素人芝居(一)
- AI summary (β)
- 内容を要約します。 親川衆生が旦那の誕生日を祝うための展示や芝居の準備をしている。昨年も同じ「蘇我」の狂言を行ったが、今年は裏を書き直して新しい演出を加える予定。しかし、主要な役者が来られないため、急遽代役を探すことになる。最終的に、飯炊きのゴンスケに芝居を頼むことに決まる。ゴンスケは最初は戸惑うが、最終的には引き受けることになる。芝居の内容についても話し合いが行われ、江の島や鎌倉の話が出る。
- pid
- 1329897
- date
- 1939-05
- note
- 商品番号 : Z-152, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1939
- genre
- 落語
- creators
- 三升家 小勝
- duration
- 176
- persName
- 三升家 小勝
- publisher
- ビクター
どうも、例年のとおり、親川衆生でございます。
旦那の御誕生を祝す展示、芝居、結構でかいな。
はっは、心さん、吉部さんかい。
本年は狂言は、蘇我を一つな。
昨年も蘇我でございましたな。
昨年は対面から当たり、四季川まで御覧に入れました。
今度は一つ裏を書き直しましてやたらさむろをやしきて。
ああ、結構だな。見物は待ってます。
早く御誕生します。承知いたします。
御免ください。
はい、あの、御一段の中に吉部さんというのは。
ああ、私ですか。早すか。
駒村屋から参りました。お手紙です。
御苦労さん、お付き合い頂くんだ。早く来てください。
え、おい、この鎌倉山の死人の御兵というのは誰がするんですか。
駒村屋の木井さん。
来ないよ。
どうして。
おばさんが案兵衛があるから来られないって言ってんだ。
この芝居するについては五六日前から稽古してんだよ。
おばさんだって知ってんだろ。
おばさんにも異常悪く患られなかったって言ったろ。
異常悪く患られたわけじゃねえか。
あのおばさんはそっかしいから忘れて患らっちゃったんだよ。
誰か帰りはねえだよ。
え、帰りはねえだよ。どうしようもねえんだよ。帰りはねえんだよ。
今夜、吉部さん今夜だけ残ったから、どうする。
店の者一人借りてお付き合い仕事に。
ああ、そうしよう。
だがさ、長いかねえ。吉部さんにしやがねえな。
見物がワンワン騒いでしやがねえ。幕開けませんが。
開かないんで。役者が足りなくなったんで。
どうでかんし、お店の主婦にお芝居にできることは一人もない。
いや、しかしあの、飯炊きのゴンスケ聞いてください。
あの野郎がちょっと落ちてかん。
時々窯の蓋を開けたら、家が立つと言うと、
あら、怪しいやつやなこと言ってますが、
あの野郎が芝居するかもしれない。
いや、もうこん中ゴンスケでもなんでもかまわねえ。
おいおい、ゴンスケ。
はい。
うほ、ラッパケツから吹くな、こいじゃん。
ちょいとこいきな。
あ?
ちょいとこいきな。
どうか、どうかって言ってえの。
俺言ってもお主に頼みがあるんだよ。
おらかに頼みがあるってかい。
おらがこうも言っても、
しんしゅう、たんばじゅまのざい、
あべじこ、むらやくしょう、
ごんざいもののせがれ、
ゴンスケって言っては、
少しは男を立てられたもの。
何を言ってやん。
んなこと聞いてんじゃないよ。
おめえの村に芝居があるか。
口聞くなら気をつけてくれ。
おらが村だって人間が住んでるだろ。
芝居でもむらやくしょうでもなんで言われたん。
この芽なんかやったかい。
この芽はおらが国もと出発のみぎり、
おなごりきょうげんとして、
めっしょうたきにくんぞに
おなごりきょうげんなんとかあんのかい。
井戸からお師匠様が来たってな。
なんかふりつけするっていう。
ああ、結構でございます。
芝居をひとつしてえが、
どんなものがよかったやったところが、
師匠様の言うにはしようとかする。
だから、
なるべくににやかなもんでなければだめだから。
江の島さんだいきはどうだちゅうや。
江の島さん。
おい、江の島さんって聞いたことはないが。
鎌倉さん。
ああ、鎌倉だ。
なるほど、鎌倉通らなければ江の島はいかないね。