嘘つき村(二)
- AI要約 (β)
- この文章は、嘘つき村に住む人々の会話を描いたものです。主人公が嘘つき村を訪れ、少女福原さんや子供と話をします。村の住人は皆嘘つきで、主人公は正直者を探そうとしますが、結局誰も正直ではないことが分かります。子供とのやり取りでは、父親が富士山をひっくり返すために出かけたとか、母親が大海で洗濯しているなどの嘘を聞かされます。最終的に、主人公は嘘つき村の住人たちの嘘に振り回され、正直者を見つけることができずに終わります。
- pid
- 1321178
- date
- 1933-02
- note
- 商品番号 : 52588, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1933
- genre
- 落語
- creators
- 柳亭 芝楽
- duration
- 200
- persName
- 柳亭 芝楽
- publisher
- ビクター
どうもありがとうございます。聞かないことは分からない。
一件二件三件目と九件。少女福原さん。
はい。
鉄砲屋だったのうちらこちらかね。
屋だったのうちなら五件先で。
大使か。どうもありがとうございます。
五件と九件。少女福原さん。
はい。
鉄砲屋だったのうちらこちらかね。
屋だったのうちなら五里先だよ。
大変遠くなってきたな。
そんなに遠い。
あ、嘘つき村。嘘つき村。
え、委員長さんがそう言ったよ。
みんな住んでる奴は残らず嘘つきだってか。
こいつは嘘つかれてるんだね。
もう一生聞いても分からないよ。
これは弱ったな。残念だね。
ここまで来て分からないって帰るな。
誰か正直者。あ、子供がいる。
子供って言われて正直なんだ。
坊や坊や。何だよおじさん。
ごめんに聞いたら分かるんだな。
嘘つき村ってのはここだな。
えっと、ここに。あ、そうだ。
鉄砲用紙という嘘つきの名人がいるそうだ。
うちはどこだか教えてくれ。
屋内ならおじさんはあたいのお父さんだよ。
あ、そうか。いい言葉。正直だな。
うちはどこだ。ここか。立派な家だ。
おじさんはな、東京から来た嘘つきの名人だよ。
うん。お父さんと問答しに来たんだが。
お父さんいるかい。
気の毒だけどおじさんお父さんいねえんだよ。
そりゃいけねえな。
どこ行ったい。
あのね、富士の山がひっくり返そうになったってね。
電話かかったもんだから、おせんこ三本持って使い棒に行ったよ。
何を言やがんだい。大変なガキだな。
子供は正直当てんならねえねえ。
お母さんどうした。
ならんだいぶさ、あの根巻が汚れたってね。
大海の小水洗いに行ったぜ。
何を言やがんだ。大きな嘘つきやがったな。
おめえ何してんだ。
巻十羽食べろってなかなか食べられないんだよ。
五羽食べたんだけど五羽残ってない。
おじさん食べるかい。
何を言やがるけ。
また来るぜ。
おじさんおい。そりゃ嘘だよ。おじさーん。
何だい。
あたゆに負けて逃げるくらいじゃ、
所詮お父さんに金はしないや。
ばかやーいとしょうがねえねえ。
大きな声ばっかり出してやって。
早く巻を物置きしまっちゃえ。
お父さん。
何だ。
東京から嘘つきの名人がねえ、
お父さんと問答しに来たよ。
けれどもいねえって断ってやった。
このやら正直だ。
てめえみたいな正直もんじゃ、
ろくなもんならねえぞ。
けれどもんねえこと言ったんだよ。
お父さんどうしたってからね、
あの藤の山はひっくる返そうになったから、
お線香三本持って、
つっかえぼんにいたすってやった。
お姉が言ったのか。
お姉が。
ふっふっふ。
大きな嘘つきやったな。
返し返し。
そうか。うん。
お母さん聞いたからね。
ならんだいおじさんの寝巻きが汚れたからね。
大海の骨で洗いにいたすってやったんだよ。
驚いてやったの。
あたえ何してんだってからね。
巻きじゅっぱあの食べろってんだと、
なかなか食べられないんだ。
おじさんご飯残ってるから食べろかって言ったら、
そんなもん食えないってね、
逃げ出したよ。
はっはっはっはっはっは。
おめえにおめえ負けて逃げるクレイジーや。
そのやらはもぐりの嘘つきだ。
そうか。
あんまり慌てて逃げたもんだね。
神色落としたん。
そのやらかよ。
うんうん。
あげたらお父さん十五円。
子供が大金持ってるとお前さんに惹かれるぜ。
いやこう、そのくせにお礼に出せ。
当たったらそりゃ嘘だい。