講談:暗闇の瓦松(四)

AI要約 (β)
この文章は、松太郎という人物の死後、その復讐を果たしたうしまつとこわんの物語です。うしまつは松太郎の敵を討ち、こわんと共に死のうとしますが、途中で止められます。こわんは後に自害し、うしまつは復讐のためにごとべいじを殺します。その後、うしまつは逃亡し、最終的には捕らえられて処刑されます。物語は、うしまつの心情と行動を描いたものです。
pid
1326072
date
1933-05
note
商品番号 : 65915, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 講談
year
1933
genre
講談
creators
神田 伯龍
duration
199
persName
神田 伯龍
publisher
リーガル
こわん、これで松太郎も浮かべるだろう。 まだ、松坊の茂の暖かみの取れねうちに、 敵をとってやったらば、松坊も行くところへ行けるだろう。 あ、うさ、とんだことになったね。 これから先はどうなるのさ。 所詮、生きちゃいられねう親殺し。 ことに天賀の旗元、野政十郎を殺してるし。 オラも所詮、生きちゃいられねう。 オラはどうなってもかまわねう。 オラはここで死んじゃうから、 おめえはあとに残って、 松太郎とオレの母弟を弔うなり、 また嫌味なことを言うようだが、 本当にお前は、 おめえに好きな男ができたら、 それを弟子にして暮らして行くなり、な。 そして、あんたはいいように。 うさ、そんなもぎどうなことを言いでないな。 松坊には死なれ、お前さんには死なれてしまえ。 何を楽しみに生きていられるものじゃないや。 死ぬなら、あたしも一緒に殺しておくれ、 一人この世に残るなんて、 そんなことができるもんかね。 なるほどな。 それもそうだな。 オレは死んじゃったから、 てめえはどんな泣きを見てもかまわねえ。 てな、むごい話だ。 よし、じゃあ、こわん、一緒に死のう。 よし、じゃあ、こわん、一緒に死のう。 死んじゅうしたと笑えば笑え、 おらいながで死ねもしめ、だっきな。 さじおるおんのわぎざしをぬいて、 こわんの手をとって、 どうにりじぞんのうしろへまわってまいります。 かくがいいが。 あ、うさ、もうじゃあ、おさらばだね。 なまみたぶつ、 まて、うしろから、まてというこえびっくりしてふりかえる。 みると、ほんじょでうらのごとべいじ、 これにいけんをされます。 もっともと思ってこわんをあずけ、 ほとぼりのさめるまでたびへでたうしまつ、 ごねんめにかえってまいります。 こわんにめぐりあってきいてみると、 ごとべいじがこわんへのふらつ、 こわんはうしまつへの申しわけにじがいをして死にます。 てをもってころさないでも、 こわんのかたひと、 でうらのごとべいじのところへきりこんでまいります。 これをころして、 こうちやまそうしんのところへにげこんできたとたんに、 そうしんのあぶじろうけん、 そうしんのともをして、 えどをのがれます。 ちしぶのおおみやまでまいりますと、 ここでおてがまわります。 そうしんをにがすがためにみがわりとなって、 とらえられたうしまつ、 おしおきにあがります。 うしまつのこころづくしもむになって、 てんもうかいかいそにしてもらさず、 ついにそうしんもとらえられて、 ろうしをするのがおわりです。 てんぽうろっかせんのうち、 くらやみのうしまつ、 いっせきのぬきよみであります。