講談:野狐三次(三)
- AI要約 (β)
- この文章は、サンジという人物が「コッパ」(おそらく木片や小さな物品)を余らせてしまい、それをどうするかについての会話が展開されています。サンジはコッパを売りに行くことを提案されますが、家の中がコッパでいっぱいで困っている様子が描かれています。さらに、サンジがコッパを買わないことが原因で離縁されるという話が出てきますが、これは冗談であり、最終的には和解し、家族でお茶を飲むことになります。
- pid
- 1326330
- date
- 1932-09
- note
- 商品番号 : 150406, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 講談
- year
- 1932
- genre
- 講談
- creators
- 神田 伯龍
- duration
- 193
- persName
- 神田 伯龍
- publisher
- リーガル
また、コッパが余っちゃったんです。
コッパ?余った?よしよし。
イグラでも買うよう約束だから。
今日何歯余った?
6歯余ったんです。
6歯?よし。
おい、奥!奥め!
あの、サンジはコッパ6歯余ったってから買ってやんな。
おやすみよこの舌。
また悪い道楽だね。
そう毎日コッパばっかり買ってどうすんのさ。
仕事が暇になったら俺は売るに行かん。
何言ってるんだね。
サンジ、お前たまには湧きコッパ売りに行っといてよ。
数日ばっかり持ってこられちゃ困るよ。
もう縁の下から物行きの中までコッパでいっぱいだから。
火事で回るとぶっそうだ。
たまには湧きコッパ。
いいよいいよいいよいいよいいよいいよいいよいいよ、いいよサンジ。
そこ行ってきた。
俺は買うんだから。
俺は稼ぎ人でカカは壊してるんだよ。
コッパ買う俺でカカにグズグズ言われてたまるもんが。
奥め、てめえコッパ買えねえのか?
買ってやれねえの?
いや、言い訳をしろってんじゃないよ。
俺は言い訳綺麗なんだから。
よしよし、俺は極みじけんだ。
買わないでいい。
買わないでいいから、何取るんだよ。
タンスの上の箱、下駄箱。
下駄箱じゃねえよそれ。
あの何だよそれ、すずり箱。
下に半紙もあるだろ。
それ取んない。
これもうグズグズしてんの。
綺麗なんだ。
えーと、うーんとこれと。
あ、一応余計になっちゃった。
いいや。
これ持って名古屋のとこ行ってこいよ。
何だよこれ。
離縁状じゃないか。
離縁状よ。
何で私は離縁されるのさ。
サンジの骨葉買わねえからよ。
ふざけちゃいけないよ。
七年も八年も夫婦になっててね。
骨葉を買わないから離縁されましたなんて
馬鹿なことを名古屋のとこ行っちゃいかれないよ。
家具に合わねえから離縁するんだ。
骨葉を買わないと逆らったぐらいで
どうして家具に合わねえじゃねえか。
考えてみろ。
サンジは骨葉売って買いに行くんじゃねえや。
女親を食わしてるんだ。
その親子をこの骨葉も買えねえような不実な関わり。
俺が周期になれば
うち中のありがねを持って
逃げ出すか何だか知れたもんじゃありゃしねえ。
大げさなこと言わないでもいいやね。
離縁されるくらいなら骨葉買わねえ。
買うだろう。邪魔やめやれ。
なあサンジ。
俺のにはこういう手があるんだ。
いよいよいけないじゃ離縁って手があるんだ。
鷹は惚れてるから出て行きゃいいねえ。
大丈夫だよ。
あ、あ、あ、ちょ。
何だって全然惚れやがって。
おこもじゃねえ。
怒ってやるのか。
馬鹿。
こんなことで怒るやつがあるか。
書いたんだよ。馬鹿だなこいつは。
洒落に書いた。
プリプリ怒ってると俺は姉妹に怒るぞ本当に。
こればかりのことで別れられるか別れられねえか。
夫婦になる前のことを考えてみろ。
そんな仲じゃねえ。
うっとまたお二人の仲はどういう仲だったんでござんでしょう。
またてめえ黙ってろよ。
見ろこいつまで変なこと言やがるじゃねえか。
ひやかされるようなもんだ。
この銭にそっち渡す。
母ちゃんこの銭にさんじ渡してやっとくれ。
そこにコッパー置いときゃいい。
それからどうだもう家行けるんだろ。
お茶一杯飲んできな。
みんなの鉄具もいいだろ。
お茶入れてやれ。
もらった洋館が。
あの洋館でいいよ。
洋館みんなに来てやれ。