落語:かぼちゃ売り(上)

AI要約 (β)
おじさんが若者に商売のやり方を教える話です。若者は二十歳になったので、商売を始めることになりました。おじさんは、トーナス(かぼちゃ)を売る方法を教え、特に大通りではなく裏通りで売るように指示します。若者は天秤を担いで大声で「カボチャーッ」と叫びながら売り歩きますが、ある人に「カボチャ」と呼ばれて喧嘩になりかけます。最終的にはその人がトーナスを買い、商売が成立します。
pid
3567933
date
1932-05
note
商品番号 : 70992, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 落語
year
1932
genre
落語
creators
柳家 小さん
duration
185
persName
柳家 小さん
publisher
ヒコーキ
おじさん、こんにちは。 お、来たか。 待ってた。 今日から商売をよたろう、教えてやるから。 お前ももう二十歳になったんだからな。 二十歳って何だい? 二十のことが二十歳よ。 ああ、三十がいたちか。 そんな年があるか。 遊んでちゃ、午前が食べられない。 何で飯を食うか知ってるか? ずらい知ってない。 箸と茶碗じゃねえ。 箸と茶碗で飯を食うのは決まってるよ。 だって、ライスカレーはシャジで食うぜ。 何を言ってるんだ。 トーナスが大変、今年はよくできたからな。 今年はかぼちゃのあたり年と言って、 トーナス売らしてやるからな、いいか。 で、籠へ糖ずつ入ってる。 いいか、勘定のしいように。 これが大きい方が八千だ、元でな。 小さい方が七千。 いいか、売るときはよく上見てな。 上手く売れよ。 元値は七千に八千だから。 上見るんだね。 それ分かったらそれが肝心だ。 それで大通りはいかねえ。 裏へ入って、何を言われても怒っちゃならないぞ。 向こうの言う通りになってなければ、 飽きないはないから、いいか。 財布を首にかけて、天秤を担いてみろ。 まずい担い方してやんな。 肩で担ごうと思うから重いんだ。 腰で担ぐんだ。 ああ、それとこの天秤棒を腰に貼り付けちまうのかい。 そんな性の高いのはないがよ。 腰で調子を取るんだ。 上手くやってこい、大きな声をしてな。 売れるときは上見るんだから、上手くやってこい。 カボチャーッと。 いやなもんだな、これ。 カボチャーッと。 大通りはいかないな。銀行屋なんかあるからな。 銀行じゃあんまりトーナース買わないから、 この裏へ入ろうかな。 大きな声をしてろ、天秤一つ。 カボチャーッと。 びっくりした。 何だよ、大きな声をしてやんて。 カボチャとは何だよ。 俺がカボチャって言われてるようで変じゃねえ。 俺の顔はカボチャに似てるか。 カボチャよりジャガイモに似てろ。 何を言ってやんて。 正面殴るぞ。 殴るぞ。 あ、そうかい。 いくつ殴る? さあ殴ってくれ。 おいおいおい。 頭持ってきちゃいけねえよ、困るな。 だって殴るっつって言ったじゃねえ。 何だよ、向こうの言う通りになってるてんだからさ、 殴って、それでこのトーナース買え。 大変な掛け合いだな、どうも。 だま、俺お前言い過ぎたか、悪かったか、勘弁しろ。 勘弁できねえから殴れ。 おいおいおい、勘弁できねえから殴れは困ったな。 トーナース売りに来たのかい。 トーナース屋でございって、この方がいいじゃん。 ああ、その通りでござい。 人の手間に合わせちゃいけねえ。 買ってもいいが、これはいくらだ。 大きいのが八千円、小さいのが七千円。 これ安いの? これ本場か? 本場だ。 どこだい? 分からない。 分からなくちゃいけねえ。 まあトーナースの本場だから山だな。 山だこれ。 箱根山で採れたんだ。 おい、三所の物じゃねえ。 品物は新しいかい。 新しいってもう今まで生きてたよ。 トーナースは生きてやしねえやな。 面白いこと言うな。 飽きねえ上手だな。 じゃあ大きいの二つ買うからな。 え? さあ、二十銭だ。 お釣りを出しな。 お釣りはないから二十銭に負けとか。 おいおい、上負けちゃいかねえ。 さあ、じゃあ十六銭。 細かいの出したよ。 二つ取ってよこしな。