば八十三間
六分二十七間半餘
六分二十七間半餘六分半二十五間半餘
一余二分ならば四十一間半
七分二十三間半餘七分半二十二間餘
八分二十間半餘
余はこれにならへ
一餘いづれも下の表の求
一程半分と心得べし
○第十一章
八度則量去
十二
貫通済堅固
関川伝士江
種枕の図式
又一式
此法は向面の遠近広狭を量らんと思へども目当の
一種にすべきものなきとき図のごとく一間か二間が間を
一あけ杭を二本打せ其を種とし又は一本の杭に一間か
一二間の竿を横に結つけ左右に白紙などをつけ見へ
一易くして其を種とし或は上下に横木を出し其
一間を一間か二間とし是を種として其遠近広狭を
求むる也総て天口地口の術にては進退して其種を求め
又は間数の知れたる宅舎長家門塀石垣等を積と
すること定例なれども其物なきときは此法を用ゆ
枕を以て日当の種を設くること上層に図するが如し
而して其広狭及遠近を量るの法はいづれも前條の
ごとし今其遠近を求むる表の大略を左にしるす
種芋一間鎖二尺を用ゆ
又一式
渾発口求程
渾發口求程渾發ノ口求程
五厘四百間六厘六毛三百間
此アイが一間
一分二百間一分半百三十三間餘
鯰
二分百間二分半八十間
一表を求むる算法は渾発
三分六十六間半餘三分半五十七間餘
一の口を以て繰二尺を除き
四分五十間四分半四十四間餘
て其求程を得るなり
五分四十間五分半三十六間餘
又種竿二間なるときは
六分三十三間餘六分半三十間半餘
渾発の口一分にて遠程
四百間也二分ならば二百
七分二十八間半餘七分半二十六間半餘
八分二十五間八分半二十三間半餘
一間各下の表を倍して得
九分二十二間餘九分半二十一間餘
るなり又種竿三間な
一寸二十間餘はこれに准じて知るべし
るときは三倍して其求
○第十二章
一程を得かと知るべし
文政則量去
十三
貫通斎堅識
十五
⑦
一此法は向一ツの種を求めて繰を渾発の左右につけ
其向面の遠近広狭正斜屈曲の分間を知る術也
一先図の如くのより㊃への間数は
假に一
間とす
心を知り是を種とし法の
ごとく渾発の口に夾み種の口として其鎖を量り
段に七夾あり
として七間とす
て其遠を知り扨の洋発の尖を問へ移し其尖にも鉾を
其繰は正斜に随て
一種の口を以て㊃より
付て図のごとくに見こみ
屈伸して見こむ也
への渾発の口及心の繰を量り其広及遠を知り又㊃乃渾
一発の尖を㊁へ移し前の如くして其広遠を知るたとへ屈曲
数多ありとも皆此の如くして求むるなり凡城郭塹溝めの
正斜屈曲も粗此法によつて其大学を知るべし
○第十三章
此法は天口地口の術及以下の章にても其遠近広狭を
量りたるとき其数差あるや否を試る術なり
玉
十二関
五
…十二間……
これ下の
図を縮め
たるもの也
たとへば向ふ目当までの遠さ百三十間と量るとき其場
より二十間ばかり進みて洋発の口の動かざるやうに鎖を
ちゞめて見こみ渾発の口にて其鎖をはかるに百十間と
ならば此量数差なきなり退くも亦同理なり
又目当までの遠さ五十間其広さ十二間と量り得る時
まづ二尺の鎌を五ツにわれば其鎌は十間の口なり今この
口を少し大くか小しかにして鎌及渾発の口を五十間
と十二間とに合せ同場にてふたゝび日当を見こむに能
其口に合ひたれば此量数差なきなり猶此のごときの
法多しといへども事繁ければ今これを略す余は此数
條の法によつて准知せば事に臨て自得すべきなり
窺望心計示蒙畢
一口引引
貫通齋藏版近刻書目
弧度測量法全三冊金塘福田先生編門人肥前嶋原藩興村一平訂
此書は高山峻嶺を図り国郡地域を撰写し波濤渡海を求むる真理を載せて其業を大成す
すべて遠近高低浅深広狭の量り方土法のことき見盤量盤等の迂図の術を用ひず新製の一
囲黒を用ひ漂白水先生新偏の真数八線表に依て其功まむ所を求むるの法なり此事に預る
吏又は夷嶮渡海の人此書に依らば測量の精妙自在なるべし
同篇
醫方算法
門人摂州佐井寺村赤井悦斎訂
此書は諸薬酒剤加氏の比例法より信楽絵中小青龍湯の多味なる業朝龍祭牡蠣桂枝加大
黄湯に物氏の度量衡考によりては煮ること能はざるの分量を論じ波音前尺及玉又の真漿を
求むる算法を著し徂徠の誤を訂正し綺斤目を濁る一家の早算を附す
貫通齋漫筆同篇一名金塘夜話
貫通齋漫筆
同篇一名金塘夜話
此書は紀行のたぐひ小越七崎の魁たる風火穴は所謂火井にして地中に潜伏する所の陽気遂に着照て
沸騰し火気を地上に発するなり若地脈をつたひ水筋に大移して地上に発すれば則温泉となる
の図を載せてこれを明弁し又臭水は気草に所謂石脳油のたぐひ悪臭ある故に方言に左いふのみ
是亦土中に随伏する所の陽気蓋蒸蒸して水中に支出する者よりこれを用ひて水銀に代へて彼
竹山居士の応気筒と多けられし寒暖井降器を製し試みに浮沈殊に速なるの説に酋長き尺餘に
して絹針も入がたき微にのれへ右の沙を入み法別て怪き風狸は長節陰陽の凡急迫してなる理より大地に
より水気に映して蜃楼を見るの囲及猶数十ヶ條の崎あり凡先生越路遊歴中な々の考を記せし随筆也
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