朗讀 沙翁劇 ヱ゛ニスの商人(一)(法廷の場)
- AI summary (β)
- この文章は、シェイクスピアの「ベニスの商人」の一部を要約したものです。内容は、シャイロックが法に基づいて訴訟を起こし、裁判で自分の権利を主張する場面です。裁判官は、慈悲の重要性を説き、正義だけでなく慈悲も考慮すべきだと述べます。シャイロックは法に基づいた厳格な判決を求めますが、他の登場人物は金銭で解決しようと提案します。最終的に、裁判官は慈悲をもって法を和らげることが人間の力を神の力に近づけると説きます。
- pid
- 2914983
- note
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- genre
- 文学作品の朗読、解説
- creators
- 坪内 逍遥
- duration
- 198
- persName
- 坪内 逍遥
- publisher
- コロムビア
ベニスの商人、皇帝の馬、シャイロックというのはその法か?
シャイロックは手前でございます。
その法の今度の訴訟は、はなはだ不思議な訴えじゃ。
しかし手続には何の不都合もないから、ベニスの法律の表としては、その法を非難することはできん。
その法の聖子は原告に一任せねばならんように聞いたが、さようか?
はい、さように申しおります。
聖書に対して異議はない?
ございません。
では十が慈悲を施さんければならん。
ならんと仰るのは、どういうよんどころない理由がございますか?
受けとまいりましょう。
慈悲はよんどころなく施すべきものではない。
慈悲は春の子さめのおのずからにして地をうるお砂ごとくに下るものじゃ。
その徳たくは二重である。
慈悲は、これは後うる者にとっても幸福であれば、受ける者にとっても幸福なのじゃ。
慈悲は最も大いなる人にあって、さらに最も大いなる美徳となる。
その徳が天使の胸にあれば、その光は金の冠にも幾倍する。
かの国王が手に持たせられる借は、こんな俗体における威力や尊厳の目印たるに過ぎないが、
慈悲は目に見えぬ心の内に宿る宝で、平成不滅の神の徳じゃ。
従って慈悲をもって、正義を和らぐるに及んで、正道が初めて天道に可能のである。
人間の力がその時初めて神の力に似るのである。
だから十四、おまえはしきりに正義を主張するが、正義ばかりで裁判したならば、
我々どものうちただの一人でも救われる者はあるまい。
お互いに明け暮れ、神に慈悲を祈る。
その心を推しをよこして他人に慈悲を施すのが人情というものじゃ。
かように言葉を費やすは、その方の誠意一遍の申立てをなだめようがためである。
それをおまえが強いて申し上げれば、
私たちの厳格な法廷は、よんどころなくそこにいる聖人に宣告を下さければならん。
手前がひもになれば命をお取りください。
手前は誠意を要求します。
聖書通りの下了を要求いたします。
聖人は金を家へ払わんのか。
いや、金は私が彼に代わって支払います。
ごときんの二倍にいたします。
金を払わんと申しますれば、正義を思わりを表向きで、そこには害心悪意に沿いございます。
ようやくは政府の御原力をもちまして、大義尽道のために、
ひたすらか法律をまげさせられまして、この仁美人命を御聖中下されますように。