ぶたれ屋(一)
- AI要約 (β)
- ある男が「ブタレ屋」という商売を始めました。彼は自分のほっぺたを殴らせることでお金を稼ごうと考え、人通りの多い場所で「横面1回10銭」と書いた看板を掲げて営業を始めます。顔の正面や頭は高額で、足の裏は安価です。ある日、自動車の運転手に対する不満を抱えた客が訪れ、横面を殴ることでストレスを発散します。商売は順調で、紳士的な客も訪れますが、時にはサービスを要求されることもあります。ブタレ屋は、客とのやり取りを通じて商売の難しさを感じつつも、続けていきます。
- pid
- 1322483
- date
- 1935-02
- note
- 商品番号 : 53349, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1935
- genre
- 落語
- creators
- 林家 正蔵
- duration
- 207
- persName
- 林家 正蔵
- publisher
- ビクター
興奮している場合に、人の横目などをスパッと行くのは実に痛快でございますが、
すごく無闇に知らない人の横リップを殴るってわけにもいきませんね。
その間の心理状態を利用して、自分のほっぺたを犠牲にしてお金を儲けようと考えついた一人の男が、
ブタレ屋というのを開業して、胸のところに大きくブタレ屋1階10銭と書いて、
人通りの多いところに来て番を掛けております。
ええブタレ屋でござい。
オーラブタレ屋。
オーラブタレ屋でござい。
オーラあったかいブタレ屋。
出来立てのブタレ屋。
ブタレ屋の開業式。
オウ、ブタレ屋。
いらっしゃい。
毎度ご刺激に。
10銭でいいのか。
へ?
10銭で結構でございます。
よし、さあ10銭やろう。
どこを殴ってもいいんだな。
無茶なことしちゃいけませんよ。
顔の正面はいけません。
目やなんかありますからね。
横面です。横面1階10銭。
頭は脳で大事なとこですから、ここは30銭。
足の裏ですと、これ3銭。
足の裏など殴ったら違うね。
よし、じゃあ横面行ってやろう。
だいたい100銭下がろう。
何がそんな100銭下がるんだよ。
あそこで自動車の運転手が番掛けたんだよ。
2日までいくらで行くって言ったら、お前8コンだって言うんだ。
30銭に曲がんないかって言うとダメだって言うんだよ。
30銭でなきゃ乗らないって言うと、
あんなとこを30銭値段作るような、
分からんの奴はお弔いの自動車に乗られてるんだ。
こっちは追っかけて行って引っ張られてやろうと思ったけど、
向こうは自動車でこっちは歩いてんじゃないか。
落ち着かないから、てめえの横ずっぽを殴るんだ。
お弔いの自動車に乗られてるのはどういうわけだよ。
生意気なこと言うなよ。
痛いですね。
痛いように殴るんだ。
何言ってんねん。
あなた1回10銭ですよ。
あと20銭ください。
何言ってんねん。
もう2つぐらいサービスしろよ。
痛いね。
商売なかなか楽じゃない。
こっちから言わないうちに向こうでサービスしてやがる。
穏やかでないね。
ブタルヤ君、こんにちは。
はい、いらっしゃいませ。
青年紳士ですね。
言うことが常識的ですよ。
普通の女の子はブタルヤとか何とか言うな。
ブタルヤ君、こんにちはって来るからね。
よろしくですね。
10銭でよろしいですか。
10銭で結果でございます。
10銭でよろしいですかって来るね。
こういう人は紳士的にふわっと来るんだよ。
ありがとうございます。
どうぞ。
重役重役って大きな顔をするな。
トロイさんは言うことが紳士的ですね、どうしても。
自動車の運転手なんて相手にしないんだからね。
重役だからね、相手が重役。
嘘にでも重役ってやるといいかもしれないから。
こっちも重役になったつもりでないと張り合いがないだろうな。
何か女のタイプとばっかりからかってやって
貴様のような重役がいるから社員が苦しいんだ。
たまには社員の月給でもあげること考えろ。
みんなに代わって僕が鉄拳の制裁を加えてやるから。
いいか。