[1859]
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[1860]
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[1881]
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り侍れは身をすてゝも思ふたまへたはかり侍らんときこゆわれも人めをいみし
くおほせはひとかたにうらみ給はんやうもなし夜はいたくふけゆくにこのもの
とかめするいぬのこゑたえす人〱をひさけなとするにゆみひきならしあやし
きをのことものこゑともして火あやふしなといふもいとこゝろあはたゝしけれ
はかへり給ほといへはさらなり
  いつくにか身をはすてんとしら雲のかゝらぬ山もなく〱そゆくさらはは
やとてこの人をかへし給ふ御けしきなまめかしくあはれに夜ふかき露にしめり
たる御かのかうはしさなとたとへんかたなしなく〱そかへりきたる右近いひ
きりつるよしいひたるに君はいよ〱おもひみたるゝ事おほくてふし給へるに
いりきてありつるさまかたるいらへもせねとまくらのやう〱うきぬるをかつ
はいかにみるらんとつゝましつとめてもあやしからんまみをおもへはむこにふ
したりものはかなけにおひなとして経よむをやにさきたちなんつみうしなひた
まへとのみおもふありしゑをとりいてゝみてかき給してつきかほのにほひなと
のむかひきこえたらんやうにおほゆれはよへひとことをたにきこえすなりにし
[1923]
は猶いまひとへまさりていみしと思ふかのこゝろのとかなるさまにてみんとゆ
くすゑとをかるへきことをのたまひわたる人もいかゝおほさんといとをしうき
さまにいひなす人もあらんこそおもひやりはつかしけれとこゝろあさくけしか
らす人わらへならんをきかれたてまつらんよりはなと思つゝけて
  なけきわひ身をはすつともなきかけにうき名なかさんことをこそおもへお
やもいとこひしくれいは事におもひいてぬはらからのみにくやかなるもこひし
宮のうへをおもひいてきこゆるにもすへていまひとたひゆかしき人おほかり人
はみなをの〱ものそめいそきなにやかやといへとみゝにもいらす夜となれは
人にみつけられすいてゝゆくへきかたをおもひまうけつゝねられぬままに心ち
もあしくみなたかひにたりあけたてはかはのかたをみやりつゝひつしのあゆみ
よりもほとなき心地す宮はいみしき事ともをのたまへりいまさらに人やみんと
おもへはこの御返事をたに思ふまゝにかゝす
  からをたにうきよの中にとゝめすはいつこをはかと君もうらみんとのみか
きていたしつかの殿にもいまはけしきみせたてまつらまほしけれと所〱にか
[1924]
きをきてはなれぬ御中なれはつゐにきゝあはせ給はん事いとうかるへしすへて
いかになりにけんとたれにもおほつかなくてやみなんと思ひかへす京よりはゝ
の御ふみもてきたりねぬる夜の夢にいとさはかしくてみえ給つれはす経所〱
せさせなとし侍をやかてそのゆめのゝちねられさりつるけにやたゝいまひるね
して侍ゆめに人のいむといふ事なんみえ給へれはおとろきなからたてまつるよ
くつゝしませたまへ人はなれたる御すまゐにてとき〱たちよらせ給人の御ゆ
かりもいとをそろしくなやましけにものせさせ給ふおりしも夢のかゝるをよろ
つになん思給ふるまいりこまほしきを少将のかたの猶いと心もとなけにものゝ
けたちてなやみ侍れはかた時もたちさる事といみしくいはれ侍りてなんそのち
かきてらにもみす経せさせ給へとてそのれうのものふみなとかきそへてもてき
たりかきりと思ふいのちのほとをしらてかくいひつゝけ給へるもいとかなしと
おもふてらへ人やりたるほと返事かくいはまほしきことおほかれとつつましく
てたゝ
  のちにまたあひみんことをゝもはなんこの世の夢にこゝろまとはてす経の
[1925]
かねの風につけてきこえくるをつく〱ときゝふし給へり
  かねのをとのたゆるひゝきにねをそへてわかよつきぬときみにつたへよく
わんすもてきたるにかきつけてこよひはえかへるましといへは物のえたにゆひ
つけておきつめのとあやしくこゝろはしりのするかなゆめもさはかしとのたま
はせたりつとのゐ人よくさふらへといはするをくるしときゝふし給へりものき
こしめさぬいとあやし御ゆつけなとよろつにいふをさかしかるめれとみにくゝ
おひなりて我なくはいつくにかあらんとおもひやり給もいとあはれなり世中に
ゑありはつましきさまをほのめかしていはんなとおほすにはまつおとろかされ
てさきたつなみたをつゝみ給てものもいはれす右近ほとちかくふすとてかくの
みものをおもほせはものおもふ人のたましゐはあくかるなるものなれはゆめも
さはかしきならんかしいつかたとおほしさたまりていかにも〱おはしまさん
なんとうちなけくなへたるきぬをかほにをしあてゝふしたまへりとなん