青年に告ぐ(一)

AI summary (β)
我が国は現在、重大な改革期に直面しています。国内では国民生活の再建と経済組織の確立を目指し、正直に勤労する人々が報われる新社会を実現する必要があります。国外では、白人の暴圧からアジアの民族を解放し、新しいアジアを築くことが新日本の理想です。この改革を担うのは、純粋な情熱を持つ青年たちです。幕末の明治維新も若者たちが中心となって成し遂げました。今日の青年も新日本建設の中心勢力となるべきであり、国家のために尽力しなければなりません。ニーチェの言葉を借りれば、古いものを排除し新しいものを取り入れる新陳代謝が重要であり、それが停止することは死を意味します。
pid
1323261
date
1936-01
note
商品番号 : 53685, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 講演
year
1936
genre
講義、講演、演説
creators
(元拓務大臣)永井 柳太郎 閣下
duration
224
persName
(元拓務大臣)永井 柳太郎 閣下
publisher
ビクター
我が国は今まさに重大なる改革期に直面しております。 うちにおいては国民生活を再建設し、 国民能力総動員を目標とする経済組織を確立するとともに、 都会農村を通じていやしくも正直に勤労するものは、 一人二人ともうゆることなき新社会を実現しなくてはなりません。 同時に外においては、過去数世紀にわたる白人戦争の老朽を打破し、 白人の暴圧に虐げられたるアジア庶民族を解放し、 新興アジア建設の使命に向かって邁進することが 新日本の理想であると信じます。 しかしこうしてこの重大なる改革期を担当し、 昭和維新の大業のために第一線に立ちて奮闘すべきものは、 すなわち人生の第一義に生きるとする純情にもゆる青年であります。 幕末の当時、皇権政治七百年の赤兵を打破し、 明治維新の大業を断行したるは、首都して当時の青年でありました。 徳川慶喜の大政奉還の年、最年長者であった西郷南州といえどもなおかつ四十二歳である。 大久保皇棟は三十八歳、木戸後院は三十四歳、 板垣大輔は三十一歳、大熊重信は三十歳、 伊藤春介に至ってはわずかに二十八歳であります。 もし今日の青年にして、自ら新日本建設の中心勢力たる信念を許せず、 いたずらに主職の協力に国家を忘るがごときことあらば、 他日死して、また何の面目あって、地下に幕末維新の当時、 一心一家を捨てて国家再建の大業に準じたる青年志士にまみゆるを得るものぞと思います。 ドイツの鉄人ニーチェは人生を論じて、 生とは一元にして尽くせば新陳代謝だと言うております。 すなわち古き衰えたる裁縫を排斥して、これに恒るに新しき強き裁縫をもってし、 この新陳代謝の最も旺盛なるものは生活力の最も旺盛なるものであって、 この新陳代謝の停止したるときがすなわち死だというのであります。