[1309]
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[1310]
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[1311]
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[1312]
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[1313]
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[1314]
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[1315]
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らひてともえの給ひやらすいとくるしけなる御心ちにものをおほしおとろきた
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ものおほゆるひまにわたらせ給へうきこえよそなたへまいりくへけれとうこき
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ての給ふまいりてしかなんきこえさせ給とはかりきこゆわたり給はむとて御ひ
たひかみのぬれまろかれたるひきつくろひひとへの御そほころひたるきかへな
としたまてもとみにもえうこい給はすこの人〻もいかにおもふらんまたえしり
給はてのちにいさゝかもきゝ給ことあらんにつれなくてありしよとおほしあは
せむもいみしうはつかしけれは又ふし給ぬ心ちのいみしうなやましきかなやか
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心ちすとおしくたさせ給ふものをいとくるしうさま〱におほすにはけそあか
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給はゝおなしさまにきこえさせ給へとまうすなけい給へるけしきはきこえ出す
されはよといとわひしくて物もの給はぬ御まくらよりしつくそおつるこのこと
にのみもあらす身のおもはすになりそめしよりいみしうものをのみおもはせた
[1328]
てまつることゝいけるかひなくおもひつゝけ給てこの人はかうてもやまてとか
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いていふかひなく人のことによりていかなるなをくたさましなとすこしおほし
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にみゆるやうはあらしかしとすくせうくおほしくしてゆふつかたそなほわたら
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かりたまうていとみたりかはしけにはへれはわたらせ給ふも心くるしうてなん
このふつかみか許みたてまつらさりけるほとのとし月の心ちするもかつはいと
はかなくなむのちかならすしもたいめのはへるへきにも侍らさめり又めくりま
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かちにならひはへりにけるもくやしきまてなんなとなき給ふ宮も物のみかなし
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ひんかしおもては屏風をたてゝもやのきはにかうそめのみき丁なとこと〱し
きやうにみえぬ物ちんのにかいなんとやうのをたてゝ心はへありてしつらひた
り山とのかみのしわさなりけり人〻もあさやかならぬ色の山吹かいねりこきき
ぬあをにひなとをきかへさせうすいろのもあをくちはなとをとかくまきらはし
て御たいはまいるをむなところにてしとけなくよろつのことならひたる宮のう
ちにありさま心とゝめてわつかなるしも人をもいひとゝのへこの人ひとりのみ
あつかひをこなふかくおほえぬやむことなきまらうとのおはするときゝてもと
つとめさりけるけいしなとうちつけにまいりてまところなといふかたにさふら
ひていとなみけりかくせめてもみなれかほにつくり給ふほと三条殿かきりなめ
りとさしもやはとこそかつはたのみつれまめ人の心かはるはなこりなくなむと
きゝしはまことなりけりとよをこゝろみつる心ちしていかさまにしてこのなめ
けさをみしとおほしけれは大殿へかたゝかへむとてわたり給にけるを女御のさ
[1371]
とにおはする程なとにたいめしたまうてすこしものおもひはるけところにおほ
されてれいのやうにもいそきわたりたまはす大将殿もきゝ給てされはよいとき
ふにものし給ふ本上なりこのおとゝもはたおとな〱しうのとめたる所さすか
になくいとひきゝりにはなやいたまへるひと〱にてめさましみしきかしなと
ひか〱しきことともしいて給うつへきとおとろかれたまうて三条殿にわたり
給へれは君たちもかたへはとまり給へれはひめ君たちさてはいとをさなきとを
そゐておはしにけるみつけてよろこひむつれあるはうへをこひたてまつりてう
れへなき給ふをこゝろくるしとおほすせうそこたひ〱きこえてむかへにたて
まつれ給へと御返たになしかくかたくなしうかる〱しのよやとものしうおほ
え給へとおとゝのみきゝ給はむところもあれはくらしてみつからまいり給へり
しん殿になむおはするとてれいのわたり給かたはこたちのみさふらふわかきみ
たちそめのとにそひておはしけるいまさらにわか〱しの御ましらひやかゝる
人をこゝかしこにおとしをき給てなとしむ殿の御ましらひはふさはしからぬ御
こゝろのすちとはとしころみしりたれとさるへきにやむかしよりこゝろにはな
[1372]
れかたうおもひきこえていまはかくくた〱しき人のかす〱あはれなるをか
たみにみすつへきにやはとたのみきこえけるはかなきひとふしにかうはもてな
し給へくやといみしうあはめうらみまうし給へはなにこともいまはとみあきた
まひにける身なれはいまはたなほるへきにもあらぬをなにかはとてあやしき人
〻はおほしすてすはうれしうこそはあらめときこえたまへりなたらかの御いら
へやいひもていけはたかなかおしきとてしゐてわたり給へともなくてそのよは
ひとりふし給へりあやしう中そらなるころかなとおもひつゝ君たちをまへにふ
せ給てかしこに又いかにおほしみたるらんさまおもひやりきこえやすからぬ心
つくしなれはいかなる人かうやうなることをかしうおほゆらんなとものこりし
ぬへうおほえ給あけぬれは人のみきかむもわか〱しきをかきりとのたまひは
てはさて心みむかしこなる人〻もらうたけにこひきこゆめりしをえりのこし給
へるやうあらむとはみなからおもひすてかたきをともかくももてなしはへりな
むとおとしきこえ給へはすか〱しき御心にてこの君たちをさへやしらぬとこ
ろにゐてわたし給はんとあやふしひめ君をいさたまへかしみたてまつりにかく
[1373]
まいりくることもはしたなけれはつねにもまいりこしかしこにもひと〱のら
うたきをおなし所にてたにみたてまつらんときこえ給ふまたいといはけなくお
かしけにておはすいとあはれとみたてまつり給てはゝ君の御をしへになかなひ
たまうそいと心うくおもひとるかたなき心あるはいとあしきわさなりといひし
らせたてまつり給ふおとゝかゝることをきゝ給て人わらはれなるやうにおほし
なけくしはしはさてもみ給はてをのつから思所ものせらるらんものを女のかく
ひきゝりなるもかへりてはかるくおほゆるわさなりよしかくいひそめつとなら
はなにかはおれてふとしもかへり給ふをのつから人のけしき心はへはみえなん
とのたまはせてこの宮にくら人の少将の君を御つかひにてたてまつり給ふ
  ちきりあれや君をこゝろにとゝめをきてあはれとおもふうらめしときくな
をえおほしはなたしとある御ふみを少将もておはしてたゝいりに入給ふみなみ
おもてのすのこにわらうたさしいてゝ人〻ものきこえにくし宮はましてわひし
とおほすこの君はなかにいとかたちよくめやすきさまにてのとやかにみまはし
ていにしへをおもひいてたるけしきなりまいりなれにたる心ちしてうゐ〱し
[1374]
からぬにさも御覧しゆるさすやあらむなとはかりそかすめ給ふ御返いときこえ
にくゝてわれはさらにえかくましとのたまへは御心さしもへたてわか〱しき
やうにせしかきはたきこえさすへきにやはとあつまりてきこえさすれはまつう
ちなきてこうへおはせましかはいかに心つきなしとおほしなからもつみをかく
いたまはましとおもひいて給ふになみたのみつらきにさきたつ心ちしてかきや
り給はす
  なにゆへか世にかすならぬみひとつをうしともおもひかなしともきくとの
みおほしけるまゝにかきもとちめ給はぬやうにてをしつゝみていたしたまうつ
少将は人〱ものかたりして時〻さふらふにかゝるみすのまへはたつきなき心
ちし侍るをいまよりはよすかある心ちしてつねにまいるへしないけなともゆる
されぬへきとしころのしるしあらはれ侍る心ちなむしはへるなとけしきはみを
きていて給ひぬいとゝしく心よからぬ御けしきあくかれまとひたまふほと大殿
の君はひころふるまゝにおほしなけく事しけし内しのすけかゝることをきくに
われをよとゝもにゆるさぬものにのたまふなるにかくあなつりにくきこともい
[1375]
てきにけるをとおもひて文なとは時〻たてまつれはきこえたり
  かすならはみにしられまし世のうさを人のためにもぬらす袖かななまけや
けしとはみたまへとものゝあはれなるほとのつれ〱にかれもいとたゝにはお
ほえしとおほすかた心そつきにける
  人のよのうきをあはれとみしかともみにかへんとはおもはさりしをとのみ
あるをおほしけるまゝとあはれにみるこのむかし御中たえのほとにはこの内し
のみこそ人しれぬものにおもひとめ給へりしかことあらためてのちはいとたま
さかにつれなくなりまさり給うつゝさすかにきんたちはあまたになりにけりこ
の御はらには太郎君三郎君五郎君六郎君なかの君四の君五の君とおはす内しは
大きみ三の君六の君二郎君四郎君とそおはしけるすへて十二人か中にかたほな
るなくいとおかしけにとり〱におひいてたまける内侍はらのきんたちしもな
んかたちおかしう心はせかとありてみなすくれたりける三の君二郎君はひんか
しのおとゝにそとりわきてかしつきたてまつり給ふ院もみなれたまうていとら
うたくし給ふこの御中らひのこといひやるかたなくとそ